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【発明の名称】 イモビアダプタ及びエンジン始動システム
【発明者】 【氏名】小林 豊
【住所又は居所】東京都港区芝浦4丁目12番33号 ユピテル工業株式会社内

【氏名】棚橋 芳和
【住所又は居所】東京都港区芝浦4丁目12番33号 ユピテル工業株式会社内

【要約】 【課題】イモビライザに替わってECUにコードを送るイモビアダプタにおけるコードの初期登録,更新登録を容易に行えること

【解決手段】イモビアダプタ10は、盗難防止システムを構成するイモビライザ3とECU4間の配線に分岐して取り付けられ、CPU13は、イモビライザからECUに向けて出力された正規のコードを取得して仮記憶し、仮記憶したコードを擬似コードとしてメモリ12に格納する。エンジン始動装置20からの始動命令を受けると、記憶した擬似コードをECUに対して送り、エンジン始動許可を受ける。擬似コードの登録は、メモリに未登録の場合には、仮記憶したコードをそのまま登録し、擬似コードが登録済みの場合には、仮記憶するコードが、所定回数連続して同一であり、かつ登録済みの擬似コードと異なる場合に擬似コードとして更新登録する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定のコードを備えたエンジンキーから発信された前記コードを取得するとともに、その取得した前記コードを車両用ECUに送るイモビライザと、
そのイモビライザから送られてきた前記コードが正規であることを条件にエンジンの始動を許可する前記車両用ECUを備えた盗難防止システムを搭載した車両に実装されるイモビアダプタであって、
前記イモビライザと前記車両用ECU間の配線に分岐して取り付けられ、前記イモビライザから前記車両用ECUに向けて出力された前記コードを取得したコードを仮記憶する仮記憶手段と、
前記仮記憶したコードを一定の条件のもとで擬似コードとしてコード記憶手段に格納する学習機能と、
遠隔式のエンジン始動装置本体からの始動命令を受け、前記コード記憶手段に格納された前記擬似コードを前記車両用ECUに対して送る機能を備えたことを特徴とするイモビアダプタ。
【請求項2】
前記学習機能は、複数回同一のコードを取得した場合に前記仮記憶したコードを擬似コードとして前記コード記憶手段に格納することを特徴とする請求項1に記載のイモビアダプタ。
【請求項3】
前記学習機能は、前記コード記憶手段に擬似コードが登録されているか否かを判断し、前記擬似コードが未登録の状態の場合には、前記車両用ECUからの要求に従って前記イモビライザから出力される前記コードを前記コード記憶手段に格納することを特徴とする請求項1または2に記載のイモビアダプタ。
【請求項4】
前記学習機能は、前記コード記憶手段に擬似コードが登録されているか否かを判断し、
前記コード記憶手段に擬似コードが登録済みの場合には、前記車両用ECUからの要求に従って前記イモビライザから出力される前記コードを監視し、同一のコードが複数回出力されている場合に前記コードを前記コード記憶手段に登録するものであることを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載のイモビアダプタ。
【請求項5】
前記学習機能は、前記コード記憶手段に擬似コードが登録されているか否かを判断し、
前記コード記憶手段に擬似コードが登録済みの場合には、前記車両用ECUからの要求に従って前記イモビライザから出力される前記コードを監視し、登録された擬似コードと異なるコードが複数回出力されている場合に前記コードを前記コード記憶手段に登録するものであることを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載のイモビアダプタ。
【請求項6】
前記学習機能は、前記仮記憶手段にコードを仮記憶後、前記車両用ECUからの前記イモビライザに向けてコードの送信要求がなくなった場合に仮記憶したコードが正規のコードと判断し、
係る正規のコードに基づいて前記コード記憶手段に登録するものであることを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載のイモビアダプタ。
【請求項7】
前記複数回出力,前記所定回数出力されるのが、一定の制限時間内に生じていることを条件に、前記コードを前記コード記憶手段に登録するようにしたことを特徴とする請求項1から6の何れか1項に記載のイモビアダプタ。
【請求項8】
前記イモビライザへの電源供給は、前記イモビアダプタを介して行うようにし、
前記コード記憶手段に格納された前記擬似コードを前記車両用ECUに対して送る際には、前記イモビライザへの電源供給を停止するようにしたことを特徴とする請求項1から7の何れか1項に記載のイモビアダプタ。
【請求項9】
前記コード記憶手段に格納された前記コードに基づく信号を前記エンジン始動装置本体に送り、
前記エンジン始動装置本体から前記信号に基づく応答を受け、係る応答が正しいことを条件に前記擬似コードを前記車両用ECUに対して送る処理を実行するようにしたことを特徴とする請求項1から8の何れか1項に記載のイモビアダプタ。
【請求項10】
請求項1から9の何れか1項に記載のイモビアダプタと、
そのイモビアダプタに接続される前記エンジン始動装置本体と、
前記エンジン始動装置本体に対して無線通信により命令を送る子機とを備えたことを特徴とするエンジン始動システム。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、イモビアダプタ及びエンジン始動システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
最近の車両には、車両の盗難防止のためにイモビライザと称されるシステムが搭載されたものがある。このイモビライザは、エンジンキーに所定のコードをもたせ、エンジンキーをキーシリンダにキーインしたとき車両側のECU(エンジン制御ユニット)と通信し、エンジンキーが持つコードとECUが保有しているコードが一致したことを条件にエンジンの始動を許可するものである。
