| 【発明の名称】 |
温感化粧料 |
| 【発明者】 |
【氏名】有吉 伸晃 【住所又は居所】福岡県大野城市仲畑2丁目8番41号 関西酵素株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】皮膚に接触させることにより十分な温感が得られ、経時安定性に優れ、特に、経時的な変色及び容器の膨張等が抑制された温感化粧料を提供すること。
【解決手段】本発明の温感化粧料は、皮膚に接触させることにより温感が生じる、クリーム状又はゲル状等の粘性を有する形態の化粧料であって、pH10以下に調整されたゼオライトと、常温で液体のポリエチレングリコールを含む平均分子量1200以上のポリエチレングリコールとを含み、前記常温で液体のポリエチレングリコールを化粧料全体に対して60質量%以上含有し、且つポリエチレングリコール以外の多価アルコール及び水を実質的に含まないことを特徴とする。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 皮膚に接触させることにより温感が生じる、クリーム状又はゲル状等の粘性を有する形態の化粧料であって、pH10以下に調整されたゼオライトと、常温で液体のポリエチレングリコールを含む平均分子量1200以上のポリエチレングリコールとを含み、前記常温で液体のポリエチレングリコールを化粧料全体に対して60質量%以上含有し、且つポリエチレングリコール以外の多価アルコール及び水を実質的に含まないことを特徴とする温感化粧料。 【請求項2】 血行促進作用を有する植物エキス及び/又は保湿作用を有する植物エキスを更に含む請求項1記載の温感化粧料。 【請求項3】 ポリエチレン製の可撓性の容器に導入した請求項1又は2記載の温感化粧料。 【請求項4】 化粧料が、白色であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の温感化粧料。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】 本発明は、皮膚に塗布してマッサージすることにより温感が得られる、マッサージクリーム、洗顔クリーム、パック等に利用できる温感化粧料に関する。 【0002】 【従来の技術】 温感化粧料としては、水と接触して発熱する多価アルコール類を用いる方法(例えば、特許文献1参照)が知られている。 しかし、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール等の多価アルコール類を基材として用いる前記方法では、発熱量自体が少なく温感に乏しいという欠点がある。 そこで、モレキュラーシーブ等の活性化ゼオライトと多価アルコールとを併用した化粧料(例えば、特許文献2及び3参照)が提案されている。 しかし、多価アルコールは水分を多く含むので温感が低下し易く、また、多価アルコールから発生する水分の影響でゼオライトからガスが発生し、経時的に容器を膨張するという問題があり、このような商品はほとんど市販に至っていない。更に、特許文献2及び3には、水と反応して発熱し、水分含有量が少ないポリエチレングリコール(以下、PEGと略す)とゼオライトとを配合した化粧料も提案されている。 前記PEGの配合においては、一般に、日本薬局方に記載されたマクロゴール軟膏に基づき、分子量の異なる2種以上のPEGを混合してその粘度調整を行うことが知られている。しかし、PEGとゼオライトとを配合した化粧料は提案されているものの、そのような商品はほとんど市販されていないのが実状である。その理由は明らかにさられていないが、本発明者らの検討によると、PEGとゼオライトとを混合すると経時的に変色が生じ商品価値が著しく低下するという問題があることが判った。 ところで、化粧料に配合されるPEGとしては、pH11以上のゼオライトが通常であるが、イオン交換樹脂による処理や酸処理等によりpH10以下に調整されたゼオライトを用いることも提案されている(例えば、特許文献4参照)。 しかし、どのようなゼオライトを用いることにより前述のPEGとの混合による経時的な変色が抑制しうるかについては全く知られていない。 【0003】 【特許文献1】 特開昭56−57711号公報 【特許文献2】 米国特許第3250680号明細書 【特許文献3】 特開平6−80534号公報(実施例6等) 【特許文献4】 特開昭60−218306号公報 【0004】 【発明が解決しようとする課題】 本発明の目的は、皮膚に接触させることにより十分な温感が得られ、経時安定性に優れ、特に、経時的な変色及び容器の膨張等が抑制された温感化粧料を提供することにある。 