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【発明の名称】 コージェネレーション装置及びその制御方法
【発明者】 【氏名】鳥 海 良 一
【住所又は居所】東京都港区海岸一丁目5番20号 東京瓦斯株式会社内

【要約】 【課題】制御開始から時間が経過しても事例データベースの情報量がさほど増加せず、事例検索に多大な時間を費やしてしまうことが無い様なコージェネレーション装置及びその制御方法の提供。

【解決手段】電力需要を検出する手段(2)と、給湯需要を検出する手段(3)と、室温に関する情報を検出する手段(4A)と、電力消費量及び/又は給湯需要を予測する予測手段(26)とを含み、該予測手段(26)は、日付及び曜日に関する情報と、検出された電力需要、給湯需要、温度に関する情報のその時点における検出値及び一定以上以前の時間における数値とに基づいて、所定時間後の電力消費量及び/又は給湯需要を事例ベース推論により予測する様に構成されており、且つ、所定範囲における過去の事例データの平均値(事例データの所定領域毎の平均値)に基いて予測値を求める(量子化した履歴のうち最近傍のデータを取り出す:データ圧縮を行う:過去事例データについてメッシュを切る)第1の予測手段(22)と、最小二乗誤差に基いて予測値を求める第2の予測手段(23)とを有している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力需要を検出する手段と、給湯需要を検出する手段と、温度に関する情報を検出する手段と、電力消費量及び/又は給湯需要を予測する予測手段とを含み、該予測手段は、日付及び曜日に関する情報と、検出された電力需要、給湯需要、温度に関する情報のその時点における検出値及び一定以上以前の時間における数値とに基づいて、所定時間後の電力消費量及び/又は給湯需要を事例ベース推論により予測する様に構成されており、且つ、所定範囲における過去の事例データの平均値に基いて予測値を求める第1の予測手段と、最小二乗誤差に基いて予測値を求める第2の予測手段とを有していることを特徴とするコージェネレーション装置。
【請求項2】
給湯負荷終了時刻前後で発電運転を終了する運転制御を行う様に構成された運転制御手段を有する請求項1のコージェネレーション装置。
【請求項3】
商用電力の料金が安価な時間帯の終了時から、所定の時間だけ早い時刻或いは遅い時刻に発電運転を開始する運転制御を行う様に構成された運転制御手段を有する請求項1のコージェネレーション装置。
【請求項4】
電力需要、給湯需要、温度に関する情報を検出する検出工程と、電力消費量及び/又は給湯需要を予測する予測工程とを含み、該予測工程では、過去の事例データの平均値に基いて予測値を求めるか或いは最小二乗誤差に基いて予測値を求めるかを判断する予測手法判断工程を有しており、日付及び曜日に関する情報と、検出された電力需要、給湯需要、温度に関する情報のその時点における検出値及び一定以上以前の時間における数値とに基づいて、所定時間後の電力消費量及び/又は給湯需要を予測する様に構成されていることを特徴とするコージェネレーション装置の制御方法。
【請求項5】
給湯負荷終了時刻前後で発電運転を終了する請求項4のコージェネレーション装置の制御方法。
【請求項6】
商用電力の料金が安価な時間帯の終了時から、所定の時間だけ早い時刻或いは遅い時刻に発電運転を開始する運転制御を行う請求項4のコージェネレーション装置の制御方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料電池の発電電力、及びその排熱を利用するコージェネレーション装置(例えば、燃料電池コージェネレーション装置、ガスエンジンコージェネレーション装置等)及びその制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
コージェネレーション装置として、例えば燃料電池コージェネレーション装置について考える。
燃料電池は、電力需要及び貯湯タンク内の温水貯湯量が、その運転について多大な影響を及ぼす。すなわち、電力需要が存在すれば燃料電池コージェネレーション装置を作動して発電を行うことが可能であるが、貯湯タンク内が温水で満杯状態であれば、発電運転を行うことが出来ない。
ユーザが快適に燃料電池を利用するためには、個々のユーザが必要とする時に電力や温水を確実に供給する必要がある。そして、個々のユーザの生活リズム、特に電力需要及び給湯需要について正確に予測することが必要不可欠である。
出願人は平成14年5月10日に特願2002−134895号を出願して、事例ベース推論の手法を用いて、個々のユーザ毎に異なる電力需要及び給湯需要を出来る限り正確に予測して、燃料電池コージェネレーション装置の運転効率を向上させることが出来る様な燃料電池コージェネレーション装置及びその制御方法を開示した。
【0003】
しかし、個々のユーザ毎の電力需要及び給湯需要(負荷)を予測するのに事例ベース推論を使用した場合、係る負荷予測に必要となる事例データベースの情報量が時間の経過と共に増加して、記憶するべき情報量が制御ユニットのメモリ容量を越えてしまう可能性がある。
また、係るデータベース情報量が増加する結果、予測に際して必要とされる同一、類似事例の検索において、係る同一或いは類似する事例の検索に時間が掛かりすぎる、という問題も存在する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上述した従来技術の問題点に鑑みて提案されたものであり、制御開始から時間が経過しても事例データベースの情報量がさほど増加せず、事例検索に多大な時間を費やしてしまうことが無い様なコージェネレーション装置及びその制御方法の提供を目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明のコージェネレーション装置は、電力需要を検出する手段(2)と、給湯需要を検出する手段(3)と、温度(室温及び気温を含む)に関する情報を検出する手段(4A)と、電力消費量及び/又は給湯需要を予測する予測手段(26)とを含み、該予測手段(26)は、日付及び曜日に関する情報と、検出された電力需要、給湯需要、温度に関する情報のその時点における検出値及び一定以上以前の時間における数値とに基づいて、所定時間後の電力消費量及び/又は給湯需要を事例ベース推論により予測する様に構成されており、且つ、所定範囲における過去の事例データの平均値(事例データの所定領域毎の平均値)に基いて予測値を求める(量子化した履歴のうち最近傍のデータを取り出す:データ圧縮を行う:過去事例データについてメッシュを切る)第1の予測手段(22)と、最小二乗誤差に基いて予測値を求める第2の予測手段(23)とを有している(請求項1)。
