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【発明の名称】 独立駆動型無線式ガス検知装置および無線式ガス検知システム
【発明者】 【氏名】河原 康雄
【住所又は居所】東京都板橋区小豆沢2丁目7番6号 理研計器株式会社内

【氏名】武井 広勝
【住所又は居所】東京都板橋区小豆沢2丁目7番6号 理研計器株式会社内

【氏名】小▲暮▼ 晋祐
【住所又は居所】東京都板橋区小豆沢2丁目7番6号 理研計器株式会社内

【要約】 【課題】電気ケーブルを敷設する必要がなく、自立的に自動的にかつ継続的にガス濃度の検知を実行し、しかも、簡易に設置することのできる、独立駆動型無線式ガス検知装置、並びに無線式ガス検知システムを提供すること。

【解決手段】独立駆動型無線式ガス検知装置は、支持構体と、その各々が当該支持構体に支持された、検知対象ガスの検知を行うガス検知ユニットと、管理部との通信を行う無線式通信ユニットと、ソーラー発電手段と、二次電池を備える電源ユニットとにより構成されてなり、電源ユニットからの電力によって駆動され、ガス検知ユニットによるガス検知信号が無線式通信ユニットを介して管理部に無線通信により伝達されることを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持構体と、その各々が当該支持構体に支持された、検知対象ガスの検知を行うガス検知ユニットと、管理部との通信を行う無線式通信ユニットと、ソーラー発電手段と、二次電池を備える電源ユニットとにより構成されてなり、
電源ユニットからの電力によって駆動され、ガス検知ユニットによるガス検知信号が無線式通信ユニットを介して管理部に無線通信により伝達されることを特徴とする独立駆動型無線式ガス検知装置。
【請求項2】
支持構体が基礎に据え付けられて設置されるポスト状であって、
当該支持構体には、無線式通信ユニット、ソーラー発電手段、電源ユニットおよび、ガス検知ユニットが上方からこの順に配置されて支持されていることを特徴とする請求項1に記載の独立駆動型無線式ガス検知装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の独立駆動型無線式ガス検知装置の複数と、これらの独立駆動型無線式ガス検知装置よりのガス検知信号が無線通信により伝達される共通の管理部とよりなることを特徴とする無線式ガス検知システム。
【請求項4】
請求項1または請求項2に記載の独立駆動型無線式ガス検知装置の複数を備えてなり、一の独立駆動型無線式ガス検知装置よりのガス検知信号が、少なくとも一つの他の独立駆動型無線式ガス検知装置を中継して管理部に伝達されることを特徴とする請求項3に記載の無線式ガス検知システム。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、外部装置と電気的に接続されずに作動する独立駆動型無線式ガス検知装置、およびこれによる無線式ガス検知システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、特定の個所において継続的に検知対象ガスの濃度を監視するために、定点監視式ともいうべきガス検知装置が使用されており、このガス検知装置においては、その電源として商用電源が用いられると共に、適宜のケーブルを介してガス検知信号が管理部に伝達される構成とされる。
【0003】
このようなガス検知装置の設置においては、当然のことながら、ガス検知装置に至る商用電力供給用の電力供給用ケーブルを敷設することが必要であり、かつ、ガス検知装置から管理部に至るガス検知信号伝達用ケーブルの敷設が必要となる。
【0004】
しかしながら、以上のような電気ケーブルを敷設するためには、ガス検知装置を設置すべき個所の地理的条件によっては大きな困難が伴い、多大な時間と費用を要する場合や、当該ケーブルを敷設すること自体が実際上不可能である場合も少なくなく、結局、ガス検知システム全体として、その構築に必要とされる費用が大きくなる、という問題がある。
【0005】
