| 【発明の名称】 |
光ファイバー用被覆組成物および被覆光ファイバー |
| 【発明者】 |
【氏名】成瀬 圭祐 【住所又は居所】神奈川県平塚市東八幡4丁目 17番1号 関西ペイント株式会社内
【氏名】樋口 貴裕 【住所又は居所】神奈川県平塚市東八幡4丁目 17番1号 関西ペイント株式会社内
【氏名】田村 孝一 【住所又は居所】神奈川県平塚市東八幡4丁目 17番1号 関西ペイント株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】高弾性で熱安定性に優れた硬化物を形成し得る被覆組成物、及び光伝送特性の熱安定性と可とう性がバランスよく優れた被覆光ファイバーを提供する。
【解決手段】(A)1分子中に実質的に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有し、その硬化物のガラス転移温度100〜350℃の不飽和ポリエステルオリゴマー、(B)下記成分から選ばれる少なくとも1種のオリゴマー:(B-a)エポキシ変性(メタ)アクリレートオリゴマー、(B-b)ポリエーテルポリオール変性(メタ)アクリレートオリゴマー及び(B-c)ウレタンポリエーテルポリオール変性(メタ)アクリレート又はウレタンポリエステルポリオール変性(メタ)アクリレート、並びに(C)光重合開始剤を必須成分として含有する光ファイバー用被覆組成物。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 (A)1分子中に実質的に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有し、その硬化物のガラス転移温度が100〜350℃の不飽和ポリエステルオリゴマー、 (B)下記成分から選ばれる少なくとも1種のオリゴマー: (B-a)エポキシ変性(メタ)アクリレートオリゴマー、 (B-b)ポリエーテルポリオール変性(メタ)アクリレートオリゴマー及び (B-c)ウレタンポリエーテルポリオール変性(メタ)アクリレート又はウレタンポリエステルポリオール変性(メタ)アクリレート、並びに (C)光重合開始剤 を必須成分として含有する光ファイバー用被覆組成物。 【請求項2】 前記組成物中にシリコーン添加剤(D)を含有する請求項1に記載の光ファイバー用被覆組成物。 【請求項3】 前記組成物中に光重合性不飽和化合物(E)を含有する請求項1に記載の光ファイバー用被覆組成物。 【請求項4】 光ファイバーの外周に、請求項1に記載の光ファイバー用組成物の硬化物からなる被覆層を有する被覆光ファイバー。 【請求項5】 光ファイバーの外周に、プライマー被覆層、インキ被覆層及びマトリックス被覆層が順次積層されてなる被覆光ファイバーであって、プライマー被覆層、インキ被覆層及びマトリックス被覆層の何れか1層が請求項1に記載の光ファイバー用被覆組成物の硬化物からなることを特徴とする被覆光ファイバー。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、弾性率と熱安定性に優れた光ファイバー用被覆組成物及びそれを用いた被覆光ファイバーに関する。 【背景技術】 【0002】 高度情報化社会において、ガラスファイバーを伝達情報手段とする光通信システムは、ガラスファイバーがその光伝送損失が少なく可とう性に優れ、しかも軽量である等の優れた利点を有していることから急激に使用され始めている。一般に、光伝送用ガラスファイバーとしては、その表面に、プライマリー層とセカンダリー層で構成されるプライマー被覆層、インキ被覆層及びマトリックス被覆層が順次積層されてなる被覆光ファイバーが使用されている。また、これらの被覆材料としては、光硬化型被覆組成物が知られている。 【0003】 近年、光ファイバーの敷設拡大に伴い、高密度実装やコストダウンを行うために被覆層の薄膜化が進められている。それに伴い被覆材には、薄膜であっても十分な物性を維持するために高弾性率が必要になってきた。 【0004】 特公平6−74307号公報(特許文献1)には、常温下での特定のヤング率を有しながらヤング率の温度依存性の低い硬化物を与える光ファイバー用被覆組成物が開示されている。この組成物は、(a)特定構造の分子鎖を有するジオールをジイソシアネート化合物に添加し、得られた反応生成物に水酸基を有する(メタ)アクリル系化合物を反応させて得られるポリマー、(b)1分子中に2以上のエチレン性不飽和基と2以上の脂肪族環とを有する架橋脂環式炭化水素化合物を含むモノマー、(c)重合開始剤を含んでなるものである。 【0005】 また、特許公報第2525177号(特許文献2)には、ヤング率の温度依存性が低く、破断伸び特性に優れ、さらに光ファイバーの伝送損失を小さくする硬化物を与える光ファイバー用被覆組成物が開示されている。この組成物は、(A)数平均分子量が1000〜15000のウレタンジ(メタ)アクリレートと(B)数平均分子量800以下のウレタンジ(メタ)アクリレートを含有してなるものである。 【0006】 しかしながら、従来の被覆材料から形成された被膜は、温度変化に伴う被膜変形が大きく、そのために光ファイバーの光伝送特性が低下するという問題が生じる。また、上記被覆材料の配合割合を多く使用した被膜を設けたファイバーは可とう性が低下するため、熱安定性と可とう性のバランスをうまくとることは難しかった。 【特許文献1】特公平6−74307号公報 【特許文献2】特許公報第2525177号 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0007】 本発明の目的は、十分な可とう性を有しながら光伝送特性の熱安定性に優れた被覆光ファイバー、及びこのような被覆光ファイバーを提供可能な、弾性率と熱安定性に優れた被覆用硬化物を形成し得る光ファイバー用被覆組成物を提供することにある。 【課題を解決するための手段】 【0008】 本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、特定のオリゴマーを使用することにより、弾性率と熱安定性に優れた被覆材料が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。 