| 【発明の名称】 |
スターリングエンジン |
| 【発明者】 |
【氏名】山本 康 【住所又は居所】神奈川県藤沢市土棚8番地 株式会社いすゞ中央研究所内
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| 【要約】 |
【課題】ディスプレーサとクランクシャフトを連結するリンクロッドの摺動部からの作動気体の漏れを防ぐことができるスターリングエンジンを提供する。
【解決手段】スターリングエンジンであって、ディスプレーサとクランクシャフトとを連結するリンクロッド機構は、一端がディスプレーサに連結され他端部がディスプレーサシリンダの冷却側室または加熱側室の一方に連通する密封シリンダ内に摺動可能に配設された第1のロッドと、一端がクランクシャフトに連結された第2のロッドと、第2のロッドの他端に一端が連結され他端部に密封シリンダの外周面に沿って摺動可能に且つ第1のロッドの他端部と重合して配設されたホルダーを備えた第3のロッドと、第3のロッドの駆動力を第1のロッドに伝達する磁気駆動機構によって構成されている。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ディスプレーサシリンダと、該ディスプレーサシリンダ内に摺動可能に配設され該ディスプレーサシリンダ内を冷却側室と加熱側室とに区画するディスプレーサと、該ディスプレーサシリンダの該冷却側室または該加熱側室の一方と連通する作動室と、該作動室内の作動気体の圧力変化に対応して作動せしめられるパワーピストンと、該パワーピストンに一端が連結されたパワーロッドと、該パワーロッドの他端が連結されたクランクシャフトと、該ディスプレーサと該クランクシャフトとを連結するリンクロッド機構とを具備するスターリングエンジンにおいて、 該リンクロッド機構は、一端が該ディスプレーサに連結され他端部が該ディスプレーサシリンダの該冷却側室または該加熱側室の一方に連通して形成された密封シリンダ内に摺動可能に配設された第1のロッドと、一端が該クランクシャフトに連結された第2のロッドと、該第2のロッドの他端に一端が連結され他端部に該密封シリンダの外周面に沿って摺動可能に且つ該第1のロッドの他端部と重合して配設されたホルダーを備えた第3のロッドと、該第3のロッドの他端部と該第1のロッドの他端部に設けられ該第3のロッドの駆動力を該第1のロッドに伝達する磁気駆動機構とによって構成されている、 ことを特徴とするスターリングエンジン。 【請求項2】 該磁気駆動機構は、該第3のロッドのホルダーまたは該第1のロッドの他端部に配設された永久磁石と、該第1のロッドの他端部または該第3のロッドのホルダーに配設された磁性材からなるコアとからなっている、請求項1記載のスターリングエンジン。 【請求項3】 該永久磁石の両側にはそれぞれポールピースが配設されている、請求項2記載のスターリングエンジン。 【請求項4】 該ポールピースは、該永久磁石と対向する面と該コアと対向している面が鋭角に形成されている、請求項3記載のスターリングエンジン。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】 本発明は、スターリングエンジンに関し、更に詳しくは作動気体の漏れを防止することができるディスプレーサ式のスターリングエンジンに関する。 【0002】 【従来の技術】 ディスプレーサ式のスターリングエンジンは、ディスプレーサシリンダと、該ディスプレーサシリンダ内に摺動可能に配設され該ディスプレーサシリンダ内を冷却側室と加熱側室とに区画するディスプレーサと、該ディスプレーサシリンダの冷却側室と連通する作動室と、該作動室内の作動気体の圧力変化に対応して作動せしめられるパワーピストンと、該パワーピストンに一端が連結されたパワーロッドと、該パワーロッドの他端が連結されたクランクシャフトと、ディスプレーサとクランクシャフトとを連結するリンクロッドとを具備しており、上記ディスプレーサシリンダおよび作動室内には作動気体が収容されている。このようなスターリングエンジンは、作動気体が加熱・冷却されることによる膨張・収縮に伴う上記作動室内の圧力変化に対応してパワーピストンを作動するようになっている。従って、スターリングエンジンに用いられる作動気体としては、熱効率を向上させるために水素やヘリウム等の比熱の小さい気体が用いられる。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】 而して、スターリングエンジンの作動気体として用いられる水素やヘリウム等の比熱の小さい気体は、分子の大きさが小さいため摺動部から漏れ易く、一般に摺動部に装着されるシールでは作動気体の漏れを防ぐことが困難である。