【0006】
また、本発明のコージェネレーション装置の制御方法は、電力需要、給湯需要、温度(室温及び気温を含む)に関する情報を検出する検出工程(ST2)と、電力消費量及び/又は給湯需要を予測する予測工程(ST3〜ST5)とを含み、該予測工程(ST3〜ST5)では、過去の事例データの平均値(事例データの所定領域毎の平均値)に基いて予測値を求める(量子化した履歴のうち最近傍のデータを取り出す:データ圧縮を行う:過去事例データについてメッシュを切るSA1〜SA5)か、或いは、最小二乗誤差に基いて予測値を求める(SB1〜SB5)かを判断する予測手法判断工程(SM)を有しており、日付及び曜日に関する情報と、検出された電力需要、給湯需要、温度に関する情報のその時点における検出値及び一定以上以前の時間における数値とに基づいて、所定時間後の電力消費量及び/又は給湯需要を予測する様に構成されている(請求項4)。
【0007】
係る構成を具備する本発明によれば、予測工程(ST3〜ST5)では、過去の事例データの平均値(事例データの所定領域毎の平均値)に基いて予測値を求める(量子化した履歴のうち最近傍のデータを取り出す:データ圧縮を行う:過去事例データについてメッシュを切るSA3)ことが出来るので、個々の事例データをデータベースに記憶させる従来技術に比較して、データベース(8)に記憶するべき情報量を少なくすることが出来る。
その結果、事例データベース(8)の情報量は、時間が経過しても問題となる程度には増加せず、記憶するべき情報量が制御ユニット(A)のメモリ容量を越えてしまうことが未然に防止される。そして、データベース(8)情報量がさほど増加しないため、予測に際して必要とされる同一、類似事例の検索において、係る同一或いは類似する事例の検索に時間が掛かり過ぎることは無くなる。
【0008】
ここで、過去の事例データの平均値(事例データの所定領域毎の平均値)に基いて予測値を求めた場合(量子化した履歴のうち最近傍のデータを取り出す:データ圧縮を行う:過去事例データについてメッシュを切るSA3)には、特定の予測対象及び/又は予測範囲のように(例えば、午前1時〜5時までの電力需要)、特定の数値にデータが集中してしまう(300W程度に集中)場合については、必ずしもメッシュを切る必要は無い。場合によっては、メッシュを切ることが不適当な場合も考慮し得る。
また、事例データを特定の限定された数値のみであるとみなしても実用上問題ない場合(例えば、午後7時〜11時の電力需要は、燃料電池やガスエンジンの最大発電電力が1kWの場合に、「1kW以上」と設定しても、予測、制御を実行する上では問題が無い)については、過去の事例データの平均値(事例データの所定領域毎の平均値)に基いて予測値を求める(量子化した履歴のうち最近傍のデータを取り出す:データ圧縮を行う:過去事例データについてメッシュを切るSA3)手法を行う必要が無い。すなわち、「メッシュを切る」必要が無い。
【0009】
しかしながら、本発明によれば、上述した場合(過去の事例データの平均値に基いて予測値を求める手法が不適当な場合)には、最小二乗誤差に基いて、過去の事例データのうち、例えば同じ曜日のデータの中で予測時の計測値(例えば、電力需要、室温)との差(すなわち誤差)の二乗の和が最も小さい場合の事例データを選択し、予測値を求める第2の予測手段(23)によって、或いは、前記最小二乗誤差に基いて予測値を求める予測手法判断工程(SB1〜SB5)を実行することにより、予測値を求めることが出来る。
係る「最小二乗誤差に基いて予測値を求める」技術或いは手法を用いた場合には、上述した様な「過去の事例データの平均値に基いて予測値を求める手法が不適当な場合」についても、妥当な予測値を得ることが可能である。
【0010】
そして、上述した様な「過去の事例データの平均値に基いて予測値を求める手法」或いは「最小二乗誤差に基いて予測値を求める」手法を用いて予測値を得たならば、係る予測値を用いて、コージェネレーション装置の運転制御を行う。
【0011】
ここで本発明のコージェネレーション装置においては、給湯負荷終了時刻前後で発電運転を終了する運転制御を行う様に構成された運転制御手段(A)を有するのが好ましい(請求項2)。
或いは本発明のコージェネレーション装置の制御方法は、給湯負荷終了時刻前後で発電運転を終了するのが好ましい(請求項5)。
【0012】
電力需要及び温水需要がピークとなる夜間(例えば、午後7時〜11時)の時間帯の最後の段階において、コージェネレーション装置の温水タンクに温水が充分に貯蔵されていた場合には、温水タンクに貯蔵された温水が保有する熱量の減少分は、深夜の時間帯における温水タンクから放熱されるのみであり、エネルギ損失となる。
上述した通り、給湯負荷終了時刻前後で(給湯負荷終了時刻付近に)発電運転を終了する制御を行う様に構成すれば、係るエネルギ損失を最小化することが出来る。
ここで、給湯負荷終了時刻(上述の制御により発電運転を終了する時刻)は、図6で示すような電力消費パターンであれば、24時(午前0時、午後12時)である。
【0013】
また、商用電力の契約種類は多様化しており、例えば、契約によって夜間の料金は大変安価であるが、その分、日中の料金が高価に設定される場合がある。
一方、燃料電池を用いたコージェネレーションシステムのように、発電能力を備えたコージェネレーション装置では発電を開始する場合に、改質器の昇温等のため若干のタイムラグが必要であり、起動エネルギとして電力、ガスを消費する場合が存在する。
