| 【発明の名称】 |
セントラル冷暖房設備及びその運転制御方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】小川 廣志
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| 【要約】 |
【課題】冷温水ポンプ、冷却水ポンプの運転をきめ細かく制御し、冷温水発生機の稼働率を下げ、設備全体として省エネルギを実現したセントラル冷暖房設備及びその運転方法を提供する。
【解決手段】冷温水発生機9、熱源制御盤17、冷温水ポンプ10、冷却水ポンプ13、ファンコイルユニット1を有し、冷温水往温度又は冷却水往温度により前記冷温水発生機9の発進停止を行うセントラル冷暖房設備において、室内設定温度と室内温度センサ2で測定された実温度との差信号を導入して求められる負荷熱の全室についての総和を総負荷熱量とし、前記総負荷熱量により前記冷温水ポンプ10又は前記冷温水ポンプ10及び前記冷却水ポンプ13の運転をインバータ15,16で制御するプログラム可能論理制御装置を備えている。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 冷温水発生機、熱源制御盤、冷温水ポンプ、冷却水ポンプ、ファンコイルユニットを有し、冷温水往温度又は冷却水往温度により前記冷温水発生機の発進停止を行うセントラル冷暖房設備において、室内設定温度と室内温度センサで測定された実温度との差信号を導入して求められる負荷熱の全室についての総和を総負荷熱量とし、前記総負荷熱量により前記冷温水ポンプ又は前記冷温水ポンプ及び前記冷却水ポンプの運転をインバータで制御するプログラム可能論理制御装置を備えたことを特徴とするセントラル冷暖房設備。 【請求項2】 前記プログラム可能論理制御装置は、さらに外調機の送風温度センサで測定された温度により外調機のファンと排気ファンの発進停止を行うことを特徴とする請求項1に記載のセントラル冷暖房設備。 【請求項3】 前記プログラム可能論理制御装置に、データ管理及び設定温度の変更を行うCPUを接続したことを特徴とする請求項1又は2に記載のセントラル冷暖房設備。 【請求項4】 冷温水発生機、熱源制御盤、冷温水ポンプ、冷却水ポンプ、ファンコイルユニットを有し、冷温水往温度及び冷却水往温度により前記冷温水発生機の発進停止を行うセントラル冷暖房設備の運転制御方法において、室内設定温度と室内温度センサで測定された実温度との差信号を導入して求められる負荷熱の全室についての総和を総負荷熱量とし、前記総負荷熱量により前記冷温水ポンプ又は前記冷温水ポンプ及び前記冷却水ポンプの運転をインバータで制御することを特徴とするセントラル冷暖房設備の運転制御方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】 本発明は、冷温水発生機(熱源)を用いたセントラル冷暖房設備、及びその運転制御方法に関する。 【0002】 【従来の技術】 従来、大型多室の建物において、セントラル冷暖房設備が設けられているが、このセントラル冷暖房設備とは、建物全体の冷熱源装置を中央に設け、共通配管によって複数の空気調和機や端末ユニットが結ばれる方式であり、各種の方式の中でファンコイルユニット方式が広く採用されている。このファンコイルユニット方式においては、空気の冷却・加熱コイルと小型電動ファンとをケーシングにまとめたユニット(ファンコイルユニット)を多数台配置し、これに中央機械室の冷凍機やボイラから、冷房時には冷水、暖房時には温水を送る。ユニットだけでは換気が不十分なので、別に処理した新鮮外気をダクトで各室に送る。この方式は、病院などの多室建物では部屋ごとに温度調節ができる利点がある。 【0003】 図3は、従来の冷温水発生機(熱源)を用いたファンコイル方式のセントラル冷暖房設備の概略図である。 【0004】 31は冷温水発生機(熱源)、32は熱源制御盤、33は冷温水ポンプ、34は冷却水ポンプ、35は冷却塔、36は外気を取り込むための外調機、37はファンコイルユニット、38は冷温水往温度センサ、39は冷却水往温度センサ、40は室内温度センサである。冷温水ポンプ33、冷却水ポンプ34は、還路に設けられ、冷温水往温度センサ38、冷却水往温度センサ39は往路に設けられる。 【0005】 冷温水発生機31は、典型的にはボイラ及び冷凍機であり、暖房時は、ガス又は石油をボイラで燃焼させて加熱された水と熱交換された温水が供給される。冷房時は、冷凍機で冷却された冷却水が冷却水ポンプ34で冷却塔35に送られる。冷温水発生機31は、熱源制御盤32により、暖房時の運転許可中は、冷温水往温度センサ38の信号によりその発進停止(on−off)が行われる。