| 【発明の名称】 |
アリル尿素類の新規製法、アリル尿素系架橋剤、および高吸水性樹脂 |
| 【発明者】 |
【氏名】北村 徹 【住所又は居所】大阪府大阪市西区江戸堀1丁目10番8号ダイソー株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】アリル尿素類の新規製法、アリル尿素系架橋剤、および高吸水性樹脂を提供する。
【解決手段】アリルアミン類と尿素とを尿素の融点以上の温度で反応させることを特徴とする、アリル尿素類の新規製法。また、該反応を常圧のもとで行うことを特徴とする、アリル尿素類の新規製法。更に、該反応を還流系にて行い、副生物であるアンモニアを系外へ除去することを特徴とする、アリル尿素類の新規製法。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 モノアリルアミンと尿素を、尿素の融点以上の温度で反応させる1,3−ジアリル尿素の製法。 【請求項2】 モノアリルアミン、ジアリルアミンおよび尿素を、尿素の融点以上の温度で反応させるアリル尿素類の製法。 【請求項3】 モノアリルアミン:ジアリルアミン:尿素の比がモル比で0.9〜2.0:0.9〜2.0:1である請求項2記載のアリル尿素類の製法。 【請求項4】 生成物であるアリル尿素類が本質的に1,1−ジアリル尿素、1,3−ジアリル尿素および1,1,3−トリアリル尿素の混合物である請求項2または3記載の製法。 【請求項5】 生成物であるアリル尿素類が本質的に1,1,3−トリアリル尿素である請求項2〜4のいずれかに記載の製法。 【請求項6】 反応を常圧のもとで行う請求項1〜5のいずれかに記載の製法 【請求項7】 反応を還流系にて行い、副生物であるアンモニアを系外へ除去する請求項1〜6のいずれかに記載の製法。 【請求項8】 反応物であるモノアリルアミンを連続的または断続的に反応系内に導入する請求項1、6または7記載の製法。 【請求項9】 反応物であるモノアリルアミンおよびジアリルアミンを連続的または断続的に反応系内に導入する請求項2〜7のいずれかに記載の製法。 【請求項10】 反応物であるアリルアミン類のうち、モノアリルアミンの導入後、ジアリルアミンを導入する請求項9記載の製法。 【請求項11】 本質的にアリル尿素類からなる高吸水性樹脂用架橋剤。 【請求項12】 アリル尿素類が1,1−ジアリル尿素、1,3−ジアリル尿素および1,1,3−トリアリル尿素からなる群から選ばれる少なくとも一種である請求項11記載の高吸水性樹脂用架橋剤。 【請求項13】 アリル尿素類が1,1,3−トリアリル尿素である請求項11記載の高吸水性樹脂架橋剤。 【請求項14】 請求項11〜13のいずれかに記載のアリル尿素類を架橋剤に用いて架橋された高吸水性樹脂。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】 本発明は、特定のアリルアミン類と尿素から合成樹脂等の原料、改質剤または架橋剤として有用なアリル尿素類の製法に関する。 また、本発明は1,1−ジアリル尿素、1,3−ジアリル尿素および1,1,3−トリアリル尿素に代表される本質的にアリル尿素類からなる高吸水性樹脂用架橋剤と、それを用いて架橋された高吸水性樹脂に関する。 【0002】 【従来の技術】 従来より1,3−ジアリル尿素の製法としては以下の種々の方法が知られている。 【0003】 (1)一酸化炭素とアリルアミンとの反応(非特許文献1)、または二酸化炭素とアリルアミンとの反応(非特許文献2)が知られているが、いずれも耐圧反応容器を用いた高圧下の反応であって複雑な製造設備が必要である。 【0004】 (2)炭酸エチレンとアリルアミンとの反応(特許文献1)は、比較的常圧に近い加圧条件下での反応ではあるが、副生物であるエチレングリコールの分離に手間がかかること、また原料である炭酸エチレンが比較的高価であるため、経済性に劣る等の問題がある。 【0005】 (3)アリルアルコールと尿素との反応(特許文献2)も知られているが、収率が低く(68.4%)、また溶媒としてジメチルホルムアミドを使用しており、分離回収が煩雑となる等、工業的な実施に問題がある。 