【0009】 本発明は、 (A)1分子中に実質的に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有し、その硬化物のガラス転移温度が100〜350℃の不飽和ポリエステルオリゴマー、 (B)下記成分から選ばれる少なくとも1種のオリゴマー、 (B-a)エポキシ変性(メタ)アクリレートオリゴマー、 (B-b)ポリエーテルポリオール変性(メタ)アクリレートオリゴマー及び (B-c)ウレタンポリエーテルポリオール変性(メタ)アクリレート又はウレタンポリエステルポリオール変性(メタ)アクリレート、並びに (C)光重合開始剤 を必須成分として含有する光ファイバー用被覆組成物に関する。 【0010】 本発明は、前記組成物中にシリコーン添加剤(D)を含有する上記の光ファイバー用被覆組成物に関する。 【0011】 本発明は、前記組成物中に光重合性不飽和化合物(E)を含有する上記の光ファイバー用被覆組成物に関する。 【0012】 本発明は、光ファイバーの外周に、上記のいずれかの光ファイバー用被覆組成物の硬化物からなる被覆層を有する被覆光ファイバーに関する。 【0013】 本発明は、光ファイバーの外周に、プライマー被覆層、インキ被覆層及びマトリックス被覆層が順次積層されてなる被覆光ファイバーであって、プライマー被覆層、インキ被覆層及びマトリックス被覆層の何れか1層が、上記のいずれかの光ファイバー用被覆組成物の硬化物からなることを特徴とする被覆光ファイバーに関する。 【発明の効果】 【0014】 本発明によれば、硬化速度が速く、その硬化物が高弾性で、熱安定性に優れる被覆組成物を提供することができ、結果、光伝送特性の熱安定性と可とう性がバランスよく優れた被覆光ファイバーを提供することができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0015】 本発明の好適な実施の形態について以下に詳細に説明する。 【0016】 まず、本発明の光ファイバー用被覆組成物について説明する。 本発明の光ファイバー用被覆組成物は、 (A)1分子中に実質的に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有し、その硬化物のガラス転移温度が100〜350℃の不飽和ポリエステルオリゴマー(以下、適宜「オリゴマー(A)」と略す。)、 (B)下記成分から選ばれる少なくとも1種のオリゴマー(以下、適宜「オリゴマー(B)」と略す。): (B-a)エポキシ変性(メタ)アクリレートオリゴマー (以下、適宜「オリゴマー(B-a)」と略す。)、 (B-b)ポリエーテルポリオール変性(メタ)アクリレートオリゴマー (以下、適宜「オリゴマー(B-b)」と略す。)及び (B-c)ウレタンポリエーテルポリオール変性(メタ)アクリレート又はウレタンポリエステルポリオール変性(メタ)アクリレート (以下、適宜「オリゴマー(B-c)」と略す。)、並びに (C)光重合開始剤 を必須成分として含有する。 【0017】 〔オリゴマー(A)〕 オリゴマー(A)は、1分子中に実質的に2個以上、好ましくは3個以上、より好ましくは3〜6個の(メタ)アクリロイル基を有する不飽和ポリエステルである。その硬化物のガラス転移温度は100〜350℃の範囲にあり、200〜350℃の範囲にあることが好ましく、200〜300℃の範囲にあることがより好ましい。 【0018】 ガラス転移温度が100℃未満になると被膜の高温耐性や温水耐性が低下し、一方、ガラス転移温度が350℃を超えると被膜の物性が過剰に剛直になり、可とう性が低下する。 【0019】 本発明におけるガラス転移温度は、オリゴマー(A)に光重合開始剤を添加したものを光硬化で塗膜形成して、動的粘弾性スペクトルにより求められるtanδの最大値から測定している。 【0020】 また、オリゴマー(A)は、数平均分子量が500〜3000の範囲にあるものが好ましく、500〜2000の範囲にあるものがより好ましく、1000〜2000の範囲にあるものがさらに好ましい。 【0021】 数平均分子量が低すぎると架橋密度が過剰になって被膜の可とう性が低下し、一方、数平均分子量が高すぎると架橋密度が低下して被膜の高温耐性が低下する。 【0022】 オリゴマー(A)としては、上記の条件を満たすものが好ましく、従来から公知のものを適宜選択して使用することができる。 【0023】 例えば、ポリエステルポリオールとカルボキシル基含有(メタ)アクリレート((メタ)アクリル酸を含む)との反応物;ポリエステルポリカルボン酸と水酸基含有(メタ)アクリレートとの反応物;水酸基及びカルボキシル基含有ポリエステルとカルボキシル基含有(メタ)アクリレート((メタ)アクリル酸を含む)及び/又は水酸基含有(メタ)アクリレートとの反応物;ポリエステルポリカルボン酸とエポキシ基含有(メタ)アクリレートとの反応物などが挙げられる。 【0024】 このような反応物としては、特に下記一般式で表される構成を有していることが好ましい。 【0025】 【化1】
【0026】 Aは(メタ)アクリロイル基を有する基、Xはポリエステルを構成する多価アルコール成分由来の単位、Yはポリエステルを構成する多塩基酸成分由来の単位を示す。nは1以上の整数を示す。Aは複数種のものであってもよく、Yが3個以上の酸基を有する場合はそのYに結合してもよい。Xは複数種のものであってもよく、全てのXにAが結合していなくてもよい。Yは複数種のものであってもよく、Yが3個以上の酸基を有する場合はそのYにポリエステル分岐鎖を有していてもよいし、Aが結合していてもよい。また、末端のYに直接Aが結合してオリゴマー鎖の末端を形成していてもよい。 【0027】 多価アルコール成分としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ビスヒドロキシエトキシベンゼン、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、トリメチロールプロパンなどの多価アルコール成分;該多価アルコール成分とエチレンオキサイドやプロピレンオキサイドなどのアルキレンオキサイド付加物;該多価アルコール成分又は該アルキレンオキサイド付加物にカプロラクトンを反応させてなるカプロラクトン変性ポリオール;該多価アルコール成分又は該アルキレンオキサイド付加物、カプロラクトン及び下記多塩基酸成分を反応させてなるポリエステル変性ポリオールなどが挙げられる。 