| 【発明の名称】 |
耐熱防食塗料ならびに耐熱防食塗装膜 |
| 【発明者】 |
【氏名】馬込 正勝
【氏名】片山 哲也
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| 【要約】 |
【課題】高温部伝熱面に塗布して耐熱性ならびに防食性にすぐれた塗料および塗装膜を提供する。
【解決手段】アルキルシリケートあるいはオルガノシリカゾルからなるバインダーならびに石英(SiO2)と珪酸ジルコニウム(Zr2SiO4)と炭化珪素(SiC)とメタ硼酸バリウム(硼酸Ba)を含有したセラミックスに加え、炭素(C)、クロム(Cr)、バナジウム(V)、ニッケル(Ni)、モリブデン(Mo)、珪素(Si)、硼素(B)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、マンガン(Mn)、リン(P)、鉄(Fe)の合金等からなる複合金属粉を塗料の組成比5〜50重量%の割合で混合したこと。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 アルキルシリケートあるいはオルガノシリカゾルからなるバインダーを組成比10〜30重量%、および炭素(C)、クロム(Cr)、バナジウム(V)、ニッケル(Ni)、モリブデン(Mo)、珪素(Si)、硼素(B)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、マンガン(Mn)、リン(P)、鉄(Fe)の合金、もしくはクロム(Cr)、ニッケル(Ni)、モリブデン(Mo)、硼素(B)、珪素(Si)、炭素(C)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、硫黄(S)、マンガン(Mn)、アルミニウム(Al)の合金、もしくはニッケル(Ni)、クロム(Cr)の合金、もしくはコバルト(Co)、鉄(Fe)、硼素(B)、珪素(Si)の合金からなる複合金属粉を組成比5〜50重量%、および石英(SiO2)と珪酸ジルコニウム(Zr2SiO4)と炭化珪素(SiC)とメタ硼酸バリウム(BaB2O4)を含有したセラミックスを残部の割合で混合したことを特徴とする耐熱防食塗料。 【請求項2】 前記セラミックスに炭化クロム(Cr3C2)、もしくは酸化アルミニウム(Al2O3)、もしくは炭化タングステン(WC)を含有させたことを特徴とする請求項1に記載の耐熱防食塗料。 【請求項3】 着色顔料として、クロム銅(CrCu)の酸化物、酸化チタン(TiO2)、クロム(Cr)の酸化物、鉄(Fe)の酸化物の1種又は2種以上の組合せを組成比10〜40重量%の割合で混合したことを特徴とする請求項1もしくは2に記載の耐熱防食塗料。 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の耐熱防食塗料を高温部伝熱面に塗布、付着して形成した耐熱防食塗装膜。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】 本発明は、都市ゴミ焼却炉、発電用ボイラの熱交換器等における高温部伝熱面に塗布、付着して伝熱面の高温劣化を防止する耐熱防食塗料ならびにその塗装膜に関するものである。 【0002】 【従来の技術】 近年、都市ゴミ焼却炉や重油ボイラの熱交換器等において、SOX、NOXの対策のため炉内温度の高温化や脱硫装置の普及による高硫黄燃料の採用等の要因により、焼却時の発生ガス温度が950℃〜1030℃まで達している。そしてその燃焼時にSOX、NOXや、塩素酸化合物を組成に含む腐食性ガスが発生し、これらの腐食性ガスが高温部伝熱面に付着することにより、伝熱面の腐食劣化、低寿命化を招いていた。 【0003】 このような腐食性ガスによる腐食防止対策としては、高温部伝熱面の材質の改良や高温伝熱面の表面加工処理等が提案されてきた。高温部伝熱面の表面加工処理の例として、アルキルシリケートからなるバインダーに石英(SiO2)と珪酸ジルコニウム(Zr2SiO4)を含有したセラミック材料を混合してなる耐熱塗料を高温部伝熱面に塗布する対策がなされており(例えば、特許文献1参照。)、これにより、腐食性ガスの高温部伝熱面への到達を防ぎ、腐食しにくくしていた。 【0004】 【特許文献1】 特開昭60−161460号公報 【0005】 【発明が解決しようとする課題】 しかしながら、高温燃焼が継続的に行われると、耐熱塗装膜が少しずつ劣化し、その内部に空隙が形成されてくる。しかも腐食性ガスが発生しており、この腐食性ガスが耐熱塗装膜の空隙内に浸透し、高温部伝熱面に到達し、この高温部伝熱面が腐食するという問題点が生じていた。 