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【発明の名称】 スターリングエンジン
【発明者】 【氏名】内山 耕一
【住所又は居所】東京都港区新橋2丁目20番15号 理想科学工業株式会社内

【要約】 【課題】全体構成の小型化を図り、且つ、圧力損失を低減する。

【解決手段】気体が移動するシリンダ3とパワーピストン1が一体化され、シリンダ3の一部がベローズ構造4によってパワーピストン1として駆動される。また、ディスプレーサピストン2が、シリンダ3内に配設され、形状記憶材からなるバネ部材8,9により移動操作される。これにより、パワーピストン1の構成が簡素化されて装置全体を小型化することができる。また、パワーピストン1がシリンダ3と密閉された空気室をなすように一体化されていることにより、圧力損失を低減して十分な駆動力を得ることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスプレーサピストンにより気体を移動させることによって、該気体の熱膨張と熱収縮が繰り返されてパワーピストンに駆動力を与えるスターリングエンジンにおいて、
前記パワーピストンが前記気体が移動するシリンダと一体化され、該シリンダの少なくとも一部が前記パワーピストンとして駆動されることを特徴とするスターリングエンジン。
【請求項2】
前記パワーピストンと、前記気体が移動するシリンダとが密閉された空気室をなすように一体化され、前記シリンダの少なくとも一部が、ベローズ構造とされていることを特徴とする請求項1記載のスターリングエンジン。
【請求項3】
前記パワーピストンと、前記気体が移動するシリンダとが密閉された空気室をなすように一体化され、前記シリンダの少なくとも一部が、二重の入れ子構造とされていることを特徴とする請求項1記載のスターリングエンジン。
【請求項4】
前記ディスプレーサピストンが、前記シリンダ内に配設され、前記シリンダの駆動側とリンク駆動により移動操作されることを特徴とする請求項1〜請求項3の何れかに記載のスターリングエンジン。
【請求項5】
前記ディスプレーサピストンが、前記シリンダ内に配設され、形状記憶材により移動操作されることを特徴とする請求項1〜請求項3の何れかに記載のスターリングエンジン。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、気体の熱膨張と熱収縮を利用したスターリングエンジンに関し、特に、ディスプレーサピストンにより気体を移動させるタイプのスターリングエンジンに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種スターリングエンジンは、ディスプレーサで移動させられる気体の膨張収縮でパワーピストンを作動させて駆動力を取り出す構成とされている。
図4(a),(b)は、従来におけるスターリングエンジンの作動原理を説明するための模型を示す図である。
【0003】
図4(a)において、ディスプレーサピストン51は、台座52に一対の支柱53が立設され、各支柱53の間に試験管54が軸55を介して揺動自在に軸支されている。軸55は、試験管54に貫通されず試験管54の外側を軸支する。試験管54には、ビー玉などのガラス球56が複数(五個)入れられている。試験管54の口54aには、中央に貫通穴の穿設された栓57が挿入される。栓57の貫通穴には、パイプ58が挿入されている。また、試験管54の内部の底部54b付近に存在する空気を加熱するための加熱源としてアルコールランプ59が台座52に載置されている。
【0004】
パワーピストンは、いわゆる注射器をなすシリンジ61からなる。シリンジ61は、シリンダ61aとピストン61bを有している。そして、シリンダ61aの先端と前記パイプ58とが可撓性を有するシリコンゴム製のチューブ62によって連結され、試験管54の内部とシリンダ61aの内部とが連通する。ピストン61bの端部には、シート材63が接着され、このシート材63の端部63aが台座10に接着される。シート材63は可撓性を有するものであり、シリンジ61は、シート材63により図4(a)に示すように揺動可能な状態で台座52に連結される。
【0005】
以上のように構成されるスターリングエンジンの模型の動作について説明する。初期状態、すなわちアルコールランプ59は点火されておらず、試験管54およびシリンジ61の内部に存在する空気が常温常圧の状態にある場合、スターリングエンジンの模型は図4(a)の状態にある。つまり、シリンジ61は縮退状態にあって試験管54はその底部54bが上がった状態にある。