一方、基本的に電力供給用ケーブルを必要としないガス検知装置として、例えば電池を電源として利用する可搬型ガス検知装置も知られているが、このような可搬型ガス検知装置においては、電池の交換を行うことが必要であり、長期間に亘る継続的な監視には適当ではない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は以上のような事情に基づいてなされたものであって、その目的は、電気ケーブルを敷設する必要がなく、自立的に自動的にかつ継続的にガス濃度の検知を実行し、しかも、簡易に設置することのできる、独立駆動型無線式ガス検知装置、並びにこれによる無線式ガス検知システムを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の独立駆動型無線式ガス検知装置は、支持構体と、その各々が当該支持構体に支持された、検知対象ガスの検知を行うガス検知ユニットと、管理部との通信を行う無線式通信ユニットと、ソーラー発電手段と、二次電池を備える電源ユニットとにより構成されてなり、電源ユニットからの電力によって駆動され、ガス検知ユニットによるガス検知信号が無線式通信ユニットを介して管理部に無線通信により伝達されることを特徴とする。
【0008】
ここで、支持構体がポスト状であって、当該支持構体には、無線式通信ユニットと、ソーラー発電手段と、電源ユニットと、ガス検知ユニットとが上方からこの順に位置するよう支持されてなり、支持構体が据え付けられて設置されることが好ましい。
【0009】
本発明の無線式ガス検知システムは、以上の独立駆動型無線式ガス検知装置の複数と、これらの独立駆動型無線式ガス検知装置よりのガス検知信号が無線通信により伝達される共通の管理部とよりなることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の無線式ガス検知システムにおいては、上記の独立駆動型無線式ガス検知装置の複数を備えてなり、一の独立駆動型無線式ガス検知装置よりのガス検知信号が、少なくとも一つの他の独立駆動型無線式ガス検知装置を中継して管理部に伝達されることが好ましい。
【0011】
【作用】
本発明の独立駆動型無線式ガス検知装置によれば、それ自体が、いわば自前の電源としての発電手段および、得られたガス検知信号を伝達する無線式通信手段が支持構体に支持された構成を有することにより、電力供給用ケーブルおよびガス検知信号伝達用ケーブルの両方が不要な独立駆動型無線式ガス検知装置が提供される。この独立駆動型無線式ガス検知装置によれば、当該支持構体を所要の場所に設置することにより、当該場所において、ガス検知動作およびガス検知信号の伝達動作を自立的、自動的、かつ、継続的に実行することができ、更に、複数の独立駆動型無線式ガス検知装置により、統括的な無線式ガス検知システムの構築を容易に行うことができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の独立駆動型無線式ガス検知装置(以下、単に「無線式ガス検知装置」ともいう。)の構成の一例を示す説明用正面図、図2は、図1に示す無線式ガス検知装置の構成の一例を示す説明用側面図である。
【0013】
この無線式ガス検知装置10は、平板状のアンカープレート111が下端に設けられた、例えばステンレススチールよりなるポスト状の支柱112よりなる支持構体11を有しており、この支持構体11に、上方から、無線式通信ユニット20と、支点311を中心に仰俯角が調節可能な態様で支持されたソーラーパネル31と、電源ユニット30と、ガス検知ユニット40とがこの順に支持されて構成されている。図において、12は装着用リング部材である。
【0014】
支柱112の最上位置に配設された無線式通信ユニット20は、それより上方に伸びる通信用アンテナ201を有すると共に、防滴性または防水性を有する通信機収容ケース202に収容された無線式モデムを備えてなり、これにより、通信アンテナ201を介して、ガス検知信号を含む送信データを無線通信により発信する機能を有する。この無線通信モデムは、更に、電波を受信する受信機能をも有するものであることが好ましい。
【0015】
また、無線式通信ユニット20の下方位置に配置されるソーラーパネル31は、その受光面が、無線式通信ユニット20の陰にならない位置となるよう、適宜の架台部材312上に装着されている。ソーラーパネル31の種類は、特に制限されるものではなく、例えば多重接合型セル、単結晶シリコンセル、多結晶シリコンセル、アモルファスシリコンセルなどを利用したものを用いることができる。
【0016】
電源ユニット30は、電源ケース33内に、電源回路32、ソーラーパネル31において発電された電力を蓄える二次電池34および当該二次電池34に対する充電を行う充電器35を備えた構成とされている。
そして、二次電池34としては、例えば鉛蓄電池、ニッケル−カドミウム電池、リチウムイオン電池、ニッケル水素電池、ポリマー電池などを挙げることができる。
【0017】
