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【発明の名称】 熱電併給システム
【発明者】 【氏名】谷口 伸之
【住所又は居所】大阪府堺市金岡町1304番地  ダイキン工業株式会社堺製作所金岡工場内

【氏名】藤波 功
【住所又は居所】大阪府堺市金岡町1304番地  ダイキン工業株式会社堺製作所金岡工場内

【氏名】木戸 照雄
【住所又は居所】大阪府堺市金岡町1304番地  ダイキン工業株式会社堺製作所金岡工場内

【氏名】米本 和生
【住所又は居所】大阪府堺市金岡町1304番地  ダイキン工業株式会社堺製作所金岡工場内

【要約】 【課題】発電機(15)の排熱を熱源として吸収式冷凍装置(10)を駆動し、該吸収式冷凍装置(10)で生成される熱により室内の空気調和を行う熱電併給システムについて、その吸収式冷凍装置(10)の冷凍能力や成績係数の向上を図る。

【解決手段】吸収式冷凍装置(10)の再生器(11)に排ガス熱交換器(HEX5)を設けると共に、該排ガス熱交換器(HEX5)と、発電機(15)の内燃機関(16)の排気口とを排気管(18)により接続する。そして、内燃機関(16)の排気ガスを、排気管(18)を介して排ガス熱交換器(HEX5)へ直接に供給し、該排ガス熱交換器(HEX5)において排気ガスと、吸収式冷凍装置(10)の冷媒回路(5)を流れる1次側冷媒との間で熱交換を行うようにする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発電機(15)と、
上記発電機(15)の排熱を熱源として駆動する吸収式冷凍装置(10)と、
上記吸収式冷凍装置(10)に接続され、該吸収式冷凍装置(10)より生じる冷熱又は温熱を相変化する冷媒により利用側ユニット(22)へ搬送する利用側回路(20)とを備える熱電併給システムであって、
上記吸収式冷凍装置(10)の再生器(11)は、上記発電機(15)を駆動する内燃機関(16)の排気ガスが直接に供給されると共に、該排気ガスと再生器(11)の吸収溶液との間で熱交換を行うための排ガス熱交換器(HEX5)を備えている
ことを特徴とする熱電併給システム。
【請求項2】
請求項1において、
上記利用側回路(20)は、該利用側回路(20)で冷媒を強制循環させるためのポンプ(30)を備えている
ことを特徴とする熱電併給システム。
【請求項3】
請求項2において、
上記ポンプ(30)は、吸入した液冷媒を吐出する冷媒液ポンプ(30)である
ことを特徴とする熱電併給システム。
【請求項4】
請求項3において、
上記利用側回路(20)の冷媒には、冷媒液ポンプ(30)の潤滑油が含まれている
ことを特徴とする熱電併給システム。
【請求項5】
請求項2において、
上記ポンプ(30)は、液冷媒を貯留するためのタンク(T1,T2)と、液冷媒を加熱して高圧のガス冷媒を生成する高圧部(HEX3)と、ガス冷媒を冷却して低圧の液冷媒を生成する低圧部(HEX4)とを備え、上記タンク(T1,T2)を高圧部(HEX3)に連通させて加圧することにより該タンク(T1,T2)内から液冷媒を押し出す一方、タンク(T1,T2)を低圧部(HEX4)に連通させて減圧することにより該タンク(T1,T2)内に液冷媒を吸引するように構成されている
ことを特徴とする熱電併給システム。
【請求項6】
請求項5において、
上記ポンプ(30)の高圧部(HEX3)には、吸収式冷凍装置(10)の凝縮器(12)又は吸収器(14)からの放出熱が供給される
ことを特徴とする熱電併給システム。
【請求項7】
請求項5において、
上記ポンプ(30)の高圧部(HEX3)には、吸収式冷凍装置(10)の凝縮器(12)で凝縮した後の液冷媒の熱が供給される
ことを特徴とする熱電併給システム。
【請求項8】
請求項5において、
上記ポンプ(30)の高圧部(HEX3)には、吸収式冷凍装置(10)の排ガス熱交換器(HEX5)を通過した排気ガスの熱が供給される
ことを特徴とする熱電併給システム。
【請求項9】
請求項2において、
上記利用側回路(20)の熱媒体は、相変化する冷媒である一方、
上記ポンプ(30)は、吸入したガス冷媒を吐出する冷媒ガスポンプ(30)である
ことを特徴とする熱電併給システム。
【請求項10】
請求項1〜9の何れか1つにおいて、
上記発電機(15)は、ガスタービン発電機(15)であって、
上記吸収式冷凍装置(10)は、上記ガスタービン発電機(15)へ吸入される空気を冷却するように構成されている
ことを特徴とする熱電併給システム。
【請求項11】
請求項1,2,3,4,5,7,8,9,10の何れか1つにおいて、
上記吸収式冷凍装置(10)は、吸収器(14)及び凝縮器(12)の熱媒体を空気により冷却するように構成されている
ことを特徴とする熱電併給システム。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、発電機の排熱を室内の空気調和等に利用する熱電併給システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、例えばホテルやレストラン等の建物において、必要な電気を発電するための発電機(例えば、ガスエンジン発電機、マイクロガスタービン発電機や燃料電池など)を設ける一方、該発電機の排熱を冷凍装置等の熱源として有効に利用するようにした熱電併給システム(コージェネレーションシステム)は知られている。
【0003】
このような熱電併給システムとして、従来より、例えば、特開平7−217951号公報に示されるものが知られている。このシステムでは、発電機に排熱回収配管を接続すると共に、該排熱回収配管に熱源側熱交換器を設けている。さらに、この熱源側熱交換器と吸収式冷凍装置の再生器とを、気液相変化する熱媒が自然循環する循環配管により接続している。また、上記排熱回収配管には、蓄熱槽が接続されている。そして、このシステムによれば、発電機による発電を行う際に、その排熱は、熱源側熱交換器を介して吸収式冷凍装置の再生器と蓄熱槽とにそれぞれ伝えられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、熱媒体間で熱交換を行うと、その熱交換に伴って熱損失が生じることが避けられない。したがって、発電機の排熱を吸収式冷凍装置へ伝えるときに、熱媒体間での熱交換の回数が多いほど、全体としての熱損失は大きくなってしまう。
【0005】
しかし、上記従来のものでは、熱源側熱交換器において、排熱回収配管を流れる熱媒体と、循環配管を流れる熱媒体との間で熱交換が行われると共に、吸収式冷凍装置の再生器において、上記循環配管を流れる熱媒体と、再生器の吸収溶液との間で熱交換が行われる。つまり、発電機の排熱は、熱源側熱交換器と再生器とにおいて合計2回の熱交換が行われた後に再生器へ伝えられるため、その熱交換に伴う熱損失が全体として比較的大きくなってしまう。
【0006】
その結果、発電機からの所定の排熱を熱源として、吸収式冷凍装置の冷凍能力や成績係数を向上させることは難しいという問題がある。
【0007】
本発明は斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、発電機の排熱を吸収式冷凍装置へ供給するための構成に工夫を凝らすことにより、吸収式冷凍装置の冷凍能力や成績係数の向上を図ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、この発明では、発電機を駆動する内燃機関の排気ガスを吸収式冷凍装置の再生器へ直接に供給し、該再生器において排気ガスと吸収溶液との間で熱交換させるようにした。
【0009】
具体的に、請求項1に係る発明は、発電機(15)と、上記発電機(15)の排熱を熱源として駆動する吸収式冷凍装置(10)と、上記吸収式冷凍装置(10)に接続され、該吸収式冷凍装置(10)より生じる冷熱又は温熱を相変化する冷媒により利用側ユニット(22)へ搬送する利用側回路(20)とを備える熱電併給システムが対象である。そして、上記吸収式冷凍装置(10)の再生器(11)は、上記発電機(15)を駆動する内燃機関(16)の排気ガスが直接に供給されると共に、該排気ガスと再生器(11)の吸収溶液との間で熱交換を行うための排ガス熱交換器(HEX5)を備えている。