特に、ディスプレーサとクランクシャフトとを連結するリンクロッドはディスプレーサシリンダを貫通して配設されるため、この貫通した摺動部からの作動気体の漏れを防ぐことが重要である。 【0004】 本発明は上記事実に鑑みてなされたもので、その主たる技術的課題は、上記ディスプレーサとクランクシャフトとを連結するリンクロッドの摺動部からの作動気体の漏れを確実に防ぐことができるスターリングエンジンを提供することにある。 【0005】 【課題を解決するための手段】 上記主たる技術的課題を解決するために、本発明によれば、ディスプレーサシリンダと、該ディスプレーサシリンダ内に摺動可能に配設され該ディスプレーサシリンダ内を冷却側室と加熱側室とに区画するディスプレーサと、該ディスプレーサシリンダの該冷却側室または該加熱側室の一方と連通する作動室と、該作動室内の作動気体の圧力変化に対応して作動せしめられるパワーピストンと、該パワーピストンに一端が連結されたパワーロッドと、該パワーロッドの他端が連結されたクランクシャフトと、該ディスプレーサと該クランクシャフトとを連結するリンクロッド機構とを具備するスターリングエンジンにおいて、 該リンクロッド機構は、一端が該ディスプレーサに連結され他端部が該ディスプレーサシリンダの該冷却側室または該加熱側室に連通して形成された密封シリンダ内に摺動可能に配設された第1のロッドと、一端が該クランクシャフトに連結された第2のロッドと、該第2のロッドの他端に一端が連結され他端部に該密封シリンダの外周面に沿って摺動可能に且つ該第1のロッドの他端部と重合して配設されたホルダーを備えた第3のロッドと、該第3のロッドの他端部と該第1のロッドの他端部に設けられ該第3のロッドの駆動力を該第1のロッドに伝達する磁気駆動機構とによって構成されている、 ことを特徴とするスターリングエンジンが提供される。 【0006】 上記磁気駆動機構は、上記第3のロッドのホルダーまたは上記第1のロッドの他端部に配設された永久磁石と、第1のロッドの他端部または第3のロッドのホルダーに配設された磁性材からなるコアとからなっている。上記永久磁石の両側にはそれぞれポールピースが配設されており、このポールピースは永久磁石と対向する面該コアと対向している面が鋭角に形成されていることが望ましい。 【0007】 【発明の実施の形態】 以下、本発明に従って構成されたスターリングエンジンの好適実施形態を図示している添付図面を参照して、更に詳細に説明する。 【0008】 図1には、本発明に従って構成されたスターリングエンジンの一実施形態の断面図が示されている。 図1に示す実施形態のスターリングエンジンは、直列に配設されたディスプレーサシリンダ2とパワーシリンダ3を具備している。ディスプレーサシリンダ2はアルミ合金等の金属材料によって下端が開放して形成され、その図において上半部外周面および上端壁21の外面にはそれぞれ加熱用フィン22および23が形成されており、図において下半部外周面には冷却用フィン24が形成されている。このように構成されたディスプレーサシリンダ2内にはディスプレーサ4が図において上下方向に移動可能に配設されている。従って、ディスプレーサシリンダ2内は、ディスプレーサ4によって図において上側の加熱側室2aと図において下側の冷却側室2bに区画される。ディスプレーサ4は、上側板41と下側板42との間に断熱材によって円環状に形成された断熱リングと金網とを交互に重ね合わせて構成されており、熱交換機能を有する再生器として機能するようになっている。なお、上側板41と下側板42には、それぞれ流通穴41aと42aが形成されている。 【0009】 パワーシリンダ3はアルミ合金等の金属材料によって両端が開放して形成され、上記ディスプレーサシリンダ2の下端に接続して配設されている。このパワーシリンダ3はボア径が上記ディスプレーサシリンダ2のボア径より小径に形成されており、その外周面には冷却用フィン31が形成されている。パワーシリンダ3は、その下端に案内筒32が一体に形成されており、この案内筒32が機体本体1の上壁1aに形成された穴1bに嵌合して取付けられる。このように構成されたパワーシリンダ3にはパワーピストン5が図において上下方向に移動可能に配設され、該パワーピストン5の上側に上記ディスプレーサシリンダ2の冷却側室2bと連通する作動室3aが形成される。このパワーピストン5はアルミ合金等の非磁性材によって形成され、その上壁51の中央部には穴51aが設けられており、上壁51の下面には上記穴51aを囲撓して図において下方に延びる非磁性材からなる密封シリンダ52が設けられている。