ガス検知ユニット40は、検知対象ガスの種類に応じたガスセンサ(図示せず)を備えており、例えば炭化水素ガス、水素ガス、酸素ガス、二酸化炭素ガス、一酸化炭素ガス、硫化水素ガス、二酸化硫黄ガス、一酸化窒素ガス、二酸化窒素ガス、アンモニアガスなどから選ばれた、目的とする種類の検知対象ガスに感度を有するものが用いられる。
【0018】
ガスセンサの種類としては、半導体式センサ、定電位電解式センサ、隔膜ガルバニ電池式センサ、熱粒子化式センサ、焦電型赤外線センサなどを挙げることができ、検知対象ガスの種類に応じて適宜のものが用いられるが、消費電力が小さなものを用いることが好ましい。検知対象ガスが、例えば二酸化炭素ガス、一酸化炭素ガス、メタンガス、ブタンガス、イソブタンガス、プロパンガスの場合には、ガス検知動作の周期が制御された焦電型赤外線センサを好ましく用いることができる。
【0019】
図3は、図1に示す独立駆動型無線式ガス検知装置の電気的接続関係を示すブロック図である。
この図において、36は、ソーラーパネル31の出力電圧を検出する充電回路、37は、二次電池34の放電電圧を検出する放電電圧検出回路、38は定電圧電源であって、これらにより電源回路32が構成されており、充電回路36は、ソーラーパネル31の出力電圧が設定電圧以上のときに充電器35を動作させて二次電池34の充電を行う機能を有する。
また、ガス検知ユニット40は、放電電圧検出回路37を介して二次電池34に接続され、無線式通信ユニット20は、充電器35および定電圧電源38を介してソーラーパネル31に接続されていると共に、放電電圧検出回路37を介して二次電池34に接続された構成とされている。
【0020】
アンカープレート111は、例えば地面上に直接的に、または例えばコンクリートよりなる基礎上にボルトなどの固定具を用いて固定されて支持構体11が定地的に据え付けられ、これにより、独立駆動型無線式ガス検知装置10が、検知対象ガスの濃度の検知を実行すべき場所に設置される。
【0021】
そして、設置された場所において、無線式ガス検知装置10は、次のように作動する。すなわち、ソーラーパネル31の受光面に太陽光が入射することにより電力が生じ、充電回路36において、このソーラーパネル31の出力電圧が設定電圧以上である場合には、充電器35がオン状態とされ、ソーラーパネル31の電力が二次電池34に充電される。一方、例えば夜間などにおいて、ソーラーパネル31の出力電圧が設定電圧に達しない場合には、充電器35がオフ状態とされ、これにより、充電器35の動作に要する電力の消費が回避される。
このように、充電器35における動作状態がソーラーパネル31の出力電圧に応じて制御されることにより、電源回路32における総消費電力量が低減される。
【0022】
そして、放電電圧検出回路37を介して二次電池34から駆動電力が供給されて、ガス検知ユニット40においてガス検知器が、例えば周期的にガス検知動作を実行することによりガス検知信号が得られる。このガス検知信号は、無線式通信ユニット20へ送信され、無線式モデムにより通信用アンテナ201を介して発信されて管理部へ伝達される。無線式通信ユニット20の駆動電力は、定電圧電源38および充電器35を介してソーラーパネル31から直接的に供給される電力および、放電電圧検出回路37を介して二次電池34から供給される電力のいずれであってもよい。
【0023】
以上のように、本発明の独立駆動型無線式ガス検知装置は、独立した支持構体に、発電手段を有する電源ユニットおよび無線式通信ユニットなどが支持される簡便な構成を有する構成であり、自律的、自動的かつ継続的にガス検知信号を無線通信により発信するため、電力供給用ケーブルおよびガス検知信号伝達用ケーブルなどの敷設工事が不要であって、きわめて簡易に独立駆動型無線式ガス検知装置を設置することができる。
【0024】
設置された独立駆動型無線式ガス検知装置において、例えば天候の不順などのためにソーラーパネル31による発電量が低い状態が続いた場合など、二次電池34における電力の残留量が低下してきた場合には、そのことが放電電圧検出回路37により検出され、これにより、ガス検知ユニット40が、例えばガス検知動作が実行される時間間隔の延長などの、適宜の省電力動作状態に移行する構成とすることができ、この場合には、独立駆動型無線式ガス検知装置10全体における総消費電力量を抑制することができ、長期間にわたって継続的な動作を続行することが可能である。
【0025】
本発明の無線式ガス検知システムは、例えば図4に示すように、管理部50および、複数の無線式ガス検知装置51、52、53により構成され、管理部50によりこれらの無線式ガス検知装置51、52、53が統括的に管理可能とされている。
