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【発明の名称】 フェントン酸化法による有機物含有排水のCOD処理方法およびその装置
【発明者】 【氏名】大塚 光太郎
【住所又は居所】東京都千代田区丸の内3丁目4番2号三菱製紙株式会社内
【氏名】位田 岳登
【住所又は居所】東京都千代田区丸の内3丁目4番2号三菱製紙株式会社内
【氏名】赤藤 定明
【住所又は居所】東京都千代田区丸の内3丁目4番2号三菱製紙株式会社内
【氏名】衣笠 貞夫
【住所又は居所】東京都千代田区丸の内3丁目4番2号三菱製紙株式会社内
【課題】薬液の混合から反応まで処理する固定式反応槽のような広い面積を必要とせず、処理効率に優れたフェントン酸化法による有機物含有排水のCOD処理方法およびその装置を提供する。

【解決手段】フェントン酸化法による有機物含有排水のCOD処理方法において、仕切り板により分割された薬液混合槽に該排水を連続的に通水し、硫酸第1鉄の添加、硫酸によるpH調整、過酸化水素の添加、からなる各処理を順次、仕切り板を介してオーバーフローさせながら該排水に混合して後、複数以上直列に連結させたフェントン反応槽にその混合液を連続的に送液して分解反応させることを特徴とするフェントン酸化法による有機物含有排水のCOD処理方法およびその装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フェントン酸化法による有機物含有排水のCOD処理方法において、仕切り板により分割された薬液混合槽に該排水を連続的に通水し、硫酸第1鉄の添加、硫酸によるpH調整、過酸化水素の添加、からなる各処理を順次、仕切り板を介してオーバーフローさせながら該排水に混合して後、複数以上直列に連結させたフェントン反応槽にその混合液を連続的に供給して分解反応させることを特徴とするフェントン酸化法による有機物含有排水のCOD処理方法。
【請求項2】
フェントン酸化法による有機物含有排水のCOD処理装置において、該排水にCOD処理薬液を添加、混合する仕切り板により分割された薬液混合槽と混合液を分解反応させるフェントン反応槽からなり、該フェントン反応槽は上部側に該混合液を供給する供給口と分解反応された処理水を排出する排出口が設けられ、また該反応槽底部が傾斜された構造であり、該フェントン反応槽が複数以上直列に連結されていることを特徴とするフェントン酸化法による有機物含有排水のCOD処理装置。
【請求項3】
フェントン反応槽が、該反応槽上部より垂直の仕切り板を設けてなることを特徴とする請求項2記載のフェントン酸化法による有機物含有排水のCOD処理装置。
【請求項4】
フェントン反応槽が、該反応槽の下部側面部より混合液を均一化し、分解反応を促進させる攪拌装置またはエアー噴射装置を付設してなることを特徴とする請求項2または3記載のフェントン酸化法による有機物含有排水のCOD処理装置。
【請求項5】
フェントン反応槽が、該反応槽の下部側面より洗浄液またはエアーを放出する放出管を設け、該反応槽内部では該放出管が該反応槽に同心円状の形状を有し、かつ該洗浄液またはエアーを放出する細孔が該放出管下部に穿孔されていることを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載のフェントン酸化法による有機物含有排水のCOD処理装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フェントン酸化法による有機物含有排水のCOD処理方法およびその装置に関するものであり、さらに詳しくは有機物含有排水とCOD処理薬液との混合液を複数以上連結されたフェントン反応槽に供給して分解反応させることにより、薬液の混合から反応まで処理する固定式反応槽のような広い面積を必要とせず、処理効率に優れたフェントン酸化法による有機物含有排水のCOD処理方法およびその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
CODの処理方法として、従来から凝集沈殿法、活性汚泥法、生物膜濾過法、オゾン酸化処理法、フェントン酸化法などがあり、排水の物質の種類、量によりそれぞれが単独または併用する方法で処理されている。
