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【発明の名称】 タッチパネル装置
【発明者】 【氏名】川上 拓也
【住所又は居所】東京都港区芝五丁目7番1号 日本電気株式会社内

【要約】 【課題】通常モードのタッチパネル画面を使用して視覚障害者でも容易に操作可能なタッチパネル装置を提供する。

【解決手段】視覚障害者モードで操作者がタッチパネルに触れた際、タッチ情報を制御手段に通知せずに位置情報のみを制御手段に通知し、制御手段は触れられた位置情報に相当する画面情報を音声で案内し、操作者がタッチパネルとは別に設けられた入力決定のための決定スイッチを押下すると、通常モードで操作者がタッチパネルに触れた場合に相当する、タッチ情報を制御手段に通知することにより、通常モード時と同様の処理を行う。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作者が入力を行うタッチパネルと、
前記タッチパネルから前記操作者によって入力された入力情報の通知、および視覚障害者のための視覚障害者モードと、健常者のための通常モードとの切り替えを行うタッチパネル制御手段と、
前記タッチパネル制御手段から通知された前記入力情報をもとに各手段の制御を行う制御手段と、
前記操作者に対し音声による操作案内を行う音声出力手段と、
前記タッチパネルと別に設けられ、前記視覚障害者モード時に前記操作者によって入力決定のために押下される決定スイッチと、
を有することを特徴とするタッチパネル装置。
【請求項2】
前記視覚障害者モード時に、前記操作者が前記タッチパネルに触れた際、タッチされたという認識を示すタッチ情報を前記制御手段には通知せずに、タッチされた位置を示す位置情報のみを前記制御手段に通知することを特徴とする請求項1記載のタッチパネル装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記操作者によって触れられた前記位置情報に相当する画面情報を音声で案内する制御を行うことを特徴とする請求項1記載のタッチパネル装置。
【請求項4】
前記決定スイッチは、前記操作者に押下されることにより、前記通常モードにおいて前記操作者が前記タッチパネルに触れた場合に相当する、タッチ情報を前記制御手段に通知することを特徴とする請求項1記載のタッチパネル装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記視覚障害者モードと、通常モードとの切り替え命令を前記タッチパネル制御手段に通知することを特徴とする請求項1記載のタッチパネル装置。
【請求項6】
前記タッチパネル制御手段は、前記決定スイッチが前記操作者によって押下された際、タッチされたという認識を示すタッチ情報を前記制御手段に通知することを特徴とする請求項1記載のタッチパネル装置。
【請求項7】
前記画面情報は、前記タッチパネル画面上に表示されているキーの情報であることを特徴とする請求項3記載のタッチパネル装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、視覚障害者の入力補助機能を有するタッチパネル装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
まず、従来のタッチパネルでは視覚障害者には操作できないという問題点があり、その解決策として、画面の上に透明の点字シートや穴の空いたガイドを設ける等の対策が考えられていたが、一般の人の操作には邪魔となったり、構造的にも大きくなったりするという欠点がある。また、画面の外側に点字記号つきのガイドやボタンを設ける対策も考えられていたが、誤って画面に触れてしまい誤操作してしまうという欠点がある。
【0003】
上述の課題を解決するために視覚障害者を意識したタッチパネル装置の従来技術例として、特定の入力ボタンを持たずに入力部分の一部分をボタンとみなして入力を行うタッチ式入力パネルの機能領域に操作者が触れた場合、まず、触れた部分に割り当てた機能を音声発生機能によって操作者に通知し、同時にパネルの特定領域に触れると入力と判断することにより、視覚障害者であっても希望する機能領域を探し出して入力を行うことができる「タッチ式入力装置制御方式」がある(例えば、特許文献1参照)。また、モードを切り替え、タッチパネル表示された乗車区間ごとに対応する複数の料金表示を、より低額に移行させるボタンと、より高額に移行させるボタンとを備え、低額または高額に移行した際に、その金額に相当する料金案内を音声により報知する音声案内手段により、所望の乗車権を選択指定し、購入決定の場合は乗車券購入ボタンを押下することで視覚障害者でも所望の乗車券を購入できる「タッチパネル式自動券売機」がある(例えば、特許文献2参照)。また、タッチパネルが押された時に、その押された位置のボタンが何であるかをハンドセットから音声で操作者に通知し、音声で押されたボタンがもう一度押されると、そのボタンの選択を確定する「タッチパネル入力装置」がある(例えば、特許文献3参照)。また、タッチパネル上の一部に画面探索モードに切り替えるための領域を設け、この領域にユーザが触れると、その場所にあるボタンが何であるかを音声で読み上げ出力する「情報入力装置および自動取引装置」がある(例えば、特許文献4参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平4−32918号公報
【特許文献2】
特開平9−218964号公報
【特許文献3】
特開2001−255999号公報
【特許文献4】
