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【発明の名称】 塔状鋼構造物の部材製作方法
【発明者】 【氏名】鈴木 毅
【住所又は居所】大阪府大阪市東成区深江北2丁目11番17号 日本電炉株式会社社内

【要約】 【課題】鉄塔などの塔状鋼構造物の部材を製作する場合に、製作のミスがなく、かつ仮組立作業を省略できる方法を提供する。

【解決手段】塔状鋼構造物の部材製作方法は、3次元CADを用いて部材を立体的に組み立て、部材同士の当たり具合や、ボルトの配置など、2次元CADを用いた現寸によって得られた製作データに不具合がないか確認し、製作データに従って自動製作された部材に対して、製作データ通りに加工出来ているかの検査を行うことを特徴とする方法である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パソコン等の計算機で強度計算された塔状鋼構造物に関して、
あらかじめ入力された仕様を満足するように強度計算結果のデータを用いて、2次元CADにより現寸を行う工程と、
2次元CADを用いた現寸結果として塔状鋼構造物を構成する部材の製作データを出力する工程と、
出力された塔状鋼構造物を構成する部材の製作データを用いて、3次元CAD上に自動で立体的に部材の組立てを行う工程と、
3次元CADによる部材の組立て工程より、組立てできない異常箇所を自動的に検出し、異常データを反映して2次元CADにより再現寸を行う工程と、
塔状鋼構造物を構成する部材の製作データを記憶媒体等を用いて、部材の加工を行う自動加工機に送る工程と、
自動加工機により部材を製作する工程と、
製作した部材が製作データ通りに加工できているかを自動で検査する工程と、
製作した部材の自動検査工程より、不具合が認められた部材を再製作する工程、により塔状鋼構造物の部材を製作することを特徴とする、塔状鋼構造物の部材製作方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、塔状鋼構造物の部材製作において、現寸により作成した製作データを3次元CAD上でチェックする工程と、製作データにより自動製作した部材を検査する工程により、仮組立作業が省略できる、塔状鋼構造物の部材製作方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、鉄塔などの塔状鋼構造物の部材を製作する場合には、強度設計で部材サイズを決定した後に詳細図を作図し、その詳細図に従って現寸を行った後、現寸結果をもとに部材の製作を行い、製作した部材を実際に組立てる仮組立作業を行って検査をしていた。仮組立作業は、鉄塔などの塔状鋼構造物には不可欠な組立て検査工程であり、実際に塔状鋼構造物を組立てるため非常に時間がかかっていた。その上、仮組立作業の工程は、天候に左右されるという問題があり、作業も高所作業のため危険であった。
【0003】
また、鋼橋の分野では鋼橋モデルを仮想空間上で仮組立を行っているものもある(例えば、特許文献1参照。)。この方法は、始めに主部材を製作して、その製作した部材を計測し、計測結果をもとに3次元の仮想空間上で仮組立を行っているが、始めに製作する主部材の製作ミスや製作に用いるデータにミスが含まれていると、次工程へそのミスが受け継がれてしまう恐れがあり、異常が見つかった場合は、異常を修正した新しい部材を再製作する必要があり、不要なコストがかかる問題があった。
【0004】
【特許文献1】
特開2002‐92047号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、鉄塔などの塔状鋼構造物の部材を製作する場合に、製作のミスがなく、かつ仮組立作業を省略できる方法を提供する。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明における塔状鋼構造物の部材製作方法は、パソコン等の計算機で強度計算された塔状鋼構造物に関して、あらかじめ入力された仕様を満足するように強度計算結果のデータより2次元CADを用いて現寸を行う工程と、2次元CADを用いた現寸結果として塔状鋼構造物を構成する部材の製作データを出力する工程と、出力された塔状鋼構造物を構成する部材の製作データを用いて、3次元CAD上に自動で立体的に部材の組立てを行う工程と、3次元CADによる部材の組立て工程より、組立てできない異常箇所を自動的に検出して、異常データを反映して2次元CADにより再現寸を行う工程と、塔状鋼構造物を構成する部材の製作データを記憶媒体等を用いて、部材の加工を行う自動加工機に送る工程と、自動加工機により部材を製作する工程と、製作した部材が製作データ通りに加工できているかを自動で確認する工程と、製作した部材の自動検査工程より、不具合が認められた部材を再製作する工程、により塔状鋼構造物の部材を製作するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、発明の実施の形態を実施例にもとづき図面を参照して説明する。