なお、上記ディスプレーサシリンダ2内および作動室3a内には水素やヘリウム等の比熱の小さい作動気体が封入されている。 【0010】 図1に示す実施形態におけるのスターリングエンジンは、上記ディスプレーサシリンダ2の下半部およびパワーシリンダ3を包囲する冷却ケース61と、上記ディスプレーサシリンダ2の上半部を包囲する加熱ケース62を備えている。冷却ケース61は、冷気入口61aと冷気出口61bを備え、ディスプレーサシリンダ2の下半部およびパワーシリンダ3との間に冷却室61cを形成しており、機体本体1の上壁1a上に載置されている。冷気入口61aから冷却室61cに導入した冷気を冷気出口61bを通して流出することにより、ディスプレーサシリンダ2の下半部外周面に形成された冷却用フィン24およびパワーシリンダ3の外周面に形成された冷却用フィン31を冷却する。加熱ケース62は、暖気入口62aと暖気出口62bを備え、ディスプレーサシリンダ2の上半部との間に暖気室62cを形成しており、上記冷却ケース61の上壁61d上に載置されている。暖気入口62aから暖気室62cに導入した暖気を暖気出口62bを通して流出することにより、ディスプレーサシリンダ2の上半部外周面に形成された加熱用フィン22および上端壁21の外面に形成された加熱用フィン23を加熱する。 【0011】 上記機体本体1の下部には、クランクシャフト8が配設され軸受71および72を介して回転可能に支持されている。このクランクシャフト8は、同位相に設けられた2個のクランクジャーナル81、81と、該2個のクランクジャーナル81、81の間に設けられたクランクジャーナル82を備えている。クランクジャーナル82は、クランクシャフト8の回転方向に2個のクランクジャーナル81、81より90度先行する角度位置に設けられている。 【0012】 上記パワーピストン5は、上記クランクシャフト8にパワーロッド9、9によって連結されている。このパワーロッド9、9は、一端(上端)がパワーピストン5の下部側面にピン91、91によって連結されており、他端(下端)がクランクシャフト8のクランクジャーナル81、81に連結されている。 【0013】 上記ディスプレーサ4は、上記クランクシャフト8のクランクジャーナル82とリンクロッド機構10によって連結されている。このリンクロッド機構10は、一端部(上端部)がディスプレーサ4に連結され他端部(下端部)が上記密封シリンダ52内に摺動可能に配設された第1のロッド110と、一端(下端)がクランクシャフト8のクランクジャーナル82に連結された第2のロッド120と、該第2のロッド120の他端(上端)に一端(下端)が連結され他端部(上端部)が密封シリンダ52の外周面に沿って摺動可能に且つ第1のロッド110の他端部(下端部)と重合して配設された第3のロッド130と、第1のロッド110の他端部(下端部)と第3のロッド130の他端部(上端部)に設けられた磁気駆動機構140とを具備している。 【0014】 上記第1のロッド110は、一端部(上端部)がディスプレーサ4の中心部を貫通して配設され、上端部にナット112を螺合することによってディスプレーサ4に取り付けられる。第1のロッド110の他端部(下端部)は小径に形成されており、この小径部111が上記密封シリンダ52内に摺動可能に配設される。上記第3のロッド130はアルミ合金等の非磁性材によって円筒状に形成され、その一端部(下端部)が上記第2のロッド120の他端部(上端部)にピン122によって連結されている。なお、第3のロッド130の他端部(上端部)は、上記磁気駆動機構140の構成部材を収容するホルダー131を形成している。 【0015】 次に、上記磁気駆動機構140について、図2を参照して説明する。 図示の磁気駆動機構140は、上記第3のロッド130の他端部(上端部)に設けられた収容するホルダー131内に配設された筒状の永久磁石141を備えている。なお、筒状の永久磁石141は、図示の実施形態においては上側がN極に、下側がS極に設定されている。この永久磁石141の軸方向両側、即ち図において上側および下側に磁性材からなる環状のポールピース142および143が配設されている。なお、環状のポールピース142および143は、図示の実施形態においては内周面がそれぞれ永久磁石141側から外周側に向けて傾斜して形成されており、それぞれ永久磁石141側の端部で鋭角のエッジが形成されている。