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【発明の名称】 大谷石を素材とした炭起し兼用焼き台の構造
【発明者】 【氏名】鈴木 栄一

【要約】 【課題】大谷石で炭起し兼用焼き台を構成し、加熱用熱源に炭火を使用すると共に、燃焼ガスに含まれた食材特有の嫌な臭いを大谷石の吸着、脱臭作用で除去し、食材の味を引き立て美味しく焼き上げることができる炭起し兼用焼き台の構造を提供する。

【解決手段】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所要の大きさの横長直方体の大谷石で、炭起し兼用焼き台の本体を形成し、該本体の上半部の四周壁外面に対し、下半部の四周壁外面を突出させて防火壁を形成し、かつ上半部上面の周縁内側に所要の幅員を存して炭起し時に使用する蓋体および煙突、炭焼き時に使用する焼き網体の載置面を形成し、該載置面を介して平面視長方形の加熱室を刻設すると共に、上記加熱室と上半部長手方向載置面との間に外気に連通する煙道を適数個貫設し、該煙道と対向する上半部長手方向側壁に加熱室との間に外気に連通する空気孔を適数個貫設し、上半部長手方向の一側壁には加熱室と連通する火口を風量調節自在に開設したことを特徴とする大谷石を素材とした炭起し兼用焼き台の構造。
【請求項2】
加熱室の火床には炭を載置する枕体が適宜間隔を存して着脱自在に並設され、煙道に連通して載置面に着脱自在に載置される煙突は、分割かつ積層自在に構成されていることを特徴とする請求項1記載の大谷石を素材とした炭起し兼用焼き台の構造。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、大谷石を素材とした炭起し兼用焼き台の構造に係り、詳しくは、大谷石独特の心温まる風合い、質感、重量感から醸し出される落ち着いた雰囲気で、各種の焼物食材を調理するにあたり、燃焼ガスに含まれた食材特有の嫌な臭いを吸着脱臭し、焼き肉、焼き鳥、ステーキ、バーベキューなど、グルメ用食材の味を引き立て、美味しく焼き上げることができる大谷石を素材とした炭起し兼用焼き台の構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、焼物食材の加熱用熱源は、ガスバーナーと炭火が使用されている。しかし、ガスバーナーは燃焼ガスに一酸化炭素が多いうえ、水分も多いので、焼物食材に臭気が付着するばかりでなく、火炎の当たる部分が過熱されて均一に焼き上がらないという欠点がある。
【0003】
このため、一般に高級焼物の熱源には、炭火が使用され、特に白炭の代表銘柄である備長炭や黒炭の代表銘柄である池田炭が使用されている。その理由としては、
(1)燃焼したとき、煙や炎がでない上、臭気がなく、火つきが容易であること。
(2)発熱量が1グラム当り7000カロリーと高く、燃焼しても灰が少ないこと。
(3)2〜5ミクロンの遠赤外線が多く、燃焼ガスに水分が少ないこと。
の利点があり、その結果として熱が均一に伝わり美味しく焼き上げることができるためである。
【0004】
ところが、過熱用熱源に炭を使用しても、従来では炭起し器で炭を起こした後、炭火を焼き台に移してから焼き上げていたので、調理するまでに手間がかかる上、焼き台そのものの材質に工夫がなされていないため、炭火を使用しても、焼物素材特有の嫌な臭いを除去することができず、素材の味を引き立てるには未だ不十分なものであった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記のような実状に鑑み、種々研究を重ねた結果、大谷石が耐火性に富み、かつ吸着・脱臭効果に優れていることに着目し、炭火を加熱用熱源としたものでありながら、従来の焼き台では到底達成することのできなかった焼物食材特有の臭いを除去して食材の味を引き立て、美味しく焼き上げることができ、多様な焼物食材の魅力を存分に引き出して、消費者に満足感を与えることができる大谷石を素材とした炭起し兼用焼き台の構造を提供することを課題とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