【0028】 多塩基酸成分としては、例えば、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、無水マレイン酸、フマル酸、1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、2,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ナフタル酸、ビフェニルジカルボン酸、1,2−ビス(フェノキシ)エタン−p,p'−ジカルボン酸、トリメリット酸、あるいはそれらの各種ジカルボン酸の無水物類またはエステル形成性誘導体類の多塩基酸成分を脱水縮合反応もしくはエステル交換反応によって得られるポリエステルなどが挙げられる。 【0029】 水酸基含有(メタ)アクリレートとしては、例えば、2―ヒドロキシエチルアクリレート、2―ヒドロキシエチルメタクリレート、3―ヒドロキシプロピルアクリレート、3―ヒドロキシプロピルメタクリレートなどが挙げられる。 【0030】 カルボキシル基含有(メタ)アクリレート((メタ)アクリル酸を含む)としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸などが挙げられる。 【0031】 エポキシ基含有(メタ)アクリレートとしては、例えば、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレートなどが挙げられる。 【0032】 上記のポリエステルポリオールは、例えば、多価アルコール成分を多塩基酸成分よりも配合割合を多く配合し(水酸基が酸基より多くなるように配合し)、そして従来から公知の反応方法で製造できる。 【0033】 上記のポリエステルポリカルボン酸は、例えば、多価アルコール成分を多塩基酸成分よりも配合割合を少なく配合し(酸基が水酸基より多くなるように配合し)、そして従来から公知の反応方法で製造できる。 【0034】 上記の水酸基及びカルボキシル基含有ポリエステルは、例えば、多価アルコール成分と多塩基酸成分の反応を、両者の官能基が残るように、従来から公知の反応方法で製造できる。 【0035】 これらのポリエステルは、従来から公知の方法で、オリゴマー(A)成分が上記の範囲のガラス転移温度に入るように、そして数平均分子量が上記の範囲に入るように反応を行って製造することができる。 【0036】 〔オリゴマー(B)〕 オリゴマー(B)は、1分子中に実質的に1個以上、好ましくは2個以上、より好ましくは2〜3個の(メタ)アクリロイル基を有するものである。その数平均分子量は300〜2000の範囲にあることが好ましく、500〜2000の範囲にあることがより好ましく、750〜1500の範囲にあることがさらに好ましい。数平均分子量が低すぎると被膜の可とう性が低下し、一方、数平均分子量が高すぎると被膜が軟化して高温耐性が低下する。 【0037】 〔オリゴマー(B-a)〕 オリゴマー(B-a)としては、1分子中に1個以上、好ましくは2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物あるいはエポキシ樹脂とそのエポキシ基と反応する官能基を有する(メタ)アクリレートモノマー((メタ)アクリル酸を含む)とを反応させたものが使用できる。該両成分を反応させるための配合割合(エポキシ化合物あるいはエポキシ樹脂のエポキシ基/(メタ)アクリレートモノマーの官能基)は0.8〜1.2の範囲が好ましく、0.9〜1.1の範囲がより好ましい。 【0038】 エポキシ化合物あるいはエポキシ樹脂としては、従来、公知の芳香族エポキシ化合物、脂環式エポキシ化合物、脂肪族エポキシ化合物などがあげられる。 【0039】 芳香族エポキシ化合物の例としては、フェニルグリシジルエーテルなどの単官能エポキシ化合物;少なくとも1個の芳香族環を有する多価フェノールまたはそのアルキレンオキサイド付加体のポリグリシジルエーテル(例えばビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS等のビスフェノール化合物またはビスフェノール化合物のアルキレンオキサイド(例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等)付加体とエピクロルヒドリンとの反応によって製造されるグリシジルエーテル類);ノボラック型エポキシ樹脂類(例えば、フェノール・ノボラック型エポキシ樹脂、クレゾール・ノボラック型エポキシ樹脂、臭素化フェノール・ノボラック型エポキシ樹脂等);トリスフェノールメタントリグリシジルエーテルなどがあげられる。 【0040】 脂環式エポキシ化合物としては、4−ビニルシクロヘキセンモノエポキサイド、ノルボルネンモノエポキサイド、リモネンモノエポキサイド、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ビス−(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキサノン−メタ−ジオキサン、ビス(2,3−エポキシシクロペンチル)エーテル、2,2−ビス〔4−(2,3−エポキシプロポキシ)シクロヘキシル〕ヘキサフルオロプロパン、BHPE−3150(ダイセル化学工業(株)製、脂環式エポキシ樹脂などがあげられる。 【0041】 脂肪族エポキシ化合物としては、例えば、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、エチレングリコールモノグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールモノグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールモノグリシジルエーテル、グリセロールジグリシジルエーテル、グリセロールトリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンモノグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ジグリセロールトリグリシジルエーテル、ソルビトールテトラグルシジルエーテル、アリルグルシジルエーテル、2−エチルヘキシルグルシジルエーテルなどがあげられる。 