【0003】
とりわけ製紙関係、特に加工用塗液の排水は、該排水そのものに含まれる有機物の固形分濃度が高く、また水溶解性の物質が多く、例えば、澱粉、ポリビニルアルコール、スチレン・ブタジエンラテックス、ホルマリンなどを含んでおり、いずれもCOD値を悪化させる要因となっている。
【0004】
最近では、機器の小型化、メンテナンスフリーの感熱方式のプリンター機器の普及に伴い、感熱記録紙の用途が増えており、ポリビニルアルコール、スチレン・ブタジエンラテックスなどと共にビスフェノール型の顕色剤を含んでおり、いずれもCOD値を悪化させる。さらに、ビスフェノール型の顕色剤は、一般に2,2ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(通称、BPA)が多く使用されてきたが、BPAが内分泌攪乱作用を有する疑いがあるとのことで、ビスフェノール型で構造式中にスルホン基を持ったビスフェノールスルホン型の感熱記録紙用顕色剤の使用が増加し、この化合物は従来からの処理方法では処理しにくく、COD値を悪化させる原因物質の一つとなっている。
【0005】
しかし、これらの方法でCODの処理を行った場合、例えば、凝集沈殿法では、排水中の成分によっては適当な凝集剤がなく、溶解性のCODの除去が困難である。一方、活性汚泥法、生物膜濾過法では、フェノールを分解する菌はあるが、スルホン基を持つビスフェノールスルホン型の物質を分解する菌が見つからない状況にある。
【0006】
一方、オゾン酸化処理法では、例えば、理論オゾン量の1.7倍薬品を添加し、3時間反応させても、COD除去率は50%と低く、実用に供しないのが実体である。
【0007】
上記の各種処理法に対して、フェントン酸化法では、例えば、理論量の薬剤を添加し、反応時間4時間でCODの除去率が90%となり、充分に実用に供する方法である。
【0008】
フェントン酸化法とは、フェントン反応により有機物を分解する酸化法であり、有機物含有含有排水を通常コンクリート槽からできている固定式の反応槽に通水し、pH3.5前後の強酸性域で触媒の鉄塩と過酸化水素を添加し、過酸化水素の酸化力により有機物を酸化分解する処理方法である。しかし、この反応は、鉄塩および過酸化水素の添加とpH調製用の薬剤添加を一つの反応槽中で行うため、反応槽が大きくなるにつれて薬品の混合が不十分な箇所ができて反応効率のバラツキが発生し、安定した処理効率が得られなくなるという欠点がある。
【0009】
従来より、このフェントン反応を効率的に行うための様々な提案がなされている。例えば、特開昭62−241596号公報や特開平10−277568号公報には、過酸化水素および鉄塩を添加し、活性炭充填塔に通液して有機物を分解する方法が提案されている。しかし、この方法では、有機物の分解効率を高めるためには過酸化水素を多量に添加する必要があり、また活性炭の使用量を減らすには通液速度を速くする必要があるが、過酸化水素の添加量を多くし、通液速度を速くすると未分解の過酸化水素が流出しやすくなり、流出した過酸化水素で処理水のCODを高くしてしまう。このため、過剰の過酸化水素を重亜硫酸ナトリウムなどの還元剤により還元処理する方法を行ったり、活性炭の使用量を減らすため第1の活性炭充填塔で有機物を分解し、第2の充填塔で過酸化水素を分解するためそれぞれの充填塔のpH値を異なった数値にコントロールする方法が提案されているが、処理用の薬剤コストがかかるほかに薬剤のコントロールが困難である、などの問題点がある。
【0010】