特開平11−110107号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1記載の発明は、タッチパネル画面の一部を決定ボタンとして使用する場合、視覚障害者にその位置を認識させることが難しいことや、画面を触っている間に誤操作をする可能性が高いという問題があり、また、タッチパネル画面の一部を常に決定ボタンとして使用しなければいけないため、画面全体を柔軟に使用できないという問題もある。
【0006】
また、特許文献2記載の発明は、所望の乗車券購入までに何回もボタン操作をしなければならず、また、操作に伴う音声の読み上げを聞く時間がかかるという問題がある。
【0007】
また、特許文献3記載の発明は、音声の説明を聞く時、および入力の決定をする時に、画面上のボタンを2回押す必要があるため、音声の説明を聞き逃して、もう一度聞きたい場合に聞けないことや、誤って2回押したと誤認識されるという問題がある。
【0008】
また、特許文献4記載の発明は、音声読み上げモードと入力決定モードとを切り替えるための領域としてタッチパネル画面の一部を常に使用しなければいけないため、画面全体を柔軟に使用することができないという問題がある。
【0009】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、通常のタッチパネル画面を使用して視覚障害者でも容易に操作可能なタッチパネル装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するために、請求項1記載のタッチパネル装置は、操作者が入力を行うタッチパネルと、前記タッチパネルから前記操作者によって入力された入力情報の通知、および視覚障害者のための視覚障害者モードと、健常者のための通常モードとの切り替えを行うタッチパネル制御手段と、前記タッチパネル制御手段から通知された前記入力情報をもとに各手段の制御を行う制御手段と、前記操作者に対し音声による操作案内を行う音声出力手段と、前記タッチパネルと別に設けられ、前記視覚障害者モード時に前記操作者によって入力決定のために押下される決定スイッチとを有することを特徴としている。
【0011】
請求項2記載のタッチパネル装置は、請求項1記載のタッチパネル装置において、視覚障害者モード時に、操作者がタッチパネルに触れた際、タッチされたという認識を示すタッチ情報を制御手段に通知せずに、タッチされた位置を示す位置情報のみを前記制御手段に通知することを特徴としている。
【0012】
請求項3記載のタッチパネル装置は、請求項1記載のタッチパネル装置において、制御手段は、操作者によって触れられた位置情報に相当する画面情報を音声で案内する制御を行うことを特徴としている。
【0013】
請求項4記載のタッチパネル装置は、請求項1記載のタッチパネル装置において、決定スイッチは、操作者に押下されることにより、通常モードで前記操作者がタッチパネルに触れた場合に相当する、タッチ情報を制御手段に通知することを特徴としている。
【0014】
請求項5記載のタッチパネル装置は、請求項1記載のタッチパネル装置において、制御手段は、視覚障害者モードと、通常モードとの切り替える命令をタッチパネル制御手段に通知することを特徴としている。
【0015】
請求項6記載のタッチパネル装置は、請求項1記載のタッチパネル装置において、タッチパネル制御手段は、決定スイッチが操作者によって押下された際、タッチされたという認識を示すタッチ情報を制御手段に通知することを特徴としている。
【0016】
請求項7記載のタッチパネル装置は、請求項3記載のタッチパネル装置において、画面情報は、タッチパネル画面上に表示されているキーの情報であることを特徴としている。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態であるタッチパネル装置について、添付図面を参照して詳細に説明する。
【0018】
まず、本発明の実施形態であるタッチパネル装置の構成について説明する。図1は本発明の一実施例を示すタッチパネル装置のブロック図であり、タッチパネルコントローラ2は、操作者が各種入力操作を行うタッチパネル1からの位置情報と、タッチ情報、および決定スイッチ5の押下情報が入力される。ここで、位置情報とはタッチされた画面上の位置を示す情報であり、タッチ情報とはタッチされたという認識をする情報である。押下情報とは、決定スイッチ5が操作者により押下されたという認識を示す情報である。
【0019】
アプリケーションソフトウェア3は、タッチパネルコントローラ2から、タッチパネル1に操作者が触れたときの位置情報とタッチ情報、および決定スイッチ5を操作者が押したときの押下情報が通知され、各手段の制御を行う。
【0020】
スピーカ/ヘッドフォン4は、アプリケーションソフトウェア3からの制御により、タッチパネル上のボタンやキーの内容について、操作者に対し音声で操作案内等を行う。
【0021】
決定スイッチ5は、タッチパネル1の画面とは別に設けられ、かつ、視覚障害者が認識しやすい形状のものとする。視覚障害者は、スピーカ/ヘッドフォン4の音声案内を聞いた後、入力決定したい時にこの決定スイッチ5を押す。
【0022】
次に、本発明の実施形態の動作について図2を参照して説明をする。まず、操作者が音声ガイドに従い、決定スイッチを操作することによるモード選択や、ヘッドフォン装着をハードウェア的に検出することなどによるモード選択が行われ、アプリケーションソフトウェア3からの指示により、タッチパネルコントローラ2は通常モードと視覚障害者モードの切り替えを行う(S1)。
【0023】
通常モード選択時は(S1/NO)、タッチパネル1に操作者が触れた場合に(S8/YES)、タッチパネルコントローラ2から位置情報とタッチされたというイベント(以下、タッチ情報という)がアプリケーションソフトウェア3に通知される(S6)。アプリケーションソフトウェア3は通知された位置情報およびタッチ情報をもとに処理を行う(S7)。
