| 【発明の名称】 |
剥離帯電量測定装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】武井 淳 【住所又は居所】群馬県伊勢崎市長沼町西河原245番地 電気化学工業株式会社加工技術研究所内
【氏名】徳永 久次 【住所又は居所】群馬県伊勢崎市長沼町西河原245番地 電気化学工業株式会社加工技術研究所内
【氏名】清水 美基雄 【住所又は居所】群馬県伊勢崎市長沼町西河原245番地 電気化学工業株式会社加工技術研究所内
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| 【要約】 |
【課題】本発明は被貼着物から保護フィルムを剥離する際に発生する帯電量を測定する測定装置および方法に関する。
【解決手段】被貼着物と保護フィルムを置くための金属板とそれと導線により結線されている帯電量を測定するためのクーロンメーターを有し、該金属板は絶縁物の上にある被貼着物から保護フィルムを剥離する際に発生する帯電量を逐次測定できることを特徴とする測定装置および該測定装置を用い、金属板に貼り合わせた被貼着物と保護フィルムを置き、保護フィルムを剥離する際に発生する帯電量をクーロンメーターにより測定する方法。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 被貼着物と保護フィルムを置くための金属板とそれと導線により結線されている帯電量を測定するためのクーロンメーターを有し、該金属板は絶縁物の上にあり、被貼着物が剥離された保護フィルムからアースされている導電性の材料からなる遮蔽板で遮蔽されている、被貼着物から保護フィルムを剥離する際の帯電量の測定装置。 【請求項2】 金属板の面積が被貼着物と保護フィルムより大きい請求項1の測定装置。 【請求項3】 金属板とクーロンメーターがアースされている請求項1または請求項2の測定装置。 【請求項4】 測定装置は、その周囲をアースされている導電性の材料で覆われていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一に記載の測定装置。 【請求項5】 請求項1乃至請求項4のいずれか一に記載の測定装置を用い、金属板に置かれた、貼り合わせた被貼着物と保護フィルムから保護フィルムを剥離する際に発生する帯電量をクーロンメーターにより測定する方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の技術分野】 本発明は被貼着物から保護フィルムを剥離する際に発生する帯電量を測定する測定装置および方法に関する。本測定装置および方法は、例えば液晶ディスプレー等の電子部品に用いられる被貼着物であるプラスチックフィルムから保護フィルムを剥離する際に発生する帯電量を好適に測定することができる。 【0002】 【従来の技術】 被貼着物から保護フィルムを剥離する際に剥離帯電という現象が起こることは広く知られている。この現象は剥離した保護フィルムが手にまとわりつくなどの軽微な問題を起こしているうちは特に問題とされなかった。しかし、近年半導体の製造工程や液晶ディスプレイの製造工程でその工程内で使用される保護フィルム付きの被貼着物あるいは保護フィルム自体が発生する剥離帯電により半導体や液晶ディスプレイの駆動装置内にある半導体の絶縁破壊により動作不良が起こるという重大な不具合が発生するようになった。そこで、剥離帯電による帯電量を調べる必要がでてきた。 【0003】 被貼着物から保護フィルムを剥離する際に発生する帯電の程度を測定するには、保護フィルムを剥離した被貼着物に帯電した帯電圧を測定する帯電圧測定装置を使用するのが一般的である。 【0004】 この測定装置を使用して測定する場合、被貼着物との距離により帯電圧が変化するという欠点がある。これは原理上誘導電流を測定するという方法で測定しているため、被貼着物との距離が変わることにより測定される帯電圧が変化するのは避けられない。また、被貼着物の帯電圧をV、被貼着物の静電容量をC、被貼着物の帯電量をQとすると、Q=CVの式で表すことができることからわかるように、被貼着物の静電容量により被貼着物が実際に帯電している帯電量が変わってくるという問題点がある。さらに、測定可能な範囲が狭く、測定しようとしている被貼着物全体で発生している剥離帯電量がどの程度あるのかを定量的に測定することができないという問題がある。そして、被貼着物全体で剥離途中で発生している剥離帯電量がどのようなプロファイルで変化しているかを知ることができないという問題がある。 【0005】 【発明が解決しようとする問題】 本発明は、被貼着物から保護フィルムを剥離している最中に発生している剥離帯電量を測定できる装置を提供するものである。 【0006】 【問題を解決するための手段】 本発明は被貼着物から保護フィルムを剥離する際に発生する剥離帯電量を逐次測定できることを特徴とする測定装置およびその方法である。 【0007】 【発明の実施の形態】 図1は本発明の剥離帯電量測定装置の一例である。被貼着物1は金属板4上に置かれ、留め具13によって被貼着物1が移動しないように止められている。 【0008】 被貼着物1は保護フィルムが貼着されるものなら何でもよくその材質、形状には特に限定されない。例えば、プラスチックフィルム、半導体ウエハあるいは金属などの導電性物質がある。