【0005】 【課題を解決するための手段】 本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した。まず、十分な温感を得、且つ保存時における容器の膨張を抑制するために、これらの原因となる多価アルコールを実質的に含めずに、低温及び高温保存時における基材の安定性を保持し、且つ温感の低下を抑制しうる基材について検討した。その結果、ゼオライトに、特定割合の常温で液体のPEGを用いると共に、配合するPEGの平均分子量を特定以上に調整することによって達成しうることを見出した。一方、このような基材は、経時的に褐色等に変色することが新たに判明した。そこで、更に研究を重ねた結果、ゼオライトとしてpH調整された特定なゼオライトを使用することによりこのような課題が解決しうることを見出し本発明を完成した。 【0006】 すなわち本発明によれば、皮膚に接触させることにより温感が生じる、クリーム状又はゲル状等の粘性を有する形態の化粧料であって、pH10以下に調整されたゼオライトと、常温で液体のPEGを含む平均分子量1200以上のPEGとを含み、前記常温で液体のPEGを化粧料全体に対して60質量%以上含有し、且つPEG以外の多価アルコール及び水を実質的に含まないことを特徴とする温感化粧料が提供される。 【0007】 【発明の実施の形態】 本発明の温感化粧料は、例えば、皮膚に塗布し、マッサージ等して皮膚に接触させることにより十分な温感を感じることができる、クリーム状又はゲル状等の粘性を有する形態の化粧料であって、半固形状の形態も含む。ここで、化粧料の粘度は、液体又は固体でないものであれば特に限定されない。このような温感化粧料は、例えば、マッサージクリーム、洗顔クリーム、パック、ピーリングクリーム、頭皮用洗浄剤等の各種化粧料として使用することができる。 【0008】 本発明の温感化粧料は、特定のゼオライトと、特定のPEGとを含み、PEG以外の多価アルコール及び水を実質的に含まないことを特徴とする。 ここで、多価アルコール及び水を実質的に含まないとは、例えば、後述する必要により含有させうる植物エキス等の抽出溶媒に多価アルコールや水が使用されて該エキスに不可避的に微量含まれる場合や、使用される各成分に不可避的に微量な水分等が含まれる場合を除く意であり、通常、化粧料中に各々1質量%以下、特に0.1質量%以下、更には0.01質量%以下の多価アルコールや水を含む場合であっても本発明の範囲に含める意である。 【0009】 本発明に用いるゼオライトは、pH10以下、好ましくはpH8.0〜10.0に調整されたゼオライトであって、例えば、ゼオライトをイオン交換樹脂により処理したり、酸により中和処理する方法等により得ることができる。また、市販品を用いることもでき、例えば、商品名「ゼオラムA−4 LPH」(東ソー(株)製)等が挙げられる。ゼオライトのpHが10を超える場合には、経時的に変色が生じるのを抑制できない。このような変色は、温感化粧料の色彩が白色以外であっても生じるので、温感化粧料の色彩は特に限定されないが、本発明の効果が顕著に発揮される白色の温感化粧料に特に有効である。また、このような変色作用は、理由は定かではないが、温感化粧料を導入する容器として、可撓性のポリエチレン製容器を使用した場合に特に顕著に生じるので、本発明の温感化粧料は、このような容器に導入された場合に特に顕著な変色防止効果が得られる。 ここで、ゼオライトのpHは、ゼオライトに20倍量の水を加えて混合して測定した値を意味する。 【0010】 ゼオライトの粒径は、目的の化粧料の種類或いはその粘度等に応じて適宜選択できるが、通常、平均粒径50〜500μm程度である。 ゼオライトの配合割合は、目的の化粧料の種類等に応じて、十分な温感が得られるように適宜選択することができるが、通常、化粧料全量に対して1〜50質量%、特に5〜30質量%が好ましい。1質量%未満、若しくは50質量%を超えると、不具合が生じるので好ましくない。 【0011】 本発明に用いるPEGは、常温で液体のPEGと、配合される全てのPEGの平均分子量を1200以上、好ましくは1300〜3000に調整するための常温で液体ではないPEGとの混合物である。