| 【発明の名称】 |
自動車用排熱回収装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】村田 清仁 【住所又は居所】愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動車株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】小型化を可能とし、排気浄化と排熱回収の両方を効率よく行うことが可能な排熱回収装置を提供する。
【解決手段】シリンダ10内にディスプレーサーピストン11とパワーピストン12を備え、発電機2を駆動するスターリングエンジンは、リジェネレータ3に接続される熱交換器5が排ガス流路6内に配置されており、この熱交換器5の排ガス流路6内の露出表面に三元触媒が配置されている。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 自動車に搭載される内燃機関の排気系に配置される排熱回収装置であって、 排気を熱源とするスターリングエンジンを備え、前記スターリングエンジンの熱交換部に排気浄化触媒を配置している自動車用排熱回収装置。 【請求項2】 前記熱交換部は、排気通路が折り返し構造とされている請求項1記載の自動車用排熱回収装置。 【請求項3】 前記熱交換部は、排気との熱交換面積を増大させるフィンを備えている請求項1または2に記載の自動車用排熱回収装置。 【請求項4】 前記熱交換部は、多孔質体によって形成されている請求項1〜3のいずれかに記載の自動車用排熱回収装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】 本発明は、自動車に搭載される内燃機関の排熱を回収する排熱回収装置に関する。 【0002】 【従来の技術】 自動車に搭載される内燃機関は、熱エネルギーの約3割が排気ガスの熱エネルギーとして捨てられているのが実状である。そこで、自動車の燃費、効率を向上させるためには、排気ガスのエネルギー(排熱)を回収することが有効と考えられる。定置式のコジェネレーションシステムなどにおいては、熱交換器を利用した排熱回収装置が広く用いられている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】 ところが、自動車においては、エンジンルームのスペースが限られており、一般的な熱交換器を利用した排熱回収装置を配置することが困難である。また、排気系には排気浄化装置が設置されるが、排気浄化装置と排熱回収装置とも効率良く作動する排気温度の範囲が限定されるので、その配置関係、運転条件の設定が難しく、実用化が進んでいない。 【0004】 そこで本発明は、小型化を可能とし、排気浄化と排熱回収の両方を効率よく行うことが可能な排熱回収装置を提供することを課題とする。 【0005】 【課題を解決するための手段】 上記課題を解決するため、本発明に係る排熱回収装置は、内燃機関の排気系に配置される排熱回収装置であって、排気を熱源とするスターリングエンジンを備え、このスターリングエンジンの熱交換部に排気浄化触媒を配置しているものである。 【0006】 スターリングエンジンを用いることで、排気系に配置することで排熱を回収することが可能である。そして、スターリングエンジンの熱交換部に排気浄化触媒を配置して、排熱回収装置と排気浄化装置を一体化することにより、両者を別々に設ける場合に比べて全体をコンパクトな構成とすることができる。スターリングエンジンの性能は熱交換面積の大小に左右されるが、排気浄化触媒が一体化されていることでこの部分の大きさを確保しつつ、装置全体をコンパクトにすることが可能となる。また、触媒の温度制御が容易になる。 【0007】 この熱交換部は、排気通路が折り返し構造とされていることが好ましい。これにより、排気との熱交換面積を確保することができる。 【0008】 また、熱交換部は、排気との熱交換面積を増大させるフィンを備えているとよい。あるいは、この熱交換部は、多孔質体によって形成されていることが好ましい。このようにすると、排気との熱交換面積をより増大させることが可能となる。 【0009】 【発明の実施の形態】 以下、添付図面を参照して本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の参照番号を附し、重複する説明は省略する。 【0010】 (第1の実施形態) 図1は本発明に係る自動車用排熱回収装置の第1の実施形態を示す概略構成図であり、図2は、そのII−II線断面図である。この排熱回収装置100は、図示していないエンジンの排気ポートに接続されるものであって、スターリングエンジンシステムを構成している。 