一方、特開平3−52692号公報には、複数に区間分割された反応槽を設け、その各反応槽に過酸化水素の必要量を分割添加する方法が提案されている。しかし、この方法にしても、有機物含有排水の処理効率を決定する要因は、排水がこの反応槽で過酸化水素と接触し、滞留する時間で処理効率が決定されてしまうところにある。しかも処理設備を設計する場合、予め反応槽の容量は固定されており、有機物含有排水の処理量が大幅に増加した場合には、薬品の添加量の増量やフェントン酸化法に他の処理方法を併用しても処理しきれなくなる恐れがある。特に連続操業の形態では、排水の連続処理ができないため、操業が停止する恐れがある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、有機物含有排水とCOD処理薬液との混合液を複数以上連結されたフェントン反応槽に供給して分解反応させることにより、薬液の混合から反応まで処理する固定式反応槽のような広い面積を必要とせず、処理効率に優れたフェントン酸化法による有機物含有排水のCOD処理方法およびその装置を提供するものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記問題点を解決するため鋭意研究した結果、本発明のフェントン酸化法による有機物含有排水のCOD処理方法およびその装置を発明するに至った。
【0013】
すなわち、本発明のフェントン酸化法による有機物含有排水のCOD処理方法は、仕切り板により分割された薬液混合槽に該排水を連続的に通水し、硫酸第1鉄の添加、硫酸によるpH調整、過酸化水素の添加、からなる各処理を順次、仕切り板を介してオーバーフローさせながら該排水に混合して後、複数以上直列に連結させたフェントン反応槽にその混合液を連続的に供給して分解反応させることを特徴とするものである。
【0014】
また、本発明のフェントン酸化法による有機物含有排水のCOD処理装置は、該排水にCOD処理薬液を添加、混合する仕切り板により分割された薬液混合槽と混合液を分解反応させるフェントン反応槽からなり、該フェントン反応槽は上部側に該混合液を供給する供給口と分解反応された処理水を排出する排出口が設けられ、また該反応槽底部が傾斜された構造であり、該フェントン反応槽が複数以上直列に連結されていることを特徴とするものである。
【0015】
上記発明において、フェントン反応槽は、該反応槽上部より垂直の仕切り板を設けてなることを特徴とする。
【0016】
また、上記発明において、フェントン反応槽は、該反応槽の下部側面部より混合液を均一化し、分解反応を促進させる攪拌装置またはエアー噴射装置を付設してなることを特徴とする。
【0017】
さらに、フェントン反応槽は、該反応槽の下部側面より洗浄液またはエアーを放出する放出管を設け、該反応槽内部では該放出管が該反応槽に同心円状の形状を有し、かつ該洗浄液またはエアーを放出する細孔が該放出管下部に穿孔されていることを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について、図面を用いて詳細に説明する。
【0019】
図1は、本発明における一実施態様を示すCOD処理装置の系統図である。図1では、複数以上(図では3基直列に連結)のフェントン反応槽1と薬液を混合する薬液混合槽6から構成される。図1において、薬液混合槽6に有機物含有排水を通水し、仕切り板よりオーバーフローした有機物含有排水に硫酸第1鉄を添加、続く仕切り板をオーバーフローしながら該排水は硫酸第1鉄と混合される。ここで、硫酸を添加して、pH3になるようにpH調整する。pH調整された混合液は仕切り板をオーバーフローして過酸化水素が添加される。このようにして、有機物含有排水は薬液が添加、混合され、混合液は第1のフェントン反応槽1の供給口2へと供給される。混合液は、フェントン反応槽1に設けられた仕切り板4によって遮られ、該反応槽下部の開口部より該反応槽上部の排出口3に向かって流れる。フェントン反応槽1には、下部にエアー噴射装置5が付設され、混合液は分解反応が行われる。続いて、第2のフェントン反応槽1に混合液が供給され、分解反応が進んでいく。連結された最後のフェントン反応槽1で、混合液は分解反応が終了し、処理水として外部に放出される。
【0020】
本発明におけるフェントン酸化法によるCOD処理方法では、pH3.5付近の条件で硫酸第1鉄と過酸化水素がどれだけ有機物含有排水と接触するかによって処理効率が変わってくる。
【0021】
