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【発明の名称】 家庭用軟水器の排水制御方法
【発明者】 【氏名】中村 三郎
【住所又は居所】愛媛県松山市堀江町7番地 三浦工業株式会社内
【氏名】伊田 尚史
【住所又は居所】愛媛県松山市堀江町7番地 三浦工業株式会社内
【氏名】小田 洋司
【住所又は居所】愛媛県松山市堀江町7番地 三浦工業株式会社内
【氏名】福岡 好之
【住所又は居所】愛媛県松山市堀江町7番地 三浦工業株式会社内
【氏名】田坂 英司
【住所又は居所】愛媛県松山市堀江町7番地 三浦工業株式会社内
【課題】 家庭用軟水器の樹脂筒2内に繁殖する雑菌を所定数以下に維持する。

【解決手段】原水タンク,塩水タンク,イオン交換樹脂を充填した樹脂筒および給水ポンプにより構成された家庭用軟水器の排水制御方法であって、前記給水ポンプが所定時間作動しないとき、前記樹脂筒内の水を排出する排水工程を実行する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
 原水タンク,塩水タンク,イオン交換樹脂を充填した樹脂筒および給水ポンプにより構成された家庭用軟水器の排水制御方法であって、前記給水ポンプが所定時間作動しないとき、前記樹脂筒内の水を排出する排水工程を実行することを特徴とする家庭用軟水器の排水制御方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
 この発明は、家庭用軟水器の排水制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
 近年、水道水等の硬水を軟水とし、たとえば一般家庭用の風呂水等に利用する家庭用軟水器開発されている。この家庭用軟水器は、主に原水タンク,塩水タンク,イオン交換樹脂を充填した樹脂筒および給水ポンプにより構成され、この給水ポンプを駆動して軟水を供給する。
【0003】
 ところで、この家庭用軟水器を長時間使用しないときは、つぎの通水時に過剰の数の雑菌が出る場合がある。このため、前記給水ポンプが所定時間作動しないときは、排水工程を行って、前記樹脂筒内に繁殖した雑菌を排水ラインを介して系外(装置外)へ排出する機構になっている。この排水工程は、家庭用軟水器の使用を中止してから所定時間が経過する毎に繰り返し行われる。すなわち、排水工程のタイミングは一定である。また、単位時間当たりの排水量,すなわち排水速度および排水工程の時間は一定としている。
【0004】
 家庭用軟水器の排水工程は、前記のように、雑菌を排出することを目的としたものと、再生後の塩水を洗い流すことを目的としたものがあるが、この発明における改良の対象は、前者の排水工程である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
 さて、前記樹脂筒内の雑菌の増殖速度は、水温の変化に敏感に反応する。一般に、この増殖速度は、30℃〜37℃で極大値を示し、この範囲よりも低温側と高温側では小さくなる特性を示す。ところで、冬等、気温が低く、前記樹脂筒内の水温が低い場合は、前記のような一定タイミングに基づく排水工程を行うことにより、前記樹脂筒内で繁殖した雑菌を系外へ排出して、この雑菌の数を所定の数以下に維持することができる。しかし、夏等、気温が高くなるとともに、前記樹脂筒内の水温が30℃〜37℃程度に上昇すると、従来のような排水工程では、大量に繁殖した雑菌を充分に系外へ排出することができず、雑菌の数を所定の数以下に維持することができなくなる。
【0006】
 また、前記のように、気温が高い場合は、雑菌の数を所定の数以下に維持できるが、前記樹脂筒内に繁殖する雑菌の数が少ないため、従来のような排水工程を行うと、雑菌を排出するために必要な水量以上の排水をすることになり、結果的に、水を無駄に捨ててしまうことになる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