【0010】
上記の発明によると、発電機(15)を駆動する内燃機関(16)の排気ガスは、吸収式冷凍装置(10)の再生器(11)へ直接に供給される。そして、該再生器(11)の排ガス熱交換器(HEX5)において、排気ガスと吸収溶液との間で熱交換が行われる。つまり、再生器(11)の吸収溶液は、排気ガスにより直接に加熱される。その結果、熱媒体間の熱交換に伴う熱損失が低減されるため、所定の排熱量に対する吸収式冷凍装置(10)の冷凍能力は増大する。
【0011】
請求項2に係る発明は、上記請求項1に係る発明において、上記利用側回路(20)は、該利用側回路(20)で冷媒を強制循環させるためのポンプ(30)を備えている。
【0012】
上記の発明によると、吸収式冷凍装置(10)より生じた冷熱又は温熱は、ポンプ(30)により強制循環される利用側回路(20)の冷媒によって、利用側ユニット(22)へ搬送される。
【0013】
請求項3に係る発明は、上記請求項2に係る発明において、上記ポンプ(30)は、吸入した液冷媒を吐出する冷媒液ポンプ(30)である。
【0014】
上記の発明によると、利用側回路(20)の冷媒は、冷媒液ポンプ(30)が駆動することにより、該利用側回路(20)を循環して吸収式冷凍装置(10)で生じた冷熱又は温熱を搬送する。したがって、利用側回路(20)の冷媒は、簡単な構成により該利用側回路(20)を循環する。
【0015】
請求項4に係る発明は、上記請求項3に係る発明において、上記利用側回路(20)の冷媒には、冷媒液ポンプ(30)の潤滑油が含まれている。
【0016】
この発明によると、冷媒液ポンプ(30)の潤滑油は、冷媒と共に利用側回路(20)を循環する。その結果、仮に、冷媒液ポンプ(30)内に、気相状態の冷媒が吸引されたとしても、該ポンプ(30)に潤滑油が冷媒とともに吸引されるため、ポンプ(30)の摺動部分の焼き付きや摩耗が未然に防止される。
【0017】
請求項5に係る発明は、上記請求項2に係る発明において、上記ポンプ(30)は、液冷媒を貯留するためのタンク(T1,T2)と、液冷媒を加熱して高圧のガス冷媒を生成する高圧部(HEX3)と、ガス冷媒を冷却して低圧の液冷媒を生成する低圧部(HEX4)とを備え、上記タンク(T1,T2)を高圧部(HEX3)に連通させて加圧することにより該タンク(T1,T2)内から液冷媒を押し出す一方、タンク(T1,T2)を低圧部(HEX4)に連通させて減圧することにより該タンク(T1,T2)内に液冷媒を吸引するように構成されている。
【0018】
上記の発明によると、上記タンク(T1,T2)が高圧部(HEX3)に連通すると、タンク(T1,T2)内は、高圧部(HEX3)で生成された高圧のガス冷媒が導入されて加圧される。その結果、該タンク(T1,T2)内に貯留されている液冷媒が、タンク(T1,T2)外の利用側回路(20)へ押し出される。一方、タンク(T1,T2)が低圧部(HEX4)に連通すると、タンク(T1,T2)内は減圧され、タンク(T1,T2)外の利用側回路(20)の冷媒が該タンク(T1,T2)内へ吸引される。このようにして、冷媒は利用側回路(20)を循環する。
【0019】
請求項6に係る発明は、上記請求項5に係る発明において、上記ポンプ(30)の高圧部(HEX3)には、吸収式冷凍装置(10)の凝縮器(12)又は吸収器(14)からの放出熱が供給される。
【0020】
上記の発明によると、凝縮器(12)では冷媒が凝縮して凝縮熱が放出される一方、吸収器(14)では冷媒ガスが吸収溶液に吸収されて吸収熱が放出される。これら凝縮器(12)又は吸収器(14)からの放出熱は、上記ポンプ(30)の高圧部(HEX3)へ供給される。そして、高圧部(HEX3)では、上記放出熱により液冷媒が加熱されて高圧のガス冷媒が生成される。
【0021】
請求項7に係る発明は、上記請求項5に係る発明において、上記ポンプ(30)の高圧部(HEX3)には、吸収式冷凍装置(10)の凝縮器(12)で凝縮した後の液冷媒の熱が供給される。
【0022】
この発明によると、凝縮器(12)で凝縮した液冷媒は凝縮熱の一部を保有している。この液冷媒は上記ポンプ(30)の高圧部(HEX3)へ供給される。そして、高圧部(HEX3)では、上記凝縮器(12)から供給される液冷媒の熱により、液冷媒が加熱されて高圧のガス冷媒が生成される。
【0023】
請求項8に係る発明は、上記請求項5に係る発明において、上記ポンプ(30)の高圧部(HEX3)には、吸収式冷凍装置(10)の排ガス熱交換器(HEX5)を通過した排気ガスの熱が供給される。
【0024】
上記の発明によると、発電機(15)の排気ガスは、吸収式冷凍装置(10)の排ガス熱交換器(HEX5)において吸収溶液との間で熱交換を行った後にも、比較的大きな熱量を有している。この排ガス熱交換器(HEX5)を通過した排気ガスは、上記ポンプ(30)の高圧部(HEX3)へ供給されて液冷媒を加熱する。その結果、高圧部(HEX3)で高圧のガス冷媒が生じる。
【0025】
請求項9に係る発明は、上記請求項2に係る発明において、上記利用側回路(20)の熱媒体は、相変化する冷媒である一方、上記ポンプ(30)は、吸入したガス冷媒を吐出する冷媒ガスポンプ(30)である。
【0026】
上記の発明によると、例えば、利用側回路(20)が吸収式冷凍装置(10)の蒸発器に接続されている場合には、上記冷媒ガスポンプ(30)の加圧により蒸発器の2次側の冷媒圧力が高くなるため、該蒸発器の1次側で冷媒が蒸発し易くなって蒸発温度が高くなる。
【0027】
請求項10に係る発明は、上記請求項1〜9の何れか1つに係る発明において、上記発電機(15)は、ガスタービン発電機(15)であって、上記吸収式冷凍装置(10)は、上記ガスタービン発電機(15)へ吸入される空気を冷却するように構成されている。
【0028】
上記の発明によると、ガスタービン発電機(15)は、空気を吸入して燃料ガスを燃焼することで発電する。このとき、吸収式冷凍装置(10)から生じる冷熱の一部は、ガスタービン発電機(15)へ吸入される空気を冷却する。その結果、吸入空気の温度上昇が低減されるため、発電機(15)の出力の低下が防止される。
【0029】
請求項11に係る発明は、上記請求項1,2,3,4,5,7,8,9,10の何れか1つに係る発明において、上記吸収式冷凍装置(10)は、吸収器(14)及び凝縮器(12)の熱媒体を空気により冷却するように構成されている。
【0030】
この発明によると、吸収式冷凍装置(10)の吸収器(14)及び凝縮器(12)には、ファン等により空気が供給される。その結果、吸収器(14)及び凝縮器(12)を通過する熱媒体は、空気により冷却される。
【0031】
【発明の実施の形態】
(実施形態1)
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0032】
図1は、本発明に係る熱電併給システムの実施形態1を示している。この熱電併給システム(1)は、例えばスーパーマーケットやレストラン等に設けられ、発電機(15)と、吸収式冷凍装置(10)と、利用側回路(20)とを備えている。
【0033】
上記発電機(15)は、該発電機(15)を駆動するための内燃機関である例えばガスエンジン(16)を備えている。そして、このガスエンジン(16)により燃料ガスを燃焼し、電気エネルギーを発生させる一方、燃焼後の排気ガスを発電機(15)の外部へ排出するようになっている。
【0034】
上記吸収式冷凍装置(10)は、冷媒蒸気を、吸収溶液へ吸収させるための吸収器(14)と、該吸収器(14)内で冷媒蒸気を吸収して薄くなった吸収溶液から水を蒸発させて分離し、該吸収溶液を濃縮するための再生器(11)とを備えている。さらに、吸収式冷凍装置(10)は、水蒸気を凝縮する凝縮器(12)と、凝縮した水を蒸発させる蒸発器(13)とを備えている。そして、これらは配管により接続され、1次側回路(5)を構成している。
【0035】