液晶ディスプレイで使用されているトリアセチルセルロース樹脂製フィルムのような非導電性物質について好適に測定することができる。プラスチックフィルムにカーボンブラックなどの導電性材料を混入などしたものや表面に帯電防止剤を塗布したものも測定できる。但し、非導電性物質では厚みがあると保護フィルムの剥離表面で発生している帯電量全てを測定することは原理上困難であるためできるだけ厚みの薄いものが好ましい。 【0009】 金属板4は金属製の板であれば何でもよいが、長期にわたって使用することを考慮に入れるとサビの発生しない材質の金属が良く、ステンレス板などが好適に使用される。また、金属板4は被貼着物以上の面積をもつことが好ましい。被貼着物1の金属板4に接する側で剥離帯電により発生した電気力線を全て捕捉して測定精度を上げるためである。 【0010】 金属板4はスイッチ20を介して導線5、25により電荷量の測定装置であるクーロンメーター6の測定プローブ7は結線されている。クーロンメーター6は導線8により、チャートレコーダー22に接続され、アース23に常時接続されている。クーロンメーターとは、検出された電荷を一旦コンデンサーに貯めて、貯まった電荷量を測定するという原理の測定器である。市販のものをそのまま使用することができる。また、金属板4は、スイッチ20を介して導線24によりアースに接続することもできる。 【0011】 金属板4は絶縁物14を介して電気的な接続をもたずに金属製の測定台15に固定されている。絶縁物14は電気的に絶縁可能で帯電しにくいものであれば何でもよく、例えばセラミックスやガラスなどを用いることができ、好ましくはセラミックスである。 【0012】 金属製の測定台15は導線21を介してアースに接続されている。また、金属製の測定台15は図示されていない非導電性材料の上に置かれている。非導電性材料とは非導電性の材料であって、例えば木などをあげることができるがこれに限定されるものではない。 【0013】 被貼着物1上に貼着された保護フィルム12を剥離すると剥離することにより発生した電荷が被貼着物1に発生する。このとき被貼着物1に密接している金属板4の被貼着物1に近い側には正負が反対の極性の電荷が発生すると同時に被貼着物1に発生した電荷と同じ極性の電荷が導線5、25を通ってクーロンメーター6の測定プローブ7に伝達され、そのときの剥離帯電電荷量としてクーロンメーター6に表示される。 電荷は保護フィルム12を剥離するに従い発生するため、クーロンメーター6に導線8を介して接続されたチャートレコーダー22には、この電荷量を時間軸に対してプロットすることができ、剥離帯電量のプロファイルを知ることができる。 【0014】 金属製の測定台15上に、導線17によりアースに接続された導電性材料で作られたシールド16で、測定装置を周囲の電気的影響から遮蔽することが好ましい。導電性材料とは導電性の材料であって、例えば金属あるいは測定に影響しない程度の穴を空けた金属を用いることができるがこれに限定されるものではない。測定装置のうち上述したクーロンメーター6、測定プローブ7、スイッチ10などの樹脂が使用されている製品はシールド16の外に置くことが好ましく、やむを得ずシールド16内に置く場合は、導電性材料で周囲を覆うことが好ましい。金属板15上に、導線17によりアースに接続された導電性材料で作られたシールド16で、測定装置を周囲の電気的影響から遮蔽することが好ましい。導電性材料とは導電性の材料であって、例えば金属あるいは測定に影響しない程度の穴を空けた金属を用いることができるがこれに限定されるものではない。測定装置のうち上述したクーロンメーター6、測定プローブ7、スイッチ10などの樹脂が使用されている製品はシールド16の外に置くことが好ましく、シールド16内に置く場合は、導電性材料で周囲を覆うことが好ましい。 【0015】 アースに接続された導電性材料からなる遮蔽板27は被貼着体1並びに金属板4と剥離された保護フィルム12との間に被貼着体1並びに金属板4に接触することのない位置に設置される。遮蔽板27は剥離された保護フィルム12から発生する剥離帯電電荷により発生する電気力線が金属板4で捕捉されないような形状であれば特にこだわるものではないが、金属板4より大きな面積であることが好ましい。例えば図1に示される遮蔽板27のように、剥離された保護フィルム12が排出されるスリット28などの機構や、保護フィルムの剥離に同期してそのスリットの位置が移動する機構などを備えていることが好ましい。遮蔽板27は導電性材料であればよく、導電性材料とは導電性の材料であって、例えば金属を用いることができるがこれに限定されるものではない。 【0016】 シールド16内にある保護フィルム12を剥離して剥離帯電量を測定する際には、導電性材料で作られたクリップなどの保護フィルム担持治具18で保護フィルム12を挟むなどして担持し、保護フィルム担持治具18に接続された非導電性材料で作られたひも19を引っ張ることにより実施される。導電性材料とは導電性の材料であって、例えば金属を用いることができるがこれに限定されるものではない。非導電性材料とは非導電性の材料であって、例えば綿を用いることができるがこれに限定されるものではない。保護フィルム担持治具18に接続された非導電性材料で作られたひも19は、ひも状である必要はなく、シールド16内にある保護フィルム12をシールド外から剥離できる手段であれば、特に限定されるものではなく、保護フィルム担持治具18を介さず保護フィルム12にひも19を直接取り付けて使用するなど上述した方法に限定されるものでもない。 