 この発明は、前記課題を解決するためになされたものであって、請求項1に記載の発明は、原水タンク,塩水タンク,イオン交換樹脂を充填した樹脂筒および給水ポンプにより構成された家庭用軟水器の排水制御方法であって、前記給水ポンプが所定時間作動しないとき、前記樹脂筒内の水を排出する排水工程を実行することを特徴としている。
【発明の効果】
【0008】
 この発明によれば、樹脂筒内における雑菌の繁殖を効果的に防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
 つぎに、この発明の実施の形態について説明する。この発明は、気温または水温を検出
する温度センサを備えた軟水器に好適に実施できる。この温度センサは、軟水器の使用を中止した後、常時、気温または水温を検出し、その検出値を制御器へ出力する。この出力信号に基づいて、制御器は、温度の継続時間を積算する。そして、この継続時間が所定の時間,すなわち排水工程のタイミングに達した後、制御器は排水工程の実行を指示する。このタイミングは、温度センサの検出値が高い場合は短く設定され、低い場合は長く設定される。
【0010】
 そして、排水工程時における排水量の調節として、排水時間による調節の場合は、温度センサの検出値が高い場合は長く設定され、また低い場合は短く設定される。また、排水量の調節を給水ポンプの回転数によって行う場合は、温度センサの検出値が高い場合は回転数を大きくし、また低い場合は小さくする。さらに、前記樹脂筒に複数の排水ラインを設け、この排水ラインの使用数を変化させることによって行う場合は、温度センサの検出値が高い場合は排水に使用するライン数を多くし、また低い場合は少なくする。
【実施例】
【0011】
 以下、この発明の具体的実施例を図面に基づいて説明する。図1は、この発明を実施した軟水器のフロー説明図である。この軟水器は、原水ライン1を樹脂筒2の上部に接続し、この樹脂筒2の下部に通水ライン3および排水ライン4を接続した構成となっている。この通水ライン3には第一電磁弁5を設け、また排水ライン4には第二電磁弁6を設けている。そして、この両電磁弁5,6は、信号線7を介して制御器8とそれぞれ接続されている。また、温度センサ9を信号線7を介して前記制御器8と接続している。この温度センサ9による温度検出は、気温または水温のどちらでもよいが、水温は気温の変化に追随して変化するので、気温を検出する方が安全側である。したがって、以下の説明では、温度検出は、気温を検出する場合について説明する。
【0012】
 まず、この発明の第一実施例を図2を用いて説明する。軟水器の使用を中止した場合、軟水器の樹脂筒2内は、通水状態から止水状態になる。このとき、前記樹脂筒2内の水には、N0個の雑菌が含まれている。さて、前記樹脂筒2内の雑菌は、止水時の気温T2において増殖し、△S2時間後には、制御しようとする雑菌の所定の上限値N個まで達する。この雑菌が増殖している間、軟水器に設けた温度センサ9は、気温T2を検出している。この検出値T2に基づいて、軟水器の制御器8は△S2時間後、排水工程の開始を指示し、△t時間、所定量の排水を行う。これにより、前記樹脂筒2内の雑菌の数は、止水時のN0個に減少する。
【0013】
 この一回目の排水工程終了後、再び前記樹脂筒2内の雑菌の増殖が始まる。このとき、気温がT2からT3に上昇すると、雑菌の増殖速度はT2よりもT3のときの方が大きいため、急激に増殖し、短時間,すなわち△S3 経過後(△S3<△S2)に雑菌は前記の上限値N個に達する。一回目の排水工程時と同様に、前記温度センサ9は気温T3を検出している。この検出値T3に基づいて、前記制御器8は△S3時間後、排水工程の開始を指示し、△t時間、所定量の排水を行う。これにより、前記樹脂筒2内の雑菌の数は、止水時のN0個に減少する。
【0014】