蒸発器(13)には、利用側熱交換器である主熱交換器(HEX2)が設けられている。主熱交換器(HEX2)では、1次側回路(5)の1次側媒体と、次に述べる利用側回路(20)の2次側冷媒との間で熱交換を行うようになっている。また、吸収式冷凍装置(10)は、吸収器(14)及び凝縮器(12)に空気流を供給するための冷却ファン(19)を備えている。そして、冷却ファン(19)からの空気流によって、上記吸収器(14)及び凝縮器(12)を流れる熱媒体を冷却するようになっている。
【0036】
上記再生器(11)には、後述するように、発電機(15)からの排熱が供給されるようになっている。つまり、吸収式冷凍装置(10)は、上記発電機(15)の排熱を熱源として駆動するように構成されている。
【0037】
こうして、吸収式冷凍装置(10)は、排気ガスを温熱源として1次側媒体を1次側回路(5)で循環させることにより、蒸発器(13)で冷熱を発生するようになっている。
【0038】
利用側回路(20)は、相変化する冷媒である2次側冷媒が熱媒体として充填された2次側回路であって、循環回路を構成している。利用側回路(20)は、後述のポンプ(30)と、室内膨張弁(EV)と、室内ユニット(22)とを備えている。ポンプ(30)は、利用側回路(20)で2次側冷媒を強制循環させるためのものである。室内ユニット(22)は、2次側冷媒と室内空気との間で熱交換を行うための室内熱交換器(HEX1)を備えている。そして、室内膨張弁(EV)と、室内熱交換器(HEX1)と、主熱交換器(HEX2)と、ポンプ(30)とは、順に配管接続されて利用側回路(20)を構成している。利用側回路(20)には、複数の室内ユニット(22)が並列に接続して設けられている。
【0039】
具体的に、主熱交換器(HEX2)とポンプ(30)とは、第2主液配管(26)により接続されている。ポンプ(30)と室内熱交換器(HEX1)とは、第1主液配管(25)により接続されている。すなわち、第1主液配管(25)の一端がポンプ(30)の接続される一方、その他端が分岐されて各室内熱交換器(HEX1)に接続されている。第1主液配管(25)の分岐部分には、室内膨張弁(EV)がそれぞれ設けられている。
【0040】
また、室内熱交換器(HEX1)と主熱交換器(HEX2)とは、主ガス配管(24)により接続されている。つまり、主ガス配管(24)の一端は、分岐されて各室内熱交換器(HEX1)に接続される一方、その他端が主熱交換器(HEX2)に接続されている。
【0041】
こうして、利用側回路(20)は、吸収式冷凍装置(10)に接続され、該吸収式冷凍装置(10)の蒸発器(13)より生じる冷熱を室内ユニット(22)の室内熱交換器(HEX1)へ搬送するように構成されている。
【0042】
本発明の特徴として、上記吸収式冷凍装置(10)の再生器(11)は、上記ガスエンジン(16)の排気ガスが直接に供給されるように構成されている。それと共に、上記再生器(11)は、発電機(15)からの排気ガスと、再生器(11)の吸収溶液との間で熱交換を行うための排ガス熱交換器(HEX5)を備えている。
【0043】
すなわち、ガスエンジン(16)の排気口と、排ガス熱交換器(HEX5)とは、排気ガスが流通する排気管(18)により接続されている。そして、排ガス熱交換器(HEX5)において、ガスエンジン(16)の排気ガスと、再生器(11)の吸収溶液との間で直接に熱交換を行い、該吸収溶液を加熱するようにしている。また、排ガス熱交換器(HEX5)を通過して熱が奪われた排気ガスは、吸収式冷凍装置(10)の外部へ排気されるようになっている。
【0044】
−ポンプ回路の構成−
次に、上記ポンプであるポンプ回路(30)の構成について説明する。
【0045】
ポンプ回路(30)は、第1メインタンク(T1)、第2メインタンク(T2)、サブタンク(ST)、及びバッファタンク(BT)を備えている。また、ポンプ回路(30)には、高圧部である加熱熱交換器(HEX3)と、低圧部である冷却熱交換器(HEX4)とがそれぞれ設けられている。さらに、ポンプ回路(30)には、該ポンプ回路(30)を駆動するための駆動用回路(50)が接続されている。
【0046】
上記加熱熱交換器(HEX3)は、第1メインタンク(T1)、第2メインタンク(T2)及びサブタンク(ST)のそれぞれに対し、タンク加圧電磁弁(SVH1,SVH2,SVH3)を介して配管接続されている。一方、上記冷却熱交換器(HEX4)は、第1メインタンク(T1)、第2メインタンク(T2)及びサブタンク(ST)のそれぞれに対し、タンク減圧電磁弁(SVL1,SVL2,SVL3)を介して配管接続される。これらタンク加圧電磁弁(SVH1,SVH2,SVH3)、及びタンク減圧電磁弁(SVL1,SVL2,SVL3)は、切換手段(46)を構成している。切換手段(46)は、各タンク(T1,T2,ST)を加熱熱交換器(HEX3)に連通する状態と、冷却熱交換器(HEX4)に連通する状態とに切り換えるためのものである。
【0047】
そして、上記ポンプ回路(30)は、一方のタンク(T1,T2)を加熱熱交換器(HEX3)に連通させて加圧することにより該タンク(T1,T2)内から液冷媒を押し出す一方、他方のタンク(T1,T2)を冷却熱交換器(HEX4)に連通させて減圧することにより該タンク(T1,T2)内に液冷媒を吸引することで、2次側冷媒を利用側回路(20)で所定方向に循環させるように構成されている。
【0048】
すなわち、上記第1メインタンク(T1)及び第2メインタンク(T2)は、液冷媒を溜めるためのものであって、略円筒形の密閉容器状に形成されている。第1,第2メインタンク(T1,T2)は、第1,第2給排管(41,42)と、流出側液配管(37)と、流入側液配管(38)とを介して、上記利用側回路(20)に接続されている。
【0049】
上記流出側液配管(37)は、その一端が第1主液管(25)に接続される一方、他端側で2つの分岐管(37a,37b)に分岐されている。流出側液配管(37)の第1分岐管(37a)には、第1流出側逆止弁(CVH1)が設けられている。この第1流出側逆止弁(CVH1)は、第1メインタンク(T1)から流出する方向の冷媒流通だけを許容する。流出側液配管(37)の第2分岐管(37b)には、第2流出側逆止弁(CVH2)が設けられている。この第2流出側逆止弁(CVH2)は、第2メインタンク(T2)から流出する方向の冷媒流通だけを許容する。
【0050】
上記流入側液配管(38)は、その一端が第2主液管(26)に接続される一方、他端側で2つの分岐管(38a,38b)に分岐されている。流入側液配管(38)の第1分岐管(38a)には、第1流入側逆止弁(CVL1)が設けられている。この第1流入側逆止弁(CVL1)は、第1メインタンク(T1)へ流入する方向の冷媒流通だけを許容する。流入側液配管(38)の第2分岐管(38b)には、第2流入側逆止弁(CVL2)が設けられている。この第2流入側逆止弁(CVL2)は、第2メインタンク(T2)へ流入する方向の冷媒流通だけを許容する。
【0051】
上記第1給排管(41)は、その一端が第1メインタンク(T1)の内部に延びている。この第1給排管(41)の一端は、下向きにほぼ90°曲がった形状とされ、第1メインタンク(T1)の底面付近に開口している。第1給排管(41)の他端は、流出側液配管(37)の第1分岐管(37a)と、流入側液配管(38)の第1分岐管(38a)との連結部に接続されている。
【0052】
上記第2給排管(42)は、その一端が第2メインタンク(T2)の内部に延びている。この第2給排管(42)の一端は、下向きにほぼ90°曲がった形状とされ、第2メインタンク(T2)の底面付近に開口している。第2給排管(42)の他端は、流出側液配管(37)の第2分岐管(37b)と、流入側液配管(38)の第2分岐管(38b)との連結部に接続されている。
【0053】
上記サブタンク(ST)は、メインタンク(T1,T2)よりも小型の密閉容器状に形成されている。このサブタンク(ST)は、上記加熱熱交換器(HEX3)に液冷媒を供給するためのものである。サブタンク(ST)は、加熱熱交換器(HEX3)よりも上方に配置されている。
【0054】