このような場合においては、電力料金の高くなる時間帯における電力消費量が増大する時刻よりも、当該タイムラグの分だけ早い時刻から、コージェネレーション装置の起動を開始する必要がある。さらに、夜間の電力料金の安い時間帯に起動を完了することで、起動エネルギに対応する光熱費を安価にすることが出来る。
【0014】
その様な要請に鑑みて、本発明のコージェネレーション装置では、商用電力の料金が安価な時間帯(例えば、夜間料金の時間帯)の終了時から、所定の時間(前記電力消費量が増大する時刻と、前記タイムラグに相当する時間とを考慮した時間と、夜間料金の時間帯の終了時刻とを考慮して決定される時間)だけ早い時刻或いは遅い時刻に発電運転を開始する運転制御を行う様に構成された運転制御手段(A)を有するのが好ましい(請求項3)。
或いは、本発明のコージェネレーション装置の制御方法では、商用電力の料金が安価な時間帯(例えば、夜間料金の時間帯)の終了時から、所定の時間だけ早い時刻或いは遅い時刻に発電運転を開始する運転制御を行うのが好ましい(請求項6)。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
なお、図示の実施形態では、コージェネレーション装置として、燃料電池を例示して説明してある。
【0016】
図1、図2は、本発明の実施形態にかかる燃料電池コージェネレーション装置の全体構成を示す。
図1において、装置全体としては、例えば、起動・停止からモード選択その他に至る種々の指令を入力する各種指令入力手段1と、電力需要すなわち電力消費量を計測する電力需要計測手段2と、給湯需要すなわち温水(お湯)使用量を計測する給湯需要計測手段3と、室温或いは気温(室温等:室温に関する情報)を計測する室温等計測手段4Aと、気象データ4と、季節・日付データ等のカレンダー機能を有する手段(カレンダー機能)5と、計時手段であるタイマ機能6と、現在の温水貯湯量計測手段7と、制御装置(制御手段)Aと、燃料電池コージェネレーション装置Bと、外部負荷13とにより構成されている。
【0017】
前記制御装置Aは、図2に示すように、電力需要データ、給湯需要データ、室温データ、季節・日付データ、気象データ等のその時点における計測値及び過去の数値を保存するデータベース8と、データを量子化するデータ圧縮手段20と、データ取込み方法を選択するデータ取込み法選択手段21と、量子化され一旦前記データベースに記憶された量子化されたデータを対象にメッシュに切り、このメッシュ内を検索するメッシュ内検索手段22と、量子化されていないデータを対象に行う最小二乗誤差による検索手段23と、上述の各種データの類似性を判定する類似判定手段24と、予測データを出力する予測データ出力手段25と、電力需要及び/又は給湯需要を予測する電力需要及び/又は給湯需要予測手段(以降、電力需要及び/又は給湯需要予測手段を単に「予測手段」と略記する)26と、制御モード(制御方法)の選択手段27、とにより構成されている。
【0018】
前記燃料電池コージェネレーション装置Bは、改質器等の水素製造手段11と、セルスタック12、とにより構成されている。
【0019】
ここで、図1では室温データ(室温計測手段4A)のみが表示され、気温データが表示されていない。電力需要或いは給湯需要に直接関連するのは気温だけでなく、ユーザの生活の場である屋内或いは室内の温度でも充分関連があり、気温は日照位置等に起因して計測手段設置箇所による差異が大きいのに対して、室温は空調のされた部屋を除き計測箇所による差異が小さいこと、気温計測手段に比較して室温計測手段は、例えばリモコンスイッチ内蔵にする等の手法により設置に関する制約が少ないと思われること、等の理由に基づくものである。
但し、上述した理由は支配的なものではない。従って、室温に代えて、気温を制御パラメータとすることは可能である。
【0020】
前記制御モード(制御方法)選択手段27では、使用者が制御モードを選択するか、或いは、自動選択を行う。ここで自動選択では、1日に1回、24時間先の予測データから後述の方法により使用ガス量、電力量を算出し、運転停止回数が最小かつその時の料金テーブルから、ガス及び電気料金を計算して、最も安くなる方法を選択する。もしくは排出CO2量など環境面で最も優位なものを選択する。
なお、制御モード(制御方法)選択手段27による制御モード選択については図3以下を参照して後述する。
【0021】
前記予測手段26は、電力需要計測手段2からの電力需要データと、給湯需要計測手段3からの給湯需要データと、室温等計測手段4Aからの室温データと、カレンダー機能5からの季節・日付データと、データベース8に保存されている過去における電力需要データ、給湯需要データ、室温データ(過去事例データ)とから、所謂「事例ベース推論」の手法を用いて、電力需要及び/又は給湯需要についての予測値を演算する。
【0022】
事例ベース推論を用いる場合、多数の事例をデータベース化してメモリ(データベース8)に蓄えておき、類似事例があった場合に前記蓄えられた事例を引き出す。
類似事例が無い場合は、蓄えられた事例の中で、最も類似事例に近いものを選択する。この際、類似データの無い部分のデータを追加したり、最新の事例に順次データを書き換える学習を行うことで、より的確な予測が可能となる。
具体的には、例えば、先ず曜日で分類し、土曜日の午前0時から24時間後の予測(例えば、電力需要と、曜日、時間帯、天候及び気温との相関など)を、1分間毎に行う場合、24時間以前とその時の現在値のデータベースの中から予測時の状態(曜日、時間、気温、給湯需要等)に最も類似したデータを選択し、予測値とする。
この様にして24時間後の予測のために、24時間以前とその時点の現在値のデータを、曜日毎に1週間程度に亘って1分毎に蓄えていけば、翌日の燃料電池運転を行うのに必要な電力需要及び/又は給湯需要の予測を行うのに必要な量のデータが蓄積され、データをさらに蓄積、学習していくことで24時間先の精度の高い類似例の活用が可能となる。
【0023】
次に、図3を参照して、図1で示す燃料電池コージェネレーション装置の運転制御のメインフローについて説明する。
【0024】
運転制御に先立って、電力需要及び/又は給湯需要の予測を開始する(図3でステップST1がYES)。
ここで、図示の実施形態においては、毎日、午前0時0分にその日1日の電力需要及び/又は給湯需要の予測を行うものとする。しかし、これはあくまでも例示であり、勿論、その他の時刻に予測を行っても良い。
