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【発明の名称】 乱数幅変更機能付き遊技機
【発明者】 【氏名】木津 浩介
【住所又は居所】東京都板橋区板橋一丁目24番3号 株式会社北電子内

【要約】 【課題】多数の抽選テーブルを必要とすることなく、きめの細かい確率変動を可能とし、出率の制御,調整も容易に行える。

【解決手段】遊技を制御する制御部10を備え、制御部10の制御により所定の抽選が行われる遊技機であって、制御部10は、所定幅の範囲で乱数を発生させる乱数発生手段10aと、乱数発生手段10aで発生される乱数を抽出する乱数抽出手段10bと、抽選判定用の抽選テーブル10cと、乱数抽出手段10bで抽出された乱数と抽選テーブル10cとを照合し、抽選結果を判定する抽選判定手段10dを備えるとともに、乱数発生手段10aで発生される乱数の幅を変更する乱数幅変更手段10eを備え、乱数幅変更手段10eは、乱数発生手段10aで発生される乱数の上限値を変更することにより乱数幅を変更し、抽選テーブル10cは、乱数の上限値側にハズレ領域を有する構成としてある。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技を制御する制御部を備え、この制御部の制御により所定の抽選が行われる遊技機であって、
制御部は、
所定幅の範囲で乱数を発生させる乱数発生手段と、
乱数発生手段で発生される乱数を抽出する乱数抽出手段と、
抽選判定用の抽選テーブルと、
乱数抽出手段で抽出された乱数と抽選テーブルとを照合し、抽選結果を判定する抽選判定手段と、を備えるとともに、
乱数発生手段で発生される乱数の幅を変更する乱数幅変更手段を備えることを特徴とする乱数幅変更機能付き遊技機。
【請求項2】
乱数幅変更手段は、乱数発生手段で発生される乱数の上限値を変更することにより乱数幅を変更する請求項1記載の乱数幅変更機能付き遊技機。
【請求項3】
抽選テーブルは、乱数の上限値側領域にハズレを設定した請求項2記載の乱数幅変更機能付き遊技機。
【請求項4】
乱数幅変更手段は、所定の乱数幅変更条件が成立することにより乱数幅を変更する請求項1,2又は3記載の乱数幅変更機能付き遊技機。
【請求項5】
乱数幅変更手段は、遊技機で所定回数の遊技が行われることにより乱数幅を変更する請求項4記載の乱数幅変更機能付き遊技機。
【請求項6】
乱数幅変更手段は、所定の乱数幅変更フラグを受け取ることにより乱数幅を変更する請求項4又は5記載の乱数幅変更機能付き遊技機。
【請求項7】
乱数幅変更手段は、所定の設定スイッチが操作されるにより乱数幅を変更する請求項4,5又は6記載の乱数幅変更機能付き遊技機。
【請求項8】
乱数幅変更手段は、遊技機の出率が所定の基準値の範囲を超えることにより乱数幅を変更する請求項4,5,6又は7記載の乱数幅変更機能付き遊技機。
【請求項9】
乱数幅変更手段により乱数幅が変更されると、その旨及び/又はその変更内容を告知する告知手段を備える請求項1,2,3,4,5,6,7又は8記載の乱数幅変更機能付き遊技機。
【請求項10】
遊技を制御する制御部を備え、この制御部の制御により所定の抽選が行われる遊技機で実行されるプログラムあって、
所定幅の範囲で乱数を発生させる乱数発生工程と、
乱数発生工程で発生される乱数を抽出する乱数抽出工程と、
乱数抽出工程で抽出された乱数と抽選テーブルとを照合し、抽選結果を判定する抽選判定工程と、
乱数発生工程で発生される乱数の幅を変更する乱数幅変更工程と、を実行することを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ機やスロットマシン(パチスロ機)等に代表される、遊技に際して所定の抽選が行われ、その抽選結果に応じて遊技内容が制御される遊技機に関し、特に、抽選の際に使用される乱数の幅を任意に変更することにより、多数の抽選テーブル等を必要とすることなく、きめの細かい確率変動が可能となり、出率の制御,調整も容易に行える乱数幅変更機能付き遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、パチンコ機やスロットマシンに代表される遊技機では、遊技機内に備えられた制御部によって遊技が制御されている。そして、この種の遊技機では、制御部が所定の抽選を行い、その抽選結果に応じて、遊技媒体の払出や特定遊技の開始,終了等、遊技機に必要な処理動作を制御するようになっている。
例えば、スロットマシンの場合、複数のリールが抽選結果に応じて自動的に制御され、各リールに付された図柄が所定配列となるよう停止する、いわゆる「内部当たり」と呼ばれる入賞制御が行われる。この内部当たり制御は、スタートレバーの押下によりゲームが開始されると、ゲーム1回ごとにスロットマシン内部の制御手段が内部当たりの抽選を行い、その抽選結果に応じてリールの停止位置が制御されるものである。そして、抽選の結果、ある入賞内容に当選すると、遊技者のストップボタンを押すタイミングに拘わらず、一定範囲内で各リールに付された図柄がその入賞内容に応じた配列となるように停止制御されるようになる。例えば、ボーナス・ゲーム(BB,RB)に当選すると、100枚以上のメダルが払い出されるようリールが停止制御される。
【0003】
このような遊技機で行われる抽選処理は、一般に、遊技機内の制御部に備えられる乱数発生装置と抽選テーブルにより実行され、抽出された乱数が抽選テーブルのいずれの領域に属しているかで、その属する領域が示す入賞内容が抽選結果として決定され当選するようになっている。
具体的には、乱数発生装置は、カウンタIC等からなり、所定の乱数幅の範囲(例えば1〜16384)でダウンカウントやインクリメントカウントすることにより、一定時間毎に一の乱数を発生させる。抽選テーブルは、メモリ領域に格納されるデータテーブルからなり、乱数値が取り得る範囲(1〜16384等)に対応して所定の入賞内容が割り当てられている。
スロットマシンの場合、入賞内容としてボーナス(BB,RB等),小役,ハズレ等があり、抽選テーブルにはこの入賞内容が乱数幅の範囲に対応して割り当てられ、例えば、1〜55:ボーナス、55〜1055:小役、1056〜16384:ハズレ、というように各入賞内容が所定の当選確率となるように割り当てられている。そして、スロットマシンのスタートレバーが押下された瞬間に乱数発生装置から一の乱数が抽出され、その抽出された乱数が抽選テーブルの値と照合されることにより、その乱数値が属する入賞内容が当選結果として決定される。
【0004】
ここで、このような乱数と抽選テーブルを用いた抽選が行われる遊技機では、発生する乱数の幅は固定されているため、各入賞内容の当選確率を異ならせるために、複数種類の抽選テーブルが用意され、抽選テーブルの選択を変更することによって、遊技媒体が払い出される率、所謂出率(機会割り)が変更,調整できるようになっている(例えば、特許文献1−2参照。)。
スロットマシンの場合、例えば、各入賞内容の当選確率を6段階に設定ができるようになっており、制御部のメモリには、以下の表1に示すように、6段階の当選確率に対応した6種類の抽選テーブルが格納されるようになっている。
ここで、当選確率は、乱数との関係で次の式1のようになる。
当選となる乱数の数/取り得る乱数の数(乱数幅)=当選確率・・・式1
表1に示す例では、この式1で求められる当選確率のうち、ボーナスの当選確率(ボーナス確率)が所定の6段階の確率となるように、各抽選テーブルの割り当てが設定されている(ボーナス確率=1/297〜1/240)。
【0005】
【表1】


【0006】
このようにパチンコ機やパチスロ機等の遊技機では、複数の抽選テーブルを使用して各入賞内容の当選確率を変動させることにより、遊技で払い出される遊技媒体(パチンコ玉やメダル)の出率を調整でき、遊技媒体の投入数に対する払出数の割合(出率)が調整されて、ホールの売上げが管理制御されるようになっている。
なお、このような抽選テーブルによる当選確率の設定,変更は、通常、ホールの開店前の遊技機の起動時に、遊技機内のスイッチ等が操作されることにより行われている。
【0007】
【特許文献1】
特開2000−271271号公報(第2頁、第1図)
【特許文献2】