【0006】 また、一般的な対称型1,3−ジ置換尿素の製造方法としては、上記製法以外に下記のものが公知であるが、いずれも作業の安全性や、設備面、工程面での経済性に問題がある。 【0007】 (4)第一級アミンとフォスゲンとを反応させる方法(非特許文献3)が知られているが、毒性の強いフォスゲンを原料に用いるため、作業性および安全性に問題がある。 【0008】 (5)第一級アミンと尿素とを反応させる方法(特許文献3)は安全性および経済性の高い尿素を原料に用いる好ましい方法であるが、反応温度が140〜200℃の高温が必要なため、沸点が反応温度より低い第一級アミンの場合は耐圧反応容器が必要である。また、反応収率を上げるためには大過剰のアミンを必要とし、その分離回収に多大の労力が必要である。 【0009】 (6)沸点の低い第一級アミンと尿素との反応を常圧で行うためには、ガス状のアミンを溶融尿素に吹き込む方法が知られている(特許文献4および5)。しかし、ガス状の第一級アミンと140〜200℃に溶融された尿素との反応では、溶融尿素中のアミン濃度が極端に低くなるため、高い反応率を実現するには、2つの温度範囲を有する鐘型棚段塔あるいは順次に接続した複数の反応容器という高価な装置と、長い反応時間が必要になり、工業的には大きな問題点を持っている。 【0010】 ところで、重合性二重結合(例えば、炭素−炭素二重結合)を有する重合性化合物、またはその塩からなる高吸水性樹脂は、その主成分がアクリル酸塩ポリマーの場合が主流であり、主に水溶液重合法にて製造されている。高吸水性樹脂を架橋する架橋剤として、アクリル酸エステル類、アクリル酸アミド類、アリルエ−テル類等の反応性二重結合を有する種々の物質の使用が提案されている。中でも、アリル系化合物を架橋剤として用いると特に吸水能力に優れるポリマーが得られことが報告されている。また、有機溶媒中に懸濁させた水にモノマー及び架橋剤を溶解させて重合する方法である逆相懸濁重合法も工業的に実施されており、この逆相懸濁重合法も水系媒体中での重合とみなすことができる。 【0011】 例えば、ポリエチレングリコ−ルジアリルエ−テルを架橋剤に用いるとアクリル系架橋剤を用いたときに比べ吸水能力に優れるポリマーが得られることが報告されている(非特許文献4)。しかしながら、吸水率の点で架橋剤としての性能は十分ではない。 【0012】 また、アクリル酸を重合して得られたポリマーを中和する方法が一般的に知られている。この方法が使用されている特許文献6には、具体的なアリル化合物としてテトラアリロキシエタンの使用が開示されている。しかし、この化合物は耐熱性の不足、モノマー水溶液への溶解性の不足、耐加水分解性の不足等の欠点があり、未だ性能が十分ではない。 【0013】 さらに特許文献7には、トリアリルアミン、トリアリルシアヌレ−ト、トリアリルイソシアヌレ−ト、トリアリルホスフェ−トの使用が開示されている。しかしこれらの架橋剤は押し並べて、耐熱性の不足、重合反応への悪影響、モノマー水溶液への溶解性の不足、耐加水分解性の不足等の欠点があり、いずれも実用的なものではない。 【0014】 【特許文献1】特開平10−251214公報 【特許文献2】特開平4−321655公報 【特許文献3】特公平2−7945公報 【特許文献4】ドイツ連邦共和国特許第896640号公報 【特許文献5】ドイツ民主共和国特許第55003号明細書 【特許文献6】特開平3−174414号公報 【特許文献7】特開平4−246403号公報 【非特許文献1】Can. J. Chemical, Vol. 68, No. 9, 1544頁(1990年) 【非特許文献2】J. Org. Chem., Vol. 57, No. 26, 7339頁(1992年) 【非特許文献3】Chemical Reviews, Vol. 73, No.1, 75頁(1973年) 【非特許文献4】J. Polym. Sci. A: Polym. Chem. 35,799項(1997年) 【0015】 【発明が解決しようとする課題】 本願第一発明の目的は、作業性、安全性、収率および経済性共に優れたアリル尿素類の新規製法を提供することである。 