【0011】 具体的には、密封容器であるシリンダ10内には、往復駆動するディスプレーサーピストン11とパワーピストン12が同軸で配置されており、それぞれコンロッド13、14を介してクランク軸15に接続されている。密封容器内には作動流体として高圧のヘリウムガスが貯留されている。クランク軸15は発電機2に接続されている。シリンダ10の筒壁のクランク軸15と反対の側にはリジェネレータ3がリジェネレータ3よりクランク軸15よりにはクーラー4が配置され、クーラー4には外部から冷却水が供給されている。排ガス流路6中には、熱交換器5が配置されており、この熱交換器は内部に熱媒体を流動させるパイプ50とパイプ50と一体化されたフィン51で構成されており(図2参照)、パイプ50はリジェネレータ3に接続され、熱媒体を循環させる構成となっている。そして、フィン51には排気浄化用の三元触媒が塗布されている。 【0012】 次に、この排熱回収装置の動作を説明する。触媒温度が低い、つまり、フィン51の表面温度が低い場合には、クランク軸15をロックしてスターリングシステムの作動を停止させる。これにより、フィン51表面に塗布された触媒の昇温を促す。 【0013】 触媒温度が高い場合には、触媒温度を低下させるため、クランク軸15のロックを解除して、スターリングシステムを作動させる。ディスプレーサーピストン11とシリンダ10の筒壁との間には隙間があり、ディスプレーサーピストン11がシリンダ10内で図中左側に位置している際には、シリンダ10内のヘリウムガスはリジェネレータ3によって加熱されて膨張し、パワーピストン5をシリンダ10内で図の左方向に移動させる。一方、ディスプレーサーピストン11が図1に示すようにシリンダ10内で右側に位置している際には、シリンダ10内のヘリウムガスはクーラー4によって冷却されて収縮し、パワーピストン5をシリンダ10内で図の右方向に移動させる。パワーピストン5の往復運動はコンロッド14を介してクランク軸15に伝えられ、発電機2を回転させて電気エネルギーが得られる。クランク軸15の回転はまた、コンロッド13を介してディスプレーサーピストン11に伝えられ、これを往復駆動させる。このようにして排気の熱エネルギーを利用して発電を行うことで熱エネルギーの回収が図れる。また、触媒を熱交換器として利用することで、触媒の過熱を抑制することができ、エミッションの劣化を抑制できる。また、高速運転時等の高負荷時の触媒過熱防止策として、従来排気温度を下げるために行われてきた燃料リッチ制御が不要となるため、高速燃費が向上する効果も得られる。 【0014】 また、排気浄化装置(三元触媒)と排熱回収装置とが一体化されているため、装置全体のコンパクト化が図れ、エンジンの排気ポートに近接して配置することができるので、排気浄化性能、排熱回収効率の両者を向上させることができる。 【0015】 (第2の実施形態) 図3は、本発明に係る自動車用排熱回収装置の第2の実施形態を示す概略構成図であり、図4がそのIV−IV線断面図、図5がV−V線断面図である。この第2実施形態においては、2気筒のスターリングエンジンがエンジンの排気ポートに近接して配置されている。このようにスターリングエンジンを多気筒化しても、排気浄化装置と排熱回収装置を一体化させてコンパクト化しているため、エンジンに近接して配置することが可能となり、搭載性が向上する。そして、エンジン1の排気ポートに近接して配置することで、運転初期における触媒の昇温性を向上させることができる。一方、排気ポートに近接して触媒を配置すると、高負荷時に高温の排ガスが流入するが、本実施形態では第1の実施形態と同様に、スターリングエンジンの駆動により、触媒の冷却が可能であるため、従来のような触媒過熱を心配する必要がない。 【0016】 (第3の実施形態) 図6は、本発明に係る自動車用排熱回収装置の第3の実施形態を示す概略構成図である。この実施形態は、基本的には第1の実施形態と同一であり、熱交換器5の構造のみが第1の実施形態と異なっている。具体的には、この実施形態では、熱交換器5はSiC等によって形成された多孔質性の内側円筒52とこの内側円筒の一端と外側を包み込む外側円筒53を有し、パイプ50がこの円筒52、53内に配置されている。 【0017】 このような構成とすることで、第1の実施形態では、フィン51のフィン方向に沿って流動していた排ガスは、この第3の実施形態では、熱交換器5の内側円筒部52に導入されて軸方向に流れた後、外側円筒部53に導入され、軸方向に逆方向に流動して排出される。つまり、触媒の表面積を大きくし、熱交換面積を増大させ、かつ、排ガス流路を折り返し構造とすることで、熱交換器内の排ガス流路を長くとることができるため、熱交換効率が増大し、回収エネルギー量を増大させることができるとともに、触媒冷却能力が向上する。その結果、熱交換器をコンパクト化することができる。 