トップ :: G 物理学 :: G01 測定;試験

【発明の名称】 ハイブリダイゼーションの検出方法、及び二本鎖核酸の検出方法
【発明者】 【氏名】田代 英夫

【氏名】近藤 恭光

【氏名】竹中 繁織

【氏名】野島 高彦

【氏名】上山 博幸

【要約】 【課題】二本鎖核酸検出試薬の非特異的吸着を抑え、ハイブリッド形成したターゲット核酸のみを正確に検出することができるハイブリダイゼーションの検出方法を提供すること。

【解決手段】二本鎖核酸検出試薬による核酸マイクロアレイ上のプローブ核酸とターゲット核酸とのハイブリダイゼーションの検出方法。ハイブリダイゼーション操作後、二本鎖核酸検出試薬溶液処理前に、前記核酸マイクロアレイの基板上の核酸固定化表面をカゼイン含有溶液で処理する。二本鎖核酸検出試薬による基板上の二本鎖核酸の検出方法。二本鎖核酸検出試薬溶液処理前に、基板上の核酸固定化表面をカゼイン含有溶液で処理する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
二本鎖核酸検出試薬による核酸マイクロアレイ上のプローブ核酸とターゲット核酸とのハイブリダイゼーションの検出方法であって、ハイブリダイゼーション操作後、二本鎖核酸検出試薬溶液処理前に、前記核酸マイクロアレイの基板上の核酸固定化表面をカゼイン含有溶液で処理することを特徴とするハイブリダイゼーションの検出方法。
【請求項2】
二本鎖核酸検出試薬による基板上の二本鎖核酸の検出方法であって、二本鎖核酸検出試薬溶液処理前に、基板上の核酸固定化表面をカゼイン含有溶液で処理することを特徴とする二本鎖核酸の検出方法。
【請求項3】
前記核酸が、DNA、RNA、又はPNAである請求項1又は2に記載の検出方法。
【請求項4】
前記基板がガラスであって、かつ前記二本鎖核酸検出試薬が、ガラス吸着性を有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記二本鎖核酸検出試薬が、FITC−K2−Acr2、BHHCT−NDI、SYBR(登録商標)Green I、又はエチジウムブロマイドである請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記カゼイン含有溶液のカゼイン濃度が、0.1〜10%である請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記カゼイン含有溶液処理を、前記核酸固定化表面を前記カゼイン含有溶液に10分〜2時間浸漬することによって行う請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記二本鎖核酸検出試薬溶液が、カゼインを含む請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記二本鎖核酸検出試薬溶液のカゼイン濃度が、0.1〜10%である請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記基板表面が、有機物被覆されている請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記有機物が、ポリ−L−リジン、アミノアルキルシラン、ビオチン、アビジン、又はストレプトアビジンである請求項10に記載の方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、二本鎖核酸検出試薬による核酸マイクロアレイ上のプローブ核酸とターゲット核酸とのハイブリダイゼーションの検出方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
DNAなどの核酸ポリマー中の目的遺伝子配列を探索したり、あるいは複数の核酸ポリマーの異同を判定したりする方法として、ターゲット核酸ポリマーの一部配列と相補的な一本鎖核酸ポリマーをプローブとするハイブリダイゼーション法が知られている。DNAマイクロアレイによる遺伝子発現解析においては、標準試料と測定試料とをそれぞれ異なるラベル剤で標識し、プローブDNAにハイブリダイゼーションさせ、その結果から遺伝子発現量を評価する手法が広く用いられている。しかし、この手法では、ラベル化によって試料中の発現遺伝子存在比に悪影響が生じるおそれがある。そこで、近年、二本鎖DNAに特異的に結合する二本鎖核酸検出試薬が開発されるようになってきた(非特許文献1参照)。二本鎖核酸検出試薬を用いる手法では、測定試料に対して一切の修飾を必要としないため、ハイブリッド形成したターゲット核酸を、正確に検出することができる。