また、本願第二発明の目的は、吸水能力に関して実用的な要求レベルを満足する高吸水性樹脂を製造することを可能とし、その原料となるモノマー水溶液(例えば、アクリル酸塩水溶液)に対して十分な溶解性を有する新規なアリル系架橋剤と、それを用いて架橋された高吸水性樹脂を提供することである。 【0016】 【課題を解決するための手段】 初めに本願第一発明について説明する。 本発明者は、アリルアミン類と尿素とを特定条件下、反応させることにより、簡単に、収率良く、しかも安価にアリル尿素類を製造できることを見出し、本発明を完成したものである。 【0017】 即ち、本発明は、アリルアミン類と尿素とを尿素の融点以上の温度で反応させることを特徴とする、アリル尿素類の新規製法に関する。 また、上記反応を常圧のもとで行うことを特徴とする、アリル尿素類の新規製法に関する。 更に、上記反応を、還流系にて行い、副生物であるアンモニアを系外へ除去することを特徴とする、アリル尿素類の新規製法に関する。 【0018】 使用できるアリルアミン類は、モノアリルアミンまたはジアリルアミンである。但し、本発明においてはアリルはその一部または全部がメタリルで置換されていてもよい(本願第二発明において同じ。)。 【0019】 アリルアミン類の使用量は、尿素1モルに対して2.0モル以上が好ましく、更に好ましくは2.0〜2.4モルであり、最も好ましくは2.0〜2.2モルの範囲である。 【0020】 アリルアミン類としてモノアリルアミンを単独で使用した場合には、生成するアリル尿素類は1,3−ジアリル尿素である。 【0021】 一方、アリルアミン類としてモノアリルアミンおよびジアリルアミンを併用した場合は、生成するアリル尿素類は本質的に1,1−ジアリル尿素、1,3−ジアリル尿素および1,1,3−トリアリル尿素の混合物である。この場合、反応物であるモノアリルアミン:ジアリルアミン:尿素の比がモル比で0.9〜2.0:0.9〜2.0:1であるのが好ましい。該モル比を適宜選択することで、生成物であるアリル尿素類を本質的に1,1,3−トリアリル尿素とすることができる。ここで、本質的とは、生成物であるアリル尿素類中、重量で50%以上含有するものをいう。 【0022】 尿素は高純度品が望ましいが、本発明による製法に甚大な悪影響を及ぼさない範囲で不純物を含んでいてよい。 【0023】 本発明において、アリルアミン類と尿素の反応は尿素の融点(135℃)以上の温度で行われる。好ましくは135℃〜200℃である。尿素の融点以下では反応速度が極度に低下し実際的でない。 【0024】 本発明は一括仕込みで行っても良いが、溶融させた尿素に対して常圧でアリルアミン類を外部より逐次導入してもよい。その結果、反応により、アリル尿素類とアンモニアが生成する。導入は、滴下ロートや定量ポンプで連続的に導入することができる。 【0025】 反応は平衡反応のため、反応により生成するアンモニアを反応系外へ除くことが反応進行上望ましい。 【0026】 副生するアンモニアを系外に除く際、反応を還流系にて行うのが望ましい。還流は反応器出口部に還流冷却器を設置し、未反応のアリルアミン類を凝集させ反応器に還流させてよい。還流冷却器を設置することで未反応のアリルアミン類が副生するアンモニアガスに同伴して不必要に系外に除かれるのが回避される。 【0027】 アリルアミン類を外部より導入する場合の導入速度は、未反応のアリルアミン類が穏やかに還流する程度の速度で連続的または断続的に導入すればよい。具体的な導入速度は還流冷却器の還流能力等との関係により適宜選定することができる。 導入の具体的方法に特に制限はないが、例えば、加熱攪拌した尿素にアリルアミン類を滴下反応させてよい。 アリルアミン類がモノアリルアミンとジアリルアミンの場合は、両者の混合物を滴下反応させても、また一方を滴下完了後、他方を滴下してもよい。 【0028】 反応の終了は、アンモニアガスが発生しなくなることにより確認できる。また、反応液をガスクロマトグラフィにて分析することによっても確認してもよい。 