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【発明の名称】 欝病、不安神経症およびパ−キンソン病を治療するための1−アリールシクロアルキルスルフィド、スルホキシドおよびスルホン
【発明者】 【氏名】ポール ジョン ハリス

【氏名】デイヴィッド ジョン ヒール

【要約】 【課題】新規治療剤、その製造方法それを含有する医薬組成物およびそれの欝病、不安神経症、パーキンソン病、肥満症、認識障害、てんかんのような急発作、神経症の治療における使用、および搏動のような状態を保護するための神経保護剤としての使用を提供する。

【解決手段】式Iの化合物およびその薬学的に受容しうる塩。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I
【化1】


〔式中
mは0,1または2であり;
nは2,3,4または5であり;
Xはカルボニルまたは式II
【化2】


(ここでRはHまたは1〜4個の炭素原子を有するアルキル基である)であり;
Yは場合により1〜3個の炭素原子を有する1個または数個のアルキル基により置換された1個または2個の炭素原子を有するアルキレン鎖であり;
Zは場合により1〜3個の炭素原子を有する1個または数個のアルキル基により置換された2〜5個の炭素原子を有するアルキレン鎖であり;
Rは場合により1個または数個のハロ置換基(たとえばフルオロ、クロロ、ブロモまたはヨード)により置換されたフェニルであるかまたはRはナフチルであり;かつ
およびRは同じかまたは異なり、H、1〜4個の炭素原子を有する直鎖または枝分れ鎖アルキル基、アルキル基が1〜3個の炭素原子を有するアリールアルキル基である、ただしRがベンジルである場合には、RはHまたはメチルであるものとする〕の化合物およびその薬学的に受容しうる塩。
【請求項2】
mが0,1または2であり、nが3または4である請求項1記載の式Iの化合物。
【請求項3】
XがカルボニルであるかまたはRがHである式IIの基である請求項1または2記載の式Iの化合物。
【請求項4】
Yがメチレンである請求項1から3までのいずれか1項記載の式Iの化合物。
【請求項5】
Zが場合により1〜3個の炭素原子を有する1個または数個のアルキル基により置換された2,3または4個の炭素原子を有するアルキレン鎖である請求項1から4まれのいずれか1項記載の式Iの化合物。
【請求項6】
Zが場合により1個または数個のメチル基により置換された2,3または4個の炭素原子を有するアルキレン鎖である請求項1から5までのいずれか1項記載の式Iの化合物。
【請求項7】
Rが1個または2個のクロロ置換基により置換されたフェニルであるかまたはRはナフチルである請求項1から6までのいずれか1項記載の式Iの化合物。
【請求項8】
Rが3−クロロフェニル、3,4−ジクロロフェニルまたは2−ナフチルである請求項1から7までのいずれか1項記載の式Iの化合物。
【請求項9】
が1〜3個の炭素原子を有するアルキル基であるかまたはベンジルであり、Rが1〜3個の炭素原子を有するアルキル基である請求項1から8までのいずれか1項記載の式Iの化合物。
【請求項10】
およびRが両方共メチルまたはエチルであるか、またはRがベンジルであり、Rがメチルである請求項1から9までのいずれか1項記載の式Iの化合物。
【請求項11】
式III
【化3】


〔式中
mは0,1または2であり;
nは2,3,4または5であり;
Xはカルボニルまたは式II
【化4】


(ここでRはHまたは1〜4個の炭素原子を有するアルキル基である)の基であり;
Yは場合により1〜3個の炭素原子を有する1個または数個のアルキル基により置換された1個または2個の炭素原子を有するアルキレン鎖であり;
Zは場合により1〜3個の炭素原子を有する1個または数個のアルキル基により置換された2〜5個の炭素原子を有するアルキレン鎖であり;
およびRは同じかまたは異なり、H、1〜4個の炭素原子を有する直鎖または枝分れ鎖アルキル基、アルキル基が1〜3個の炭素原子を有するアリールアルキル基である、ただしRがベンジルである場合には、RはHまたはメチルであり;Rはハロであり、RはHまたはハロであるか、またはRとRはそれの結合している炭素原子と一緒に縮合ベンゼン環を形成する〕の化合物およびその薬学的に受容しうる塩。
【請求項12】
がハロであり、RがHであり、RおよびRは両方共クロロであるか、またはRとRはそれの結合している炭素原子と一緒に縮合ベンゼン環を形成する、請求項11記載の式IIIの化合物。
【請求項13】
がフェニル環の3置換位にあるハロであり、RはHであるか、もしくはRおよびRは両方共ハロであって、それぞれフェニル環の3−または4−置換位に置換されているか、またはRとRはそれの結合しているフェニル環と一緒に2−ナフチル基を形成する、請求項11または12記載の式IIIの化合物。
【請求項14】
個々の鏡像異性体、ラセミ化合物または鏡像異性体の他の混合物の形の
1−〔1−(3,4−ジクロロフェニル)シクロブチル〕−2−〔2−(ジメチルアミノ)エチルチオ〕エタノン;
1−〔1−3,4−ジクロロフェニル)シクロブチル〕−2−〔2−(ジメチルアミノ)エチルスルフイニル〕エタノン;
1−〔1−(3,4−ジクロロフェニル)シクロブチル〕−2−〔2−(ジメチルアミノ)エチルスルホニル〕エタノン;
1−〔1−(3,4−ジクロロフェニル)シクロブチル〕−2−〔2−(ジエチルアミノ)エチルチオ〕エタノン;
2−〔2−(N−ベンジル−N−メチルアミノ)エチルチオ〕−1−〔1−(3,4−ジクロロフェニル)シクロブチル〕エタノン;
1−〔1−(3,4−ジクロロフェニル)シクロブチル〕−2−〔2−(ジメチルアミノ)エチルチオ〕エタノール;
1−〔1−(3,4−ジクロロフェニル)シクロブチル〕−2−〔3−(ジメチルアミノ)プロピルチオ〕エタノン;
1−〔1−(3,4−ジクロロフェニル)シクロブチル〕−2−〔3−(ジメチルアミノ)プロピルスルホニル〕エタノン;
1−〔1−(3,4−ジクロロフェニル)シクロブチル〕−2−〔3−(ジメチルアミノ)プロピルチオ〕エタノール;
1−〔1−(3,4−ジクロロフェニル)シクロブチル〕−2−〔3−(ジメチルアミノ)−2−メチルプロピルチオ〕エタノン;
2−〔2−(ジメチルアミノ)エチルチオ〕−1−〔1−(2−ナフチル)シクロブチル〕エタノン;
1−〔1−(3−クロロフェニル)シクロブチル〕−2−〔3−(ジメチルアミノ)プロピルチオ〕エタノン;
1−〔1−(3,4−ジクロロフェニル)シクロブチル〕−2−〔4−(ジメチルアミノ)ブチルチオ〕エタノン;
1−〔1−(3,4−ジクロロフェニル)シクロブチル〕−2−〔3−(ジプロピルアミノ)プロピルチオ〕エタノン;
1−〔1−(3,4−ジクロロフェニル)シクロブチル〕−2−〔3−(ジメチルアミノ)−2−メチルプロピルチオ〕エタノール;
1−〔1−(3,4−ジクロロフェニル)シクロペンチル〕−2−〔3−(ジメチルアミノ)プロピルチオ〕エタノン;
およびその薬学的に受容しうる塩である請求項1記載の式Iの化合物.
【請求項15】
請求項1記載の式Iの化合物の治療有効量を薬学的に受容しうる希釈剤または担体と一緒に含有する医薬組成物。
【請求項16】
請求項1から10までのいずれか1項記載の式Iの化合物の治療有効量をそれを必要とする患者に投与することからなる、神経保護または欝病、不安神経症、パーキンソン病、肥満症、認識障害、急発作および神経障害の治療方法。
【請求項17】
欝病を治療するための請求項16記載の方法。
【請求項18】
不安神経症を治療するための請求項16記載の方法。
【請求項19】
パーキンソン病を治療するための請求項16記載の方法。
【請求項20】
薬物として請求項1から10までのいずれか1項記載の式Iの化合物の使用。
【請求項21】
神経保護のためまたは欝病、不安神経症、パーキンソン病、肥満症、認識障害、急発作および神経障害を治療するための薬物として請求項1から10までのいずれか1項記載の式Iの化合物の使用。
【請求項22】
神経保護のためまたは欝病、不安神経症、パーキンソン病、肥満症、認識障害、急発作および神経障害を治療するための薬物の製造における請求項1から10までのいずれか1項記載の式Iの化合物の使用。
【請求項23】
式I
【化5】


〔式中
mは0,1,または2であり;
nは2,3,4または5であり;
Xはカルボニルであり;
Yは場合により1〜3個の炭素原子を有する1個または数個のアルキル基により置換された1個または2個の炭素原子を有するアルキレン鎖であり;
Zは場合により1〜3個の炭素原子を有する1個または数個のアルキル基により置換された2〜5個の炭素原子を有するアルキレン鎖であり;
Rは場合により1個または数個のハロ置換基(たとえばフルオロ、クロロ、ブロモまたはヨード)により置換されたフェニルであるかまたはRはナフチルであり;RおよびRは同じかまたは異なり、H、1〜4個の炭素原子を有する直鎖または枝分れ鎖アルキル基、アルキル基が1〜3個の炭素原子を有するアリールアルキル基である、ただしRがベンジルである場合には、RはHまたはメチルである〕の化合物およびその薬学的に受容しうる塩を製造する方法において、式IV
【化6】


〔式中Gは離脱基である〕の化合物を式V
HS−Z−NR
の化合物またはその塩と、塩基の存在で反応させることからなる式Iの化合物の製造方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、新規治療剤、その製造方法それを含有する医薬組成物およびそれの欝病、不安神経症、パーキンソン病、肥満症、認識障害、てんかんのような急発作、神経症の治療における使用、および搏動のような状態を保護するための神経保護剤としての使用に関する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
本発明の課題は、欝病、不安神経症、パーキンソン病、肥満症、認識障害、てんかんのような急発作、神経障害の治療において、および搏動のような状態に対して保護するための神経保護剤を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明は、式I
【0004】
【化1】