【0003】
一方、遠隔操作(リモートコントロール)によってエンジン始動を行うエンジン始動装置においては、子機からの信号を受けた車載機がエンジンキーによるキーシリンダの動きを模してエンジンの始動を行うようにしている。しかし、キーシリンダの動きを模したとしても、上記したコードの送信が行われないと、イモビライザが搭載された車両ではコードの確認が行われないため、ECUからエンジン始動の許可がおりずにエンジンを始動することはできなかった。
【0004】
係る問題を解決するため、例えば特開2002−70626号公報に開示されたエンジン始動装置がある。係る発明は、車載機にモード切替スイッチを設け、そのモード切替スイッチを学習モードにした状態で、実際に正規のエンジンキーを操作してエンジンを始動させる。そして車載機は、この始動に先立ち行われるイモビライザとECU間のコードのやりとりを取り込んで記憶する。そして、実際に子機から遠隔操作によりエンジン始動を行う場合には、モード切替スイッチを再生モードに切替えることにより行う。つまり、再生モードの時に子機からのエンジン始動の指示を受けると、車載機は学習モード時に記録しておいたコードをECU側に送信してエンジン始動の許可を受け、その後通常のエンジン始動手順を実行することによりエンジンを始動するようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
この種のエンジン始動装置は、ディーラーや電装品店などにより車両に後付して販売されており、上記のようにするとエンジン始動装置へのID登録を配線の完了した後に行うことになる。すると、通常、エンジン始動装置の車載機は目立たないところに置かれているため、学習する際にモード切替スイッチを操作して学習モードに変更し、その後再生モードに再度設定するのは、容易ではなかった。
【0006】
さらに、ユーザがエンジンキーを紛失した場合には、コードも変更されるが、係る場合にも登録操作が必要となる。すると、ディーラーや電装品店でコードの更新を行う必要がありわずらわしいという問題があった。
【0007】
本発明は、上記した背景に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、配線後のコードの登録を用意に実施でき、ユーザがエンジンキーの紛失などに伴うコードの変更時にもコードの登録を容易にかつ的確に行えるようにしたイモビアダプタ及びエンジン始動システムを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記した目的を達成するため、本発明に係るイモビアダプタは、所定のコードを備えたエンジンキーから発信された前記コードを取得するとともに、その取得した前記コードを車両用ECUに送るイモビライザと、そのイモビライザから送られてきた前記コードが正規であることを条件にエンジンの始動を許可する前記車両用ECUを備えた盗難防止システムを搭載した車両に実装されるイモビアダプタである。そして、前記イモビライザと前記車両用ECU間の配線に分岐して取り付けられ、前記イモビライザから前記車両用ECUに向けて出力された前記コードを取得したコードを仮記憶する仮記憶手段と、前記仮記憶したコードを一定の条件のもので擬似コードとしてコード記憶手段に格納する学習機能と、遠隔式のエンジン始動装置本体(実施の形態では、「エンジン始動装置20」に対応)からの始動命令を受け、前記コード記憶手段に格納された前記擬似コードを前記車両用ECUに対して送る機能を備える。
【0009】
例えば、新規にイモビアダプタを設置した場合などコード(擬似コード)を記憶していない状態では、正規のエンジンキーを用いてエンジンの始動を図ると、そのときイモビライザから車両用ECUに向けて送られるコードを取得し、一旦仮記憶し、その仮記憶したコードを擬似コードとしてコード記憶手段に格納する。従って、その後にエンジンキーを用いずに、遠隔操作によるエンジン始動装置を用いてエンジンの始動を図る場合、エンジン始動装置本体からの命令に従ってイモビアダプタが記憶している擬似コードを車両用ECUに送る。これにより、イモビライザに変わって出力された擬似コードを受けた車両用ECUはエンジン始動許可を発するので、エンジン始動装置本体からのエンジン始動が可能となる。
【0010】
また、エンジンキーを紛失等すると、新たなエンジンキーに切り替えるが、新たなエンジンキーは当然コードも異なるので、イモビアダプタも新しいコードを記憶する必要がある。そこで、新しいエンジンキーを用いてエンジンの始動を行うと、その始動処理に先立ち、イモビライザから新たなエンジンキーのコードが送出されるので、イモビアダプタは係るイモビライザから出力されるコードを仮記憶する。そして、仮記憶するコードが一定の条件を具備する場合に自動的に仮記憶したコードを擬似コードとしてコード記憶手段に登録する。これにより、以後新たに登録した擬似コードを用いることにより、エンジン始動装置によるエンジン始動が可能となる。そして、エンジンキーによるエンジン始動といったユーザが普通に行う行為に従って自動的にイモビアダプタにおける擬似コードの更新登録が行われる。
【0011】
なお、間違ったエンジンキーを用いて操作が行われたり、その他各種の原因から、正規でないコードを仮記憶するおそれがある。しかし、そのような正規でないコードは、単発的に発生し、その後に正しいエンジンキーによる正常な始動が行われる際に、イモビライザから正規のコードが出力される。
【0012】
従って、仮に間違ったコードを一旦コード記憶手段に誤登録してしまったとしても、その後の正しいエンジン始動に基づき、正しいコードに復帰されるので、その復帰後はイモビアダプタから出力される擬似コードに基づいて車両用ECUからエンジン始動許可が発せられる。
【0013】