特開2001−087462号公報(第3頁、第7−8頁)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このように抽選テーブルに基づいて出率が変更される従来の遊技機では、当選確率が異なる毎に抽選テーブルが必要となり、多数の抽選テーブルのデータにより遊技機内の制御部のメモリ領域が占有されるという問題が生じていた。
当選確率は、細かく何パターンにも変動させれば、その分だけ遊技に変化や意外性を付与でき、遊技者の期待感や満足感を高めることができる。このため、例えば最近のスロットマシンでは、上述したような6段階の当選確率に加えて、各段階の個々の入賞内容について、さらに数種類(例えば6種類)の異なる当選確率を設定し、特定の遊技状態や入賞内容などに応じて出率を変動させるようになっている。このような場合、6段階の抽選テーブルの他に、さらに各段階ごとに6種類の抽選テーブルが必要となり、合計で36種類の抽選テーブルを備えなければならなくなる。
【0009】
一般に、遊技機内の制御部が備えるメモリのデータ容量には限りがある。また、遊技機は、規制等で搭載できるメモリのデータ容量が制限されることもある。このため、大量の抽選テーブルによってメモリ領域が占有されては、必要となる他のプログラムやデータ等を格納できなくなってしまい、しかも、多数の抽選テーブルを備えて複数の確率変動を実現するために、制御プログラム等も複雑化して、さらに多くのデータが必要となってしまう。
このため、確率変動のために抽選テーブルの数や種類,データ量を増やすことには限界があり、抽選テーブルのパターンによってこれまで以上に細かい確率変動を実現することは困難であった。
【0010】
また、あまりに多数の抽選テーブルを組み合わせた確率変動では、抽選方法や変動パターン等が複雑でわかりにくくなり、遊技者等の理解が困難になるという問題もあった。
また、抽選テーブルの設定により出率を制御,管理する従来の遊技機では、確率の設定は遊技機の起動時等に行われ、確率変動の種類も6段階等と段階的に限られた範囲で設定できるだけであった。このため、例えば、実際に遊技機で払い出される遊技媒体の出率が、設定された予定出率と大きく乖離した場合などに、それに対応してきめ細かい出率調整を迅速に行うことができなかった。
【0011】
さらに、抽選に用いられる乱数を発生する乱数発生装置は、所定範囲の乱数値(例えば1〜16384)を、固定された一定の周期で乱数を発生するようになっており、この固定乱数の発生周期と遊技機のプログラムのルーチン周期とに予期しない同期が生じることがあった。遊技機内部で実行されるプログラムは、基準となるクロック周波数で動作するため、各ルーチン上でプログラム内部が一周する時間は固定化する傾向がある。このため、固定された乱数の発生周期と遊技機のルーチン周期に同期が生じると、乱数は所定の全範囲で均等に抽出されず、偏った値の乱数が繰り返し抽出されることになり、常に抽選結果が同じになってしまう。その結果、予め設定された所定の当選確率が実現できなくなり、遊技者側,ホール側の双方に不利益が生じることがあった。
【0012】
本発明は、以上のような従来の技術が有する問題を解決するために提案されたものであり、パチンコ機やスロットマシン等の遊技機において、抽選の際に使用される乱数の幅を任意に変更することにより、一の抽選テーブルに基づいても多種類の当選確率を設定でき、多数の抽選テーブル等の大量のデータを必要とすることなく、簡易で理解容易な構成のみによって多様な確率変動が実現でき、実際の払出状況等に応じたきめの細かい出率制御も容易に行え、乱数周期と他のルーチン周期等との同期にようる問題も一切発生しない乱数幅変更機能付き遊技機の提供を目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の乱数幅変更機能付き遊技機は、請求項1に記載するように、遊技を制御する制御部を備え、この制御部の制御により所定の抽選が行われる遊技機であって、制御部は、所定幅の範囲で乱数を発生させる乱数発生手段と、乱数発生手段で発生される乱数を抽出する乱数抽出手段と、抽選判定用の抽選テーブルと、乱数抽出手段で抽出された乱数と抽選テーブルとを照合し、抽選結果を判定する抽選判定手段と、を備えるとともに、乱数発生手段で発生される乱数の幅を変更する乱数幅変更手段を備える構成としてある。
【0014】
このような構成からなる本発明の乱数幅変更機能付き遊技機によれば、乱数幅変更手段により、発生する乱数の幅を任意に変更することができ、例えば一種類の抽選テーブルを使用しても、抽選の当選確率を所望の数パターンに設定,変更することが可能となる。乱数幅を変更して乱数値として取り得る範囲を変えることで、同じ抽選テーブルを使用しても当選確率を変動することができる。
これにより、乱数幅の変動可能な範囲内で当選確率を変動(確率を上下動)させることができ、多数の抽選テーブルを備える必要がなくなり、単一の抽選テーブルであってもきめの細かい当選確率を設定,変更できる。また、従来と同様に数種類の抽選テーブルを備える場合には、更に多様できめ細かい当選確率の設定,変更が可能となる。
従って、本発明によれば、メモリ領域を大量に使用することなく、遊技者にとって期待感や意外性,満足度の高い魅力ある遊技機を提供できるようになる。
【0015】
また、このように乱数幅を変更させるだけで当選確率を変動できるので、内部動作は極めてシンプルで、制御部やメモリ領域の構成が複雑化することもなく、既存の遊技機構成をそのまま利用でき、汎用性,拡張性に優れた遊技機として提供できる。そして、乱数幅の変更による当選確率の変動は、遊技者等にとっても明確かつ容易に理解できる内容であり、理解容易な遊技の提供により遊技者の満足度等を向上させることができ、遊技機の稼働増加等にもつながる。
また、乱数幅の範囲で当選確率を細かく変動させることができるので、各遊技機の現実の払出状況に応じて出率をきめ細かく調整,変更することが可能となり、出率の管理制御もきわめて容易に行えるようになる。
【0016】
さらに、乱数幅を変更することで、乱数の発生周期を変動させることができ、遊技機内で実行されるプログラムのルーチンとの同期の発生を防止できる。
乱数の発生周期は「乱数更新時間×乱数幅=乱数発生周期」となるので、乱数幅を変更する本発明では、乱数の発生周期も随時変更される可変周期となる。
これによって、固定周期で乱数が発生する従来の遊技機で生じていたような、乱数の周期と遊技機のルーチン周期との同期による、偏った値の乱数が繰り返し抽出されて抽選結果が同じになるという問題が生じなくなり、信頼性の高い遊技機を実現することができる。
【0017】
そして、請求項2に記載するように、乱数幅変更手段は、乱数発生手段で発生される乱数の上限値を変更することにより乱数幅を変更する構成としてある。
また、請求項3に記載するように、抽選テーブルは、乱数の上限値側領域にハズレを設定した構成とすることが好ましい。
【0018】
このようにすると、乱数が取り得る上限値を変更するだけで乱数幅を変更して本発明に係る確率変動を実現することができる。
乱数は、乱数発生装置を構成するカウンタICに上限値を設定することで、例えば「1〜16384」という乱数値を順次発生させる。このカウンタICに設定する上限値「16384」を例えば「15235」と変更することで、乱数幅が変動し、乱数の上限値側に割り当てられる入賞内容の当選確率が変動し、結果として各入賞内容全体の当選確率が変動することになる。
このようにして、きわめて簡単な方法で、乱数幅を容易かつ明確な形で変更することができ、乱数の上限値を変更することによる当選確率の変動は、遊技者等にとっても明確に理解できるようになる。
【0019】
そして、本発明では、抽選テーブルの乱数の上限値側に割り当てられる入賞内容を「ハズレ」に設定するようにしてある。
このようにすると、乱数の上限値を変更して当選確率を変動させることで、「ハズレ」の確率を減らして「ハズレ」以外の「当たり」の確率をアップさせることができるようになる。
これにより、遊技者は「ハズレの確率が減ってボーナスの当選確率が上がった」ことを明確に理解,認識でき、しかも「ハズレが減った!」という認識は心理的にもプラスに作用する結果となり、遊技者にとってより満足度や期待感の高い確率変動型の遊技機を提供することができる。
