| 【発明の名称】 |
高周波加熱装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】窪田 哲男 【住所又は居所】千葉県柏市新十余二3番地1 株式会社日立ホームテック内
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| 【要約】 |
【課題】加熱中、食品の加熱状況が良好に観察できる高周波加熱装置を提供する。
【解決手段】食品1を収納する加熱室2と、この加熱室2に食品1を出し入れするため開閉自在で、かつ、加熱室2内の食品1等を見るための透視窓6cを有するドア6と、マイクロ波エネルギーを発振する高周波発振器4を備えた高周波加熱装置において、ドア6の透視窓6cを膜厚が5〜6μm、導電率が7.7×105(s/m)以上を有する酸化インジュウムと酸化錫とからなる透明導電性膜6a1を片面に製膜したガラス板6aで構成すると共に、ドア本体6dに設けた開口部6eの周囲に、前記ガラス板6aを固定するガラス板支持部6fを設け、このガラス板支持部6fと透明導電性膜6a1との間に導電性クッション材6bを設ける。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 食品(1)を収納する加熱室(2)と、この加熱室(2)の前面に設けられ、食品(1)を加熱室(2)に出し入れするため開閉自在で、かつ、加熱室(2)内の食品(1)等を見るための透視窓(6c)を有するドア(6)と、加熱室(2)にマイクロ波エネルギ−を供給する高周波発振器(4)を備えた高周波加熱装置において、ドア(6)の透視窓(6c)を膜厚が5〜6μm、導電率が7.7×105(s/m)以上を有する酸化インジュウムと酸化錫とからなる透明導電性膜(6a1)を片面に製膜したガラス板(6a)で構成すると共に、加熱室(2)内を観察するため設けられたドア本体(6d)の開口部(6e)の周囲に、前記ガラス板(6a)を固定するガラス板支持部(6f)を設け、このガラス板支持部(6f)とガラス板(6a)の透明導電性膜(6a1)側を相対するように配置すると共に、ガラス板支持部(6f)とガラス板(6a)の透明導電性膜(6a1)側との間に導電性クッション材(6b)を設けることを特徴とする高周波加熱装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】 本発明は、マイクロ波エネルギーを利用して食品を加熱する高周波加熱装置のドアに関するものである。 【0002】 【従来の技術】 従来、食品を加熱する目的の高周波加熱装置は、加熱室の食品の加熱状況が観察できるようドアの一部に透視窓を設けている。この透視窓には加熱中に加熱室内のマイクロ波エネルギーがドアの透視窓を通して外部へ漏洩しないよう金属の薄板に小孔を設けたパンチングメタルや、細い金属線からなる金網がはめ込まれているものであった。 【0003】 このパンチングメタルや金網は、使用波長に対して十分小さな遮断波長以下の直径数mm程度の小孔となっている。従って、使用者は透視窓からの漏洩マイクロ波エネルギ−を受けることなくこの小孔を透して加熱の進行状況を観察できるものであった。 【0004】 また、膜厚がおよそ3μmの透明な導電性膜をガラス板の表裏の両面に構成した透視窓をドアに設け、パンチングメタルや金網から構成された透視窓と同様の効果を持たせたものがあった。(例えば、特開平9−48640号公報参照) この透明な導電性膜を用いたものはパンチングメタルや金網で構成されたものと比較して光の透過特性にすぐれ、加熱室内の食品の加熱状況を鮮明に観察できるものである。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】 上記従来の技術にあっては、パンチングメタルや金網で構成されたものは構成上、透視性は十分とは言えないものであった。この理由は、例えばパンチングメタルの場合は小孔間には金属板が存在し、金網では金属線が存在するためこれらのものが加熱室内の食品を観察する際、障害となるためである。 【0006】 また、透明な導電性膜をガラス板の表裏の両面に設けたものにおいては、前記パンチングメタルや金網で構成された透視窓に比べて視認性は優れているが、薄膜をガラス両面に製膜させる必要があり、製造する手間や時間等がかかりすぎ、コストの高いものとなってしまう問題があった。 【0007】 さらに、透明な導電性膜をガラス板の表裏の両面に設けたものにおいては、ガラスの両面に製膜された薄膜を傷つけないようにするため取り扱いに注意を要するとともに、傷の有無の確認が必要など品質管理上においても時間や手間がかかりコストアップになる問題があった。 【0008】 また、組み立て工程面においても、導電性膜が製膜されているガラス板をドアのガラス板支持部に取り付ける際に、導電性膜が傷つけられ剥離し、この部分においてマイクロ波エネルギーによりスパークを発生し、これにより導電性膜の剥離が拡大することによりマイクロ波エネルギーが漏洩するという問題点があった。 【0009】 また、ドアを閉じて食品を加熱する場合、加熱室に面した透明な導電性膜が、加熱中に発生する食品の高温蒸気や油類にさらされ接着強度が低下したり、食品の出し入れをするとき接触して傷つく恐れがあるなどの実用面においても問題点があった。 