【0006】
膨張工程:上記初期状態にあるスターリングエンジンの模型において、アルコールランプ59に点火してから時間が経過するのにともない、試験管54の内部の底部54b付近に存在する空気が局部的に加熱されて膨張する。この膨張にともない、試験管54の内部の空気は、ガラス球56と試験管54との隙間を通ってシリンダ61aの内部に流れ込み、これによりシリンジ61は図4(b)に示すように伸長状態となる。これによって、試験管54の底部54bが下がった状態となり、ガラス球56が重力の作用により試験管54の底部54bに向かって転動する。
【0007】
収縮工程:上述のようにガラス球56が試験管54の底部54bに向かって転動するのにともない、試験管54の内部の底部54b付近で熱せられた空気は、追い出されて試験管54の口54aの方に移動する。すると、上述の熱せられた空気はアルコールランプ59の炎、つまり加熱源から遠ざかるので冷却されて収縮する。これによって、シリンジ61は、縮退状態となり、試験管54の底部54bは、再び図4(a)に示すように上がった状態となってガラス球56も試験管54の口54aの方に転動する。そして、上記スターリングエンジンは、上述の膨張工程、収縮工程を送り返して作動する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来のスターリングエンジンでは、効率は良いが大きな駆動力を得るためには、気体の容積、すなわち装置全体が大きくなってしまう問題がある。また、ディスプレーサピストン51と、パワーピストン61とが別であることによっても装置全体の大型化が懸念される。
【0009】
また、従来のように、パワーピストン61がシリンダ61aとピストン61bとに分割された構成では、シリンダ61aとピストン61bとの間の空気が抜ける圧力損失によって十分な駆動力が得られなくなるという問題もある。
【0010】
そこで本発明は、上記課題を解消するために、全体構成の小型化を図り、且つ、圧力損失を低減することができるスターリングエンジンを提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため本発明による請求項1記載のスターリングエンジンは、
ディスプレーサピストンにより気体を移動させることによって、該気体の熱膨張と熱収縮が繰り返されてパワーピストンに駆動力を与えるスターリングエンジンにおいて、
前記パワーピストンが前記気体が移動するシリンダと一体化され、該シリンダの少なくとも一部が前記パワーピストンとして駆動されることを特徴とする。
【0012】
請求項2記載のスターリングエンジンは、請求項1記載のスターリングエンジンにおいて、
前記パワーピストンと、前記気体が移動するシリンダとが密閉された空気室をなすように一体化され、前記シリンダの少なくとも一部が、ベローズ構造とされていることを特徴とする。
【0013】
請求項3記載のスターリングエンジンは、請求項1記載のスターリングエンジンにおいて、
前記パワーピストンと、前記気体が移動するシリンダとが密閉された空気室をなすように一体化され、前記シリンダの少なくとも一部が、二重の入れ子構造とされていることを特徴とする。
【0014】
請求項4記載のスターリングエンジンは、請求項1〜請求項3の何れかに記載のスターリングエンジンにおいて、
前記ディスプレーサピストンが、前記シリンダ内に配設され、前記シリンダの駆動側とリンク駆動により移動操作されることを特徴とする。
【0015】
請求項5記載のスターリングエンジンは、請求項1〜請求項3の何れかに記載のスターリングエンジンにおいて、
前記ディスプレーサピストンが、前記シリンダ内に配設され、形状記憶材により移動操作されることを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第一実施の形態を図面を参照して具体的に説明する。
図1(a),(b)は本発明のスターリングエンジンの第一実施の形態を示す構成図である。
【0017】
本実施の形態におけるスターリングエンジンは、パワーピストン1と、ディスプレーサピストン2とを有している。パワーピストン1は、密閉された空気室Aをなす筒状のシリンダ3を基部としている。シリンダ3は、固定側3aと駆動側3bとからなる。固定側3aは、筒状とされた底部である。駆動側3bは、筒状の側部がベローズ構造4とされることにより上部が上下方向に伸縮可能とされている。このように、シリンダ3は、その少なくとも一部がベローズ構造4によって駆動するように構成されている。なお、空気室A内には、高圧ヘリウムガスが充填されることが好ましい。