【0024】
視覚障害者モード選択時は(S1/YES)、タッチパネル1に操作者が触れると(S2/YES)、タッチパネルコントローラ2から位置情報のみがアプリケーションソフトウェア3に通知される(S3)。ここで、操作者がタッチパネル画面に触れただけではタッチされたというタッチ情報をアプリケーションソフトウェア3には通知しない。
【0025】
アプリケーションソフトウェア3は、通知された位置情報に相当する画面上に表示されているボタン等の情報(画面情報)をスピーカ/ヘッドフォン4から音声により操作者に案内を行う(S4)。操作者は画面を触りながら、音声の案内を聞き、押したいボタンの案内が合った場合に、タッチパネル画面と別に設けられている決定スイッチ5を押す(S5/YES)。
【0026】
タッチパネルコントローラ2は決定スイッチ5が押された時に、通常のモードで画面が押された場合に相当するタッチ情報をアプリケーションソフトウェア3に通知する(S6)。そして、アプリケーションソフトウェア3は先に通知された位置情報およびタッチ情報をもとに処理を行う(S7)。
【0027】
以上のように、本発明の実施形態であるタッチパネル装置によれば、視覚障害者モード時において、操作者の特別なタッチパネル操作を必要とせず、アプリケーションが装置内でモードを切り替えるだけなので、通常モードと同じ操作で視覚障害者でも容易に操作できる。
【0028】
【発明の効果】
請求項1記載のタッチパネル装置によれば、操作者が入力を行うタッチパネルと、前記タッチパネルから前記操作者によって入力された入力情報の通知、および視覚障害者のための視覚障害者モードと、健常者のための通常モードとの切り替えを行うタッチパネル制御手段と、前記タッチパネル制御手段から通知された前記入力情報をもとに各手段の制御を行う制御手段と、前記操作者に対し音声による操作案内を行う音声出力手段と、前記タッチパネルと別に設けられ、前記視覚障害者モード時に前記操作者によって入力決定のために押下される決定スイッチとを有することを特徴としているので、画面に表示されている情報を音声で聞くことができる。また、音声により画面に何が表示されているのかを判断して、別に設けられたスイッチを押すことにより入力を行うことにより、アプリケーションソフトウェアが行う修正とスイッチを1個追加するだけのコストで一般の人でも視覚障害者でも容易な入力操作が可能となるタッチパネル装置を実現することができる。
【0029】
請求項2記載のタッチパネル装置によれば、請求項1記載のタッチパネル装置において、視覚障害者モード時に、操作者がタッチパネルに触れた際、タッチされたという認識を示すタッチ情報を制御手段に通知せずに、タッチされた位置を示す位置情報のみを前記制御手段に通知することを特徴としているので、通常モードと違った制御を可能とし、視覚障害者の操作を容易にできる。
【0030】
請求項3記載のタッチパネル装置によれば、請求項1記載のタッチパネル装置において、制御手段は、操作者によって触れられた位置情報に相当する画面情報を音声で案内する制御を行うことを特徴としているので、視覚障害者である操作者でも、画面に表示されている情報を音声で聞くことができ、また、音声により画面に何が表示されているのかを判断できる。
【0031】
請求項4記載のタッチパネル装置によれば、請求項1記載のタッチパネル装置において、決定スイッチは、操作者に押下されることにより、通常モードで前記操作者がタッチパネルに触れた場合に相当する、タッチ情報を制御手段に通知することを特徴としているので、視覚障害者でも容易に操作ができる。
【0032】
請求項5記載のタッチパネル装置によれば、請求項1記載のタッチパネル装置において、制御手段は、視覚障害者モードと、通常モードとの切り替える命令をタッチパネル制御手段に通知することを特徴としているので、健常者および視覚障害者ともに装置の利用が可能となる。
【0033】
請求項6記載のタッチパネル装置によれば、請求項1記載のタッチパネル装置において、タッチパネル制御手段は、決定スイッチが操作者によって押下された際、タッチされたという認識を示すタッチ情報を制御手段に通知することを特徴としているので、視覚障害者でも容易に操作ができる。
【0034】
請求項7記載のタッチパネル装置によれば、請求項3記載のタッチパネル装置において、画面情報は、タッチパネル画面上に表示されているキーの情報であることを特徴としているので、視覚障害者は所望のキーを確認でき、容易に操作ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態であるタッチパネル装置の構成例を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態であるタッチパネル装置の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 タッチパネル
2 タッチパネルコントローラ
3 アプリケーションソフトウェア
4 スピーカ/ヘッドフォン
5 決定スイッチ
【出願人】 【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
【住所又は居所】東京都港区芝五丁目7番1号
【出願日】 平成15年3月6日(2003.3.6)
【代理人】 【識別番号】100084250
【弁理士】
【氏名又は名称】丸山 隆夫

【公開番号】 特開2004−271748(P2004−271748A)
【公開日】 平成16年9月30日(2004.9.30)
【出願番号】 特願2003−60508(P2003−60508)