通常、イモビアダプタは、車両の奥まった場所で運転者等からは容易に見えない場所などに設置されるので、イモビアダプタに対してユーザがマニュアル操作によって命令を与えるのは事実上困難である。しかし、本発明では、エンジンキーによるエンジン始動行為に基づいて自動的に正規のコードを覚え、しかも、正規のコードが変更された場合もそれを検知して記憶保持するコード(擬似コード)を更新することも自動的に行える。よって、操作性が良好となる。
【0014】
なお、上記した場合に、正しいコードに復帰されるまでの間、エンジン始動装置に基づく始動ができなくなるおそれがあるが、例えば、擬似コードの登録は、上書きするのではなく、それ以前に記憶した擬似コードと新たな擬似コードの両方とも記憶保持することもできる。そして、擬似コードを車両用ECUに向けて送る場合、まず最新の擬似コードを出力し、所定回数(1回も含む)出力してもさらに車両用ECUから要求があると、前回格納した擬似コードは間違っているおそれがあるので、それ以前に格納した擬似コードを出力するように構成することもできる。そして、この場合に、それ以前に格納した疑似コードに基づいて始動許可が発せられた場合には、前回格納した擬似コードは誤登録と判断し、削除する機能を持たせても良い。
【0015】
また、登録する際の一定の条件を適宜に設定することにより、係る誤登録を無くすようにすることももちろんできる。そして、一定の条件としては、各種のものが設定でき、一例としては、前記学習機能は、所定回数同一のコードを取得した場合に前記仮記憶したコードを擬似コードとして前記コード記憶手段に格納するようにできる。なお、所定回数は、1回を含み、回数が多くなるほど誤登録する可能性が減少する。
【0016】
また、前記学習機能は、前記コード記憶手段に擬似コードが登録されているか否かを判断し、前記擬似コードが未登録の状態の場合には、前記車両用ECUからの要求に従って前記イモビライザから出力される前記コードを前記コード記憶手段に格納するようにすることもできる。
【0017】
擬似コードが格納されていない場合、新規に設置する場合と想定でき、係る場合、イモビアダプタ等を設置後、エンジンキーを用いてイモビライザを含む盗難防止システムが正常に動作するか否かの検査を行うことが多い。従って、未登録状態でイモビライザからコードが出力された場合には、係る検査のためと推測でき、正しいコードの場合が多い。そこで、係るコードを取得して仮記憶したコードをそのままコード記憶手段に格納することにより正規のコードの登録が行える。
【0018】
また、前記学習機能は、前記コード記憶手段に擬似コードが登録されているか否かを判断し、前記コード記憶手段に擬似コードが登録済みの場合には、前記車両用ECUからの要求に従って前記イモビライザから出力される前記コードを監視し、同一のコードが複数回出力されている場合に前記コードを前記コード記憶手段に登録するようにすることもできる。
【0019】
すなわち、上記したように新たなエンジンキーに切り替えた場合、新たなエンジンキーは当然コードも異なるので、イモビアダプタも新しいコードを記憶する必要がある。そこで、新しいエンジンキーを用いて何回かエンジンの始動を行うと、その都度イモビアダプタはイモビライザから出力されるコードを仮記憶する。そして、仮記憶するコードが所定回数一致した場合にはコードが変更したと判断して自動的にコード記憶手段に仮記憶したコードを擬似コードとして登録する。これにより、以後新たに登録した擬似コードを用いることにより、エンジン始動装置によるエンジン始動が可能となる。そして、エンジンキーによるエンジン始動といったユーザが普通に行う行為に従って自動的にイモビアダプタにおける擬似コードの更新登録が行われる。
【0020】
なお、間違ったエンジンキーを用いて操作が行われたり、その他各種の原因から、正規でないコードを仮記憶するおそれがある。しかし、そのような正規でないコードは、単発的に発生するため、同一のコードが複数回出力されることは余り無いので、誤登録が防止できる。
【0021】
同様に、前記学習機能は、前記コード記憶手段に擬似コードが登録されているか否かを判断し、前記コード記憶手段に擬似コードが登録済みの場合には、前記車両用ECUからの要求に従って前記イモビライザから出力される前記コードを監視し、登録された擬似コードと異なるコードが複数回出力されている場合に前記コードを前記コード記憶手段に登録するようにすることもできる。このようにすると、上記した作用効果に加え、既に登録済みのコードを再度登録するといった無駄な処理を無くすことができる。
【0022】
また、好ましくは、前記学習機能は、前記仮記憶手段にコードを仮記憶後、前記車両用ECUからの前記イモビライザに向けてコードの送信要求がなくなった場合に仮記憶したコードが正規のコードと判断し、係る正規のコードに基づいて前記コード記憶手段に登録するものである。
【0023】
送信要求があるということは、前回イモビライザから車両用ECUに向けて送られたコードは正規のものと認識できなかったことを意味する。よって、送信要求が無くなった場合は、前回取得して仮記憶したコードが正規のものと推定できる。なお、送信用要求が繰り返し発せられると、間違ったエンジンキーを挿入したか、盗難防止システム側で異常があると予想できるので、仮記憶したコードに対する信頼性がない。よって、係る場合には今回の学習を終了するようにすると好ましい。
【0024】
さらに、前記学習機能は、前記登録された擬似コードと異なるコードが所定回数出力されるのが、一定の制限時間内に生じていることを条件に、前記コードを前記コード記憶手段に登録するようにすることもできる。
【0025】
さらにまた、前記イモビライザへの電源供給は、前記イモビアダプタを介して行うようにし、前記コード記憶手段に格納された前記擬似コードを前記車両用ECUに対して送る際には、前記イモビライザへの電源供給を停止するようにするとなお良い。係る構成にすると、イモビアダプタからコード(擬似コード)を出力する場合に、誤ってイモビライザから誤送信されることが防止できる。
【0026】
さらには、前記コード記憶手段に格納された前記コードに基づく信号を前記エンジン始動装置本体に送り、前記エンジン始動装置本体から前記信号に基づく応答を受け、係る応答が正しいことを条件に前記擬似コードを前記車両用ECUに対して送る処理を実行するようにするとよい。