【0020】
また、請求項4に記載するように、乱数幅変更手段は、所定の乱数幅変更条件が成立することにより乱数幅を変更する構成としてある。
このようにすると、乱数幅の変更を、遊技機の処理,動作等に即して、ある条件が揃った場合に、自動的に又は手動的に、乱数幅を変更して当選確率を変動(上下動)させることができる。
これにより、パチンコ機やパチスロ機等の遊技機の特性や使用状態,遊技ホールでの稼働状況等、本発明が適用される遊技機や環境等に応じた最適な乱数幅の変更契機を設定することができ、汎用性,拡張性に優れた確率変動型の遊技機を提供することができる。
【0021】
そして、具体的には、乱数幅変更手段は、以下に示すような条件を契機として乱数幅を変更することができる。
まず、請求項5に記載するように、乱数幅変更手段は、遊技機で所定回数の遊技が行われることにより乱数幅を変更することができる。
このようにすると、パチンコ機やパチスロ機で一定回数のゲームが消化されることにより、乱数幅が変更されて確率変動が実行されるので、遊技者はゲームを行う毎に確率変動への期待が高まり、確率変動が実行された際の満足感も得られるようになり、遊技者にとって魅力的な遊技機を提供できるようになる。
【0022】
また、請求項6に記載するように、乱数幅変更手段は、所定の乱数幅変更フラグを受け取ることにより乱数幅を変更することができる。
このようにすると、パチンコ機やパチスロ機の遊技中にある特定のフラグが立ったときに、そのフラグを契機として乱数幅を変更して確率変動を実行させることができ、遊技者に対して、いつ確率変動が発生するかわからないスリルや期待を付与でき、確率変動したときの満足感も高めることができ、遊技者にとって魅力的な遊技機とすることができる。
ここで、乱数幅の変更契機となる乱数幅変更フラグは、所定の条件,タイミングでフラグを立てることができ、確率変動専用のフラグを立てても良く、また、遊技機のメインプログラム上やサブルーチン、サブプログラム等、他の装置で使用されているフラグを確率変同様にも流用しても良い。また、乱数幅変更フラグは、乱数幅を増加させて当選確率を下げる増加フラグと、乱数幅を減少させて当選確率を上げる減少フラグを区別して設定することができる。
【0023】
また、請求項7に記載するように、乱数幅変更手段は、所定の設定スイッチが操作されるにより乱数幅を変更することができる。
このようにすると、設定スイッチを操作することで乱数幅を変更して当選確率を設定,変更できるので、従来の抽選テーブル方式による場合と同様の感覚で、乱数幅変更による当選確率の設定,変更操作が行え、遊技ホール側にとって使い易く、管理,設定が容易な遊技機を提供でき、既存の遊技機にもそのまま適用することが可能となる。
【0024】
さらに、請求項8に記載するように、乱数幅変更手段は、遊技機の出率が所定の基準値の範囲を超えることにより乱数幅を変更することができる。
このようにすると、遊技機の出率に合わせて乱数幅を変更することができ、遊技機の実際の払出状況に応じて出率を調整することができる。本発明では、乱数幅の範囲で細かい確率変動を設定でき、かつ、条件フラグ等を受け取ることにより任意のタイミングで確率変動を実行できるので、例えば、実際に遊技機で払い出される遊技媒体の出率が、最初に設定した予定出率から乖離した場合などに、実際の出率情報に基づいて迅速に確率変動を実行できるようになる。
これにより、遊技機の実際の払出状況にリアルタイムに対応して出率を調整することができ、出率設定と実際の払出とが合致した信頼性の高い遊技機を実現でき、出率管理が極めて容易かつ正確に行えるようになる。
【0025】
そして、請求項9に記載するように、乱数幅変更手段により乱数幅が変更されると、その旨及び/又はその変更内容を告知する告知手段を備える構成としてある。
このような構成とすることにより、乱数幅の変更による確率変動の実行や変動した当選確率の内容を表示部等の告知手段を介して遊技者側に告知することができる。これにより、遊技者に確率変動の有無や内容を明確に知らせることができるとともに、いつ確率変動が告知されるかについて遊技者のスリルや期待感を高めることができ、より魅力的な確率変動型の遊技機を実現することができる。
【0026】
なお、請求項10に記載するように、本発明は遊技機で実行されるプログラムとしても提供可能である。本発明に係るプログラムは、遊技を制御する制御部を備え、この制御部の制御により所定の抽選が行われる遊技機で実行されるプログラムあって、所定幅の範囲で乱数を発生させる乱数発生工程と、乱数発生工程で発生される乱数を抽出する乱数抽出工程と、乱数抽出工程で抽出された乱数と抽選テーブルとを照合し、抽選結果を判定する抽選判定工程と、乱数発生工程で発生される乱数の幅を変更する乱数幅変更工程と、を実行するプログラムとして提供することができる。
このように、上述した請求項1〜9に記載の遊技機で実行されるプログラムは、遊技機にインストールされて実行される前に、記憶媒体に格納され、又は通信回線を介して、プログラム単独で実施することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る乱数幅変更機能付き遊技機の好ましい実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
ここで、以下の実施形態に示す本発明の乱数幅変更機能付き遊技機は、プログラムに制御されたコンピュータにより動作するようになっている。プログラムは、コンピュータの各構成要素に指令を送り、スロットマシンの動作に必要となる所定の処理、例えば、遊技機の遊技開始処理,乱数生成処理,抽選処理,遊技媒体の払出処理,乱数幅の変更処理等を行わせる。このように、本発明のスロットマシンにおける各処理,動作は、プログラムとコンピュータとが協働した具体的手段により実現できるものである。なお、プログラムは予めROM,RAM等の記録媒体に格納され、コンピュータに実装された記録媒体から当該コンピュータにプログラムを読み込ませて実行されるが、例えば通信回線を介してコンピュータに読み込ませることもできる。また、プログラムを格納する記録媒体は、例えば半導体メモリ,磁気ディスク,光ディスク、その他任意のコンピュータで読取り可能な任意の記録手段により構成できる。
【0028】
[遊技機の構成]
まず、図1及び図2を参照して、本発明の一実施形態に係る乱数幅変更機能付き遊技機の構成について説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る遊技機を示す概略正面図で、図2は、同じく本実施形態に係る遊技機の内部構造を示す概略斜視図である。
また、図3は、図1に示す遊技機の前面パネルの要部拡大図である。
これらの図に示すように、本実施形態の遊技機はスロットマシン(パチスロ機)であって、スロットマシン本体1に備えられる複数のリール21(図2に示すリール21a,21b,21c参照)を回転させ、各リール21a〜21cに付された図柄(文字,数字,絵柄等)を所定の配列に停止させることによって入賞メダルを獲得することができる回胴式遊技機を構成している。
具体的には、スロットマシン本体1は、内部にマイクロコンピュータからなる制御部10及び必要な機械,装置等を収納した筐体状に構成されており、前面側は前面パネル2によって開閉自在に覆われるようになっている。
前面パネル2は、図1及び図2に示すように、スロットマシン本体1に対して開閉自在に取り付けられる扉体で、スロットマシンの正面部を構成している。
【0029】
この前面パネル2のほぼ中央部分には、三つの表示窓3(3a,3b,3c)が設けられている。
表示窓3は、スロットマシン本体内部に配設された三つのリール(左)21a,リール(中)21b,リール(右)21c(図2参照)の視認用の窓部で、通常、無色透明又は有色透明な樹脂製パネル等からなり、三つの各リール21の周囲に描かれた複数の図柄のうち、縦方向に連続して隣接する複数(通常三つ)の図柄をそれぞれ視認,識別できるようになっている。
表示窓3には、通常、入賞ライン表示が描かれており(図示せず)、入賞ライン表示に沿って停止,配列されたリール21a〜21cの図柄の組合せによって、ゲームの入賞が決定されるようになっている。