【0018】
上記パワーピストン1をなすシリンダ3の駆動側3bには、クランク機構5が設けられている。クランク機構5は、シリンダ3の筒状の上部に連接棒5aの一端が軸支され、この連接棒5aの他端がクランク軸5b周りに回動するクランク5cに軸支されている。すなわち、クランク機構5により、シリンダ3がベローズ構造4によって上下方向に伸縮可能とされた駆動側3b(筒状の上部)の上下往復運動が、クランク軸5bの回転運動に切り替えられる。
【0019】
ディスプレーサピストン2は、シリンダ3内に配設されている。ディスプレーサピストン2は、支持棒6と摺動部材7とからなる。支持棒6は、下端6bがシリンダ3内の底部に固定されて立設され、その上端6aにフランジ状の係止部6aaを有している。摺動部材7は、支持棒6に挿通される挿通穴7aを有し、支持棒6に沿って上下に摺動可能に支持される。また、摺動部材7は、上面および下面にそれぞれ凹部7b,7cを有している。
【0020】
また、支持棒6の上端6aにおいて、係止部6aaと摺動部材7の上面との間には形状記憶材からなるバネ部材8が介在されている。また、支持棒6の下端6bにおいて、シリンダ3の内底と摺動部材7の下面との間には形状記憶材からなるバネ部材9が介在されている。バネ8,9は、高温で伸長し低温で収縮する。バネ部材8,9は、それぞれ伸縮の温度設定が異なり、バネ材8は低い温度設定で伸長し、バネ材9は高い温度設定で収縮する。また、バネ部材8,9は、収縮した際に、それぞれ摺動部材7の凹部7b,7cに収納される。なお、摺動部材7の外周と、シリンダ3の内周との間には、所定の間隔が設けられている。
【0021】
なお、バネ材8のみが形状記憶材からなり、高温で伸長し低温で収縮し、バネ材9が常に伸長しようとする通常のバネであって、バネ材8の伸長力よりもバネ材9の伸長力が弱くなるように構成してもよい。
【0022】
また、シリンダ3の底側には、加熱部10が設けられている。加熱部10には、電熱ヒータ、太陽熱ヒータ、温水ヒータなどがある。
【0023】
上記構成のスターリングエンジンの動作について説明する。
初期状態、すなわち、加熱部10による加熱がなく、シリンダ3内の空気室A1に存在する気体が常温常圧の状態にある場合、図1(a)に示すように、シリンダ3が縮退状態にあって摺動部材7がバネ部材8の収縮およびバネ部材9の伸長によって上方に上がった状態にある。
【0024】
膨張工程:上記初期状態において、加熱部10による加熱が行われてから時間が経過するのにともない、シリンダ3内の空気室A1に存在する気体が加熱されて膨張する。この膨張により、空気室A1の内部の気体が、摺動部材7とシリンダ3との間の隙間に流れ込む。これによってシリンダ3が、ベローズ構造4を介して図1(b)に示す伸長状態となり、空気室A2が形成される。さらに、加熱部10による加熱により、バネ材8が伸長してバネ材9が収縮するため、摺動部材7が支持棒6に沿って下方に摺動し、空気室A1を閉じる。
【0025】
収縮工程:上述のように、摺動部材7が下方に摺動するのにともない、シリンダ3の空気室A1で熱せられた気体は、追い出されて空気室A2の方に移動する。すると、上述の熱せられた気体は、加熱部10から遠ざかるので冷却されて収縮する。これによって、シリンダ3は、ベローズ構造4を介して図1(a)に示す縮退状態となる。さらに、冷却によってバネ部材8が収縮してバネ部材9が伸長するため、再び摺動部材7が支持棒6に沿って上方に摺動し、空気室A2を閉じて空気室A1を形成する。そして、上記スターリングエンジンは、上述の膨張工程、収縮工程を送り返して作動する。
【0026】
このスターリングエンジンの作動により、クランク機構5を介してクランク軸5bが回転を繰り返す。
【0027】
したがって、このように構成されたスターリングエンジンでは、パワーピストン1がシリンダ3と一体化されて、シリンダ3がベローズ構造4を介して駆動される。これにより、パワーピストン1の構成が簡素化されて、装置全体を小型化することが可能である。また、シリンダ3内に密閉された空気室Aが得られるので、圧力損失を低減して十分な駆動力を得ることが可能である。
【0028】
また、ディスプレーサピストン2がシリンダ3内に配設されて、前記空気室A1,A2の切り替えを行うので、装置全体のさらなる小型化を図ることが可能となる。
【0029】
以下、本発明の第二実施の形態を図面を参照して具体的に説明する。