【0029】 還流冷却器を使用する場合のその冷却温度は、アンモニアの沸点(−33℃)以上で、原料であるアリルアミン類の沸点(例えば、53℃)以下とする。冷却温度がアンモニアの沸点以下の場合は、アンモニアが凝縮還流するため、反応が進行しないので好ましくない。また、冷却温度が使用するアリルアミン類の沸点以上の場合は、アリルアミン類が凝縮しないためアリルアミン類の必要モル数が大きくなり好ましくない。 【0030】 還流冷却器で冷却されなかったアンモニアは反応系外に導きアンモニアガスとして回収、水に吸収させることにより水溶液として回収、または冷却あるいは圧縮により液体アンモニアとして回収することができる。回収したアンモニア水溶液はアリルクロライドと反応させることにより、アリルアミンを得ることができ、アリルアミンは本反応の原料アリルアミンに使用できる。すなわち、本発明の製法は副生するアンモニアを容易にリサイクルすることができ、環境汚染の少ない1,3−ジアリル尿素の製造方法である。 【0031】 本反応は特別な溶剤を使用しなくても実施できるが、反応温度より高い沸点を持つ溶媒を使用することも可能である。 【0032】 次に本願第二発明について説明する。 本発明者は、アリル尿素類が前記した水溶液重合法を行うに当たり、工業的に有用であることを見い出し本発明を完成するに至ったものである。 【0033】 即ち、本発明は、本質的にアリル尿素類からなる高吸水性樹脂用架橋剤に関する。 ここで、本質的とは架橋剤中、重量で50%以上含有するものをいう。純品が好ましい。 また、本発明は、当該アリル尿素類を架橋剤に用いて架橋された高吸水性樹脂に関する。 【0034】 本発明におけるアリル尿素類は、1,1−ジアリル尿素、1,3−ジアリル尿素および1,1,3−トリアリル尿素からなる群から選ばれる少なくとも一種であればよいが、好ましいのは1,1,3−トリアリル尿素である。本願第一発明により製造されたアリル尿素類を用いてよい。 【0035】 本発明の架橋剤は、高吸水性樹脂の製造において、該樹脂の架橋に使用される。本発明の架橋剤は、水系媒体中で、高吸水性樹脂を架橋するのに適するものである。 【0036】 高吸水性樹脂は炭素−炭素二重結合を有する重合性モノマーまたはその塩を適当な手段により重合して製造することができる。この場合、重合反応と同時に架橋反応を合わせて行ってもよい。 【0037】 高吸水性樹脂の具体例としては、アクリル酸系のポリマー、ビニルアルコール系のポリマー、イソブチレン/無水マレイン酸系のポリマー、アクリルアミド系のポリマー、アクリルアミド/アクリル酸系のポリマー、N−ビニルアセトアミド系のポリマーが挙げられる。 カルボン酸の完全又は部分塩を主成分とするポリマーが好ましい。 【0038】 当該樹脂は架橋に適した官能基を有する。官能基の具体例としては、カルボキシル基、ヒドロキシル基、アミド基、アセトアミド基が挙げられる。一般には、高吸水性樹脂が有する官能基はそれを形成するモノマーに由来するが、ポリビニルアルコールのように、モノマーが官能基を有しないビニルエステル類(例えば、酢酸ビニル、プロパン酸ビニル)であって、重合後にヒドロキシル基のような官能基が適当な手段により誘導される場合もある。 【0039】 高吸水性樹脂を形成するモノマーの具体例は、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、クロトン酸、シトラコン酸、α−ヒドロキシアクリル酸、アコニット酸、2−(メタ)アクリロイルエタンスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸およびそれらの塩である。塩として、金属塩があげられる。塩における金属の例は、アルカリ金属(例えば、カリウム、ナトリウム)である。 【0040】 架橋方法としては、重合後の高吸水性樹脂含有水溶液に架橋剤を添加して改めて架橋反応を行ってよいし、また、水系媒体中、モノマーを重合して高吸水性樹脂を製造する際に予め架橋剤を共存させておき架橋反応を重合と同時に行うこともできる。 これら水系媒体は架橋剤に対して十分な溶解性を有するのが好ましい。