【0027】
イモビアダプタのみが装着されている場合に、何かしらの誤ったトリガに基づいてコード(擬似コード)を出力すると、エンジンが始動可能な状態となってしまう。そこで、正規のエンジン始動装置本体が取り付けられており、そのエンジン始動装置本体からの始動命令を受けた場合に保有している擬似コードを出力させる必要がある。この場合に、イモビアダプタとエンジン始動装置本体にIDコードなどを覚えさせて、そのIDコードの交換などをすることにより正規のものであることを認識することもできる。ただし、そのようにすると、係るIDコードを記憶保持させる必要があるとともに、各イモビアダプタごとに異なるIDコードを付与することになり、煩雑である。そこで、本発明のように、記憶保持している擬似コードを用いて正規のエンジン始動装置本体を認識するようにすると、予め認識用のIDコードを記憶保持させる必要がないので、登録処理の労力並びに記憶させるためのメモリが不要となり好ましい。しかも、擬似コードは各盗難防止システムごとに異なる値であるので、異なるIDコードを付与するのと同様の効果が得られる。
【0028】
もちろん、本発明では、必ずしも係る構成を採る必要はなく、認識用のIDコードを別途記憶保持させるようにしてもよいし、認識用のIDコードなどを設けなくても良い。
【0029】
本発明に係る遠隔操作によるエンジン始動を可能にしたエンジン始動システムは、上記した各イモビアダプタと、そのイモビアダプタに接続される前記エンジン始動装置本体と、前記エンジン始動装置本体に対して無線通信により命令を送る子機とを備えて構成することである。
【0030】
なお、上記した各発明におけるイモビアダプタは、実施の形態でエンジン始動装置本体と別部材として構成された例を示しているが、一体的に設けるようにしてももちろん良い。
【0031】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明が適用されるイモビライザが搭載された一般的な車両側のシステム構成の一例を示している。図1に示すように、所定のコードを記憶しているエンジンキー1を差し込むキーシリンダ2には、アンテナ2aが内蔵されている。そして、キーシリンダ2に差し込んだエンジンキー1は、このアンテナ2aから発射される電磁波(134.2kHz)を利用して発電を行い、その蓄電気により記憶しているコードを、エンジンキー1に内蔵した送信機により送信する構造となっている。
【0032】
一方、キーシリンダ2は、エンジンキー1が差し込まれると、図示省略するキーイン検出スイッチによりキー検出を行う。そして、キーシリンダ2からECU(エレクトリックコントロールユニット:電子制御ユニット)4へは、エンジンキー1の操作に伴う各種信号(ST/ACC/IG/キーイン信号)が送出されるようになっており、上記キー検出を行うと、キーイン信号がONとなる。更に、差し込んだエンジンキー1を回していってポジションが変わるにつれて、アクセサリー(ACC)→イグニッション(IG)→スタータ(ST)の各信号が出力される。
【0033】
そこで、ECU4はキーイン信号を検出するかIGの検出を確認してイモビライザ3に電源を供給(VC5)するとともにコードの送信要求(TXCT)を出す。コードの送信要求であるTXCT信号は、実際にはアンテナ2aからエンジンキー1への電磁波の送出を行う制御を行っており、イモビライザ3は、TXCT信号を受信している間(50msec)、アンテナ2aからの電磁波の送出を許可する。
【0034】
これにより、係るECU4からTXCT信号が送出している間、エンジンキー1が発電する。そして、エンジンキー1の発電部により蓄電されると、エンジンキー1はTXCT信号の終了後に送信機により所定のコードを電磁波で送信する。
【0035】
イモビライザ3は、エンジンキー1からのコード信号を受信すると、受信同期クロック(RXCK)に同期してECU4に対して受信したコードを送出(CODE)する。そして、ECU4は受信したコードが一致すればエンジンの始動を許可する。尚、通常エンジンキー1は電池を持たず電磁波による蓄電のため使用できる電力が限られているため電磁波の送信出力が小さく、エンジンキー1の挿し具合が浅い時などイモビライザ3のコードの取り込みが正常に行えない場合があるため、コードが一致しない場合は再度TXCT信号を送出しコードを再送出させるようになっている。これにより、ECU4は、エンジンキーが持つコードを確実にECU4に伝達することができる。
【0036】
図2は本発明の一実施の態様を示している。図2では、図示の便宜上、キーシリンダ2を記載していないが、図1に示した例と同様に設置されて、差し込まれたエンジンキーのポジションに応じて所定の信号をECU4に送出したり、内蔵するアンテナから所定の電磁波を放出したりする。
【0037】
ここで本発明では、まず、イモビライザ3とECU4間の配線から分岐してイモビアダプタ10を設けている。このイモビアダプタ10は、イモビライザ3−ECU4間の配線から分岐し、各種信号を取り込んだり、所定の信号を送り込んだりする。つまり、イモビライザ3とECU4間で送信されるコードを取得し、必要に応じてその取得したコードを正規のコードに替わる擬似コードとしてメモリ12に格納し、エンジン始動装置20から始動命令を受けると、イモビライザ3に替わってメモリ12に格納した擬似コードをECU4に送り、始動許可を受けると通常のエンジン始動装置20による始動処理を開始する機能を有する。さらに、メモリ12へのコード(擬似コード)の格納は、イモビライザ3−ECU4間の配線を送受する信号を監視し、現在学習すべきか否かを判断し、ユーザが通常のエンジンキーを操作してエンジンを始動する処理を行った場合に自動的にコードを取得するとともにメモリ12に記憶保持する機能を有する。これにより、ユーザは、従来のようにコードを覚えさせるために、モード切替スイッチを操作して学習モードに設定したり、覚えさせた後にモード切替スイッチを再度操作して再生モードに戻すなどのマニュアル操作による煩雑な切り替え処理が不要となる。なお、メモリ12は、例えばEEPROMのように不揮発性メモリであると、イモビアダプタ10の電源をOFFにできるので好ましい。