〔式中
mは0,1または2であり;
nは2,3,4または5であり;
Xはカルボニルまたは式II
【0005】
【化2】


(ここでRはHまたは1〜4個の炭素原子を有するアルキル基である);
Yは場合により1〜3個の炭素原子を有する1個または数個のアルキル基により置換された1個または2個の炭素原子を有するアルキレン鎖であり;
Zは場合により1〜3個の炭素原子を含有する1個または数個のアルキル基により置換された2〜5個の炭素原子を有するアルキレン鎖であり;
Rは場合により、同じかまたは異なる1個または数個のハロ置換基(たとえばフルオロ、クロロ、ブロモまたはヨード)により置換されたフェニル基であるかまたはRはナフチルであり;かつ
およびRは同じかまたは異なり、H、1〜4個の炭素原子を有する直鎖または枝分れ鎖アルキル基、アルキル基が1〜3個の炭素原子を含有するアリールアルキル基である、ただしRがベンジルである場合には、RはHまたはメチルである]の化合物およびその薬学的に受容しうる塩を提供する。
【0006】
式Iの望ましい化合物においては、mは0,1または2であり、nは3または4である。
【0007】
式Iの望ましい化合物においては、XはカルボニルであるかまたはRがHである式IIの基である。
【0008】
式Iの望ましい化合物においては、Yはメチレンである。
【0009】
式Iの望ましい化合物においては、Zは場合により1〜3個の炭素原子を有する1個または数個のアルキル基により置換された2,3または4個の炭素原子を有するアルキレン鎖である。式Iのより望ましい化合物においては、Zは場合により1個または数個のメチル基により置換された2,3または4個の炭素原子を有するアルキレン鎖である。
【0010】
式Iの望ましい化合物においては、Rは1個または2個のクロロ置換基により置換されたフェニルであるか、またはRはナフチルである。式Iのより望ましい化合物においては、Rは3−クロロフェニル、3,4−ジクロロフェニルまたは2−ナフチルである。
【0011】
式Iの化合物の望ましいグループは式III
【0012】
【化3】


〔式中
n,m,x,y,z,RおよびRは式Iにつき上記に記載したようなものであり;Rはハロ(たとえばフルオロ、クロロ、ブロモまたはヨード)であり、RはHまたはハロ(たとえばフルオロ、クロロ、ブロモまたはヨード)であるか、またはRおよびRはそれの結合している炭素原子と一緒に縮合ベンゼン環を形成する〕によって表されかつその薬学的に受容しうる塩である。
【0013】
式IIIのより望ましい化合物においては、Rはクロロであり、RはHであり、RおよびRは両方共クロロであるか、またはRおよびRはそれの結合している炭素原子と一緒に縮合ベンゼン環を形成する。式IIIの殊に望ましい化合物においては、Rはフェニル環の3−置換位にあるクロロであり、RはHであり、RおよびRは両方共クロロであり、それぞれフェニル環の3−および4−置換位に存在するか、またはRおよびRはそれの結合しているフェニル環と一緒に2−ナフチル基を形成する。
【0014】
式IおよびIIIの化合物は、薬学的に受容しうる酸との塩として存在しうる。かかる塩の例は、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、メタスルホン酸塩、硝酸塩、マレイン酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩〔たとえば(+)−酒石酸塩、(−)−酒石酸塩またはその混合物、ラセミ混合物を包含する〕、コハク酸塩、安息香酸塩およびグルタミン酸のようなアミノ酸との塩を包含する。式IおよびIIIの化合物およびその塩は、溶媒和物(たとえば水和物)の形で存在しうる。
【0015】
式IおよびIIIの特定の化合物は、1よりも多い結晶形で存在することができ、本発明はそれぞれの結晶形およびその混合物を包含する。
【0016】
式IおよびIIIの化合物が1個または数個のキラル中心を有することができることは、当業者には明らかである。式IおよびIIIの化合物が1個のキラル中心を有する場合、化合物は2個の鏡像異性体形で存在し、本発明は両方の鏡像異性体およびその混合物を包含する。個々の鏡像異性体は当業者に公知の方法により得ることができる。かかる方法は代表的にはたとえば結晶化により分離しうるジアステレオ異性体塩の形成;たとえば結晶化、ガス−液体または液体クロマトグイラフィーにより分離しうるジアステレオ異性体の誘導体または錯体の形成;1つの鏡像異性体と鏡異性体特異性試薬との選択的反応、たとえば酵素的エステル化、酸化または還元;キラル環境、たとえばキラル担体(たとえば結合したキラル配位子を有するシリカ上またはキラル溶媒中)におけるガス−液体または液体クロマトグラフィーによる分離を包含する。所望の鏡像異性体を上述した分離方法のいずれかにより、もう1つの異性体に変える場合、所望の鏡像異性体形を遊離するためにさらに工程が必要である。選択的に、鏡像異性体は場合により活性試薬、基質、触媒または溶剤を使用する不斉合成によるかまたは1つの鏡像異性体を不斉変換により他の鏡像異性体に変えることにより合成することもできる。
【0017】
式IおよびIIIの化合物が1個よりも多いキラル中心を有する場合、化合物はジアステレオ異性体形で存在し得る。ジアステレオ異性体の組は、当業者に公知の方法、たとえばクロマトグラフィーまたは結晶化により分離することができ、各組内の個々の鏡像異性体は上述したように分離することができる。本発明は、式IおよびIIIの化合物の各ジアステレオ異性体およびその混合物を包含する。
【0018】
式IおよびIIIの詳細な化合物は:個々の鏡像異性体、ラセミ化合物または鏡像異性体の他の混合物の形の
1−〔1−(3,4−ジクロロフェニル)シクロブチル〕−2−〔2−(ジメチルアミノ)エチルチオ〕エタノン;
1−〔1−(3,4−ジクロロフェニル)シクロブチル〕−2−〔2−(ジメチルアミノ)エチルスルフィニル〕エタノン;
1−〔1−(3,4−ジクロロフェニル)シクロブチル〕−2−〔2−(ジメチルアミノ)エチルスルホニル〕エタノン;
1−〔1−(3,4−ジクロロフェニル)シクロブチル〕−2−〔2−(ジエチルアミノ)エチルチオ〕エタノン;
2−〔2−(N−ブチル−N−メチルアミノ)エチルチオ〕−1−〔1−(3,4−ジクロロフェニル)シクロブチル〕エタノン;
1−〔1−(3,4−ジクロロフェニル)シクロブチル〕−2−〔2−(ジメチルアミノ)エチルチオ〕エタノール;
1−〔1−(3,4−ジクロロフェニル)シクロブチル〕−2−〔3−(ジメチルアミノ)プロピルチオ〕エタノン;
1−〔1−(3,4−ジクロロフェニル)シクロブチル〕−2−〔3−(ジメチルアミノ)プロピルスルホニル〕エタノン;
1−〔1−(3,4−ジクロロフェニル)シクロブチル〕−2−〔3−(ジメチルアミノ)プロピルチオ〕エタノン;
1−〔1−(3,4−ジクロロフェニル)シクロブチル〕−2−〔3−(ジメチルアミノ)−2−メチルプロピルチオ〕エタノン;
2−〔2−(ジメチルアミノ)エチルチオ〕−1−〔1−(2−ナフチル)シクロブチル〕エタノン;
1−〔1−(3−クロロフェニル)シクロブチル〕−2−〔3−(ジメチルアミノ)プロピルチオ〕エタノン;
1−〔1−(3,4−ジクロロフェニル)シクロブチル〕−2−〔4−(ジメチルアミノ)ブチルチオ〕エタノン;
1−〔1−(3,4−ジクロロフェニル)シクロブチル−〕−2−〔3−(ジプロピルアミノ)プロピルチオ〕エタノン;
1−〔1−(3,4−ジクロロフェニル)シクロブチル〕−2−〔3−(ジメチルアミノ)−2−メチルプロピルチオ〕エタノン;
1−〔1−(3,4−ジクロロフェニル)シクロペンチル〕−2−〔3−(ジメチルアミノ)プロピルチオ〕エタノン;
およびその薬学的に受容しうる塩である。
【0019】
式IおよびIIIの詳細な鏡像異性体形は:
(−)−1−〔1−(3,4−ジクロロフェニル)シクロブチル〕−2−〔3−(ジメチルアミノ)プロピルチオ〕エタノール;
(+)−1−〔1−(3,4−ジクロロフェニル)シクロブチル〕−2−〔3−(ジメチルアミノ)プロピルチオ〕エタノールである。
【0020】
本発明はまた、薬学的に受容性の希釈剤または担体と一緒に、式IまたはIIIの化合物の治療有効量を含有する医薬組成物を包含する。
【0021】
下記に使用した場合、用語”活性化合物”は、式IまたはIIIの化合物を表わす。治療に使用する際には、活性化合物は経口的、直腸的、非経口的または局所的、特に経口的に投与することができる。こうして、本発明の治療組成物は、経口、直腸、非経口または局所的投与のための任意の公知医薬組成物の形にすることができる。かかる組成物中の使用に適当な薬学的に受容しうる担体は、調剤の分野において公知である。本発明の組成物は、活性化合物0.1〜99重量%を含有しうる。本発明の組成物は、一般に単位投与量形に製造される。
【0022】
経口投与組成物は本発明の望ましい組成物であり、これらはかかる投与のための公知薬剤形、たとえば錠剤、カプセル、顆粒、シロップ、溶液および水性または油性懸濁液である。これら組成物の製造において使用される補形薬は、調剤の分野における公知の補形薬である。錠剤は、活性化合物を希釈剤、たとえばリン酸カルシウム;崩壊剤、たとえばトウモロコシデンプン;結合剤、たとえば微結晶性セルロースまたはポリビニルピロリドンおよび混合物を公知方法により製錠技術において公知の他の任意成分と混合することによって製造することができる。錠剤は、所望の場合には、公知方法および補形薬を使用して被覆することができ、これはたとえばヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレートを使用する腸溶皮を包含しうる。錠剤は、本発明の化合物の持続的放出を与えるために当業者に公知の方法で調合することができる。かかる錠剤は、所望の場合には、公知方法、たとえば酢酸フタル酸セルロースの使用により腸溶皮を設けることができる。同様に、活性化合物を含有し、補形薬が添加されているかまたはいないカプセル、たとえば硬質または軟質ゼラチンカプセルは、常法により製造し、所望の場合には、公知方法で腸溶皮を設けることができる。カプセルの内容物は、活性化合物の持続的放出を与えるために公知方法を使用して調合することができる。錠剤およびカプセルは、通常それぞれ活性物質1〜500mgを含有しうる。
【0023】
経口投与の他の組成物は、たとえばナトリウムカルボキシメチルセルロースのような無毒の懸濁剤の存在する水媒体中に活性化合物を含有する水懸濁液、および適当な植物油、たとえば落花生油中に本発明の化合物を含有する油性懸濁液を包含する。活性化合物は、補助的補形薬を有するかまたは有しない顆粒に調合することができる。顆粒は患者により直接に摂取されるかまたは摂取前に適当な液状担体(たとえば水)に添加することができる。顆粒は、液状媒体中への分散を容易にするため崩壊剤、たとえば酸と炭酸塩または重炭酸塩から形成される組合せ泡立ち剤を含有しうる。
【0024】
直腸投与に適当な本発明の組成物は、かかる投与のための公知の薬剤形、たとえばカカオ脂またはポリエチレングリコール基剤を有する座薬である。
【0025】
非経口的投与に適当な本発明の組成物は、かかる投与のための公知薬剤形、たとえば適当な溶剤中の滅菌懸濁液または滅菌溶液である。
【0026】
局所的投与のための組成物は、本発明の薬理学的活性化合物が分散されていて、該化合物を経皮的に投薬するために皮膚と接触状態に保つ基剤を含有しうる。選択的に、活性化合物は、薬学的に受容しうるクリーム、ゲルまたは軟膏基剤に分散させることができる。局所的調剤中に含有されている活性化合物の量は、化合物の治療有効量が、局所的調剤が皮膚上に存在すべき期間配分されるようなものであるべきである。
【0027】
本発明の化合物は、外部源から、たとえば静脈内注入によるかまたは体内に置かれた化合物源からの連続的注入により投与することができる。体内源は注入すべき化合物を含有する内移植された貯蔵器を包含し、該化合物はたとえば滲透圧により連続的に放出され、内移植物は(a)薬学的に受容しうる油中の、たとえば非常に難水溶性誘導体の形の化合物、たとえば式IまたはIIIの化合物のドデカノエートの懸濁液または溶液のような液体、または(b)注入すべき化合物に対する内移植された支持体、たとえば合成樹脂またはろう状物質の形の固体であってもよい。支持体はすべての化合物を含有する単一な物体であるかまたはそれぞれ送出すべき化合物の部分を含有する一連の若干の物体であってもよい。体内源中に存在する活性化合物の量は、化合物の治療有効量が長期にわたり送出されるような量であるべきである。
【0028】
幾つかの調剤においては、本発明の化合物を、たとえば流体エネルギーミルにより得られるような非常に小さい寸法の粒子の形で使用するのが有利である。
【0029】
式IまたはIIIの化合物の治療有効量を含有する医薬組成物は、欝病、不安神経症、パーキンソン病、肥満症、認識障害、てんかんのような急発作、神経病の治療のため、および生活している人における搏動のような状態に対する保護のための神経保護剤として使用することができる。かかる治療において投与される活性化合物の正確な量は、多くの因子、たとえば患者の年齢、状態の厳しさおよび過去の治療履歴に依存しかつ常に投与医師の適切な判断内にあり、1日あたり投与される活性物質の量は1日に1回または数回、単一量または分割量で与えられる1〜1000mg,望ましくは5〜500mgの範囲内である。
【0030】
式IまたはIIIの化合物は、パーキンソン病治療法のように、単独かまたはレボドーパ(levodopa)のようなドーパミン前駆物質および/またはカルビドーパ(carbidopa)またはベンセラジド(benserazide)のようなドーパ脱炭酸酵素阻害剤と組合せて投与することができる。
【0031】
もう1つの態様においては、本発明は欝病、不安神経症、パーキンソン病、肥満症、認識障害、てんかんのような急発作、神経症の治療において、および搏動のような状態に対して保護するための神経保護剤として使用するための医薬の製造における式IまたはIIIの化合物の使用を提供する。
【0032】
式Iの化合物の製造方法を記載する。これらの方法は、本発明の別の態様を形成する。
【0033】
mが0であり、Xがカルボニルであり、Yがメチレンである式Iの化合物は、式IV
【0034】
【化4】


