| 【発明の名称】 |
油中水型マスカラ組成物 |
| 【発明者】 |
【氏名】奥田 真介 【住所又は居所】東京都墨田区文花2−1−3 花王株式会社研究所内
【氏名】山下 智子 【住所又は居所】東京都墨田区文花2−1−3 花王株式会社研究所内
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| 【要約】 |
【課題】キャッチアップ効果を得るためにロウと水分散被膜形成ポリマーを配合し、ロングラッシュ効果を高めるために繊維を配合した油中水型のマスカラ組成物において、油分として炭化水素系の揮発油を使用することを低減し、また、繊維の分散性を高めて塗布時のムラづきを解消する。
【解決手段】油中水型マスカラ組成物が、水分散被膜形成ポリマーを含む水相と、ロウ、揮発性シリコーン油及びシリコーン系界面活性剤を含む油相を含有する。揮発性シリコーン油の含有量は10〜30重量%であり、油相中に繊維が分散されている。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 水分散被膜形成ポリマーを含む水相と、ロウ、揮発性シリコーン油及びシリコーン系界面活性剤を含む油相を含有し、揮発性シリコーン油の含有量が10〜30重量%であり、繊維が分散されている油中水型マスカラ組成物。 【請求項2】 繊維の横断面の直径が1〜200μm、長さが0.1〜5mmである請求項1記載の油中水型マスカラ組成物。 【請求項3】 融点が55℃以上、25℃での針侵入度(ASTM D−1321)が20以上のロウを含有する請求項1又は2記載の油中水型マスカラ組成物。 【請求項4】 シリコーン系界面活性剤の少なくとも1種が、アルキルグリセリルエーテル変性シリコーンである請求項1〜3のいずれかに記載の油中水型マスカラ組成物。 【請求項5】 水分散被膜形成ポリマー(固形分)5〜25重量%、ロウ3〜10重量%、揮発性シリコーン油10〜30重量%、シリコーン系界面活性剤1〜5重量%、繊維0.1〜6重量%、を含有する請求項1〜4のいずれかに記載の油中水型マスカラ組成物。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】 本発明は、油中水型マスカラ組成物に関する。 【0002】 【従来の技術】 耐水性の高いマスカラ組成物として、ロウと水分散被膜形成ポリマーを含有した油中水型乳化組成物が挙げられる。このような油中水型乳化組成物は、特にまつ毛をカールアップし、それを保持するのに有効である(特許文献1及び特許文献2参照)。 【0003】 一方、まつ毛を長く見せる、所謂ロングラッシュ効果を高めるために繊維をマスカラ組成物に配合することが知られている(特許文献3及び特許文献4参照)。 【0004】 【特許文献1】特開昭50−125044号公報 【特許文献2】特開2000−191444号公報 【特許文献3】特開昭57−158714号公報 【特許文献4】特開平7−196440号公報 【0005】 【発明が解決しようとする課題】 しかしながら、油中水型マスカラ組成物においてロングラッシュ効果を高めるために繊維を配合する場合、水相、油相の各相での固形分の分散量が多くなるために、繊維の分散性が低下し、マスカラ組成物をまつ毛に塗布した際にムラづきしたり、まつ毛に十分に接着しないという問題があった。 【0006】 一方、油中水型マスカラ組成物の油相は、一般にロウ等の固体脂、半固体脂、及び揮発性又は不揮発性の液状油等の油分を含む。このうち揮発性の液状油としては、揮発性シリコーン油やイソデカン等の揮発性炭化水素油が挙げられる。しかし、イソデカン等の揮発性炭化水素油を用いた場合、ロウの溶解は良好であるが、炭化水素油由来の不快臭を伴い、また、皮膚刺激のおそれもある。これに対し、油分として揮発性シリコーン油を用いた場合、ロウを溶解させることが困難となる。 【0007】 そこで、本発明は、ロウ及び水分散被膜形成ポリマーを含み、さらに繊維を配合することにより優れたキャッチアップ効果とロングラッシュ効果を併せ持つマスカラ組成物に関し、炭化水素系の揮発油の使用量を著しく低減し、また、繊維の分散性が高く塗布時にムラづきせず、耐水性に優れたマスカラ組成物を提供することを目的とする。 【0008】 【課題を解決するための手段】 本発明者は、液状の油分として揮発性シリコーン油を使用し、さらにシリコーン系界面活性剤を使用すると、ロウを十分に溶解又は分散させることができ、さらに繊維を均一に分散させて繊維相互の絡み合いを防止し、優れたロングラッシュ効果を得られることを見出した。 【0009】 即ち、本発明は、水分散被膜形成ポリマーを含む水相と、ロウ、揮発性シリコーン油及びシリコーン系界面活性剤を含む油相を含有し、揮発性シリコーン油の含有量が10〜30重量%であり、繊維が分散されている油中水型マスカラ組成物を提供する。 