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【発明の名称】 3面イケール
【発明者】 【氏名】鹿志村 一男
【住所又は居所】東京都目黒区中根2丁目3番19号 株式会社牧野フライス製作所内
【課題】ワークまたはイケールと工作機械との間で干渉することがないイケールを提供すること。

【解決手段】所定の軸線を中心として回転自在に設けられ先端に工具を装着する主軸と、主軸の前方において回転位置決め可能なテーブル13とを有した工作機械のテーブルに固定され、ワーク19〜19を取付、支持するイケール11が、テーブルに固定され、テーブルの回転軸線Oに対して垂直な断面が正三角形を呈する三角柱状の本体部材17と、本体部材の3つの側面に各々形成したワーク取付面とを具備する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の軸線を中心として回転し先端に工具を装着する主軸と、前記主軸と3次元方向に相対移動し回転位置決め可能なテーブルとを有した工作機械の前記テーブルに固定されワークを取付、支持するイケールにおいて、
前記テーブルに固定され、前記テーブルの回転軸線に対して垂直な断面が正三角形を呈する三角柱状の本体部材と、
前記本体部材の3つの側面に各々形成したワーク取付面と、
を具備することを特徴とした3面イケール。
【請求項2】
前記3つのワーク取付面は、前記イケールに取付けたワークを加工する工作機械のテーブルに前記本体部材を固定し、前記テーブルを前記回転軸線周りに順次回転、割り出して加工する請求項1に記載の3面イケール。
【請求項3】
前記本体部材は、前記主軸の軸線に対して垂直な軸線を中心として割出可能に設けられている請求項1または2に記載の3面イケール。
【請求項4】
前記本体部材は、前記テーブルに固定した状態で、ワーク取付面と前記テーブルの回転軸線との間の距離が等距離となるように、前記工作機械により前記ワーク取付面を加工するようにした請求項1から3の何れか1項に記載の3面イケール。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ワークを固定する工作機械のイケールに関する。
【0002】
【従来の技術】
工作機械のテーブルにワークを直接取付けるのではなく、所謂イケールを介してワークをテーブルに取付けることが行われている。加工能率を高めるために、1つのイケールに複数のワーク取付面を形成した多面イケールがある。
【0003】
第1の従来技術として、特表平3−503747号公報には、6角柱状のコアの周囲に3つのカセットを取付け、該カセットに複数の工作物を取付けるようにした工作物の取り付けシステムが開示されている。第2の従来技術として、特開2001−334421号公報には、3面の治具取付面を有した3角柱状の回転部材を有した回転治具機構が開示されている。また、特に先行技術文献を開示しないが、4つのワーク取付面を有した四角柱状の本体部材を有した4面イケールや、平板状の本体部材を有した2面イケールが従来から用いられている。
【0004】
【特許文献1】
特表平3−503747号公報
【特許文献2】
特開2001−334421号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
第1の従来技術に開示の工作物の取り付けシステムは、長手方向の回転軸線を有するコアと、該コアの外周面に120°間隔で固着され、複数の工作物を支持するカセットと、該カセットをコアに固定、固着する手段とで構成されている。この工作物の取り付けシステムは、大がかりなパレット交換システムに替えて、工作物に合わせた複数のカセットを準備して、コアにカセットを着脱可能かつ位置決め精度よく固着して、カセットを交換することにより、複数種類の工作物を加工しようとするものである。従って、コアは、カセットを着脱可能に、かつ位置決め精度よく固着する、いわばテーブルであり、カセットは工作物を支持するいわばパレットであると言える。
【0006】
第2の従来技術に開示の回転治具機構は、3種類のワークが混流するワーク組立ラインに設けられ、正三角形構造の回転部材の各面に、異なるワーク位置決め治具を配設し、加工するワークの種類に応じて円滑かつ迅速に所望の位置決め治具の面を割出可能にしたものである。従って、この回転治具機構は、3面に同時にワークを取付けて加工する治具ではない。
【0007】
また、4面イケールは、四角柱状の本体部材において加工中のワークの隣りのワーク取付面に取付けられたワークと、主軸または主軸頭との間で干渉を生じる問題があり、干渉を避けて所望の加工を行うために長い工具を用いなければならなかったり、場合によっては加工ができないこともある。
【0008】
2面イケールでは、ワーク取付面を形成する本体部材の剛性が低下して、加工負荷や加工精度が低下する問題がある。また、ワーク取付面が少ないために多数のワークを取付けるためにワーク取付面の幅を大きくすると、ワークの側面加工時にイケールの縁部と主軸頭とが干渉し易くなる。
【0009】
本発明は、こうした従来技術の問題を解決することを技術課題としており、ワークまたはイケールと工作機械との間で干渉することがないイケールを提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の本発明は、所定の軸線を中心として回転し先端に工具を装着する主軸と、前記主軸と3次元方向に相対移動し回転位置決め可能なテーブルとを有した工作機械の前記テーブルに固定されワークを取付、支持するイケールにおいて、