【0030】
前面パネル2のほぼ中央部分には、図1に示すように、スタートレバー4及びストップボタン5が備えられている。
スタートレバー4は、三つの各リール21の回転を開始させるゲームスタート手段であり、このスタートレバー4が遊技者の操作によって押下されることで、後述する制御部10にスタート信号が出力され(図4参照)、本体内部の各リール21a〜21cが一斉(又は順次)に回転するようになっている。
また、このスタートレバー4の押下によりスタート信号が入力されることで、後述する制御部10の各部10a〜10eにおいて(図4参照)、所定の内部当たり抽選処理が行われるようになっている。
【0031】
ストップボタン5は、回転するリール21を停止させる停止手段であり、三つのリール(左)21a,リール(中)21b,リール(右)21cに対応して設けられた三つのストップボタン(左)5a,ストップボタン(中)5b,ストップボタン(右)5cが備えられている。この各ストップボタン5a,5b,5cが遊技者の任意のタイミングで押下されることで、制御部10にストップ信号が出力され(図4参照)、対応する各リール21a,21b,21cの回転が停止されるようになっている。
従って、遊技者がこれらスタートレバー4及びストップボタン5を操作することにより、三つのリール21a〜21cを回転及び停止させて、各リール21a〜21cに付された図柄を所定の入賞配列となるよう揃えるスロットマシン遊技を行うことができる。
【0032】
リール21は、一般のスロットマシンにおけるものと同様、外周に複数(通常21個)の絵柄や文字等の図柄が描かれた円筒状部材からなり、縦方向(図面上下方向)に回転する三つのリール(左)21a,リール(中)21b,リール(右)21cが、図2に示すように、横方向(図面左右方向)に一列に並んで配設されている。各リール21a〜21cに備えられる図柄は、各リールごとに等間隔で配設され、例えば「7」や「BAR」等の文字や、スロットマシンのキャラクターや果物等を示す絵柄等が、所定の順番で表示されており、通常、各リールに21個ずつの図柄が表示されるようになっている。
そして、このリール21a〜21cの図柄が、対応するストップボタン5a〜5cが押下操作されることで、上述した表示窓3の入賞ライン表示に沿って、例えば「7・7・7」や「BAR・BAR・BAR」等、所定の組合せで停止されることで入賞が決定される。
【0033】
そして、このような三つのリール21a〜21cが、スロットマシン1の内部に備えられた制御部10及びドラムユニット20により駆動制御及び停止制御されるようになっている。
図2に示すように、ドラムユニット20は、三つのリール21a〜21cを回転自在に保持しており、ドラムユニット20の上方にマイクロコンピュータ等からなる制御部10が備えられている。
ドラムユニット20は、スタートレバー4及びストップボタン5a〜5cが押下操作されることで、後述する制御部10からパルス(駆動)信号を入力し(図4参照)、対応するリール21a〜21cの回転の始動,定速回転及び停止の制御を行うようになっている。
このドラムユニット20により、制御部10で行われる内部当たり抽選の結果に応じてリール21の停止位置が制御され、遊技者のストップボタン5を押すタイミングに拘わらず、すなわち、各ストップボタン5a〜5cの押下タイミングがずれていても、一定範囲内(通常、図柄4コマの範囲内)で対応するリール21a〜21cの図柄が特定配列となるよう、リール21が停止制御されるようになっている。
【0034】
例えば、内部当たり抽選の結果、所定の入賞内容に当選すると、遊技者のストップボタン5a〜5cを押すタイミングに拘わらず、対応する各リール21a〜21cの図柄が「7・7・7」や「BAR・BAR・BAR」等、所定の配列となるよう、リール21が停止制御されることになる。
これにより、スタートレバー4からのスタート信号を契機として制御部10で内部当たり抽選が行われ、制御部10からの制御信号によりドラムユニット20が制御されることで、ストップボタン5が押下されるタイミングに拘わらず、一定範囲内で内部当たり抽選の結果に応じた停止位置で各リール21a,21b,21cが停止されることになる。
【0035】
なお、リール21の停止制御は、各リール21a〜21cを停止させる順番、すなわち、ストップボタン5a〜5cを押下する順番によって、図柄配列の揃い易さが異なるような停止制御が行われる場合がある。
例えば、内部当たり抽選の結果、「小役」に入賞した場合にはストップボタン5a〜5cを特定の順、例えば「左→中→右」(順押し)の順で押下してリール21a〜21cを「左→中→右」の順で停止させた場合にだけ、その「小役」の図柄配列となるようにリール21が停止制御され、「ボーナス・ゲーム」に入賞した場合に、特定の順、例えば「右→中→左」(逆押し)の順にリール21を停止させるとボーナス図柄が揃うようにリールが停止制御される場合がある。そして、このようにリール21の特定の停止順を遊技者側にランプや音,表示等によって告知(アシスト)することで遊技者に有利な特定の遊技状態(所謂「アシストタイム(AT)」)を提供することができる。
【0036】
前面パネル2のスタートレバー4及びストップボタン5の上部近傍には、図1に示すように、メダル投入口6及びメダルBETスイッチ7が備えられている。
メダル投入口6は、ゲームに使用される遊技媒体となるメダルの受け入れ口であり、このメダル投入口6から投入されるメダル数だけゲームが行えるようになっている。
ここで、メダル投入口6の本体内部側には、図示しないメダル検出部が備えられ、投入されたメダル数がカウントされ、そのメダル数を示すメダル信号が、本体内部の制御部10に出力されるようになっている(図4参照)。
また、メダル投入口6から投入されるメダルの数は、貯留メダル数として後述する制御部10内のメモリに記憶されるようになっており、遊技の開始に先立って、予め複数のメダルを投入して貯留メダルとして貯留,記憶できるようになっている。また、貯留メダル数は、リールの表示窓3の下側のクレジット表示部6aに表示される。
【0037】
メダルBETスイッチ7は、メダル投入口6から投入されたメダルに貯留メダルがある場合に、その貯留メダルの中からゲームに使用する(掛ける)メダルを投入するメダル投入用スイッチである。
このメダルBETスイッチ7が押下されると、メダル信号が制御部10に出力され(図4参照)、押下された回数と同数のメダルが、メモリに記憶された貯留メダルからゲームに投入されることになる。貯留メダルが投入されると、メモリの貯留メダル数が投入数だけ減算され、また、クレジット表示部6aの表示数値も投入数だけ減ることになる。
なお、本実施形態では特に図示しないが、メダルBETスイッチ7は、一回の押下によって一ゲームに投入可能な最大数のメダルを貯留メダルから投入するMAX−BETスイッチや、一回の押下で一枚のメダルを貯留メダルから投入する1−BETスイッチ等の種類がある。
【0038】
スロットマシン1の下側には、入賞メダル払出し口8及びスピーカ9が備えられている。
入賞メダル払出し口8は、ストップボタン5の押下によって停止されたリール21が所定の入賞配列となった場合に、当該配列に応じた数量の入賞用のメダルが払い出されるようになっている。また、払い出されたメダル数は、リールの表示窓3の下側にあるメダル払出数表示部8aに表示される。
スピーカ9は、遊技者に対してメロディ音やメッセージ音等の各種の音声を発生するようになっており、本実施形態では、後述するように、制御部10で内部当たり抽選が行われ、所定のボーナス・ゲームに入賞した場合に、それを告知する内部当たり告知音声を発するようになっている。
【0039】
そして、本実施形態では、後述するように、所定条件が成立した場合に、乱数幅の変更による確率変動処理が行われるようになっており、この場合に、スピーカ9から所定の告知音声を発することができる。例えば「確率変動しました!」,「ボーナス確率アップ!」,「乱数上限値16384!」,「設定値が6にアップ!」等、確率変動の有無やその内容を告知する音声を発することができる。