【0010】 【発明の実施の形態】 本発明のマスカラ組成物は、水分散被膜形成ポリマーを含む水相が、シリコーン系界面活性剤によって連続相となっている油相中に分散している油中水型乳化組成物であり、繊維は油相中に分散している。 【0011】 水相に含まれる水分散被膜形成ポリマーとしては、乾燥の速い被膜形成ポリマーエマルジョンを含有させることが好ましく、例えば、アルキルエステルが置換したアクリル酸やメタクリル酸のホモポリマーエマルジョンや共重合体エマルジョン、アクリル酸アルキル・スチレン共重合体エマルジョン、ポリ酢酸ビニルポリマーエマルジョン、シリコーン系ポリマーエマルジョン等を配合することができる。中でも、アクリル酸アルキル共重合体エマルジョンが好ましい。 【0012】 水分散被膜形成ポリマーの配合量は、固形分として5〜25重量%、特に10〜20重量%が好ましい。 【0013】 一方、油相に含まれるロウとしては、繊維とまつ毛との密着性をあげるため、比較的柔らかいものを含有させることが好ましく、特に、25℃での針侵入度(ASTM D−1321)が20以上であり、さらに高温での安定性の点から融点55℃以上のものが好ましい。 【0014】 このようなロウとしては、例えば、マイクロクリスタリンワックス等をあげることができる。なお、上述の針侵入度を損なわない範囲であれば、米ぬかワックス、カルナウバワックス、パラフィンワックス、ミツロウ、セレシン等を組み合わせて用いてもよい。 【0015】 ロウの配合量は、3〜10重量%、特に3〜8重量%が好ましい。 【0016】 揮発性シリコーン油としては、まつ毛へのレベリング性や皮膚への安全性に優れ、不快臭が無く、揮発速度が高いものを使用する。このような揮発性シリコーン油としては、一般式(1)で表される揮発性ジメチルポリシロキサン、又は一般式(2)で表されるジメチルシクロポリシロキサンが挙げられる。 【0017】 【化1】
【0018】 【化2】
【0019】 (式中、aは0〜3の整数を表し、bは4〜6の整数を表す) 【0020】 特に、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、オクタメチルトリシロキサン等の揮発性シリコーン油が好ましい。 【0021】 揮発性シリコーン油の配合量は、ロウを十分に溶解させ、また油相中に繊維を十分に分散させるため、10〜30重量%とする。少なすぎるとロウの溶解や繊維の分散が不十分となり、反対に多すぎると、油相中におけるロウや繊維の濃度が相対的に低下し、ロウ及び繊維と水相中の水分散被膜形成ポリマーとの相互作用が小さくなり、まつ毛への繊維の密着性が低下する。 【0022】 シリコーン系界面活性剤としては、アルキルグリセリルエーテル変性シリコーン、ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体、ジメチコーンポリオール、アルキルジメチコーンポリオール、架橋型アルキルポリエーテル変性シリコーン等のシリコーン系界面活性剤を使用する。これにより、揮発性シリコーン油中にロウを溶解させることができ、さらに繊維を均一に分散させて繊維相互の絡み合いを防止し、優れたロングラッシュ効果を得ることが可能となる。 【0023】 シリコーン系界面活性剤の中でも、優れたロングラッシュ効果を得る点から、アルキルグリセリルエーテル変性シリコーン、具体的にはジメチルシロキサン・メチル(ウンデシルグリセリルエーテル)シロキサン共重合体等を使用することが好ましい。 【0024】 界面活性剤の配合量は、1〜5重量%が好ましい。 【0025】 繊維としては、木綿、絹、麻等の天然繊維、レーヨン等の再生繊維、ポリアミド、ポリエステル、アクリル、ポリオレフィン等の合成繊維のいずれを使用してもよいが、強度の点から、ポリアミド繊維が好ましい。さらに、必要に応じて表面処理を施した繊維を使用してもよい。例えば、油相中での分散性を高めるために、シリカ処理、シリコーン処理、フッ素処理、金属石鹸処理、油脂処理等の表面処理を施したものを使用できる。 【0026】 また、まつ毛への付着性の点から、繊維は、横断面の直径が1〜200μm、長さが0.1〜5mmのものが好ましい。 【0027】 繊維の配合量は、十分なロングラッシュ効果を得る点から、マスカラ組成物の0.1〜6重量%とすることがましい。少なすぎると配合効果が現れず、多すぎると繊維同士が絡まりあって分散性が低下する。 【0028】 上述の成分の好ましい配合割合は、水分散被膜形成ポリマー(固形分)5〜25重量%、ロウ3〜10重量%、揮発性シリコーン油10〜30重量%、シリコーン系界面活性剤1〜5重量%、繊維0.1〜6重量%である。このような特定の配合割合とすることにより、マスカラ組成物における繊維の分散性と、マスカラ組成物のまつ毛への密着性を最適なレベルに調整することができる。 【0029】 本発明のマスカラ組成物には、この他、種々の成分を含有させることができる。例えば、水相を形成する水性溶剤としては、水の他に、必要に応じて炭素数1〜4の低級アルコールを使用することができる。 