サブタンク(ST)の上端部には、液吸引管(35)の一端が接続されている。この液吸引管(35)の他端は、上記流出側液配管(37)における第1,第2流出側逆止弁(CVH1,CVH2)の下流側に接続されている。また、液吸引管(35)には、第3流入側逆止弁(CVL3)が設けられている。第3流入側逆止弁(CVL3)は、サブタンク(ST)へ流入する方向の冷媒流通だけを許容する。
【0055】
サブタンク(ST)の下端部には、液送出管(34)の一端が接続されている。この液送出管(34)の他端は、加熱熱交換器(HEX3)における2次側の下端に接続されている。また、液送出管(34)には、サブタンク(ST)から加熱熱交換器(HEX3)へ向かって順に、第3流出側逆止弁(CVH3)とバッファタンク(BT)とが設けられている。この第3流出側逆止弁(CVH3)は、サブタンク(ST)から流出する方向の冷媒流通だけを許容する。
【0056】
上記バッファタンク(BT)は、サブタンク(ST)から加熱熱交換器(HEX3)へ送られる液冷媒を一時的に溜めるためのものである。このバッファタンク(BT)は、サブタンク(ST)よりも下方かつ加熱熱交換器(HEX3)よりも上方に配置されている。また、バッファタンク(BT)は、均圧管(39)を介して、加熱熱交換器(HEX3)における2次側の上端と連通されている。従って、バッファタンク(BT)に溜められた液冷媒は、位置ヘッド差によって加熱熱交換器(HEX3)の2次側に送り込まれる。
【0057】
上記加熱熱交換器(HEX3)は、液冷媒を加熱して高圧のガス冷媒を生成するためのものであって、いわゆるプレート型熱交換器により構成されている。この加熱熱交換器(HEX3)は、1次側を流れる駆動用回路(50)の冷媒と、2次側を流れるポンプ回路(30)の冷媒とを熱交換させる。加熱熱交換器(HEX3)の2次側は、送り込まれた冷媒が蒸発することによって高圧に維持される。加熱熱交換器(HEX3)で生じたガス冷媒は、両メインタンク(T1,T2)やサブタンク(ST)を加圧するために利用される。
【0058】
加熱熱交換器(HEX3)における2次側の上端には、ガス供給管(31)の一端が接続されている。ガス供給管(31)は、他端側で3本の分岐管(31a,31b,31c)に分岐され、これら分岐管(31a,31b,31c)が第1,第2メインタンク(T1,T2)やサブタンク(ST)に接続されている。そして、第1メインタンク(T1)の上端部に接続する第1分岐管(31a)には第1タンク加圧電磁弁(SVH1)が、第2メインタンク(T2)の上端部に接続する第2分岐管(31b)には第2タンク加圧電磁弁(SVH2)が、サブタンク(ST)の上端部に接続する第3分岐管(31c)には第3タンク加圧電磁弁(SVH3)が、それぞれ設けられている。
【0059】
上記冷却熱交換器(HEX4)は、ガス冷媒を冷却して低圧の液冷媒を生成するためのものであって、いわゆるプレート型熱交換器により構成されている。この冷却熱交換器(HEX4)は、1次側を流れる駆動用回路(50)の冷媒と、2次側を流れるポンプ回路(30)の冷媒とを熱交換させる。冷却熱交換器(HEX4)の2次側は、送り込まれたガス冷媒が凝縮することによって低圧に維持される。この冷却熱交換器(HEX4)の2次側へ両メインタンク(T1,T2)やサブタンク(ST)のガス冷媒を吸引し、メインタンク(T1,T2)やサブタンク(ST)を減圧する。
【0060】
冷却熱交換器(HEX4)における2次側の上端には、ガス回収管(32)の一端が接続されている。ガス回収管(32)は、他端側で3本の分岐管(32a,32b,32c)に分岐され、これら分岐管(32a,32b,32c)が第1,第2メインタンク(T1,T2)やサブタンク(ST)に接続されている。そして、第1メインタンク(T1)の上端部に接続する分岐管(32a)には第1タンク減圧電磁弁(SVL1)が、第2メインタンク(T2)の上端部に接続する分岐管(32b)には第2タンク減圧電磁弁(SVL2)が、サブタンク(ST)の上端部に接続する分岐管(32c)には第3タンク減圧電磁弁(SVL3)が、それぞれ設けられている。
【0061】
冷却熱交換器(HEX4)における2次側の下端には、液戻し管(33)の一端が接続されている。液戻し管(33)は、他端側で2本の分岐管(33a,33b)に分岐されている。また、冷却熱交換器(HEX4)は、第1,第2メインタンク(T1,T2)よりも上方に配置されている。冷却熱交換器(HEX4)で凝縮した冷媒は、液戻し管(33)を通じて第1,第2メインタンク(T1,T2)に戻される。
【0062】
上記液戻し管(33)の第1分岐管(33a)は、ガス供給管(31)の第1分岐管(31a)における第1タンク加圧電磁弁(SVH1)と第1メインタンク(T1)の間に接続されている。また、この第1分岐管(33a)には、第1液戻し逆止弁(CVR1)が設けられている。第1液戻し逆止弁(CVR1)は、冷却熱交換器(HEX4)から第1メインタンク(T1)に向かう冷媒の流通だけを許容する。
【0063】
上記液戻し管(33)の第2分岐管(33b)は、ガス供給管(31)の第2分岐管(31b)における第2タンク加圧電磁弁(SVH2)と第2メインタンク(T2)の間に接続されている。また、この第2分岐管(33b)には、第2液戻し逆止弁(CVR2)が設けられている。第2液戻し逆止弁(CVR2)は、冷却熱交換器(HEX4)から第2メインタンク(T2)に向かう冷媒の流通だけを許容する。
【0064】
ここで、上記流出側液配管(37)の第1,第2流出側逆止弁(CVH1,CVH2)と、流入側液配管(38)の第1,第2流入側逆止弁(CVL1,CVL2)と、液送出管(34)の第3流出側逆止弁(CVH3)と、液吸引管(35)の第3流入側逆止弁(CVL3)と、液戻し管(33)の第1,第2液戻し逆止弁(CVR1,CVR2)とは、メインタンク(T1,T2)やサブタンク(ST)へ出入りする液冷媒の流れを制御するための流通制御手段(47)を構成している。
【0065】
上記駆動用回路(50)は、駆動用圧縮機(51)、加熱熱交換器(HEX3)、駆動用膨張弁(52)、冷却熱交換器(HEX4)を順に接続して構成された閉回路である。具体的に、駆動用圧縮機(51)の吐出側は、加熱熱交換器(HEX3)における1次側の上端と接続されている。加熱熱交換器(HEX3)における1次側の下端は、駆動用膨張弁(52)の一端と接続されている。駆動用膨張弁(52)の他端は、冷却熱交換器(HEX4)における1次側の下端と接続されている。冷却熱交換器(HEX4)における1次側の上端は、駆動用圧縮機(51)の吸入側と接続されている。
【0066】
上記駆動用回路(50)では、駆動用冷媒が循環し、加熱熱交換器(HEX3)を凝縮器とし且つ冷却熱交換器(HEX4)を蒸発器として蒸気圧縮式冷凍サイクルが行われる。この駆動用回路(50)の冷凍サイクル動作によって、加熱熱交換器(HEX3)の2次側が高圧に維持され、冷却熱交換器(HEX4)の2次側が低圧に維持される。つまり、駆動用回路(50)での冷凍サイクル動作により生成した冷熱及び温熱は、ポンプ回路(30)が2次側冷媒に循環駆動力を付与する動作を行うために利用される。
【0067】
−熱電併給システムの作動−
次に、本発明に係る熱電併給システム(1)の作動について説明する。まず、上記ポンプ回路(30)の作動について説明し、その後に、システム全体の作動について説明する。
【0068】
《ポンプ回路の作動》
上記駆動用圧縮機(51)を運転すると、駆動用回路(50)では、図2に二点鎖線で示すように駆動用冷媒が循環し、冷凍サイクルが行われる。駆動用圧縮機(51)から吐出された駆動用冷媒は、加熱熱交換器(HEX3)の1次側に導入される。加熱熱交換器(HEX3)では、1次側の駆動用冷媒が2次側の冷媒へ放熱して凝縮する。凝縮した駆動用冷媒は、駆動用膨張弁(52)で減圧された後に、冷却熱交換器(HEX4)の1次側へ送り込まれる。冷却熱交換器(HEX4)では、1次側の駆動用冷媒が2次側の冷媒から吸熱して蒸発する。蒸発した駆動用冷媒は、駆動用圧縮機(51)に吸入される。駆動用圧縮機(51)は、吸入した駆動用冷媒を圧縮して再び吐出する。