【0008】
図1に本発明である塔状鋼構造物の部材製作方法の作業の流れを示す。鉄塔などの塔状鋼構造物を構成する部材は、まず強度設計により部材のサイズや長さ、あるいはボルトの本数が決められた後、強度設計結果のデータ1はデジタルデータで保存される。このデジタルデータを用いて、あらかじめ与えられた仕様を満足するように、2次元CADを用いてプログラムにより現寸2を行い、塔状鋼構造物を構成する部材の製作データを出力3する。
【0009】
出力された塔状鋼構造物を構成する部材の製作データ3を用いて、3次元CAD上に自動で立体的に部材を組み立てる処理4を行う。この処理では、部材の接合状態をボルト1本まで立体的に表すことで、部材同士の当たり具合や、ボルトの配置など、現寸によって得られた製作データに不具合がないか確認することができる。
【0010】
部材の当りにより組み立てができないとか、ボルト孔にずれがある場合などの接合状態に不具合があれば、その異常箇所を自動的に検出して、不具合の情報を反映して2次元CADによる現寸を再度やり直し2、修正された製作データ3を出力する。出力した製作データ3をもとに、再度3次元CAD上に自動で立体的に部材を組み立てる処理4を行い、製作データに不具合がないか確認する。これらの2次元CADによる現寸工程2と3次元CAD上での部材組立て工程4を繰り返し、最終的に不具合が無い製作データ3が完成する。
【0011】
不具合が無いと確認された塔状鋼構造物を構成する部材の製作データ3を、部材の加工を行う自動加工機に記録媒体等を用いて送る。
【0012】
図2に、自動加工機による部材製作の流れを示す。自動加工機11は、鋼材切断ライン8と孔明け・刻印ライン9と2次加工ライン10で構成されている。製作データ3は、部材の加工位置が2次元座標で表されており、自動加工機11は製作データ3に従い、鋼材切断ライン8で山形鋼や鋼板などの鋼材の切断を自動で行う。次に、鋼材切断ライン8で切断加工された材料は、孔明け・刻印ライン9で製作データ3に従い、自動で孔明けおよび刻印打ちを行う。2次加工が必要なものは、2次加工ライン10で曲げ加工やハツリ加工などを行い、部材の加工工程が完成する。
【0013】
次に、製作した部材が製作データ通りに加工できているかの検査6を自動で行う。部材の検査は、製作データを使って、加工を行った機械と同様の性能を持った検査機械を用いて行う。例えば、孔明けを検査する場合は、孔明け加工を行った機械と同様の性能を持った検査機械に、加工済の部材をセットして、製作データに従って、孔明け作業を行う。この検査機械には、孔明け用のドリルやキリは備えておらず、代わりにボルト孔の大きさに相当する棒鋼等を備えており、この検査機械によって実際には孔をあけることはできない。棒鋼等が加工済の部材の孔に通れば、正確に加工できており、棒鋼等が加工済の部材の孔を通らなければ、孔ずれなどの不具合があると判断される。
【0014】
検査の結果、不具合が認められた部材があれば、再度製作データに従って部材を再製作5し、製作した部材の自動検査6を行って、不具合が無ければ、部材の製作は完了7する。
【0015】
【発明の効果】
本発明は、以上に説明した工程で行うことにより、以下に記載するような効果を奏する。
【0016】
3次元CADを用いて部材を立体的に組み立て、部材同士の当たり具合や、ボルトの配置など、2次元CADを用いた現寸によって得られた製作データに不具合がないか確認することで、部材の製作データ上のミスが無く、製作データに従って自動製作された部材に対して、製作データ通りに加工出来ているかの検査を行うことで、製作データ通りの部材の製作されるため、従来の工程のように部材の製作後に、人手で実際に部材を仮組み立てる検査工程を行わなくても、現地で問題無く組立てることができる部材を製作することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】塔状鋼構造物の部材製作方法の作業の流れ
【図2】自動加工機による部材製作の流れ
【符号の説明】
1 強度設計データ
2 2次元CADによる現寸
3 製作データ出力
4 3次元CADによる部材の組立て
5 自動加工機による部材製作
6 製作した部材の自動検査
7 製作完了
8 鋼材切断ライン
9 孔明け・刻印ライン
10 2次加工ライン
11 自動加工機
【出願人】 【識別番号】592233174
【氏名又は名称】日本電炉株式会社
【住所又は居所】大阪市東成区深江北2丁目11番17号
【出願日】 平成14年10月29日(2002.10.29)
【代理人】
【公開番号】 特開2004−151796(P2004−151796A)
【公開日】 平成16年5月27日(2004.5.27)
【出願番号】 特願2002−313605(P2002−313605)