【0038】
そして、係る機能を実現するため具体的な構成は以下のようになっている。まず、イモビアダプタ10は、イモビライザ3−ECU4間の配線に対して分岐して接続される各端子を備えている。つまり、TXCTin端子は、コード登録時または再生時におけるTXCT信号を取り込むために使用されるもので、イモビライザ3,ECU4のTXCT端子同士を結ぶ配線に分岐状態で接続される。
【0039】
CODEout端子は、コード再生時にECU4に対して擬似コードを送出するための出力端子である。イモビライザ3,ECU4のCODE端子同士を結ぶ配線に分岐状態で接続され、所定のタイミングで擬似コードをECU4のCODR端子へ与える。また、RxCKout端子は、CODEout端子から擬似コードを伝送するための同期クロックである。イモビライザ3,ECU4のRxCK端子同士を結ぶ配線に分岐状態で接続される。
【0040】
CODEin端子並びにRxCKin端子は、コード登録時にイモビライザ3から出力されるコードを取り込むために使用されるもので、CODEin端子は、イモビライザ3,ECU4のCODE端子同士を結ぶ配線に分岐状態で接続される。つまり、CODEout端子と並列的に接続される。そして、イモビライザ3のCODE端子からECU4のCODE端子へ送信されるコードを、CODEin端子へも取り込むようになっている。また、RxCKin端子は、CODEin端子にコードを取り込む際の同期クロックである。イモビライザ3,ECU4のRxCK端子同士を結ぶ配線に分岐状態で接続される。
【0041】
VC5in端子は、ECU4からのVC5信号を取り込むために使用されるもので、イモビライザ3とECU4のVC5端子同士を結ぶ配線に、直列状態で挿入配置される。さらに、このVC5in端子の内部配線には、常閉型のリレー11が挿入されており、ImbRY信号によりリレー11の開閉が制御される。よって、リレー11が閉じているときは、イモビライザ3,ECU4のVC5端子間は導通状態となり、リレー11が開くと非導通状態となる。
【0042】
そして、コード(擬似コード)の登録時においてはそのままVC5信号をパスし、再生時においてはイモビアダプタ10はイモビライザ3に取って代わる動作をするため、このリレー11を開いてイモビライザ3を動作させないようにしている。係るImbRY信号は、上記動作を行うべく、再生時に常閉型のリレー11を開くようにする。
【0043】
また、このイモビアダプタ10は、通常は電源がOFFとなっており、VC5in端子に入力されるVC5の検出により自己の電源を立ち上げるようになっている。また、イモビアダプタ10はTXCT信号の発生に基づきイモビライザからのコードを受信するとともに記憶した後、イモビアダプタの電源を切る機能も持っている。
【0044】
GND端子は車両グランドであり、+B端子には車両バッテリからの電源が常時供給されている。つまり、GND端子,+B端子はともに電源端子を構成しているといえる。
【0045】
SCOM端子並びにSCK端子は、エンジン始動装置20データの送受を行うもので、SCOM端子はイモビアダプタ10とエンジン始動装置20との双方向通信を行う端子であり、SCK端子はSCOM通信の同期を取るためのクロックである。
【0046】
そして、上記した各端子を介して送受する信号は、CPU13により制御される。メモリ12に対するコード(擬似コード)の読み書きも、係るCPU13によって行われる。そして、係るCPU13が、図3以降のフローチャートを実施する機能を有する。なお、図3における「START」とは、イモビアダプタ10の取り付け後の動作開始をさす。
【0047】
まず、イモビアダプタ10の稼動に伴いキーインの回数を計数するキーインカウンタをクリアする(ST1)。実際にはCPUのコールドスタートにより初期化される。
【0048】
次に、ECU4からイモビアダプタ10への電源供給VC5を待つ(ST2)。すなわち、上記したように、キーシリンダ2にエンジンキー(図1の符号1参照)が挿入されると、キーシリンダ2のキーイン信号がONとなり、ECU4に伝達される。ECU4はキーイン信号を受けVC5を出力するとともにTXCT信号を送出する。よって、VC5の検出は、キーインされたかあるいはエンジン始動装置20により擬似IG出力が行われたことを示す。なお、リレー11は常閉接点であるので、ECU4から出力されたVC5信号は、イモビアダプタ10を経由してイモビライザ3のVC5端子に入力される。これにより、イモビライザ3は通常の処理を実行する。
【0049】
一方、VC5を検出したらならば(ステップ2でYes)、TXCT信号の受信回数を計数するTXカウンタを初期化する(ST3)。このTXカウンタは、CPU13によるソフトウェアによるカウンタで実現しても良いし、別途カウンタを設けることにより実現しても良い。
【0050】
そして、メモリ12に何らかのコードを記憶しているか否かを判断する(ST4)。何もコードが記憶されていない場合には、新規にコードを登録する必要があるため、初期登録モード(ST8)に移行する。また、メモリ12にコードが登録済みである場合、さらにイモビアダプタ10のCPU13は、エンジン始動装置20からのSCK信号の有無を確認し(ST5)、SCK信号が存在しなければ更新登録モード(ST6)に移行し、存在する場合には再生モード(ST7)に移行する。
【0051】
つまり、SCK信号の入力が有れば、エンジン始動装置20を用いたエンジン始動を行うために、メモリ12に記憶している擬似コードを再生し、ECU4に送り、ECU4からの始動許可命令の発行を待つ(再生モード)。一方、SCK信号がない場合には、通常のエンジンキーを用いたエンジン始動が行われる可能性があるので、イモビライザ3−ECU4間の配線を監視し、正規のエンジンキーに登録されたコードが係る配線を電送されるのを取得し、正規のコードが変更されている場合には、そのコードをメモリ12に格納する(更新登録モード)。これにより、コードが変更された場合にも自動的に対応し、その後にエンジン始動装置20を用いたエンジン始動処理の際に、変更されたコードを用いてECU4からエンジン始動許可を得るようにする。そして、各モードが終了したならば、ステップ2に戻り、次の処理に備える。