【0069】
上記駆動用回路(50)の冷凍サイクル動作により、加熱熱交換器(HEX3)の2次側が高圧に維持され、冷却熱交換器(HEX4)の2次側が低圧に維持される。タンク加圧電磁弁(SVH1〜SVH3)及びタンク減圧電磁弁(SVL1〜SVL3)を所定のタイミングで開閉することにより、ポンプ回路(30)では、第1,第2メインタンク(T1,T2)やサブタンク(ST)を加熱熱交換器(HEX3)と連通させて加圧する加圧動作と、第1,第2メインタンク(T1,T2)やサブタンク(ST)を冷却熱交換器(HEX4)と連通させて減圧する減圧動作とが、切り換えて行われる。
【0070】
まず、第1,第2メインタンク(T1,T2)を加圧又は減圧する動作について説明する。ここでは、第1タンク加圧電磁弁(SVH1)及び第2タンク減圧電磁弁(SVL2)が開放され、第1タンク減圧電磁弁(SVL1)及び第2タンク加圧電磁弁(SVH2)が閉鎖された状態にあるところから説明を始める。
【0071】
この状態において、第1メインタンク(T1)は、加熱熱交換器(HEX3)の2次側と連通する。第1メインタンク(T1)には、加熱熱交換器(HEX3)の高圧のガス冷媒がガス供給管(31,31a)を通じて供給され、これによって第1メインタンク(T1)が加圧される。第1メインタンク(T1)を加圧すると、溜められていた液冷媒が第1メインタンク(T1)から押し出される。この時には、第1流出側逆止弁(CVH1)が連通状態となり、第1流入側逆止弁(CVL1)が遮断状態となっている。従って、第1メインタンク(T1)から押し出された液冷媒は、図2に実線の矢印で示すように、第1給排管(41)及び流出側液配管(37a,37)を流れて利用側回路(20)に送り出される。
【0072】
一方、第2メインタンク(T2)は、冷却熱交換器(HEX4)の2次側と連通する。第2メインタンク(T2)内のガス冷媒は、ガス回収管(32b,32)を通じて冷却熱交換器(HEX4)に吸引され、これによって第2メインタンク(T2)が減圧される。第2メインタンク(T2)を減圧すると、第2メインタンク(T2)に利用側回路(20)から2次側冷媒が回収される。つまり、この時には、第2流出側逆止弁(CVH2)が遮断状態となり、第2流入側逆止弁(CVL2)が連通状態となっている。従って、利用側回路(20)の2次側冷媒は、図2に実線の矢印で示すように、流入側液配管(38,38b)及び第2給排管(42)を流れて第2メインタンク(T2)へ流入する。
【0073】
このような動作を所定時間行い、第1メインタンク(T1)が空になると、ポンプ回路(30)の電磁弁(SVH1,SVH2,…)を切換える。つまり、第1タンク加圧電磁弁(SVH1)及び第2タンク減圧電磁弁(SVL2)を閉鎖し、第1タンク減圧電磁弁(SVL1)及び第2タンク加圧電磁弁(SVH2)を開放する。
【0074】
この状態では、第1メインタンク(T1)が減圧されると共に、第1流入側逆止弁(CVL1)が連通状態となり、第1流出側逆止弁(CVH1)が遮断状態となる。そして、第1メインタンク(T1)には、流入側液配管(38,38a)及び第1給排管(41)を通じて、利用側回路(20)の2次側冷媒が流入する。また、第2メインタンク(T2)が加圧されると共に、第2流入側逆止弁(CVL2)が遮断状態となり、第2流出側逆止弁(CVH2)が連通状態となる。そして、第2メインタンク(T2)から押し出された冷媒は、第2給排管(42)及び流出側液配管(37b,37)を通じて、利用側回路(20)に送り込まれる。
【0075】
以上説明したように、ポンプ回路(30)では、両メインタンク(T1,T2)の加減圧が交互に行われ、メインタンク(T1,T2)からの液冷媒の押し出しと、メインタンク(T1,T2)への液冷媒の回収とが行われる。この動作により、ポンプ回路(30)は、利用側回路(20)の2次側冷媒に循環駆動力を付与する。
【0076】
次に、サブタンク(ST)を加減圧する動作について説明する。ここでは、第3タンク加圧電磁弁(SVH3)が開放され、第3タンク減圧電磁弁(SVL3)が閉鎖された状態にあるところから説明を始める。
【0077】
この状態において、サブタンク(ST)は、加熱熱交換器(HEX3)の2次側と連通する。サブタンク(ST)には、加熱熱交換器(HEX3)の高圧のガス冷媒がガス供給管(31,31c)を通じて供給され、これによってサブタンク(ST)が加圧される。サブタンク(ST)を加圧すると、溜められていた液冷媒がサブタンク(ST)から押し出される。この時には、第3流出側逆止弁(CVH3)が連通状態となり、第3流入側逆止弁(CVL3)が遮断状態となっている。従って、サブタンク(ST)から押し出された液冷媒は、図2に破線の矢印で示すように、液送出管(34)を流れ、バッファタンク(BT)を通って加熱熱交換器(HEX3)へ送り込まれる。
【0078】
その後、サブタンク(ST)が空になると、今度は第3タンク加圧電磁弁(SVH3)を閉鎖し、第3タンク減圧電磁弁(SVL3)を開放する。この状態において、サブタンク(ST)は、冷却熱交換器(HEX4)の2次側と連通する。サブタンク(ST)内のガス冷媒は、ガス回収管(32c,32)を通じて冷却熱交換器(HEX4)に吸引され、これによってサブタンク(ST)が減圧される。サブタンク(ST)を減圧すると、流出側液配管(37)を流れる液冷媒の一部がサブタンク(ST)に回収される。つまり、この時には、第3流入側逆止弁(CVL3)が連通状態となり、第3流出側逆止弁(CVH3)が遮断状態となっている。従って、第1又は第2メインタンク(T1,T2)から押し出されて流出側液配管(37)を流れる液冷媒の一部が、液吸引管(35)を通ってサブタンク(ST)へ流入する。
【0079】
以上のようにサブタンク(ST)を加減圧し、加熱熱交換器(HEX3)に対して液冷媒を供給する。供給された液冷媒は、加熱熱交換器(HEX3)を高圧に維持するために利用される。また、サブタンク(ST)を減圧する状態では、バッファタンク(BT)に溜まった液冷媒が加熱熱交換器(HEX3)へ流入する。従って、加熱熱交換器(HEX3)の2次側には、継続的に液冷媒が送り込まれる。
【0080】
上記冷却熱交換器(HEX4)の2次側で凝縮した冷媒は、液戻し管(33)を通じて第1又は第2メインタンク(T1,T2)に戻される。具体的に、第2メインタンク(T2)を減圧する状態では、第1液戻し逆止弁(CVR1)が遮断状態となり、第2液戻し逆止弁(CVR2)が連通状態となる。そして、冷却熱交換器(HEX4)で凝縮した冷媒は、液戻し管(33)及びその第2分岐管(33b)を流れ、上記ガス供給管(31)の第2分岐管(31b)を通って第2メインタンク(T2)へ流入する。逆に、第1メインタンク(T1)を減圧する状態では、第2液戻し逆止弁(CVR2)が遮断状態となり、第1液戻し逆止弁(CVR1)が連通状態となる。そして、冷却熱交換器(HEX4)で凝縮した冷媒は、液戻し管(33)及びその第1分岐管(33a)を流れ、上記ガス供給管(31)の第1分岐管(31a)を通って第1メインタンク(T1)へ流入する。
【0081】
《システム全体の作動》
次に、熱電併給システム(1)の全体の作動について、図1を参照して説明する。発電機(15)では、ガスエンジン(16)が燃料ガスを燃焼して駆動することで、電気エネルギーが発生すると共に、排熱を有する排気ガスが生じる。この排気ガスは、排気管(18)を通って吸収式冷凍装置(10)の再生器(11)の排ガス熱交換器(HEX5)へ供給される。排ガス熱交換器(HEX5)では、上記発電機(15)から供給された排気ガスと、吸収式冷凍装置(10)における1次側回路(5)の吸収溶液との間で熱交換が行われる。その結果、吸収溶液が加熱されて水蒸気が発生し、吸収溶液が濃縮される。排ガス熱交換器(HEX5)を通過して放熱した排気ガスは、外部へ放出される。
【0082】