 この二回目の排水工程終了後においても、再び前記樹脂筒2内の雑菌の増殖が始まる。このとき、気温がT3からT1に下降すると、雑菌の増殖速度はT3よりT1のときの方が小さいため、ゆるやかに増殖し、△S1経過後(△S1>△S2)に雑菌は、前記の上限値N個に達する。一,二回目の排水工程時と同様に、前記温度センサ9は気温T1を検出している。この検出値T1に基づいて、前記制御器8は△S1時間後、排水工程の開始を指示し、△t時間、所定量の排水を行う。これにより、前記樹脂筒2内の雑菌の数は、止水時のN0個に減少する。
【0015】
 以上説明したように、第一実施例においては、気温変化T1,T2,T3に対応して、排水工程のタイミングを△S1,△S2,△S3と変化させることにより、雑菌の数を所定数以下に維持している。
【0016】
 つぎに、この発明の第二実施例を図3を用いて説明する。軟水器の使用を中止した場合、軟水器の樹脂筒2内は、通水状態から止水状態になる。このとき、前記樹脂筒2内の水には、N0個の雑菌が含まれている。さて、前記樹脂筒2内の雑菌は、止水時の気温T2において増殖する。一方、前記温度センサ9は気温T2を検出している。この検出値T2に基づいて、前記制御器8は△R2時間後に排水工程の開始を指示し、△t2時間、排水を行う。この結果、前記樹脂筒2内の雑菌の数は、止水時のN0個に減少する。
【0017】
 この一回目の排水工程終了後、再び前記樹脂筒2内の雑菌の増殖が始まる。このときの気温はT3(T3>T2)であり、この温度では、T2のときよりも雑菌の増殖速度は大きい。一方、前記温度センサ9は気温T3を検出している。この検出値T3に基づいて、前記制御器8は、T2のときよりも短時間,すなわち△R3時間後(△R3<△R2)、排水工程の開始を指示し、△t3時間、排水を行う。この排水時間△t3は、前記樹脂筒2内の雑菌の数が前記の上限値N個まで増殖しているため、前記の温度T2のときの排水時間△t2より長く設定される。したがって、この排水により、前記樹脂筒2内の雑菌の数は、止水時のN0個に減少する。
【0018】
 この二回目の排水工程後においても、再び前記樹脂筒2内の雑菌の増殖が始まる。このときの気温はT1(T1<T2)であり、この温度では、T2のときよりも雑菌の増殖速度は小さい。一方、前記温度センサ9は気温T1を検出している。この検出値T1に基づいて、前記制御器8は、T2のときよりも長時間,すなわち△R1時間後(△R1>△R2)、排水工程の開始を指示し、△t1時間、排水を行う。この排水時間△t1は、前記樹脂筒2内の雑菌の数が前記のT3,T2の温度のときほど増えていないので、前記の△t3,△2tよりも短く設定される。したがって、この排水により、前記樹脂筒2内の雑菌の数は、止水時のN0個に減少する。
【0019】
 以上説明したように、第二実施例においては、気温変化T1,T2,T3に対応して、排水工程のインターバルを△R1,△R2,△R3に変化させるとともに、排水時間を△t1,△t2,△t3と変化させることにより、雑菌を所定数以下に維持している。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】この発明を実施する軟水器のフロー説明図である。
【図2】この発明の第一実施例の説明図で、温度センサの検出値と軟水器の排水作動のON,OFFと樹脂筒内の雑菌の数の関係を示す説明図である。
【図3】この発明の第二実施例の説明図で、温度センサの検出値と軟水器の排水作動のON,OFFと樹脂筒内の雑菌の数の関係を示す説明図である。
【符号の説明】
【0021】
  1 原水ライン
  2 樹脂筒
  3 通水ライン
  4 排水ライン
  5 第一電磁弁
  6 第二電磁弁
  7 信号線
  8 制御器
  9 温度センサ
【出願人】 【識別番号】000175272
【氏名又は名称】三浦工業株式会社
【住所又は居所】愛媛県松山市堀江町7番地
【出願日】 平成15年11月17日(2003.11.17)
【代理人】
【公開番号】 特開2004−42046(P2004−42046A)
【公開日】 平成16年2月12日(2004.2.12)
【出願番号】 特願2003−386064(P2003−386064)