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【発明の名称】 コジェネレーションプラントの制御装置
【発明者】 【氏名】鈴木 俊太郎
【住所又は居所】神奈川県横浜市磯子区新中原町1番地 石川島播磨重工業株式会社横浜エンジニアリングセンター内

【氏名】中村 恵子
【住所又は居所】神奈川県横浜市磯子区新中原町1番地 石川島播磨重工業株式会社横浜エンジニアリングセンター内

【氏名】村山 茂樹
【住所又は居所】神奈川県横浜市磯子区新中原町1番地 石川島播磨重工業株式会社横浜エンジニアリングセンター内

【要約】 【課題】熱エネルギの利用効率を高めるコジェネプラントの制御装置を提供する。

【解決手段】電気と蒸気との出力配分を任意に設定できる熱電可変型のコジェネレーションユニットを1乃至複数台備え、電気及び蒸気の需要を予測し、その予測を満たすよう運転台数及び出力配分を計画して上記コジェネレーションユニット3を運転するコジェネレーションプラントにおいて、上記蒸気需要予測に基づき昼時間帯中に蓄熱装置から取り出すべき蒸気総量を求め、この蒸気総量に見合う蓄熱目標量を昼時間帯開始時刻までに蓄熱装置4に蓄熱する制御手段1を備えた。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気と蒸気との出力配分を任意に設定できる熱電可変型のコジェネレーションユニットを1乃至複数台備え、電気及び蒸気の需要を予測し、その予測を満たすよう運転台数及び出力配分を計画して上記コジェネレーションユニットを運転するコジェネレーションプラントにおいて、上記蒸気需要予測に基づき昼時間帯中に蓄熱装置から取り出すべき蒸気総量を求め、この蒸気総量に見合う蓄熱目標量を昼時間帯開始時刻までに蓄熱装置に蓄熱する制御手段を備えたことを特徴とするコジェネレーションプラントの制御装置。
【請求項2】
上記制御手段は、昼時間帯開始時刻以前に、蒸気需要より多い蒸気を出力するよう上記コジェネレーションユニットを運転してその余剰分を蓄熱装置に蓄熱し、昼時間帯開始時刻以後は、コジェネレーションユニットからの出力蒸気と蓄熱装置から取り出す蒸気とにより蒸気需要を満たし、昼時間帯終了時刻までに蓄熱装置の熱を使いきることを特徴とする請求項1記載のコジェネレーションプラントの制御装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱電可変型のコジェネレーションユニットから電力及び蒸気を出力するコジェネレーションプラントに係り、特に、熱エネルギの利用効率を高めるコジェネレーションプラントの制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
蒸気噴射型ガスタービン(以下、ガスタービンという)を主機とし、そのガスタービンの排熱を利用して蒸気を発生させる排熱回収ボイラを付加して構成された熱電可変型のコジェネレーションユニット(以下、コジェネユニットという)は、排熱回収ボイラからの蒸気をガスタービンに入力することによって発電効率(発電能力)を上げることができるので、単に電力と蒸気とを並行して出力するだけでなく、それぞれの出力量を複合的に調節することができる。
【0003】
図4に示されるように、コジェネユニットは、蒸気噴射型ガスタービン50と排熱回収ボイラ51とから構成され、蒸気噴射型ガスタービン50では、給気をコンプレッサ53で圧縮して燃焼室54に送り、燃焼室54に供給された燃料を燃焼させてタービン55を駆動し、発電機Gによる発電を行い、タービン55からの燃焼排ガスを排熱回収ボイラ51に供給して熱回収し、排熱回収ボイラ51に給水して得られた蒸気を需要先につながる配管58に送ると共に、その蒸気の一部を噴射蒸気として燃焼室54に供給し、またノズル56を介して圧縮空気と共にタービン55に供給する。
【0004】
このようにコジェネユニットは、排熱回収ボイラから発生した蒸気の一部をガスタービンに噴射することにより発電効率を上げるものであり、同じ量の燃料を消費するという入力条件(例えば、定格運転)のもとで電気と蒸気との出力配分を任意に設定して電力量と蒸気量とを調整することができる。