〔式中Gは離脱基、たとえばハロ、たとえばクロロ、ブロモまたはヨードである〕の化合物と、式V
HS−Z−NR
の化合物またはその塩とを、塩基、たとえばナトリウムエトキシドの存在で反応させることによって製造することができる。
【0035】
Gがハロである式IVの化合物は、式VIの化合物とハロゲン化剤、たとえば臭素との反応によって製造することができる。
【0036】
【化5】


【0037】
式VIの化合物は、式VII
【0038】
【化6】


の化合物を、有機金属試薬、たとえば式CHLiの有機リチウム化合物またはヨウ化メチルマグネシウムのようなグリニャール試薬と反応させ、次いで加水分解することによって製造するきとができる。
【0039】
nが2,3,4または5である式VIIの化合物は、式VIII
R−CHCN VIII
の化合物と、式IX
Y−(CH−Y IX
〔式中nは2,3,4または5であり、Yは離脱基、たとえばブロモである〕の化合物とを、塩基、たとえば水素化ナトリウム、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムの存在、場合により相間移動触媒、たとえばベンジルトリエチルアンモニウムブロミドの存在で反応させることによって製造することができる。
【0040】
n=3である式VIIの化合物は、英国特許第2098602号明細書に記載された方法により、適当な出発物質を選択することによって製造することができる。
【0041】
式Vの化合物は、式Xの化合物またはその塩の加水分解、たとえば塩基性加水分解によって製造することができる。
【0042】
【化7】


【0043】
式Xの化合物は、式XI
A−Z−NR XI
〔式中Aは離脱基、たとえばクロロ、ブロモまたはヨードである〕の化合物とチオ尿素との反応によって製造することができる。
【0044】
式XIの化合物は、式XII
HO−Z−NR XII
の化合物と、ハロゲン化剤、たとえば塩化チオニルとの反応によって製造することができる。
【0045】
Xが式IIの基である式Iの化合物は,Xがカルボニルである式Iの化合物を、たとえばホウ水素化ナトリウムで還元してRがHである式Iの化合物を得るか、またはXがカルボニルである式Iの化合物と、有機金属試薬、たとえば式RLi〔Rはアルキルである〕の有機リチウム化合物との反応によりRがアルキルである化合物を得ることによって製造することができる。
【0046】
mが1である式Iの化合物は、mが0である式Iの化合物を酸化剤、たとえばマグネシウムモノペルオキシフタレートで酸化することによって製造することができる。
【0047】
mが2である式Iの化合物は、mが0または1である式Iの化合物を酸化剤、たとえば過マンガン酸カリウムで酸化することによって製造することができる。
【0048】
mが0であり、XがカルボニルでありかつYがエチレンである式Iの化合物は、式Vの化合物と式XIII
【0049】
【化8】


の化合物との付加反応によって製造することができる。
【0050】
式XIIIの化合物は、式XIV
【0051】
【化9】


の化合物と酸化剤、たとえば二酸化マンガンとの反応によって製造することができる。
【0052】
式XIVの化合物は、式XV
【0053】
【化10】


の化合物と有機金属試薬、たとえば式CH=CHMgClのグリニャール試薬との反応によって製造することができる。
【0054】
式XVの化合物は、式VIIの化合物を適当な還元剤、たとえば水素化ジイソブチルアルミニウムで還元し、次いで加水分解することによって製造することができる。
【0055】
式IIIの化合物は、式Iの化合物につき記載したと類似の方法で製造することができる。
【0056】
式IまたはIIIの化合物の治療活性は、次の方法でレセルピンにより誘発される下垂症(eye closure)を予防する化合物の能力を評価することによって指示した。体重140〜180gのチャールス リバー(Charles River)CD系統の雄のネズミをランダムに5匹ずつに分けてそれぞれかごに入れ、随意に食物および水を与えた。試験開始の18時間前に、5匹のネズミの4匹にペンで印をつけて、それぞれのネズミを個別に識別できるようにし、次に食物を引込めた。翌朝、試験の2時間前に、ネズミの体重を測定し、ネズミに処理を割り当てるためにセミランダムなコードを使用した。試験は下記のものを経口投与することにより開始した:
a)試験化合物を(脱イオン水中の溶液で)10ml/体重1kgの用量で、次にクエン酸238mM,ツイーン(Tween)80 1.02%v/vおよびベンジルアルコール0.2%v/vを含有する脱イオン水中の溶液でレセルピン1ml/体重1kg(0.75mg/kg)の直接静脈内注射(処理グループ);b)脱イオン水を10ml/体重1kgの用量で、次にクエン酸238mM,ツイーン80 1.02%v/vおよびベンジルアルコール0.2%v/vを含有する脱イオン水中の溶液でレセルピン1ml/体重1kgの直接静脈内注射(陽性対照グループ);または
c)脱イオン水を10ml/体重1kgの用量で、次にクエン酸238mM、ツイーン80 1.02%v/vおよびベンジルアルコール0.2%v/vを含有する脱イオン水1ml/体重1kgの直接静脈内注射(陰性対照グループ)。
【0057】
3時間後、ネズミを個別に澄明なパースペックス(perspex)箱(42×22×22cm)に入れ、各動物が受けた処理を知らない人により観察した。下垂の程度は45秒および75秒後に、次の観察者評価系を使用して記録した:0=目は十分に開く、1=目は1/4閉じる、2=目は1/2閉じる、3=目は3/4閉じる、4=目は完全に閉じる。次に、平均下垂評点を、通常8匹のグループからなる個別に処理したすべてのネズミにつき計算した。次に、陰性対照グループの平均下垂評点を陽性対照グループの平均下垂評点から引き算して試験化合物の不在においてレセルピンにより誘発された下垂評点を得る。処理したネズミの各グループに対する平均下垂評点は、レセルピン誘発下垂の50%防止を得させる用量(ED50)の値を可能にする試験化合物の1用量よりも多い用量で決定した。30mg/kgまたはそれ以下のED50値を与えた化合物の例は表1に示されている。この試験が人における抑欝作用を有する化合物を表示することは当業者には十分に明らかである。
【0058】
式IまたはIIIの化合物の、ドーパミン再捕捉部位(reuptake site)との相互作用能力は、生体内での化合物のドーパミン捕捉抑制能力を測定する次の試験によって証明した。 体重150〜250gの雄ネズミ(Charles River)の脳線条体組織を氷冷0.32Mスクロース(1:10w/v)中で、モータ駆動のテフロン乳棒(乳鉢と乳棒との直径差は0.5mm)を用いて均質化した。核および細胞の残屑は、4℃で10分間1500gでの遠心分離により除去した。ペレット(P1)を排出し、上澄みを4℃で10分間18000gで遠心分離した。粗製シナプトソームのペレット(P2)をクレブス・ヘンゼライト(Krebs−Henseleit)緩衝液中に再懸濁した(組織4.2mg湿潤重量/mlに相当)。
【0059】
粗製シナプトソームを、37℃の振盪水浴中で15分間温置した。分割量(150μl;組織0.625mg湿潤重量/管に相当)を、クレブス・ヘンゼライト緩衝液275μlおよびクレプス・ヘンゼライト緩衝液50μl(合計捕捉)または試験化合物50μl(10−11−10−4Mにわたる10の濃度)またはGBR12909 50μl(10−5M;非特異的捕捉)を含有する管に加えた。捕捉は、新しく調製した〔3H〕ドーパミン(2.5nM)25μlを添加し、次に上述のように操作することにより開始し、振盪水浴中で37℃で5分間続行した。
【0060】
捕捉はスカトロン(Skatron)細胞収集器を使用し,11735フィルターに通して真空下に濾過することにより終結させた。次に、フィルターを氷冷塩水8mlで洗滌した。襞付円板濾紙を小瓶中へ穿孔し、シンチレーシヨン液を加え、液体シンチレーション計数により放射能を定量した。
【0061】
トリチウム化された配位子の特異的捕捉阻害率を、試験化合物の各濃度につき計算した。次に、阻害曲線を作成した。特異的捕捉の50%阻害(IC50)を生じた化合物の濃度を曲線から求めた。次に、阻害定数(Ki)を次式を用いて計算した:
【0062】
【数1】