即ち、環状のポールピース142および143は、それぞれ永久磁石141と対向する面と後述するコア144と対向している面が鋭角に形成されている。一方、上記第1のロッド110の他端部(下端部)に形成された小径部111には、磁性材からなる筒状のコア144が配設されている。この筒状のコア144の軸方向長さは、上記永久磁石141の軸方向長さと略同じ寸法に設定されている。筒状のコア144の上側および下側には、非磁性材からなる環状のスライドガイド145および146が配設されている。これら筒状のコア144と環状のスライドガイド145および146は、第1のロッド110の他端部(下端部)に形成された小径部111に挿通して配設され、小径部111の端部に螺合するナット147によって締付固定される。 【0016】 以上のように構成された磁気駆動機構140は、ホルダー121に配設された永久磁石141と第1のロッド110に配設されたコア144とが径方向に対向して配置される。従って、第3のロッド130に設けられたホルダー131側と第1のロッド110側には、矢印で示すように永久磁石141のN極、一方のポールピース142、コア144、他方のポールピース143、永久磁石141のS極を通る磁気回路が形成される。このとき、環状のポールピース142および143は永久磁石141と対向する面とコア144と対向している面が鋭角に形成されているので、この鋭角のエッジ部で磁束密度が高くなるため、コア144側に作用する磁力が高くなる。この結果、上記第2のロッド120に連結された第3のロッド130が上下方向に移動すると、上記磁気回路に起因する磁力によって第1のロッド110が追従して移動し、該第1のロッド110と連結されたディスプレーサ4が作動せしめられる。このように、図示実施形態においては、ディスプレーサ4に連結された第1のロッド11の他端部(下端部)は密封シリンダ52内に配設され外部に貫通されていないので、作動気体の漏れを防ぐことができる。 【0017】 なお、図示の実施形態においては、第3のロッド130に設けられたホルダー131に永久磁石141とポールピース142および143を配設し、第1のロッド110にコア144を配設した構成をしめしたが、第3のロッド130に設けられたホルダー131にコア144を配設し、第1のロッド110に永久磁石141とポールピース142および143を配設してもよい。 【0018】 図1および図2に示す実施形態におけるスターリングエンジンは以上のように構成されており、以下その作動について説明する。 図1はディスプレーサ4が下死点に位置しパワーピストン5が下死点前90度の位置にある状態を示している。この状態からクランクシャフト8が矢印で示す方向に回転するに従ってリンクロッド機構10を構成する第2のロッド120が上昇し、第2のロッド120と連結された第3のロッド130が上昇せしめられる。第3のロッド130が上昇すると上述したように磁気駆動機構140を介して第1のロッド110が上昇せしめられ、該第1のロッド110と連結されたディスプレーサ4が上昇する。この結果、加熱側室2a内で加熱され膨張した作動気体は、ディスプレーサ4を通して冷却側室2bに流入する。一方、パワーピストン5は図1に示す状態(下死点前90度の位置)から下死点に向けて下降せしめられる。従って、作動室3a内には上記のようにしてディスプレーサ4を通過し冷却側室2bに流入した作動気体が導入される。このようにして、パワーピストン5が下死点に達すると、図3に示す状態となる。このとき、ディスプレーサ4は、上死点前90度の位置にある。 【0019】 上述のようにして冷却側室2bおよび作動室3a内に流入した作動気体は、冷却されて収縮する。この結果、作動室3a内の圧力が低下してパワーピストン5は上方に吸引される。そして、図4に示すようにパワーピストン5が上死点前90度の位置に達すると、ディスプレーサ4は上死点に達する。このとき、加熱側室2a内の作動気体はディスプレーサ4を通して冷却側室2bに流入するが、ディスプレーサ4を通過する際に冷却される。図4に示す状態からパワーピストン5が更に上方に吸引され図5に示すようにパワーピストン5が上死点に達すると、ディスプレーサ4は上死点から下降して下死点前90度の位置に達する。従って、冷却側室2bの作動気体は、ディスプレーサ4を通して加熱側室2a内に流入する。このとき、作動気体はディスプレーサ4を通過する際に加熱される。そして、図5に示す状態からパワーピストン5が下降して下死点前90度の位置に達すると、図1に示す状態となる。以上のサイクルを繰り返すことにより、クランクシャフト8を回転することができる。 