| 【発明の名称】 |
平衡型発振器およびそれを用いた電子装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】佐藤 文俊 【住所又は居所】京都府長岡京市天神二丁目26番10号 株式会社村田製作所内
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| 【要約】 |
【課題】消費電流の低減を図り、さらに小型化をも同時に図ることができる平衡型発振器およびそれを用いた電子装置を提供する。
【解決手段】2つの出力を有する差動型発振回路2と、2つの入力に差動型発振回路2の2つの出力がそれぞれ接続された差動型増幅回路11とを備え、差動型発振回路11の直流電流経路と差動型増幅回路2の直流電流経路を直列に接続する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 2つの出力を有する差動型発振回路と、2つの入力を有するとともに該2つの入力に前記差動型発振回路の2つの出力がそれぞれ接続された差動型増幅回路とを備え、前記差動型発振回路の直流電流経路と前記差動型増幅回路の直流電流経路を直列に接続したことを特徴とする平衡型発振器。 【請求項2】 前記差動型発振回路および前記差動型増幅回路のいずれか一方が他方の定電流源として動作することを特徴とする、請求項1に記載の平衡型発振器。 【請求項3】 請求項1または2に記載の平衡型発振器を用いたことを特徴とする電子装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】 本発明は、平衡型発振器およびそれを用いた電子装置、例えば携帯電話用の局部発振器として用いられる平衡型の電圧制御発振器およびそれを用いた電子装置に関する。 【0002】 【従来の技術】 携帯電話機などの通信機には電圧制御発振器などの発振器が局部発振器として用いられる。近年、通信機内部の集積回路化が進むにつれて、信号経路のコモンモードノイズに強くなるなどの理由で平衡型の信号処理が採用されるようになり、それに伴って発振器においても平衡出力の得られる平衡型発振器が求められるようになってきている。 【0003】 図4に、従来の平衡型発振器の回路図を示す。図4において、平衡型発振器1は差動型発振回路2と差動型増幅回路3から構成されている。 【0004】 差動型発振回路2は、トランジスタQ1およびQ2、抵抗R1およびR2、コンデンサC1、C2およびC3、インダクタンス素子L1およびL2、バラクタダイオードVD1およびVD2、定電流源I1から構成されている。トランジスタQ1は、コレクタがインダクタンス素子L1を介して直流電源Vdcに接続され、ベースが抵抗R1を介してバイアス電源Vbに接続されている。トランジスタQ2は、コレクタがインダクタンス素子L2を介して直流電源Vdcに接続され、ベースが抵抗R2を介してバイアス電源Vbに接続されている。トランジスタQ1およびQ2のエミッタは互いに接続されるとともに定電流源I1を介してグランドに接続されている。トランジスタQ1のベースはコンデンサC1を介してトランジスタQ2のコレクタに接続され、逆にトランジスタQ2のベースはコンデンサC2を介してトランジスタQ1のコレクタに接続されている。トランジスタQ1とQ2のコレクタ同士はコンデンサC3を介して接続されている。さらに、トランジスタQ1のコレクタはバラクタダイオードVD1を介して制御電圧入力端子Vcに接続され、トランジスタQ2のコレクタもバラクタダイオードVD2を介して制御電圧入力端子Vcに接続されている。 【0005】 このように構成された差動型発振回路2においては、2つのトランジスタQ1およびQ2がコンデンサC1およびC2を介してたすきがけに接続されており、3つのコンデンサC1ないしC3の容量値、2つのインダクタンス素子L1およびL2のインダクタンス値、さらには2つのバラクタダイオードVD1およびVD2の容量値で決定される周波数で差動型発振を行う。差動型発振回路2の2つの出力は2つのトランジスタQ1、Q2のコレクタからそれぞれ出力される。なお、2つのバラクタダイオードVD1、VD2を備えていることから分かるように、差動型発振回路2は電圧制御発振回路であるが、この点については本発明の主要部ではないために説明を省略する。 【0006】 差動型増幅回路3は、トランジスタQ3およびQ4、定電流源I2から構成されている。トランジスタQ3は、コレクタが直流電源Vdcに接続され、エミッタが出力端子P1に接続され、ベースがトランジスタQ1のコレクタに接続されている。トランジスタQ4は、コレクタが直流電源Vdcに接続され、エミッタが出力端子P2に接続され、ベースがトランジスタQ2のコレクタに接続されている。トランジスタQ1およびQ2のエミッタは互いに接続されるとともに定電流源I1を介してグランドに接続されている。 