| 【発明の名称】 |
成形ワイヤハーネスおよび金型構造 |
| 【発明者】 |
【氏名】茨木 正人 【住所又は居所】三重県四日市市西末広町1番14号 住友電装株式会社内
|
| 【要約】 |
【課題】成形ワイヤハーネスの断面を四角形状とすることにより、ボデーに沿わせたときに回転しにくく位置決め保持のしやすいワイヤハーネスとする。
【解決手段】多数の電線が集中分岐部から複数の支線に分岐し、これら支線の端末のコネクタの近傍を除いて成形用金型の溝内に電線群を挿入して配索形態に樹脂モールドで成形しているワイヤハーネスであって、所要箇所の樹脂被覆層を断面四角形状とし、この樹脂被覆層に、対向する2辺に長さ方向に間隔をあけて垂直方向の細溝を対向して凹設すると共に、これら2辺と直交方向の2辺に長さ方向に間隔をあけて水平方向の細溝を対向して凹設し、かつ、上記垂直方向の細溝と水平方向の細溝とを長さ方向に交互に設け、これら4辺に設けられる細溝の溝深さを浅くして、これら細溝に囲まれる樹脂被覆層の中央位置に上記電線群を埋設している。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 多数の電線が集中分岐部から所要方向に分岐し、これら分岐された電線の端末にコネクタが接続され、該コネクタ接続部の近傍を除き、電線群が配索形態となるように樹脂でモールドされている成形ワイヤハーネスであって、 上記分岐した電線を樹脂でモールドしている支線の少なくとも一部を所要領域に亙って、断面四角形状とし、上記支線の他部は断面略円形としていることを特徴とする成形ワイヤハーネス。 【請求項2】 上記断面四角形状は大略断面正方形とし、その断面中央部に上記電線群を埋設している一方、上記断面略円形部分では該樹脂被覆層の外周を螺旋状の凹凸あるいは凹部と凸部が長さ方向に交互に連続するコルゲート形状としている請求項1に記載の成形ワイヤハーネス。 【請求項3】 上記断面四角形状の樹脂被覆層には、対向する2辺に長さ方向に間隔をあけて垂直方向の細溝を対向して凹設すると共に、これら2辺と直交方向の2辺に長さ方向に間隔をあけて水平方向の細溝を対向して凹設し、かつ、上記垂直方向の細溝と水平方向の細溝とを長さ方向に交互に設け、これら4辺に設けられる細溝の溝深さを浅くして、これら細溝に囲まれる樹脂被覆層の中央位置に上記電線群を埋設している請求項1または請求項2に記載の成形ワイヤハーネス。 【請求項4】 上記細溝は断面V形状あるいは断面U形状とし、長さ方向に2cm〜3cmの間隔をあけて設けている請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の成形ワイヤハーネス。 【請求項5】 上記各辺に設ける細溝は、各辺の幅全体に設けずに部分的に設けている請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の成形ワイヤハーネス。 【請求項6】 請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の成形ワイヤハーネスを成形するための金型であって、 上下一対の金型に設けた支線用電線の挿入溝は、その一部を断面四角形状とすると共に、他の部分は断面半円形状とし、かつ、 下型の底面および上型の上面より長さ方向に間隔をあけて突起を溝内部に対向させて突設していると共に、下型の側面上端あるいは上型の側面下端より突起を対向させて突出させ、これら突起により上記断面四角形状の樹脂被覆層に長さ方向に間隔をあけて上記垂直方向の細溝と水平方向の細溝を形成する構成としている成形ワイヤハーネスの金型構造。 【請求項7】 上記突起は幅方向の中央部はあけて両側部に設け、あるいは、幅方向の両側部はあけて中央部に設け、これら突起を設けていない部分を樹脂通路としている請求項6に記載の成形ワイヤハーネスの金型構造。