【0042】 エポキシ化合物のエポキシ基と反応する官能基を有する(メタ)アクリレートモノマーとしては、上記のカルボキシル基含有(メタ)アクリレートモノマー((メタ)アクリル酸を含む)が挙げられる。 【0043】 オリゴマー(B-a)は、従来から公知の方法で、得られるオリゴマー(B-a)が上記の範囲に入るように反応を行って製造することができる。 【0044】 〔オリゴマー(B-b)〕 オリゴマー(B-b)としては、1分子中に1個以上、好ましくは2個以上の水酸基を有するポリエーテルポリオールとその水酸基と反応する官能基を有する(メタ)アクリレートモノマー((メタ)アクリル酸を含む)とを反応させたものが使用できる。該両成分を反応させるための配合割合(ポリエーテルポリオールの水酸基/(メタ)アクリレートモノマーの官能基)は0.8〜1.2の範囲が好ましく、0.9〜1.1の範囲がより好ましい。 【0045】 ポリエーテルポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、グリデリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ソルビトールなどの少なくとも2個の活性水素原子を有する化合物の1種または2種以上を、開始剤として、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、スチレンオキサイド、エピクロルヒドリン、テトラヒドロフランまたはシクロヘキシレンオキサイドの如き環状エーテルモノマーの1種または2種以上を用いて、常法により付加重合して得られたものを用いることができる。 【0046】 ポリエーテルポリオールとしては、アルキレンオキサイドの付加重合物、すなわち水酸基を2個以上有し、[−R−O−]単位(Rはアルキレン基またはその誘導体)の繰り返しによりなるオリゴマー化合物を好適に用いることができる。Rは、例えば炭素数2〜6のものを用いることができ、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基が挙げられる。一分子中に異なる種類の[−R−O−]単位を有していてもよい。具体的には、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等が挙げられる。 【0047】 ポリエーテルポリオールの水酸基と反応する官能基を有する(メタ)アクリレートモノマーとしては、上記のカルボキシル基含有(メタ)アクリレートモノマー((メタ)アクリル酸を含む)が挙げられる。 【0048】 オリゴマー(B-b)は、従来から公知の方法で、得られるオリゴマー(B-b)が上記の範囲に入るように反応を行って製造することができる。 【0049】 〔オリゴマー(B-c)〕 オリゴマー(B-c)としては、ポリエーテルポリオール又はポリエステルポリオールとポリイソシアネート化合物とを反応させて得られる水酸基含有またはイソシアネート基含有の中間体を、これらの基と反応する官能基を有する(メタ)アクリレートモノマー((メタ)アクリル酸を含む)と反応させることにより得られるものが使用できる。この中間体が水酸基を有する場合には水酸基と反応する官能基を有する(メタ)アクリレートモノマー((メタ)アクリル酸を含む)と、この中間体がイソシアネート基を有する場合にはイソシアネート基と反応する官能基を有する(メタ)アクリレートモノマーと反応させることにより得られたものが使用できる。 【0050】 ポリエーテルポリオールとしては、前記のポリエーテルポリールを挙げることができる。また、ポリエステルポリオールとしては、前記のポリエステルポリオールを挙げることができる。 【0051】 水酸基含有中間体を製造するための各成分の配合割合(ポリエーテルポリオール又はポリエステルポリオールの水酸基/ポリイソシアネート化合物のイソシアネート基)は1.1以上が好ましく、1.2以上がより好ましい。 【0052】 イソシアネート基含有中間体を製造するための各成分の配合割合(ポリエーテルポリオール又はポリエステルポリオールの水酸基/ポリイソシアネート化合物のイソシアネート基)は0.9以下が好ましく、0.8以下がより好ましい。 【0053】 ポリイソシアネート化合物としては、例えば、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネ−ト、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネ−トなどの脂肪族ジイソシアネート;4,4´−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、イソホロンジイソシアネートなどの脂環族ジイソシアネ−ト;キシリレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリフェニルメタンジイソシアネート(以下ポリメリックMDI)などの芳香族ジイソシアネート及びその水素添加物;これらのイソシアヌレート体やビュウレット体等の類似の化合物が挙げられる。 【0054】 水酸基と反応する官能基を含有する(メタ)アクリレートモノマーとしては、例えば、上記のカルボキシル基含有(メタ)アクリレート((メタ)アクリル酸を含む)が挙げられる。 【0055】 イソシアネート基と反応する官能基を含有する(メタ)アクリレートモノマーとしては、例えば、上記の水酸基含有(メタ)アクリレートが挙げられる。 【0056】 オリゴマー(B-c)は、従来から公知の方法で、得られるオリゴマー(B-c)が上記の範囲に入るように反応を行って製造することができる。 【0057】 〔光重合開始剤(C)〕 光重合開始剤(C)としては、従来から公知の光重合開始剤を適宜選択して使用することができる。具体的には、例えば下記のものを挙げることができる。 