また、本実施形態では、後述する制御部10の制御により、リール21a〜21cを特定の順番に停止させたときに特定の入賞配列が揃い易くなる制御が行われる場合があり、その場合には、リール21a〜21cの特定の停止順に対応したストップボタン5a〜5cの押下順が、スピーカ9を介して、例えば「右!中!左!」というように音声で告知されるようになっている。
なお、スピーカ9からのリール21の押下順の告知は、制御部10の制御により、選択的に告知が行われたり行われなかったりすることができる。
【0040】
スロットマシン1の前面パネル2には、図1に示すように、内部当たり告知部30を備えている。本実施形態では、前面パネル2の左隅部のメダルBETスイッチ7の近傍に、例えば「GO!GO!」,「ビッグチャンス!」等の表示が点灯・点滅する告知ランプによって構成されている。
この内部当たり告知部30は、スロットマシン1の制御部10における所定の内部当たり抽選処理の結果、ボーナス・ゲーム等の特定の入賞内容に当選した場合に点灯又は点滅するランプからなり、このランプが、上述したスピーカ9からの告知音声とともに点灯(点滅)することによって、内部当たりが告知されるようになっている。この内部当たり告知部30が点灯(点滅)することにより、遊技者は内部当たり抽選の結果、ボーナス・ゲーム等に当選したことを知ることができるようになっている。
なお、内部当たり告知部30は、視覚を通じて遊技者側に内部当たりを告知できる限り、どのような構成とすることもでき、点灯(点滅)するランプの他、例えば、液晶表示部やマトリックス状に配設されるLED等、任意の構成を採用することができる。また、この内部当たり告知部30による告知は、制御部10の制御により、選択的に告知が行われたり行われなかったりすることができる。
【0041】
そして、スロットマシン本体1の前面パネルに、図1及び図3に示すように、確率変動表示部41が備えられている。
確率変動表示部41は、後述する制御部10の乱数幅変更手段10eにより乱数幅が変更されて当選確率が変動される場合に、それを告知する告知手段となっている。
本実施形態では、図3に示すように、確率変動表示部41は、4桁の数字を表示可能な7セグメントのLED表示装置によって構成されており、例えば、現在設定されている当選確率で予定される予定出率を示すパーセント数値、「035.0」(35%),「200.0」(200%)等の表示がされるようになっている。
【0042】
また、本実施形態では、図3に示すように、上述したメダル払出数表示部8aが、所定の確率変動表示を行う表示部ともなっている。同図に示すように、メダル払出表示部8aは、2桁の数字可能な7セグメントのLED表示装置からなり、メダルの払出があるときに、その払出枚数の値を表示するようになっている。本実施形態では、後述する制御部10の乱数変更手段10eにより乱数幅が変更される場合に、その内容を表示するようになっており、例えば、後述する6段階設定のいずれの設定であるかを示す数値、「01」(設定1)、「06」(設定6)等の表示がされるようになっている。
【0043】
なお、確率変動を表示,告知する告知手段としては、確率変動の有無やその確率内容等の所定情報が告知される限り、本実施形態で示す7セグメントLEDからなる確率変動表示部41やメダル払出表示部8aに限られるものではない。例えば、確率変動の有無やその内容(乱数幅の上限値や予定出率,6段階設定の設定値,ボーナス当選確率等)を文字や静止画,動画等で表示する液晶表示装置を備えることも可能である。
また、本実施形態では、確率変動告知手段として、メダルの払出数を表示する既存のメダル払出表示部を利用するようにしてあるが、これに代えて、確率変動の告知専用の表示手段を備えることも勿論可能である。
【0044】
さらに、本実施形態では、後述する制御部10における抽選処理の初期設定値を変更するための設定スイッチ40を備えている。
この設定スイッチ40は、図2に示すように、スロットマシン本体内の前面パネル2の扉内側に備えられており、連動するキースイッチ40aに所定のロック解除キーを挿入した状態で設定操作が行えるようになっている。
そして、この設定スイッチ40を操作することにより、後述する制御部10の乱数変更手段10eによる乱数幅の変更による当選確率の設定(6段階設定)が行えるようになっている。
【0045】
[制御部]
次に、以上のような本体構成からなる遊技機(スロットマシン)を制御する制御部10について、図4〜図5を参照しつつ説明する。
図4は、本実施形態のスロットマシンの制御部10の概略を示す機能ブロック図であり、図5は、制御部10で実行される乱数幅の変更と抽選テーブル10cの関係を示した説明図である。
図6は、制御部10の第一及び第二制御部11,12の具体的構成を示すブロック図で、図7は、制御部10の第一及び第二制御部11,12と設定スイッチ40及び確率変動表示部41の接続関係を示すブロック図である。
【0046】
これらの図に示す制御部10は、CPUとメモリ(RAM,ROM),各種カウンタ等を備えたマイクロコンピュータで構成され(図6参照)、図2で示したように、筐体内の所定位置に設置されるようになっている。そして、マイクロコンピュータ上で所定のプログラムが実行されることにより、各種の制御,処理が実現され、上述したようなスロットマシン本体1の各部の処理,動作が制御される。
具体的には、制御部10は、メダル投入口(メダル検知部)6からのメダル信号及びメダルBETスイッチ7(7a,7b)からのメダル信号を入力し、メダル投入口6から投入されたメダルの枚数及びメダルBETスイッチ7を用いて掛けられたメダルの投入枚数を確認するとともに、メダルBETスイッチ7からのメダル信号に基づき、記憶部12で記憶される貯留メダル枚数を減少させる。これにより、各ゲームに使用される(掛けられる)メダル数が決定される。
【0047】
また、制御部10は、スタートレバー4からのスタート信号及びストップボタン5a〜5cからのストップ信号を入力することにより、リール21の制御信号となるパルス(駆動)信号をドラムユニット20へ出力し、リール21a〜21cの回転及び停止させる。これにより、ドラムユニット20では、スタート信号によってリール21a〜21cを回転させるとともに、ストップボタン5a〜5cの押下操作により入力されるストップ信号により、対応するリール21a〜21cを停止させることになる。
さらに、制御部10は、ドラムユニット20から入力されるマーカー信号より、各リール21a〜21cの停止図柄を認識し、この停止図柄が所定の入賞配列か否かを判定するようになっており、判定の結果、所定の入賞配列であるときは、入賞の種類に応じた枚数のメダルの払出し処理を行うようになっている。
【0048】
そして、制御部10は、スタートレバー4からのスタート信号を契機として内部当たり抽選処理を行うようになっており、本実施形態では、内部当たり抽選処理が、任意の乱数幅に設定,変更可能な乱数値に基づいて行われるようになっている。
具体的には、制御部10は、図4に示すように、抽選手段を構成する乱数発生手段10a,乱数抽出手段10b,抽選テーブル10c,抽選判定手段10d,乱数幅変更手段の各手段を備えており、これら各部により内部当たりの抽選処理と乱数幅の設定,変更処理が行われる。
【0049】
乱数発生手段10aは、例えばカウンタIC等からなり、所定の乱数幅の範囲(例えば1〜16384)でダウンカウントやインクリメントカウントすることにより、一定時間毎に一の乱数を発生させる。そして、この乱数発生手段10aで発生する乱数の上限値が乱数幅変更手段10eによって変更され、これによって抽選処理における各入賞内容の当選確率が変更されることになる(図5参照)。
ここで、乱数発生手段10aとしては、例えば、カウンタICを用いて乱数となる数字をハードで生成して取り出すハード乱数と、CPUのソフトウェアによって乱数となる数字を生成するソフト乱数とがあり、本実施形態の乱数発生手段10aは、いずれの方式であっても良く、両方式を併設することもできる。
【0050】
ハード乱数(カウンタIC)では、遊技機の制御部に乱数用のカウンタICが備えられ、カウンタICは、取り得る乱数の上限値を初期設定を入力することによって、ダウンカウンタやインクリメントカウンタとして、入力されたパルスに基づきカウント(更新)していき、この値を制御部のCPU(本実施形態では乱数抽出手段10b)が所定のタイミングで取り出し、取り出してきた値が乱数として抽選に使用される。従って、ハード乱数の場合、カウンタICに初期設定する設定値が乱数幅となり、例えば「16384」と乱数の上限値が入力されて設定が行われる。