【0003】
しかし、二本鎖核酸検出試薬は、スライドガラスを基板として用いるDNAマイクロアレイに適用すると、スライドガラス表面や、スライドガラス上にコートされたポリ−L−リジン及びアミノアルキルシランなどの有機物との間で、非特異的吸着が生じる場合がある。このような非特異的吸着は、ハイブリッド形成したターゲット核酸のみを正確に検出することの妨げとなるものである。
【0004】
【非特許文献1】
ヒロユキ・ウエヤマ(Hiroyuki Ueyama)、マコト・タカギ(Makoto Takagi)、シゲオリ・タケナカ(Shigeori Takenaka)著、「テトラキス−アクリジニルペプチド(Tetrakis−acridinyl peptide): DNA結合における蛍光デクエンチングに基づく核酸分析のための新規蛍光剤(A novel fluorometric reagent for nucleic acid analysis based on the fluorescence dequenching upon DNA binding)」、アナリスト(Analyst)、イギリス、ザ・ロイヤル・ソサイエティ・オブ・ケミストリー(The Royal Society of Chemistry)、127、2002年、p.886−888
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明は、二本鎖核酸検出試薬の非特異的吸着を抑え、ハイブリッド形成したターゲット核酸のみを正確に検出することができるハイブリダイゼーションの検出方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、ハイブリダイゼーション処理後に、二本鎖核酸検出試薬溶液で処理する前に、核酸マイクロアレイの基板上のプローブ核酸固定化表面をカゼイン含有溶液で処理することにより、上記の二本鎖核酸検出試薬の非特異的吸着が抑制されることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、上記課題を解決するための手段は以下の通りである。
(1) 二本鎖核酸検出試薬による核酸マイクロアレイ上のプローブ核酸とターゲット核酸とのハイブリダイゼーションの検出方法であって、ハイブリダイゼーション操作後、二本鎖核酸検出試薬溶液処理前に、前記核酸マイクロアレイの基板上の核酸固定化表面をカゼイン含有溶液で処理することを特徴とするハイブリダイゼーションの検出方法。
(2) 二本鎖核酸検出試薬による基板上の二本鎖核酸の検出方法であって、二本鎖核酸検出試薬溶液処理前に、基板上の核酸固定化表面をカゼイン含有溶液で処理することを特徴とする二本鎖核酸の検出方法。
(3) 前記核酸が、DNA、RNA、又はPNAである(1)又は(2)に記載の検出方法。
(4) 前記基板がガラスであって、かつ前記二本鎖核酸検出試薬が、ガラス吸着性を有する(1)〜(3)のいずれかに記載の方法。
(5) 前記二本鎖核酸検出試薬が、FITC−K2−Acr2、BHHCT−NDI、SYBR(登録商標)Green I、又はエチジウムブロマイドである(4)に記載の方法。
(6) 前記カゼイン含有溶液のカゼイン濃度が、0.1〜10%である(1)〜(5)のいずれかに記載の方法。
(7) 前記カゼイン含有溶液処理を、前記核酸固定化表面を前記カゼイン含有溶液に10分〜2時間浸漬することによって行う(1)〜(6)のいずれかに記載の方法。
(8) 前記二本鎖核酸検出試薬溶液が、カゼインを含む(1)〜(7)のいずれかに記載の方法。
(9) 前記二本鎖核酸検出試薬溶液のカゼイン濃度が、0.1〜10%である(8)に記載の方法。
(10) 前記基板表面が、有機物被覆されている(1)〜(9)のいずれかに記載の方法。
(11) 前記有機物が、ポリ−L−リジン、アミノアルキルシラン、ビオチン、アビジン、又はストレプトアビジンである(10)に記載の方法。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について更に詳細に説明する。