【0058】 (1)アセトフェノン系化合物:例えば、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−ter−ブチル−ジクロロアセトフェノン、4−ter−ブチル−トリクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−(4−ドデシルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシフェノキシ)−フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトンなど。 【0059】 (2)チオキサントン系化合物:例えば、チオキサントン、2−クロルチオキサントン、2−メチルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントンなど。 【0060】 (3)ホスフィンオキサイド系化合物:例えば、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、アシルホスフィンオキシドなど。 【0061】 (4)ベンゾイン系化合物:例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテルなど。 【0062】 その他:例えば、ジメチルベンジルケタール、オリゴ−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパンなど。 【0063】 これらの中でも特に、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニル−ケトン、2,4−ジエチルチオキサントンが、硬化性に優れる点から好ましい。 【0064】 また、市販品としては、例えば、ルシリンTPO(BASF社製、商品名)、イルガキュア1700、イルガキュア149、イルガキュア1800、イルガキュア1850、イルガキュア819、イルガキュア184、イルガキュア907、(以上、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、商品名)、カヤキュアDETX−S(日本化薬社製、商品名)などが挙げられる。 【0065】 本発明において、上記の成分(A)〜(C)以外にシリコーン添加剤(D)を配合することができる。この成分(D)を配合することにより、被覆層の塗面に平滑性や滑り性が付与され、また光ファイバーのマトリックス被覆層から光ファイバーの束を抜き出すのを容易に行うことができる。 【0066】 シリコーン添加剤(D)としては、例えば、ポリジメチルシロキサンやポリエーテル変性ポリシロキサンの如き官能基を含有しない非官能性有機ポリシロキサン類、ビニル基、アミノ基、メルカプト基などから選ばれる少なくとも1種の官能基を有する官能性有機シロキサン類が挙げられる。 【0067】 上記のポリエーテル変性ジメチルポリシロキサンとしては、例えば、(1)ジメチルシロキサンと、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、テトラヒドロフラン等の環状エーテルとの交互共重合体又はランダム多元共重合体、(2)ジメチルポリシロキサンと前記ポリエーテルポリオールとのブロック共重合体、(3)ジメチルポリシロキサンへポリエーテルポリオール基を側鎖として導入したペンダント型ポリエーテル変性ジメチルポリシロキサン等が挙げられる。 【0068】 これらの市販品としては、例えば、ビックケミージャパン社製の商品名「BYK−UV3510」、ダウコーニング社製の商品名「DC−57」、「DC−190」、日本ユニカー社製の商品名「L−7001]、「L−7002」、「L−7500」、「L−720」、「L−77」、「L−722」、「L−7602」、トーレ・ダウコーニング・シリコーン社製の商品名「SH−28PA」、「ST−86PA」、「SF−8416」、「SF−8419」、信越化学社製の商品名「KP−322」、「KP−323」、「KP−341」等が挙げられる。 【0069】 ビニル基含有ポリシロキサンとしては、例えば、ビニル基含有シラン化合物と加水分解性シラン化合物との反応物が挙げられる。 【0070】 ビニル基含有シラン化合物としては、例えば、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリス(メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、2−スチリルエチルトリメトキシシラン等が挙げられる。 【0071】 加水分解性シラン化合物としては、例えば、メトキシトリメチルシラン、メトキシトリエチルシラン、メトキシメチルジエチルシラン、エトキシトリメチルシラン、エトキシトリエチルシラン、エトキシトリフェニルシラン、プロポキシトリメチルシラン、プロポキシトリプロピルシラン、ブトキシトリブチルシラン、フェノキシトリフェニルシランなどのモノアルコキシシラン;ジメトキシジメチルシラン、ジメトキシジエチルシラン、ジメトキシジフェニルシラン、ジエトキシジメチルシラン、ジエトキシジエチルシラン、ジエトキシジフェニルシラン、ジプロポキシジメチルシラン、ジプロポキシジエチルシラン、ジプロポキシジプロピルシラン、ジプロポキシジフェニルシラン、ジブトキシジメチルシラン、ジブトキシジエチルシラン、ジブトキシジブチルシラン、ジブトキシジフェニルシランなどのジアルコキシシラン等が挙げられる。 【0072】 ビニル基含有ポリシロキサンの市販品としては、例えば、信越化学工業社製の商品名「X−22−164B」、「X−22−164C」、「X−22−2404」、東レ・ダウコーニング・シリコーン製の商品名「SZ6075」、「SZ6300」等が挙げられる。 【0073】 また、上記した以外に、ビニル基を含有するポリエステル変性ジメチルポリシロキサン(BYK―371、商品名、ビックケミージャパン社製)やポリエーテル変性アクリロイル基含有ジメチルシロキサン(BYK−UV3500、BYK−UV3530、以上、商品名、ビックケミージャパン社製)などのビニル基含有の変性シリコーンも使用することができる。 【0074】 アミノ基含有ポリシロキサンとしては、例えば、アミノ基含有シラン化合物と上記加水分解性シラン化合物との反応物が挙げられる。 