一方、ソフト乱数(プログラム)は、ソフト制御によるタイマ制御や、ソフトウェア内での指定のタイミング制御,M系列による制御等、予め決められた法則に従って乱数が生成される。この場合、遊技動作に関係なく、CPUのソフトウェアが動作している間、乱数が生成される。このソフト乱数の場合にも、ソフトウェア上で初期値を設定し、この初期値を変更することによって、カウント幅を変えることができ、結果として乱数幅を変える制御が行われることになる。
【0051】
乱数抽出手段10bは、乱数発生手段10aで生成,発生される乱数を所定のタイミングで抽出するようになっており、本実施形態のスロットマシンではスタートレバー4からのスタート信号の入力により、制御部10のCPUがカウンタICやソフトウェア上の値を抽出することにより実現されている。
これにより、スロットマシンのスタートレバーが押下された瞬間に一の乱数が抽出され、その抽出された乱数が抽選テーブル10cの値と照合されることにより、その乱数値が属する入賞内容が当選結果として決定されることになる。
【0052】
抽選テーブル10cは、制御部10のメモリ領域に格納されるデータテーブルからなり、乱数値が取り得る範囲(1〜16384等)に対応して所定の入賞内容が割り当てられている。
図5に抽選テーブル10cと乱数値の関係を模式的に表した説明図を示す。
同図に示すように、スロットマシンの入賞内容としては、例えば、ボーナス(BB,RB等),小役,ハズレ等があり、抽選テーブル10cには乱数幅の範囲内において、1〜55:ボーナス、55〜1055:小役、1056〜16384:ハズレ、というように入賞内容が割り当てられている。
【0053】
ここで、抽選テーブル10cは、図5に示すように、乱数の上限値側にハズレの領域が設定してある。これにより、乱数が取り得る上限値を変更して当選確率を変動させると、「ハズレ」の確率が減り「ハズレ」以外の「当たり」の確率がアップすることになる。このようにすると、遊技者は「ハズレの確率が減ってボーナスの当選確率が上がった」ことが明確に認識でき、しかも「ハズレが減った!」ということが心理的にプラスに作用することが期待でき、遊技者の満足度や期待感を高かめることができるようになる。
なお、乱数の上限値側の領域に「ハズレ」以外の入賞内容を設定することも当然可能であり、例えば「リプレイ」を上限値側に設定した場合には、「リプレイ」の当選確率が変動することにより、各入賞内容全体の確率が変動することになる。
【0054】
また、本実施形態では、図5に示す抽選テーブル10cは一種類のパターンのみとなっている(図5(a)〜(f)参照)。後述するように、乱数幅変更手段10eで乱数幅を変更することで、一種類の抽選テーブル10cで当選確率を任意の数パターンに設定,変更することが可能となことから、一の抽選テーブルパターンであっても、従来遊技機以上の確率変動パターンが設定できるようになる。
勿論、本実施形態においても、従来遊技機と同様に数種類の抽選テーブルを備えることができることは可能であり、そのようにすると、乱数幅の変更と相俟って、より多くの当選確率パターンが得られることになる。
【0055】
抽選判定手段10dは、乱数抽出手段10bで抽出された乱数と抽選テーブル10cとを照合し、その照合の結果を抽選結果として判定するようになっており、本実施形態では制御部10のCPUがカウンタIC等から抽出した乱数値をメモリ上の抽選テーブルのいずれに属するかを比較,判定する。
この抽選判定手段10dの判定により内部当たり抽選の結果が決定され、各ゲームにおける入賞内容が決定され、その入賞内容に応じてリール21の停止位置が制御されることになる。そして、ある入賞内容に当選すると、遊技者のストップボタン5を押すタイミングに拘わらず、一定範囲内で各リール21に付された図柄がその入賞内容に応じた配列となるように停止制御されることになる。
【0056】
乱数幅変更手段10eは、乱数発生手段10aで発生される乱数の幅を変更するようになっており、所定の条件成立を契機として、制御部10のCPUがカウンタICやソフトウェア上の初期設定値、すなわち発生される乱数の上限値を変更することにより実現されている。
上述のように、乱数発生手段10aは、カウンタICやソフトウェアに上限値を設定することで、例えば「1〜16384」という乱数値を順次発生させる。このカウンタIC等に設定する上限値「16384」を例えば「15235」と変更することで、乱数幅が変動し、乱数の上限値側に割り当てられる入賞内容の当選確率が変動する(図5(a)〜(f)参照)。これによって、各入賞内容全体の当選確率が変動することになる。
【0057】
本実施形態の乱数幅変更手段10eでは、例えば、以下の表2に示すように乱数の上限値を変更することにより、各入賞内容の確率が異なる6段階の設定ができるようになっている。この場合、抽選テーブル10cについては、図5で示したように、一種類の抽選テーブルのみが制御部のメモリ等に格納されている。
ここで、当選確率は、従来の場合と同様、式1に示すようになる。そして、表2に示す当選確率は、乱数幅が変更されることによって、従来の遊技機の場合と同様(表1参照)、ボーナスの当選確率(ボーナス確率)が6段階に設定されるようになっている(ボーナス確率=1/297〜1/240)。
【0058】
【表2】


【0059】
そして、以上のような本実施形態の乱数幅変更手段10eは、所定の乱数幅変更条件が成立することにより乱数幅を変更するようにしてある。
このようにすると、乱数幅の変更を、遊技機の処理,動作等に即して、ある条件が揃った場合に、自動的に又は手動的に、乱数幅を変更して当選確率を変動(上下動)させることができる。これにより、遊技機の特性や使用状態,遊技ホールでの稼働状況等、本実施形態が適用される遊技機や環境等に応じた最適な乱数幅の変更契機を設定することができる。
【0060】
具体的には、乱数幅変更手段10eは、以下に示すような条件を契機として乱数幅を変更することができる。
まず、乱数幅変更手段10eは、スロットマシンで所定回数の遊技が行われる毎に、例えば100ゲーム消化毎に乱数幅を変更することができる。このようにすると、パチスロ機で一定回数のゲームが消化されることにより、乱数幅が変更されて確率変動が実行されるので、遊技者はゲームを行う毎に確率変動への期待が高まり、確率変動が実行された際の満足感も得られるようになる。
【0061】
また、乱数幅変更手段10eは、所定の乱数幅変更フラグを受け取ることにより乱数幅を変更することができる。このようにすると、スロットマシンの遊技中にある特定のフラグが立ったときに、それを契機に乱数幅を変更して確率変動を実行させることができ、確率変動がいつ発生するかわからないスリルや期待を遊技者に与えることができ、確率変動したときの満足感を高めることができる。
ここで、乱数幅の変更契機となる乱数幅変更フラグは、所定の条件,タイミングでフラグを立てることができ、確率変動専用のフラグを立てても良く、また、遊技機のメインプログラム上やサブルーチン、サブプログラム等、他の装置で使用されているフラグを確率変同様にも流用しても良い。また、乱数幅変更フラグは、乱数幅を増加させて当選確率を下げる増加フラグと、乱数幅を減少させて当選確率を上げる減少フラグを区別して設定することができる。
【0062】
また、乱数幅変更手段10eは、上述のように設定スイッチ40を操作することにより乱数幅を変更することができる。
このように設定スイッチ40の操作で乱数幅を変更して当選確率を設定,変更できれば、従来の抽選テーブル方式による場合と同様の感覚で、乱数幅変更による当選確率の設定,変更操作が行え、遊技ホール側にとって使い易く、管理,設定が容易な行える。
【0063】
