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【発明の名称】 温度補償水晶発振器
【発明者】 【氏名】田中 啓勝
【住所又は居所】埼玉県狭山市大字上広瀬1275番地の2            日本電波工業株式会社狭山事業所内

【氏名】新井 政昭
【住所又は居所】埼玉県狭山市大字上広瀬1275番地の2            日本電波工業株式会社狭山事業所内

【要約】 【課題】

【解決手段】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水晶発振器の周波数温度特性をサーミスタとコンデンサからなる温度補償回路によって補償し、コンデンサからなる周波数調整回路によって発振周波数を調整してなる温度補償水晶発振器において、少なくとも水晶片と発振回路を構成するICチップとを表面実装容器内に収容した水晶発振器と、前記温度補償回路と、周波数調整回路とを構成する素子のみを、表面実装用の実装基板に搭載してなる温度補償水晶発振器。
【請求項2】
前記表面実装容器内にはAFC入力回路が収容された請求項1の温度補償水晶発振器
【請求項3】
前記表面実装容器内には電源とアース間のバイパスコンデンサ及び出力側に設けられた結合コンデンサが収容された請求項1の温度補償水晶発振器。
【請求項4】
前記表面実装発振器には、AFC入力回路と、電源とアース間のバイパスコンデンサ及び出力側に設けられた結合コンデンサとが収容された請求項1の温度補償水晶発振器。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は表面実装用の温度補償水晶発振器(以下、温度補償発振器とする)を産業上の技術分野とし、特に感温素子とコンデンサからなる直接法の温度補償回路を用いた温度補償発振器に関する。
【0002】
【従来の技術】
(発明の背景)表面実装用の温度補償発振器は小型・軽量であることから、特に、携帯電話等の動的環境下で使用される通信機器の周波数源として使用される。このようなものの一つに、感温素子例えば温度上昇とともに抵抗値の小さくなるサーミスタとコンデンサからなる直接法の温度補償回路を用いた温度補償発振器がある。
【0003】
(従来技術の一例)第5図乃至第8図は一従来例を説明する図で、第5図は温度補償発振器の回路図、第6図(a)は平面図、同図(b)は断面図、第7図は水晶振動子1の断面図、第8図は温度補償回路4の図である。
温度補償発振器は、水晶振動子1、発振回路2、周波数調整回路3、温度補償回路4及びAFC入力回路5からなり、これらを表面実装用の実装電極6を有する実装基板7に搭載してなる。水晶振動子1は容器本体8と水晶片9とからなる。容器本体8は凹状として積層セラミックからなり、凹部底面に水晶接続端子10を、これに接続した表面実装用の実装端子11を外底面及び側面に有する。水晶片9は両主面に図示しない励振電極を有し、一端部両側に引出電極を延出する。そして、凹部底面の水晶接続端子10に導電性接着剤12等によって一端部両側を固着される。なお、容器本体8の開口面には例えば金属カバー13がシーム溶接等によって接合され、水晶片9を密閉封入する。
【0004】
発振回路2は水晶振動子1の一端側に接続し、水晶振動子1と共振回路を形成する図示しない分割コンデンサ、共振回路に接続して帰還増幅する発振用増幅器及びバイアス抵抗等を集積化したICからなる。図中の符号14は電源アース間のバイパスコンデンサ、15は次段との結合コンデンサ、Vccは電源、Voutは出力である。周波数調整回路3は一端側を水晶振動子1の他端側に接続し、例えば粗調整用と微調整用としたコンデンサ16の並列回路からなる。なお、各コンデンサはいずれもチップコンデンサからなる。
【0005】
温度補償回路4は一端側を周波数調整回路3の他端側に接続し、常温を基準とした高温部と低温部の補償回路4(ab)からなる。高温部及び低温部補償回路は、いずれもサーミスタ17とコンデンサ18の並列回路からなり、温度に依存した抵抗値の変化によって端子間の容量(等価直列容量)が変化することを利用する。通常では、サーミスタ17の常温抵抗値等を調整する抵抗19を、高温部補償回路4aは直列に、低温部補償回路4bは並列に接続する。
【0006】
AFC入力回路5は一端側を温度補償回路4の他端側に、他端側をアース電位に接続し、電圧可変容量ダイオード20、分圧抵抗21及びコンデンサ22の並列回路からなる。そして、高周波阻止抵抗23を経て、並列回路の他端側にAFC電圧Vfを印加される。なお、AFC電圧Vfによる電圧可変容量ダイオード20の容量変化によって発振周波数が変化して制御される。また、分圧抵抗21はAFC電圧Vfを、コンデンサ22は電圧可変容量ダイオード20の基準容量値を制御する。
【0007】
このような温度補償発振器では、例えば能動素子を用いて周囲温度に依存した温度補償電圧を生成し、これを電圧可変容量ダイオードに印加する1チップICで構成した所謂間接法に比較して、温度補償回路4は受動素子からなるため、消費電力が小さく、位相雑音特性を良好にする利点がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
(従来技術の問題点)しかしながら、上記構成の温度補償発振器では、基本的にディスクリート部品から構成され、特にサーミスタ17及びコンデンサ18からなる温度補償回路4を集積化できないため、1チップIC化による間接法に比較して特に平面外形の小型化を阻害する問題があった。
【0009】
(発明の目的)本発明は、直接法とした温度補償回路を用いて特に平面外形の小型化を促進する温度補償発振器を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、発振回路としてのICをチップ化して少なくとも水晶片とともに表面実装容器24内に収容して、表面実装用の実装基板に搭載する。そして、水晶発振器の特性に応じて調整の必要がある温度補償回路と周波数調整回路のみを基板上に搭載し、それ以外は表面実装容器24の容器本体内に収容することを基本的な解決手段とする。以下、本発明の一実施例を説明する。