【0063】
式中〔L〕は使用したトリチウム化された配位子の濃度であり、Kmは配位子に対する捕捉部位の新和力である。式IおよびIIIの化合物に対するKi値は、表1に3つの独立の測定値の平均±semとして与えられている。
【0064】
【表1】


【0065】
本発明を次の実施例により説明するが、該実施例は例示のために示されている。これら実施例のそれぞれの最終生成物は次の方法の1つまたは幾つかによって規定されている:ガス−液体クロマトグラフィーまたは高速液体クロマトグラフィー;元素分析、NMR分光法及び赤外分光法。
【実施例】
【0066】
例1
ヨウ化メチルマグネシウムを、エーテル(100ml)中のマグネシウムリボン(93.8g)の撹拌懸濁液にエーテル(100ml)中のヨウ化メチルの溶液を、始めに外界温度で、つぎに発熱反応が始まったら還流温度で、窒素下に滴下することにより製造した。添加が完了した後、混合物を30分間撹拌し、次ぎにエーテル(80ml)中の1−(3,4−ジクロロフェニル)−シクロブタンカルボニトリル(100g)の溶液を外界温度で滴加した。得られる懸濁液を撹拌し、3時間還流下に加熱し、次いで外界温度で窒素下に16時間撹拌した。得られる固体を濾過により集め、エーテルでよく洗浄し、次ぎに水(400ml)と濃塩酸(250ml)の氷冷混合物に少量ずつ加えた。得られる混合物を95℃で1時間時々撹拌しながら加熱し、次いで外界温度に冷却した。生成物をエーテル(6×150ml)に抽出し、抽出物を硫酸マグネシウム上で乾燥し、溶剤を真空中で除去して油状物(105g)を得、これを蒸留して1−[1−(3,4−ジクロロフェニル)−シクロブチル]エタノン(89.6g;沸点116〜118℃/0.13mbar)を得る。
【0067】
クロロホルム(80ml)中の臭素(18ml)の溶液を、メタノール(120ml)およびクロロホルム(20ml)の混合物中の上記1−[1−(3,4−ジクロロフェニル)−シクロブチル]エタノン(89.6g)の撹拌溶液に10〜15℃で1.5時間にわたり滴加した。添加が完了したら、混合物を外界温度で1時間撹拌し、次ぎに過剰の氷−水上に注いだ。水層を分離し、生成物をジクロロメタン(2×150ml)に抽出した。合した有機溶液を、炭酸水素ナトリウムの飽和水溶液(2×200ml)、次に水で洗浄し、塩化カルシウム上で乾燥し、溶剤を真空中で除去して、油状物を得る。油状物を蒸留して2−ブロモー1−[1−(3,4−ジクロロフェニル)−シクロブチル]エタノン(88.31g;沸点148〜154℃/0.66mbar)を得る。
【0068】
ナトリウムエトキシドの溶液[ナトリウム(0.69g)およびエタノール(60ml)から製造した]を、エタノール(30ml)中の2−(ジメチルアミノ)エタンチオール塩酸塩(2.12g)の撹拌懸濁液に加え、混合物を外界温度で1時間撹拌した。エタノール(30ml)中の2−ブロモ−1−[1−(3,4−ジクロロフェニル)シクロブチル]エタノン(4.8g,上述したように製造した)の溶液を1度に加え、混合物を外界温度でさらに2時間撹拌した。次ぎに、混合物を50℃で1時間撹拌し、溶剤を真空中で除去した。残留物を水(30ml)で希釈し、生成物をエーテル(2×50ml)に抽出した。抽出物を硫酸マグネシウム上で乾燥し、溶剤を真空中で除去して油状物(5.1g)を得た。 上記油状物をエーテルに溶かし、溶液を塩化水素で飽和した。溶剤を真空中で除去して油状物(5.1g)を得、これを溶離剤としてジクロロメタン、次いで酢酸エチルとメタノールの1:1混合物を使用するシリカ上でのフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。適当な画分を合し、溶剤を真空中で除去して1−[1−(3,4−ジクロロフェニル)シクロブチル]−2−[2−(ジメチルアミノ)エチルチオ]エタノン塩酸塩を油状物(2.9g)として得る。
【0069】
例2
1−[1−(3,4−ジクロロフェニル)シクロブチル]−2−[2−(ジメチルアミノ)エチルチオ]エタノン(例1に記載したと類似の方法で得た塩酸塩の塩基性化により製造した)をエタノール(10ml)に溶かし、水(75ml)中のモノペルオキシフタル酸マグネシウム6水和物(1.6g,純度87%)の溶液を加えた。さらにエタノール(20ml)を加え、混合物を外界温度で1時間撹拌した。
【0070】
溶剤を真空中で除去し、残留物を水で希釈し、生成物を酢酸エチルに抽出した。抽出物を硫酸マグネシウム上で乾燥し、溶剤を真空中で除去して油状物(1.8g)を得る。
【0071】
上記の油状物をエタノールに溶かし、溶液を塩化水素で飽和して固形物を得、これを濾過により集め、エタノールから結晶化して1−[1−(3,4−ジクロロフェニル)シクロブチル]ー2−[2−(ジメチルアミノ)エチルスルフィニル]エタノン塩酸塩を白色固体(0.5g;融点184〜185℃)として得る。
【0072】
例3
水(40ml)中の過マンガン酸カリウム(1.2g)の溶液を、トルエン(30ml)中の1−[1−(3,4−ジクロロフェニル)シクロブチル]−2−[2−(ジメチルアミノ)エチルチオ]エタノン(1.4g,例1に記載したと類似の方法で得た塩酸塩の塩基性化により製造した)、テトラ−n−ブチルアンモニウムブロミド(0.1g)および酢酸(10ml)の溶液に加え、混合物を外界温度で22時間撹拌した。混合物に、亜硫酸水素ナトリウムの飽和水溶液を紫紅色が消えるまで加え、得られる澄明な溶液を固体炭酸カリウムの添加により中和した。生成物をトルエンに抽出し、抽出物を硫酸マグネシウム上で乾燥し、溶剤を真空中で除去して油状物(1.7g)を得る。
【0073】
上記油状物をエタノールに溶かし、過剰の塩化水素エーテル溶液を加えた。得られる溶液を蒸発して油状物を得、これをジクロロメタンと擦って1−[1−(3,4−ジクロロフェニル)シクロブチル]−2−[2−(ジメチルアミノ)エチルスルホニル]エタノン塩酸塩を白色固体(0.1g;融点208〜210℃)として得る。
【0074】
例4
ナトリウムエトキシドの溶液[ナトリウム(0.5g)およびエタノール(40ml)から製造した]を、エタノール(30ml)中の2−(ジエチルアミノ)エタンチオール塩酸塩(1.7g)の溶液に加え、混合物を外界温度で1時間撹拌した。エタノール(30ml)中の2−ブロモ−1−[1−(3,4−ジクロロフェニル)シクロブチル]エタノン(3.2g,例1に記載したと類似の方法で製造した)の溶液を一度に加え、混合物を外界温度で1.5時間撹拌した。溶剤を真空中で除去し、残留物を水(25ml)で希釈した。生成物をエーテル(2×50ml)に抽出し、抽出物を硫酸マグネシウム上で乾燥し、溶剤を真空中で除去して油状物(3.5g)を得る。
【0075】
上記油状物を、溶離剤として順次にジクロロメタンと酢酸エチルの1:1混合物、酢酸エチル、および酢酸エチルとメタノールの9:1混合物を使用する、シリカ上でのフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。適当な画分を合し、溶剤を真空中で除去して油状物を得る。油状物をエーテル(15ml)に溶かし、溶液を塩化水素で飽和した。沈殿したクリーム色固形物を濾過により集め、少量のエーテルで洗浄し、真空中で乾燥して1−[1−(3,4−ジクロロフェニル)シクロブチル]−2−[2−(ジエチルアミノ)エチルチオ]エタノン塩酸塩(1.6g;融点109〜110℃)を得る。
【0076】
例5
ナトリウムエトキシドの溶液[ナトリウム(0.2g)およびエタノール(25ml)から製造した]を、エタノール(20ml)中の2−(N−ベンジル−N−メチルアミノ)エタンチオール(1.8g)の溶液に加え、混合物を外界温度で1時間撹拌した。
【0077】
エタノール(20ml)中の2−ブロモ−1−[1−(3,4−ジクロロフェニル)シクロブチル]エタノン(3.2g,例1に記載したと類似の方法で製造した)の溶液を加え、混合物を外界温度で3時間撹拌した。溶剤を真空中で除去し、残留物を水(15ml)で希釈した。生成物をジクロロメタンに抽出し、抽出物を塩化カルシウム上で乾燥し、溶剤を真空中で除去して油状物を得る。油状物をエタノールに溶かし、溶液を塩化水素で飽和して固形物を得、これを濾過により集め、少量のエタノールで洗浄し、真空中で乾燥して2−[2−(N−ベンジル−N−メチルアミノ)エチルチオ]−1−[1−(3,4−ジクロロフェニル)シクロブチル]エタノン塩酸塩(1.2g;融点159〜163℃)を得る。
【0078】
例6
プロパン−2−オール(80ml)中の1−[1−(3,4−ジクロロフェニル)シクロブチル]−2−[2−(ジメチルアミノ)エチルチオ]エタノン(2.0g,例1に記載したと類似の方法で得た塩酸塩の塩基性化により製造した)およびホウ水素化ナトリウム(2.2g)の混合物を外界温度で16時間撹拌した。 得られる懸濁液を慎重にアセトン(15ml)、次ぎに過剰の塩化アンモニウムの飽和水溶液で希釈した。得られる混合物を真空中で濃縮し、残留物を水で希釈し、生成物をエーテルに抽出した。抽出物を硫酸マグネシウム上で乾燥し、溶剤を真空中で除去して油状物を得る。
【0079】
油状物を酢酸エチルに溶かし、溶液を塩化水素で飽和した。溶液をエーテルで希釈した。ガム状物が形成し、上澄みをデカンーシヨンにより取り出し、外界温度で濃縮した。油状物が析出し、デカンーシヨンにより液体を分離した。油状物をメタノールに溶かし、溶剤を蒸発により除去して1−[1−(3,4−ジクロロフェニル)シクロブチル]−2−[2−(ジメチルアミノ)エチルチオ]エタノール塩酸塩を無色油状物(1.55g)として得る。
【0080】
例7
1−クロロ−3−(ジメチルアミノ)プロパン塩酸塩(200g)、チオ尿素(98.1g)およびエタノール(1l)の混合物を撹拌し、還流下に25時間加熱した。溶液を外界温度に冷却し、酢酸エチルを、持続する乳光が得られるまで加えた。混合物を4℃で一晩貯蔵し、次ぎに濾過してS−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]イソチオ尿素2塩酸塩を無色の固体(283g;融点155〜159℃)として得る。
【0081】