【0018】 (第4の実施形態) 図7は、本発明に係る自動車用排熱回収装置の第4の実施形態を示す概略構成図であり、図8がそのVIII−VIII線断面図である。この実施形態も基本的には第1の実施形態と同一であり、熱交換器5の構造のみが第1〜第3の実施形態と異なっている。具体的には、この実施形態では、熱交換器5のフィン54がパイプ51および排ガス流動方向に直交して配置される金属プレートからなり、このプレート54には排ガスが導通するための多数の空孔54aが配置されている点が相違する。そして、このプレート54表面に三元触媒が担持されている。 【0019】 この実施形態においても第1の実施形態と同様の効果が得られる。 【0020】 (第5の実施形態) 図9は、本発明に係る自動車用排熱回収装置の第5の実施形態を示す概略構成図であり、図10はその熱交換部をX方向からみた図である。この実施形態も基本的には第1の実施形態と同一であり、熱交換器5の構造のみが第1〜第4の実施形態と異なっている。具体的には、この実施形態では、熱交換器5はパイプ50を多層化した多層パイプ群から構成されている。そして、各パイプ50をらせん状に形成することで、パイプ50の密集配置を可能としている。このパイプ50の表面に三元触媒を塗布、蒸着等により配置することで、触媒の温度管理がさらに容易になる利点もある。そして、フィン等が存在しないので、熱交換器5をそれだけ小型化することができ、装置全体のコンパクト化が図れる。 【0021】 以上の説明では、スターリングエンジン部分の構成をほぼ同一としたが、スターリングエンジン部分については各種の構成を採用することができる。いずれの場合でも熱源として排気ガスを用い、排気との熱交換部に三元触媒、その他の排気浄化触媒を配置する点は共通させる必要がある。 【0022】 【発明の効果】 以上説明したように本発明によれば、熱交換部に排気浄化触媒を配置したスターリングエンジンシステムを排気系に配置するので、排気浄化装置と排熱回収装置を一体化してコンパクト化が図れる。また、スターリングエンジンシステムの作動により排気浄化触媒を冷却できるため、従来のようにエンジンの排気温度を低下させるための燃料リッチ制御が不要となり、燃費向上が図れる。さらに、排気浄化触媒をエンジンの排気ポートに近接して配置することができるので、搭載性が向上し、また、熱回収効率を向上させることができ、触媒の昇温性能も向上する。 【図面の簡単な説明】 【図1】本発明に係る自動車用排熱回収装置の第1の実施形態を示す概略構成図である。 【図2】図1のII−II線断面図である。 【図3】本発明に係る自動車用排熱回収装置の第2の実施形態を示す概略構成図である。 【図4】図3のIV−IV線断面図である。 【図5】図3のV−V線断面図である。 【図6】本発明に係る自動車用排熱回収装置の第3の実施形態を示す概略構成図である。 【図7】本発明に係る自動車用排熱回収装置の第4の実施形態を示す概略構成図である。 【図8】図7のVIII−VIII線断面図である。 【図9】本発明に係る自動車用排熱回収装置の第5の実施形態を示す概略構成図である。 【図10】図9の熱交換部をX方向からみた図である。 【符号の説明】 2…発電機、3…リジェネレータ、4…クーラー、5…熱交換器、6…排ガス流路、10…シリンダ、11…ディスプレーサーピストン、12…パワーピストン、13、14…コンロッド、15…クランク軸、50…パイプ、51、54…フィン、52…内側円筒、53…外側円筒、100…排熱回収装置。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000003207 【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社 【住所又は居所】愛知県豊田市トヨタ町1番地
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| 【出願日】 |
平成14年7月3日(2002.7.3) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100088155 【弁理士】 【氏名又は名称】長谷川 芳樹
【識別番号】100089978 【弁理士】 【氏名又は名称】塩田 辰也
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| 【公開番号】 |
特開2004−36499(P2004−36499A) |
| 【公開日】 |
平成16年2月5日(2004.2.5) |
| 【出願番号】 |
特願2002−195148(P2002−195148) |
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