すなわち、冷温水往温度が下限値より下がればボイラが着火し、上限値より上がれば燃焼が停止する。運転許可中は、冷温水ポンプ33が運転し続ける。 【0006】 また、冷温水発生機31は、熱源制御盤32により、冷房時の運転許可中は、冷却水往温度センサ39の信号に基づき、その発進停止が行われる。すなわち、冷却水往温度が上限値より上がれば冷凍を行い、下限値より下がれば冷凍を停止する。運転許可中は、冷温水ポンプ33が運転し続ける。冷却水ポンプ34も運転をし続け、冷却塔ファンは冷却水が上限値より上がれば動作し、下限値より下がれば停止する。 【0007】 ファンコイルユニット37、及び室内温度センサ40は、通常複数台設置されており、室内温度センサ40において、室内の実温度を測定すると同時に、室内を希望の温度に設定する機能を有する。そしてファンコイルユニット37のファンは、実温度と設定温度の差の信号により決められた負荷により発進停止、速度について運転が制御されている。 【0008】 【非特許文献1】 小原淳平編「100万人の空気調和」オーム社、平成14年12月10日、p.74−116 【0009】 【発明が解決しようとする課題】 前記のようなセントラル冷暖房設備は、快適な住環境としてなくてはならないものとなっているが、一般的に大きなエネルギ、直接的には電力、燃料を消費するものであり、また、化石燃料を使用することにより相当量のCO2ガスを排出している。一方、資源の節約や温暖化防止のためのCO2ガスの排出規制が地球規模の課題として注目され、その対策が求められているところであり、セントラル冷暖房設備に対してもそのような対策を具体的に実現することが望まれている。 【0010】 図3に示されるような従来のセントラル冷暖房設備においては、夏季の使用総エネルギ量E1は、各装置の単位時間あたりの消費出力をカッコで示すと、次式で表される。 【0011】 E1={(冷却水ポンプ)+(冷温水ポンプ)+(冷却塔) +(冷温水発生機)}×24h×運転日数 また、春・秋・冬季の使用総エネルギ量E2は、 E2={(冷温水ポンプ)+(冷温水発生機)}×24h×運転日数 しかしながら、ファンコイルユニット37は、負荷により運転が制御されているとはいえ、冷温水ポンプ33は、大容量の装置であり、終始運転されており、また、冷却水ポンプも冷房時は終始運転されている。そして、ファンコイルユニット37の負荷は、季節によって変化するが、監視されていない。冷温水発生機31は、熱源制御盤32によりその発進停止が行われているものの、ファンコイルユニット37側が無負荷でも運転を続けている。事業所が入居している建物において、冷暖房についての年間を通じての消費エネルギは、他の、例えば照明の消費エネルギに比べて大きな割合を占めており、従来の技術は、省エネルギの点で改善の余地があるといえる。 【0012】 そこで本発明は、ファンコイルユニットの負荷に基づく総負荷熱量により、冷温水ポンプ又は前記冷温水ポンプ及び前記冷却水ポンプの運転をインバータで制御し、冷温水ポンプ又は冷却水ポンプの運転をきめ細かく制御し、その結果冷温水発生機の稼働率を下げ、設備全体として省エネルギを実現したセントラル冷暖房設備及びその運転方法を提供することを目的とする。 【0013】 【課題を解決するための手段】 上述の課題を解決するため、本発明のセントラル冷暖房設備は、冷温水発生機、熱源制御盤、冷温水ポンプ、冷却水ポンプ、ファンコイルユニットを有し、冷温水往温度又は冷却水往温度により前記冷温水発生機の発進停止を行うセントラル冷暖房設備において、室内設定温度と室内温度センサで測定された実温度との差信号を導入して求められる負荷熱の全室についての総和を総負荷熱量とし、前記総負荷熱量により前記冷温水ポンプ又は前記冷温水ポンプ及び前記冷却水ポンプの運転をインバータで制御するプログラム可能論理制御装置を備えたことを特徴とする。 【0014】 また、本発明のセントラル冷暖房設備の運転方法は、冷温水発生機、熱源制御盤、冷温水ポンプ、冷却水ポンプ、ファンコイルユニットを有し、冷温水往温度又は冷却水往温度により前記冷温水発生機の発進停止を行うセントラル冷暖房設備の運転制御方法において、室内設定温度と室内温度センサで測定された実温度との差信号を導入して求められる負荷熱の全室についての総和を総負荷熱量とし、前記総負荷熱量により前記冷温水ポンプ又は前記冷温水ポンプ及び前記冷却水ポンプの運転をインバータで制御することを特徴とする。 【0015】 以上の構成によって、設備全体として省エネルギを実現することができる。 【0016】 【発明の実施の形態】 次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。 