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【発明の名称】 アクスルハウジング本体の製造方法及びアクスルハウジング
【発明者】 【氏名】黒木 俊昭
【住所又は居所】東京都日野市日野台3丁目1番地1 日野自動車株式会社内

【氏名】奥山 克己
【住所又は居所】福島県福島市笹木野字天竺田8番地の1 福島製鋼株式会社内

【氏名】根本 康広
【住所又は居所】福島県福島市笹木野字天竺田8番地の1 福島製鋼株式会社内

【氏名】佐藤 一広
【住所又は居所】福島県福島市笹木野字天竺田8番地の1 福島製鋼株式会社内

【要約】 【課題】安価で強度的にも十分なアクスルハウジング本体の製造方法及び該方法により製造したアクスルハウジングを提供する。

【解決手段】アクスルハウジング本体を形成するため球状黒鉛鋳鉄9を鋳型5に鋳造する際に、鋳型5内に耐酸化被膜8を形成させたスチール部品7をセットし、球状黒鉛鋳鉄9によりスチール部品7を鋳ぐるむ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
鋳型内に球状黒鉛鋳鉄を注入すると共に、該球状黒鉛鋳鉄により鋳型内にセットされたスチール部品を鋳ぐるむことを特徴とするアクスルハウジング本体の製造方法。
【請求項2】
スチール部品には耐酸化被膜を形成させた請求項1記載のアクスルハウジング本体の製造方法。
【請求項3】
スチール部品を鋳ぐるむことにより形成された球状黒鉛鋳鉄製のアクスルハウジング本体と、該アクスルハウジング本体におけるスチール部品と接合されるスチール製のアクスルチューブとを備えたことを特徴とするアクスルハウジング。
【請求項4】
スチール部品には耐酸化膜を形成させた請求項3に記載のアクスルハウジング。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はアクスルハウジング本体の製造方法及びアクスルハウジングに関する。
【0002】
【従来の技術】
アクスルハウジングは、従来鋳鋼又はプレスしたスチール板を溶接することにより製造していた。又、提案されているものには、特許文献1に示すように、アクスルハウジング本体に球状黒鉛鋳鉄を用い、アクスルハウジング本体とアクスルチューブとを摩擦圧接するものがある。
【0003】
【特許文献1】
特開平5−23874号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、鋳鋼製のアクスルハウジングは、鋳造後の仕上げに堰や押し湯部、バリを除去するため、溶断によりガウジングを行うことが必要で、コスト高を招来していた。又、プレスしたスチール板を溶接することにより製造したアクスルハウジングは、数点の熱間プレス部品を溶接により組立てるため、この場合にもコスト高を招来していた。更に、特許文献1のアクスルハウジングは、十分な強度を得られない虞がある。
【0005】
本発明は上述の実情に鑑み、安価で強度的にも十分なアクスルハウジング本体の製造方法及びアクスルハウジングを提供することを目的としてなしたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1のアクスルハウジング本体の製造方法は、鋳型内に球状黒鉛鋳鉄を注入すると共に、該球状黒鉛鋳鉄により鋳型内にセットされたスチール部品を鋳ぐるむものである。
【0007】
請求項2のアクスルハウジング本体の製造方法においては、スチール部品には耐酸化被膜が形成されている。
【0008】
請求項3のアクスルハウジングにおいては、スチール部品を鋳ぐるむことにより形成された球状黒鉛鋳鉄製のアクスルハウジング本体と、該アクスルハウジング本体におけるスチール部品と接合されるスチール製のアクスルチューブとを備えたものである。
【0009】
請求項4のアクスルハウジングにおいては、スチール部品には耐酸化膜が形成されている。
【0010】
本発明においては、容易に安価で強度的にも十分なアクスルハウジングを製造することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。
図1〜図3は本発明を実施する形態の一例である。図1はアクスルハウジングを示し、図中、1は球状黒鉛鋳鉄製のアクスルハウジング本体、2はアクスルハウジング本体1の鋳造時にアクスルハウジング本体1の端部となる位置に鋳ぐるまれると共に、鋳造後に切削加工して形成されたスチール部、3はスチール鍛造品であるアクスルチューブ、4はアクスルハウジング本体1のスチール部2とアクスルチューブ3をアーク溶接により溶接して一体化することにより形成されたアーク溶接部である。
【0012】