【0075】 アミノ基含有シラン化合物としては、例えば、γ−N−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、p−(N,N−ジメチルアミノ)フェニルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)アミノメチルフェネチルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン、ビス[3−(トリエトキシシリル)プロピル]アミン、γ−N,N−ジエチルアミノプロピルトリメトキシシラン、N,N−ジメチルアミノフェニルトリエトキシシランなどが挙げられる。 【0076】 これらの市販品としては、例えば、信越化学工業社製の商品名「X−22−161A」、「KF−860」、「KF−858」、東レ・ダウコーニング・シリコーン社製の商品名「BY−16−209」、「BY16−853C」等が挙げられる。 【0077】 メルカプト基含有ポリシロキサンとしては、例えば、メルカプト基含有シラン化合物と上記加水分解性シラン化合物との反応物が挙げられる。 【0078】 メルカプト基含有シラン化合物としては、例えば、γーメルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシランなどが挙げられる。 【0079】 これらの市販品としては、例えば、信越化学工業製の商品名「X−22−167B」、「KF−2001」、「KBM803」、「KP358」、東レ・ダウコーニング・シリコーン製の商品名「SH6062」等が挙げられる。また、特開昭59−88344号公報に記載のものも使用できる。 【0080】 また、本発明において、上記の成分以外に光重合性不飽和化合物(E)を配合することができる。 【0081】 この光重合性不飽和化合物(E)としては、単官能モノマーもしくは多官能モノマーを使用することができる。 【0082】 成分(E)の単官能モノマーとしては、例えば、下記のものが挙げられる。 【0083】 (1)(メタ)アクリル酸の炭素原子数1〜24個のアルキル又はシクロアルキルエステル;例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、アクリル酸デシルなど。 【0084】 (2)塩基性ビニル単量体;例えば、N−ビニル−2−ピロリドン、アクリロイルモルホリン、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチルアクリルアミドなど。 【0085】 (3)グリシジル基含有ビニル単量体;例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリルアミド、アリルグリシジルエーテルなど。 【0086】 (4)芳香族ビニル単量体;例えば、スチレン、ビニルトルエンなど。 【0087】 (5)脂環族ビニル単量体;例えば、イソボルニルアクリレートなど。 【0088】 (6)その他の単官能モノマー;例えば、プロピオン酸ビニル、α−メチルスチレン、酢酸ビニル、(メタ)アクリロニトリル、ビニルピバレート、ベオバモノマー(シェル化学製)など。 【0089】 成分(E)の多官能モノマーとしては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、トリメチロールプロパンエトキシトリ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルアクリレート、トリシクロデカンジアクリレートなどが挙げられる。 【0090】 また、本発明において、オリゴマー成分(A)及びオリゴマー成分(B)以外のオリゴマー成分を、成分(E)として、必要に応じて使用することができる。これらのオリゴマー成分の配合割合は、成分(A)、(B)及び(E)の重合性成分の合計中に40重量%以下が好ましく、20重量%以下がより好ましい。 【0091】 本発明において、オリゴマー(A)、オリゴマー(B)及び不飽和化合物(E)のそれぞれの配合割合は、これら重合性成分の合計重量を基準にして、次のとおりに設定することが好ましい。オリゴマー(A)の配合割合は5重量%以上が好ましく、10重量%以上がより好ましく、15重量%以上がさらに好ましく、一方、40重量%以下が好ましく、30重量%以下がより好ましい。オリゴマー(B)の配合割合は20重量%以上が好ましく、30重量%以上がより好ましく、40重量%以上がさらに好ましく、一方、70重量%以下が好ましく、60重量%以下がより好ましい。不飽和化合物(E)は必要に応じて配合する成分であり、これを配合する場合、その配合割合は、オリゴマー(A)及び(B)による特性を十分に得る点から、50重量%以下が好ましく、40重量%以下がより好ましく、一方、所望の特性を得る点から、10重量%以上が好ましい。オリゴマー(A)が少なすぎると架橋密度が低下して温度変化に対する被覆変形が大きくなり、一方、多すぎると架橋密度が高すぎて剛直になり被膜の可とう性が低下する。オリゴマー(B)が少なすぎると架橋密度が高くなり被膜が剛直になったり、十分な弾性が得られなくなったりするため、被覆光ファイバーの可とう性が低下し、一方、多すぎると架橋密度が低下して温度変化に対する被膜の変形が大きくなる。 【0092】 光重合開始剤(C)の配合割合は、光反応性を十分に高めて塗膜を十分に硬化させる点から、オリゴマー(A)、オリゴマー(B)及び不飽和化合物(E)の総合計重量100部に対して0.1重量部以上が好ましく、1重量部以上がより好ましく、3重量部以上がさらに好ましい。一方、光重合開始剤の過剰な光吸収量を抑えて十分に塗膜深部の硬化を行う点から、上記総合計重量100部に対して20重量部以下が好ましく、12重量部以下がより好ましく、10重量部以下がさらに好ましい。 【0093】 本発明においてシリコーン添加剤(D)を配合する場合、その配合割合は、十分な添加効果を得る観点から、オリゴマー(A)、オリゴマー(B)及び不飽和化合物(E)の総合計重量100部に対して0.1重量部以上が好ましく、1重量部以上がより好ましく、3重量部以上がさらに好ましい。一方、本発明の目的とする効果を低下させない観点から、上記総合計重量100部に対して15重量部以下が好ましく、10重量部以下がより好ましい。 