上記再生器(11)で生成された水蒸気は、凝縮器(12)へ送られる。そして、この水蒸気は、凝縮器(12)において、冷却ファン(19)により供給される空気流により冷却されて凝縮する。凝縮器(12)で凝縮した水は、蒸発器(13)の主熱交換器(HEX2)へ送られる。この主熱交換器(HEX2)では、冷媒である凝縮した水と、利用側回路(20)を循環する2次側冷媒との間で熱交換が行われる。その結果、冷媒である水は、2次側冷媒から吸熱して蒸発する。一方、2次側冷媒は、冷媒により冷却されて凝縮する。
【0083】
上記蒸発器(13)で蒸発した水蒸気は、吸収器(14)へ送られる。吸収器(14)では、水蒸気が吸収溶液に吸収される。このとき、発生する吸収熱は、冷却ファン(19)により供給される空気流により外部へ排出される。そして、吸収器(14)で吸収されて薄くなった吸収溶液は、再び再生器(11)の排ガス熱交換器(HEX5)へ送られる。
【0084】
一方、2次側冷媒は、上記ポンプ回路(30)の駆動により利用側回路(20)で循環する。すなわち、上記蒸発器(13)の主熱交換器(HEX2)で凝縮した2次側の液冷媒は、駆動回路(50)の駆動により、第2主液管(26)を介してポンプ回路(30)のタンク(T1,T2)へ吸引されると共に、ポンプ回路(30)のタンク(T1,T2)に溜められていた液冷媒が押し出されて第1主液管(25)へ供給される。
【0085】
第1主液管(25)を流通する液冷媒は、各室内膨張弁(EV)を通過して減圧され、その後、各室内ユニット(22)の室内熱交換器(HEX1)へそれぞれ送られる。室内熱交換器(HEX1)では、減圧された2次側冷媒と、室内空気との間で熱交換が行われる。その結果、2次側冷媒は蒸発する一方、室内空気は冷却される。
【0086】
各室内熱交換器(HEX1)で蒸発した2次側冷媒は、主ガス配管(24)を通って、再び上記主熱交換器(HEX2)へ送られる。このようにして、発電機(15)で生じる排気ガスを熱源として吸収式冷凍装置(10)が駆動し、該吸収式冷凍装置(10)により生成された冷熱がポンプ回路(30)の駆動により利用側回路(20)を介して室内ユニット(22)へ搬送され、室内の冷房が行われる。
【0087】
−実施形態の効果−
以上説明したように、この実施形態によると、再生器(11)の排ガス熱交換器(HEX5)に、発電機(15)のガスエンジン(16)の排気ガスを直接に供給するようにしたので、その排ガス熱交換器(HEX5)における排気ガスと吸収溶液との間の一回の熱交換によって、上記発電機(15)の排熱を吸収式冷凍装置(10)へ伝えることができる。
【0088】
したがって、熱媒体間での熱交換の回数が少なくなるため、発電機(15)から吸収式冷凍装置(10)への熱搬送における熱損失を低減することができる。その結果、発電機(15)の所定の排熱量に対する吸収式冷凍装置(10)の冷凍能力を増大させることができる。
【0089】
さらに、利用側回路(20)にポンプ(30)を設けて、2次側冷媒を該利用側回路(20)で強制循環させるようにしたので、2次側冷媒を利用側回路(20)で自然循環させるシステムに比べて、利用側ユニットや吸収式冷凍装置などの設置の自由度を向上させることができる。
【0090】
(実施形態2)
図3は、本発明に係る実施形態2を示す。尚、以下の各実施形態では、図1及び図2と同じ部分については同じ符号を付して、その詳細な説明は省略する。
【0091】
この実施形態2では、上記実施形態1のような駆動回路(50)を設ける代わりに、ポンプ回路(30)の加熱熱交換器(HEX3)に吸収式冷凍装置(10)の凝縮器(12)で凝縮した後の液冷媒の熱を供給するようにしている。
【0092】
すなわち、凝縮器(12)と加熱熱交換器(HEX3)とは、第1液管(61)により接続されている。また、加熱熱交換器(HEX3)と主熱交換器(HEX2)とは、第2液管(62)により接続されている。また、図示は省略するが、吸収式冷凍装置(10)の蒸発器(13)と、ポンプ回路(30)の冷却熱交換器(HEX4)とは、冷媒配管で接続されており、蒸発器(13)で生じた冷熱の一部を冷媒により冷却熱交換器(HEX4)へ供給するようにしている。
【0093】
そして、吸収式冷凍装置(10)の凝縮器(12)で凝縮した高温の液冷媒は、第1液管(61)を通って、ポンプ回路(30)の加熱熱交換器(HEX3)へ供給される。加熱熱交換器(HEX3)では、その高温の液冷媒と、ポンプ回路(30)を流れる冷媒との間で熱交換が行われ、高圧のガス冷媒が生成される。一方、冷却熱交換器(HEX4)では、蒸発器(13)からの冷熱が供給されて低圧の液冷媒が生成される。その結果、ポンプ回路(30)が駆動し、2次側冷媒が利用側回路(20)で循環する。
【0094】
したがって、この実施形態2によると、加熱熱交換器(HEX3)では、凝縮器(12)で凝縮した液冷媒の熱により2次側の液冷媒を加熱して高圧のガス冷媒を生成することが可能となる。その結果、2次側冷媒を利用側回路(20)で強制循環させる目的で、発電機(15)により発電された電力を利用しないため、システム全体の省エネルギー化を図ることができる。
【0095】
(実施形態3)
図4は、本発明に係る実施形態3を示す。この実施形態3では、ポンプ回路(30)の加熱熱交換器(HEX3)には、吸収式冷凍装置(10)の排ガス熱交換器(HEX5)を通過した排気ガスの熱が供給されるようになっている。
【0096】
すなわち、排ガス熱交換器(HEX5)と加熱熱交換器(HEX3)とは、排気連絡管(63)により接続されている。また、図示は省略するが、上記実施形態2と同様に、蒸発器(13)と冷却熱交換器(HEX4)とは冷媒配管で接続されており、蒸発器(13)で生じた冷熱の一部を冷却熱交換器(HEX4)へ供給するようにしている。
【0097】
そして、発電機(15)で生じた排気ガスは、排ガス熱交換器(HEX5)において1次側回路(5)の吸収溶液との間で熱交換が行われる。その後、排ガス熱交換器(HEX5)を通過した排気ガスは、排気連絡管(63)を通って加熱熱交換器(HEX3)に供給される。加熱熱交換器(HEX3)では、供給された排気ガスにより、ポンプ回路(30)を流れる冷媒が加熱されて、高圧のガス冷媒が生成される。そして、加熱熱交換器(HEX3)で熱が奪われて比較的低温となった排気ガスは、該加熱熱交換器(HEX3)から外部へ排気される。
【0098】
したがって、この実施形態3によっても、上記実施形態2と同様に、ポンプ回路(30)を駆動させるために、発電機(15)で発電された電力を利用しないため、システムのエネルギー効率を向上させることができる。
【0099】
(実施形態4)
図5は、本発明に係る実施形態4を示す。この実施形態4では、ポンプ回路(30)の加熱熱交換器(HEX3)には、吸収式冷凍装置(10)の凝縮器(12)又は吸収器(14)からの放出熱が供給されるようになっている。
【0100】
すなわち、凝縮器(12)と、ポンプ回路(30)の加熱熱交換器(HEX3)とは、第1連絡管(65)により接続されている。第1連絡管(65)には、第1閉鎖弁(67)が設けられている。第1連絡管(65)には、凝縮器(12)を通過する水蒸気を凝縮させるための冷却水が流通するようになっている。
【0101】
また、吸収器(14)には、第2連絡管(66)の一端が接続され、その他端が上記第1連絡管(65)に合流接続されている。第2連絡管(66)には、第2閉鎖弁(68)が設けられている。第2連絡管(66)には、吸収器(14)を通過する吸収溶液を冷却するための冷却水が流通するようになっている。こうして、上記凝縮器(12)又は吸収器(14)を通過した冷却水を加熱熱交換器(HEX3)へ供給するようにしている。また、図示は省略するが、加熱熱交換器(HEX3)を通過した冷却水を、冷却塔へ送って冷却した後に、再び吸収器(14)及び凝縮器(12)へ戻すようにしている。
【0102】
こうして、凝縮器(12)で昇温した冷却水は、第1閉鎖弁(67)を開放することで、第1連絡管(65)を通って加熱熱交換器(HEX3)へ送られる。一方、吸収器(14)で昇温した冷却水は、第2閉鎖弁(68)を開放することで、第2連絡管(66)を通って加熱熱交換器(HEX3)へ送られる。加熱熱交換器(HEX3)では、供給された冷却水により、ポンプ回路(30)の液冷媒が加熱されて高圧のガス冷媒が生成される。そして、加熱熱交換器(HEX3)で熱が奪われた冷却水は、外部の冷却塔へ送られて冷却された後、吸収器(14)及び凝縮器(12)へ戻る。