【0020】 次に、本発明に従って構成されたスターリングエンジンの他の実施形態について、図6乃至図10を参照して説明する。 図6に示す実施形態は、所謂γ型エンジンに本発明を適用したものである。図6に示す所謂γ型スターリングエンジンは、ディスプレーサシリンダ200と上述した実施形態におけるパワーシリンダに相当するベローズ220を具備している。ディスプレーサシリンダ200はアルミ合金等の金属材料によって形成され、下壁201の下面が加熱面に上壁202の上面が冷却面として機能する。即ち、下壁201の下面を適宜の加熱手段によって加熱し、上壁202の上面を適宜の冷却手段または自然空冷によって冷却する。ディスプレーサシリンダ200の上壁202の中央部には穴202aが形成されており、この穴202aを囲撓して図において上方に延びる非磁性材からなる密封シリンダ203が設けられている。ディスプレーサシリンダ200内には質量の小さい材料によって形成されたディスプレーサ210が図において上下方向に移動可能に配設されている。従って、ディスプレーサシリンダ200内は、ディスプレーサ210によって図において下側の加熱側室200aと図において上側の冷却側室200bに区画される。なお、ディスプレーサ210の外周面とディスプレーサシリンダ200の内周面との間には、隙間が形成されている。 【0021】 上記ディスプレーサシリンダ200の上壁202の外周部上面には上方に突出するボス部202bが設けられており、該ボス部202bに連通穴202c、202cが形成されているとともに、その中心部に摺動穴202dを備えた摺動ガイド202eが設けられている。このボス部202bに上記ベローズ220の下端部が装着されている。従って、ベローズ220内は、連通穴202c、202cを通して上記冷却側室200bと連通する作動室220aとなる。なお、上記ディスプレーサシリンダ200内および作動室220a内には水素やヘリウム等の比熱の小さい作動気体が封入されている。ベローズ220の上端には、パワーピストン230が装着されている。パワーピストン230の中心部下面には被案内ロッド231が突出して形成されており、この被案内ロッド231が上記摺動ガイド202eの摺動穴202dに摺動可能に嵌合される。なお、パワーピストン230の中心部上面には、連結部232が突出して設けられている。 【0022】 上記ディスプレーサシリンダ200の上壁202には支持フレーム240が立設して設けられている。支持フレーム240の上端部には軸受け部241が設けられており、この軸受け部241にクランクシャフト250が回転可能に支持されている。このクランクシャフト250は、その両端部にクランクジャーナル251および252を備えている。図6において右側のクランクジャーナル252は、クランクシャフト250の回転方向に左側のクランクジャーナル251より90度先行する角度位置に設けられている。 【0023】 上記パワーピストン230は、上記クランクシャフト250にパワーロッド260によって連結されている。このパワーロッド260は、一端(下端)がパワーピストン230の上面に設けられた連結部232にピン261によって連結されており、他端(上端)がクランクシャフト250のクランクジャーナル251に連結されている。 【0024】 上記ディスプレーサ210は、上記クランクシャフト250のクランクジャーナル252とリンクロッド機構300によって連結されている。リンクロッド機構300は、上述した実施形態におけるリンクロッド機構10と実質的に同様の構成である。即ち、リンクロッド機構300は、一端部(下端部)がディスプレーサ210に連結され他端部(上端部)が上記密封シリンダ203内に摺動可能に配設された第1のロッド310と、一端(上端)がクランクシャフト250のクランクジャーナル252に連結された第2のロッド320と、該第2のロッド320の他端(下端)に一端(上端)が連結され他端部(下端部)が密封シリンダ203の外周面に沿って摺動可能に且つ第1のロッド310の他端部(上端部)と重合して配設された第3のロッド330と、第1のロッド310の他端部(上端部)と第3のロッド330の他端部(下端部)に設けられた磁気駆動機構340とを具備している。 【0025】 上記第1のロッド310は、一端部(下端部)がディスプレーサ210の中心部を貫通して配設され、下端部にナット312を螺合することによってディスプレーサ210に取り付けられる。第1のロッド310の他端部(上端部)は小径に形成されており、この小径部311が上記密封シリンダ203内に摺動可能に配設される。