上記図1における薬液混合槽6について、具体的に説明すると、フェントン反応槽1の手前に薬液混合槽6が設けられている。有機物含有排水は、ポンプを用いて薬液混合槽6内に連続通水され、仕切り板からオーバーフローした有機物含有排水が次の槽内に入り、ここで、所定量の硫酸第1鉄が添加される。添加後の有機物含有排水は、仕切り板からオーバーフローし、さらに仕切り板で区切られた3個のタンクを流れる間に混合される。その後、pH計を設置した薬液混合槽6内で、pH3になるように硫酸を添加し、仕切り板で区切られた2個のタンクを流れる間にpH調整され、次の薬液混合槽6で所定量の過酸化水素を添加し、混合される。混合液は、フェントン反応槽1に連続して供給される。
【0022】
なお、本発明における図1の薬液混合槽6は、硫酸第1鉄添加後と硫酸添加後に、それぞれが仕切り板で区切られた3個と2個の混合槽を流れる内に混合されるが、該混合槽の個数は特に限定されるものでなく、要は有機物含有排水と硫酸第1鉄および硫酸との混合を行うためにある。
【0023】
本発明におけるフェントン反応槽は、分解反応が強酸性域で行われるため、耐酸性の素材、一般的には、ステンレス、ガラス繊維強化プラスチック(FRP)、特殊ステンレス鋼、ゴムライニングなどの材質が用いられる。
【0024】
有機物含有排水の分解反応は、該反応槽上部に設けられた供給口2から該反応槽1に供給され、反応処理後、排出口3から排出される。
【0025】
この分解反応は、有機物含有排水が硫酸第1鉄と過酸化水素の接触時に起こるため、反応効率を高めるには該排水と薬剤との接触時間を多くする必要があり、本発明のフェントン反応槽1は、図1に示されるように複数以上を連結管7によって直列に連結される。フェントン反応槽の連結数は、処理前の有機物含有排水のCOD濃度と排水量で決まってくるが、該排水の処理量が大幅に増えても、タンク式の反応槽であれば該反応槽の増設だけで対応可能であり、用地と費用が大幅にかかる従来のコンクリート槽の固定式反応槽に比較し、広い用地も必要なく、大幅に費用の節約ができる。
【0026】
続いて、図2は、本発明におけるフェントン反応槽の一実施態様を示す概略図であり、(a)が該反応槽の概略側面図であり、(b)が該反応槽の概略断面図である。図2(a)において、フェントン反応槽1は、該反応槽上部に薬液混合槽からの混合液が供給される供給口2、反応された混合液が排出される排出口3が付設され、該反応槽1は底部に隙間を設けて仕切り板4で仕切られている。また、フェントン反応槽の下部には、エアー噴射装置5(または、攪拌装置)が設けられ、混合液の分解反応を促進させる。ここで、図2(b)は、フェントン反応槽1の上部側からみた断面図である。
【0027】
本発明においては、排水のCOD値が高いと、反応が不十分なため未反応物がフロックとして浮上してしまい、このフロックが排出口3から連結管7を通って2基目以降の次のフェントン反応槽1の投入口2より流入するため、反応が不十分となってしまう。このため、個々のフェントン反応槽1は、図1で示されるような垂直の仕切り板4を設けることが好ましい。この仕切り板4は、供給される混合液の液面より高く、フェントン反応槽1の底部に隙間を持った構造となっている。薬剤の入った混合液は図2の供給口2より一旦左側に入り、仕切り板4とフェントン反応槽1の底部の隙間から図2の右側に流入する。しかし、仕切り板4が図2の如く混合液の液面より高い位置まで仕切られているために、フェントン反応槽中の仕切り板4の左側部分のフロックは仕切り板4に遮られ、右側部分のフロックが次のフェントン反応槽に流入するだけで、未反応物のフロック減を図ることができ、分解反応の効率アップが可能となる。
【0028】
また、この仕切り板4は、強酸性のフェントン反応槽内で使用されるため、該反応槽の材質と同様の素材、ステンレス、ガラス繊維強化プラスチック(FRP)、特殊ステンレス鋼、ゴムライニングなどの耐酸性の材質が用いられる。
【0029】
本発明において、フェントン反応槽内では、有機物含有排水と薬剤を均一混合させるため、該反応槽上部に攪拌機を導入し、撹拌・混合するが、本発明における好ましい態様として、該反応槽中央に有機物含有排水と薬剤の接触時間を多くするための仕切り板を設けることで、より均一混合でき、図2におけるような攪拌装置またはエアー噴射装置を該反応槽下部側に付設する。
【0030】