【0011】
【実施例】
第1図は本発明の一実施例を説明する温度補償水晶発振器の図である。なお、前従来例と同一部分には同番号を付与してその説明は簡略又は省略する。
温度補償発振器は、前述したように水晶振動子1、発振回路2、周波数調整回路3、温度補償回路4及びAFC入力回路5からなり、これらを実装基板7に搭載してなる。そして、この実施例では、水晶発振器を構成する表面実装容器24に、水晶振動子1を形成する水晶片9と、発振回路2と、AFC入力回路5を収容して、実装基板7の例えば右半分側に搭載する。周波数調整回路3としての粗調と微調用のコンデンサと、温度補償回路4としての高温部及び低温部用の各サーミスタ17、コンデンサ及び抵抗は実装基板7上の左半分側に直接に、搭載される。
【0012】
表面実装容器24は積層セラミックからなり、段部を有する凹状とした容器本体8からなる。そして、発振回路2を集積化したICチップ25と、AFC入力回路5としての電圧可変容量素子20、分圧抵抗21及びコンデンサ22と、さらにここでは電源・アース間のバイパスコンデンサ14及び出力側の結合コンデンサ15と凹部底面に固着する。ICチップ25は例えば図示しないバンプを用いた超音波熱圧着によって、その他は導電性接着剤12によって固着される。
【0013】
水晶片9は凹部内の水晶端子10の形成された段部に、引出電極の延出した一端部両側が導電性接着剤12によって固着される。そして、各素子を収容後、金属カバー13をシーム溶接等によって被せられ、密閉封入する。なお、容器本体8の底面には電源、出力、アース、AFC及び周波数調整回路3に接続する一方の水晶接続端子10を有する。また、表面実装容器24のカバーにはシールド金属板26が半田27等によって接合される。
【0014】
このようなものでは、水晶発振器を構成する表面実装容器24を実装基板7に搭載後、個々に水晶発振器の周波数温度特性を測定する。そして、測定後に、周波数温度特性を規格内に満足する素子値としたサーミスタ17、コンデンサ18及び抵抗19を実装基板7に搭載する。さらに、常温時の発振周波数が公称周波数となる粗調及び微調のコンデンサ16を搭載する。
【0015】
このような構成であれば、温度補償回路4及び周波数調整回路3以外の、調整を要しないICチップ25に集積された発振回路2、AFC回路5、バイパスコンデンサ14及び結合コンデンサ15を水晶片9とともに表面実装容器24に収容したので、間接法とした温度補償水晶発振器の特に平面外形の小型化を促進できる。
【0016】
上記実施例では、表面実装容器24の容器本体8は一主面側のみに凹部を有するとしたが、例えば第3図に示したようにしてもよい。すなわち、他主面側にも凹部を設けて、例えば一主面側の凹部には水晶片9とICチップ25とを、他主面側の凹部にはAFC回路、バイパスコンデンサ及び結合コンデンサを収容してもよい。これにより、さらなる小型化を計れる。
【0017】
また、表面実装容器24には、AFC回路、バイパスコンデンサ及び結合コンデンサを収容したが、必要に応じて排除でき、少なくとも水晶片9とICチップ25とが収容されれば温度補償水晶発振器を構成できる。
【0018】
また、温度補償回路4は高温部と低温部の補償回路を直列接続したが、例えば第4図に示したようにコンデンサを共用して高温用と低温用に機能する調整抵抗を含むサーミスタ17を並列接続してもよい。符号28は調整用のコンデンサである。
【0019】
【発明の効果】
本発明は、発振回路2としてのICをチップ化して少なくとも水晶片9とともに表面実装容器24内に収容して、表面実装用の実装基板7に搭載する。そして、水晶発振器の特性に応じて調整の必要がある温度補償回路4と周波数調整回路3のみを基板上に搭載し、それ以外は表面実装容器24の容器本体8内に収容する。したがって、直接法とした温度補償回路4を用いて特に平面外形の小型化を促進する温度補償発振器を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を説明する温度補償水晶発振器の図で、同図(a)はシールド金属板を除く平面図、同図(b)は側面図である。
【図2】本発明の一実施例に適用される水晶発振器の断面図である。
【図3】本発明の一実施例に適用される他の水晶発振器の図である。
【図4】本発明の一実施例に適用される他の温度補償回路の図である。
【図5】従来例を説明する温度補償水晶発振器のブロック図である。
【図6】従来例を説明する温度補償水晶発振器の図である。
【図7】従来例を説明する水晶振動子の断面図である。
【図8】従来例を説明する温度補償回路の図である。
【符号の説明】
1 水晶振動子、2 発振回路、3 周波数調整回路、4 温度補償回路、5AFC入力回路、6 実装電極、7 実装基板、8 容器本体、9 水晶片、10 水晶端子、11 実装端子、12 導電性接着剤、13 金属カバー、14 バイパスコンデンサ、15 結合コンデンサ、16、18、22、28 コンデンサ、17 サーミスタ、19、21、23 抵抗、20 電圧可変容量ダイオード、24 表面実装容器、25 ICチップ、26 シールド金属板、27 半田.
【出願人】 【識別番号】000232483
【氏名又は名称】日本電波工業株式会社
【住所又は居所】東京都渋谷区西原1丁目21番2号
【出願日】 平成14年6月12日(2002.6.12)
【代理人】
【公開番号】 特開2004−23189(P2004−23189A)
【公開日】 平成16年1月22日(2004.1.22)
【出願番号】 特願2002−171969(P2002−171969)