【0025】
予測に際しては、先ず、電力需要計測手段2から電力需要データを、給湯需要計測手段3から給湯需要データを、室温等計測手段4から室温データを、カレンダー機能5から季節・日付データを、夫々26予測手段に送る(ステップST2)。
それと共にステップST2では、データベース8に保存されている電力需要データ、給湯需要データ、室温データの、例えば24時間以前のデータ、60分以前のデータ、10分以前のデータ及びその時の計測時のデータを、当該データベース8から予測手段26に送る。
【0026】
次に、上述した通り、事例ベース推論を用いて、電力需要及び/又は給湯需要を演算することにより、予測を行う(ステップST3)。
ここで、電力需要及び/又は給湯需要の予測においては、例えば24時間後の数値(電力需要及び/又は給湯需要)を求めている(ステップST4、ST4A)。
但し、電力需要については、24時間後のみならず、60分後、10分後の予測をも行う。燃料電池の起動に際して、機械により差異はあるが起動から発電開始まで60分掛かるとすると、起動から60分後の電力需要が、非常に重要となるからである。一方、10分後は燃料電池コージェネレーション装置内の改質器の応答性を補正し、無駄な発電を行わないために重要である。
【0027】
電力需要及び/又は給湯需要の予測(ステップST3、ST4,ST4A)は、24時間後まで、1分刻みに行われる(ステップST5)。これにより、その日1日の(24時間後までの)電力需要及び/又は給湯需要のパターンが予測されることとなる。そして、図1で示す燃料電池のその日における運転計画が出来上がる(ステップST6)。
【0028】
ステップST6で燃料電池の運転計画が出来上がった段階で、燃料電池の運転モードを決定する(ステップST7)。燃料電池の運転がなるべく停止することがないように、運転モードの決定が行われる。
燃料電池の運転モードが決定したのち(ステップST7終了後)、燃料電池が起動するのを待つ(ステップST8がNOのループ)。
【0029】
燃料電池が起動したならば(ステップST8がYES)、長時間停止後に起動した場合に該当する。その場合、起動後60分経過した時点における電力需要及び/又は給湯需要の予測値を用いて、起動直後の電力需要及び/又は給湯需要を設定して、運転を行う(ステップST9)。
【0030】
燃料電池の起動直後の運転から定常運転に変わったならば、ステップST6で求めた電力需要及び/又は給湯需要パターンを用いて、常時、10分後の予測値を参照しつつ、燃料電池の出力を設定する(ステップST10)。
【0031】
燃料電池の運転を続け、運転時の数値を計測し(ステップST11)、予測値と比較する(ステップST12)。
【0032】
実測値と予測値の差の絶対値が許容誤差以上であるかを判断し(ステップST13)、許容誤差未満であれば(ステップST13のNO)、ステップST11以降を繰り返す。実測値と予測値の差の絶対値が許容誤差以上であれば(ステップST13のYES)、コ−ジェネ運転制御の指令値の変更(補正)を行って(ステップST14)、所定の時間が経過して、燃料電池の運転を終了するか否かを判断する(ステップST15)。
【0033】
燃料電池の運転を続行する(ステップST15のNO)場合は、ST11以降を繰り返す。
【0034】
次に、添付図面の図4以降を参照して、図3のステップST3の事例ベース推論により予測値を演算し、出力する迄を更に詳しく説明する。
【0035】
先ずデータ取込み方(データベース化法)を選択して(ステップSM)、1取込み方として、圧縮事例データを作成する(ステップSA1)。
【0036】
検索を開始して(ステップSA2)、同メッシュ内で検索(ステップSA3)した後、類似例の有無を確認する(ステップSA4)。類似例がなければ(ステップSA4のNO)、隣接メッシュ内で検索し(ステップSA5)、再び類似例の有無の確認(ステップSA4)以降を繰り返す。
類似例があれば(ステップS4のYES)、出力(ステップSAB)した後、図3のST4及び/又はST4Aに進む。
【0037】
別のデータ取込み法を選択した場合は、年月日、曜日、時刻を分類し(ステップSB1)、検索を開始して(ステップSB2)、同分類内で最小二乗誤差による検索を行う(ステップSB3)。
そして、類似例の有無を確認し(ステップSA4)、類似例がなければ(ステップSB4のNO)、シフト量を設定する。その後優先順位に基づき、年月日、曜日、時刻を設定されたシフト量だけシフトして検索し(ステップSB5)、その後、再び検索開始(ステップSB2)以降を繰り返す。
類似例があれば(ステップSB4のYES)、出力(ステップSAB)した後、図3のST4及び/又はST4Aに進む。
【0038】
次に、図5を参照して、前述の図3のステップSMのデータ取込み法(データベース化法)選択について詳しく説明する。
【0039】
先ず、予測対象或いは予測範囲の特定が済んでいるか否かを判断し(ステップSC1)、特定が済むまでこのステップ(SC1)を繰り返す。特定が済めば(ステップSC1のYES)、予測対象、予測範囲において一部に過去の事例データが集中(例えば、午前1〜5時の電力需要が300W位に集中し、給湯需要は殆ど無い状態)しているか否かを判断する(ステップSC2)。
【0040】
集中していれば(ステップSC2のYES)、事例データの集中部分や特定の限られた数値についてはデータを圧縮せずに図4のステップSB1に進み(ステップSC3)、集中していない(ステップSC2のNO)場合は、予測対象、予測範囲において、事例データを特定の限られた数値のみであるとみなしても事実上十分であるか否か(例えば、午後7〜11時の電力需要…1KW)を判断する(ステップSC4)。
【0041】
ステップSC4で「みなしてもよい」のであれば(ステップSC4のYES)、事例データの集中部分や特定の限られた数値についてはデータを圧縮せずに図4のステップSB1に進み(ステップSC3)、ステップSC4で「みなすことが出来ない」(ステップSC4のNO)場合は、前述の図4のステップSA1で示した事例データの圧縮、量子化のステップに進む。