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明が属する技術分野】 本発明は、成形ワイヤハーネスおよびその金型構造に関し、詳しくは、自動車に配索するワイヤハーネスの全体を樹脂モールドして成形ワイヤハーネスとしているものである。 【0002】 【従来の技術】 従来、自動車に配索するワイヤハーネスは、ワイヤハーネス組立作業台上で電線布線治具に沿って電線群を布線し、その後、布線された電線群をテープ巻きして結束し、さらに、所要箇所に車体取付用のクランプ等をバンドあるいはテープ巻して取り付けたり、所要の区間にプロテクタを取り付けている。 【0003】 上記のように組み立てられるワイヤハーネスは、作業工数が非常に多くなると共に、ワイヤハーネスの組み立て終了後に作業台から取り外した段階で支線の分岐方向が配索方向に規制されない等の問題がある。特に、車体取付用のクランプは各支線を所要の配索位置に保持するため多数取り付けられており、よって、クランプの取付に手数がかかる問題がある。さらに、テープ巻きの場合は位置ずれが生じやすく、また、バンドで取り付ける場合には回転が生じて所要方向の向きにならない問題がある。 【0004】 上記したテープ巻き結束してワイヤハーネスを組み立てる方法に代えて、特開昭63−313421号等において、図11に示すように、断面半円形の溝1aを設けた成形用の金型1を用い、上記溝1aに電線wを挿入して樹脂でモールドするワイヤハーネスの成形方法が提案されている。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】 しかしながら、この種の従来提案されている成形ワイヤハーネスでは、金型に設ける電線挿入溝は殆ど半円形状とされており、電線群を断面円形の樹脂被覆層内に埋設する構成とされている。 このように成形ワイヤハーネスが断面円形であると、成形ワイヤハーネスに外圧がかかると容易に回転してしまうため、ボデーに沿わせて位置決めするには適していないという問題がある。 【0006】 また、上記成形ワイヤハーネスのモールド方法は、電線の長さ方向に断続的に樹脂モールドするため、非モールド部において電線の保護が十分でないため、外部干渉物からの干渉をうけて電線群に損傷が生じる恐れがあり、かつ、電線がばらけやすくなる。さらに、非モールド部分で電線が屈曲して支線の分岐方向を配索方向に規制できない。 【0007】 本発明は、上記問題に鑑みてなされたもので、成形ワイヤハーネスの断面を四角形状とすることにより、ボデーに位置決め保持し易くすると共に、配索形態に維持される成形ワイヤハーネスを提供することを課題としている。 【0008】 【課題を解決するための手段】 上記課題を解決するため、本発明は、多数の電線が集中分岐部から所要方向に分岐し、これら分岐された電線の端末にコネクタが接続され、該コネクタ接続部の近傍を除き、電線群が配索形態となるように樹脂でモールドされている成形ワイヤハーネスであって、 上記分岐した電線を樹脂でモールドしている支線の少なくとも一部を所要領域に亙って、断面四角形状とし、上記支線の他部は断面略円形としていることを特徴とする成形ワイヤハーネスを提供している。 【0009】 上記構成とすると、ボデーに沿わせる所要領域の成形ワイヤハーネスは断面四角形状としているため、ボデー等に沿わせたときに外圧を受けても回転しにくいため、容易に位置決め保持することができる。 また、上記成形ワイヤハーネスはコネクタ接続部の近傍を除いて配索形態に樹脂モールドしているので、支線の方向を配索方向に規制でき、車両への配索形態に保持できる。 【0010】 上記断面四角形状は大略断面正方形とし、その断面中央部に上記電線群を埋設している一方、上記断面略円形部分では該樹脂被覆層の外周を螺旋状の凹凸あるいは凹部と凸部が長さ方向に交互に連続するコルゲート形状としている。 【0011】 このように断面四角形状の部位を大略正方形とすると、断面円形状とした場合と比較して四隅の肉厚が厚いため成形ワイヤハーネスの強度を確保することができる。また、樹脂被覆層内に埋設する電線群を中央位置に保持しやすく電線群の露出を防ぐことができる。