図2(a),(b)は本発明のスターリングエンジンの第二実施の形態を示す構成図である。
【0030】
本実施の形態におけるスターリングエンジンは、上述した第一実施の形態に対し、パワーピストンの構造が異なる。ゆえに、以下に説明する第二実施の形態では、それ以外の同一部分には同一の符号を付して説明する。
【0031】
パワーピストン11は、密閉された空気室Aをなす筒状のシリンダ13を基部としている。シリンダ13は、固定側13aと駆動側13bとからなる。固定側13aは、上側が開口する筒状の底部である。駆動側13bは、下側が開口する筒状の下部であり、固定側13aに対して二重の入れ子構造14とされている。これにより、シリンダ3は、上部が上下方向に伸縮可能とされている。このように、シリンダ3は、その少なくとも一部が二重の入れ子構造14によって駆動するように構成されている。なお、空気室A内には、高圧ヘリウムガスが充填されることが好ましい。
【0032】
上記パワーピストン1をなすシリンダ13の駆動側13bには、クランク機構5が設けられている。クランク機構5は、駆動側13bの上部に連接棒5aの一端が軸支され、この連接棒5aの他端がクランク軸5b周りに回動するクランク5cに軸支されている。すなわち、クランク機構5により、シリンダ13が二重の入れ子構造14によって上下方向に伸縮可能とされた駆動側13bの上下往復運動が、クランク軸5bの回転運動に切り替えられる。
【0033】
ディスプレーサピストン2は、シリンダ13内に配設されている。ディスプレーサピストン2は、支持棒6と摺動部材7とからなる。支持棒6は、下端6bがシリンダ13内の固定部13aの底部に固定されて立設され、その上端6aにフランジ状の係止部6aaを有している。摺動部材7は、支持棒6に挿通される挿通穴7aを有し、支持棒6に沿って上下に摺動可能に支持される。また、摺動部材7は、上面および下面にそれぞれ凹部7b,7cを有している。
【0034】
また、支持棒6の上端6aにおいて、係止部6aaと摺動部材7の上面との間には形状記憶材からなるバネ部材8が介在されている。また、支持棒6の下端6bにおいて、シリンダ13の固定部13aの内底と摺動部材7の下面との間には形状記憶材からなるバネ部材9が介在されている。バネ8,9は、高温で伸長し低温で収縮する。バネ部材8,9は、それぞれ伸縮の温度設定が異なり、バネ材8は低い温度設定で伸長し、バネ材9は高い温度設定で収縮する。また、バネ部材8,9は、収縮した際に、それぞれ摺動部材7の凹部7b,7cに収納される。なお、摺動部材7の外周と、シリンダ13の内周との間には、所定の間隔が設けられている。
【0035】
なお、バネ材8のみが形状記憶材からなり、高温で伸長し低温で収縮し、バネ材9が常に伸長しようとする通常のバネであって、バネ材8の伸長力よりもバネ材9の伸長力が弱くなるように構成してもよい。
【0036】
また、シリンダ13の固定部13aの底側には、加熱部10が設けられている。加熱部10には、電熱ヒータ、太陽熱ヒータ、温水ヒータなどがある。
【0037】
上記構成のスターリングエンジンの動作について説明する。
初期状態、すなわち、加熱部10による加熱がなく、シリンダ13内の空気室A1に存在する気体が常温常圧の状態にある場合、図2(a)に示すように、シリンダ13が縮退状態にあって摺動部材7がバネ部材8の収縮およびバネ部材9の伸長によって上方に上がった状態にある。
【0038】
膨張工程:上記初期状態において、加熱部10による加熱が行われてから時間が経過するのにともない、シリンダ13内の空気室A1に存在する気体が加熱されて膨張する。この膨張により、空気室A1の内部の気体が、摺動部材7とシリンダ13との間の隙間に流れ込む。これによってシリンダ13が、二重の入れ子構造14を介して図2(b)に示す伸長状態となり、空気室A2が形成される。さらに、加熱部10による加熱により、バネ材8が伸長してバネ材9が収縮するため、摺動部材7が支持棒6に沿って下方に摺動し、空気室A1を閉じる。
【0039】
収縮工程:上述のように、摺動部材7が下方に摺動するのにともない、シリンダ13の空気室A1で熱せられた気体は、追い出されて空気室A2の方に移動する。すると、上述の熱せられた気体は、加熱部10から遠ざかるので冷却されて収縮する。これによって、シリンダ3は、二重の入れ子構造14を介して図2(a)に示す縮退状態となる。さらに、冷却によってバネ部材8が収縮してバネ部材9が伸長するため、再び摺動部材7が支持棒6に沿って上方に摺動し、空気室A2を閉じて空気室A1を形成する。そして、上記スターリングエンジンは、上述の膨張工程、収縮工程を送り返して作動する。