課題を解決するため本発明が採用した第1の技術的手段は、所要の大きさの横長直方体の大谷石で、炭起し兼用焼き台の本体を形成し、該本体の上半部の四周壁外面に対し、下半部の四周壁外面を突出させて防火壁を形成し、かつ上半部上面の周縁内側に所要の幅員を存して炭起し時に使用する蓋体および煙突、炭焼き時に使用する焼き網体の載置面を形成し、該載置面を介して平面視長方形の加熱室を刻設すると共に、上記加熱室と上半部長手方向載置面との間に外気に連通する煙道を適数個貫設し、該煙道と対向する上半部長手方向側壁に加熱室との間に外気に連通する空気孔を適数個貫設し、上半部長手方向の一側壁には加熱室と連通する火口を風量調節自在に開設したことを特徴とするものである。
【0007】
課題を解決するため本発明が採用した第2の技術的手段は、加熱室の火床には炭を載置する枕体が適宜間隔を存して着脱自在に並設され、煙道に連通して載置面に着脱自在に載置される煙突は、分割かつ積層自在に構成されていることを特徴とするものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。図1は炭起し兼用焼き台の全体斜視図、図2は同上平面図、図3は要部の拡大断面図、図4は炭起し時の全体斜視図、図5は同上他の実施例を示す全体斜視図である。
【0009】
先ず図1ないし図3において、1は炭起し兼用焼き台の本体であって、該本体1は大谷石で所要の大きさの横長直方体に形成され、その上半部1aの四周壁外面に対し、下半部1bの四周壁外面が突出するように形成されている。上半部1aの上面周縁内側には所要の幅員を存して炭起し時に使用される蓋体3および煙突4、炭焼き時に使用される焼き網体5の載置面6が形成されており、該載置面6を介して平面視長方形の加熱室7が上面より下方向に向けて刻設されている。
【0010】
本体1の上半部1aおよび下半部1bには、それぞれアングル部を含めて四周壁にステンレス板2が囲繞固設されており、凝灰岩と呼ばれる大谷石が多孔質で耐火性に富み、かつ吸着・脱臭効果を有するものの、外力の衝撃に脆い点に鑑み、その補強手段として、ステンレス板2が使用されているものである。
【0011】
上記加熱室7と上半部1aの長手方向載置面6との間には、外気に連通する煙道8が適数個貫設されており、該煙道8と対向する上半部1aの長手方向側壁1a´には、加熱室7との間に外気を連通する空気孔9が貫設され、更に上半部1aの長手方向の一側壁1a´´には加熱室7と連通する火口10が風量調節自在に開設されている。すなわち、図1に示すように、火口10には扉体10aが着脱自在に設けられており、この扉体10aを下半部1bの突出上面1b´を左右方向に移動させることによって、風量が調節できるようになっている。
【0012】
加熱室7の火床7aには、図2および3に示すように、炭を載置する枕体11が適宜間隔を存して着脱自在に並設されており、煙道8に連通して載置面6に着脱自在に載置される煙突4は、図3に示すように、分割かつ積層自在に構成されている。なお、煙突4は図4に示すように複数個の煙道8を一個の煙突4で共用できるようにしても良く、また図5に示すように、個々の煙道8にそれぞれ煙突4を設けても良い。
【0013】
本発明に係る炭起し兼用焼き台は、本体1、炭起し時に使用される蓋体3、煙突4、枕体11、火口10の扉体10aなど、炭起し兼用焼き台のすべての構成部材が大谷石で形成されている点に特徴を有するものであって、大谷石は採掘現場の相違により、いわゆる「みそ」と呼ばれるモンモリサイトの粘度鉱物(茶色)、ピンホールが比較的多く含まれ、かつ基本色が採石時のライトグリーンから経時的にライトベージュに変色する大谷戸室石と、「みそ」、ピンホールが比較的少なく、かつ色調が白色かつエメラルドグリーン系の田下石とがあるが、使用される大谷石はどちらでも良い。
【0014】
次に叙上のように構成された本発明の使用方法について説明する。先ず炭起し兼用焼き台を設置するには、仕切壁12を介して煙道8側を客席側13に向けて設置する。この様に設置すると、下半部1bの外壁面が仕切壁12に当接するので、加熱室7を有する上半部1aと仕切壁12との間に隙間ができ、したがって、加熱室7の熱が直接仕切壁12に伝播することがなく、下半部1bの外壁面が防火壁として機能し、火災を未然に防止できるようになっている。
