| 【発明の名称】 |
造形物用保護膜 |
| 【発明者】 |
【氏名】斉藤 一夫
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| 【要約】 |
【課題】長期使用における表面の色褪せやキズ発生を軽減すると共に、暗闇で高輝度に自然発光させることができる造形物用保護膜を提供すること。
【解決手段】本発明の造形物用保護膜は、造形物Aの基材本体aの表面に、周囲の光を蓄え自然発光可能な蓄光剤による発光膜層1を設けると共に、発光膜層1の表面に、単一あるいは多成分系の金属酸化物ガラス膜により形成されるガラス膜層2を設けたことを特徴とする。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 造形物の基材本体の表面に、周囲の光を蓄え自然発光可能な蓄光剤による発光膜層を設けると共に、その発光膜層の表面に、単一あるいは多成分系の金属酸化物ガラス膜により形成されるガラス膜層を設けたことを特徴とする造形物用保護膜。 【請求項2】 前記ガラス膜層は、加水分解可能な有機金属化合物を、水と有機溶媒の反応液中で、ホウ素イオンの存在下、ハロゲンイオンを触媒にしpHを4.5ないし5.0に調整しつつ加水分解、脱水縮合して反応生成物を生成し、200度以下の温度でガラス化してなる膜層により形成したことを特徴とする請求項1記載の造形物用保護膜。 【請求項3】 前記基材本体と発光膜層との間に白色ペイントを介在させた請求項1記載の造形物用保護膜。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】 本発明は、表面の色褪せやキズ発生を軽減すると共に、暗闇で長時間高輝度に自然発光させることができる造形物用保護膜に関する。 【0002】 【従来の技術】 従来より、人物や動物等を模倣して形成される造形物においては、暗闇では識別力や演出効果が低下するために、外部より照明光を照射させる必要があった。しかし、器具の設置費用や電気コストが嵩むため、本出願人より極めて少ない電力で高輝度に発光させると共に、消灯後、幻想的な蛍光色を長時間発光させることができる発光造形物が提案されている(例えば、特許文献1参照)。 【0003】 【特許文献1】 特開2002−301279号公報 (第1−3頁、図1) 【0004】 【発明が解決しようとする課題】 上掲特許文献1の発光造形物は、蓄光材を素材とし、内部に中空部を設け、かかる中空部に発光体を収容させたものであり、発光体を点灯させることで造形物を発光させ、さらに消灯後は、蓄光材に蓄えられた光を長時間発光させるものである。しかし、前記発光造形物においては、内部に発光体を収容させるためのコストや手間が必要となり、長期間使用中においては、表面に色褪せやキズが発生するという問題が残った。 【0005】 そこで本発明は上記の点に鑑み、長期使用における表面の色褪せやキズ発生を軽減すると共に、暗闇においても高輝度に自然発光させることができる造形物用保護膜を提供することにある。 【0006】 【課題を解決するための手段】 上記課題を解決するために、本発明の造形物用保護膜は、造形物の基材本体の表面に、周囲の光を蓄え自然発光可能な蓄光剤による発光膜層を設けると共に、発光膜層の表面に、単一あるいは多成分系の金属酸化物ガラス膜により形成されるガラス膜層を設けたことを特徴とする。また前記ガラス膜層は、加水分解可能な有機金属化合物を、水と有機溶媒の反応液中で、ホウ素イオンの存在下、ハロゲンイオンを触媒にしpHを4.5ないし5.0に調整しつつ加水分解、脱水縮合して反応生成物を生成し、200度以下の温度でガラス化してなる膜層により形成したことを特徴とする。そのため、ガラス膜層のコーティング特性により、長期使用における表面の色褪せやキズ発生を軽減し、さらに、発光膜層により造形物全体を暗闇で長時間高輝度に自然発光させることができる。 【0007】 また、前記基材本体と発光膜層との間に白色ペイントを介在させたことにより、基材本体が暗色系の場合でも、発光膜層の光を効率よく外部に発光させることができる。 【0008】 【発明の実施の形態】 以下、本発明の造形物用保護膜の実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、図1は基材本体の拡大断面図、図2は他の好適例を示す基材本体の拡大断面図、図3および図4は造形物の正面図、図5および図6は前記造形物が発光している状態をそれぞれ表す。 【0009】 本発明の造形物用保護膜は、人物や動物等を模倣して形成される全ての造形物に施されるもので、例えば、図3に示す仏像や図4に示すビーナス像等が挙げられる。また特に、本発明の造形物用保護膜は、長期使用における表面の色褪せやキズ発生を軽減すると共に、暗闇で高輝度に自然発光させることができるという特徴を有する。 【0010】 造形物Aの基材本体aは、ガラス、石、FRP(ガラス繊維強化プラスチック)、樹脂、木材、石膏等の素材からなる。また基材本体aの表面には、周囲の光を蓄え自然発光可能な蓄光剤による発光膜層1が設けられ、さらに発光膜層1の表面には、単一あるいは多成分系の金属酸化物ガラス膜により形成されるガラス膜層2が設けられている。 【0011】 発光膜層1は、造形物Aの全面もしくは一部に設けられるもので、周囲の光を蓄え自然発光可能な蓄光剤からなる。