【0052】
次に、各モードの具体的な処理アルゴリズムを説明する。ステップ8の初期登録モードは、実際には、図4に示すフローチャートを実施するようになっている。まず、この初期登録モードの機能を説明すると、コードが未登録である場合に、エンジン始動装置20との通信を行わないとともに、TXCT信号の発生に続いて発生するコードを記憶するものである。
【0053】
すなわち、コードが登録されていないときは通常イモビアダプタ10の取り付け直後であり、当然正規のエンジンキー1が使用されることが前提であるからTXCT信号を受けて受信するコードをそのまま記憶するようにした。係る構成にすると、通常イモビアダプタ10を取り付けた作業者は、取り付けによる車両への支障を確認するためエンジンキー1による始動を行うので、その際にイモビアダプタ10はコードを記憶してしまうため、作業者は特に意識することなく自然な流れの中でコード登録を実施することができる。
【0054】
そして、具体的には、まず、TXCT信号の受信を待つ(ST11)。そして、受信したならばTXカウンタをインクリメントし(ST12)、TXカウンタの値が6になったか否かを判断する(ST13)。6に満たない場合には、取得したイモビライザ3からECU4に向けて送られるコードを仮記憶する(ST14)。
【0055】
なお、イモビライザ3から出力されるコードは、TXCT信号が完了した後に送出される。そこで、イモビアダプタ10が係るコードを取り込むには、TXCT信号終了時からコードの送出が終了するであろう所定時間分に、配線上を伝送されるコードを仮記憶してもよいし、TXCT信号終了後のコードの変化を追い所定時間変化がなくなったときにそれまでのコード変化の状態からコードを判定して仮記憶するようにしてもよい。なお、初期登録モードにおいてはコード登録そのものが存在しないため、コード登録のメモリ12を仮記憶のメモリとして使用することもできる。
【0056】
一方、ECU4がコードを受信し伝送エラー等の要因により適正なコードを受信しなかった場合に、再度TXCT信号をイモビライザ3に送ってコードを要求する。そこで、イモビアダプタ10のTXカウンタは、この要求回数をカウントしており、TXカウンタの値が6になってしまった場合(ステップ13の分岐判断でYES)は、不正なキーの挿入もしくは不適正な配線と判断し初期登録モード終了する。
【0057】
また、上記したようにTXCT信号は、キーインに伴い出力され、その後は、エンジンキーが挿入された状態においてコードを正常受信できない場合に再度出力される。従って、TXCT信号が再度出力される場合には、所定時間t1(例えば500msec)以内にTXCT信号が出力される。
【0058】
TXCT信号を検出できない場合には、ステップ11の分岐判断でNOとなってステップ15に進むが、TXCT信号を受信していない期間が所定時間t1(500msec)以内の場合には、ステップ15の分岐判断でNOとなり、ステップ11に戻って再度TXCT信号の検出を図る。つまり、所定時間t1以内にTXCT信号が発生している間は、エンジンキー1が挿入されたままの状態においてコードの再送要求を出しているものと判断する。そして、t1以上の時間が経過した場合(ステップ15の分岐判断でYES)には、TXカウンタのカウンタ値を取得し、それが0より大きいか否かを判断する(ST16)。そして、0より大きい場合には、ECU4がコードを受け付けたものとして仮記憶していたコードを正規のコードとしてメモリ12に登録する(ST17)。また、TXカウンタが0の場合には、コードが一度も送られなかったり、不適正な配線がされていたなどの理由から仮記憶ができなかったことを意味するので、そのまま今回の初期登録モードを終了する。
【0059】
また、ステップ7の再生モードは、実際には、図5に示すフローチャートを実施するようになっている。まず、この再生モードの機能を説明すると、以下の通りである。エンジン始動装置20は、通常、図外の子機からの始動命令を受け、車両に対してIG,ACCを供給してエンジンの始動を試みる。そこで、イモビアダプタ10は、そのエンジン始動処理に先立ち、ECU4から始動許可をもらうべく、イモビライザ3に替わってコードをECU4に送る。
【0060】
すなわち、シリアル通信クロック(SCK)に同期して行われる通信(SCOM)の成立により、IGがONになるとECU4からTXCT信号が出力されるので、そのTXCT信号に基づきメモリ12に記憶したコード(擬似コード)をECU4に向けて送出するものである。
【0061】
具体的には、エンジン始動装置20との間で通信が成立するか否かを判断する(ST21)。すなわち、まずエンジン始動装置20から発生したIG出力によりECU4はVC5を出力する。すると、イモビアダプタ10は、そのVC5を受けイモビアダプタ10自身の電源を入れる。
【0062】
そして、エンジン始動装置20との間で行うSCOMによる通信は、イモビアダプタ10がエンジン始動装置20からのSCK(通信用同期クロック)が存在ることを確認して行われる。そして、SCKが存在する場合、イモビアダプタ10はメモリ12に記憶しているコードを基にした信号(セキュリティコード)をエンジン始動装置20に伝送する。エンジン始動装置20はそれを受けて、受信したセキュリティコードを予め定められた所定の演算により変換したものをイモビアダプタ10に返すようにしている。このように、本実施の形態では、本来は、エンジン始動許可を得るために用いるコード(擬似コード)を利用してセキュリティコードを生成するようにしたため、工場出荷時にイモビアダプタ10ごとに異なるセキュリティコードをイモビアダプタ10及びエンジン始動装置20に記憶させることなく固有のセキュリティコードを持たせることができる。
【0063】