本発明において、核酸マイクロアレイ上のプローブ核酸とターゲット核酸とのハイブリダイゼーションの検出は、二本鎖核酸検出試薬を用いて行う。そして、本発明では、上記二本鎖核酸検出試薬の非特異的吸着を抑制するために、ハイブリダイゼーション操作後、二本鎖核酸検出試薬溶液処理前に、核酸マイクロアレイの基板上のプローブ核酸固定化表面をカゼイン含有溶液で処理(以下、「カゼイン処理」ともいう)する。このカゼイン処理により、上記非特異的吸着が抑制され、ハイブリッド形成したターゲット核酸のみを検出することが可能となり、正確な検出を行うことができる。上記核酸は、DNA、RNA、又はPNAであることができる。
【0008】
上記カゼイン処理に用いるカゼイン含有溶液中のカゼイン濃度は、0.1〜10%であることが好ましく、より好ましくは0.5〜5%である。カゼイン濃度が0.1%未満では、カゼイン処理によるブロッキングの効果が低下してしまう。一方、カゼイン濃度が10%を超えると、カゼイン含有溶液の粘性が極度に高まってしまい、マイクロアレイ上に必要以上にカゼインが結合し、二本鎖核酸検出試薬の染色を妨げる場合がある。
【0009】
また、上記カゼイン処理は、例えば、プローブ核酸固定化表面をカゼイン含有溶液に10分〜2時間、好ましくは30分〜1時間浸漬することによって行うことができる。また、核酸マイクロアレイ上にカゼイン含有溶液を載せ、その上にカバーガラスを被せることによっても、カゼイン処理を行うことができる。
【0010】
以下に、本発明により、プローブ核酸とターゲット核酸とのハイブリダイゼーションを検出する方法の一具体例を示す。但し、これらに限定される意図はない。
本発明では、例えば、
核酸マイクロアレイ基板に一本鎖核酸を固定化する工程、
固定化された一本鎖核酸とターゲット核酸とをハイブリダイゼーションさせる工程、
ハイブリダイゼーションしていないターゲット核酸を除去する工程、
核酸マイクロアレイ上のプローブ核酸固定化表面をカゼイン含有溶液で処理する工程、
カゼイン処理後の前記プローブ核酸固定化表面を二本鎖核酸検出試薬溶液で処理する工程、
二本鎖核酸に結合していない二本鎖核酸検出試薬を除去する工程、及び
核酸マイクロアレイ上のプローブ核酸とターゲット核酸とのハイブリダイゼーションを検出する工程
により、ハイブリダイゼーションを検出することができる。
【0011】
上記一本鎖核酸の固定化、ハイブリダイゼーション及びハイブリダイゼーションしていないターゲット核酸の除去は、公知の方法によって行うことができる。また、カゼイン処理については上述の通りである。
以下に、一本鎖核酸の固定化、ハイブリダイゼーション及びハイブリダイゼーションしていないターゲット核酸の除去の具体例を示す。但し、本発明はこの具体例に限定されるものではない。
一本鎖核酸を3×SSC溶液(450mM塩化ナトリウム、45mMクエン酸ナトリウム、pH7.0)に溶解した核酸プローブ溶液を作製する。それぞれの核酸プローブ溶液を、ポリ−L−リジン又はアミノアルキルシランによりコートされたスライドガラスに、DNAアレイヤーを用いてスタンプし、直径130〜150μmの核酸スポットを形成する。その後、UV照射又は真空乾燥により、核酸を固定化する。固定化されなかった一本鎖核酸を超純水により洗い流し、核酸マイクロアレイを作製する。
ハイブリダイゼーションのためのターゲット溶液の組成は、ターゲット核酸、3×SSC、0.2%SDS、1μg/μl yeast tRNAとすることができる。このターゲット溶液を核酸マイクロアレイ上に20μl載せ、その上にカバーガラスを被せる。この核酸マイクロアレイを湿潤箱内に入れ、65℃で16時間放置することにより、ハイブリダイゼーションを行うことができる。その後、2×SSC/0.1%SDS溶液内でカバーガラスをはずし、次に1×SSC内で2分間、振とう洗浄した後、0.1×SSCに2分間漬けて洗浄を行い、ハイブリッドを形成しなかったターゲット溶液を除去することができる。
【0012】
本発明では、核酸マイクロアレイの基板がガラスである場合、二本鎖核酸検出試薬としてガラス吸着性を有する試薬を用いたとしても、上記カゼイン処理によりガラス表面への非特異的吸着が抑制されるため、二本鎖核酸検出試薬を、ハイブリダイゼーションによって形成された二本鎖核酸のみに結合させ、ハイブリダイゼーションを正確に検出することができる。
【0013】
上記二本鎖核酸検出試薬としては、例えば、FITC−K2−Acr2、BHHCT−NDI、SYBR(登録商標)Green I、エチジウムブロマイドを用いることができる。
上記試薬の中で、FITC−K2−Acr2は、以下の構造を有する。
【0014】
【化1】


