| 【発明の名称】 |
マンガ製版方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】阿部 健二 【住所又は居所】東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】デジタル処理により品質よく簡便にマンガ原稿を製版処理する方法を提供することを課題とする。
【解決手段】複数のレイヤーを扱うことができる画像処理ソフトを用いて、漫画又はイラスト調の原画像を製版処理する方法であって、原画像を適当な解像度で階調画像としてスキャナ入力する第1のステップ、スキャナ読取りした画像データを前記画像処理ソフトの提供する上下2つのレイヤーにそれぞれコピーする第2のステップ、上のレイヤーの画像を2値化処理し、原画の階調部分を活かしたい部分を消し込み処理する第3のステップ、上のレイヤーの白部分に下のレイヤーの対応する調子部分を対応させて、上下のレイヤーを合成した画像データとする第4のステップ、出力に適した画像フォーマットで保存する第5のステップ、を順に実行して漫画の原画像を製版処理する方法により上記課題を解決する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 複数のレイヤーを扱うことができる画像処理ソフトを用いて、漫画あるいはイラスト調の原画像を製版処理する方法であって、 原画像を適当な解像度で階調画像としてスキャナ入力する第1のステップ、 スキャナ読取りした画像データを前記画像処理ソフトの提供する上下2つのレイヤーにそれぞれコピーする第2のステップ、 上のレイヤーの画像を2値化処理して白黒画像データとした後、原画の階調を活かしたい黒部分を消し込み処理して白とする第3のステップ、 上のレイヤーの白部分を下のレイヤーの同じ位置の階調画像部分に置換えて、上下のレイヤーを合成した画像データとする第4のステップ、 出力に適した画像フォーマットで保存する第5のステップ、を順に実行して漫画あるいはイラスト調の原画像を製版処理する方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】 本発明は、漫画またはイラスト調の原画像の製版方法に関する。 【0002】 【従来技術】 図1は漫画の原稿(原画)を示す。図1に示されるように、漫画の原画は白黒のくっきりとした線画部分(以下「画線部」と記す)と色づけされたグラデーションで表現される部分(以下「調子部」と記す)の二つの部分により描かれるという特徴を有する。一部のイラスト画像でもこのような特徴を有する場合がある。従来の製版では、このような原画の調子部の階調再現は忠実に、線画部はくっきり再現しようとするために、原画を製版カメラで画線部がくっきり出るよう撮影し、またスキャナにて階調画像として入力して、画線部用のフィルムと調子部用のフィルムを作成して、また、画線部部分と調子部部分を分けるためのマスクを作成して、画線部用のフィルムと調子部用のフィルムを前記マスクとともに2回露光することにより所望の原版フィルムを作成していた。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】 従来の製版方法では、原画から画線部と調子部を別々にカメラ撮影し、または、スキャナ入力するため、機械精度の限界で寸法誤差が発生し、その誤差を吸収するために1コマ単位に分割して合わせ作業を行うことが度々あった。またカッターを使用した作業のため、画線部と調子部が細部に入り組んでいる場合は、作業に著しく時間を要するという問題があった。 【0004】 コンピュータ製版システムにより処理を行う場合は、フィルム露光による上記方法をそのままシステムで行うのは作業が煩雑となることから、画線部または調子部のみを用いて製版処理を行う方法がとられる。しかし、図2に示すように画線部のみでは調子部が再現されず、また、図3に示すように、調子部のみを使用した場合は、最終出力時に網点化されるため、画線部のシャープさが失われることによる品質低下が避けられなかった。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】 本発明はこのような問題点を考慮してなされたものであり、デジタル処理により品質よく簡便にマンガ原稿を製版処理する方法を提供することを課題とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】 課題を解決するための第1の発明は、複数のレイヤーを扱うことができる画像処理ソフトを用いて、漫画またはイラスト調の原画像を製版処理する方法であって、 原画像を適当な解像度および適当な設定条件で階調画像としてスキャナ入力する第1のステップ、 スキャナ読取りした画像データを前記画像処理ソフトの提供する上下2つのレイヤーにそれぞれコピーする第2のステップ、 上のレイヤーの画像を2値化処理して白黒画像データとした後、原画の階調を活かしたい黒部分を消し込み処理して白とする第3のステップ、 上のレイヤーの白部分を下のレイヤーの同じ位置の階調画像部分に置換えて、上下のレイヤーを合成した画像データとする第4のステップ、 出力に適した画像フォーマットで保存する第5のステップ、を順に実行して漫画の原画像を製版処理する方法である。 【0007】 ここで、第1のステップにおける「適当な解像度」とは、出力機の解像度に依存する。出力機の解像度が2400dpiであれば、1200dpiが好ましい。パソコンでの取扱いの容易さを考えて700〜900dpiの解像度でスキャナ入力してもよい。