図2は図1のアクスルハウジング本体1を鋳造する際の状態を示し、図中、5は鋳型、6は中子、7は鋳造の際に予め鋳型5内端部において中子6に対し遊嵌状態にセットされたリング状のスチール部品、8はスチール部品7の表面に形成された耐酸化被膜、9は鋳型5に注入された球状黒鉛鋳鉄である。
【0013】
スチール部品7を球状黒鉛鋳鉄9により鋳ぐるむのは、球状黒鉛鋳鉄9が凝固して形成されるアクスルハウジング本体1とアクスルチューブ3を接合する際にアクスルハウジング本体1とアクスルチューブ3を直接溶接すると、アクスルハウジング本体1側に溶接熱影響によるチルや割れが発生する虞があるためである。そこで、アクスルハウジング本体1とアクスルチューブ3とを溶接する場合には、スチール部品7により形成されるスチール部2とアクスルチューブ3を溶接することにより、アクスルハウジング本体1側に溶接熱影響によるチルや割れが発生しないようにするためである。
【0014】
耐酸化被膜8を形成するのは、金属拡散を促進させることにより、鋳造されて凝固した球状黒鉛鋳鉄9と鋳ぐるまれたスチール部品7とが強固且つ健全に接合するようにするためである。耐酸化被膜8は、Niメッキ、Agメッキ、Snメッキ等の耐酸化メッキを施すか、又は、脱酸化剤として機能するSi、B等を含むロー材を溶射することにより形成する。
【0015】
図3中、10はスチール部品7を鋳ぐるんで形成された鋳造品、11は鋳造品である球状黒鉛鋳鉄9とスチール部品7との接合界面である。
【0016】
スチール部品7がセットされた鋳型5内に溶融した球状黒鉛鋳鉄9を注入すると、図2に示すように、スチール部品7は、球状黒鉛鋳鉄9により包囲されるよう鋳ぐるまれる。
【0017】
球状黒鉛鋳鉄9が凝固したら鋳型5から鋳造品10を取出し、図3の仮想線イに示すように鋳造品10を切削、加工する。これにより、鋳ぐまれていたスチール部品7は露出した状態となると共に、開先12が形成され、アクスルハウジング本体1が完成する。
【0018】
アクスルハウジング本体1が完成したら、スチール鍛造品であるアクスルチューブ3をスチール部品7の部分でアクスルハウジング本体1に対しアーク溶接する。これにより、図1に示すように、アクスルハウジングが完成する。
【0019】
本図示例のように、球状黒鉛鋳鉄を用いると、従来の鋳鋼製品の場合のように、ガウジングが必要なく、堰等の除去はハンマで叩くだけで簡単に除去することができ、又、スチール板のプレスによるもののように、数種の部材を組立てる必要もなく、一体で鋳造することができる。従って、本図示例によれば、容易に安価で強度的にも十分なアクスルハウジングを製造することができる。
【0020】
なお、本発明のアクスルハウジング本体の製造方法及びアクスルハウジングにおいては、溶接としてアーク溶接を行う場合について説明したが、アーク溶接に限らず種々の溶接を適用することができること、その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0021】
【発明の効果】
以上、説明したように本発明の請求項1〜4記載のアクスルハウジング本体の製造方法及びアクスルハウジングによれば、容易に安価で強度的にも十分なアクスルハウジングを製造することができる、という優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のアクスルハウジング本体の製造方法により製造したアクスルハウジング本体を用いたアクスルハウジングのアクスルチューブ近傍の正面図である。
【図2】本発明のアクスルハウジング本体の製造方法によりアクスルハウジング本体を鋳造する際の状態を示す断面図である。
【図3】本発明のアクスルハウジング本体の製造方法により鋳造された鋳造品の、アクスルチューブと接合される近傍部分の正面図である。
【符号の説明】
1 アクスルハウジング本体
3 アクスルチューブ
5 鋳型
7 スチール部品
8 耐酸化被膜
9 球状黒鉛鋳鉄
【出願人】 【識別番号】000005463
【氏名又は名称】日野自動車株式会社
【住所又は居所】東京都日野市日野台3丁目1番地1
【識別番号】390039066
【氏名又は名称】福島製鋼株式会社
【住所又は居所】福島県福島市野田町4丁目1番1号
【出願日】 平成15年2月21日(2003.2.21)
【代理人】 【識別番号】100062236
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 恒光

【識別番号】100083057
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 誠一

【公開番号】 特開2004−249881(P2004−249881A)
【公開日】 平成16年9月9日(2004.9.9)
【出願番号】 特願2003−43812(P2003−43812)