S−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]イソチオ尿素2塩酸塩(283g)を水(340ml)に溶かし、溶液をエーテル層で覆った。混合物を氷中で冷却し、水酸化ナトリウムの25M水溶液(97ml)を滴加した。添加後、混合物を撹拌し、2時間還流下に加熱した。溶液を外界温度に冷却し、生成物をエーテルに抽出した。抽出物を硫酸マグネシウム上で乾燥し、溶剤を真空中で除去して澄明な油状物(70.6g)を得、その試料(35g)をエーテルに溶かした。得られる溶液を塩化水素で飽和して無色の固形物を得、これを濾過により集め、エーテルで洗浄し、真空中で乾燥して3−(ジメチルアミノ)プロパンチオール塩酸塩(21.2g;融点103〜107℃)を得る。
【0082】
ナトリウムエトキシドの溶液[ナトリウム(1.0g)およびエタノール(60ml)から製造した]を、エタノール(50ml)中の3−(ジメチルアミノ)プロパンチオール塩酸塩(3.5g)の懸濁液に加え、混合物を外界温度で1時間撹拌した。エタノール(30ml)中の2−ブロモ−1−[1−(3,4−ジクロロフェニル)シクロブチル]エタノン(9.35g,例1に記載したと類似の方法で製造した)の溶液を一度に加え、混合物を外界温度で25時間撹拌した。 溶剤を真空中で除去して固形残留物を得る。水(30ml)を加えた。生成物を酢酸エチルに抽出し、抽出物を硫酸マグネシウム上で乾燥し、溶剤を真空中で除去して油状物(10.5g)を得る。油状物を酢酸エチルに溶かし、溶液を塩化水素で飽和した。溶剤を真空中で除去して油状物(9.1g)を得、油状物を溶離剤として酢酸エチルとメタノールの1:1混合物を使用するシリカ上でのフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。適当な画分を合し、溶剤を真空中で除去して油状物(5g)を得る。
【0083】
上記油状物を過剰の水酸化ナトリウムの5M水溶液に添加することにより再塩基性化し、遊離塩基をエーテル(2×25ml)に抽出した。抽出物を水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、溶剤を真空中で除去して油状物を得る。油状物をエーテルに溶かし、塩化水素で飽和して白色の固形物を得、これを濾過により集め、少量のエーテルで洗浄し、真空中で乾燥して1−[1−(3,4−ジクロロフェニル)シクロブチル]−2−[3−(ジメチルアミノ)プロピルチオ]エタノン塩酸塩(1.6g;融点115〜118℃)を得る。
【0084】
例8
水(95ml)中の過マンガン酸カリウム(3.1g)の溶液を、1−[1−(3,4−ジクロロフェニル)シクロブチル]−2−[3−(ジメチルアミノ)−プロピルチオ]エタノン(3.4g,例7に記載したと類似の方法で得た塩酸塩の塩基性化により製造した)、テトラ−n−ブチルアンモニウムブロミド(0.3g)、酢酸(25ml)およびトルエン(80ml)の混合物に加え、混合物を外界温度で72時間撹拌した。得られる褐色溶液に、飽和ピロ亜硫酸ナトリウム溶液(〜100ml)を、色が橙色に変わるまで加え、次ぎに混合物を固体炭酸カリウムの添加により中和した。
【0085】
生成物を酢酸エチル(3×300ml)に抽出し(界面の固体を除去するため濾過が必要であった)、抽出物を合し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、溶剤を真空中で除去して褐色油状物(3.7g)を得る。
【0086】
油状物を、溶離剤としてトルエンとトリエチルアミンの4:1混合物、次ぎにトルエンとトリエチルアミンの1:1混合物を使用するシリカ上でのフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。適当な画分を合し、溶剤を真空中で除去して褐色油状物を得、この油状物は放置すると結晶化した(0.7g).
固形物を熱いメチルエーテル(50ml)と酢酸エチル(8ml)の混合物に溶かし、得られる溶液を濾過し、冷却し、塩化水素で飽和した。得られる固形物を濾過により集め、40℃で24時間真空中で乾燥し、次に擦り潰し、40℃でさらに24時間真空中で再乾燥して1−[1−(3,4−ジクロロフェニル)シクロブチル]−2−[3−(ジメチルアミノ)プロピルスルホニル]エタノン塩酸塩を白色固体(0.4g;融点168〜176℃)として得る。
【0087】
例9
プロパン−2−オール(75ml)中の1−[1−(3,4−ジクロロフェニル)シクロブチル]−2−[3−(ジメチルアミノ)プロピルチオ]エタノン(4.6g;例7に記載したと類似の方法で得た塩酸塩の塩基性化により製造した)の溶液を、プロパン−2−オール(100ml)中のホウ水素化ナトリウム(4.8g)の撹拌懸濁液に外界温度で窒素雰囲気下に滴加し、混合物を外界温度で93時間撹拌した。
【0088】
得られる懸濁液を、アセトン(33ml)、次に塩化アンモニウムの飽和水溶液(100ml)で慎重に希釈した。
【0089】
得られる中性混合物を真空中で濃縮し、残留物を水(100ml)で希釈し、生成物をエーテル(3×200ml)に抽出した。抽出物を合し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、溶剤を真空中で除去して黄色油状物(4g)を得る。
【0090】
生成物を、溶離剤としてジクロロメタンと工業用メチル混入アルコール(IMS)の9:1混合物、次にジクロロメタンとIMSの4:1混合物を使用するシリカ上でのフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。適当な画分を集め、溶剤を真空中で除去して1−[1−(3,4−ジクロロフェニル)シクロブチル]−2−[3−(ジメチルアミノ)プロピルチオ]エタノールを淡緑色油状物(1.44g)として得る。
【0091】
例10
1−クロロ−3−(ジメチルアミノ)−2−メチルプロパン塩酸塩(200g)、チオ尿素(97.3g)およびエタノール(950ml)の混合物を撹拌し、還流下に72時間加熱した。溶液を放冷し、溶剤を真空中で除去した。残留物を少量のエタノールに溶かし、エーテルを、最初の持続する乳光色が観察されるまで加えた。混合物を4℃で16時間貯蔵した。溶剤を真空中で除去してろう/油状固形物を得、これを真空中塩化カルシウム上で48時間乾燥し、次にプロパン−2−オールと擦り潰した。得られる固形物を濾過により集め、プロパン−2−オールで洗浄し、真空中で乾燥してS−[3−(ジメチルアミノ−2−メチルプロピル]イソチオ尿素2塩酸塩を淡褐色固形物(90g)として得る。
【0092】
水(20ml)中の水酸化ナトリウム(19.3g)の溶液を、0℃で水(100ml)中のS−[3−(ジメチルアミノ)−2−メチルプロピル]イソチオ尿素2塩酸塩(60g)の撹拌溶液に滴加した。撹拌した混合物を95℃で2時間加熱し、放冷した。生成物をエーテル(4×70ml)に抽出し、合した抽出物を硫酸ナトリウム上で乾燥し、溶剤を真空中で除去した。残留する油状物をエーテルに溶かし、溶液を塩化水素で飽和した。得られる固形物を濾過により集め、エーテルで洗浄し、真空中五酸化リン上で24時間乾燥して3−(ジメチルアミノ)−2−メチルプロパンチオール塩酸塩を白色固形物(30g)として得る。 ナトリウムエトキシドの溶液[エタノール(300ml)中ナトリウム(3g)から製造した]を、エタノール(150ml)中の3−(ジメチルアミノ)−2−メチルプロパンチオール塩酸塩の懸濁液に窒素下に外界温度で加え、次に混合物を外界温度で1時間撹拌した。エタノール(130ml)中の2−ブロモ−1−[1−(3,4−ジクロロフェニル)シクロブチル]エタノン(20.4g,例1に記載したと類似の方法で製造した)を加え、混合物を外界温度で24時間撹拌した。溶剤を真空中で除去し、残留物を水(150ml)で希釈した。生成物をジクロロメタン(4×100ml)に抽出し、合した抽出物を硫酸ナトリウム上で乾燥し、溶剤を真空中で除去した。残留物をエーテルに溶かし、溶液を塩化水素で飽和した。得られる固形物を濾過により集め、エーテルで洗浄し、真空中で24時間乾燥した。固形物を酢酸エチルとプロパン−2−オールの2:1混合物から結晶させて1−[1−(3,4−ジクロロフェニル)−2−[3−(ジメチルアミノ)−2−メチルプロピルチオ]エタノン塩酸塩を白色固形物(0.55g;融点136〜137℃)として得る。
【0093】
例11
ヨウ化メチルマグネシウムを、窒素下、エーテル(72ml)中のヨウ化メチルの溶液をエーテル(60ml)中のマグネシウムリボン(8.2g)の撹拌懸濁液に始めは外界温度で、次に発熱反応が始まったら還流温度で滴加することにより製造した。添加後、混合物を外界温度で30分間撹拌し、トルエン(100ml)中の1−(2−ナフチル)シクロブタンカルボニトリル(48.2g)の溶液を外界温度で滴加した。得られる混合物を外界温度で16時間撹拌した。
【0094】
得られる固形物を濾過により集め、エーテルで洗浄し、濃塩酸(125ml)と水(200ml)の混合物に少量ずつ加えた。得られる混合物を〜95℃で10分間加熱し、冷却し、生成物をトルエン(3×200ml)に抽出した。抽出物を水(200ml)で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、溶剤を真空中で除去して油状物(45g)を得る。油状物を石油エーテル(沸点40〜60℃)と擦って固形物を得、これを濾過により集め、真空中で乾燥して1−[1−(2−ナフチル)シクロブチル]エタノン(35g)を得る。
【0095】
クロロホルム(20ml)中の臭素(4.3ml)の溶液を、メタノール(20ml)とクロロホルム(30ml)の混合物中の1−[1−(2−ナフチル)シクロブチル]−エタノン(20g)の撹拌溶液に10〜15℃で30分間に滴加した。次に、混合物を外界温度で1.5時間撹拌し、氷−水(300ml)上に注ぎ、生成物をジクロロメタン(3×150ml)に抽出した。抽出物を炭酸水素ナトリウムの飽和水溶液、次に水で洗浄し、塩化カルシウム上で乾燥し、溶剤を真空中で除去して2−ブロモ−1−[1−(2−ナフチル)シクロブチル]エタノンを油状物(24.0g)として得る。
【0096】