配合されるPEG全体の平均分子量が1200未満、若しくは3000を超える場合は、低温及び/又は高温保存時における安定性が得られない恐れがあるので好ましくない。 前記常温で液体のPEGは、通常分子量600以下のPEGであり、このようなPEGとしては、好ましくは分子量200〜600のPEGが挙げられる。 前記分子量調整のための常温で液体でないPEGとしては、通常、分子量1500〜30000程度のPEGが挙げられ、使用に際しては2種以上の分子量の異なるPEGを組合せて使用することができる。 ここで、PEGの平均分子量は、「第14改正、日本薬局方「マクロゴール400」に規定されている平均分子量試験」により測定することができ、2種以上のPEGを混合した後の平均分子量は、各原料PEGの平均分子量とその配合比から比率計算で算出することができる。この際、比率計算により算出した値は、上記試験により測定した値より若干異なる傾向にあるが、本発明においては、2種以上のPEGを混合した後の平均分子量は、上記比率計算により算出した値を採用している。 【0012】 本発明においては、前記常温で液体のPEGを化粧料全量に対して、60質量%以上、好ましくは60〜80質量%含有させる必要がある。該PEGの含有割合が60質量%未満では、十分な温感を発揮させることができず、更には保存時における低温安定性が著しく低下する。 一方、前記分子量調整のための常温で液体でないPEGの含有割合は、前記所望の平均分子量となるように、含有させるPEGの分子量に合わせて適宜選択することができるが、通常、化粧料全量に対して3〜20質量%が好ましい。 【0013】 本発明の温感化粧料には、温感作用を更に高め、その保持時間を延長することができる血行促進作用を有する植物エキスを含有させることが好ましい。該植物エキスとしては、例えば、センブリエキス、ショウキョウエキス、トウガラシエキス、チンピエキス、ローズマリーエキス、アルニカエキス、イチョウ葉エキス、ウイキョウエキス、カミツレエキス、クララエキス(クジン)、ケイヒエキス、ショウブエキス、セージエキス、セイヨウサンザシエキス、センキュウエキス、タマサキツヅラフジエキス(セファランチン)、チョウジエキス、トウキエキス、トウキセンカエキス、ドクダミエキス、ニンジンエキス、ニワトコエキス、ニンニクエキス、ハッカエキス、ボタンエキス、マロニエエキス、ユーカリエキス、ユズエキス、ラベンダーエキス等が挙げられる。 血行促進作用を有する植物エキスを含有させる場合の含有割合は、化粧料全量に対して、0.001〜3質量%が好ましい。 本発明の温感化粧料は、多価アルコールを実質的に含有しないので、その保湿作用や使用感を向上させるために、保湿作用を有する植物エキス等の保湿剤を配合することが好ましい。該保湿作用を有する植物エキスとしては、例えば、ラベンダーエキス、アロエエキス、モモ葉エキス、ショウブエキス、イチョウ葉エキス、アルニカエキス、イラクサエキス、ウイッチヘーゼルエキス、オウゴンエキス、オトギリソウエキス、カミツレエキス、カワラヨモギエキス、キズタエキス、キュウリエキス、クララエキス(クジン)、クマザサエキス、コンフリーエキス、スイカズラエキス、セージエキス、シソエキス、ボダイジュエキス、センブリエキス、センキュウエキス、ダイズエキス、タイムエキス、トウキエキス、トウキセンカエキス、ドクダミエキス、ニワトコエキス、ニンジンエキス、ハッカエキス、ヨクイニンエキス、ホップエキス、マロニエエキス、メリッサエキス、ヤグルマギクエキス、ユキノシタエキス、ローズマリーエキス、ユズエキス、ワレモコウエキス等が挙げられる。 保湿作用を有する植物エキスを含有させる場合の含有割合は、化粧料全量に対して、0.001〜3質量%が好ましい。 【0014】 本発明の温感化粧料には、上記各成分の他に、本発明の所望の効果を損なわない範囲で、化粧料の種類に応じて通常使用しうる各種成分を適宜組み合わせて配合することができる。例えば、各種界面活性剤、増粘性ポリマー、殺菌剤、防腐剤、色素、顔料、香料等や、べたつき感及びゼオライトのざらつきを防止するための、(ジメチコン/ビニルジメチコン/メチコン)クロスポリマー等のシリコンレジン等が挙げられるが、これらに限定されない。また、他の成分の配合割合は、所望の目的に応じて適宜選択することができる。 【0015】 本発明の温感化粧料を調製するには、例えば、常温で液体のPEGに各成分を混合し、更に前記常温で液体でないPEGを融点以上において混合して冷却する方法、常温で液体のPEGに前記常温で液体でないPEGを融点以上において混合し、更に各成分を混合して冷却する方法等が挙げられるがこれらに限定されない。