【0040】
このスターリングエンジンの作動により、クランク機構5を介してクランク軸5bが回転を繰り返す。
【0041】
したがって、このように構成されたスターリングエンジンでは、パワーピストン1がシリンダ13と一体化されて、シリンダ13が二重の入れ子構造14を介して駆動される。これにより、パワーピストン1の構成が簡素化されて、装置全体を小型化することが可能である。また、シリンダ13内に密閉された空気室Aが得られるので、圧力損失を低減して十分な駆動力を得ることが可能である。
【0042】
また、ディスプレーサピストン2がシリンダ13内に配設されて、前記空気室A1,A2の切り替えを行うので、装置全体のさらなる小型化を図ることが可能となる。
【0043】
ところで、上述した各実施の形態において、スターリングエンジンの作動時に、ディスプレーサピストン2は、バネ部材8,9によって摺動部材7が支持棒6を介して上下に摺動する構成としているがこの限りでなはい。この場合、例えば、図3(a),(b)に示すように、支持棒6の下端6bにおいて、シリンダ3(13)の固定部3a(13a)の内底と摺動部材7の下面との間に、常に伸長しようとする通常のバネであるバネ部材19を設ける。そして、摺動部材7の下側と駆動側3b(13b)との間をワイヤ20で連結する。また、シリンダ3(13)内の固定部3a(13a)側には、ワイヤ20を案内するローラ21を設ける。
【0044】
この構成によれば、図3(a)に示す縮退状態のとき、バネ部材19によって摺動部材7が上方に摺動して空気室A1を形成する。そして、図3(b)に示す伸長状態のとき、駆動側3b(13b)の駆動にともない摺動部材7がワイヤ20に引っ張られるリンク駆動によって下方に摺動して空気室A2を形成する。
【0045】
このように、ディスプレーサピストン2の移動には、第一および第二実施の形態のごとく熱によって作動する構成、あるいは図3(a),(b)に示すごとくパワーピストン1の動作に起因して移動する構成がある。
【0046】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によるスターリングエンジンは、パワーピストンがシリンダと一体化されてシリンダの少なくとも一部が駆動されことにより、パワーピストンの構成が簡素化されて装置全体を小型化することができる。
【0047】
また、パワーピストンがシリンダと密閉された空気室をなすように一体化されていることにより、圧力損失を低減して十分な駆動力を得ることができる。
【0048】
また、シリンダの少なくとも一部が、ベローズ構造あるいは二重の入れ子構造とすることで、上記シリンダの駆動を実現することができる。
【0049】
また、ディスプレーサピストンがシリンダ内に配設されて、空気室の切り替えを行うので、装置全体のさらなる小型化を図ることができる。
【0050】
また、ディスプレーサピストンは、シリンダの駆動側とリンク駆動により移動操作され、あるいは、形状記憶材により移動操作される構成とすることで、ディスプレーサピストンの移動を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)(b)本発明のスターリングエンジンの第一実施の形態を示す構成図。
【図2】(a)(b)本発明のスターリングエンジンの第二実施の形態を示す構成図。
【図3】(a)(b)ディスプレーサピストンの別の構成を示す図。
【図4】(a)(b)従来におけるスターリングエンジンの作動原理を説明するための模型を示す図。
【符号の説明】
1…パワーピストン、2…ディスプレーサピストン、3,13…シリンダ、3a,13a…固定側、3b,13b…駆動側、4…ベローズ構造、8…バネ部材(形状記憶材)、9…バネ部材(形状記憶材)、14…二重の入れ子構造、20…ワイヤ(リンク駆動)。
【出願人】 【識別番号】000250502
【氏名又は名称】理想科学工業株式会社
【住所又は居所】東京都港区新橋2丁目20番15号
【出願日】 平成14年8月2日(2002.8.2)
【代理人】 【識別番号】100067323
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 教光

【公開番号】 特開2004−68647(P2004−68647A)
【公開日】 平成16年3月4日(2004.3.4)
【出願番号】 特願2002−226407(P2002−226407)