ナトリウムエトキシドの溶液[ナトリウム(6.5g)およびエタノール(100ml)から製造した]を、エタノール(10ml)中の2−(ジメチルアミノ)エタンチオール塩酸塩(6.4g)の懸濁液に加え、混合物を外界温度で1時間撹拌した。エタノール(50ml)中の2−ブロモ−1−[1−(2−ナフチル)シクロブチル]エタノン(19.5g,上記のように製造した)の溶液を加え、混合物を外界温度で18時間撹拌した。溶剤を真空中で除去し、残留物を水(200ml)で希釈した。生成物を酢酸エチル(2×200ml)に抽出し、抽出物を硫酸マグネシウム上で乾燥し、溶剤を真空中で除去して油状物(11.0g)を得る。油状物を酢酸エチルに溶かし、溶液を塩化水素で飽和した。溶剤を真空中で除去して油状物(8.5g)を得、これをプロパン−2−オール、エーテルおよび酢酸エチルの混合物と擦って固形物を得る。固形物を濾過により集め、真空中で乾燥して2−[2−(ジメチルアミノ)エチルチオ]−1−[1−(2−ナフチル)シクロブチル]エタノン塩酸塩をクーム色固体(1.7g;融点95〜102℃)として得る。
【0097】
例12
ヨウ化メチルマグネシウム(エーテル中の3M溶液138ml)を、エーテル(100ml)中の1−(3−クロロフェニル)シクロブタンカルボニトリル(53g)の撹拌溶液に窒素下で0℃で滴加した。混合物を外界温度で24時間撹拌した。得られた固形物を濾過により集め、エーテルでよく洗浄し、次いで水(200ml)および濃塩酸(125ml)の氷冷混合物に少量ずつ添加した。得られる黄色懸濁液を95℃で1時間、時々撹拌しながら加熱し、次いで外界温度まで冷却した。生成物をエーテル(5×100ml)に抽出し、かつ合した抽出物を水(2×100ml)で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、かつ溶剤を真空中で除去して油状物を得、これを蒸留して1−[1−(3−クロロフェニル)シクロブチル]エタノン(47.5g;沸点108〜109℃/2mbar)を得る。
【0098】
ジクロロメタン(50ml)中の臭素(9.9ml)の溶液を、10〜15℃で3時間にわたり、メタノール(75ml)およびジクロロメタン(15ml)の混合物中の1−[1−(3−クロロフェニル)シクロブチル]エタノン(38g)の撹拌溶液に滴加した。添加が完了した際に、混合物を外界温度で2.5時間撹拌し、次いで過剰の氷水上に注いだ。水相を分離し、かつ生成物をジクロロメタン(3×90ml)に抽出した。合した有機溶液を炭酸水素ナトリウムの飽和水溶液(2×100ml)および水(100ml)で洗浄し、塩化カルシウム上で乾燥し、かつ溶剤を真空中で除去して、2−ブロモ−1−[1−(3−クロロフェニル)シクロブチル]エタノンを油状物(47g)として得る。
【0099】
ナトリウムエトキシドの溶液[ナトリウム(5.3g)およびエタノール(500ml)から製造した]をエタノール(250ml)中の3−(ジメチルアミノ)プロパンチオール塩酸塩(16.2g、例7に記載したのと類似の方法で製造した)の撹拌懸濁液に窒素下で添加し、かつ混合物を外界温度で1時間撹拌した。エタノール(130ml)中の2−ブロモ−1−[1−(3−クロロフェニル)シクロブチル]エタノン(30g)の溶液を一度に添加し、かつ混合物を外界温度で更に24時間撹拌した。溶剤を真空中で除去し、かつ残留物を水(200ml)で希釈した。生成物をジクロロメタン(4×100ml)に抽出した。合した抽出物を硫酸マグネシウム上で乾燥し、かつ溶剤を真空中で除去し、赤/褐色油状物(31g)を得る。
【0100】
上記油状物の試料(8g)をエーテル中に溶かし、かつ溶液を塩化水素を用いて飽和した。溶剤を真空中で除去し、かつ残留物をエーテルと擦り潰した。得られた固形物を濾過により集め、かつプロパン−2−オール/エーテルから結晶化して、1−[1−(3−クロロフェニル)シクロブチル]−2−[3−(ジメチルアミノ)プロピルチオ]エタノン塩酸塩を白色固体(1.7g;融点66〜68℃)として得る。
【0101】
例13
4−(ジメチルアミノ)ブタノール(88.5g)を、0℃で2時間にわたり、撹拌した塩化チオニル(93.4g)に滴加し、次いで、混合物を外界温度で1時間撹拌し、かつエタノール(500ml)中に注いだ。撹拌溶液を還流下で10分間加熱し、次いで溶剤を真空中で除去した。固形残留物をエタノールから白色固体として結晶化し、これを濾過により集めて、エタノールで洗浄し、かつ真空中で外界温度で24時間乾燥して、1−クロロ−4−(ジメチルアミノ)ブタン塩酸塩を白色固体(115g;融点100〜105℃)として得る。
【0102】
1−クロロ−4−(ジメチルアミノ)−ブタン塩酸塩(115g)、チオ尿素(51.9g)およびエタノール(500ml)の撹拌混合物を還流下で24時間加熱し、次いで4℃で24時間放置した。得られる固形物を濾過により集め、エーテルで洗浄し、かつ真空中で外界温度で24時間乾燥して、S−[4−(ジメチルアミノ)ブチル]イソチオ尿素2塩酸塩をオフホワイト固体(140g;融点179〜182℃)として得る。
【0103】
水(16.5ml)中の水酸化ナトリウム(16.4g)の溶液を、窒素下で0℃で、水(61ml)中のS−[4−(ジメチルアミノ)ブチル]イソチオ尿素2塩酸塩(51g)の撹拌溶液に滴加し、次いで混合物を95℃で2時間加熱し、次いで外界温度まで冷却した。水(100ml)を加え、かつ生成物をエーテル(50ml)、ジクロロメタン(3×50ml)およびエーテル(2×50ml)に抽出した。合した有機溶液を硫酸マグネシウム上で乾燥し、次いで溶剤を真空中で除去した。残留物をエーテル中に溶かし、かつ溶液を塩化水素で飽和した。得られた固形物を濾過により集め、かつ真空中で外界温度で乾燥して、4−(ジメチルアミノ)ブタンチオール塩酸塩を白色固体(21g)として得、これを更に精製せずに使用した。
【0104】
ナトリウムエトキシドの溶液[ナトリウム(1.6g)およびエタノール(175ml)から製造した]を、外界温度で窒素下に、エタノール(75ml)中の4−(ジメチルアミノ)ブタンチオール塩酸塩(5.5g)の撹拌懸濁液へ添加し、かつ混合物を外界温度で1時間撹拌した。エタノール(40ml)中の2−ブロモ−1−[1−(3,4−ジクロロフェニル)シクロブチル]エタノン(11g、例1に記載したのと類似の方法で製造した)の溶液を添加し、かつ混合物を外界温度で48時間撹拌した。溶剤を真空中で除去し、かつ残留物を水(200ml)で希釈した。生成物をジクロロメタン(4×90ml)に抽出し、次いで合した抽出物を硫酸ナトリウム上で乾燥し、かつ溶剤を真空中で除去した。残留油状物を、溶離剤としてトルエンおよびトリエチルアミンの9:1混合物を用いる、シリカ上でのカラムクロマトグラフィーにより精製した。適当な画分を合し、かつ溶剤を真空中で除去した。残留物をエーテル中に溶かし、かつ溶液を塩化水素で飽和した。得られた固形物を濾過により集め、エーテルで洗浄し、真空中で五酸化リン上で24時間乾燥し、かつ酢酸エチルおよびエタノールの4:1混合物から再結晶した。得られる固形物を濾過により集め、酢酸エチルで洗浄し、かつ真空中で外界温度で五酸化リン上で48時間乾燥して、1−[1−(3,4−ジクロロフェニル)シクロブチル]−2−[4−(ジメチルアミノ)−ブチルチオ]エタノン塩酸塩を白色固体(5.6g;融点129〜130℃)として得る。
【0105】
例14
3−(ジプロピルアミノ)プロパノール(32.9g)を、0℃で1.5時間にわたり、撹拌塩化チオニル(15.7ml)に滴加した。添加が完了した際に、混合物を外界温度で2時間にわたって撹拌し、エタノール(250ml)中に注いだ。撹拌混合物を還流下で10分間加熱し、次いで溶剤を真空中で除去して、1−クロロ−3−(ジプロピルアミノ)−プロパン塩酸塩をオフホワイト固体(42g)として得、これを精製せずに使用した。
【0106】
1−クロロ−3−(ジプロピルアミノ)−プロパン塩酸塩(42g)、チオ尿素(15.5g)およびエタノール(250ml)の撹拌混合物を、還流下で24時間加熱し、次いで、外界温度まで冷却した。酢酸エチルを僅かな乳光が観察されるまで添加し、次いで混合物を4℃で24時間貯蔵した。この時間の後に、油状物が析出し、これを、溶剤のデカンテーションにより単離し、次いで、残留する溶剤を真空中で除去した。油状物をエタノールと擦り潰し、溶剤をデカンテーションにより除去し、かつ残留物を真空中で外界温度で24時間乾燥して、淡褐色固体を得た。油状物からデカンテーションされたエタノール溶液を真空中で濃縮し、かつ残留物を上記したようにエタノールと擦り潰して、第2収量の淡褐色固体を得た。第2収量の単離後に残留しているエタノール溶液を真空中で濃縮し、残留物をプロパン−2−オールと擦り潰して、第3収量の固体を得た。第3収量を合して、S−[3−(ジプロピルアミノ)プロピル]イソチオ尿素2塩酸塩を淡褐色固体(51g;融点143〜145℃)として得た。
【0107】
水酸化ナトリウムの25M水溶液(11ml)を、0℃で窒素下に、水(100ml)中のS−[3−(ジプロピルアミノ)プロピル]イソ尿素2塩酸塩(40g)の撹拌溶液に滴加し、次いで、混合物を95℃で2時間撹拌し、かつ外界温度まで冷却した。生成物をエーテル(4×70ml)中で抽出し、抽出物を硫酸マグネシウム上で乾燥し、かつ溶剤を真空中で除去した。残留物をエーテル中に溶かし、かつ溶液を塩化水素で飽和して、少量の白色固体を得、これを濾過により集めた。濾液を真空中で濃縮し、かつ残留物を白色固体と合し、かつエタノール中に溶かした。
【0108】
溶液を塩化水素で飽和し、かつ溶剤を真空中で除去して、粗製3−(ジプロピルアミノ)プロパンチオール塩酸塩(18.3g)を無色半固体として得、これを精製せずに使用した。
【0109】
ナトリウムエトキシドの溶液[ナトリウム(1.6g)およびエタノール(175ml)から製造した]を外界温度で窒素下に、エタノール(75ml)中の粗製3−(ジプロピルアミノ)プロパンチオール塩酸塩(7g)の撹拌懸濁液に添加し、次いで混合物を外界温度で1時間撹拌した。エタノール(40ml)中の2−ブロモ−1−[1−(3,4−ジクロロフェニル)シクロブチル]エタノン(10.6g、例1に記載したのと類似の方法で製造した)の溶液を添加し、かつ混合物を外界温度で24時間撹拌した。溶剤を真空中で除去し、残留物を水(100ml)で希釈し、かつ生成物をジクロロメタン(4×75ml)に抽出した。抽出物を硫酸ナトリウム上で乾燥し、溶剤を真空中で除去し、かつ残留物を、溶離剤としてトルエンとトリエチルアミンの19:1混合物を用いる、シリカ上でのカラムクロマトグラフィーにより精製した。適当な画分を合し、かつ溶剤を真空中で除去して、1−[1−(3,4−ジクロロフェニル)−シクロブチル−2−[3−(ジプロピルアミノ)プロピルチオ]エタノンを淡黄色油状物(5.5g)として得た。