【0094】 本発明において、上記の成分(A)〜(E)以外に、必要に応じて顔料、有機溶剤、充填剤、流動性調整剤、光重合反応促進剤などの従来から公知の添加剤を配合することができる。 【0095】 次に、本発明の被覆光ファイバーについて以下に説明する。 【0096】 本発明の被覆光ファイバーは、コア(光ファイバー心線)の外周に、プライマー被覆層、インキ被覆層及びマトリックス被覆層が順次積層されてなる従来から公知の被覆光ファイバーにおいて、プライマー被覆層、インキ被覆層及びマトリックス被覆層の何れか1層が、上記の光ファイバー用被覆組成物により形成されているものである。 【0097】 コアとしては、石英などの光学ガラス材料を紡糸して作製される従来公知の光伝送用ガラスファイバーを使用することができる。一般に、ガラスファイバーは可とう性を維持するためにその径が200μm以下であるものが好ましい。例えば直径10μm〜200μmのガラスファイバーを用いることができる。 【0098】 プライマー被覆層は、プライマリー層の表面にセカンダリー層が被覆されたものを使用することができる。プライマー被覆層の膜厚は、好ましくは40〜120μm、より好ましくは60〜100μmの範囲である。プライマリー層の膜厚は、好ましくは20〜60μm、より好ましくは30〜50μmの範囲である。また、セカンダリー層の膜厚は、好ましくは20〜60μm、より好ましくは30〜50μmの範囲である。 【0099】 プライマリー層は、コアに対する付着性に優れ、且つセカンダリー層との付着性に優れたものが使用される。このプライマリー層には、加工性、光屈曲性が重要視され、一般的には軟質の被覆材料が使用される。そのため、本発明の光ファイバー用被覆組成物をプライマー被覆層に用いる場合は、このプライマリー層よりもセカンダリー層に用いた方が好ましい。 【0100】 セカンダリー層は、プライマリー層とインキ被覆層との間に位置する層であり、プライマリー層及びインキ被覆層の両者との付着性に優れ、且つ比較的硬質の被覆材料が通常使用される。本発明の光ファイバー用被覆組成物は、このセカンダリー層を形成する材料として好適なものである。 【0101】 本発明の光ファイバー用被覆組成物は、例えば、下記成分を配合した組成物を使用することが好ましく、下記の組成物は特にセカンダリー層を形成する材料として好適である。 【0102】 (A)成分としては、前記の一般式で表される3官能以上のポリエステルオリゴマーであって、ポリエステルの構成成分としてアルキレンオキサイド成分、カプロラクトン成分等の軟質成分を含有しないものを使用することが好ましい。 【0103】 (B)成分としては、下記成分(B-a)、(B-b)、(B-c)から選ばれる少なくとも一種の成分が好ましい。 【0104】 (B-a)成分としてはビスフェノールAグリシジル化合物変性(メタ)アクリレートが好ましい。(B-b)成分としてはポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレートが好ましい。(B-c)成分としては、脂環式ジイソシアネートとアルキレンポリオール等のポリエーテルポリオール又はポリエステルポリオールとを反応させて得られるウレタンポリエーテルポリオール変性(メタ)アクリレート又はウレタンポリエステルポリオール変性(メタ)アクリレートが好ましい。 【0105】 (C)成分としては、チオキサントン系化合物、アセトフェノン系化合物、ホスフィンオキサイド系化合物から選ばれる少なくとも1種の開始剤が好ましい。 【0106】 (D)成分としては、ポリエーテル変性アクリロイル基含有ポリジメチルシロキサン、メルカプト基含有シリコーンが好ましい。 【0107】 (E)成分としては、イソボルニルアクリレート、N−ビニル−2−ピロリドン、アクリロイルモルフォリンが好ましい。 【0108】 インキ被覆層は、プライマー被覆層(セカンダリー層)とマトリックス被覆層との間に位置する層であり、下記の特性が求められる。 【0109】 (1)プライマー被覆層(セカンダリー層)との付着性に優れること、 (2)マトリックス被覆層からの光ファイバーの分離が可能な程度にマトリックス被覆層との適度な付着性を有すること、 (3)耐水性に優れること、 (4)顔料が配合されても硬化が速いこと。 【0110】 インキ被覆層を形成する組成物としては、例えば、上記のセカンダリー層を形成する材料に従来から公知の顔料を配合したものを用いることができる。 【0111】 マトリックス被覆層は、例えば、多重チャンネル伝送を目的とし、複数の被覆光ファイバー(光ファイバの外周に、プライマー被覆層、インキ被覆層が順次積層されてなる光ファイバー)の集合体をマトリックス材料で一緒に結合するものである。 【0112】 このようなマトリックス材料により結合された光ファイバー集合体は、通常リボン集合体と呼ばれており、このリボン集合体には、リボン集合体同士を直線的に結合させたり、リボン集合体の各末端に対し中間的な位置でファイバーを分岐させる接合部を設けたりすることが求められる。このために、マトリックス被覆層をインキ被覆層から剥がし取る作業(分離)が行われる。この作業において、ファイバーからインキ被覆層が剥ぎ取られないように、十分な付着力でインキ層を設け、且つこのインキ被覆層上に適度な付着力でマトリックス被覆層を設けることが必要である。また、現場で配線作業中にリボン集合体が折れ曲がった際にファイバーからインキ被覆層が剥ぎ取られない程度に付着していることが望まれる。 【0113】 また、マトリックス被覆層には、現場作業における耐擦り傷などの物理的な力が掛かった場合に簡単に傷がつかないような強靭性が求められる。また、光ファイバーが使用される環境温度変化によりマトリックス被覆層の機械的変化が少なく光伝送損失の少ないものが要求される。本発明の光ファイバー用被覆組成物を使用することにより、所望の特性を有するマトリックス被覆層を形成することができる。 【0114】 マトリックス被覆層の厚みは、通常5〜350μmの範囲で適宜設定され、好ましくは30〜50μmの範囲に設定される。 【0115】 マトリックス被覆層を形成する組成物としては、例えば、上記のセカンダリー層を形成する材料もしくは該材料から成分(D)を配合しないものを使用することができる。 