上記第3のロッド330はアルミ合金等の非磁性材によって円筒状に形成され、その一端部(上端部)が上記第2のロッド320の他端部(下端部)にピン322によって連結されている。なお、第3のロッド330の他端部(下端部)は、上記磁気駆動機構340の構成部材を収容するホルダー331を形成している。 【0026】 次に、上記磁気駆動機構340について、図7を参照して説明する。 図示の磁気駆動機構340は、上記第3のロッド330の他端部(下端部)に設けられた収容するホルダー331内に配設された筒状の永久磁石341を備えている。なお、筒状の永久磁石341は、図示の実施形態においては上側がN極に、下側がS極に設定されている。この永久磁石341の上側および下側に磁性材からなる環状のポールピース342および343が配設されている。一方、上記第1のロッド310の他端部(上端部)に形成された小径部311には、磁性材からなる筒状のコア344が配設されている。この筒状のコア344の軸方向長さは、上記永久磁石341の軸方向長さと略同じ寸法に設定されている。筒状のコア344の上側および下側には、非磁性材からなる環状のスライドガイド345および346が配設されている。これら筒状のコア344と環状のスライドガイド345および346は、第1のロッド310の他端部(上端部)に形成された小径部311に挿通して配設され、第1のロッド310の他端部(下端部)に螺合するナット347によって締付固定される。なお、上記ポールピース342および343の上側および下側には、非磁性材からなる環状のスライドガイド348および349が配設されている。 【0027】 以上のように構成された磁気駆動機構340は、ホルダー331に配設された永久磁石341と第1のロッド310に配設されたコア344とが径方向に対向して配置される。従って、第3のロッド330に設けられたホルダー321側と第1のロッド310側には、矢印で示すように永久磁石341のN極、一方のポールピース342、コア344、他方のポールピース343、永久磁石341のS極を通る磁気回路が形成される。この結果、上記第2のロッド320に連結された第3のロッド330が上下方向に移動すると、上記磁気回路にに起因する磁力によって第1のロッド310が追従して移動し、該第1のロッド310と連結されたディスプレーサ210が作動せしめられる。このように、図示実施形態においては、ディスプレーサ210に連結された第1のロッド310の他端部(上端部)は密封シリンダ203内に配設され外部に貫通されていないので、作動気体の漏れを防ぐことができる。また、図示の実施形態においては、上記パワーピストン230はベローズ220に装着されているので、作動気体の漏れを完全に防ぐことができる。 【0028】 図6および図7に示す実施形態におけるスターリングエンジンは以上のように構成されており、以下その作動について説明する。 図6はディスプレーサ210が上死点に位置しパワーピストン230が上死点前90度の位置にある状態を示している。この状態からクランクシャフト250が矢印で示す方向に回転するに従って第2のロッド320が下降し、第2のロッド320と連結された第3のロッド330が下降せしめられる。第3のロッド330が下降すると上述したように磁気駆動機構340を介して第1のロッド310が下降せしめられ、該第1のロッド310と連結されたディスプレーサ210が下降する。この結果、加熱側室200a内で加熱され膨張した作動気体は、ディスプレーサ210の外周面とディスプレーサシリンダ200の内周面との隙間を通して冷却側室200bに流入する。一方、パワーピストン230は図6に示す状態(上死点前90度の位置)から上死点に向けて上昇せしめられる。このようにして、パワーピストン230が上死点に達すると、図8に示す状態となる。このとき、ディスプレーサ210は、下死点前90度の位置にある。 【0029】 上述のようにして冷却側室200bおよび作動室220a内に流入した作動気体は、冷却されて収縮する。この結果、作動室220a内の圧力が低下してパワーピストン230は下方に吸引される。そして、図9に示すようにパワーピストン230が下死点前90度の位置に達すると、ディスプレーサ210は下死点に達する。このとき、加熱側室200a内の作動気体は、ディスプレーサ210の外周面とディスプレーサシリンダ200の内周面との隙間を通して冷却側室200bに流入する。図9に示す状態からパワーピストン230が更に下方に吸引され図10に示すようにパワーピストン230が下死点に達すると、ディスプレーサ210は上死点から下降して下死点前90度の位置に達する。従って、冷却側室200bの作動気体は加熱側室2a内に流入する。