【0110】
例15
熱いエタノール(20ml)中のフマル酸(0.65g)の溶液をエーテル(10ml)中の1−[1−(3,4−ジクロロフェニル)シクロブチル]−2−[3−(ジメチルアミノ)プロピルチオ]エタノン(2.1g、例7に記載したのと類似の方法で得た塩酸塩の塩基性化により製造した)の溶液に添加し、かつ混合物を4℃で96時間放置した。固形物は沈殿せず、溶剤を真空中で除去して、褐色油状物を得、これを石油エーテル(沸点40〜60℃)と擦り潰した。得られた固形物を、濾過により集め、エーテルで洗浄し、真空中で外界温度で18時間乾燥し、かつ酢酸エチルと石油エーテル(沸点60〜80℃)の3:2混合物から再結晶した。得られる固形物を濾過により集め、石油エーテル(沸点60〜80℃)で洗浄し、かつ真空中で外界温度で18時間乾燥して、1−[1−(3,4−ジクロロフェニル)シクロブチル]−2−[3−(ジメチルアミノ)プロピルチオ]エタノンフマレートを白色固体(1.1g;融点100〜103℃)として得た。
【0111】
例16
ホウ水素化ナトリウム(3.2g)を、少量ずつ、0℃で窒素下に、メタノール(200ml)中の1−[1−(3,4−ジクロロフェニル)シクロブチル]−2−[3−(ジメチルアミノ)−プロピルチオ]エタノン(16g、例7に記載したのと類似の方法で得た塩酸塩を塩基性化することにより製造した)の撹拌溶液に添加し、次いで混合物を外界温度で7日間撹拌し、かつ水(350ml)で希釈した。生成物をジクロロメタン(4×100ml)に抽出し、かつ抽出物を水(100ml)および塩化ナトリウムの飽和水溶液(100ml)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、かつ溶剤を真空中で除去して、緑色油状物を得た。油状物を分取キラル高速液体クロマトグラフィー(preparative scale chiral high performance liquid chromatography)により分離して、(−)−1−[1−(3,4−ジクロロフェニル)シクロブチル]−2−[3−(ジメチルアミノ)プロピルチオ]エタノールを油状物(3.5g、[α]rt=−8.615゜(C=1;エタノール))として得、かつ(+)−1−[1−(3,4−ジクロロフェニル)シクロブチル]−2−[3−(ジメチルアミノ)プロピルチオ]エタノールを油状物(3.4g、[α]rt=+9.740゜(C=1;エタノール))として得た。
【0112】
熱いエタノール(10ml)中のクエン酸(1.77g)の溶液を、エーテル(30ml)中の(−)−1−[1−(3,4−ジクロロフェニル)シクロブチル]−2−[3−(ジメチルアミノ)プロピルチオ]エタノール(3.42g)の溶液に添加し、かつ混合物を4℃で18時間貯蔵した。得られる固形物を濾過により集め、エーテルで洗浄し、かつ真空中で外界温度で24時間乾燥して、(−)−1−[1−(3,4−ジクロロフェニル)シクロブチル]−2−[3−(ジメチルアミノ)プロピルチオ]エタノールクエン酸塩を白色固体(3.9g;融点109〜115℃、[α]rt=−10.17゜(C=1;メタノール))として得た。
【0113】
例17
熱いエタノール(10ml)中のクエン酸(1.73g)の溶液を、エーテル(30ml)中の(+)−1−[1−(3,4−ジクロロフェニル)シクロブチル−2−[3−(ジメチルアミノ)プロピルチオ]エタノール(3.29g、例16中に記載した製造)の溶液に添加し、かつ混合物を4℃で18時間貯蔵した。得られる固形物を濾過により集め、エーテルで洗浄し、かつ真空中で外界温度で24時間乾燥して、(+)−1−[1−(3,4−ジクロロフェニル)シクロブチル−2−[3−(ジメチルアミノ)プロピルチオ]エタノールクエン酸塩を白色固体(3.8g;融点109〜115℃、[α]rt=+10.88゜(C=1;メタノール))として得た。
【0114】
例18
1−クロロ−3−(ジメチルアミノ)プロパン塩酸塩(305.7g)、チオ尿素(150g)およびエタノール(1530ml)の撹拌混合物を還流下で24時間加熱し、次いで外界温度まで冷却した。酢酸エチルを僅かな乳光が観察されるまで添加し、次いで混合物を4℃で72時間貯蔵した。得られる固形物を濾過により集め、酢酸エチルで洗浄し、かつ真空中で40℃で乾燥して、S−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]イソチオ尿素2塩酸塩を白色固体(403g;融点155〜157℃)として得た。
【0115】
水(250ml)中の水酸化ナトリウム(250g)の溶液を、<25℃で10分間にわたって、水(880ml)中のS−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]イソチオ尿素2塩酸塩(731g;上記したのと類似の方法で製造した)の溶液に添加し、次いで混合物を95℃で3時間撹拌し、かつ10℃まで冷却した。生成物をジクロロメタン(4×500ml)に抽出し、抽出物を合し、かつ溶剤を真空中で除去した。残留物をエーテル(1l)中に溶かし、溶液を白色固体残留物からデカンテーションし、かつ溶剤を真空中で除去して、無色油状物(362.7g)を得た。油状物を、<15℃で20分間にわたって、撹拌5M塩酸(650ml)に滴加し、次いで混合物を真空中で70℃で濃縮して、白色固体を得た。固形物をプロパン−2−オール(1l)を用いて希釈し、かつ溶剤を真空中で除去して、残留物をトルエン(1l)を用いて希釈し、かつ溶剤を真空中で除去した。残留物をエーテル(1l)と擦り潰し、得られる固形物を濾過により集め、エーテルで洗浄し、かつ真空中で40℃で3日間および外界温度で五酸化リン上で5日間乾燥して、3−(ジメチルアミノ)プロパンチオール塩酸塩が白色固体(405.9g;融点81〜84℃)を得た。
【0116】
エーテル(130ml)中の1−(3,4−ジクロロフェニル)シクロブタンカルボニトリル(163.6g)の溶液を、外界温度で0.5時間にわたり窒素下に、撹拌ヨウ化メチルマグネシウム(エーテル中の3M溶液;300ml)に滴加し、次いで混合物を還流下で1時間加熱し、エーテル(100ml)で希釈し、還流下で更に2.5時間加熱し、次いで外界温度で18時間撹拌した。得られる固形物を濾過により集め、エーテルでよく洗浄し、かつ<20℃で、濃塩酸(410ml)と水(650ml)の撹拌混合物に少量ずつ添加した。混合物を95℃で0.5時間、時々撹拌しながら加熱し、次いで外界温度まで冷却した。生成物をジクロロメタン(3×200ml)に抽出し、合した抽出物を硫酸マグネシウム上で乾燥し、かつ溶剤を真空中で除去して、1−[1−(3,4−ジクロロフェニル)−シクロブチル]エタノンを暗赤色油状物(172.7g)として得、これを精製せずに使用した。
【0117】
クロロホルム(427ml)中の臭素(96ml)の溶液を、10〜15℃で1.5時間にわたって、メタノール(643ml)およびクロロホルム(107ml)の混合物中の1−[1−(3,4−ジクロロフェニル)シクロブチル]エタノン(477.2g;上記したのと類似の方法で製造した)の撹拌溶液に滴加した。添加が完了した後に、混合物を外界温度で3時間撹拌し、次いで冷水(2l)に注いだ。水相を分離し、かつジクロロメタン(3×500ml)で洗浄し、次いで合した有機溶液を炭酸水素ナトリウム飽和水溶液(2×400ml)および水(500ml)で洗浄し、塩化カルシウム上で乾燥し、かつ溶剤を真空中で除去して、2−ブロモ−1−[1−(3,4−ジクロロフェニル)シクロブチル]エタノンを橙色油状物(593.5g)として得、これを精製せずに使用した。
【0118】
エタノール(1l)中の3−(ジメチルアミノ)プロパンチオール(235.6g;塩酸塩の塩基性化により製造した)の溶液を、外界温度で、ナトリウムエトキシドの撹拌溶液[ナトリウム(50g)およびエタノール(2l)から製造した]に滴加し、次いで混合物を外界温度で1時間撹拌した。エタノール(1.5l)中の2−ブロモ−1−[1−(3,4−ジクロロフェニル)−シクロブチル]エタノンの溶液(817.4g;上記したのと類似の方法で製造した)を添加し、次いで混合物を外界温度で18時間撹拌した。溶剤を真空中で除去し、かつ固形残留物を水(2l)を用いて希釈した。生成物をジクロロメタン(3×500ml)に抽出し、合した抽出物を硫酸マグネシウム上で乾燥し、かつ溶剤を真空中で除去した。残留物をエーテル中に溶かし、溶液を不溶性ゴム状物からデカンテーションし、かつ溶剤を真空中で除去して、橙色油状物(713g)を得た。油状物を、石油エーテル(沸点60〜80℃)(3.5l)中に溶かし、木炭および硫酸マグネシウムを添加し、混合物を濾過し(セライト)、溶剤を真空中で除去して、淡橙色油状物(713g)を得た。油状物を、<20℃で、濃塩酸(255ml)および水(1750ml)の撹拌混合物に滴加し、次いで混合物を真空中で50℃で濃縮した。残留物をトルエンで繰り返し希釈し、かつ真空中で、全ての水が除去されるまで濃縮し、次いで残留物をエーテル(2.5l)と擦り潰した。エーテルをデカンテーションにより除去し、かつ残留物を酢酸エチル(2.5l)中に溶かした。エーテル(5l)を添加し、かつ得られる固形物を濾過により集め、エーテルで洗浄し、酢酸エチル(2.5l)中に懸濁し、濾過により集め、酢酸エチルで洗浄し、かつ真空中で50℃で乾燥して、粗製1−[1−(3,4−ジクロロフェニル)シクロブチル]−2−[3−(ジメチルアミノ)−プロピルチオ]エタノン塩酸塩をクリーム色固体(425g)として得た。
【0119】
約1/2の規模でこの実験を繰り返した際に、更に粗製生成物がクリーム色固体(313g)として得られた。
【0120】
第2収量の純粋でない固形物を合し、水(2.5l)中に溶かし、かつ固体炭酸ナトリウムの添加によりpH9まで塩基性化した。遊離塩基をジクロロメタン(3×500ml)に抽出し、かつ溶剤を真空中で除去した。得られるゴム状物を水と酢酸エチルの間に分配し;エマルションが形成され、こうして混合物を濾過し(セライト)、次いで有機相を分離し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、かつ溶剤を真空中で除去して褐色油状物(638g)を得た。油状物を少量ずつ(50g)、溶離剤としてジクロロメタンとメタノールとの9:1混合物を用いる、シリカ上での濾過により精製した。適当な画分を合し、かつ溶剤を真空中で除去して、淡橙色油状物(484.3g)を得た。油状物を<20℃で、濃塩酸(173ml)と水(415ml)の撹拌混合物に添加し、かつ得られる混合物を真空中で濃縮した。残留物を繰り返されるトルエンでの希釈および真空中での溶剤の除去により乾燥し、次いで生じるゴム状物を酢酸エチル(500ml)中に溶かし、かつエーテル(2.5l)で希釈した。得られる固形物を濾過により集め、エーテルで洗浄し、かつ真空中で45℃で乾燥して、1−[1−(3,4−ジクロロフェニル)シクロブチル]−2−[3−(ジメチルアミノ)プロピルチオ]エタノン塩酸塩をクリーム色固体(507.1g)として得た。