例えば、製品の安定性をより向上させるために、全ての成分を混合する前に、予め、液体のPEGの一部にゼオライトを混合し加熱分散させておくこともできる。 【0016】 【発明の効果】 本発明の温感化粧料は、pH10以下に調整されたゼオライトと、常温で液体のPEGを特定割合含有する平均分子量1200以上のPEGを含み、且つPEG以外の多価アルコール及び水を実質的に含まないので、皮膚に接触させることにより十分な温感が得られ、低温で固化せず、高温で分離せず、更にはゼオライトの分散安定性を保持しうるという経時安定性に優れると共に、特に、経時的な変色及び容器の膨張等が十分に抑制することができる。従って、実際の商品としてもその使用に十分耐えうることができる温感化粧料の提供を可能にすることができる。 【0017】 【実施例】 以下実施例及び比較例により、本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。 実施例1〜5及び比較例1〜5 表1に示す各成分を常法により混合調製し、白色のマッサージクリームを製造した。得られた各マッサージクリームを用いて以下に示す各種評価を行った。結果を表1に示す。 <温感評価> 得られたマッサージクリームを、5人のパネルの掌に塗布しマッサージしてもらった後に評価した。評価は、非常に温感を感じるを3点、温感を感じるを2点、温感を感じないを1点とし、5人の平均点で評価した。 <クリームの延び評価> 得られたマッサージクリームを、5人のパネルの掌に塗布して延ばした後に評価した。評価は、延びが良いを3点、延びが普通であるを2点、延びが悪いを1点とし、5人の平均点で評価した。 <低温安定性評価> 得られたマッサージクリームを、ポリエチレン製のチューブに充填し、5℃の恒温室で2週間放置した後に評価した。評価は、放置前後において粘度変化が無いものを◯、やや固く、チューブから出にくいものを△、堅くてチューブから出ないものを×とした。 <高温安定性評価> 得られたマッサージクリームを、ポリエチレン製のチューブに充填し、50℃の恒温室で2週間放置した後に評価した。評価は、放置前後において粘度変化が無いものを◯、粘度が低下したものを△、粘度が著しく低下し、垂れ落ちるか若しくは分離したものを×とした。 <容器膨張評価> 得られたマッサージクリームを、ポリエチレン製のチューブに充填し、50℃の恒温室で2週間放置した後に評価した。評価は、チューブが放置前と比較して膨張していないものを◯、若干膨張が認められるものを△、膨張が明らかに認められるものを×とした。 <変色評価> 得られたマッサージクリームを、ポリエチレン製のチューブに充填し、50℃の恒温室で2週間放置した後に変色を目視で評価した。評価は、変色なしを◯、変色が確認されたものを△、著しく変色したものを×とした。 【0018】 【表1】
【0019】 実施例6〜10及び比較例6〜10 表2に示す各成分を常法により混合調製し、白色の洗顔クリームを製造した。得られた各洗顔クリームを用いて実施例1〜5及び比較例1〜5に準じて各種評価を行った。結果を表2に示す。 【0020】 【表2】
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| 【出願人】 |
【識別番号】591267785 【氏名又は名称】関西酵素株式会社 【住所又は居所】福岡県大野城市仲畑2丁目8番41号
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| 【出願日】 |
平成14年9月17日(2002.9.17) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100081514 【弁理士】 【氏名又は名称】酒井 一
【識別番号】100082692 【弁理士】 【氏名又は名称】蔵合 正博
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| 【公開番号】 |
特開2004−107234(P2004−107234A) |
| 【公開日】 |
平成16年4月8日(2004.4.8) |
| 【出願番号】 |
特願2002−270205(P2002−270205) |
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