【0006】 そこで、本発明は、上記問題点に鑑み、耐熱性と共に防食性に優れた塗料ならびに塗装膜を提供することを目的とする。 【0007】 【課題を解決するための手段】 本発明は上記目的を達成するため、高温部伝熱面の表面に防食塗装膜を形成する塗料であって、アルキルシリケートあるいはオルガノシリカゾルからなるバインダーを組成比10〜30重量%、および炭素(C)、クロム(Cr)、バナジウム(V)、ニッケル(Ni)、モリブデン(Mo)、珪素(Si)、硼素(B)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、マンガン(Mn)、リン(P)、鉄(Fe)の合金、もしくはクロム(Cr)、ニッケル(Ni)、モリブデン(Mo)、硼素(B)、珪素(Si)、炭素(C)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、硫黄(S)、マンガン(Mn)、アルミニウム(Al)の合金、もしくはニッケル(Ni)、クロム(Cr)の合金、もしくはコバルト(Co)、鉄(Fe)、硼素(B)、珪素(Si)の合金からなる複合金属粉を組成比5〜50重量%、および石英(SiO2)と珪酸ジルコニウム(Zr2SiO4)と炭化珪素(SiC)とメタ硼酸バリウム(BaB2O4)を含有したセラミックスを残部の割合で混合したことを特徴とする。 【0008】 本発明によれば、耐熱塗料に金属粉を組成比5〜30重量%の割合で混合することにより、塗装膜が劣化してその内部に空隙が発生し、この空隙内に腐食性ガスが浸透しても、空隙表面に金属粉が腐食性ガスを取り込み、反応、凝固するため、腐食性ガスが高温伝熱面に到達することなく、腐食しない。 【0009】 【発明の実施の形態】 本発明の実施形態を詳細に説明する。 【0010】 本発明の実施形態における腐食防止塗装膜は、一般鋼材(SS鋼)、特殊鋼材あるいはセラミックスにより形成された高温部伝熱面の表面に腐食防止を目的として、塗布、付着させるものであって、塗料には、従来のバインダーならびにセラミックスを含有する耐熱塗料に金属粉を所定量混合してなるものである。 【0011】 前記バインダーの成分としては、アルキルシリケートあるいはオルガノシリカゾルに大別される。前記アルキルシリケートはエチルシリケート、メチルシリケート、Nプロピルシリケート、Nブチルシリケートが知られており、前記オルガノシリカゾルはメタノールシリカゾル、イソプロパノールシリカゾル、キシレンブタノールシリカゾル、エチレングリコールシリカゾル、エチレングリコールモノNプロピルエーテルシリカゾル、ジメチルアセトアミドシリカゾル、メチルイソブチルケトンシリカゾルが知られている。 【0012】 そして、アルキルシリケートやオルガノシリカゾルが組成比30重量%より多い場合は、接着強度が減少し、また組成比10重量%より少ない場合は、膜に割れが発生し、接着強度も減少してしまう。 【0013】 前記セラミックスにおいて、前記石英(SiO2)は、珪酸ジルコニウム(Zr2SiO4)の割れを防止する効果を有している。この石英(SiO2)が組成比50重量%より多い場合は膜の平滑性が劣り、組成比20重量%より少ない場合は珪酸ジルコニウム(Zr2SiO4)の割れが発生してしまう。 【0014】 前記珪酸ジルコニウム(Zr2SiO4)は釉薬の乳濁剤であり、膜の硬度を強化する作用を有している。この珪酸ジルコニウム(Zr2SiO4)が組成比30重量%より多い場合は割れが発生し、組成比10重量%より少ない場合は硬度が減少してしまう。 【0015】 前記炭化珪素(SiC)は、膜の硬度の強化と、耐熱性の強化を図ることができる。この炭化珪素(SiC)が組成比25重量%より多い場合は接着強度が減少し、組成比2重量%より少ない場合は硬度が減少してしまう。 【0016】 前記メタ硼酸バリウム(BaB2O4)はヌレ性を発揮してセラミックス同士の接合を推進すると共に、ガラス層の膜の形成に効果的である。このメタ硼酸バリウム(BaB2O4)が組成比30重量%より多い場合は耐熱性が減少し、組成比5重量%より少ない場合は膜の平滑性が劣ってしまう。 【0017】 前記着色顔料としては、例えば黒色の場合CrCuの酸化物を、白色の場合TiO2を、緑色の場合Crの酸化物を、茶色の場合Feの酸化物を組成比10〜40重量%の割合で混合する。 