【0010】 【課題を解決するための手段】 本発明は上記の課題を解決するために、食品を収納する加熱室と、この加熱室の前面に設けられ、食品を加熱室に出し入れするため開閉自在で、かつ、加熱室内の食品等を見るための透視窓を有するドアと、加熱室にマイクロ波エネルギ−を供給する高周波発振器を備えた高周波加熱装置において、ドアの透視窓を膜厚が5〜6μm、導電率が7.7×105(s/m)以上を有する酸化インジュウムと酸化錫とからなる透明導電性膜を片面に製膜したガラス板で構成すると共に、加熱室内を観察するため設けられたドア本体の開口部の周囲に、前記ガラス板を固定するガラス板支持部を設け、このガラス板支持部とガラス板の透明導電性膜側を相対するように配置すると共に、ガラス板支持部とガラス板の透明導電性膜側との間に導電性クッション材を設けたものである。 【0011】 【発明の実施の形態】 本発明の一実施例について図面を用いて説明する。 【0012】 図1は、本発明の一実施例における高周波加熱装置の要部断面図で、1は食品である。2は食品1を収納する加熱室で、金属製導体で構成されている。3は高周波供給口で、前記加熱室2の天井面に設けられ、マイクロ波エネルギーを加熱室2へ放射するところである。4はマイクロ波エネルギーを発振する高周波発振器である。5は導波管で、高周波発振器4が固定され、この高周波発振器4で発生したマイクロ波エネルギーを高周波供給口3へ導くものである。 【0013】 6はドアで、加熱室2の前面に設けられ、食品1を加熱室2に出し入れするとき使用するもので開閉自在に構成されている。このドア6は下記に説明する符号6aから6kまでの総称である。 【0014】 6aはガラス板で、ドア6を閉じているとき一面は加熱室2の内面になっていて、加熱室2の一部を構成する役割を持っている。また、ドア6を閉じたとき、このガラス板6aを通して加熱室2の食品1を観察するため、透視性のよい材質を使用している。また、加熱中、食品1からでる水蒸気や高温になっている食品1片が飛び散り、付着することもあるので耐熱性のある材質でできている。 【0015】 6a1はマイクロ波エネルギーを反射させる酸化インジュウムと酸化錫とからなる透明導電性膜である。この透明導電性膜6a1はガラス板6aの一面に製膜されている。これら透明導電性膜6a1、及びガラス板6aを総称して透視窓6cと称する。 【0016】 6dはドア6の基本構造物であるドア本体で、ドア6を閉じているときドア本体6dの一部は加熱室2の前面部と密着し、加熱中に加熱室2内のマイクロ波エネルギーが外部に漏洩しないようにしている。6eはドア本体6dの中ほどに長方形に切り抜かれ穴となっている開口部である。この開口部6eは加熱室2内の食品1が観察できるよう設けられている。6fはガラス板支持部で、前記開口部6eの周辺に設けられた平面部で透明導電性膜6a1が製膜されたガラス板6aを保持する。 【0017】 6gはチョーク溝で、ドア本体6dと加熱室2前面部に隙間が生じた場合、マイクロ波エネルギーが外部に漏洩しないよう電気的に減衰させるものである。チョーク溝6gの開口部分には外部からの異物が浸入しないよう低誘電体損失の材料からなるチョークカバ−6hがはめ込まれている。 【0018】 6jはドアカバーで、ドア本体6dをカバーするものである。6kはドアカバー6jの前面部には設けられたカバー開口部で、加熱室2内の食品1が観察できるよう透明になっている。 【0019】 図2は図1のP部拡大図で、6bはガラス板6aの透明導電性膜6a1側とガラス板支持部6fとの間に挟み込まれるように固着されている導電性クッション材である。 【0020】 上記構成において、本実施例の動作について説明する。 【0021】 食品1を加熱する場合、ドア6を開け、加熱室2内に食品1を戴置し、ドア6を閉じ加熱スタートする。加熱スタートと同時に高周波発生器4によりマイクロ波エネルギーが発生する。このマイクロ波エネルギーは導波管5を通って加熱室2の天井部に設けられた高周波供給口3から加熱室2内に導かれ、食品1を加熱する。 【0022】 加熱室2内における食品1の加熱の進行状況はドア6に設けられたカバー開口部6k、透視窓6cを通し観察することができる。これは、図2で示すように加熱室2内のマイクロ波エネルギーはガラス板6aに製膜された透明導電性膜6a1で反射され、マイクロ波エネルギーが、外部へ漏洩することがないためである。 【0023】 ここで、透明導電性膜6a1について詳細に説明する。透明導電性膜6a1の膜厚を厚くすると割れや剥がれが発生する。このため、一般的にはせいぜい3μm位が限度である。しかし、マイクロ波エネルギーを漏洩させないためには導電率が7.7×105(s/m)の場合、膜厚は5〜6μmの厚さが必要であるので、従来ではガラス板6aの両面にそれぞれ透明導電性膜6a1を3μmだけ製膜させ、ガラス板6aの両面合計で膜厚が6μm程度となるようにしている。 【0024】 本発明では、膜厚が5〜6μmを実現させるため、酸化インジウム90wt%と酸化錫10wt%を主成分としたものとガラス板6aとを真空蒸着器(図示せず)に入れ、この真空蒸着器にて基板温度や搬送速速度など予め実験などで決められた製膜条件によりガラス板6aに製膜する。この製膜の方法については本発明と関係ないため詳細は省略する。 