また前記発光膜層1は、周知の金属化合物や希土類を複数混合し汎用の展色剤を混合して形成するものである。この発光膜層1の層幅は、日没後、周囲が暗くなても周囲の状況を確認するのに充分な光力を放つことが可能で、さらに夜が明けるまで光を放出し続ける充分な発光時間(約10時間)を確保するために必要な厚み、10cm四方に対し3ないし5gの蓄光剤を散布して形成される層幅を有している。 【0012】 前記造形物Aの表面に発光膜層1を設けることにより、図5に示す仏像や図6に示すビーナス等の造形物Aが暗闇の中で長時間高輝度に自然発光し、造形物A全体から幻想的な雰囲気が醸し出される。 【0013】 ガラス膜層2は、前記発光膜層1の表面をコーティングするように設けられる、単一あるいは多成分系の金属酸化物ガラス膜からなっている。そして、この金属酸化物ガラスからなるガラス膜層2の表面は、通常のガラス表面と同様に極めて滑らかである上に、鏡の表面のように光を反射するきらきらと輝く充分な光沢を有している。 【0014】 また、このガラス膜層2は光透過性にも優れており、ガラス膜層2内を通過する光が有する光力をなんら減光することがない。また、ガラス膜層2は耐候性も極めて優れており、長期間経過してもガラス自体が変色あるいは白濁することがなく、さらに塵埃や煤煙等が内部へと浸透せず、外観的な劣化を防ぐことができる。 【0015】 また、前記ガラス膜層2を形成する金属酸化物ガラスは、酸化チタンや酸化ケイ素と同様に光触媒効果があることが確認されている。周知のように光触媒効果は、光を受光した際に汚れ物質や臭い物質を分解除去することができるため、造形物Aの表面に光触媒効作用を施すことにより、汚れの発生が抑えられると共に、表面に擦り傷が生じるのを軽減できる。 【0016】 前記ガラス膜層2を形成するには、予め、加水分解可能な有機金属化合物を、水と有機溶媒の反応液中で、ホウ素イオンの存在下、ハロゲンイオンを触媒にしpHを4.5ないし5.0に調整しつつ加水分解、脱水縮合して反応生成物を生成しておく。そして、この反応生成物を前記基材本体aの表面に所定厚み分塗布し、200度以下の温度でガラス化させることによりガラス膜を形成する。なお、この金属酸化物ガラスの形成方法は、特開平6−199528号公報(特許第2538527号)に記載された公知の技術である。 【0017】 なお、前記ガラス膜層2は、適宜希釈して汎用のスプレーにて噴霧することにより、造形物Aの全面や一部に容易に施すことができる。 【0018】 また他の好適例として、図2に示すように、前記基材本体aと発光膜層1との間に白色ペイント3を介在させることが好ましい。白色ペイント3を介在させることにより、発光膜層1の光を効率よく外部に発光させることができる。なお、基材本体aが暗色系の素材の場合に白色ペイント3を介在させると、特に優れた効果が得られる。 【0019】 【発明の効果】 以上説明してきたように、本発明の造形物用保護膜は、上述により以下に示す効果を奏するものである。 【0020】 造形物の基材本体の表面に、周囲の光を蓄え自然発光可能な蓄光剤による発光膜層を設けると共に、発光膜層の表面に、単一あるいは多成分系の金属酸化物ガラス膜により形成されるガラス膜層を設けたことを特徴とする。また前記ガラス膜層は、加水分解可能な有機金属化合物を、水と有機溶媒の反応液中で、ホウ素イオンの存在下、ハロゲンイオンを触媒にしpHを4.5ないし5.0に調整しつつ加水分解、脱水縮合して反応生成物を生成し、200度以下の温度でガラス化してなる膜層により形成したことを特徴とする。そのため、ガラス膜層のコーティング特性により、長期使用における表面の色褪せやキズ発生を軽減し、さらに、発光膜層により造形物全体を暗闇で長時間高輝度に自然発光させることができる。 【0021】 また、前記基材本体と発光膜層との間に白色ペイントを介在させたことにより、基材本体が暗色系の場合でも、発光膜層の光を効率よく外部に発光させることができる。 【図面の簡単な説明】 【図1】造形物用保護膜を施した基材本体の拡大断面図である。 【図2】他の好適例を示す基材本体の拡大断面図である。 【図3】造形物である仏像の正面図である。 【図4】造形物であるビーナスの正面図である。 【図5】造形物である仏像が暗闇で自然発光している状態である。 【図6】造形物であるビーナスが暗闇で自然発光している状態である。 【符号の説明】 1・・・発光膜層 2・・・ガラス膜層 3・・・白色ペイント a・・・基材本体 A・・・造形物
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| 【出願人】 |
【識別番号】595049264 【氏名又は名称】斉藤 一夫
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| 【出願日】 |
平成15年5月21日(2003.5.21) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2004−344616(P2004−344616A) |
| 【公開日】 |
平成16年12月9日(2004.12.9) |
| 【出願番号】 |
特願2003−180318(P2003−180318) |
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