【0042】
図6で示す1日の電力及び/又は温水消費パターンを考えた場合に、午後7時〜午後12時に消費のピークが来た後、午前0時から消費量が激減し、午前1時〜5時までの消費量は最低レベルとなる。
電力需要及び温水需要がピークとなる夜間(例えば、午後7時〜11時)の時間帯の最後の段階において、コージェネレーション装置の温水タンクに温水が充分に貯蔵されていた場合には、温水タンクに貯蔵された温水が保有する熱量の減少分は、深夜の時間帯における温水タンクから放熱されるのみであり、エネルギ損失となる。
【0043】
その様な、エネルギ損失を最小限とするため、図7で示すような運転が行われる。図7を参照して、エネルギ損失を最小限とするための運転方法、すなわち、給湯負荷終了時刻前後で発電を終了する制御について説明する。
【0044】
毎日定刻である、例えば深夜の0時にスタートして、電力消費、給湯負荷の予測を開始する(ステップSD1)。予測が終了したか否かを終了するまでチェックしており(ステップSD2)、終了していれば(ステップSD2のYES)、現在のタンク内の貯湯量の計測値を参照して(ステップSD3)、深夜(午後7から午前1時付近)における給湯負荷終了時刻前後の適当な時刻を燃料電池発電終了時刻と決定する。
【0045】
設置タンクの最大蓄熱量((FC排熱温度−給水温度)×タンク容量))、及び現在の貯湯量から電力負荷予測値より逆算して発電開始時刻を決定して(ステップSD5)、制御を終了する。
【0046】
再び、図6で示す電力及び/又は温水消費パターンを考えた場合に、午前7時〜9時にかけて、電力需要及び/又は給湯需要の1つのピークが存在することが理解される。
ここで、例えば、電力会社との契約によっては、夜間の料金は大変安価であるが、その分、日中の料金が高価に設定される場合がある。従って、午前7時〜9時にかけて、電力需要及び/又は給湯需要の1つのピークに対しては、燃料電池コージェネレーション装置により賄うことが経済的である。
【0047】
一方、燃料電池Bを用いたコージェネレーション装置では、発電を開始する場合に、若干のタイムラグが必要で、起動エネルギとして電力、ガスを消費する場合がある。
このような場合においては、電力料金の高くなる時間帯における電力消費量が増大する時刻よりも、当該タイムラグの分だけ早い時刻から、コージェネレーション装置の起動を開始する必要がある。さらに、夜間の電力料金の安い時間帯に起動を完了することで、起動エネルギに対応する光熱費を安価にすることが出来る。
【0048】
次は、図8を参照して、商用電力の料金が安価な時間帯の終了時から、所定の時間だけ早い或いは遅い時刻に発電を開始する制御方法について説明する。
【0049】
電力消費、給湯負荷の予測を開始し(ステップSF1)、予測が終了するまで予測終了を判断(ステップSF2)して、予測が終了していれば(ステップSF2のYES)、予測された電力需要、給湯需要に基いて起動時刻を決定する(ステップSF3)。
【0050】
夜間料金時刻帯を入力して(ステップSF4)、起動時刻が夜間料金時刻終了時刻±X時間以内に収まるまで繰り返し判断する(ステップSF5)。起動時刻が夜間料金時刻終了時刻±X時間以内に収まれば(ステップSFのYES)、起動時刻を起動〜発電開始の時間分だけ前にずらし(ステップSF6)、設定を終了する。
【0051】
上述のようなコージェネレーション装置及び制御方法の実施形態によれば、予測工程ST3〜ST5では、過去の事例データの平均値(事例データの所定領域毎の平均値)に基いて予測値を求める(量子化した履歴のうち最近傍のデータを取り出す:データ圧縮を行う:過去事例データについてメッシュを切る)ことが出来るので、個々の事例データをデータベースに記憶させる従来技術に比較して、データベース8に記憶するべき情報量を少なくすることが出来る。
その結果、事例データベースの情報量は、時間が経過しても問題となる程度には増加せず、記憶するべき情報量が制御ユニットAのメモリ容量を越えてしまうことが未然に防止される。そして、データベース情報量がさほど増加しないため、予測に際して必要とされる同一、類似事例の検索において、係る同一或いは類似する事例の検索に時間が掛かり過ぎることは無くなる。
【0052】
そして、過去の事例データの平均値に基いて予測値を求める手法が不適当な場合)には、最小二乗誤差に基いて予測値を求める第2の予測手段23によって、或いは、前記最小二乗誤差に基いて予測値を求める予測手法判断工程SB3を実行することにより、予測値を求めることが出来る。
係る「最小二乗誤差に基いて予測値を求める」技術或いは手法を用いた場合には、上述した様な「過去の事例データの平均値に基いて予測値を求める手法が不適当な場合」についても、妥当な予測値を得ることが可能である。
【0053】
また、給湯負荷終了時刻前後で発電運転を終了する制御によって、エネルギ損失を最小化することが出来る。
【0054】
更に、商用電力の料金が安価な時間帯(例えば、夜間料金の時間帯)の終了時から、所定の時間だけ早い時刻或いは遅い時刻に発電運転を開始する運転制御を行うことによって、無駄なエネルギ消費を回避することが出来る。
【0055】
次に、添付図面の図9以降を参照して、図1〜図5で説明した本発明の実施形態と好適に組み合わせて、本発明のコージェネレーション装置を運転制御する技術について説明する。
なお、図9以降において、コージェネレーション装置として、燃料電池コージェネレーション装置を用いた場合について、説明する。
【0056】
図9は、各種条件の設定及び入力と、各種物理量の予測部分であり、図10は燃料電池停止抑制制御を示す部分で、制御ユニットから、水素製造手段に伝達される以降の制御のフローを含むものである。
【0057】
図9において、燃料電池稼動率が曜日及び曜日の時間帯によって変わる(特色を有する)ことに着目して、ステップS1では、曜日を含むカレンダーを設定する。
【0058】
次のステップS2では、制御を行うに先立ち、予測モデル作成のためのデータ取得期間の設定をおこない(例えばデータ取得期間は向こう一週間とし)、予測時間すなわち、何時間後の物理量を予測するかを決める値であるX時間後(例えば24時間後)を設定する。