【0017】 図1は、本発明の実施の形態における冷温水発生機(熱源)を用いたファンコイル方式のセントラル冷暖房設備を示す図である。 【0018】 1はファンコイルユニット、2は室内温度センサ、3はファンコイル制御ユニット、4は外調機、5はモータバルブ、6は外調機送風温度センサ、7は外調機比例制御装置、8は排気ファン、9は冷温水発生機、10は冷温水ポンプ、11は冷温水往温度センサ、12は冷却塔、13は冷却ポンプ、14は冷却水往温度センサ、15,16はインバータ、17は熱源制御盤、18は冷温水往温度センサ、19はプログラム可能論理制御装置(Programmable Logic Controller、略称PLC)、20はCPUである。 【0019】 冷温水発生機9は、暖房時は、冷温水往温度センサ11の信号、また、冷房時は、冷却水往温度センサ14信号に基づき、熱源制御盤17によりその発進停止(on−off)が行われる点は、従来の技術と同様である。室内温度センサ2が、室内の実温度を測定する。本発明では、PLC19、インバータ15,16、CPU20を更に備えている。 【0020】 PLC19は、可変冷媒流量(Variable Refrigerant Volume、略称VRV)制御システムを行うための制御装置である。インバータ15,16は、それぞれ冷温水ポンプ10、冷却水ポンプ13の流量を制御するためのものである。CPU20は、データの管理、室内の設定温度の変更を行うためのものであり、具体的にはパソコンである。室内の設定温度の変更は、従来の技術と同様に各室内で行うようにしてもよい。そして、各室内でファンコイルユニット1のファンは、実温度と設定温度の差の信号により決められた負荷に基づきファンコイル制御ユニット3により発進停止、速度について運転が制御されていることも従来の技術と同様である。 【0021】 PLC19に入力されるのは、室内温度センサ2において測定された実温度の信号、CPU20又は室内で設定された室内の設定温度信号、冷温水往温度センサ18の信号である。なお、冷温水往温度センサ18は、既存の冷温水往温度センサ11と共通でもよい。 【0022】 PLC19において、総負荷熱量が演算される。総負荷熱量は次のようにして求められる。まず、各室内の設定温度と実温度との差(ファンコイルユニット負荷)を導入し、各室のファンコイルの容量、空気容積、吸収熱量、放出熱量から算出し、負荷熱量とする。負荷熱量は熱負荷とも呼ばれ、空調の技術分野の文献(例えば、上記非特許文献1参照)で解説されており、ここでは詳しい説明を省略する。負荷熱量について各室の総計を総負荷熱量とする。この総負荷熱量の値をPLC19に入力し、PLC19はインバータ15により、冷温水ポンプ10の流量、具体的にはポンプの回転数を制御している。冷房時には冷却水ポンプ13の流量もインバータ16により制御する。 【0023】 ここで、インバータとは、トランジスタやサイリスタのスイッチ作用を利用して、直流から交流を得るようにしたものである。家庭用エアコンの電源等において既に用いられているものであり、商用電源の交流から整流回路により一旦直流にして、インバータにより交流にし、その周波数によりモータの回転数を制御するもので、きめ細かく出力を制御し消費電力を低減し、室内の温度変動を少なくすることができる。 【0024】 本発明のセントラル冷暖房設備においては、インバータ制御による省エネ率Rは、冷温水ポンプ、冷却水ポンプの単位時間あたりの消費出力をカッコで示すと、次式で表される。 【0025】 R={(冷却水ポンプ)+(冷温水ポンプ)}×{1−(制御負荷率/100)3} また、VRV制御による省エネルギ値ERは、次式で表される。 【0026】 ER={(冷却水ポンプ)+(冷温水ポンプ)}×R×(稼働率) 本発明において、冷温水往温度又は冷却水往温度により、冷温水発生機の発進停止を行い、総負荷熱量により、また冷温水ポンプ又は冷温水ポンプ及び冷却水ポンプの運転をインバータで制御している、制御の具体的態様は、装置の仕様等を考慮して設計される。以下に示す運転状態はその一例である。 【0027】 図2は、本発明のセントラル冷暖房設備における暖房の場合の冷温水発生機と冷温水ポンプの運転状態の一例を示す図である。 【0028】 (1)の時点で、冷温水往温度が下限よりも下降し始めたら冷温水発生機9を運転させる。 【0029】 (1)の時点で同時に、冷温水ポンプ10を運転させる。 【0030】 (2)の時点で、冷温水往温度が上限よりも上昇し始めたら冷温水発生機9を停止させる。 