本発明のフェントン反応槽では、混合液の分解反応の際に第2鉄イオンの形態でフロックまたは沈殿物が形成されるが、この沈殿物が沈殿してくると、該反応槽下部に設けたエアー噴射装置(洗浄水の供給も兼用)導管のバルブを詰まらせ、エアー噴射装置が沈殿物で覆われ、混合効率を大きく低下させることになる。また、フェントン反応槽下部側面より内部に有機物含有排水と薬剤を均一混合させるために設けた撹拌装置が沈殿物で覆われ、撹拌効率を低下させることもある。
このため、沈殿物の除去のための沈殿物除去口(図示していない。図1では沈殿物除去口8を示す。)をフェントン反応槽底部に設けることが好ましい。
【0031】
図3は、本発明におけるフェントン反応槽の他の一実施態様を示す概略図であり、(a)が該反応槽の概略側面図であり、(b)が該反応槽の概略断面図である。図3では、フェントン反応槽1の下部に放出管9が設けられている。放出管9は、フェントン反応槽1に同心円状の形状を有し、その下側には、エアーを噴射する細孔が穿孔されており、切り替え弁によってエアーにも洗浄液にも切り替え可能で、該反応槽中にエアーまたは洗浄液を放出することができる。
放出管9にエアーを放出して沈殿物を浮き上がらせ、沈殿物が撹拌装置を覆って撹拌効率を低下させることを防止したり、放出管9の切り替え弁を洗浄液(水など)に切り替えることによって該反応槽底部を洗浄し、予め傾斜を付けた該反応槽に沿って沈殿物除去口より沈殿物の排出除去を容易にできる。
【0032】
本発明において、上記図2における攪拌装置またはエアー噴射装置5、図3における放出管9とを併用することで、より効率的な機能を持たせることができる。
【0033】
【実施例】
以下、本発明について、実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0034】
実施例1
フェントン反応槽の手前の薬液混合槽に、ポリビニルアルコール、2,4’−ジヒドロキシジフェニールスルホン、非晶質シリカ、スチレン・ブタジエンラテックスなどを主成分とする塗工液含有排水A(COD320mg/リットル)をポンプにより75リットル/分の流量で連続通水し、該薬液混合槽内で硫酸第1鉄を1920mg/リットル添加し、硫酸を用いてpH3にpH調整して後、過酸化水素を1920mg/リットル添加し、混合液とした。
【0035】
フェントン反応槽上部側に混合液の供給口と排出口とを設け、下部側面に混合液を均一混合させる撹拌装置を備え、該反応槽下部に該反応槽に同心円状の形状を有する放出管を設け、該放出管下部には洗浄液またはエアーを放出する細孔が穿孔されている。このようなフェントン反応槽は、容量3mのFRPからなり、6基を直列に連結され、薬液混合槽でpH調整および薬剤添加した上記原水Aを、75リットル/分の流量でフェントン反応槽に供給し、各反応槽の下部側面のエアー噴射装置(OHR式エアー2基)によって撹拌しながら合計4時間滞留させて分解反応させた。その後、最後部の該反応槽から処理水を得、処理前の排水Aと処理後の処理水とのCOD値を測定した。結果は表1に示した。
【0036】
実施例2
実施例1と同様に排水A(COD320mg/リットル)をポンプにより75リットル/分の流量で薬液混合槽に連続通水し、該薬液混合槽内でpH調整および薬剤添加した排水Aを、フェントン反応槽のそれぞれの中央に該反応槽中の原水の水位より高い仕切り板を設け、底部の隙間から混合液が流れるようにし、実施例1と同様の該反応槽にポンプにより75リットル/分の流量で連続供給した以外は、実施例1と同様にして分解反応させ、該反応槽から処理水を得、実施例1と同様に処理前の排水Aと処理後の処理水とのCOD値を測定した。結果は表1に示した。
【0037】
実施例3
ポリビニルアルコール、非晶質シリカ、スチレン・ブタジエンラテックス、デンプンなどを主成分とする塗工液含有排水B(COD330mg/リットル)を、仕切り板を設けた薬液混合槽にポンプにより75リットル/分の流量で連続通水しながら、所定量のpH調整の硫酸および薬剤を直接添加し、該フェントン反応槽で分解反応を行い、該反応槽から処理水を得、実施例1と同様に処理前の排水Bと処理後の処理水とのCOD値を測定した。結果は表1に示した。
【0038】