前記テーブルに固定され、前記テーブルの回転軸線に対して垂直な断面が正三角形を呈する三角柱状の本体部材と、前記本体部材の3つの側面に各々形成したワーク取付面とを具備することを特徴とした3面イケールを要旨とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明の好ましい実施形態を説明する。
図1、2において、本発明を適用する工作機械は、主軸頭31に所定の軸線を中心として回転可能に支持され先端に工具35を装着する主軸33と、該主軸33の前方において主軸33の回転軸線に対して垂直な軸線Oを中心として回転位置決め可能なテーブル13とを具備している。
【0012】
本実施形態による3面イケール11は、テーブル13の上面に座15を介して固定される三角柱状の本体部材17を具備している。本体部材17は断面が正三角形となっており、その重心をテーブル13の回転軸線Oに合わせてテーブル13の上面に固定される。本体部材17の3つの側面はワーク19〜19を取付けるためのワーク取付面17a〜17cとなっている。本体部材17の断面の重心をテーブル13の回転軸線Oに合わせてテーブル13に固定することにより、回転軸線Oからワーク取付面17a〜17cの各距離が一定となる。好ましくは、本体部材17をテーブル13に固定した状態で、ワーク取付面17a〜17cの各々がテーブル13の回転軸線Oから等距離となるように、ワーク取付面17a〜17cの仕上加工を行う。これにより、ワーク取付面17a〜17cの割出精度を向上することが可能となる。
【0013】
以下、本実施形態による3面イケールの作用を説明する。
図2において、現在加工が行われているワーク19の加工が完了すると、テーブル13を回転軸線Oを中心として時計回りまたは反時計回りの方向に120°回転、割り出して、ワーク取付面17bまたは17cを主軸33の回転軸線に平行に配置し、次のワーク19または19の加工を行う。その間または次の次のワーク19または19を加工を行う間、既に加工が完了したワーク19を本体部材17のワーク取付面17aから取り外し、次のワークを該ワーク取付面17aに取付け、次の加工工程の準備を行う。
【0014】
図2には、4面イケールの本体部材21および該本体部材21に取付けられたワーク23〜23が破線で示されている。該本体部材21は、3面イケール11の本体部材17と同じ面積のワーク取付面21a〜21dを有している。つまり、3面イケール11と4面イケールの各々の本体部材17、21のワーク取付面の幅が同じ長さとなっている。
【0015】
4面イケールでは、図2において斜線Aで示すように、ワーク23の側面を加工する際、本体部材17において主軸33に対面する位置に配置されるワーク取付面21bに取付けられたワーク23と、主軸頭31及び主軸33との間で干渉を生じ所望の加工を行うために3面イケールの場合と比較して長い工具を用いなければならなかったり、場合によっては加工ができないこともある。3面イケールの場合には、ワーク19が主軸33の回転軸線に対して30°の方向に逃げるために、こうした干渉を生じることがなく、短い工具を用い重負荷で高精度に加工可能である。3面イケールでは、たとえ主軸頭31が上昇して3面イケールに近づいたとしても、主軸頭31及び主軸33は、ワーク19と干渉することはない。反対に、本体部材を平板状の部材で形成した2面イケール(図示せず)では、ワーク取付面を形成する本体部材の剛性が低下して、加工負荷や加工精度が低下する問題がある。本実施形態によれば、本体部材17を断面が正三角形状となっているためにこうした問題が解決される。
【0016】
【発明の効果】
本発明によれば、3面イケールの主軸に対面する位置にあるワーク取付面に取付けられたワーク、すなわち加工中のワークの隣りのワーク取付面に取付けられたワークは、主軸に対して斜めの方向に逃げるためにワークと主軸頭や主軸との間で干渉が生じることがなく、短い工具を用い重負荷で高精度に加工可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好ましい実施形態による3面イケールの略示斜視図である。
【図2】本実施形態による3面イケールを4面イケールと比較するために、同一のワーク取付面積を有した4面イケールと共に示す、図1の3面イケールの平面図である。
【符号の説明】
11…3面イケール
13…テーブル
15…座
17…本体部材
17a〜17c…ワーク取付面
19〜19…ワーク
31…主軸頭
33…主軸
35…工具
【出願人】 【識別番号】000154990
【氏名又は名称】株式会社牧野フライス製作所
【住所又は居所】東京都目黒区中根2丁目3番19号
【出願日】 平成14年10月25日(2002.10.25)
【代理人】 【識別番号】100077517
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 敬

【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一

【識別番号】100102819
【弁理士】
【氏名又は名称】島田 哲郎

【識別番号】100082898
【弁理士】
【氏名又は名称】西山 雅也

【識別番号】100081330
【弁理士】
【氏名又は名称】樋口 外治

【公開番号】 特開2004−142046(P2004−142046A)
【公開日】 平成16年5月20日(2004.5.20)
【出願番号】 特願2002−310890(P2002−310890)