そして、図10に示す状態からパワーピストン230が下降して上死点前90度の位置に達すると、図6に示す状態となる。以上のサイクルを繰り返すことにより、クランクシャフト250を回転することができる。 【0030】 以上、本発明を図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明は実施例に限定されるものではなく種々の変形が可能である。例えば、図示の実施形態においては作動室をディスプレーサシリンダの冷却側室と連通した例を示したが、ディスプレーサシリンダの冷却側室と加熱側室を逆にして作動室を加熱側室と連通する構成としてもよい。 【0031】 【発明の効果】 本発明によるスターリングエンジンは以上のように構成されているので、以下に述べる作用効果を奏する。 即ち、ディスプレーサとクランクシャフトとを連結するリンクロッド機構は、一端がディスプレーサに連結され他端部がディスプレーサシリンダの冷却側室または加熱側室の一方に連通して形成された密封シリンダ内に摺動可能に配設された第1のロッドと、一端がクランクシャフトに連結された第2のロッドと、第2のロッドの他端に一端が連結され他端部に密封シリンダの外周面に沿って摺動可能に且つ第1のロッドの他端部と重合して配設されたホルダーを備えた第3のロッドと、第3のロッドの他端部と第1のロッドの他端部に設けられ第3のロッドの駆動力を第1のロッドに伝達する磁気駆動機構とによって構成されているので、ディスプレーサに連結された第1のロッドの他端部は密封シリンダ内に配設され外部に貫通されていないため、作動気体の漏れを防ぐことができる。 【図面の簡単な説明】 【図1】本発明に従って構成されたスターリングエンジンの一実施形態を示す断面図。 【図2】図1におけるA部拡大図。 【図3】図1に示すスターリングエンジンの作動状態を示す説明図。 【図4】図1に示すスターリングエンジンの作動状態を示す説明図。 【図5】図1に示すスターリングエンジンの作動状態を示す説明図。 【図6】本発明に従って構成されたスターリングエンジンの他の実施形態を示す断面図。 【図7】図1におけるB部拡大図。 【図8】図6に示すスターリングエンジンの作動状態を示す説明図。 【図9】図6に示すスターリングエンジンの作動状態を示す説明図。 【図10】図6に示すスターリングエンジンの作動状態を示す説明図。 【符号の説明】 2:ディスプレーサシリンダ 22、23:加熱用フィン 24:冷却用フィン 3:パワーシリンダ 31:冷却用フィン 4:ディスプレーサ 5:パワーピストン 52:密封シリンダ 61:冷却ケース 62:加熱ケース 8:クランクシャフト 9:パワーロッド 10:リンクロッド機構 110:第1のロッド 120:第2のロッド 130:第3のロッド 131:ホルダー 140:磁気駆動機構 141:永久磁石 142、143:ポールピース 144:コア 145、146:スライドガイド 200:ディスプレーサシリンダ 210:ディスプレーサ 220:ベローズ 230:パワーピストン 240:支持フレーム 250:クランクシャフト 260:パワーロッド 300:リンクロッド機構 310:第1のロッド 320:第2のロッド 330:第3のロッド 331:ホルダー 340:磁気駆動機構 341:永久磁石 342、343:ポールピース 344:コア 345、346:スライドガイド
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| 【出願人】 |
【識別番号】000000170 【氏名又は名称】いすゞ自動車株式会社 【住所又は居所】東京都品川区南大井6丁目26番1号
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| 【出願日】 |
平成14年7月26日(2002.7.26) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100075177 【弁理士】 【氏名又は名称】小野 尚純
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| 【公開番号】 |
特開2004−60489(P2004−60489A) |
| 【公開日】 |
平成16年2月26日(2004.2.26) |
| 【出願番号】 |
特願2002−217628(P2002−217628) |
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