【0015】
また、BHHCT−NDIは、特開平2002−181816号公報に記載の方法によって得ることができる。SYBR(登録商標)Green Iは、モレキュラー・プローブズ(Molecular Probes)社から市販品を入手可能である。エチジウムブロマイドは、シグマ(Sigma)社から市販品を入手可能である。
【0016】
本発明では、核酸マイクロアレイの基板表面は、核酸を固相化するために、有機物で被覆されていてもよい。基板表面を被覆する有機物としては、例えば、ポリ−L−リジン、アミノアルキルシラン、ビオチン、アビジン、ストレプトアビジンを挙げることができる。有機物による基板の被覆は、公知の方法を用いて行うことができる。本発明では、マイクロアレイ基板が有機物によって被覆されている場合でも、上記カゼイン処理により、二本鎖検出核酸の非特異的吸着を抑制することができる。
【0017】
本発明では、上記二本鎖核酸検出試薬溶液にも、カゼインを含有させることができる。この溶液にカゼインを含有させることにより、上記非特異的吸着を、より有効に抑制することができる。この場合、二本鎖核酸検出試薬溶液中のカゼイン濃度は、例えば、0.1〜10%とすることができる。
【0018】
カゼイン処理後の前記プローブ核酸固定化表面を二本鎖核酸検出試薬溶液で処理する工程は、例えば、プローブ核酸固定化表面を二本鎖核酸検出試薬溶液に10分〜2時間浸漬することによって行うことができる。また、プローブ核酸固定化表面上に二本鎖検出試薬溶液を載せ、その上にカバーガラスを被せることによっても、二本鎖核酸処理溶液による処理を行うことができる。
【0019】
上記の二本鎖核酸検出試薬による処理によって、二本鎖核酸検出試薬は、例えば静電気的相互作用や芳香環とのスタッキング相互作用によって、プローブ核酸とターゲット核酸とのハイブリダイゼーションによって形成された二本鎖核酸に結合する。次いで、二本鎖核酸に結合していない二本鎖核酸検出試薬を、洗浄、除去する。前記洗浄は、例えば、核酸マイクロアレイを、0.1〜0.6M塩化ナトリウム含有溶液に浸漬し、10分間振とうすることによって行うことができる。
【0020】
本発明では、上記カゼイン処理により、基板表面への二本鎖核酸検出試薬の非特異的吸着を抑制することができるので、二本鎖核酸に結合していない二本鎖核酸検出試薬を、洗浄、除去した後、核酸マイクロアレイ上の二本鎖核酸検出試薬の、例えば吸光度や蛍光を測定することにより、核酸マイクロアレイ上のプローブ核酸とターゲット核酸とのハイブリダイゼーションを正確に検出することができる。即ち、本発明によれば、二本鎖核酸検出試薬を、プローブ核酸とターゲット核酸とのハイブリダイゼーションによって形成された二本鎖核酸のみに結合させ、ハイブリダイゼーションを正確に検出することができる。
【0021】
更に、本発明は、二本鎖核酸検出試薬による基板上の二本鎖核酸の検出方法にも関する。本発明の二本鎖核酸の検出方法は、二本鎖核酸検出試薬を用いて行われ、二本鎖核酸検出試薬溶液処理前に、基板上の核酸固定化表面をカゼイン含有溶液で処理することを特徴とする。二本鎖核酸検出試薬、二本鎖核酸検出試薬による処理、及びカゼイン溶液による処理の詳細は、上記と同様である。
【0022】
本発明の二本鎖核酸の検出方法は、例えば、二本鎖核酸であるcDNAのPCR産物をアレイ上にスポッティングする、cDNAマイクロアレイ基板作製時のスポッティングの検査に利用することができる。即ち、本発明の方法によれば、二本鎖核酸検出試薬を用いて、各DNAスポット上にcDNAがスポッティングされているか否かを正確に検査することができる。また、本発明の方法によれば、スポッティングされているcDNA量を正確に定量することもできる。
【0023】
【実施例】
以下、本発明を実施例によって説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