その24時間の間には修正回数としてY分(例えば30分)毎、即ち修正回数48回を設定する。これは手段10における24時間先予測のまま、データベースの学習(書き換え)無しに制御指令の計算を行うと、気温の急変や急な外出などの影響が大きいためである。更に、部分負荷効率の閾値(W%)と、継続時間(V分)を設定する。(制御の例としては、例えば、部分負荷効率が閾値W(70)%以下の状態がV(120)分以上継続した場合に運転を停止する等。)
【0059】
次のステップS3では、出力(電力需要及び/又は給湯需要)データ及び入力(気候・温度等)データの収集を開始する。そして次のステップS4に進む。
【0060】
ステップS4では、制御装置Aはデータの収集期間を越えたか否かを判断する。
データの収集期間を越えていれば(ステップS4においてYES)、次のステップS5に進み、越えていなければ(ステップS4においてNO)、ステップS3からを繰り返す。
【0061】
ステップS5では、負荷予測(電力需要及び/又は給湯需要の予測)を開始する。そして、次のステップS6において、今後の電力及び給湯量の予測のためのモデル作成を、例えば上述した様な事例ベース推論による予測方法で行う。ここで、自己回帰モデル等の予測方法によって行うことも可能である。
自己回帰モデルとしては、収集した各種のデータをモデル式に当てはめてしまえば、従来の事例からモデル式の次数、定数、その他を決定して電力消費量を示す式を完成させることが出来る。
そして、従来の事例に基づいて、ある期間のモデル式を作成し、当該式における「時間」のファクタを変化させて消費電力を予測することが出来る。
【0062】
なお、予測法には、ニューラルネットワークを使用する方法、スペクトルモデルを使用する方法、など他にも存在する。
【0063】
次のステップS71、S72では、前述の予測に基づき、現在からX時間後の合計電力及び消費給湯量の予測を行う。すなわち、電力需要(電力消費量)、給湯需要(お湯消費量)、室温の計測値、過去のデータ(図2を参照して説明した過去のデータ)、日付及び曜日から、電力需要を予測し(ステップS71)、予測された電力需要から給湯需要を予測する(ステップS72)。
或いは、電力需要(電力消費量)、給湯需要(お湯消費量)、室温の計測値、過去のデータ、日付及び曜日から、給湯需要を予測し(ステップS71のカッコ書き)、予測された給湯需要から電力需要を予測しても良い(ステップS72のカッコ書き)。
電力需要及び給湯需要を予測したならば(ステップS71,S72終了)、ステップS8に進む。
【0064】
ここで、電力需要、給湯需要の予測については、図1〜図8で説明したのと同様である。図9において、電力需要、給湯需要の何れかを予測した後に、その予測結果を用いて他方を予測しているが、電力需要と給湯需要を同時に求めることも可能である。
【0065】
ステップS8では、X時間後の貯湯量を以下の算定式から求める。即ち、現在の貯湯量に、負荷予測電力カーブに基づく発電量を燃料電池の発電効率で除し更に排熱効率を掛けた値を加えたものから、温水消費量を減じたものが、X時間後の貯湯量である。
ここで、経時変化に伴う効率の変化を正確に反映させるため、効率算出に必要なセンサーを取付けることが好ましい。そして、貯湯タンクの放熱量も考慮するのが好ましい。
そして、手段10で述べたように、ステップS9で制御を自動選択するかを手段1により判断し、YES(選択する)の場合、ステップS10へ進む。
【0066】
ステップS10では図10〜図14で示すM1〜M5により、X時間先の予測結果に基づき、計算を行う。次に、ステップS10´でそのうちX時間先の運転停止回数の最小のもので、そのうち光熱費(もしくはCO2排出量、NOx排出量)が最低のものを選択し、そのM(M1〜M5のどれか)へ進む。
一方、ステップS9でNOの場合は、手段1で選択したM(M1〜M5のどれか)へ進む。
【0067】
図10は燃料電池停止抑制制御を示し、図10のステップS11において、制御装置Aは、貯湯槽下部に設置した温度センサーで貯湯槽が温水で満杯になるか否かを判断する。
【0068】
貯湯槽が満杯になると判断すれば(ステップS11においてYES)、次のステップS12に進み、満杯にならないと判断すれば(ステップS11においてNO)、ステップS15まで進む。
【0069】
ステップS12において、制御装置Aは現時点から貯湯槽の満杯終了予定時刻までの時間Zを算出し、次のステップS13に進む。
【0070】
ステップS13では、満杯終了予定時刻に貯湯槽が満杯になるように、発電出力を落した燃料電池発電パターンを計算する。そして、次のステップS14に進む。
【0071】
ステップS14では、制御装置Aは、Z時間後に満杯になるか否かを判断する。
Z時間後に満杯になるのであれば(ステップS14においてYES)、ステップS13に戻り、満杯にならないのであれば(ステップS13においてNO)、ステップS15に進む。
【0072】
ステップS15では、電力負荷予測パターンから計算した発電パターンに先行して改質ガスの流量を決定して、次のステップS16に進み、改質ガスを燃料電池Bに投入する。
【0073】
次のステップS17において、制御装置Aは、タイマ6を介して改質ガス投入からY分経過したか否かを判断する。
改質ガス投入からY分経過していれば(ステップS17においてYES)、図9のステップS6に戻って予測、制御を繰り返し(図10では、「再予測開始」と表示されている)、経過していなければ、ステップS15以降を繰り返す。
【0074】
係る構成及び制御方法を具備する図10の「運転停止回数を抑制する制御」によれば、各種の予測データにより貯湯量満杯までの所要時間が予測出来、また、リアルタイムで貯湯速度が監視できているために、例えば、消費給湯量が少なくても、燃料電池Bの運転停止には至らない。
具体例としては、従来の、「貯湯槽が満杯時に停止する通常制御」の場合には、例えば燃料電池Bの運転停止が4回存在したのに対して、図10に関連して説明した「運転停止回数を抑制する制御」によれば、図15のd線で示す様に、燃料電池Bの運転停止はd0m点で示される僅か一回のみである。
【0075】
次に、「部分負荷効率の低下する部分で運転しない制御」、所謂「部分負荷モード」に関して、図11のフローチャートに基づき説明する。
