| 【発明の名称】 |
2出力型水晶発振器 |
| 【発明者】 |
【氏名】石川 匡亨 【住所又は居所】神奈川県高座郡寒川町小谷二丁目1番1号 東洋通信機株式会社内
【氏名】工藤 昭 【住所又は居所】神奈川県高座郡寒川町小谷二丁目1番1号 東洋通信機株式会社内
【氏名】老沼 雄一 【住所又は居所】神奈川県高座郡寒川町小谷二丁目1番1号 東洋通信機株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】本発明は2出力型のTCXOにおいて前記TCXOのバッファ回路が電力を消費する問題点を解決し、前記TCXOがCMOSインバータバッファ回路を備えると共に、該バッファ回路の周波数特性及び起動特性を最適化したので、周波数特性及び起動特性に優れ省電力できる2出力型TCXOを提供することを目的とする。
【解決手段】アナログ信号をデジタル信号に変換するCMOSインバータを備えた2出力型水晶発振器であって、前記CMOSインバータの入力に直列接続した第1の抵抗を100Ω〜1kΩとし、CMOSインバータの入出力間に接続した第2の抵抗を500kΩ〜1MΩとし、前記第1の抵抗に直列接続したコンデンサの容量値を100pF〜1000pFとしたことを特徴とする2出力型水晶発振器。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 水晶発振回路部と、前記水晶発振回路部が出力するアナログ信号をデジタル信号に変換するバッファ回路とを備えた2出力型水晶発振器であって、前記バッファ回路がCMOSインバータと、前記CMOSインバータの入力に直列接続した第1の抵抗と、前記CMOSインバータの入出力間に並列接続した第2の抵抗と、前記第1の抵抗と前記水晶発振回路部のアナログ信号出力との間に挿入したコンデンサとを備え、前記第1の抵抗の抵抗値を100Ω〜1kΩとし、前記第2の抵抗の抵抗値を500kΩ〜1MΩとし、前記コンデンサの容量値を100pF〜1000pFとしたことを特徴とする2出力型水晶発振器。 【請求項2】 水晶発振回路部と、前記水晶発振回路部が出力するアナログ信号をデジタル信号に変換するバッファ回路とを備えた二出力型水晶発振器であって、前記バッファ回路がCMOSインバータと、前記CMOSインバータの入力に直列接続した第1の抵抗と、前記CMOSインバータの入出力間に並列接続した第2の抵抗と、前記第1の抵抗と前記水晶発振回路部のアナログ信号出力との間に挿入したコンデンサとを備え、前記第1の抵抗の抵抗値を1kΩとし、前記第2の抵抗値を500kΩとし、前記コンデンサの容量値を1000pFとしたことを特徴とする2出力型水晶発振器。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】 本発明は、水晶発振器、特にアナログ信号と共にデジタル信号を出力する2出力タイプの温度補償型水晶発振器に関する。 【0002】 【従来の技術】 携帯端末等を始めとする無線機器は一般的に内部に基準信号源を有している。携帯電話端末を例に挙げると、RF回路用のアナログ基準信号及びデジタル回路用の基準クロックがこれに相当する。そして、このアナログ基準信号及び基準クロックの信号源としては一つの温度補償型水晶発振器(TCXO)で兼用することが多い。 【0003】 例えばTCXOの出力波形が正弦波に近いアナログ信号の場合、これをRF回路のアナログ基準信号として供給する一方、アナログ信号をバッファ回路を通してデジタル信号に変換し、デジタル回路の基準クロックとして供給している。 近年、小型化の要求から前記バッファ回路を内蔵し、アナログ基準信号及び基準クロックのいずれも出力する2出力型TCXOが供給されるようになってきた。 【0004】 図7は従来の2出力型TCXOのブロック図を示したものである。 図7に示すように従来の2出力型TCXOは、温度補償回路を有し温度変動が生じても安定した周波数のアナログ信号を出力するTCXO部1と、抵抗R1と抵抗R2とトランジスタTrとを有し前記アナログ信号をデジタル信号に変換するバッファ回路2とを備えた構成となっている。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】 しかしながら、この従来例はバッファ回路2においてトランジスタを使っているため消費電流が大きく省電力化の要求に応えることができなかった。 本発明は上記問題点を解決するためになされたものであって、省電力に優れた2出力型TCXOを提供することを目的とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】 上記目的を解決する為に、本発明に係わる2出力型水晶発振器の請求項1記載の発明は、水晶発振回路部と、前記水晶発振回路部が出力するアナログ信号をデジタル信号に変換するバッファ回路とを備えた2出力型水晶発振器であって、前記バッファ回路がCMOSインバータと、前記CMOSインバータの入力に直列接続した第1の抵抗と、前記CMOSインバータの入出力間に並列接続した第2の抵抗と、前記第1の抵抗と前記水晶発振回路部のアナログ信号出力との間に挿入したコンデンサとを備え、前記第1の抵抗の抵抗値を100Ω〜1kΩとし、前記第2の抵抗の抵抗値を500kΩ〜1MΩとし、前記コンデンサの容量値を100pF〜1000pFとしたものである。 