【0005】
本出願人は、先に特願平2000−21820号において、1乃至複数台のコジェネユニットを備えたコジェネレーションプラント(以下、コジェネプラントという)を提案した。このコジェネプラントでは、個々のコジェネユニットを制御する個別制御装置の上位に統括制御装置を設けて、各個別制御装置に指令を出すようになっている。詳しくは、上記文献に記載されているとおりであるが、要約すると、統括制御装置は、電気及び蒸気の需要を予測する需要予測部(文献では、需要計画部)と、その需要予測をミニマムコストで満たすよう運転台数及び出力配分を計画する運転計画部(文献では、最適運用計算部)とを備える。
【0006】
電力需要は、平日昼間に顕著であるが、夜間や休日でも需要のあるところが多い。これに対して電力会社の料金システムでは、昼間と夜間とで時間あたりの単価が異なるのが一般的である。例えば、ある電力会社では平日の朝8時から22時(この時間帯を昼間と呼ぶ)は、昼間料金であり時間あたりの単価が高く、平日夜間及び休日は夜間料金であり時間あたりの単価が安い。一方、蒸気需要は、平日昼間に顕著であり、夜間や休日には無いところが多い。従来のコジェネプラントでは、燃料費用などのコジェネユニットの運転コストに加えて受電の使用料金も考慮した運転コストを最小とするように運転計画をたてているが、時間帯で単価が異なるので、運転計画も時間帯を考慮したものとなる。従って、平日の運転計画は、通常は、蒸気需要も電力需要も高く、使用料金の高い昼間にコジェネユニットを運転し、蒸気需要が無く、使用料金の安い夜間にはコジェネユニットの運転を停止するか発電のみで運転するものとなる。
【0007】
しかし、このように夜間にコジェネユニットの運転を停止する方式は、コジェネユニットが効率良く活用されていないといえる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、熱に関しては電力よりも蓄積が容易であるため、蓄熱装置を設置して熱需要が少ないときに蓄熱し、需要が多いときに熱を放出するコジェネプラントも考案されている。特開平5−240590号公報に記載された発明では、発電機の排熱を回収して需要先へ供給し、その回収熱量が熱需要より大きいときに蓄熱装置に蓄熱し、回収熱量が熱需要に満たないときに蓄熱装置から需要先へ払い出して、この払い出し熱量と回収熱量とで熱需要を満すようになっている。
【0009】
しかし、この公報の方式は、発電機の発電量と排熱量とが常に一定の比率であるため、発電をしないで蓄熱だけをすることができないし、回収熱量が熱需要に満たず、かつ蓄熱装置からも熱が得られないときには、熱供給専用のボイラを必要とする。しかも、余った熱は廃棄するしかない。
【0010】
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、熱エネルギの利用効率を高めるコジェネプラントの制御装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明は、電気と蒸気との出力配分を任意に設定できる熱電可変型のコジェネレーションユニットを1乃至複数台備え、電気及び蒸気の需要を予測し、その予測を満たすよう運転台数及び出力配分を計画して上記コジェネレーションユニットを運転するコジェネレーションプラントにおいて、上記蒸気需要予測に基づき昼時間帯中に蓄熱装置から取り出すべき蒸気総量を求め、この蒸気総量に見合う蓄熱目標量を昼時間帯開始時刻までに蓄熱装置に蓄熱する制御手段を備えたものである。
【0012】
上記制御手段は、昼時間帯開始時刻以前に、蒸気需要より多い蒸気を出力するよう上記コジェネレーションユニットを運転してその余剰分を蓄熱装置に蓄熱し、昼時間帯開始時刻以後は、コジェネレーションユニットからの出力蒸気と蓄熱装置から取り出す蒸気とにより蒸気需要を満たし、昼時間帯終了時刻までに蓄熱装置の熱を使いきってもよい。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を添付図面に基づいて詳述する。