【0018】 前記金属紛としては、a)炭素(C)、クロム(Cr)、バナジウム(V)、ニッケル(Ni)、モリブデン(Mo)、珪素(Si)、硼素(B)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、マンガン(Mn)、リン(P)、鉄(Fe)の合金からなる複合金属紛、b)クロム(Cr)、ニッケル(Ni)、モリブデン(Mo)、硼素(B)、珪素(Si)、炭素(C)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、硫黄(S)、マンガン(Mn)、アルミニウム(Al)の合金からなる複合金属紛、c)ニッケル(Ni)、Cr(クロム)の合金からなる複合金属粉、ならびにd)クロム(Cr)、硼素(B)、珪素(Si)、炭素(C)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)の合金からなる複合金属粉が用いられる。そしてこの複合金属粉の防食塗料に占める割合は、5〜50重量%が良好である。 【0019】 a、b、c、d4種の合金(複合金属粉)の組成比(重量%)を表1に示す。 【0020】 【表1】
(実施例) 次に、本発明の耐熱防食塗料の実施例について具体的に説明する。 【0021】 本実施例の耐熱防食塗料は、アルキルシリケート系のエチルシリケートからなるバインダーに、石英(SiO2)と珪酸ジルコニウム(Zr2SiO4)と炭化珪素(SiC)とメタ硼酸バリウム(BaB2O4)を含有したセラミックスと、TiO2からなる白色顔料を混合し、下記構成の合金からなる複合金属粉を混合したものである。 【0022】 そして組成比(重量%)は、エチルシリケートを22、石英(SiO2)を残部、珪酸ジルコニウム(Zr2SiO4)を15、炭化珪素(SiC)を3、メタ硼酸バリウム(BaB2O4)を7、TiO2を15、上記4種の合金(複合金属粉)を組成比0〜80重量%の範囲で、各種6例を実施した。 【0023】 このように構成された腐食防止塗装膜(実施例)の性能比較をするために、前記組成比の合金(複合金属粉)a、b、c、dを塗料における組成比0、10、20、40、60、80重量%の割合で混合して形成した24種類の耐熱防食塗料を一般鋼材(SS鋼)に塗布して実験した結果を表2に示す。 【0024】 【表2】
なお、上記実験における測定方法は、下記のとおりである。 耐熱性:800℃の場合、800℃×6時間を3サイクル、計18時間 密着性:「耐熱性」測定後、セロハンテープ圧着→一気に剥がす。 塩水噴霧:JIS2371による。 耐酸性:「耐熱性」測定後、10%H2SO4の滴下テスト。 【0025】 上記実験結果より、金属粉を含有しない場合は、密着性、塩水噴霧、耐酸性において十分ではなく、逆に金属粉を60重量%以上含有する場合は、塩水噴霧、耐酸性に問題が出ることから、5〜50重量%、より好ましくは10〜30重量%の含有量が良好な結果が得られることが確認できた。 【0026】 本発明の耐熱腐食防止塗料は、上記に示す組成のほか、有機溶剤として、ブチルセロソルブやキシレンを組成比5〜10の割合で混合したり、有機シリコーン樹脂を組成比3程度混合してもよい。 【0027】 なお本実施例では、本発明耐熱防食塗料を高温伝熱面に1層にして塗布したが、1層目を本発明の、金属粉を含む耐熱防食塗料を用い、2層目に金属粉を含まない耐熱塗料を用いて塗装膜のコストダウンを図ることも可能である。 【0028】 また他の実施例において、耐熱塗料に用いられる従来のセラミックス材料の一部に替えて、サーメットを構成する炭化クロム(Cr3C2)、もしくは酸化アルミニウム(Al2O3)、もしくは炭化タングステン(WC)を用いると、一層耐熱性ならびに耐食性の向上が確かめられた。 【0029】 【発明の効果】 本発明によれば、バインダーとセラミックスを含有する耐熱塗料に所定の金属粉を混合することにより、耐熱性にすぐれ、焼却時において劣化することなく継続的に使用できる耐熱防食塗料ならびに耐熱防食塗膜を形成することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】500223246 【氏名又は名称】熱研化学工業株式会社 【識別番号】596160366 【氏名又は名称】馬込 正勝
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| 【出願日】 |
平成14年9月20日(2002.9.20) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100080827 【弁理士】 【氏名又は名称】石原 勝
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| 【公開番号】 |
特開2004−107558(P2004−107558A) |
| 【公開日】 |
平成16年4月8日(2004.4.8) |
| 【出願番号】 |
特願2002−274631(P2002−274631) |
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