【0017】 被貼着物1及び保護フィルム12を金属板4に留め具13を使って固定する前に、あらかじめ、除電して帯電圧が0Vであることを確認することが望ましい。この際、被貼着物1及び保護フィルム12が再び帯電することのないように、電気的に絶縁可能で帯電しにくいもの、例えばセラミックスやガラスなどでできたピンセットなどで保持しながら除電することが望ましい。この操作は行わなくても本測定装置を使用して剥離帯電量を測定することは可能であるが、測定結果の正確さを要求する場合には、この操作を実施することが望ましい。 【0018】 本発明の測定装置を使用することにより、従来使用されていた帯電圧を測定する装置と違い、距離の影響や被貼着物の静電容量の影響を受けずに被貼着物全体で発生している剥離帯電量を測定でき、被貼着物を保護する保護フィルムを剥離している最中に発生する剥離帯電量のプロファイルを測定することができる。その結果、半導体の製造工程や液晶ディスプレイの製造工程で、その工程内で使用される保護フィルム付きの被貼着物、あるいは、保護フィルム自体が発生する剥離帯電により半導体や液晶ディスプレイの駆動装置内にある半導体の絶縁破壊により動作不良が起こるという重大な不具合が発生するような微小な電荷量を測定することができる測定装置を提供するものである。 【0019】 【実施例】 【0020】 (実施例1) 図1に示す構造の剥離帯電量測定装置を用い、被貼着物としてポリエチレンテレフタレート樹脂フィルムSL(帝人・デュポン社製)、保護フィルムとしてスミロンE−2035(スミロン社製)を使用した。 測定にあたり、スイッチ20をアースに接続された導線24側に切り替えて金属板4をアースに接続する。被貼着物1(125mm×50mm)をイオン化エアー除電装置(キーエンス社製SJ−S020)を使用して除電し、帯電圧が0Vであることを帯電圧測定装置(キーエンス社製SK200)を使用して確認する。同様に、保護フィルム12(125mm×25mm)についてもイオン化エアー除電装置を使用して除電し、帯電圧が0Vであることを確認する。除電された保護フィルム12をJIS Z−0237準拠のローラーで300mm/minの速度で被貼着物1に100mm×25mmの範囲で貼着し(被貼着物にあらかじめ保護フィルムを貼ったものを使用することもできる)、これを再びイオン化エアー除電装置で除電し、帯電圧が0Vであることを確認した上で、留め具13を用いて被貼着物と同じ面積(125mm×50mm)で絶縁物14(セラミックス)の上に置かれた金属板4(JIS G 4305記載のステンレス製の厚さが1.5mm、表面状態はJIS R 6253記載の280番の耐水研磨紙で試験板の幅方向に研磨紙で軽く指標を付け、この指標が完全に消えるまで全長にわたって長さ方向に均一に研磨したもの。)に固定する。この後、保護フィルム12の非貼着部を保護フィルム担持治具18を使用して担持し、シールド16で遮蔽した後、スイッチ20を切り替えて金属板4とアースとの接続を切る。ひも19を約300mm/secの速度で剥離することで剥離帯電量を測定した。クーロンメーターとして春日電機株式会社のNK−1001を使用した。また、被貼着物1、保護フィルム12を除電する操作では、セラミック製のピンセットを使用して直接手で触れない方法をとった。 測定した剥離帯電量の積算値を経時でプロットしたものを図2に示す。 【0021】 【発明の効果】 このように、本発明の剥離帯電量測定装置を使用すると、従来の測定器では測定できなかった被貼着物全体での剥離帯電量を安定して測定できるとともに、剥離過程における剥離帯電量のプロファイルを得ることができ、剥離中に起こる帯電量の変化を把握するのに利用できる。 【図面の簡単な説明】 【図1】図1は本発明の剥離帯電量測定装置の一例の概略図。 【図2】図2は本発明に係わる帯電量の測定方法により得られた剥離中における剥離帯電量のプロファイルの一例。 【符号の説明】 1、被貼着物 2、測定装置 3、観測窓 4、金属板 5、導線 6、クーロンメーター 7、測定プローブ 8、導線 9、導線 10、スイッチ 11、除電板 12、保護フィルム 13、留め具 14、絶縁物 15、金属製の測定台板 16、シールド 17、導線 18、保護フィルム担持治具 19、ひも 20、スイッチ 21、導線 22、チャートレコーダー 23、導線 24、導線 26、導線 27、遮蔽板
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| 【出願人】 |
【識別番号】000003296 【氏名又は名称】電気化学工業株式会社 【住所又は居所】東京都千代田区有楽町1丁目4番1号
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| 【出願日】 |
平成14年7月25日(2002.7.25) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2004−61162(P2004−61162A) |
| 【公開日】 |
平成16年2月26日(2004.2.26) |
| 【出願番号】 |
特願2002−216623(P2002−216623) |
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