【0007】 このように構成された差動型増幅回路3においては、差動型発振回路2の2つの差動出力信号を受けて差動増幅する。差動型増幅回路3の2つの出力は2つのトランジスタQ3、Q4のエミッタからそれぞれ出力端子P1、P2に出力される。 【0008】 【発明が解決しようとする課題】 ところで、従来の平衡型発振器1においては、差動型発振回路2と差動型増幅回路3が直流電源Vdcに対して並列かつ独立して存在するために、両者の駆動にそれぞれ電流が必要であり、低消費電流化を図ることが難しいという問題があった。 【0009】 本発明は上記の問題点を解決することを目的とするもので、消費電流の低減を図り、さらに小型化をも同時に図ることができる平衡型発振器およびそれを用いた電子装置を提供する。 【0010】 【課題を解決するための手段】 上記目的を達成するために、本発明の平衡型発振器は、2つの出力を有する差動型発振回路と、2つの入力を有するとともに該2つの入力に前記差動型発振回路の2つの出力がそれぞれ接続された差動型増幅回路とを備え、前記差動型発振回路の直流電流経路と前記差動型増幅回路の直流電流経路を直列に接続したことを特徴とする。 【0011】 さらに、前記差動型発振回路および前記差動型増幅回路のいずれか一方が他方の定電流源として動作することを特徴とする。 【0012】 また、本発明の電子装置は、上記の平衡型発振器を用いたことを特徴とする。 【0013】 このように構成することにより、本発明の平衡型発振器およびそれを用いた電子装置においては、消費電流の低減と小型化を図ることができる。 【0014】 【発明の実施の形態】 図1に、本発明の平衡型発振器の一実施例の回路図を示す。図1において、図4と同一もしくは同等の部分には同じ記号を付し、その説明を省略する。 【0015】 図1において、平衡型発振器10は、差動型発振回路2と差動型増幅回路11を備えている。差動型発振回路2の構成は、2つのインダクタンス素子L1およびL2がそれぞれ直流電源Vdcに接続されなくなった点と2つの出力の接続先が変わった点を除けば、従来の平衡型発振器1の場合と基本的に同じである。 【0016】 差動型増幅回路11は、トランジスタQ3およびQ4、インダクタンス素子L3およびL4、抵抗R3およびR4、コンデンサC4およびC5から構成されている。トランジスタQ3は、コレクタが出力端子P1に接続されるとともにインダクタンス素子L3を介して直流電源Vdcに接続され、ベースが抵抗R3を介してバイアス電源Vb2に接続されるとともにコンデンサC4を介してトランジスタQ1のコレクタに接続されている。トランジスタQ4は、コレクタが出力端子P2に接続されるとともにインダクタンス素子L4を介して直流電源Vdcに接続され、ベースが抵抗R4を介してバイアス電源Vb2に接続されるとともにコンデンサC5を介してトランジスタQ2のコレクタに接続されている。トランジスタQ1およびQ2のエミッタは互いに接続されるとともに差動型発振回路2の2つのインダクタンス素子L1およびL2のそれぞれ接続されている。 【0017】 このように構成された平衡型発振器10においては、差動型増幅回路11の2つのトランジスタQ3、Q4を通った直流電流が一旦合成され、次に差動型発振回路2の2つのトランジスタQ1、Q2をそれぞれ通ってグランドに流れている。すなわち、差動型増幅回路11の直流電流経路と差動型発振回路2の直流電流経路が直列(カスケード)接続されていることになる。そのため、従来の平衡型発振器1のように差動型発振回路と差動型増幅回路の両者の駆動にそれぞれ電流が必要になるということがなくなり、消費電流の低減を図ることができる。 【0018】 また、通常の差動型増幅回路においては、例えば図4における差動型増幅回路3のように、2つのトランジスタQ3およびQ4のエミッタ同士の接続点とグランドとの間に定電流源I2を必要とするが、本発明の平衡型発振器10における差動型増幅回路11においては、この定電流源を備えていない。これは、カスケード接続された差動型発振回路2が、実質的に差動型増幅回路11の定電流源の役割を果たしているからである。このように本発明の平衡型発振器10においては、差動型増幅回路11と差動型発振回路2をカスケード接続することによって、差動型増幅回路11において定電流源を省略することができる。そして、これによって回路規模が小さくなるため、平衡型発振器10自身の小型化を図ることもできる。 【0019】 図2に、本発明の平衡型発振器の別の実施例の回路図を示す。図2において、図1と同一もしくは同等の部分には同じ記号を付し、その説明を省略する。 【0020】 図2に示した平衡型発振器20は、差動型発振回路21と差動型増幅回路22から構成されており、差動型発振回路21と差動型増幅回路22はこの順で直流電流経路がカスケード接続されている。 