【0025】 ここで、膜厚は一般には導電率が一定であれば膜厚が大きいほどマイクロ波エネルギーの遮蔽効果が期待される。しかし、膜厚を厚くすると透視性が悪くなる。また導電率は膜の材料によりにほぼ決まるので必要以上に大な値にすることはできない。 【0026】 本発明では、前記製膜条件で透視性を損なわないでマイクロ波エネルギーの遮蔽が可能となるように透明導電性膜6a1の導電率は7.7×105(s/m)で、膜厚は5〜6μm程度としている。 【0027】 また、本発明では、透明導電性膜6a1はガラス板6aの一面のみに形成し、ガラス板6aの外周部付近とガラス板支持部6fとの間に導電性クッション材6bを設け、透明導電性膜6a1が金属製のガラス板支持部6fと接触しないようにしている。接触すると接触部で導電性膜が傷つけられ剥離するおそれがあるためである。 【0028】 なお、導電性クッション材6bを設けても、ガラス板支持部6fと透明導電性膜6a1との間には十分な表面電流の導通性能が得られるような材料、例えば導電性テープや導電性材料をスポンジ状にまたはペースト状に構成させたもの、あるいは導電性接着塗料などを使用している。従って、この部分からマイクロ波エネルギーが漏洩することない。 【0029】 また、透明導電性膜6a1側が加熱室2と反対側、すなわち加熱室2の外側に位置するように開口部6e側に設置されおり、加熱中に食品1から発生した油分や水蒸気が触れないようにしている。 【0030】 図4は従来のパンチングメタルを介したアルファベット文字を写真に撮ったもので、小孔20と見るためには障害物となる金属部21が交互に存在するため透視性は良くない。 【0031】 一方、図3は本発明の透明導電性膜6a1を介したアルファベット文字を写真に撮ったもので、このものは上記で説明した金属部21のような障害物がなく見やすい構成となっている。 【0032】 このように透明導電性膜6a1をガラス板6aの片側だけ製膜しても、電波漏洩を防止できる性能が確保できることにより、製造コストの削減や耐久性の向上が図られる。 【0033】 さらに、透明導電性膜6a1とドア6のガラス板支持部6fとの間に導電性クッション材6bを設けることにより透明導電性膜6a1の剥離などがなくなるとともに、密着性もよくなり信頼性が向上する。 【0034】 【発明の効果】 以上説明したように本発明によれば、食品を収納する加熱室と、この加熱室の前面に設けられ、食品を加熱室に出し入れするため開閉自在で、かつ、加熱室内の食品等を見るための透視窓を有するドアと、加熱室にマイクロ波エネルギ−を供給する高周波発振器を備えた高周波加熱装置において、ドアの透視窓を膜厚が5〜6μm、導電率が7.7×105(s/m)以上を有する酸化インジュウムと酸化錫とからなる透明導電性膜6a1を片面に製膜したガラス板6aで構成すると共に、加熱室内を観察するため設けられたドア本体の開口部の周囲に、前記ガラス板を固定するガラス板支持部を設け、このガラス板支持部とガラス板の透明導電性膜側を相対するように配置すると共に、ガラス板支持部とガラス板の透明導電性膜側との間に導電性クッション材を設けることにより、十分な透視性能をもち、しかも、取り扱いが簡単で、製造する手間や時間が短縮できコストの低減がはかられた。 【0035】 また、導電性クッション材によりガラス板の透明導電性膜とガラス板支持部が直接接触することがないため、透明導電性膜が傷つけられ剥離することによる、スパークの発生やマイクロ波エネルギーの漏洩することがなく安全面での信頼性が著しく向上する。 【0036】 さらに、透明導電性膜が加熱中に発生した食品の高温蒸気や油類にさらされることがないので透明導電性膜の保護手段を必要とすることがなく膜の剥離などの心配もないので、安全で耐久性に優れるなどの効果を奏する。 【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の一実施例における高周波加熱装置の要部側面断面図である。 【図2】図1のP部の拡大図である。 【図3】本発明の一実施例における透明導電性膜を介した文字の透視状況を示した図である。 【図4】従来のパンチングメタルを介した文字の透視状況を示した図である。 【符号の説明】 1・・・・食品 2・・・・加熱室 4・・・・高周波発振器 6・・・・ドア 6a・・・ガラス板 6a1・・透明導電性膜 6b・・・導電性クッション材 6c・・・透視窓 6d・・・ドア本体 6e・・・開口部 6f・・・ガラス板支持部
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005131 【氏名又は名称】株式会社日立ホームテック 【住所又は居所】千葉県柏市新十余二3番地1
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| 【出願日】 |
平成14年6月7日(2002.6.7) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2004−12032(P2004−12032A) |
| 【公開日】 |
平成16年1月15日(2004.1.15) |
| 【出願番号】 |
特願2002−166491(P2002−166491) |
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