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【発明の名称】 |
ラビング材 |
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【氏名】田辺 克行 【住所又は居所】京都府宇治市宇治小桜23番地 ユニチカ株式会社中央研究所内 【氏名】古川 幹夫 【住所又は居所】京都府宇治市宇治小桜23番地 ユニチカ株式会社中央研究所内 |
【課題】ラビング処理中の静電気の発生を抑制すると共に、異物による配向膜表面の汚染を低減することのできるラビング材を提供する。
【解決手段】液晶表示装置の配向膜46を配向処理するためのラビング材40において、配向膜を擦るための繊維42が主にポリイミド繊維であることを特徴とするラビング材である。ポリイミド繊維をパイル糸に用いたベルベット織物等のパイル布帛を製編織し、これをラビング布としてローラ44に巻き付けてラビング処理に使用する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 液晶表示装置の配向膜を配向処理するためのラビング材において、配向膜を擦るための繊維が主にポリイミド繊維であることを特徴とするラビング材。 【請求項2】 ポリイミド繊維が熱可塑性ポリイミド繊維であることを特徴とする請求項1に記載のラビング材。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】 本発明は、液晶表示装置の製造工程において配向膜をラビング処理するためのラビング材に関するものである。 【0002】 【従来の技術】 液晶表示装置の製造工程において、液晶の配向を制御するための手段として、配向膜のラビング処理工程が知られている。このラビング処理工程とは、例えば、ナイロンやレーヨン、コットン等の繊維で構成されたベルベット等の毛足の長い布をラビング材として用い、これを巻き付けたローラを回転させながらガラス等の基板上に塗布された配向膜の表面を擦る(rubbing)ものである。 【0003】 しかし、このラビング処理工程においては、配向膜とラビング材が接触した際に静電気が発生し、この静電気に起因する放電が基板上の電子デバイスを損傷したり、静電気による異物の付着などが生じることで、液晶表示装置の製造歩留まりを低下させるという問題があった。 【0004】 そこで、静電気を抑制するための手段としては、帯電系列上の帯電能が配向膜構成材と近接した材料を選び、当該材料からなる繊維をラビング材に使用することが開示されている(例えば、特許文献1参照)。また、配向膜の仕事関数とほぼ等しい仕事関数を有する材料を表面に含むラビング材が開示されている(例えば、特許文献2参照)。 【0005】 【特許文献1】特公平7−7163号公報(第1頁) 【特許文献2】特開2001−75100号公報(第1頁) 【0006】 【発明が解決しようとする課題】 上記したような従来の静電気を抑制するための手段では、静電気の抑制が不十分な場合があり、また、ラビング処理中にラビング材から発生する異物が付着して配向膜表面を汚染するという問題に対しては、十分な解決策を持たなかった。 【0007】 このような状況に鑑み、本発明の課題は、ラビング処理中の静電気の発生を抑制すると共に、異物による配向膜表面の汚染を低減することのできるラビング材を提供することにある。 【0008】 【課題を解決するための手段】 本発明者らは、鋭意研究を行った結果、ポリイミド繊維をラビング材に用いることにより上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。 【0009】 すなわち、本発明は、液晶表示装置の配向膜を配向処理するためのラビング材において、配向膜を擦るための繊維が主にポリイミド繊維であることを特徴とするラビング材を要旨とするものであり、好ましくは、当該ポリイミド繊維が熱可塑性ポリイミド繊維であるラビング材を要旨とするものである。 【0010】 【発明の実施の形態】 以下に本発明の詳細について説明する。 本発明のラビング材においては、ラビング材の表面に存在して配向膜を擦るための繊維(以下、ラビング繊維と略記する)として、主にポリイミド繊維を用いることを要する。 【0011】 本発明では、ラビング繊維としてポリイミド繊維を用いていることにより、ラビング処理の際に発生する静電気の発生を抑制できる。