| 【発明の名称】 |
耐油紙 |
| 【発明者】 |
【氏名】三宅 英信 【住所又は居所】東京都台東区台東1丁目5番1号 凸版印刷株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】紙基材上に皮膜化した樹脂層であっても、水蒸気透過性をブロックせず、良好な耐油性と、内容物の結露を防止可能な耐油紙を提供することである。
【解決手段】水蒸気通過をブロックせずに、良好な耐油性と、内容物の結露を防止可能な耐油紙において、基材である紙層の片面上に少なくとも1層の生分解樹脂層を形成し、前記生分解樹脂層が、ポリ乳酸樹脂若しくはポリブチレンサクシネート樹脂若しくはポリカプロラクトン樹脂、又は澱粉系材料で層形成し、前記生分解樹脂層が、固形分4g/m2〜20g/m2重量を塗布により層形成した耐油紙。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 水蒸気通過をブロックせずに、良好な耐油性と、内容物の結露を防止可能な耐油紙において、基材である紙層の片面上に少なくとも1層の生分解樹脂層を形成したことを特徴とする耐油紙。 【請求項2】 前記生分解樹脂層が、ポリ乳酸樹脂若しくはポリブチレンサクシネート樹脂若しくはポリカプロラクトン樹脂、又は澱粉系材料で形成したことを特徴とする請求項1記載の耐油紙。 【請求項3】 前記生分解樹脂層が、固形分4g/m2〜20g/m2重量を塗布により層形成したことを特徴とする請求項1、又は2記載の耐油紙。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】 本発明は、水蒸気通過をブロックせず、良好な耐油性と、内容物の結露を防止可能な耐油紙に関する。 【0002】 【従来の技術】 従来の耐油紙は、例えばフッ素系の溌油剤を紙基材にコート塗布し層形成する、又はフッ素系の溌油剤を添加し抄紙することにより耐油性と水蒸気透過性を兼ね備えたものがある。しかし、前記フッ素系の溌油剤が人体に与える危険性が唱えられ、使用することが見直されつつある。 【0003】 また、前記耐油紙は、アクリル系樹脂の溶液や、シェラック樹脂を塗布することで耐油性を付与するものもある。しかし、上記の方法は完全に紙基材上に樹脂層を皮膜化する必要があり、水蒸気透過性をブロックしてしまう欠点がある。 【0004】 すなわち、従来の耐油紙は、耐油性を付与するために、所定の樹脂を塗布し、紙基材上に皮膜化した樹脂層を形成する方法が一般的な方法である。そのため前記耐油紙は、皮膜化した樹脂層が水蒸気透過性をブロックしてしまい、テイクアウト用の食品紙袋として使用したとき内容物が結露してしまう問題がある。 【0005】 逆に、従来の耐油紙は、水蒸気透過性を付与しようとすると、前記樹脂層に水蒸気通過穴を形成するため、前記穴より油が浸透し耐油性を損なうことになる。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】 本発明の課題は、紙基材上に皮膜化した樹脂層であっても、水蒸気透過性をブロックせず、良好な耐油性と、内容物の結露を防止可能な耐油紙を提供することである。 【0007】 【課題を解決するための手段】 本発明の請求項1に係る発明は、水蒸気通過をブロックせずに、良好な耐油性と、内容物の結露を防止可能な耐油紙において、基材である紙層の片面上に少なくとも1層の生分解樹脂層を形成したことを特徴とする耐油紙である。 【0008】 次に、本発明の請求項2に係る発明は、前記生分解樹脂層が、ポリ乳酸樹脂若しくはポリブチレンサクシネート樹脂若しくはポリカプロラクトン樹脂、又は澱粉系材料で形成したことを特徴とする請求項1記載の耐油紙である。 【0009】 本発明の請求項3に係る発明は、前記生分解樹脂層が、固形分4g/m2〜20g/m2重量を塗布により層形成したことを特徴とする請求項1、又は2記載の耐油紙である。 【0010】 【発明の実施の形態】 本発明の耐油紙を、実施の形態に沿って以下に詳細に説明する。 【0011】 図1は、本発明の耐油紙の一実施例であり、基材である紙層(1)の片側表面上の全面に生分解樹脂層(2)を形成した構造である。 【0012】 前記紙層(1)の種類は、特に制限しないが、紙全般から紙カートンや紙袋等に適したものを適宜選択して使用することが好ましい。例えば、紙カートン用では、板紙やカード紙、若しくはカップ原紙が選択できる。例えば、紙袋用では、晒しクラフト紙、上質紙等より選択する。次に、前記紙層(1)の形状は、特に制限しないが、連続したロール状、又は規定の原紙寸法に断裁したシート状のものから製造方法に適したものを選択使用することが好ましい。 【0013】 概ね、前記生分解樹脂層(2)は、水蒸気透過性が高い特徴あり、本発明ではその特徴を利用した。前記生分解樹は、ポリ乳酸樹脂、ポリブチレンサクシネート樹脂若しくはポリカプロラクトン樹脂、又は澱粉系材料が特に好ましい。 【0014】 前記ポリ乳酸樹脂は、商品名レイシア(三井化学(株)製造)若しくは商品名ラクティ((株)島津製作所製造)等より提供されている。 【0015】 前記ポリブチレンサクシネート樹脂は、商品名ビオノーレ(昭和高分子(株)製造)等より提供されている。 