【0026】
この例の無線式ガス検知システムにおいては、無線式ガス検知装置53は、無線式ガス検知装置51を中継して管理部50にガス検知信号を伝達する構成とされている。すなわち、無線式ガス検知装置53で得られたガス検知信号は、無線式ガス検知装置51を介して無線通信により管理部50に伝達されるものである。
このような構成によれば、無線式ガス検知装置53よりの送信データの送信元から受信先、すなわち無線式ガス検知装置51までの距離を短く設定することが可能であるため、当該無線式ガス検知装置53に装備される無線通信手段として、低出力型のものを利用することができ、従って、その消費電力を十分に低減したものとすることができる。
【0027】
本発明の無線式ガス検知システムによれば、発電手段を有してなる独立駆動型の無線式ガス検知装置の複数および管理部により構成され、当該複数の無線式ガス検知装置の各々が管理部により統括的に管理されるため、その管理が容易であると共に、例えば多数の無線式ガス検知装置の設置が必要になる場合であっても、ケーブルを敷設する必要がないためにその各々の設置をきわめて簡易に行うことができる。
【0028】
本発明の無線式ガス検知システムによれば、以上の特徴を有するものであるため、例えば工場敷地の周辺に沿って複数の個所に配置された独立駆動型無線式ガス検知装置による当該工場からの排出ガスによる周囲の環境に対する影響の調査、または、漏洩ガスの有無の調査を目的とした、意図する特定の個所における、検知対象ガスの継続的な監視を実行する定点監視などを容易に行うができる。また、独立駆動型無線式ガス検知装置を、火山における遊歩道、火口付近の領域、離島などに設置することにより、火山性ガスなどの有毒ガスの発生状況や環境調査などの、隔離されたまたはアクセスが困難である特定の個所における、検知対象ガスの継続的な監視を実行する定点監視などを容易に行うことができる。
【0029】
以上の無線式ガス検知システムにおいて、無線式ガス検知装置の各々に、例えばパトライトなどの種々の警報ランプおよび警報ブザーを追加することにより、きわめて容易に独立駆動型ガス警報システムを構築することができる。
【0030】
【発明の効果】
本発明の独立駆動型無線式ガス検知装置によれば、それ自体が、いわば自前の電源としての発電手段および得られたガス検知信号を伝達する無線式通信手段が支持構体に支持された構成を有することにより、電力供給用ケーブルおよびガス検知信号伝達用ケーブルの両方が不要な独立駆動型無線式ガス検知装置が提供される。この独立駆動型無線式ガス検知装置によれば、当該支持構体を所要の場所に設置することにより、当該場所において、ガス検知動作およびガス検知信号の伝達動作を自立的、自動的、かつ、継続的に実行することができ、更に、複数の独立駆動型無線式ガス検知装置により、統括的な無線式ガス検知システムの構築を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の独立駆動型無線式ガス検知装置の構成の一例を示す説明用正面図である。
【図2】図1に示す独立駆動型無線式ガス検知装置の構成の一例を示す説明用側面図である。
【図3】図1に示す独立駆動型無線式ガス検知装置の電気的接続関係を示すブロック図である。
【図4】本発明の無線式ガス検知システムの構成の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
10 独立駆動型無線式ガス検知装置
11 支持構体
111 アンカープレート
112 支柱
12 装着用リング部材
20 無線式通信ユニット
201 通信アンテナ
202 通信機収容ケース
30 電源ユニット
31 ソーラーパネル
311 支点
312 架台部材
32 電源回路
33 電源ケース
34 二次電池
35 充電器
36 充電回路
37 放電電圧検出回路
38 定電圧電源
40 ガス検知ユニット
50 管理部
51、52、53 無線式ガス検知装置
【出願人】 【識別番号】000250421
【氏名又は名称】理研計器株式会社
【住所又は居所】東京都板橋区小豆沢2丁目7番6号
【出願日】 平成14年12月26日(2002.12.26)
【代理人】 【識別番号】100078754
【弁理士】
【氏名又は名称】大井 正彦

【公開番号】 特開2004−205424(P2004−205424A)
【公開日】 平成16年7月22日(2004.7.22)
【出願番号】 特願2002−376986(P2002−376986)