一方、上記断面略円形部分では該樹脂被覆層の外周を螺旋状の凹凸あるいは凹部と凸部が長さ方向に交互に連続するコルゲート形状としているため、樹脂被覆層の最外周面での電線の露出を防ぐことができ、かつ、より屈曲し易く、配索し易いワイヤハーネスとすることができる。 【0012】 上記断面四角形状の樹脂被覆層には、対向する2辺に長さ方向に間隔をあけて垂直方向の細溝を対向して凹設すると共に、これら2辺と直交方向の2辺に長さ方向に間隔をあけて水平方向の細溝を対向して凹設し、かつ、上記垂直方向の細溝と水平方向の細溝とを長さ方向に交互に設け、これら4辺に設けられる細溝の溝深さを浅くして、これら細溝に囲まれる樹脂被覆層の中央位置に上記電線群を埋設している。 【0013】 上記構成とすると、上記細溝を形成する金型の溝内部に設けた突起により、溝内に布線した電線群を溝の中央位置に保持し、成形する樹脂被覆層の中央位置に埋設するため、樹脂被覆層の最外周面での電線群の露出を防ぐことができる。また、垂直方向の細溝と水平方向の細溝とを長さ方向に交互に設けているため、樹脂被覆層の全周に亙って細溝を設けている場合と比較して、強度の高いワイヤハーネスとすることができる。 【0014】 上記細溝は断面V形状あるいは断面U形状とし、長さ方向に2cm〜3cmの間隔をあけて設けている。 上記構成とすると、細溝での電線の露出面積を小さくすることができる。また、長さ方向に2cm〜3cmの間隔をあけて上記細溝を設けているのは、間隔が2cmより小さいと成形ワイヤハーネスの強度が低下してしまうためであり、3cmより大きいと電線群を金型の溝の中央位置に保持することができなくなるためである。 【0015】 上記各辺に設ける細溝は、各辺の幅全体に設けずに部分的に設けてもよい。これにより、より強度の高いワイヤハーネスとすることができる。 【0016】 また、本発明は、上記成形ワイヤハーネスを成形するための金型であって、 上下一対の金型に設けた支線用電線の挿入溝は、その一部を断面四角形状とすると共に、他の部分は断面半円形状とし、かつ、 下型の底面および上型の上面より長さ方向に間隔をあけて突起を溝内部に対向させて突設していると共に、下型の側面上端あるいは上型の側面下端より突起を対向させて突出させ、これら突起により上記断面四角形状の樹脂被覆層に長さ方向に間隔をあけて上記垂直方向の細溝と水平方向の細溝を形成する構成としている成形ワイヤハーネスの金型構造も提供している。 【0017】 金型を上記構造とすると、金型の溝内部に電線群を布線し、樹脂を充填して上型を型締めし、樹脂硬化後、下型と上型とを離型することで、容易に電線群が樹脂でモールドされた上記ワイヤハーネスを成形することができる。 また、上記突起により溝内に布線する電線を溝の中央位置に保持することができ、成形されたワイヤハーネスの樹脂被覆層の最外周面での電線群の露出を防ぐことができる。 【0018】 上記突起は幅方向の中央部はあけて両側部に設け、あるいは、幅方向の両側部はあけて中央部に設け、これら突起を設けていない部分を樹脂通路としてもよい。 上記構成とすると、溝内に充填した樹脂が上記樹脂通路を通って溝内に拡がるため、樹脂の充填速度が促進され、作業性を向上することができる。 【0019】 【発明の実施の形態】 以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。 図1は、電線w群を樹脂モールドして所要の配索形状にワイヤハーネス11を成形するための金型10を示す。 金型10は、仕様変更等にもフレキシブルに対応できるように分割されており、ワイヤハーネス11の集中分岐部11aを成形するための共用金型10aに、支線11b〜mやグロメット部11nを成形するための分岐用金型10b〜nを組み合わせて用いている。 【0020】 共用金型(下型)10aの溝10a−1にプロテクタ(図示せず)を配置すると共に、所要の分岐用金型(下型)10i、10mの溝10i−1、10m−1にL字プロテクタ12、オフセットクランプ13、14を配置し、金型10の溝10a〜n−1に端末にコネクタCが接続された電線w群を布線した後、樹脂を充填し上型(図示せず)で型締めしてモールドすることにより、図2に示すワイヤハーネス11が成形される。 