架橋剤の溶解度は、モノマーと水系媒体の混合物100mL当たり、0.2g以上、例えば0.4g以上であってよい。水系媒体は、水単独、または水と水溶性有機溶媒(例えば、アルコール)との混合溶媒であってよい。 【0041】 本発明の架橋剤を使用した実際的な架橋方法は公知の方法でよく、特に限定されるものではない。例えば、アクリル酸モノマー水溶液を水酸化ナトリウム水溶液等で60〜90mol%を中和して30〜50重量%の水溶液とし、架橋剤を0.05〜1.0重量%混合し、アゾ系や過酸化物系等レドックス系のラジカル重合開始剤を加えて通常100℃以下程度の温度で重合させ、生成したポリマーを適度の大きさに裁断し乾燥させることにより、高吸水性ポリマーを製造することができる(中和後重合法)。 【0042】 あるいは、中和していないアクリル酸モノマー水溶液に重合開始剤を加えて重合させ、生成した固体を適度の大きさに剪断し、水酸化ナトリウムで中和処理しても良い(中和前重合法)。 【0043】 【実施例】 以下、実施例および比較例を示し、本発明を具体的に説明する。 なお、粉末ポリマーの吸水力(粉末ポリマー1g当たりの吸水量(g))は下記のようにして評価した。 ○粉末ポリマー約0.2gを正確に秤取り不織布製のティーバッグ式袋(6.8mm×9.6mm)に均一に入れ、0.9%食塩水に浸漬し、1時間後の重量を測定する。ティーバッグ式袋のみの吸水重量をブランクとして、下記数式にしたがって粉末ポリマーの吸水力を算出する。 吸水力=(吸水後の重量(g)−ブランク(g))/(高吸水性ポリマーの重量(g)) 【0044】 実施例1 (ジアリル尿素の製造) 還流冷却器、攪拌器、滴下ロート、温度計を備えた200mlガラス製反応器に、30.0g(0.5モル)の尿素を入れ、160℃に加熱溶融させる。攪拌下、溶融尿素に滴下ロートよりアリルアミン58.8g(1.03モル)を滴下し反応させた。未反応アリルアミンは蒸発するが、−15℃に冷却した還流冷却器で冷却液化させ、反応器に還流させた。滴下速度は、アリルアミンが穏やかな還流を保つ様に調整した。アリルアミンを8時間かけて連続的に滴下し、その後更に同温度で1時間加熱攪拌しながら熟成した。 反応により発生するアンモニアは還流冷却器で液化することなく、ガス状態のまま反応系外に導き、水に吸収させ28%水溶液として回収した。反応終了後、溶融反応液をビーカーに移し冷却固形化させ、67.3g(0.43モル、収率96%)の1,3−ジアリル尿素粗生成物を得た。粗生成物をガスクロマトグラフィーで分析したところ1,3−ジアリル尿素は純度99%で、不純物としてモノアリル尿素を1%含んでいた。粗生成物を水で再結晶すると、純度100%の1,3−ジアリル尿素が得られた。 【0045】 実施例2 (ジアリル尿素の製造) 還流冷却器を使用しない以外は実施例1と同様にして製造したところ、1,3−ジアリル尿素の反応生成物の純度は90%で、不純物としてモノアリル尿素を10%含んでいた。 【0046】 実施例3 (トリアリル尿素の製造) (1)攪拌機、温度計、滴下ロート、還流冷却器を備えたガラス製200ml丸底フラスコに、尿素30.03g(0.5モル)を入れる。反応容器内を窒素置換した後、温度を140℃に加熱して、尿素を溶融させる。モノアリルアミン28.55g(0.5モル)を滴下ロートより滴下反応させる。滴下速度は、モノアリルアミンが還流冷却器で穏やかに還流する速度で滴下する。続いて反応温度を160−180℃に上げて、ジアリルアミン48.58g(0.5モル)を同様に滴下し、同温度で30分攪拌を続ける。反応終了後冷却して、未反応のアミン類を減圧で溜去させ、75.6gの粗生成物を得た。 ガスクロマトグラフ分析によりこの粗生成物は、1,1−ジアリル尿素:1,3−ジアリル尿素:1,1,3−トリアリル尿素の比率が28:8:64(重量比)と判明した。 測定カラム:TC1701, 30m, 0.25mm*0.25μ、測定温度: 50℃→250℃(10℃/min昇温) (2)粗生成物を減圧蒸留することにより、トリアリル尿素を40.0g得た(沸点:94℃/0.4Torr)。この化合物のアクリル酸塩水溶液に対する溶解度を以下の方法にて測定した。 