【0014】
図1に示されるように、本発明に係るコジェネプラントの制御装置は、蒸気需要予測に基づき需要が多い昼時間帯中に蓄熱装置から取り出すべき蒸気総量を求め、この蒸気総量に見合う蓄熱目標量を需要が少ない夜時間帯中に(遅くとも昼時間帯開始時刻までに)、蓄熱装置に蓄熱する制御手段1を備える。なお、蒸気に関する昼時間帯・夜時間帯の区分と、電力会社料金システムにおける昼間・夜間の区分とは同じではない。3は、図4で説明したコジェネユニットである。4は、従来より知られている蓄熱装置である。
【0015】
この制御手段1は、前述した文献;特願平2000−21820号に記載されているコジェネプラントの統括制御装置2に組み込むことができる。図2は、そのコジェネプラントの構成図であり、統括制御装置2など各部の符号は変えてあるが、各部に従来からある機能は文献に記載のとおりであるので、ここでは説明を省略する。
【0016】
制御手段1は、熱需要予測部5、電力需要予測部6、熱需要積算部7、熱供給パターン生成部8、運転計画部9からなる。
【0017】
熱需要予測部5は、蒸気の需要を予測して時系列化した将来の蒸気需要パターン(熱需要パターンともいう)を生成するものである。電力需要予測部6は、電力の需要を予測して時系列化した将来の電力需要パターンを生成するものである。図2では、熱需要予測部5と電力需要予測部6は、需要計画部にあたる。これら熱需要予測部5、電力需要予測部6が実行する予測アルゴリズムは公知のものである。
【0018】
熱需要積算部7は、蒸気需要予測による需要パターンを積分して蒸気総量を求めることができる。昼時間帯開始時刻から昼時間帯終了時刻までを積分期間とし、蒸気需要から所定値(コジェネユニットから出力するべき蒸気量)を減じた値を積分することにより、昼時間帯中に蓄熱装置4から取り出すべき蒸気総量を求めることができる。
【0019】
熱供給パターン生成部8は、蒸気需要のパターンが満たされるように、コジェネユニットの蒸気出力パターン、蓄熱装置の蓄熱/出力パターン(これらを総称して熱供給パターンという)を生成するものである。
【0020】
運転計画部9は、電力需要パターンと熱供給パターンとに基づき運転台数及び出力配分を計画して出力指令を生成するものであり、図2では、最適運用計算部にあたる。
【0021】
次に、図1の制御装置の動作を図3を用いて説明する。図3に示されるように、横軸に時間をとり、原点が現在時刻とする。縦軸は蒸気量である。t1は、昼時間帯開始時刻であり、通常は平日の朝8時であるが、プラントによって6時であったり、10時であったりする。また、t2は、昼時間帯終了時刻であり、通常は平日の20時であるが、これもプラントによってまちまちである。ここでは、朝方上昇し、夕方から深夜に下降する一般的な蒸気需要パターンを想定し、そのパターンの蒸気需要が適宜に定めた所定値Sを超える時点を昼時間帯開始時刻t1と定義し、上記蒸気需要パターンが上記所定値Sを下回る時点を昼時間帯終了時刻t2と定義する。
【0022】
熱需要予測部5が予測している現在以降の蒸気需要パターンを太線31で示す。熱供給パターン生成部8が生成したコジェネユニットの出力パターンを細線32で示す。ここでは、説明を簡単にするために、昼時間帯における出力を上記所定値Sと同じ一定値としている。実際には、コジェネユニットを定格運転するか定格以下で運転するかにより、出力蒸気量は変化するものであり、また、運転ポイント(電気・蒸気の出力配分)によっても出力蒸気量は変化する。
【0023】
さて、この予想された蒸気需要は、昼時間帯の開始から終了まで、コジェネユニットの出力を超えている。この超過分、即ち、図3において蒸気需要パターン31と出力パターン32とに囲まれた領域の面積が昼時間帯中に蓄熱装置4から取り出すべき蒸気総量、即ち、使用予定蓄熱量である。
【0024】