さらに、乱数幅変更手段10eは、遊技機の出率が所定の基準値の範囲を超えることにより乱数幅を変更することができる。例えば、複数の抽選テーブルの中から選択したある一のテーブルの予定出率に対して、実際の遊技における出率が±20%の範囲を超えた場合に、乱数幅の変更を実行するようにすることができる。このようにすると、スロットマシンの実際の出率に合わせて乱数幅を変更することが可能となり、スロットマシンの各ホールにおける実際の払出状況に応じて乱数幅を変更して出率調整を行えるようになる。本実施形態に係るスロットマシンの出率は、乱数幅の範囲で細かい確率変動が設定可能であり、しかも、条件フラグ等を受け取ることにより任意のタイミングで確率変動を実行できるので、例えば、スロットマシンで払い出されるメダルの出率が設定した確率から乖離した場合に条件フラグを立てることにより、実際の出率情報を受けて迅速に確率変動を実行できるようになる。
【0064】
ここで、出率は「総メダル投入数/総メダル払出数=出率」の関係にあり、スロットマシンが所定の数ゲーム消化された時点で、制御部10の制御により算出されるものである。
そして、設定された抽選テーブル等で予定されている予定出率に対して所定の基準値(例えば±20%の範囲)を超える場合には、乱数幅変更用のフラグを立てることで、乱数幅を上下に変更し、確率変動を実行することができる。
これによって、メダルの出過ぎや出なさ過ぎといった状態を適時に補正することが可能となり、スロットマシンの実際の払出状況にリアルタイムに対応して出率を調整することができ、出率設定と実際の払出とを合致させて、メダルの払出数を最適な状態に管理,制御することができる。
【0065】
なお、以上のような制御部10は、遊技機の種類や特性等に応じて任意の構成とすることができ、スロットマシンの制御部10の場合、例えば図6に示すように、第一制御部11と第二制御部12の二つの制御部を備え留ようにしても良く、この場合、上述したような動作処理を二つの制御部11,12で分担して制御するようになる。スロットマシンでは、遊技機の動作を制御する制御部として、遊技のメインとなる動作処理を制御するメインの基板(制御部)と、補助的な動作処理を行うサブの基板(制御部)を備えることが一般的で、本実施形態の制御部10についても、そのような二つの制御部11,12で構成することができる。
【0066】
ここで、各制御部11,12は、それぞれ同様の構成となっており、CPU11a(12a)とメモリ11b(12b),CTC(カウンタ・タイマ・サーキット)11c(12c),カウンタIC(11d)等を備えたマイクロコンピュータからなり、上述した制御部10の各種処理動作の制御を分担して行うようになっている。
また、図6中のCTC11c(12c)は、水晶ICなどによって作られるクロック周波数をカウントし、何分周かを設定して決められた時間単位を生成して制御を行うCPUに対する周辺ICである。
【0067】
具体的には、第一制御部11では、スロットマシンにおけるメインとなる処理,動作が行われるようになっており、例えば、スタートレバーの受付,リールの回転開始,ストップボタンの受付,リールの停止,コインの投入受付及び払出等を制御している。
第二制御部12では、スロットマシンにおけるサブの処理が制御され、例えば、演出に用いられる表示機器や音の制御が行われる。演出は、例えば、ドットマトリクス,液晶,7セグメント,演出用に動作する人形等の機械(ヤクモノ)等を通じて行われ、これらの制御が第二制御部12によって行われる。
そして、第一,第二のいずれの制御部11,12についても、上述した乱数と抽選テーブルにより抽選を行う抽選手段を備えることができ、乱数幅を変更して当選確率を変動させることができる。従って、第一,第二制御部11,12の双方に抽選手段を備えることもでき、その場合には、図7に示すように、設定スイッチ40からの設定信号が第一,第二制御部11,12の双方に入力されることになり、また、第一,第二制御部11,12による当選確率の変動結果は、いずれも確率変動表示部41に表示することができる。
【0068】
[遊技動作]
次に、以上のような構成からなる本実施形態に係るスロットマシンの動作について、図8〜図10を参照しつつ説明する。図8〜図10は、本実施形態に係るスロットマシンにおける乱数幅を変更して確率変動を実行する動作例を示すフローチャートである。
図8に示す例は、スロットマシンで所定回数の遊技が行われると、乱数幅が変更されて確率変動が実行される場合である。
まず、スロットマシンの起動時に、乱数幅の初期値が設定される(S801)。例えば、カウンタICの初期設定値として「16384」が設定されることで、取り得る乱数幅の範囲が「1〜16384」に設定される。
【0069】
その後は、スロットマシンの遊技が行われ(S802)、ゲーム回数が制御部10によってカウントされる。そして、予め定めた所定のゲーム数(例えば100ゲーム)が消化されると(S803)、制御部10の乱数幅変更手段10eにより乱数幅の上限値が上下に変更される(S804)。これにより、取り得る乱数幅の範囲が変更されて確率変動が実行される。
このとき、確率変動が実行された際に、上述したように、確率変動表示部41やメダル払出数表示部8,スピーカ9において所定の告知が行われる。
その後は、スロットマシンの遊技を止めるまで(S805)、一定ゲーム数毎に乱数幅の変更による確率変動が実行される(S802〜S805)。
このように一定回数のゲームが消化される毎に、乱数幅が変更されて確率変動が実行されることにより、遊技者はゲームを行う毎に確率変動への期待が高まり、確率変動が実行された際には大きな満足感が得られることになる。
【0070】
図9に示す例は、スロットマシンの遊技中に所定の乱数幅変更フラグを受け取ることにより、乱数幅が変更されて確率変動が実行される場合である。
まず、スロットマシンの起動時に、予め定められた乱数幅の範囲で初期値(例えば「16384」)が設定される(S901)。これにより、取り得る乱数幅の範囲が「1〜16384」に設定される。
その後、スロットマシンの遊技が行われ(S902)、遊技中には、予め設定した所定の乱数幅変更用のフラグが成立し、これが乱数幅変更手段10eで受け取られることで乱数幅の変更が行われることになる。
まず、所定の乱数幅増加フラグが立つと(S903)、乱数幅が増加変更されて(16384+X)、これによって確率変動が実行される(S904)。ここで、乱数幅が増加変更されると、ハズレの確率が高くなり、ボーナス確率が減少することになる。
また、所定の乱数幅減少フラグが立つと(S905)、乱数幅が増加変更されて(16384−Y)、これによって確率変動が実行される(S906)。乱数幅が減少変更されると、ハズレの率が低くなるので、その分ボーナス確率が増加することになる。
【0071】
確率変動が実行される際、確率変動表示部41等に所定の告知が行われるのは図8の場合と同様であり、その後、スロットマシンの遊技を止めない限り(S907)、所定フラグの成立による確率変動が実行される(S902〜S906)。
このようにスロットマシンの遊技中にある特定のフラグが立ったときに、それを契機に乱数幅を変更して確率変動を実行させることで、確率変動がいつ発生するかわからないスリルや期待を遊技者に与えることができるとともに、確率変動した際に大きな満足感を付与することができる。
【0072】
図10に示す例は、スロットマシンの実際の出率が所定の基準値(予定出率)の範囲を超えた場合に、乱数幅が変更されて確率変動が実行される場合である。
まず、スロットマシンの起動時には、予め予定している出率の初期設定を行う(S1001)。この出率の初期設定は、例えば、従来の遊技機と同様、出率設定の異なる複数種類(6種類等)の抽選テーブルの中から一のテーブルを選択して設定することができる。
次に、乱数幅の初期値(例えば「16384」)が設定され(S1002)、取り得る乱数幅の範囲が「1〜16384」に設定される。
その後は、スロットマシンの遊技が行われ(S1003)、所定の数ゲームが消化されることにより、現在の出率計算が行われる(S1004)。
【0073】
そして、算出された出率が初期設定された予定出率に対して、一定の基準値を超える場合には、乱数幅の変更が実行される。
まず、実際の出率が予定出率より多く、所定範囲(+x%)上回っている場合(S1005)、乱数幅が増加変更されて(16384+α)、確率変動が実行される(S1006)。この場合には、乱数幅が増加変更されるので、ハズレの確率が高くなり、出率が減少して予定出率の所定範囲内に調整されることになる。