アクリル酸180g、水酸化ナトリウム75g、及び蒸留水424gを混合しモノマー濃度32.4重量%、中和率75モル%の標準アクリル酸塩水溶液を調製した。 標準アクリル酸塩水溶液100gに上記の実験で得られたトリアリル尿素を10g加え、激しく振り混ぜた後静置し、得られた2層分離した溶液の水層を取り出し液体クロマトグラフィーで分析したところ、溶解度は0.84 w/v%と測定された。 測定カラム:ODS−120−5−AP(ダイソー社製カラム)、溶離液:メタノール/水=1/1、流速1ml/min、検出器:RI検出器 【0047】 比較例1 前記標準アクリル酸塩水溶液100gにトリメチロールプロパントリアクリレート10gを混合し、激しく振りまぜた後静置し、得られた2層分離した溶液の水層を取り出しガスクロマトグラフィー(分析条件:カラム BP20−0.25(商品名、SGE社製)30m:カラム温度 100−200℃;昇温速度 10℃/分)で分析したところ、溶解度は 0.20w/v%と測定された。 【0048】 実施例4 (吸水性樹脂の製造) 窒素導入管(液中用および気相中用)、温度計、滴下漏斗、メカニカルスターラーをセットした1Lのセパラブルフラスコにアクリル酸180g(2.5mol)、NaOH 75g(1.875mol)、424mLの水及びトリアリル尿素0.86g(4.78mmol)を入れ容器を氷冷して内温を5℃とした。この時点で混合物は無色透明液体であった。このセパラブルフラスコごと断熱容器へと移し替えた後、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩 150mg(0.56mmol)を1mLの水に溶かしたもの、L−アスコルビン酸 20mg(0.113mmol)を1mLの水に溶かしたもの、31%過酸化水素水 100mg(0.91mmol)を1mLの水に溶かしたものを続けて1分以内に加えた。加えてすぐに混合液の濁度が増し、発熱しながら粘度が増して攪拌が停止した。このまま放置したところ15分後に最高温度(73℃)に達した。この後徐々に室温まで放冷し、得られた無色透明のゲルを容器から取り出した。この一部 約100gを取り出しスピードカッターにかけて粉砕した。おおよそ粒径1mm程度以下になったところで180℃のオーブンで5時間乾燥した。得られた固体を容器から取り出して32.6gの淡黄色固体を得た。固体を乳鉢で再粉砕し粉末とし、再びオーブン(180℃)に入れ1.5時間乾燥させた。25.0gの淡黄色粉末を得た後、篩にかけ60μm以上の粒径を持つ粉末25.5gを得た。粉末ポリマーの吸水力は43g/gであった。 【0049】 実施例5 (吸水性樹脂の製造) トリアリル尿素がアリル尿素混合物(1,1−ジアリル尿素:1,3−ジアリル尿素:1,1,3−トリアリル尿素の重量比が28:8:64)に変わる以外は実施例2と同じ方法を用いて粉末ポリマーを調整した。吸水力は42g/gであった。 【0050】 比較例2 (吸水性樹脂の製造) トリアリル尿素がトリメチロールプロパントリアクリレート1.41g(4.78mmol)に変わる以外は実施例2と同じ方法を用いて粉末ポリマーを調整した。吸水力は36g/gであった。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000108993 【氏名又は名称】ダイソー株式会社 【住所又は居所】大阪府大阪市西区江戸堀1丁目10番8号
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| 【出願日】 |
平成15年6月20日(2003.6.20) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2004−346055(P2004−346055A) |
| 【公開日】 |
平成16年12月9日(2004.12.9) |
| 【出願番号】 |
特願2003−176986(P2003−176986) |
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