【0016】 前記ポリカプロラクトン樹脂は、商品名セルグリーン(ダイセル化学工業(株)製造)若しくは商品名トーン(ユニオンカーバイト(株)製造)等より提供されている。 【0017】 前記澱粉系材料は、商品名コーンポール(日本コーンスターチ(株)製造)等より提供されている。 【0018】 上記生分解樹脂から適宜選択し、該樹脂を溶剤系若しくは水溶系の溶液とした生分解樹脂を紙層表面に塗布し、生分解樹脂層(2)を形成する。 【0019】 前記生分解樹脂層(2)の塗布方法は、グラビア法若しくはロールコート法若しくはバーコート法、又はダイコート法より適宜選択する。 【0020】 前記生分解樹脂層(2)の塗布量は、固形分換算4g/m2 〜20g/m2重量の範囲から適宜選択することが好ましい。 【0021】 本発明の耐油紙は、ファーストフード等の調理食品を包装する用途のものであり、テイクアウト用の食品紙袋若しくは紙カートン等として使用される。さらに、店頭で加熱した食品を直接包装するため、安全性やリサイクル可能な環境に優しい性能を備えている。 【0022】 【実施例】 次に、以下本発明の耐油紙の具体的な実施例及び比較例に従って説明する。 【0023】 <実施例1> 紙層は、片艶クラフト紙200g/m2(名古屋パルプ(株)製造)を基材とした。生分解樹脂層は、ポリ乳酸樹脂より溶液化したコート剤商品名PL−100(ミヨシ油脂(株)製造)を使用し、塗布層を形成した。前記塗布層の塗布方法はロールコーター機を用いた。塗布量は10g/m2(固形分重量)とし、乾燥温度80°Cの乾燥オーブン内に5分間放置し耐油紙を製作した。該耐油紙のサンプル名は実施例1とした。 【0024】 <比較例1> 紙層は、片艶クラフト紙200g/m2(名古屋パルプ(株)製造)を基材とした。樹脂層は、低密度ポリエチレン樹脂商品名M16P(三井住友ポリオレフィン(株)製造)を使用し、塗布層を形成した。前記塗布層の塗布方法はダイコート機を用いて押し出しコートした。塗布量は10g/m2(固形分重量)(膜厚10μ)とし、乾燥は自然乾燥し、耐油紙を製作した。該耐油紙のサンプル名は比較例1とした。 【0025】 <比較例2> 紙層は、片艶クラフト紙200g/m2(名古屋パルプ(株)製造)を基材とした。樹脂層は、アクリル系樹脂より溶液化したコート剤商品名マイケルコート40H(マイケルマン(株)製造)を使用し、塗布層を形成した。前記塗布層の塗布方法はロールコーター機を用いた。塗布量は10g/m2(固形分重量)とし、乾燥温度80°Cの乾燥オーブン内に5分間放置し耐油紙を製作した。該耐油紙のサンプル名は比較例2とした。 【0026】 上記サンプル(実施例1、比較例1、比較例2)を下記の評価項目で評価した。 【0027】 まず、耐油性評価は、JIS−P8130の油吸収メーター法に従った。水蒸気透過値評価は、JIS−Z0208に従って評価した。実包評価は、各資料耐油紙を用いてカートン(縦100mm×横100mm×高さ50mm)を作製し、該カートン内に、80°Cに調理加熱した内容物(中華マン)を入れて、実包後3時間経過後、その状態を目視評価した。実包評価1の油染み発生は、カートンの表面の油染みの有無で評価した。実包評価2の結露発生は、内容物の表面状態の変化を観察評価した。 【0028】 実施例1の評価結果は、耐油性においては、概ね比較例1、2と同等以上の評価となり本発明の目標が達成できた。次に、水蒸気透過性においては、比較例1、2より大幅に改善された。実包評価1,2においては、すべての項目で本発明の目標が達成できた。その評価結果は表1に記す。 【0029】 【表1】
【0030】 【発明の効果】 本発明により紙基材上に皮膜化した生分解樹脂層を形成しても、水蒸気透過性をブロックせず、良好な耐油性を有する耐油紙が提供できる。さらに、本発明の耐油紙を用いることにより内容物を結露させることなく、耐油性損なう問題を解消できる効果がある。また、人体に安全な材料を使用した耐油紙が提供でき、さらにポリ乳酸樹脂系材料を使用した場合、リサイクル可能な紙となる効果もある。 【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の耐油紙の一実施例を説明する側断面図である。 【符号の説明】 1…紙層 2…生分解樹脂層
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| 【出願人】 |
【識別番号】000003193 【氏名又は名称】凸版印刷株式会社 【住所又は居所】東京都台東区台東1丁目5番1号
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| 【出願日】 |
平成14年10月9日(2002.10.9) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2004−131859(P2004−131859A) |
| 【公開日】 |
平成16年4月30日(2004.4.30) |
| 【出願番号】 |
特願2002−295755(P2002−295755) |
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