【0015】
次に炭起しをするには、図3ないし図5に示すように、加熱室7の火床7aに枕体11を適宜の間隔で並設し、通気性が保持されるように炭を枕体7aに載置すると共に、加熱室7の上方開放部を蓋体3で閉塞し、かつ上半部1aに形成した載置面6に露出した煙道8の上端部に煙突4を連通状態に載置した後、扉体10aを取り外し、火口10の開口部からガスバーナーを挿入して炭起しをすればよい。
【0016】
その際、図2に示すように、調理側14に臨んでいる空気孔9から外気が加熱室7に流入すると共に、煙突8から加熱室7の空気が吸引されて燃焼が助長されるので、燃焼効率が極めて良く、炭起しは容易にできる。そして、炭が所要の状態に燃焼した後は、蓋体3および煙突4を取り除き、これに代えて図2の仮想線示すように焼き網体5を載置台6に載せ、火口10の開口部を扉体10aを介して広狭調整し、加熱室7への風量を調節しながら所望の食材を焼き上げればよい。
【0017】
その際、大谷石の主成分である珪酸塩(ゼオライト)は化学的に安定しており、食材の焼き上げ過程において、食材の味を損なうような化学反応がない上、吸着性、脱臭性を有する多孔質鉱物であることから、燃焼ガスに含んだ食材特有の嫌な臭いは加熱室7の周壁に形成されているピンホールに吸着されると同時に脱臭されて食材の味が引き立てられ、一方、燃焼ガスに炎がなく、水分も少なく、更に発熱量も高カロリーで、遠赤外線を放射する炭火の特性と相俟って、食材には燃焼ガスが万遍なく均一に触れ、その結果柔らかく美味しく焼き上げられる。
【0018】
【発明の効果】
以上の説明によって明らかなように、本発明によれば、叙上の構成を有することから、次のような効果を奏する。
(1)炭起しと焼き上げ作業が加熱室で一連の作業で行うことができるばかりでなく、炭起し兼用焼き台を仕切壁を介して客席側と対向状態に設置しても、主体の下半部の外壁面が防火壁となって仕切壁に当接し、上半部と仕切壁との間に隙間ができるので、加熱室の熱が直接仕切壁に伝播することがなく、火災を未然に防止することができる。
(2)炭起し時に際しては、加熱室の煙道に連通して設けられる煙突、加熱室に外気を流入する空気孔、加熱室の上方開放部を閉塞する蓋体および加熱室の火床に載置される枕体の相乗的作用により、容易かつ短時間で炭起しができる。
(3)食材の焼き上げ時に際しては、炎がなく、水分も少なく、かつ発熱量も高カロリーで遠赤外線を放射する炭火の燃焼ガスが食材に万遍なく均一に触れる過程で、燃焼ガスに含んだ食材特有の嫌な臭いが加熱室の周壁に形成されているピンホールに吸着されると同時に脱臭されて食材の味が引き立てられ、柔らかく美味しく焼上げることができ、多様な焼物食材の魅力を存分に引き出して、消費者に満足感を与えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】炭起し兼用焼き台の全体斜視図である。
【図2】炭起し兼用焼き台の全体平面図である。
【図3】要部の拡大断面図である。
【図4】炭起し時の全体斜視図である。
【図5】同上他の実施例を示す全体斜視図である。
【符号の説明】
1 炭起し兼用焼き台
1a 上半部
1a´ 長手方向側壁
1a´´長手方向一側壁
1b 下半部
1b´ 突出上面
2 ステンレス板
3 蓋体
4 煙突
5 焼き網本体
6 載置面
7 加熱室
7a 火床
8 煙道
9 空気孔
10 火口
10a 扉体
11 枕体
12 仕切壁
13 客席側
14 調理側
【出願人】 【識別番号】599042326
【氏名又は名称】鈴木 栄一
【出願日】 平成15年2月10日(2003.2.10)
【代理人】 【識別番号】100066876
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 昭治

【識別番号】100103137
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 滋

【公開番号】 特開2004−245430(P2004−245430A)
【公開日】 平成16年9月2日(2004.9.2)
【出願番号】 特願2003−32711(P2003−32711)