本発明の制御手段1は、この使用予定蓄熱量に見合う蓄熱目標量を昼時間帯開始時刻t1までに蓄熱装置4に蓄熱するべく、昼時間帯開始時刻t1以前に(図3では現在以前から既に始めている)蒸気需要より多い蒸気を出力するようコジェネユニット3を運転し、余剰分を蓄熱装置4に蓄熱する。昼時間帯開始時刻t1以前のコジェネユニット3の出力パターンは、図3のように、昼時間帯開始時刻t1に丁度、昼時間帯の一定値Sに達し、かつ蓄熱目標量が蓄熱し終わるよう計画するが、昼時間帯開始時刻t1になるよりも前に蓄熱目標量が蓄熱し終わるものであっても良い。
【0025】
このようにして昼時間帯開始時刻t1までに蓄熱目標量が蓄熱装置4に蓄熱される。なお、使用予定蓄熱量に見合う蓄熱目標量とは、自然放熱等によるロス分も考慮して使用予定蓄熱量が不足なく賄える量のことである。
【0026】
昼時間帯開始時刻t1になると、蒸気需要31がコジェネユニットの出力32を超えてくるので、蓄熱装置4から熱(蒸気)の払い出しを開始する。このように、昼時間帯開始時刻t1以後は、コジェネユニット3からの出力蒸気と蓄熱装置4から取り出す蒸気とにより蒸気需要を満たすことになる。その後、昼時間帯終了時刻t2になると、蒸気需要31がコジェネユニットの出力32と同じ値まで下がってくる。そこで、蓄熱装置4からの払い出しを終了するが、この後、翌日までは蒸気需要がコジェネユニットの出力を超えることがないので、蓄熱量はゼロであっても差し支えがない。本発明にあっては、昼時間帯開始時刻t1において使用予定蓄熱量に見合う蓄熱目標量が蓄熱されていたので、昼時間帯終了時刻t2において蓄熱量は丁度ゼロである。即ち、不必要な蓄熱はしていない。
【0027】
昼時間帯終了時刻t2より後は、コジェネユニットの出力32のみで蒸気需要を賄うことができる。図3では、昼時間帯終了時刻t2後もコジェネユニットの出力32を一定値Sに保っているが、翌日の昼時間帯開始時刻までに翌日の蓄熱目標量が確保できるのであれば、これ以外の出力パターンでもよい。
【0028】
翌日が休日の場合、昼時間帯終了時刻t2後はコジェネユニットの出力32を蒸気需要31に随伴させて低下させ、蓄熱は行わない。もちろん、日付が変わっても蓄熱は行わない。休日の蒸気需要は、昼間であってもほとんど無いからである。
【0029】
以上、説明したように、本発明では、平日昼間の蒸気需要のうちコジェネユニット3では供給仕切れない蒸気の総量を予め蒸気需要の予測パターンから計算し、前日の深夜或いは当日の早朝(早くとも前日の昼時間帯終了時刻後)から蓄熱を開始して当日の昼時間帯開始時刻t1までに上記蒸気総量に見合う蓄熱目標量を確保しておき、その確保した熱量を払い出してコジェネユニット3の出力に加えるので、蒸気需要を不足無く賄うことができる。しかも、蓄熱した熱量は、昼時間帯終了時刻t2までに使いきるので、無駄な熱量が一切発生することがなく、熱エネルギの利用効率が高い。
【0030】
【発明の効果】
本発明は次の如き優れた効果を発揮する。
【0031】
(1)発電要求量の高い昼時間帯の熱需要を予測して発電要求量の低い夜時間帯に時間帯にその予測に基づく必要量を蓄熱するので、コジェネユニットの運転効率が良く、熱エネルギの利用効率が高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す制御装置のブロック構成図である。
【図2】本発明の一実施形態を示すコジェネプラントの構成図である。
【図3】本発明の一実施形態を示す制御の流れ図である。
【図4】コジェネユニットの構成図である。
【符号の説明】
1 制御手段
2 統括制御装置
3 コジェネユニット
4 蓄熱装置
5 熱需要予測部
6 電力需要予測部
7 熱需要積算部
8 熱供給パターン生成部
9 運転計画部
【出願人】 【識別番号】000000099
【氏名又は名称】石川島播磨重工業株式会社
【住所又は居所】東京都千代田区大手町2丁目2番1号
【出願日】 平成14年6月18日(2002.6.18)
【代理人】 【識別番号】100068021
【弁理士】
【氏名又は名称】絹谷 信雄

【公開番号】 特開2004−19575(P2004−19575A)
【公開日】 平成16年1月22日(2004.1.22)
【出願番号】 特願2002−176984(P2002−176984)