【0007】 本発明に係わる2出力型水晶発振器の請求項2記載の発明は、水晶発振回路部と、前記水晶発振回路部が出力するアナログ信号をデジタル信号に変換するバッファ回路とを備えた2出力型水晶発振器であって、前記バッファ回路がCMOSインバータと、前記CMOSインバータの入力に直列接続した第1の抵抗と、前記CMOSインバータの入出力間に並列接続した第2の抵抗と、前記第1の抵抗と前記水晶発振回路部のアナログ信号出力との間に挿入したコンデンサとを備え、前記第1の抵抗の抵抗値を1kΩとし、前記第2の抵抗値を500kΩとし、前記コンデンサの容量値を1000pFとしたものである。 【0008】 【発明の実施の形態】 以下、図示した実施例に基づいて本発明を詳細に説明する。 図1は本発明に係わる2出力型TCXOのブロック図を示したものである。図1に示した2出力型TCXOは、温度補償回路を有し温度変動が生じても安定した周波数のアナログ信号を出力するTCXO部1と、前記アナログ信号をデジタル信号に変換するバッファ回路3とで構成されている。 【0009】 さらに前記バッファ回路3は、前記TCXO部1の出力に一端が接続されているコンデンサC1と、CMOSインバータ4と、前記コンデンサC1と前記CMOSインバータ4の入力との間に直列接続された抵抗R1と、前記CMOSインバータ4の入出力間に並列接続された抵抗R2とを備えている。 【0010】 ここで、図1に示すバッファ回路3の動作について説明する。 抵抗R2によってCMOSインバータ4に負帰還をかけると、CMOSインバータ4は利得G=R2/R1の増幅器として作動することが知られている。よって、CMOSインバータ4はTCXO部1からコンデンサC1を介してアナログ信号が供給されると、これをG=R2/R1で決定される利得に応じて増幅する。 【0011】 ここで、前記利得を十分大きくすると、CMOSインバータ4に入力されたアナログ信号(正弦波)はCMOSインバータ出力において飽和し方形波として出力される。よって、これをデジタル信号出力として供給することができる。 なお、バッファ回路3のコンデンサC1は直流防止用であって、CMOSインバータ4に抵抗R2によって帰還をかけたとき、CMOSインバータ4の入力に重畳される直流電圧が抵抗R1を介してTCXO部1のアナログ信号出力へ影響しないようにしている。 【0012】 また、受動素子C1、R1、R2の定数については、以下の観点を十分考慮した上で決定しなければならない。すなわち、周波数特性の観点から言えば、CMOSインバータ4の入力には入力容量Cinが存在する。このため、抵抗R1と入力容量Cinによってローパスフィルタを形成し、これがバッファ回路として使える上限周波数を制限してしまう。 【0013】 一方、起動特性の観点から言えば、電源投入後に抵抗R2を介してCMOSインバータ4の出力から入力へ直流電圧が印加されるに伴い、抵抗R1とコンデンサC1による充電特性によってCMOSインバータ4の入力にかかる電圧(バイアス電圧)は序々に立ち上がり、電源電圧の約1/2のところで安定する。 従って、CMOSインバータ4の入力のバイアス電圧が安定するまでは、デジタル信号出力としてパルスデューティ比が変動する等、出力が不安定な状態となるので起動特性も十分考慮しなければならない。 【0014】 また、アイソレーション特性の観点から言うと、デジタル信号出力がアナログ信号出力へ影響を与えないように抵抗R1の値を大きくするように考慮しなければならない。さらに各特性毎に最適値を求めても、所望の各特性が複雑に影響し合うため、全ての特性を考慮した最適値を得るのが困難であった。 本発明者らは起動特性及び周波数特性を最適化したバッファ回路が実現し得ることを初めて見出したのである。 【0015】 図1においてTCXO部1のアナログ出力電圧を1Vp−pとして、周波数特性及び起動特性をシミュレーションした。以下その結果について説明する。 図2はバッファ回路3において、CMOSインバータ4の入力容量Cinと抵抗R1で形成されるローパスフィルタの周波数特性をシミュレーションした結果を示したものである。なお、入力容量Cinとしては5pFを一般的な値として設定した。図2のシミュレーション結果が示すように、使用周波数を10MHz〜30MHzにするとR1を1kΩ以下に設定することが望ましいことが分かった。 ここで、アイソレーション特性を考慮するとR1は大きくするのが望ましいのでR1=1kΩが最適値といえる。 【0016】 次に、バッファ回路3の利得特性のシミュレーション結果について説明する。図3はバッファ回路3において、CMOSインバータ4の入出力特性(利得特性)についてシミュレーションした結果を示したものである。 