【0116】 本発明において、プライマー被覆層、インキ被覆層、マトリックス被覆層は架橋密度が100〜1000の範囲が好ましく、600〜800の範囲がより好ましい。 【実施例】 【0117】 以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。本発明は、実施例に限定されるものではない。 【0118】 実施例および比較例で使用する成分は次の通りである。 【0119】 (A)不飽和ポリエステルオリゴマー成分: (1)ポリエステルポリオール(トリメチロールプロパン/エチレングリコール/テレフタル酸のエステル化物)とアクリル酸との反応物(分子量800、ガラス転移温度250℃)、 (2)水酸基及びカルボキシル基含有ポリエステル(トリメチロールプロパン/エチレングリコール/テレフタル酸/トリメリット酸のエステル化物)とアクリル酸および2−ヒドロキシエチルアクリレートとの反応物(分子量1200、ガラス転移温度300℃)。 【0120】 (B)変性(メタ)アクリレートオリゴマー成分: (B-a)エポキシ変性(メタ)アクリレートオリゴマー成分: ビスフェノールAジグリシジルエーテル/アクリル酸の反応物(分子量480、1分子中のアクリロイル基:平均2個)、 (B-b)ポリエーテルポリオール変性(メタ)アクリレートオリゴマー成分: (1)ポリプロピレングリコールジアクリレート(分子量580)、 (2)ポリエチレングリコールジアクリレート(分子量300)、 (B-c)ウレタンポリエーテルポリオール変性又はウレタンポリエステルポリオール変性(メタ)アクリレート成分: (1)ヒドロキシアクリレート/水添キシリレンジイソシアネート/ポリエチレングリコールの反応物(分子量1030、1分子中のアクリロイル基:平均2個)、 (2)ヒドロキシアクリレート/トリレンジイソシアネート/ポリエステルポリオール(エチレングリコール/アジピン酸/テレフタル酸)の反応物(分子量1700、1分子中のアクリロイル基:平均2個)。 【0121】 (C)光重合開始剤成分: (1)1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、 (2)2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、 (3)2−メチルー1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン。 【0122】 (D)シリコーン添加剤成分: (1)ポリエーテル変性アクリロイル基含有ポリジメチルシロキサン、 (2)3−メルカプトプロピルポリジメチルシロキサン。 【0123】 (E)その他の光重合性モノマー又はオリゴマー成分: (1)ビスフェノールAジグリシジルアクリレート、 (2)イソボルニルアクリレート、 (3)トリシクロデカンジアクリレート、 (4)N−ビニルー2−ピロリドン、 (5)アクリロイルモルフォリン、 (6)ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、 (7)ペンタエリスリトールテトラアクリレート。 【0124】 表1に記載の配合割合で実施例1〜5、比較例1〜4の光ファイバー用被覆組成物を製造した。なお、表1中の数値は重量部を示す。 【0125】 【表1】
【0126】 硬化物の調製および評価 上記で得られた実施例1〜5及び比較例1〜4の組成物を用いて、以下の塗膜物性の測定を行った。結果を表2に示す。 【0127】 【表2】
【0128】 塗膜(硬化物)の調製および評価は次の通りである。 【0129】 (1)ヤング率、破断伸び率 ガラス板に膜厚100μmになるように前記組成物を塗布し、光量5000J/m2の紫外線(光源:メタルハライドランプ)を窒素雰囲気下で照射して硬化膜を得た後、ガラス板から剥離して試験片を得た。この試験片を2号タ゛ンベルで打ち抜き、引張試験機にて次の条件で測定する。 【0130】 試験片支持間隔:25mm、 引張り速度:ヤング率は1mm/分、破断伸び率は50mm/分、 ヤング率は、試験片支持間隔の2.5%伸びた時の応力を100%伸びに換算したものとする。 【0131】 (2)ガラス転移温度、架橋間分子量 上記ヤング率の測定で使用したものと同じ硬化膜の試験片を、バイブロン動的粘弾性装置:DAYNAMIC VISCOELASTOMETER MODELVIBRON DDV-EA型(TOYO BACDWIN CO. Ltd)を用いて測定した。得られた動的粘弾性スペクトルから、ガラス転移温度は損失正接tanδのピーク温度とし、架橋間分子量は高温弾性率とその到達温度を用いて算出する。 【0132】 表2の結果から明らかなとおり、実施例1〜5は、−40℃〜60℃の実用範囲において十分なヤング率を示し、その温度依存性も小さく、さらに破断伸び率にも優れていることがわかる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001409 【氏名又は名称】関西ペイント株式会社 【住所又は居所】兵庫県尼崎市神崎町33番1号
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| 【出願日】 |
平成15年12月25日(2003.12.25) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100123788 【弁理士】 【氏名又は名称】宮崎 昭夫
【識別番号】100088328 【弁理士】 【氏名又は名称】金田 暢之
【識別番号】100106297 【弁理士】 【氏名又は名称】伊藤 克博
【識別番号】100106138 【弁理士】 【氏名又は名称】石橋 政幸
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| 【公開番号】 |
特開2004−244618(P2004−244618A) |
| 【公開日】 |
平成16年9月2日(2004.9.2) |
| 【出願番号】 |
特願2003−430812(P2003−430812) |
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