また、当業者(スキャナオペレータ)には周知であるが、シャープネスを通常より抑えて画線部と調子部の境界に白いエッジが出ないようにすること、原画の白地部分には網点がつかないようにセットアップを行うことなどが「適当な設定条件」の意味である。 【0008】 【発明の実施の形態】 以下図面を用いて、本発明に係るマンガ製版方法を説明してゆく。図5は本発明に係るマンガ製版方法の手順を説明するフロー図である。本発明の方法は、マンガの原画をスキャナにより1回で入力する条件、および、その入力画像より画線部と調子部とを分けてパソコンの画像処理ソフトウエアにより再現する処理方法にある。以下図5に従って本発明の方法の手順を説明する。 【0009】 原画のスキャナ入力(S01):原画のスキャナ入力は、画線部に必要な解像度の品質を保ちつつ、なおかつパソコン上で取扱いが可能な解像度に設定する。出力機の解像度画2400dpiであるならば、その整数比、1/2の1200dpiの階調データ(8bit)での入力が品質的に好ましいが、パソコン上での取扱いが困難であるため700〜900dpiの解像度で入力する。画線部と調子部の境目に白いエッジが出ないようにシャープネスの設定は通常より抑え気味に設定する。また原画の白部分は網点がつかないようセットアップしてスキャン入力する。得られる画像データは各画素8ビット256(0〜255)段階で画像の階調を表現するものとする。 【0010】 画像の加工(1):入力した画像をパソコン上の画像処理ソフトで開き、レイヤーを2つ設定して、原画像をそれぞれコピーする(S02)。上のレイヤーは画線部として加工するために使用する。下のレイヤーは調子部として使用するためのレイヤーである。上のレイヤーにはシャープネス処理を強めにかけ2値化を行う(S03)。2値化の閾値は、画線部の線の太さが原画の画線部の線の太さと同じとなるように選択する。通常は50%(256段階で127)を閾値とするが、必要に応じて閾値を加減する。上のレイヤーは2値化することにより、調子部の再現が喪失され画線部を形成する。例えば使用する画像処理ソフトウエアで階調値255を白画素、階調値0を黒画素と扱うのであれば、階調値254〜1は閾値より大きいかどうかで255か0のどちらかとなる。 【0011】 画像の加工(2):画像処理ソフトに備えられている範囲可変な消し込み機能(対話操作により画像内の選択した部分を白にする機能)を用いて、上のレイヤーにおいて2値化処理の結果黒とされた画像部分について調子部を活かしたい部分領域を白とする(S04)。画像処理ソフトに備えられている2つのレイヤーを合成する機能は、上のレイヤーの白部分を下のレイヤーの同じ位置の階調画像部分に置換えて合成することができる。この合成機能を利用することにより画線部と調子部のそれぞれ必要な部分が合成された画像を得ることができる(S05)。すなわち、上のレイヤーで2値化結果または消し込み処理の結果白となった画素(階調値255)については、同じ位置の下のレイヤーの画素の階調値に置換えることによって上下のレイヤーを合成した画像データを生成するのである。この合成された状態を図4に示す。また、複数のレイヤーを扱うことができる画像処理ソフトでは、上のレイヤーの白部分については下のレイヤーの画像をそのまま透過させて表示させることができるので、このようなレイヤー間の透過表示機能を利用することにより作業者は画像の合成結果を事前に確かめながらステップS04の作業を進めることができる。 【0012】 画像の保存・出力:最後に、合成された画像データを出力に適した画像フォーマットにて保存する(S06)。保存した画像データは、DTPソフトによってテキストデータと合成され、RIP処理された後出力装置により原版フィルムまたは直接印刷版として出力される。 【0013】 本発明の方法は、1色のマンガに限らず2色や4色のマンガ、挿し絵、イラストの原画の製版処理にも適用可能である。 【0014】 【発明の効果】 以上、本発明に係るマンガ製版方法を説明した。本発明の製版方法によれば、従来のフィルムを使った手作業多重露光による方法により得られた再現品質と同等の品質がパソコン上での簡単な作業で可能となるという顕著な効果を奏する。 【図面の簡単な説明】 【図1】漫画原稿(原画) 【図2】画線部のみの画像 【図3】調子部のみの画像 【図4】画線部と調子部を合成した画像 【図5】本発明に係る製版方法を説明するフロー図である。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000002897 【氏名又は名称】大日本印刷株式会社 【住所又は居所】東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号
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| 【出願日】 |
平成14年8月5日(2002.8.5) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100111659 【弁理士】 【氏名又は名称】金山 聡
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| 【公開番号】 |
特開2004−70551(P2004−70551A) |
| 【公開日】 |
平成16年3月4日(2004.3.4) |
| 【出願番号】 |
特願2002−227067(P2002−227067) |
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