そして、イモビアダプタ10は、エンジン始動装置20から返信されたセキュリティコードが予め定められた演算により変換されたものであった場合、エンジン始動装置20との通信が成立した(ステップ21の分岐判断でYES)ものとして、対応する正規のエンジン始動装置20からのエンジン始動指示であるとして動作する。このようにすることで、エンジン始動装置20との通信の結果エンジンの始動を許可することができるようになる。
【0064】
そして、係るエンジン始動装置20との通信が成立した後、イモビアダプタ10は、ImbRY信号によりリレー11を制御して接点を開き、イモビライザ3への電源(VC5)の供給を遮断して、イモビライザ3からの信号の発生を禁止させ誤動作を防止する。
【0065】
また、通信が成立しない場合には、ステップ21の分岐判断でNOとなるので、そのまま処理を終了する。係る構成を採ったのは、正規のエンジン始動装置20が取り付けられていない状態でイモビアダプタ10がコードを出力することによるセキュリティの低下を抑制するためである。
【0066】
一方、通信が成立すると、エンジン始動装置がエンジンの始動を指示しているとして、タイマを起動し、ECU4からのTXCT信号の要求を待つ(ST22,ST23)。そして、TXCT信号を検出すると、メモリに記憶しているコード(擬似コード)をECU4に向けて送信する(ST24)。すなわち、イモビアダプタ10はECU4からのTXCT信号を受けて、RxCKとCODEをECUに送出する。つまり、RxCKout信号(所定のパルス信号)によりスイッチング素子Q1のON/OFFを制御し、所望のクロックをECU4のRxCK端子に与えるとともに、CODEout信号(所定のパルス信号)によりスイッチング素子Q2のON/OFFを制御することによりメモリ12に記憶したコード(擬似コード)を生成し、ECU4のCODE端子に与える。これによりECU4は、正規のコードがイモビライザ3から送信されたものと判断し、エンジンの始動を許可する。
【0067】
エンジン始動装置20は、エンジンの始動が確認された場合にSCOMをLとする。従って、イモビアダプタ10は、SCOMがLになるか何らかの要因により再生モードの中でのループを防ぐためのタイマが所定の時間t2を越えた場合になれば再生モードを終了する(ST25,ST26)。ステップ25,26の分岐判断でいずれもNOとなった場合は、ステップ23に戻りTXCT信号の検出によるコードの送出を繰り返す。
【0068】
また、TXCT信号の検出がt1秒行われない場合(ステップ27でYES)は、ECU4がコードを受け入れて始動許可を発行したものと判断し、再生モードを終了する。なお、このときイモビアダプタ10はエンジン始動装置20側にその旨を通知し、エンジン始動装置20はエンジン始動モータ(スタータ)を所定時間駆動する。
【0069】
なお、この実施の形態では、イモビアダプタ10かエンジン始動装置20に再生モードが完了した旨を通知し、それをトリガとしてエンジン始動装置20がスタータを駆動する(廻す)ようにしたが、別の構成としては、例えばエンジン始動装置20は、イモビアダプタ10の状態にかかわらず擬似ACC信号を出力してから所定時間後にスタータを廻すようにしてもよい。
【0070】
ステップ6の更新登録モードは、実際には、図6に示すフローチャートを実施するようになっている。まず、この更新登録モードの機能を説明すると、以下の通りである。すなわち、係るモードは、既にコードが登録されている場合であり、このようにコードが登録されている状態で初期登録モードを動作させると、運転者がエンジンキー1を入れるたびにコードが登録しなおされることになる。
【0071】
このように運転者がエンジンキー1を抜き差しする都度、そのエンジンキーが持つコードを登録した場合、通常の仕様においては正常なコードの発生と登録が予想できるが、各種制御信号のやり取り中に子供がいたずらにエンジンキーの抜き差しをした等の何らかの要因により、誤ったコードの登録が行われてしまうおそれがある。このように誤ったコードが登録されてしまうと、その後はエンジン始動装置20によるエンジンの始動が行えなくなってしまう。
【0072】
これは、ECU4がコードの伝送エラーやエンジンキー1が相違した場合に正規のコードを受信するまでTXCT信号を繰り返し発生するため、初期登録モードにおけるイモビアダプタ10は所定時間内に発生するTXCT信号に続くコードを仮記憶する。また所定回数TXCT信号を受けた場合はエラーとして登録動作を中止するようにしている。このような動作においてエンジンキーが途中で抜かれてしまった場合には、TXCT信号が出力されなくなるので誤ったコードを登録してしまう可能性があるためである。
【0073】
このため、コードが既に登録されている場合には所定回数連続してエンジンキーを抜き差しすることにより得たコードが全て同一である場合に正しいコードを受信したとして記録するようにした。係る構成を採ると、キーの紛失などによりコードが変更された場合でもキーを所定回数抜き差しするだけで新しいコードが登録されるようになる。
【0074】
また、エンジンキーの抜き差しの間隔に所定の制限時間を設けても良いし、設けなくても良い。そして、制限時間を設けない場合には、運転者は特に意識することなくコードの更新を行うことができる。つまり、新しいエンジンキー1を用いて通常にエンジンを始動することを所定回数行うだけで、自動的に新しいエンジンキーのコードがイモビアダプタに登録される。また、所定の制限時間を設けた場合は、コードの更新を意識的に行わせる仕様にできる。よって、客先のニーズに合わせて、より適した仕様を選択することができる。
【0075】
本実施の形態では、制限時間を設けず、所定回数を3回とした。そして、係る所定回数、つまりエンジンキーの挿入回数を計数するために、キーインカウンタを設けた。このキーインカウンタは、TXCT信号を検出しコードの受け渡しが正常に行われることを条件にキーイン(エンジンキーが挿されたもの)有りとしてインクリメントされる。
【0076】