【0021】 金型10内に布線された電線w群はコネクタC接続部の近傍を除いて配索形態に樹脂モールドしているので、成形後のワイヤハーネスが配索形状に維持され、支線11b〜hの分岐方向を正しく維持することできる。 なお、分岐用金型10b〜g、h、j、lの溝10b−1〜g−1、10h−1、10j−1、10l−1の内周面を螺旋状に切り欠くことで、樹脂流れの促進を図ると共に、成形後の支線11b〜hの屈曲性を維持し、最外周面で電線が露出しないようにしている。 【0022】 詳細には、成形ワイヤハーネス11の支線11h−1及び該支線11h−1を成形する金型10の分岐用金型10mは下記の構成としている。 【0023】 図3乃至図5に示す第1実施形態では、成形ワイヤハーネス11の支線11h−1は、樹脂によりモールド成形した樹脂被覆層20が断面四角形状であり、樹脂被覆層20の表面上には、V形状の細溝21が設けられている。該細溝21は樹脂被覆層20の上面20a及び下面20bに対向して凹設する水平方向の細溝21aと側面20cに対向して凹設する垂直方向の細溝21bからなり、該水平方向の細溝21aと垂直方向の細溝21bは支線11h−1の長さ方向に交互に設けられている。 【0024】 上記支線11h−1を成形する分岐用金型10mは、図4に示すように、上記溝10m−1は断面四角形状であり、分岐用金型10mの長さ方向に延在している。上記分岐用金型10mの溝10m−1周面にはV形状の突起15を設けており、詳しくは、溝10m−1の底面10m−1a上に溝10m−1の幅方向全体に亙る底面上突起15aを溝11の長さ方向に間隔をあけて設ける一方、溝10m−1の両側壁10m−1b上に開口上端から底面10m−1aに亙る側面上突起15bを溝11の長さ方向に間隔をあけて設けている。また、上記底面上突起15aと側面上突起15bとを溝10m−1の長さ方向に交互に設けている。 本実施形態においては、底面上突起15aと側面上突起15bとの間隔をそれぞれ2cmとしている。 【0025】 次に、上記支線11h−1に着目した成形工程について説明する。 まず、電線wの端末にコネクタCを予め取り付けておき、図5(B)に示すように、この電線w群を分岐用金型(下型)10mの溝10m−1内に挿入して布線し、分岐用金型(下型)10mの溝10m−1の上面開口に沿って上方から樹脂を垂らし込むように充填していく。 樹脂を分岐用金型(下型)10mの溝10m−1にすべて充填した後に、分岐用金型(上型)を分岐用金型(下型)10mに被せて型締めし、充填した樹脂を硬化させる。 上記樹脂を硬化させた後、分岐用金型(下型)10mと分岐用金型(上型)を離型することで、図5(C)に示すような、電線w群を樹脂被覆層20でモールドするワイヤハーネス11の支線11h−1が成形される。 【0026】 上記成形ワイヤハーネス11の支線11h−1は、断面を四角形状としているのでボデーに沿わせたときに外圧を受けても回転しにくく位置決め保持のしやすい部位とすることができる。 また、支線11h−1は断面円形状の部位と比較して、四隅の肉厚が厚くなり、ワイヤハーネスの強度を上げることができる。 【0027】 また、分岐用金型10mの溝10m−1内に布線した電線w群は、溝10m−1の周面上に設けられた底面上突起15a、側面上突起15bにより分岐用金型10mの溝10m−1内の中央位置に保持される。従って、電線wが樹脂被覆層20の最外周面で露出することを防ぐことができる。さらに、上記底面上突起15aと側面上突起15bはV形状とし、電線wとの接触面積を小さくしているので、電線wの水平方向の細溝21a及び垂直方向の細溝21bでの露出面積を小さくすることができ、外装保護材としての役割を果たすことができる。 