実施例1
一本鎖DNA(poly(dA)、poly(dT))を、それぞれ3.1〜400μM base(1/2希釈系列)になるように、3×SSC溶液(450mM塩化ナトリウム、45mMクエン酸ナトリウム、pH7.0)に溶解したDNAプローブ溶液を作製した。それぞれのDNAプローブ溶液を、アミノアルキルシランによりコートされたスライドガラスに、DNAアレイヤーを用いてスポットし、直径130〜150μmのDNAスポットを形成した。その後、UV照射により、DNAを固定化した。固定化されなかった一本鎖オリゴDNAを超純水により洗い流し、DNAマイクロアレイ基板を作製した。以上の処理により、poly(dA)及びpoly(dT)の一本鎖DNAが固定化されたDNAマイクロアレイ基板を得た。また、同じマイクロアレイ基板に、poly(dA)とpoly(dT)とで二本鎖DNAになっているものも固定化した。
【0024】
このマイクロアレイ基板に、ターゲット核酸として、poly(dT)をハイブリダイゼーションさせた。ハイブリダイゼーションのためのターゲット溶液の組成は、165ng/μl poly(dT)、3×SSC、0.2%SDS、1μg/μl yeast tRNAとした。このターゲット溶液を、DNAマイクロアレイ上に20μl載せ、その上にカバーガラスを被せた。このDNAマイクロアレイを湿潤箱内に入れ、65℃で16時間放置し、ハイブリダイゼーションを行った。2×SSC/0.1%SDS溶液内でカバーガラスをはずし、次いで1×SSC内で2分間振とう洗浄した後、0.1×SSCに2分間漬けて洗浄し、ハイブリッドを形成しなかったターゲット核酸を除去した。
【0025】
ハイブリダイゼーション操作後、このマイクロアレイを、1%カゼイン/1×SSPE(150 mM NaCl、10 mM NaHPO、1mM EDTA)につけて、室温で1時間カゼイン処理をした。1×SSPEで3回洗浄した後、2.56μM 2本鎖核酸検出試薬FITC−K2−Acr2/5mM TrisHCl (pH 8.3)/0.5 mM EDTA/0.2M NaCl/1% カゼインによりマイクロアレイを染色し、5mM TrisHCl (pH 8.3)/0.5 mM EDTA/0.2M NaClにより洗浄を行った。その後、マイクロアレイスキャナーにより蛍光画像を取得した(図1)。その結果、poly(dA)スポットにおいて、poly(dT)ターゲットがハイブリッドしたことによる蛍光シグナルが観察された。また、poly(dA)とpoly(dT)とで2本鎖DNAにしたスポットでも、蛍光シグナルが観察された。一方、poly(dT)スポットでは、蛍光シグナルが観察されなかった。これらの結果から、カゼイン処理を行うことにより、二本鎖核酸検出試薬の基板表面への非特異的吸着が抑制され、ハイブリダイゼーションによって形成された二本鎖核酸のみを正確に検出することができることがわかる。
【0026】
【発明の効果】
本発明により、二本鎖核酸検出試薬を用いて、プローブ核酸とターゲット核酸とのハイブリダイゼーションを正確に検出することができる方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ターゲット核酸 poly(dT)とのハイブリダイゼーションの結果を示す。
【出願人】 【識別番号】000006792
【氏名又は名称】理化学研究所
【識別番号】391012501
【氏名又は名称】九州大学長
【出願日】 平成14年11月22日(2002.11.22)
【代理人】 【識別番号】110000109
【氏名又は名称】特許業務法人特許事務所サイクス

【公開番号】 特開2004−170366(P2004−170366A)
【公開日】 平成16年6月17日(2004.6.17)
【出願番号】 特願2002−339541(P2002−339541)