【0031】 (3)の時点で、冷温水ポンプ10の希釈時間(熱源の冷却時間)を考慮して希釈時間が終了し、冷温水ポンプ10が停止する。 【0032】 (1)〜(3)の期間で、冷温水ポンプ10の流量は総負荷熱量の値によりインバータ15で連続的に制御される。(1)〜(3)の期間の前半では大流量であり、後半では小流量となる。冷温水ポンプ10を具体的にどのような流量(ポンプ回転数)で制御するかは、例えば現時点の総負荷熱量の値と同時に冷温水往温度センサ11からの冷温水往温度信号と流量を考慮し、総負荷熱量の増減傾向(微分値)を予測し、最も少ない流量、つまり総負荷熱量が一制御単位時間に指定範囲内に入るぎりぎり(最低の)流量とする。 【0033】 冷房の場合は、既に述べたとおり冷却水往温度により、冷温水発生機9の発進停止が行われる。冷温水ポンプ10は、冷温水発生機9発進と同時に運転し、希釈時間が終了すると停止する。流量は、冷房時の総負荷熱量の値により制御される。また、冷温水ポンプ10と同時に冷却水ポンプ13も制御される。すなわち、冷却水ポンプ13は、冷温水発生機9発進と同時に運転し、希釈時間が終了すると停止する。流量は、冷房時の総負荷熱量の値により制御されるが、冷却水往温度や外気温度も考慮して、演算しても良い。 【0034】 このように本発明においては、冷温水ポンプ又は冷却水ポンプの運転をきめ細かく制御し、両ポンプの消費電力を著しく削減することができ。また、余熱を十分に利用し、その結果、冷温水発生機の休止時間が長くなり、稼働率を下げることができる。 【0035】 なお、冷温水ポンプ10が停止している間は、ファンコイルユニット1の運転を停止している。 【0036】 ところで、従来の技術においても室内の換気を目的として外調機と排気ファンは備えられており、これらは制御せずに運転し続けるのが普通であった。本発明においては、外調機と排気ファンについて従来通りに運転してもよいが、省エネルギの観点から運転を制御してもよい。 【0037】 すなわち、あらかじめ指定された換気回数は保つものの、外調機4が消費する熱量が大きい場合は、外気が一定温度以下で、冷温水ポンプ10が停止している間は、外調機4のファン及び排気ファン8の運転を停止してもよい。すなわち、外調機送風温度センサ6で測定した外気温度により、外調機4のファン及び排気ファン8の発進停止を制御している。 【0038】 【発明の効果】 以上説明したように、本発明は、ファンコイルユニットの負荷に基づく総負荷熱量により、冷温水ポンプ又は冷温水ポンプ及び冷却水ポンプの運転をインバータで制御し、冷温水ポンプ又は冷却水ポンプの運転をきめ細かく制御し、冷温水発生機の発進停止を行い、その結果冷温水発生機の稼働率を下げ、設備全体として省エネルギを実現したセントラル冷暖房設備及びその運転制御方法を提供することができる。 【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の実施の形態における冷温水発生機(熱源)を用いたファンコイル方式のセントラル冷暖房設備を示す図 【図2】同じくセントラル冷暖房設備における、暖房の場合の冷温水発生機と冷温水ポンプの運転状態の一例を示す図 【図3】従来の冷温水発生機(熱源)を用いたファンコイル方式のセントラル冷暖房設備の概略図 【符号の説明】 1 ファンコイルユニット 2 室内温度センサ 4 外調機 6 外調機送風温度センサ 8 排気ファン 9 冷温水発生機(熱源) 10 冷温水ポンプ 13 冷却水ポンプ 15,16 インバータ 17 熱源制御盤 18 冷温水往温度センサ 19 プログラム可能論理制御装置(PLC) 20 CPU
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| 【出願人】 |
【識別番号】503315539 【氏名又は名称】小川 廣志
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| 【出願日】 |
平成15年4月8日(2003.4.8) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100065385 【弁理士】 【氏名又は名称】山下 穣平
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| 【公開番号】 |
特開2004−309032(P2004−309032A) |
| 【公開日】 |
平成16年11月4日(2004.11.4) |
| 【出願番号】 |
特願2003−104212(P2003−104212) |
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