静電気は異なる物質が接触、剥離あるいは摩擦等することにより発生するが、その際には摩擦等する両物質について、図1に例示するような帯電列における位置が離れていればいるほど、静電気は発生しやすいことが知られている。液晶表示装置の配向膜には、通常ポリイミドが使用されているので、ラビング繊維としてポリイミド繊維を用いることにより静電気の発生を抑制できるのである。そして、静電気の発生を抑制することにより、基板上の電子デバイスの損傷を低減することができ、静電気による異物の付着も防止できる。 【0012】 本発明ではまた、ラビング繊維としてポリイミド繊維を用いていることにより、ラビング処理の際に発生する異物を容易に除去することができる。ラビング材で配向膜を擦ると、配向膜の表面部分が削れたり、ラビング材からラビング繊維が抜けたりして異物が発生する場合がある。このとき、従来の例えばレーヨン繊維をラビング繊維に用いたラビング材であると、発生する異物は配向膜由来のポリイミドと、ラビング繊維由来のレーヨンとの2種類であり、レーヨンは静電気的な付着力のために配向膜表面から除去しにくく、また2種類の異物を同時に除去するのは困難であった。この点、本発明のラビング材では、配向膜由来の異物及びラビング繊維由来の異物のいずれもがポリイミドとなり、静電気的な付着力が弱く、また同種類の異物であるために除去が容易となる。 【0013】 本発明ではまた、ラビング繊維としてポリイミド繊維を用いていることにより、 ラビング処理の際に発生する摩擦熱等の熱に対する安定性が高いという利点もある。ポリイミドの耐熱性は、ナイロンやレーヨンに比較して高いので、摩擦熱によるラビング繊維から配向膜への化学的汚染や、ラビング繊維の劣化を防止することができる。 【0014】 ラビング繊維としてのポリイミド繊維には、種々のポリイミド繊維を用いることができる。例えば、特開昭55−16925号公報、特開昭56−159314号公報、特開昭59−163416号公報等に開示されているような、ポリアミック酸の溶液を口金より水槽等の凝固槽に吐出して繊維形状に成形した後に熱的もしくは化学的に反応させて最終的にポリイミドの繊維とする、いわゆる湿式紡糸法により得られるポリイミド繊維を用いることができる。また、特開昭63−211319号公報、特開平5−140337号公報、特開2002−309441号公報等に開示されているような、熱可塑性ポリイミドを溶融紡糸することにより得られるポリイミド繊維を用いることができる。 【0015】 ラビング繊維に用いるポリイミド繊維の断面としては、繊維の向きによるラビングのムラが生じにくい点で、丸断面が好ましい。ラビングの均一性という観点からはまた、ラビング繊維の形態は均一なものが求められ、細繊度のものが求められるが、繊維の形態をコントロールしやすいという利点から、熱可塑性ポリイミドを溶融紡糸して得られる熱可塑性ポリイミド繊維がラビング繊維として好ましい。 【0016】 さらに、ラビング繊維として用いる熱可塑性ポリイミド繊維は、結晶性の熱可塑性ポリイミド繊維が好ましい。結晶性の熱可塑性ポリイミド繊維は、ガラス転移点が高く熱的な安定性に優れており、ラビング処理時の熱の影響による繊維のヘタリや配向膜への汚染が生じ難いので好ましい。そのような結晶性の熱可塑性ポリイミド繊維を形成するためのポリイミド樹脂としては、例えば三井化学株式会社製「オーラム(商標名)」が挙げられる。 【0017】 本発明のラビング材の具体的な構成としては、図2もしくは図3に示すように、布状もしくはフィルム状の基材21もしくは31と、ポリイミド繊維を主とするパイル状の繊維からなるパイル部22もしくは32とを有して構成されることが好ましい。この好ましい構成により、図4に示すように、ラビング処理の際にはポリイミド繊維を含むパイル部42が配向膜46を擦るラビング材40となる。この好ましい構成のラビング材としては、ポリイミド繊維を基材に静電植毛することにより図2に示すようなラビング材が、あるいはポリイミド繊維をパイル糸に用いて図3に示すようなパイル布帛を製編織することによりラビング布が得られる。 なお、図3に示すようなパイル布帛をラビング布とする場合、パイルが立っているのと反対側の基布面に接着剤を塗布してパイルの抜けを防止することが通常行われる。 【0018】 さらに、上記した好ましい構成において、精密で均一なラビング処理を行うという観点から、パイルはループパイルよりカットパイルである方が好ましく、また、カットパイルの長さが均一でかつ高密度であることが好ましい。