シミュレーション回路を図4に示す。なお、シミュレーション条件としては、R1=1kΩ、C1=1nF(1000pF)とし、R2の抵抗値を1kΩ〜1MΩまで変化させた設定としている。 【0017】 図3に示したシミュレーション結果と、携帯電話に用いるTCXOの一般的な発振周波数10〜30MHzにおいて利得を十分確保することを考慮すると、R2は100kΩ以上にすることが望ましいことが分かった。 【0018】 次にバッファ回路3の起動特性についてシミュレーションした結果を説明する。 図4はシミュレーションに用いた回路を示すブロック図であり、図5に起動特性のシミュレーション結果を示す。シミュレーション条件はVs=1Vp−p、R1=1kΩ、R2=1MΩとし、C1の値を10pF〜1nF(1000pF)まで変化させた場合を設定している。 【0019】 図5において、(a)はCMOSインバータ4における入力バイアス電圧Vaの電源起動時の変化を示したものであり、(b)はそのときのCMOSインバータ4の出力信号(デジタル信号出力)の変化を示したものである。 シミュレーション結果から、C1=1nF(1000pF)にすると入力バイアス電圧Vaは電源が起動してから約1.5msecで安定することを確認した。 ここで、CMOSインバータ4の電源電圧は3.3Vに設定しているので前記入力バイアス電圧Vaは電源電圧の約1/2の電圧(約1.6V)で安定する。 【0020】 一方、携帯端末の例では省電力を図る目的で、起動時間の短縮化が要求されている。(要求値は一般的に2mec以下) よって、図5のシミュレーション結果においても前記要求を満足できるが、起動時間に設計マージンを持たせるため、R2の値を500kΩとした例についてシミュレーションした。図6にその結果を示す。 【0021】 図6のシミュレーション結果が示すように、C1=1nFとしたときのCMOSインバータ4の入力バイアス電圧Vaの起動時間が約1.5msecから約0.7msecに短縮され、それに伴いCMOSインバータ4のデジタル出力信号の起動時間も短縮されることが確認された。 【0022】 以上、図2〜図6で示した全てのシミュレーション結果を総合すると、R1=100Ω〜1kΩ、R2=500kΩ〜1MΩ、C1=100pF〜1nFの範囲内で各定数を選択すれば良いことが分かった。なお、E24系列で定数を選択する場合、R1=1kΩ、R2=510kΩ、C1=1nFの組み合わせが最も望ましいが、R2を直列接続(300kΩ+200kΩ等)、或いは並列接続(1MΩ//1MΩ)で構成してもよい。 【0023】 以上説明した本発明の実施例においては、バッファ回路にCMOSインバータを用いる構成としたが、本発明にあってはこれに限らず、NAND型のCMOSをインバータとして用いた構成であってもよいし、あるいはNOR型のCMOSであってもよい。使用する周波数に応じて入力容量の最も小さいCMOSを選択するとよいであろう。また、本発明はTCXOに限定するものではなく、どのような水晶発振器でも2出力型水晶発振器とすることが可能である。 【0024】 【発明の効果】 本発明は2出力型のTCXOにおいて、前記TCXOがCMOSインバータバッファ回路を備えると共に、該バッファ回路の周波数特性及び起動特性を最適化したので、省電力に優れた2出力型TCXOを提供する上で著効を奏す。 【0025】 【図面の簡単な説明】 【図1】本発明に係る2出力型水晶発振器の実施例を示したブロック図 【図2】CMOSバッファ回路の入力周波数特性のシミュレーション結果 【図3】CMOSインバータの利得特性のシミュレーション結果 【図4】CMOSバッファ回路のシミュレーション回路 【図5】CMOSバッファ回路の起動特性のシミュレーション結果 【図6】CMOSバッファ回路の起動特性のシミュレーション結果 【図7】従来の2出力型水晶発振器のブロック図 【符号の説明】 1…TCXO部 2、3…バッファ回路 4…CMOSインバータ C1…コンデンサ R1、R2…抵抗 Tr…トランジスタ
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| 【出願人】 |
【識別番号】000003104 【氏名又は名称】東洋通信機株式会社 【住所又は居所】神奈川県川崎市幸区塚越三丁目484番地
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| 【出願日】 |
平成14年5月30日(2002.5.30) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2004−7036(P2004−7036A) |
| 【公開日】 |
平成16年1月8日(2004.1.8) |
| 【出願番号】 |
特願2002−157212(P2002−157212) |
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