キーインが所定回数(3回)連続して繰り返され、受信した全てのコードが、一致し、かつ、既に記憶されているコードと同一でない場合にはコードの再書き込み(登録)を行う。また、受信したコードが記憶してあるコードと同じであった場合や、連続して同一のコードを受信しなかったコードの登録は行わない。さらに、コード検出後の所定時間内に再度TXCT信号がECUから出される場合は、コードの伝送エラーであるか、或いはECUに登録されていないコードであるといえる。そのため所定時間以内に所定回数TXCT信号を検出した場合はエラーとみなし、コードの更新は行わないようにした。そして、キーイン後、上記した一連の処理の完了後に更新登録モードを終了する。
【0077】
上記した処理を実行するための具体的なアルゴリズムとしては、まず、TXCT信号の受信を待つ(ST31)。そして、受信したならばTXカウンタをインクリメントし(ST32)、TXカウンタの値が6になったか否かを判断する(ST33)。6に満たない場合には、取得したイモビライザ3からECU4に向けて送られるコードを仮記憶する(ST34)。つまり、エンジン始動装置20との通信がない(SCKが発生していない)状態においてTXCT信号が発生したことをもって受信したコードを仮記憶する。そして、TXカウンタが6になるまでTXCT信号送出の後に来るコードを仮記憶する。
【0078】
TXCT信号を検出できない場合には、ステップ31の分岐判断でNOとなってステップ35に進むが、TXCT信号を受信していない期間が所定時間t1(500msec)以内の場合には、ステップ35の分岐判断でNOとなり、ステップ31に戻って再度TXCT信号の検出を図る。つまり、所定時間t1以内にTXCT信号が発生している間は、エンジンキー1が挿入されたままの状態においてコードの再送要求を出しているものと判断する。係る処理手順は、初期登録と同様である。
【0079】
そして、t1以上の時間が経過した場合(ステップ35の分岐判断でYES)には、ECU4にてコードが正常に受け付けられたものとして、仮記憶したコードが新規であるか否かを確認する(ST36)。コードが既に登録済みで新規でなければ再度登録する必要がないので、キーインカウンタを初期化して更新登録モードを終了する(ST43)。
【0080】
また、コードが新規であればキーインカウンタをインクリメントし(ST37)、キーインカウンタが1か否かを判断する(ST38)。そして、キーインカウンタが1の場合には、最初の仮記憶コードであるので、その仮記憶したコード(仮記憶コード)を比較用コードして記憶して更新登録モードを終了する(ST39)。
【0081】
また、キーインカウンタが1でなければ、仮記憶コードと比較用コードを比較し(ST40)、等しければ前回のキーイン時に受信したものと同じであると判定する。そして、前回受信したコードと同一である場合は続けてキーインカウンタが3になっている(同じコードを3回連続して受信した)か否かを判断し(ST41)、キーインカウンタが3になっていなければそのまま登録更新モードを終了する。
【0082】
一方、ステップ40の分岐判断でNO、つまり、仮記憶コードと比較用コードが相違する場合は、所定回数(3回)連続して同じコードを受信すると言った条件を具備しないので、キーインカウンタを初期化して更新登録モードを終了する(ST43)。
【0083】
さらに、ステップ41の分岐判断でYES、つまり、キーインカウンタが3の場合には、仮記憶コードを正規のコード(擬似コード)とみなしてメモリ12に対するコード登録処理を行う(ST42)。その後、次の更新登録処理に備えてキーインカウンタを初期化して更新登録モードを終了する(ST43)。
【0084】
なお、上記した実施の形態では、比較用コードを設けたが、所定回数分の仮記憶コードをすべて記憶保持し、それらの異同を比較するようにしても良い。また、上記した実施の形態のように、連続してN回というのではなく、M回取得して仮記憶したコードのうち、N回分(M>N)のコードが一致した場合に正規のコードと判断して更新するようにしても良い。つまり、所定回数とは、必ずしも連続していることは要件としない。もちろん、連続していることを条件としたほうが、誤ってコード(擬似コード)が更新されてしまうことを抑止できる。
【0085】
【発明の効果】
この発明によれば、エンジンキーによるエンジン始動操作に伴い、自動的にイモビアダプタにコードを登録することができ、配線後のコードの登録を容易に実施でき、ユーザがエンジンキーを紛失したことなどに伴うコードの変更時にもコードの登録を容易にかつ的確に行えるようになる。よって、イモビアダプタは、容易に手が届き難い場所に設置することが可能となり、イモビアダプタに対するいたずらなどがされにくくなり、例えば、ユーザ以外の人がイモビアダプタを改竄してコードを発生させてエンジン始動可能状態にさせることなどが抑止でき、安全性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】イモビライザを搭載した車両側のシステムの一例を示す図である。
【図2】本発明の好適な一実施の形態を示す図である。
【図3】イモビアダプタのCPUの処理機能を示すフローチャートである。
【図4】初期登録モードのアルゴリズムを示すフローチャートである。
【図5】再生モードのアルゴリズムを示すフローチャートである。
【図6】更新登録モードのアルゴリズムを示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 エンジンキー
2 キーシリンダ
2a アンテナ
3 イモビライザ
4 ECU
10 イモビアダプタ
11 リレー
12 メモリ
13 CPU
20 エンジン始動装置
【出願人】 【識別番号】391001848
【氏名又は名称】ユピテル工業株式会社
【住所又は居所】東京都港区芝浦4丁目12番33号
【出願日】 平成14年7月3日(2002.7.3)
【代理人】 【識別番号】100092598
【弁理士】
【氏名又は名称】松井 伸一

【公開番号】 特開2004−36505(P2004−36505A)
【公開日】 平成16年2月5日(2004.2.5)
【出願番号】 特願2002−195306(P2002−195306)