そのような条件を満たす好適なラビング材としては、パイル糸にポリイミド繊維を用いたベッチンやベルベットといったパイル織物、パイル編物のシャーリング加工品、ポリイミド繊維を連結糸に用いたダブルラッセル編物を連結糸の中央で切り開いたセンターカット品といったラビング布が挙げられる。 【0019】 また、パイル部におけるポリイミド繊維の含有率は、50質量%以上であり、70質量%以上、さらには90質量%以上が好ましく、100%であってもよい。 なお、パイル部には発生した静電気を効果的に除去する目的で、導電性繊維を含有させてもよい。 【0020】 次に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。 なお、実施例にいうパイル密度とは、単繊維を1本として表わしたものである。 【0021】 参考例1(ポリイミド繊維の製造) ポリイミド繊維を得るために、熱可塑性かつ結晶性のポリイミド(三井化学製「オーラムPL450」)を用いた。DSC測定によるこのポリイミドのガラス転移点は250℃であり、同じく融点は387℃であった。 上記のポリイミドを415℃に加熱して溶融させ、紡糸速度500m/minで溶融紡糸し、温度300℃、延伸倍率2.5倍で加熱延伸することにより、単繊維径15μm×36フィラメントのマルチフィラメントからなるポリイミド繊維を得た。このポリイミド繊維の結晶化度をX線回折法により測定したところ、結晶化度は30%、結晶部の配向度は90%であった。 【0022】 実施例1 参考例1で得られたポリイミド繊維をカッターで2mm長に切断してポリイミド短繊維とした。このポリイミド短繊維をポリエステル織物からなる基材上に静電植毛加工することにより、パイル長2mm、パイル密度5万本/cm2のラビング布を得た。 【0023】 実施例2 参考例1で得られたポリイミド繊維をパイル部に用い、ポリエステル繊維を基布部に用いたベルベット織物を作製して、パイル長2mm、パイル密度5万本/cm2のラビング布を得た。 【0024】 実施例3 湿式紡糸法により製造された市販のポリイミド繊維(東洋紡績株式会社製「P84」)を用いて、実施例1と同様に静電植毛加工によってパイル長2mm、パイル密度5万本/cm2のラビング布を得た。 【0025】 上記実施例1〜3で得られたラビング布を液晶パネルのラビング処理に用いたところ、いずれのラビング布を用いた場合にも、従来のラビング布を用いた場合と比べて基板上の電子デバイスの損傷を低減することができ、最終的な液晶パネルの歩留まりを向上することができた。 【0026】 【発明の効果】 本発明のラビング材は、液晶表示装置のラビング処理において配向膜を擦るための繊維として、配向膜と同種の素材であるポリイミド繊維を用いているため、ラビング処理中の静電気の発生を抑制すると共に、異物による配向膜表面の汚染を低減することができる。その結果として、基板上の電子デバイスの損傷を低減することができ、最終的な液晶パネルの歩留まりを向上することができる。 【図面の簡単な説明】 【図1】帯電列の一例である。 【図2】静電植毛法により得られるラビング材の構造を模式的に示す断面図である。 【図3】ラビング布となるパイル布帛の構造を模式的に示す断面図である。 【図4】本発明のラビング材を用いてラビング処理を行なう様子を模式的に説明する断面図である。 【符号の説明】 20 ラビング材 21 基材 22 パイル部 23 接着層 30 ラビング布 31 基布 32 パイル部 40 ラビング材 42 パイル部 44 ローラ 45 ガラス基板 46 ポリイミド配向膜
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| 【出願人】 |
【識別番号】000004503 【氏名又は名称】ユニチカ株式会社 【住所又は居所】兵庫県尼崎市東本町1丁目50番地
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| 【出願日】 |
平成15年4月8日(2003.4.8) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2004−309842(P2004−309842A) |
| 【公開日】 |
平成16年11月4日(2004.11.4) |
| 【出願番号】 |
特願2003−104089(P2003−104089) |
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