尚、図11の制御フローにおいて、図11のブロックM以前は、前述の図10と同様であり、装置の構成も図1で示すのと同じである。
【0076】
図11のステップS21において、制御装置Aは、予測開始から24時間後までの範囲の部分負荷効率(電力負荷予測値を定格発電出力で除したものを100分率で表す)を計算する。
【0077】
次のステップS22において、部分負荷効率の閾値W%以下の時間を各区間で計算して、次のステップS23に進む。
ステップS23において制御装置Aは、W%以下の最長の区間を算出する。なお、瞬時の時間α分(例えば、1分)以下の燃料電池Bの停止は、運転継続と見なす。
【0078】
ここで、閾値W%は、効率が急激に低下する部分負荷の定格負荷に対する割合である。
【0079】
なお、燃料電池では定格出力時が最も効率が高く、定格出力に対して各機器の配置及び仕様が定められている。
【0080】
また、ステップS23では、部分負荷効率がW%以下となる時間が最も長くなる区間を算出する。
【0081】
次のステップS24において、上記最長区間の運転を停止する運転パターン、即ち、停止回数を減らすような運転パターンを計算して次のステップS25に進む。
【0082】
ステップS25において、制御装置Aは、その他の区間で貯湯槽が温水で満杯になり、運転を停止するか否かを判断する。
運転を停止するのであれば(ステップS25においてYES)、ステップS26に進み、運転を停止しないのであれば(ステップS25においてNO)、図10の*印で示す工程、即ち、ステップS15に進む。
【0083】
ステップS26では、最長区間の前後で運転時間を減らす様に制御して、再びステップS24に戻る。
以上が「部分負荷モード」の制御である。
【0084】
上述した「部分負荷効率の低下する部分で運転しない制御」、所謂「部分負荷モード」によれば、部分負荷効率の低下する部分では運転を行わない代わりに、その他の区間では運転停止は、僅か1度しか発生していない。
即ち、電気消費量、給湯消費量を予測しているので、燃料電池の運転停止を抑制することが出来る。
【0085】
次に、所謂「温水廃棄制御(その1)」に関して、図12のフローチャートに基づき説明する。
尚、図12の制御フローにおいて、符号「M」で示す工程以前は図10と同様であり、装置の構成も図1と同じである。
【0086】
図10の最終ブロックMから継続しているステップS31において制御装置Aは、消費電力が燃料電池の発電可能最低電力値、例えば0.3kW未満か否かを判断する。
0.3kW未満であれば(ステップS31においてYES)、ステップS32に進む。
0.3kW以上であれば(ステップS31においてNO)、ステップS31を繰り返す。
【0087】
ステップS32では、最低発電可能電力値以下(例えば0.3kW)に消費電力がなった場合、運転は0.3kWで発電させた場合、制御装置Aは、燃料電池Bを仮に上記発電可能最低電力値(0.3kW)未満で運転した場合の貯湯槽満杯時までの余剰温水量つまり、発電可能最低電力運転時の温水量と最低電力未満で運転した場合の温水量の差を計算する。そしてステップS33に進む。
【0088】
ステップS33では、計算された廃棄すべき温水量を外部へ排出して、制御は図10の*印で示す工程(ステップS15)に移る。
以上が「温水廃棄モード(その1)」の制御である。
【0089】
「温水廃棄制御(その1)」、所謂「温水廃棄モード(その1)」によれば、仮に発電可能最低電力値未満で運転続行した際に余剰となるであろうお湯を廃棄することが出来るので、燃料電池Bの運転停止は抑制される。
【0090】
次に、所謂「温水廃棄制御(その2)」に関して、図13に基づき説明する。
尚、図13で示す制御フローにおいて、符号Mで示す工程以前は、図10で説明したのと同様である。
【0091】
図10の最終ブロックMから継続するステップS41において、制御装置Aは、燃料電池Bの貯湯槽が満杯か否かに関わらず、常に発電した場合の発電カーブを計算する。
【0092】
次のステップS42では、制御装置Aは、貯湯槽が満杯になるか否かを判断する。
貯湯槽が満杯になるのであれば(ステップS42においてYES)、次のステップS43に進み、満杯とならないのであれば(ステップS42においてNO)、制御は図10の*印で示す工程であるステップS15に移る。
【0093】
ステップS43では、24時間先の範囲で最大の温水消費量が予想される、例えば、夜間の8時から10時付近以前には満杯にしないように、温水廃棄量を計算する。
【0094】
次のステップS44では、計算された廃棄するべき温水量を外部へ排出して、制御は図10の*印の工程(ステップS15)に移る。
【0095】
「温水廃棄制御(その2)」、所謂「温水廃棄モード(その2)」によれば、常時発電を監視しており、特定の時間帯において貯湯槽を満杯にしないように温水を廃棄することが出来る。
【0096】
次に、負荷応答ステップ制御、所謂「負荷応答ステップモード」に関して、図14のフローチャートに基づき説明する。
図14の符号M5以前は、図10と同様である。
【0097】
図10の最終ブロックMから継続して、ステップS51において制御装置Aは、ステップ数Δwを設定する。
ここで、ステップΔwは単位時間あたりに燃料電池の出力(電力)を上昇・下降させる大きさのことである。
具体例として、70W/分、17W/分、等と表す。
【0098】
ステップS52に進み、制御装置Aは予測値に基づき各々のステップ数Δwで運転パターンを計算し、次のステップS53に進む。
【0099】
ステップS53では、各々の計算運転パターンで消費電力予測値と燃料電池発電量の予測値との差の面積、即ち、前述のステップ数の経過時間における積分値Fを求める。
【0100】
ステップS54に進み、制御装置Aは前記消費電力予測値と燃料電池発電量の予測値との差の面積Fを最小とするパターンを設定の時間区割り毎に選ぶ。
【0101】
そして、次のステップS55において、制御装置Aは全体を通して面積Fが最小となる様に燃料電池Bに制御信号を送り、燃料電池は該制御信号に基づき運転を行い、その後、制御は図10の*印で示す工程(ステップS15)に移る。