【0028】 また、溝10m−1の周面上の底面上突起15aと側面上突起15bを交互に設けることにより、上記細溝21を支線11h−1の全周に亙って設けないようにしているため、支線11h−1の強度を確保することができる。 【0029】 なお、樹脂の充填順序として、上型を型締めする前に樹脂を垂らし込む代わりに、型締め後に樹脂注入口(図示せず)から樹脂を充填注入してもよい。 【0030】 図6は、本発明の第1実施形態の変形例を示し、ワイヤハーネス11’の支線11h−1’の樹脂被覆層20’に設ける水平方向の細溝21a’と垂直方向の細溝21b’を断面U形状としている。 上記支線11h−1’を成形するため、分岐用金型(図示せず)の溝内に設ける突起をU形状としている。 その他の構成及び上記ワイヤハーネス11’の成形方法は、上記第1実施形態と同様のため省略する。 【0031】 上記構成とすると、分岐用金型の溝内に設ける突起をU形状としているため、電線群と突起との接触する面積が大きくなり、溝内に布線した電線wを溝の中央位置に保持しやすくなり、樹脂被覆層20’の最外周面で電線wが露出するのを確実に防ぐことができる。 【0032】 図7及び図8は、本発明の第2実施形態を示す。 図7に示す成形ワイヤハーネス11”の支線11h−1”は、樹脂によりモールド成形した樹脂被覆層20”の表面上には、V形状の水平方向の細溝21a”と垂直方向の細溝21b”を支線11h−1”の長さ方向に交互に凹設している。本実施形態においては、上記水平方向の細溝21a”は中央部にのみ部分的に設けている一方、垂直方向の細溝21b”は支線11h−1”の厚さ方向全域に亙って設けている。 【0033】 図8に示すように、本実施形態の分岐用金型10m’は、底面上突起15a’を溝10m−1’の幅方向全体に亙って設けず、底面上突起15a’の両端部15a’−1をあけて、溝10m−1’の底面10m−1a’と同一面として、樹脂通路としている。一方、側面上突起15b’は上記第1実施形態と同様の構成としている。 その他の構成及び上記ワイヤハーネス11”の成形方法は、上記第1実施形態のワイヤハーネス11と同様のため説明を省略する。 【0034】 上記構成とすると、第1実施形態と同様、ボデーに沿わせたときに外圧を受けても回転しにくく位置決め保持のしやすい部位とすることができる。 また、本実施形態のワイヤハーネス11”の支線11h−1”は水平方向の細溝21a”を樹脂被覆層20”の幅及び厚さ全体に亙って設けず、部分的に設けているため、強度の高いワイヤハーネスとすることができる。 【0035】 さらに、分岐用金型10m’の溝10m−1’に設けられた底面上突起15a’の両端部15a’−1を充填した樹脂が流れ込むため、樹脂が溝10m−1’内全体に行き渡りやすく、樹脂の充填速度が促進され、作業性を向上することができる。 【0036】 なお、本実施形態において、細溝21”を断面V形状としているが、上記第1実施形態と同様、断面U形状としてもよい。 【0037】 図9及び図10は、上記第2実施形態の変形例を示す。 図9に示すように、ワイヤハーネス11”’の支線11h−1”’の樹脂被覆層20”’表面上に設ける水平方向の細溝21a”’及び垂直方向の細溝21b”’は幅方向の全体に設けず、四隅にのみ設けている。 【0038】 上記ワイヤハーネス11”’を成形するための分岐用金型10m”は、図10に示すように、分岐用金型(下型)11”と分岐用金型(上型)とを型締めした状態で、溝10m−1”の四隅にのみ底面上突起15a”及び側面上突起15b”を設けている。 その他の点は上記第2実施形態と同様であり、ワイヤハーネス11”’の成形方法は上記第1実施形態と同様のため省略する。 【0039】 上記構成とすると、上記第2実施形態と同様の効果を得られると共に、ワイヤハーネス11”’の支線11h−1”’は肉厚の厚い四隅のみに細溝21”’を設けているため、殆ど強度を低下させることがない。 【0040】 【発明の効果】 以上の説明より明らかなように、本発明によれば、成形ワイヤハーネスの支線は、樹脂被覆層が断面四角形状であるため、上記成形ワイヤハーネスをボデー等に沿わせたときに、外圧を受けても回転しにくく位置決め保持することができる。 