また、実際の出率が予定出率より少なく、所定範囲(−y%)下回っている場合には(S1007)、乱数幅が減少変更されて(16384−β)、確率変動が実行される(S1008)。この場合には、乱数幅が減少変更されるので、ハズレの確率が低くなり、出率が増加して予定出率の所定範囲内に調整される。
以後は、スロットマシンの遊技を止めない限り(S1009)、予定出率の範囲内となるように確率変動が実行される(S1003〜S1009)。
【0074】
このようにスロットマシンの出率によって乱数幅を変更することで、実際の払出状況に応じて乱数幅を変更して出率調整を行えるようになり、スロットマシンで払い出されるメダルの出率が設定した予定出率から乖離した場合には、条件フラグを立てることにより、実際の出率情報を受けて迅速に確率変動を実行できるようになる。
これにより、スロットマシンの実際の払出状況にリアルタイムに対応して出率を調整することができ、出率設定と実際の払出とを合致させて、メダルの払出数を最適な状態に管理,制御することができる。
【0075】
以上説明したように、本実施形態に係る乱数幅変更機能付き遊技機によれば、制御部10の乱数幅変更手段10eによって、乱数発生手段10aが発生する乱数の幅を変更することができ、例えば一種類の抽選テーブル10cを使用しても、抽選の当選確率を任意の数パターンに設定,変更することが可能となる。すなわち、乱数幅を変更して乱数値として取り得る範囲を変えることで、同じ抽選テーブル10cを使用しても当選確率を変動することができる。
これにより、乱数幅の変動可能な範囲内で当選確率を任意に変動(確率を上下動)させることが可能となり、多数の抽選テーブル10cを備える必要がなくなり、単一の抽選テーブル10cであってもきめの細かい当選確率を設定,変更できる。また、従来と同様に数種類の抽選テーブル10cを備える場合には、更に多様できめ細かい当選確率の設定,変更が可能となる。
従って、本実施形態では、メモリ領域を大量に使用することなく、遊技者にとって期待感や意外性,満足度の高い魅力ある遊技機を提供できるようになる。
【0076】
また、このように乱数幅を変更させるだけで当選確率を変動できるので、内部動作は極めてシンプルで、制御部10のプログラムやデータの構成が複雑化することもなく、既存の遊技機構成をそのまま利用でき、汎用性,拡張性に優れた遊技機として提供できる。そして、乱数幅の変更による当選確率の変動は、遊技者等にとっても明確かつ容易に理解できる内容であり、理解容易な遊技の提供により遊技者の満足度等を向上させることができ、遊技機の稼働増加等にもつながる。
また、乱数幅の範囲で当選確率を細かく変動させることができるので、各遊技機の現実の払出状況に応じて出率をきめ細かく調整,変更することが可能となり、出率の管理制御もきわめて容易に行えるようになる。
【0077】
さらに、乱数幅を変更することから、乱数の発生周期も変動させることができ、遊技機内で実行されるプログラムのルーチンとの同期の発生を防止できる。
乱数の発生周期は、乱数更新時間×乱数幅=乱数発生周期、となるので、乱数幅を変更する本発明では、乱数の発生周期も随時変更される可変周期となる。
これによって、固定周期で乱数が発生する従来の遊技機で生じていたような、乱数の周期と遊技機のルーチン周期との同期による、偏った値の乱数が繰り返し抽出されて抽選結果が同じになるという問題が生じなくなり、信頼性の高い遊技機を実現することができる。
【0078】
以上、本発明の乱数幅変更機能付き遊技機について、好ましい実施形態を示して説明したが、本発明に係る乱数幅変更機能付き遊技機は、上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることは言うまでもない。
例えば、上述した実施形態では、本発明の対象となる遊技機としてスロットマシンを例にとって説明したが、本発明はスロットマシンだけに限られるものではなく、遊技媒体を使用して遊技を行う各種の遊技機であって、遊技を制御する制御部を備え、制御部の制御により所定の抽選が行われる遊技機であれば、スロットマシンの他、パチンコ機,アレンジボール機,雀球機等、玉やコイン等、その種類や機種,設置形態等は特に限定されない。
そして、乱数幅の変更によって設定,変更される当選確率は、各種遊技機に応じて決定されるものである。すなわち、上述の実施形態では、スロットマシンを例にとって、当選確率の設定としてスロットマシンで一般的な6段階設定の場合を説明したが、この6段階設定があらゆる遊技機に設定されるものではなく、各遊技機の内容,特性等に応じた段階設定や出率設定等が、本発明の乱数幅の変更によって実行されるものである。
【0079】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の乱数幅変更機能付き遊技機によれば、パチンコ機やスロットマシン等の遊技機において、抽選の際に使用される乱数の幅を変更することにより、一の抽選テーブルに基づいて多種類の当選確率を設定することができる。
これにより、本発明では、多数の抽選テーブル等の大量のデータを必要とすることなく、簡易な構成のみによって多様な確率変動が実現できる。
また、実際の払出状況等に応じたきめの細かい出率制御も可能となり、乱数周期の他のルーチン周期との同期も容易かつ確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る乱数幅変更機能付き遊技機を示す概略正面図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る乱数幅変更機能付き遊技機の内部構造を示す概略斜視図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る乱数幅変更機能付き遊技機の前面パネル部分の要部拡大図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る乱数幅変更機能付き遊技機の制御部を示す機能ブロック図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る乱数幅変更機能付き遊技機における乱数幅の変更と抽選テーブルの関係を示す説明図である。
【図6】本発明の一実施形態に係る乱数幅変更機能付き遊技機の制御部(第一及び第二制御部)の具体的構成を示すブロック図である。
【図7】本発明の一実施形態に係る乱数幅変更機能付き遊技機の制御部(第一及び第二制御部)と設定スイッチ及び確率変動表示部の接続関係を示すブロック図である。
【図8】本発明の一実施形態に係る乱数幅変更機能付き遊技機の乱数幅の変更動作を示すフローチャートで、遊技回数により乱数幅を変更する場合である。
【図9】本発明の一実施形態に係る乱数幅変更機能付き遊技機の乱数幅の変更動作を示すフローチャートで、乱数幅変更フラグにより乱数幅を変更する場合である。
【図10】本発明の一実施形態に係る乱数幅変更機能付き遊技機の乱数幅の変更動作を示すフローチャートで、遊技機の出率により乱数幅を変更する場合である。
【符号の説明】
1 スロットマシン本体
2 前面パネル
3 表示窓
4 スタートレバー
5(5a,5b,5c) ストップボタン
6 メダル投入口
7 メダルBETスイッチ
8 入賞メダル払出し口
9 スピーカ
10 制御部
10a 乱数発生手段
10b 乱数抽出手段
10c 抽選テーブル抽選
10d 抽選判定手段
10e 乱数幅変更手段
11 第一制御部(メイン)
12 第二制御部(サブ)
20 ドラムユニット
21(21a,21b,21c) リール
30 内部当たり告知部
40 設定スイッチ
41 確率変動表示部
【出願人】 【識別番号】591142507
【氏名又は名称】株式会社北電子
【住所又は居所】東京都豊島区西池袋1−7−7
【出願日】 平成15年3月31日(2003.3.31)
【代理人】 【識別番号】100086759
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 喜平

【公開番号】 特開2004−298370(P2004−298370A)
【公開日】 平成16年10月28日(2004.10.28)
【出願番号】 特願2003−94458(P2003−94458)