この処理後、ポリビニルアルコール、2,4’−ジヒドキシジフェニールスルホン、非晶質シリカ、ウレタン樹脂、磁性酸化鉄などを主成分とする紙の塗工液含有排水C(COD280mg/リットル)を、実施例2と同様に仕切り板を設けた薬液混合槽にポンプで75リットル/分の流量で連続通水しながら、所定量のpH調整の硫酸および薬剤を直接添加し、フェントン反応槽により分解反応を行い、該反応槽から処理水を得、実施例1と同様に処理前の排水Cと処理後の処理水とのCOD値を測定した。結果は表1に示した。
【0039】
さらに、排水A(COD380mg/リットル)、排水B(COD350mg/リットル)の順に、実施例2と同様に仕切り板を設けた薬液混合槽にポンプにより75リットル/分の流量で連続通水しながら、所定量のpH調整の硫酸および薬剤を直接添加し、フェントン反応槽で分解反応を行い、該反応槽から処理水を得、実施例1と同様に処理前の排水AおよびBと処理後の処理水とのCOD値を測定した。結果は表1に示した。
【0040】
実施例4
実施例3と同様に排水B(COD350mg/リットル)、排水C(COD280mg/リットル)、排水A(COD290mg/リットル)、排水B(COD360mg/リットル)の順に処理するに際し、所定量のpH調整の硫酸および薬剤を実施例1および2と同様に薬液混合槽に添加した以外は、実施例3と同様に分解反応処理を行い、フェントン反応槽から処理水を得、実施例1と同様に処理前の排水B、排水C、排水A、排水Bと処理後の処理水とのCOD値を測定した。結果は表1に示した。
【0041】
比較例1
容量20mのプロペラ式攪拌機の付いた固定式反応槽に実施例1および2と同様の排水A(COD310mg/リットル)を満たし、該排水Aに対し、硫酸第1鉄1860mg/リットルを添加し、硫酸を用いてpH3にpH調整した後、過酸化水素1860mg/リットルを添加し、該反応槽中で撹拌しながら4時間および16時間滞留させ、該反応槽から各々の処理水を得、処理前の排水Aと処理後の処理水とのCOD値を測定した。結果は表1に示した。
【0042】
比較例2
容量20mのプロペラ式攪拌機の付いた固定式反応槽に実施例3と同様の排水B(COD340mg/リットル)を満たし、該排水Bに対し、硫酸第1鉄2040mg/リットルを添加し、硫酸を用いてpH3にpH調整した後、過酸化水素2040mg/リットルを添加し、該反応槽中で撹拌しながら4時間滞留させ、反応槽から各々の処理水を得、処理前の排水Aと処理後の処理水とのCOD値を測定した。結果は表1に示した。
【0043】
【表1】


【0044】
上記表1より、本発明によるフェントン反応槽を用いた有機物含有排水のCOD処理方法では、従来の固定式の反応槽でのCOD処理方法に比較して、同等以上の処理効率向上が図れることがわかる。
【0045】
【発明の効果】
本発明は、有機物含有排水とCOD処理薬液との混合液を複数以上連結されたフェントン反応槽に供給して分解反応させることにより、薬液の混合から反応まで処理する固定式反応槽のような広い面積を必要とせず、処理効率に優れていることがわかる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における一実施態様を示すCOD処理装置の系統図である。
【図2】本発明におけるフェントン反応槽の一実施態様を示す概略図であり、(a)が該反応槽の概略側面図であり、(b)が該反応槽の概略断面図である。
【図3】本発明におけるフェントン反応槽の他の一実施態様を示す概略図であり、(a)が該反応槽の概略側面図であり、(b)が該反応槽の概略断面図である。
【符号の説明】
1 フェントン反応槽
2 供給口
3 排出口
4 仕切り板
5 エアー噴射装置
6 薬液混合槽
7 連結管
8 沈殿物除去口
9 放出管
【出願人】 【識別番号】000005980
【氏名又は名称】三菱製紙株式会社
【住所又は居所】東京都千代田区丸の内3丁目4番2号
【出願日】 平成14年8月30日(2002.8.30)
【代理人】
【公開番号】 特開2004−89854(P2004−89854A)
【公開日】 平成16年3月25日(2004.3.25)
【出願番号】 特願2002−254475(P2002−254475)