【0030】 水相には、塗布後にまつ毛から繊維が剥がれ落ちるのを防止するため、ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルピロリドン等の水溶性被膜形成ポリマーを配合することができ、また、パラベン等の防腐剤を配合することができる。 【0031】 一方、油相には、炭化水素、シリコーン油、エステル油等の不揮発性油、又はトリメチルシロキシケイ酸等の油溶性樹脂を配合することができる。 【0032】 また、体質顔料、白色顔料、有色顔料、パール顔料等の粉体、より具体的には、ベントナイト、タルク、マイカ、カオリン、黒酸化鉄、雲母チタン等を配合することができ、更に、増粘剤、紫外線吸収剤、保湿剤、色素、香料、防腐剤、酸化防止剤等を配合することができる。 【0033】 本発明のマスカラ組成物の製造方法としては、上述の成分を混合し、撹拌することにより得ることができる。 【0034】 【実施例】 実施例1〜3、比較例1〜3 表1の組成の各成分を撹拌混合することにより、実施例1〜3、比較例1〜3のマスカラ組成物を調製した。 【0035】 【表1】
【0036】 表注 (*1)花王社(特開平4−108795号公報参照) (*2)東レ・ダウコーニング社、SH3775M (*3)日本エヌエスシー社、ヨドゾールGH34 (*4)日本エヌエスシー社、ヨドゾールGH840 【0037】 評価 各実施例、比較例のマスカラ組成物に対して繊維の分散性とまつ毛への付着性を次のように評価した。結果を表1に示す。 【0038】 (1)繊維の分散性 組成物をガラス板上にへらで伸ばした場合の繊維の分散性を次の基準により4段階に評価した。 ◎:繊維が均一に分散している ○:繊維に多少のムラが見られる △:繊維の小さいダマが見られる ×:繊維のダマがはっきり見られる 【0039】 (2)まつ毛への付着性 テスト用まつ毛に組成物をブラシで塗布した場合の繊維のまつ毛への付着性を次の基準により4段階に評価した。 ◎:まつ毛に沿って繊維が付着し、少し擦っても落ちない ○:少しまつ毛からはみ出すように付着している繊維が若干存在する △:まつ毛をまたぐ繊維の付着が見られる ×:まつ毛から横にはみ出すように多量の繊維が付着しており、僅かな振動で落ちる 【0040】 表1の結果から、揮発性シリコーン油を30重量%を超えて含有する比較例3と、10重量%未満含有する比較例1、比較例2は、揮発性シリコーン油を10〜30重量%の範囲で含有する実施例1〜3に比して繊維の分散性やまつ毛への付着性が劣ることがわかる。 【0041】 また、実施例1と実施例2を対比することにより、ロウとしては、25℃での針侵入度(ASTM D−1321)が20以上で、融点が55℃以上のマイクロクリスタリンワックスを使用すると、まつ毛へのマスカラ組成物の付着性を改善できることがわかる。 【0042】 また、実施例2と実施例3を対比することにより、界面活性剤として、アルキルグリセリルエーテル変性シリコーンを使用すると繊維の分散性もまつ毛への付着性も向上することがわかる。 【0043】 さらに、イソドデカンを実施例3に比して多く含有し、揮発性シリコーン油の含有量が少ない比較例1は、実施例3に比して繊維の分散性やまつ毛への付着性が劣ることがわかる。 【0044】 【発明の効果】 本発明のマスカラ組成物は、油中水型乳化組成物からなるので耐水性に優れている。さらに、キャッチアップ効果を図るロウ及び水分散被膜形成ポリマーとロングラッシュ効果を図る繊維が油相中に溶解あるいは良好に分散しているので、塗布時のムラづきを防止することができる。また、油分として揮発性シリコーン油を使用するので、不快臭を無くし、皮膚への安全性を高めることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000000918 【氏名又は名称】花王株式会社 【住所又は居所】東京都中央区日本橋茅場町1丁目14番10号
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| 【出願日】 |
平成14年9月17日(2002.9.17) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100095588 【弁理士】 【氏名又は名称】田治米 登
【識別番号】100094422 【弁理士】 【氏名又は名称】田治米 惠子
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| 【公開番号】 |
特開2004−107236(P2004−107236A) |
| 【公開日】 |
平成16年4月8日(2004.4.8) |
| 【出願番号】 |
特願2002−270602(P2002−270602) |
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