【0021】 このうち、差動型発振回路21は、定電流源I1が無い点と、2つのインダクタンス素子L1およびL2がそれぞれ直流電源Vdcに接続された点を除けば平衡型発振器10における差動型発振回路2の場合と基本的に同じである。また、差動型増幅回路22は、2つのインダクタンス素子L3およびL4がそれぞれ直流電源Vdcに接続されなくなった点と、2つのトランジスタQ3およびQ4のエミッタ同士の接続点が定電流源I3を介してグランドに接続された点を除けば平衡型発振器10における差動型増幅回路11の場合と基本的に同じである。したがって、平衡型発振器20は、実質的に平衡型発振器10における差動型発振回路の主要部と差動型増幅回路の主要部のカスケード接続の順番が逆になったものである。 【0022】 このように構成された平衡型発振器20においても、その動作は平衡型発振器10の場合と基本的に同じであり、ほぼ同様の作用効果を奏することができる。また、平衡型発振器20においても、差動型増幅回路22に定電流源I3が増えた分だけ差動型発振回路21からは定電流源がなくなっており、カスケード接続された差動型増幅回路22が、実質的に差動型発振回路21の定電流源の役割を果たしている。したがって、回路規模を小さくして小型化できるという効果も同様に存在している。 【0023】 このように、本発明の平衡型発振器においては、差動型発振回路と差動型増幅回路のカスケード接続の順序はいずれかに限定されるものではない。 【0024】 なお、平衡型発振器10、20においては定電流源を1つ省略しているが、これを省略せずに差動型発振回路と差動型増幅回路の間に定電流源を設けても構わないもので、この場合でも小型化のメリットはなくなるが消費電流を低減する効果は残る。 【0025】 また、平衡型発振器10、20においては能動素子としてトランジスタを用いているが、能動素子としてはFETなどの別の素子を用いても構わないもので、トランジスタを用いる場合と同様の作用効果を奏するものである。 【0026】 図3に、本発明の電子装置の一実施例の斜視図を示す。図3において、電子装置の1つである携帯電話30は、筐体31と、その中に配置されたプリント基板32と、プリント基板32上に実装された本発明の平衡型発振器10を備えている。 【0027】 このように構成された携帯電話30においては、本発明の平衡型発振器10を用いているため、低消費電流化と小型化を図ることができる。 【0028】 なお、図3においては電子装置として携帯電話を示したが、電子装置としては携帯電話に限るものではなく、本発明の平衡型発振器を用いたものであれば何でも構わないものである。 【0029】 【発明の効果】 本発明の平衡型発振器によれば、2つの出力を有する差動型発振回路と、2つの入力を有するとともに、その2つの入力に差動型発振回路の2つの出力がそれぞれ接続された差動型増幅回路とを備え、差動型発振回路の直流電流経路と差動型増幅回路の直流電流経路を直列に接続することによって、消費電流の低減を図ることができる。 【0030】 また、差動型発振回路および差動型増幅回路のいずれか一方が他方の定電流源として動作するように構成することによって、回路規模を小さくして小型化を図ることができる。 【0031】 また、本発明の電子装置によれば、本発明の平衡型発振器を用いることによって、低消費電流化と小型化を図ることができる。 【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の平衡型発振器の一実施例を示す回路図である。 【図2】本発明の平衡型発振器の別の実施例を示す回路図である。 【図3】本発明の電子装置の一実施例を示す斜視図である。 【図4】従来の平衡型発振器を示す回路図である。 【符号の説明】 2、21…差動型発振回路 10、20…平衡型発振器 11、22…差動型増幅回路 Q1〜Q4…トランジスタ L1〜L4…インダクタンス素子 R1〜R4…抵抗 C1〜C5…コンデンサ VD1、VD2…バラクタダイオード I1、I3…定電流源 30…携帯電話
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| 【出願人】 |
【識別番号】000006231 【氏名又は名称】株式会社村田製作所 【住所又は居所】京都府長岡京市天神二丁目26番10号
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| 【出願日】 |
平成14年6月18日(2002.6.18) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2004−23570(P2004−23570A) |
| 【公開日】 |
平成16年1月22日(2004.1.22) |
| 【出願番号】 |
特願2002−177718(P2002−177718) |
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