【0102】
「負荷応答ステップ制御」、所謂「負荷応答ステップモード」によれば、図19に示す如く、選択或いは制御によって、消費電力に大きな変化の無い計測開始から29分経過まではステップ数Δwを17W/分とし、消費電力の変化が大きい29分経過以降はΔwを70W/分に切替えている。
ここで、図19の縦軸は電力値を、横軸は時間を示し、c線が電力負荷(消費電力)を、d線が燃料電池発電電力(燃料電池発電量)を表す。
このように、消費電力の変化の大きさによってステップ数を変化させることにより、燃料電池Bの発電量をこれに追従させ、燃料電池の効率的な運転が可能となる。
【0103】
尚、図17(グラフの様式は図19と同じ)は、計測時間帯全てにおいてステップ数Δwを70W/分に固定した場合の特性を表しており、負荷応答ステップ制御を行った図19に比べ、特に計測時間帯の前半において、消費電力と燃料電池発電量の差が大きい(非効率的な)ことを表している。
【0104】
また、図18(グラフの様式は図19と同じ)は、計測時間帯全てにおいてステップ数Δwを17W/分に固定した場合の特性を表しており、負荷応答ステップ制御を行った図18に比べ、特に計測開始後29分から36分の間において、消費電力と燃料電池発電量の差が大きい(非効率的な)ことを表している。
【0105】
図示の実施形態はあくまでも例示であり、本発明の技術的範囲を限定する趣旨の記述ではない旨を付記する。
例えば、図示の実施形態では、コージェネレーション装置として燃料電池が例示されているが、ガスエンジンコージェネレーション装置その他のコージェネレーションシステムについて、本発明を適用することが可能である。
【0106】
【発明の効果】
本発明の作用効果を以下に列記する。
(1) 過去の事例データの平均値に基いて予測値を求める(量子化した履歴のうち最近傍のデータを取り出す:データ圧縮を行う:過去事例データについてメッシュを切る)ことが出来るので、データベースに記憶するべき情報量を少なくすることが出来る。その結果、事例データベースの情報量は、時間が経過しても問題となる程度には増加せず、記憶するべき情報量が制御ユニットのメモリ容量を越えてしまうことが未然に防止される。
(2) データベース情報量がさほど増加しないため、予測に際して必要とされる同一、類似事例の検索において、係る同一或いは類似する事例の検索に時間が掛かり過ぎることは無くなる。
(3) 過去の事例データの平均値に基いて予測値を求める手法が不適当な場合についても、最小二乗誤差に基いて予測値を求める第2の予測手段によって、或いは、前記最小二乗誤差に基いて予測値を求める予測手法判断工程を実行することにより、予測値を求めることが出来る。
(4) 精度の高い需要予測に基いてコージェネレーション装置の運転制御を行うので、高効率なコージェネレーション装置及び/又はその制御方法が実現できる。
(5) 給湯負荷終了時刻前後で発電運転を終了する制御によって、エネルギ損失を最小化することが出来る。
(6) 商用電力の料金が安価な時間帯(例えば、夜間料金の時間帯)の終了時から、所定の時間だけ早い時刻或いは遅い時刻に発電運転を開始する運転制御を行うことによって、無駄なエネルギ消費を回避することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の全体構成を示すブロック図。
【図2】本発明の制御装置の構成を示すブロック図。
【図3】本発明のメイン制御フローチャート。
【図4】図3における工程ST3を更に詳細に説明した制御フローチャート。
【図5】図4における工程SMを更に詳細に説明した制御フローチャート。
【図6】一日における電力及び/又は温水消費パターンを示すグラフ。
【図7】給湯終了時刻に発電を終了する運転制御を説明するフローチャート。
【図8】商用電力の料金が安価な時間帯の終了時から、所定の時間だけ早い或いは遅い時刻に発電を開始する制御方法を示す制御フローチャート。
【図9】本発明と好適に組み合わされる制御フローチャートの前半部。
【図10】「運転停止回数を抑制する制御」を示すフローチャートの後半部。
【図11】「部分負荷効率の低下する部分で運転しない制御」を示すフローチャート。
【図12】「温水廃棄モード(その1)」を示すフローチャート。
【図13】「温水廃棄モード(その2)」を示すフローチャート。
【図14】「負荷応答ステップモード」を示すフローチャート。
【図15】「運転停止回数を抑制する制御」の効果を表す特性図。
【図16】「部分負荷効率の低下する部分で運転しない制御」の効果を表す特性図。
【図17】「負荷応答ステップモード」において、負荷応答ステップ量を一律70W/分とした場合の特性図。
【図18】「負荷応答ステップモード」において、負荷応答ステップ量を一律17W/分とした場合の特性図。
【図19】「負荷応答ステップモード」において、負荷応答ステップ量を17W/分から途中で70W/分に変えた場合の特性図。
【符号の説明】
1・・・各種指令入力手段
2・・・電力負荷計測
3・・・熱負荷(給湯負荷等)計測
4・・・気候データ
5・・・カレンダー機能
6・・・計時手段(タイマ)
7・・・現在の温水貯湯量計測手段
8・・・データベース
10・・・制御モード選択手段
11・・・水素製造手段
12・・・セルスタック
22・・・メッシュ内検索手段
23・・・最小二乗誤差による検索手段
26・・・予測手段
100・・・予測手段
A・・・制御装置
B・・・燃料電池
【出願人】 【識別番号】000220262
【氏名又は名称】東京瓦斯株式会社
【住所又は居所】東京都港区海岸1丁目5番20号
【出願日】 平成14年8月7日(2002.8.7)
【代理人】 【識別番号】100071696
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 敏忠

【識別番号】100090000
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 敏邦

【公開番号】 特開2004−68710(P2004−68710A)
【公開日】 平成16年3月4日(2004.3.4)
【出願番号】 特願2002−229555(P2002−229555)