【0103】
したがって、この実施形態4によると、吸収式冷凍装置(10)の吸収サイクルで利用されていない凝縮器(12)又は吸収器(14)の熱を、利用側回路(20)における2次冷媒の搬送に有効に利用することができる。その結果、2次側冷媒を利用側回路(20)で強制循環させる目的で、発電機(15)により発電された電力を利用しないため、システム全体の省エネルギー化を図ることができる。
【0104】
(実施形態5)
図6は、本発明に係る実施形態5を示す。この実施形態5では、ポンプ(30)は、吸入した液冷媒を吐出する冷媒液ポンプ(30)に構成されている。
【0105】
すなわち、主熱交換器(HEX2)の出口と、冷媒液ポンプ(30)の吸入口とは、第2主液管(26)により接続されている。一方、冷媒液ポンプ(30)の吐出口には、第1主液管(25)の一端が接続されている。また、利用側回路(20)の2次側冷媒には、冷媒液ポンプ(30)の潤滑油が含まれている。
【0106】
こうして、発電機(15)で発電された電力が冷媒液ポンプ(30)に供給され、該冷媒液ポンプ(30)が駆動する。その結果、主熱交換器(HEX2)で冷却された2次側の液冷媒は、第2主液管(26)を介して冷媒液ポンプ(30)に吸い込まれる一方、第1主液管(25)に吐出される。吐出された液冷媒は、室内膨張弁(EV)を介して各室内ユニット(22)へ送られ、冷房に利用される。その後、2次側冷媒は、主ガス配管(24)、主熱交換器(HEX2)及び第2主液管(26)を介して再び冷媒液ポンプへ吸引される。このとき、冷媒液ポンプ(30)の潤滑油は、2次側冷媒と共に利用側回路(20)を循環する。
【0107】
したがって、この実施形態5によると、簡単な構成である冷媒液ポンプ(30)によって利用側回路(20)の2次側冷媒を循環させることが可能となる。
【0108】
さらに、上記潤滑油が2次側冷媒と共に利用側回路(20)を循環するため、仮に、冷媒液ポンプ(30)内に、気相状態の冷媒が吸引されたとしても、該冷媒液ポンプ(30)の摺動部分の焼き付きや摩耗を防止することができる。
【0109】
(実施形態6)
図7は、本発明に係る実施形態6を示す。この実施形態6では、ポンプ(30)は、吸入したガス冷媒を吐出する冷媒ガスポンプ(30)に構成されている。
【0110】
すなわち、この実施形態では、主ガス配管(24)は、第1主ガス配管(24a)と第2主ガス配管(24b)とにより構成されている。第1主ガス配管(24a)の一端は、分岐しており、上記室内ユニット(22)の各室内熱交換器(HEX1)にそれぞれ接続されている。第1主ガス配管(24b)の他端は、冷媒ガスポンプ(30)の吸入口に接続されている。一方、冷媒ガスポンプ(30)の吐出口と、主熱交換器(HEX2)の入口とは、第2主ガス配管(24b)により接続されている。また、第1主液管(25)と第2主液管(26)とは直接に接続されている。
【0111】
こうして、冷媒ガスポンプ(30)は、発電機(15)からの電力が供給されて駆動する。その結果、室内熱交換器(HEX1)で吸熱した2次側のガス冷媒は、第1主ガス配管(24a)を介して冷媒ガスポンプ(30)に吸い込まれる。吸い込まれたガス冷媒は、第2主ガス配管(24b)に吐出されて主熱交換器(HEX2)へ送られる。その後、2次側冷媒は、第2主液管(26)、第1主液管(25)、室内膨張弁(EV)及び室内熱交換器(HEX1)を介して再び冷媒ガスポンプ(30)へ吸引される。
【0112】
したがって、この実施形態6によると、冷媒ガスポンプ(30)の駆動により、蒸発器(13)の主熱交換器(HEX2)における2次側の冷媒圧力を高くして、2次側冷媒の凝縮温度を高くすることができる。その結果、主熱交換器(HEX2)における1次側冷媒の蒸発を促進させることができる。つまり、吸収式冷凍装置(10)の吸収サイクルの効率を、液ポンプを設ける場合に比べて向上させることができる。さらに、吸収式冷凍装置(10)の冷媒圧力が低下するため、装置の小型化を図ることができる。
【0113】
(実施形態7)
図8は、本発明に係る実施形態7を示す。この実施形態7では、発電機(15)は、ガスタービン発電機(15)であって、吸収式冷凍装置(10)は、ガスタービン発電機(15)へ吸入される空気を冷却するように構成されている。
【0114】
すなわち、発電機(15)は、ガスタービン(16)を備えている。ガスタービン(16)は、圧縮機(71)と、燃焼器(72)と、タービン部(73)とを備えている。燃焼器(72)の入口には、燃料供給管(75)の一端が接続されている。圧縮機(71)の出口には、空気供給管(76)の一端が接続されており、その他端は、上記燃料供給管(75)に合流接続されている。また、燃焼器(72)の出口とタービン部(73)の入口とは、ガス通路(77)により接続されている。タービン部(73)の出口と、吸収式冷凍装置(10)の排ガス熱交換器(HEX5)の入口とは、排気管(18)により接続されている。
【0115】
ところで、上記各実施形態では、複数の室内ユニット(22)を配設するようにしていたが、この実施形態では、複数の室内ユニット(22)を設けると共に、タービン吸気冷却器(80)を設けるようにしている。タービン吸気冷却器(80)は、ガスタービン(16)へ供給する空気と、利用側回路(20)の2次側冷媒との間で熱交換を行うための熱交換器(HEX6)を備えている。
【0116】
具体的に、第1主液管(25)の分岐している一端に、上記熱交換器(HEX6)の入口が接続されている。この第1主液管(25)の分岐部分には、膨張弁(EV)が設けられている。一方、熱交換器(HEX6)の出口には、分岐している主ガス配管(24)の一端が接続されている。
【0117】
さらに、熱交換器(HEX6)には、外部から取り入れられた空気が流通する第1空気通路(81)の一端が接続されている。また、タービン吸気冷却器(HEX6)とガスタービン(16)の圧縮機(71)とは、第2空気通路(82)により接続されている。
【0118】
こうして、外部の空気は、第1空気通路(81)を介してタービン冷却器(80)の熱交換器(HEX6)へ導入される。導入された空気は、利用側回路(20)の2次側冷媒との間で熱交換が行われて冷却される。熱交換器(HEX6)で冷却された空気は、第2空気通路(82)を通って、ガスタービン(16)の圧縮機(71)へ供給される。吸入空気は、圧縮機(71)で圧縮され、空気供給管(76)を介して燃焼器(72)へ供給される。
【0119】
一方、燃焼器(72)では、燃料供給管(75)を介して供給される燃焼用ガスと、空気供給管(76)を介して供給される冷却吸入空気とが混合されて燃焼する。この燃焼ガスは、ガス通路(77)を通ってタービン部(73)へ送られる。タービン部(73)では、燃焼ガスが膨張して仕事をし、燃焼後の排気ガスが排気管(18)を介して、吸収式冷凍装置(10)の再生器(11)へ供給される。このことにより、吸収式冷凍装置(10)は、上記排気ガスを熱源として駆動し、利用側回路(20)において、室内ユニット(22)と共にタービン吸気冷却器(80)が作動する。
【0120】
したがって、この実施形態7によると、吸収式冷凍装置(10)から生じる冷熱の一部がガスタービン(16)へ吸入される空気を冷却するため、室外の気温が比較的高いときであっても、吸入空気の温度上昇を低減して、発電機(15)の出力や発電効率の低下を抑制することができる。
【0121】
尚、請求項1に係る発明の他の実施形態としては、吸収式冷凍装置(10)内の配管の接続状態を切り換え、吸収器(14)や蒸発器(13)を凝縮器として使用することで生成される温熱や、再生器(11)の冷媒蒸気と熱交換した媒体の温熱を、室内ユニット(22)へ供給するように構成してもよい。さらに、利用側回路(20)に切換機構を設けて、室内の冷房と暖房とを行うようにしてもよい。つまり、吸収式冷凍装置(10)内の配管系統及び利用側回路(20)を、吸収式冷凍装置(10)より生じる冷熱又は温熱を室内ユニット(22)へ搬送するように構成してもよい。