【0121】
1−[1−(3,4−ジクロロフェニル)シクロブチル]−2−[3−(ジメチルアミノ)プロピルチオ]エタノン塩酸塩(480g)を過剰の炭酸水素ナトリウムの飽和水溶液中に懸濁し、混合物を外界温度で0.5時間撹拌し、次いで遊離塩基をジクロロメタンに抽出した。抽出物を硫酸ナトリウム上で乾燥し、溶剤を真空中で除去して、褐色油状物(415g)を得た。油状物をエーテル(1700ml)中に溶かし、かつ熱いエタノール(3200ml)中のクエン酸(210g)の溶液に添加し、次いで混合物を外界温度まで冷却し、かつ4℃で48時間貯蔵し、その結果、淡褐色固体が析出した。上澄み液をデカンテーションにより除去し、残留物をエタノール(300ml)で希釈し、かつ混合物を穏やかに加熱して、結晶物質をくずした。生成物を濾過により集め、エーテルで洗浄し、真空中で乾燥し、かつエタノールから再結晶した。得られる固形物を濾過により集め、エタノールで洗浄し、かつ真空中で50℃で4時間乾燥して、1−[1−(3,4−ジクロロフェニル)シクロブチル]−2−[3−(ジメチルアミノ)プロピルチオ]エタノンクエン酸塩をクリーム色固体(410g;融点103〜105℃)として得た。
【0122】
例19
例10中で記載した生成物の単離後に残る母液を真空中で濃縮し、かつ残留物を水を用いて希釈し、かつ水酸化ナトリウムの5M水溶液の添加により塩基性化した。生成物をエーテルに抽出し、かつ抽出物を水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、かつ溶剤を真空中で除去して、1−[1−(3,4−ジクロロフェニル)シクロブチル]−2−[3−(ジメチルアミノ)−2−メチルプロピルチオ]エタノンを淡黄色油状物として得た。この油状物の試料(4g)をメタノール(40ml)中に溶かし、かつホウ水素化ナトリウム(0.8g)を少量ずつ窒素下で0℃で添加した。混合物を外界温度で7日間撹拌し、次いで水(120ml)で希釈した。生成物をジクロロメタン(4×50ml)に抽出し、次いで合した抽出物を水(50ml)および塩化ナトリウムの飽和水溶液(50ml)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、かつ溶剤を真空中で除去して、無色油状物(4.2g)を得た。
【0123】
油状物をエーテル中に溶かし、かつ溶液を塩化水素で飽和して、固形物を得、これを濾過により集め、エーテルで洗浄し、かつ真空中で五酸化リン上で72時間乾燥した。得られる白色固体は吸湿性であり、これを水中に溶かし、かつ炭酸水素ナトリウムの飽和水溶液の添加により塩基性化した。生成物をジクロロメタン(3×50ml)に抽出し、合した抽出物を水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、かつ溶剤を真空中で除去して、1−[1−(3,4−ジクロロフェニル)シクロブチル]−2−[3−(ジメチルアミノ)−2−メチルプロピルチオ]エタノールを淡緑色油状物(3g)として得た。
【0124】
例20
1,4−ジブロモブタン(106ml)を、70〜80℃で1時間にわたって窒素下で、3,4−ジクロロフェニルアセトニトリル(150g)、ベンジルトリエチルアンモニウムクロリド(2g)および水酸化ナトリウムの50%水溶液(300ml)の撹拌混合物に滴加した。添加が完了した際に、混合物を70〜80℃で2時間撹拌し、次いで外界温度まで冷却した。エーテル(400ml)および水(200ml)を添加し、次いで層を分離した。水相をエーテル(2×200ml)で洗浄し、次いで合した有機溶液を硫酸マグネシウム上で乾燥し、溶剤を真空中で除去した。残留物を蒸留して、1−(3,4−ジクロロフェニル)シクロペンタンカルボニトリルを淡黄色油状物(135g;沸点132〜140℃/0.4mbar)として得た。
【0125】
ヨウ化メチルマグネシウム(エーテル中の3M溶液;100ml)を0℃で窒素下にエーテル(100ml)中の1−(3,4−ジクロロフェニル)シクロペンタンカルボニトリル(48g)の撹拌溶液に滴加し、次いで混合物を外界温度で24時間撹拌した。得られる固形物を濾過により集め、エーテルで洗浄し、かつ水(200ml)および濃塩酸(125ml)の氷冷混合物に滴加した。混合物を95℃まで1時間加熱し、次いで外界温度まで冷却した。生成物をエーテル(5×100ml)に抽出し、かつ合した抽出物を水(2×100ml)で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、かつ溶剤を真空中で除去した。残留物を蒸留して、1−[1−(3,4−ジクロロフェニル)シクロペンチル]エタノンを淡黄色油状物(31.9g;沸点124〜128℃/0.5mbar)として得た。
【0126】
ジクロロメタン(50ml)中の臭素(6.1ml)の溶液を、10〜15℃で窒素下で3時間にわたり、メタノール(60ml)およびジクロロメタン(10ml)の混合物中の1−[1−(3,4−ジクロロフェニル)シクロペンチル]エタノン(31.9g)の撹拌溶液に添加し、次いで混合物を外界温度で2.5時間撹拌し、かつ過剰の氷水中に注いだ。水相を分離し、かつジクロロメタン(3×100ml)で洗浄し、次いで合した有機溶液を炭酸水素ナトリウムの飽和水溶液(2×100ml)および水(100ml)で洗浄し、塩化カルシウム上で乾燥し、かつ溶剤を真空中で除去した。残留物を真空中で蒸留し、かつ沸点>174℃/1.3mbarの画分を合し、かつ再蒸留した。この第2の蒸留における沸点>182℃/2.6mbarの物質を集め、かつ再蒸留して、2−ブロモ−1−[1−(3,4−ジクロロフェニル)シクロペンチル]エタノンを淡黄色油状物(11.8g;沸点156〜162℃/0.4mbar)として得た。
【0127】
ナトリウムエトキシドの溶液[ナトリウム(1.4g)およびエタノール(175ml)]を、外界温度で窒素下に、エタノール(75ml)中の3−(ジメチルアミノ)プロパンチオール塩酸塩(4.5g、例7中に記載したのと類似の方法で製造した)の撹拌懸濁液に添加し、次いで混合物を外界温度で1時間撹拌した。エタノール(40ml)中の2−ブロモ−1−[1−(3,4−ジクロロフェニル)シクロペンチル]エタノン(10.5g)の溶液を添加し、かつ混合物を外界温度で24時間撹拌した。溶剤を真空中で除去し、残留物を水(100ml)で希釈し、かつ生成物をジクロロメタン(4×75ml)に抽出した。抽出物を硫酸ナトリウム上で乾燥し、溶剤を真空中で除去し、かつ残留物を、溶離剤としてトルエンとトリエチルアミンの19:1混合物を用いる、シリカ上でのカラムクロマトグラフィーにより精製した。適当な画分を合し、かつ溶剤を真空中で除去して、淡褐色油状物(7g)を得た。油状物をエーテル中に溶かし、溶液を塩化水素で飽和し、かつ溶剤を真空中で除去した。残留物をエーテルと擦り潰し、かつ得られる固形物を濾過により集め、エーテルで洗浄し、かつ真空中で外界温度で五酸化リン上で48時間乾燥して、1−[1−(3,4−ジクロロフェニル)シクロペンチル]−2−[3−(ジメチルアミノ)プロピルチオ]エタノン塩酸塩を白色固体(5.6g;77〜80℃)として得た。
【0128】
例21
医薬組成物の製造における本発明の化合物の使用を次の記載により説明する。この記載中で、「活性化合物」なる用語は、本発明の任意の化合物、特に上記例のいずれか一つの最終生成物である任意の化合物を表す。
【0129】
a)カプセル
カプセルの製造において、活性化合物10重量部およびラクトース240重量部を解凝集し、混合する。混合物を硬質ゼラチンカプセル中へ充填し、それぞれのカプセルは活性化合物の単位用量部の単位用量を含有する。
【0130】
b)錠剤
錠剤を次の成分から製造する。
【0131】
重量部
活性化合物 10
ラクトース 190
トウモロコシデンプン 22
ポリビニルピロリドン 10
ステアリン酸マグネシウム 3
活性化合物、ラクトースおよびいくらかのデンプンを解凝集し、混合し、得られる混合物をエタノール中のポリビニルピロリドンの溶液を用いて顆粒化する。乾燥顆粒をステアリン酸マグネシウムおよび残りのデンプンと混合する。次いで、混合物を錠剤化装置で圧縮して、それぞれ単位用量または活性化合物の単位用量部を含有する錠剤を得た。
【0132】
c)腸溶皮を有する錠剤
錠剤を上記(b)に記載した方法によって製造する。錠剤を、慣例の方法で、20%酢酸フタル酸セルロースおよび3%フタル酸ジエチルの溶液を用いて、エタノール:ジクロロメタン(1:1)中で腸溶被覆する。
【0133】
d)座薬
座薬の製造において、活性化合物100重量部をトリグリセリド座薬基剤1300重量部中に入れ、座薬に成形された混合物は、それぞれ治療有効量の活性成分を含有する。
【出願人】 【識別番号】502159343
【氏名又は名称】アボット ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディトゲゼルシャフト
【出願日】 平成16年6月16日(2004.6.16)
【代理人】 【識別番号】100061815
【弁理士】
【氏名又は名称】矢野 敏雄

【識別番号】100094798
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 利臣

【識別番号】100099483
【弁理士】
【氏名又は名称】久野 琢也

【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト

【公開番号】 特開2004−331669(P2004−331669A)
【公開日】 平成16年11月25日(2004.11.25)
【出願番号】 特願2004−178477(P2004−178477)