また、樹脂被覆層が断面四角形状であると四隅の肉厚が厚いため、断面を円形状とした場合と比較して、強度の高いワイヤハーネスとすることができる。 【0041】 また、分岐用金型の溝内に布線した電線は、溝の周面上に設けられた突起により、溝内の中央位置に保持されるため、電線が最外周面で露出することを防ぐことができる。また、上記突起はV形状もしくはU形状とし、電線と突起との接触面積を小さくしているため、電線の露出を小さくすることができる。 【0042】 また、分岐用金型の溝の底面に設けた突起と溝の側面に設けた突起を長さ方向に交互に設けることにより、上記細溝を樹脂被覆層全周に亙って設けないようにしているため、強度の高いワイヤハーネスとすることができる。 【0043】 さらに、分岐用金型の溝に設けられた突起を幅方向全体に設けず部分的に設けた場合には、充填した樹脂が溝内全体に行き渡りやすく、樹脂充填作業の作業性を向上することができる。また、この金型を用いて成形するワイヤハーネスは細溝をワイヤハーネスの幅及び厚さ全体に亙って設けないため、更に強度の高いワイヤハーネスとすることができる。 【0044】 また、電線群はコネクタ接続部の近傍を除いて配索形態に樹脂モールドしているので、成形後のワイヤハーネスが配索形状に維持され、支線の分岐方向を正しく維持することできる。 【図面の簡単な説明】 【図1】本発明に係る実施形態の金型(下型)の上面図である。 【図2】成形ワイヤハーネスの上面図である。 【図3】第1実施形態のワイヤハーネスを示す要部拡大図である。 【図4】第1実施形態のワイヤハーネスの成形に使用する分岐用金型を示す要部拡大図である。 【図5】第1実施形態のワイヤハーネスの成形工程を示し、(A)は電線布線前、(B)は電線布線後、(C)は樹脂モールド後を示す図面である。 【図6】第1実施形態の変形例を示す要部拡大図である。 【図7】(A)は第2実施形態のワイヤハーネスを示す要部拡大図、(B)は平面図及び正面図である。 【図8】(A)は第2実施形態のワイヤハーネスの成形に使用する分岐用金型を示す要部拡大図、(B)は平面図である。 【図9】(A)は第2実施形態の変形例のワイヤハーネスを示す要部拡大図、(B)は平面図である。 【図10】(A)は第2実施形態の変形例のワイヤハーネスの成形に使用する分岐用金型を示す要部拡大図、(B)は平面図である。 【図11】従来例の金型を示す斜視図である。 【符号の説明】 10 金型 10a 共用金型 10b〜n 分岐用金型 10m−1、10m−1’、10m−1” 溝 10m−1a、10m−1a’ 底面 10m−1b、10m−1b’ 側面 11 成形ワイヤハーネス 11a 集中分岐部 11b〜m 支線 11n グロメット部 12 L字プロテクタ 13、14 オフセットクランプ 15、15’、15” 突起 15a、15a’、15a” 底面上突起 15b、15b’、15b” 側面上突起 20、20’、20”、20”’ 樹脂被覆層 21、21’、21”、21”’ 細溝 21a、21a’、21a”、21a”’ 水平方向の細溝 21b、21b’、21b”、21b”’ 垂直方向の細溝
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000183406 【氏名又は名称】住友電装株式会社 【住所又は居所】三重県四日市市西末広町1番14号
|
| 【出願日】 |
平成14年5月31日(2002.5.31) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100072660 【弁理士】 【氏名又は名称】大和田 和美
|
| 【公開番号】 |
特開2004−6113(P2004−6113A) |
| 【公開日】 |
平成16年1月8日(2004.1.8) |
| 【出願番号】 |
特願2002−159886(P2002−159886) |
|