【0122】
そのとき、発電機(15)からの排気ガスを吸収式冷凍装置(10)の再生器(11)へ直接に供給すると共に、利用側回路(20)で冷媒を強制循環させるようにしたので、該利用側回路(20)は冷房回路と暖房回路とを兼ねることができる。
【0123】
その結果、冷媒を利用側回路で自然循環させる場合のように、利用側回路を、別個に設けられた冷房専用の回路と、暖房専用の回路との2つの回路により構成する必要がないため、利用側回路の構成を簡単にすることができる。
【0124】
また、上記各実施形態における吸収式冷凍装置(10)は、1つの再生器(11)を備えるいわゆる1重効用のものとしたが、低温再生器、高温再生器、高温溶液熱交換器及び低温溶液熱交換器を備えた2重効用の吸収式冷凍装置としてもよい。
【0125】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に係る発明によると、吸収式冷凍装置の再生器は、発電機を駆動する内燃機関の排気ガスが直接に供給されると共に、排気ガスと再生器の吸収溶液との間で熱交換を行うための排ガス熱交換器を備えることにより、再生器の吸収溶液が、発電機の排気ガスにより直接に加熱されるため、熱媒体間の熱交換に伴う熱損失を低減させることが可能となる。その結果、発電機の所定の排熱量に対する吸収式冷凍装置の冷凍能力を増大させることができる。
【0126】
請求項2に係る発明によると、利用側回路に、冷媒を強制循環させるためのポンプを設けることにより、冷媒を利用側回路で自然循環させるものに比べて、利用側ユニットや吸収式冷凍装置などの設置の自由度を向上させることができる。
【0127】
請求項3に係る発明によると、ポンプを、吸入した液冷媒を吐出する冷媒液ポンプとすることにより、簡単な構成である冷媒液ポンプによって利用側回路の熱媒体を循環させることが可能となる。
【0128】
請求項4に係る発明によると、利用側回路の冷媒には、冷媒液ポンプの潤滑油が含まれていることにより、潤滑油が冷媒と共に冷媒液ポンプに吸引されるため、仮に、冷媒液ポンプ内に、気相状態の冷媒が吸引されたとしても、ポンプの摺動部分の焼き付きや摩耗を防止することができる。
【0129】
請求項5に係る発明によると、ポンプは、液冷媒を溜めるためのタンクと、液冷媒を加熱して高圧のガス冷媒を生成する高圧部と、ガス冷媒を冷却して低圧の液冷媒を生成する低圧部とを備え、タンクを高圧部に連通させて加圧することによりタンク内から液冷媒を押し出す一方、タンクを低圧部に連通させて減圧することによりタンク内に液冷媒を吸引するように構成することにより、タンク内を高圧部に連通して加圧することで、タンク内の液冷媒を外部の利用側回路へ押し出すことができる。一方、タンクが低圧部に連通して減圧することで、外部の利用側回路の冷媒をタンク内へ吸引することができる。その結果、冷媒を利用側回路で循環させることができる。
【0130】
請求項6に係る発明によると、ポンプの高圧部に、吸収式冷凍装置の凝縮器又は吸収器からの放出熱を供給することにより、高圧部では、その放出熱により液冷媒を加熱して高圧のガス冷媒を生成することが可能となる。その結果、2次側冷媒を利用側回路で強制循環させる目的で、発電機により発電された電力を利用しないため、システム全体の省エネルギー化を図ることができる。
【0131】
請求項7に係る発明によると、ポンプの高圧部に、吸収式冷凍装置の凝縮器で凝縮した後の液冷媒の熱を供給することにより、凝縮器で凝縮した液冷媒は凝縮熱の一部を保有しているので、高圧部では、その凝縮器からの液冷媒の熱によって高圧のガス冷媒を生成することができる。
【0132】
請求項8に係る発明によると、ポンプの高圧部に、吸収式冷凍装置の排ガス熱交換器を通過した排気ガスの熱を供給することにより、発電機の排気ガスは、排ガス熱交換器を通過した後であっても比較的大きな熱量を有しているので、高圧部では、その排ガス熱交換器を通過した排気ガスの熱によって高圧のガス冷媒を生成することができる。
【0133】
請求項9に係る発明によると、利用側回路の熱媒体を相変化する冷媒とする一方、ポンプを、吸入したガス冷媒を吐出する冷媒ガスポンプとすることにより、利用側回路が吸収式冷凍装置の蒸発器に接続されている場合には、蒸発器の2次側の冷媒圧力が高くなるため、蒸発器の1次側で冷媒が蒸発し易くなる。一方、利用側回路が吸収式冷凍装置の凝縮器に接続されている場合には、凝縮器の2次側の冷媒圧力が低くなるため、凝縮器の1次側で冷媒が凝縮し易くなる。その結果、吸収式冷凍装置における吸収サイクルの効率を、液ポンプを設ける場合に比べて向上させることができる。さらに、吸収式冷凍装置の冷媒圧力が低下するため、装置の小型化を図ることができる。
【0134】
請求項10に係る発明によると、発電機はガスタービン発電機であって、吸収式冷凍装置を、ガスタービン発電機へ吸入される空気を冷却するように構成することにより、吸収式冷凍装置から生じる冷熱の一部がガスタービン発電機へ吸入される空気を冷却するため、発電機の出力の低下を防止することができる。
【0135】
請求項11に係る発明によると、吸収式冷凍装置の吸収器及び凝縮器の熱媒体を空気により冷却するように構成することで、冷却水や水配管を不要としてメンテナンスを容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1に係る熱電併給システムを示す配管系統図である。
【図2】実施形態1に係るポンプ回路を示す回路図である。
【図3】実施形態2に係る熱電併給システムを示す配管系統図である。
【図4】実施形態3に係る熱電併給システムを示す配管系統図である。
【図5】実施形態4に係る熱電併給システムを示す配管系統図である。
【図6】実施形態5に係る熱電併給システムを示す配管系統図である。
【図7】実施形態6に係る熱電併給システムを示す配管系統図である。
【図8】実施形態7に係る熱電併給システムを示す配管系統図である。
【符号の説明】
(1)   熱電併給システム
(10) 吸収式冷凍装置
(11) 再生器
(12) 凝縮器
(14) 吸収器
(15) 発電機
(16) ガスエンジン、ガスタービン(内燃機関)
(20) 利用側回路(2次側回路)
(22) 室内ユニット(利用側ユニット)
(30) ポンプ回路、冷媒液ポンプ、冷媒ガスポンプ(ポンプ)
(T1) 第1メインタンク
(T2) 第2メインタンク
(HEX3) 加熱熱交換器(高圧部)
(HEX4) 冷却熱交換器(低圧部)
(HEX5) 排ガス熱交換器
【出願人】 【識別番号】000002853
【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
【住所又は居所】大阪府大阪市北区中崎西2丁目4番12号 梅田センタービル
【出願日】 平成14年7月25日(2002.7.25)
【代理人】 【識別番号】100077931
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 弘

【識別番号】100094134
【弁理士】
【氏名又は名称】小山 廣毅

【識別番号】100110939
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 宏

【識別番号】100110940
【弁理士】
【氏名又は名称】嶋田 高久

【識別番号】100113262
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 祐二

【識別番号】100115059
【弁理士】
【氏名又は名称】今江 克実

【識別番号】100115510
【弁理士】
【氏名又は名称】手島 勝

【識別番号】100115691
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 篤史

【公開番号】 特開2004−60459(P2004−60459A)
【公開日】 平成16年2月26日(2004.2.26)
【出願番号】 特願2002−216062(P2002−216062)