| 【発明の名称】 |
噴霧化粧料 |
| 【発明者】 |
【氏名】佐々木 克己 【住所又は居所】東京都墨田区文花2−1−3 花王株式会社研究所内
【氏名】凉松 淳 【住所又は居所】東京都墨田区文花2−1−3 花王株式会社研究所内
|
| 【要約】 |
【課題】セドロールが安定に含有され、経時によるセドロールの析出がない噴霧化粧料の提供。
【解決手段】セドロールを含有する水中油型乳化型噴霧化粧料。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 セドロールを含有する水中油型乳化型噴霧化粧料。 【請求項2】 (A)セドロール、(B)SP値17〜21の25℃で液状の油剤、(C)HLB11〜17の非イオン界面活性剤、及び(D)水を含有する請求項1記載の噴霧化粧料。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】 本発明は、セドロールが安定に含有され、経時によるセドロールの析出がない噴霧化粧料に関する。 【0002】 【従来の技術】 セドロールは副交感神経を優位にして、リラックス効果を発揮する剤として近年注目されつつある(特許文献1)。 一方、スプレー製剤は使用時に心地よさを有しながら広範囲に均一に化粧料が噴霧され、高い保湿効果が得られるので、化粧料として大変優れている。従って、セドロールを配合したスプレー化粧料が実現できれば、使い心地・効果ともにより優れた化粧料が得られることが想像される。 【0003】 しかしながら、セドロールは結晶性が非常に高く、析出および結晶成長が進行する可能性が高いため、液状化粧料への配合は難しく、特に水分量が多い基剤、中でもスプレー製剤ではノズルの詰まりなどが懸念され、今まで噴霧化粧料への応用はなされていなかった。 【0004】 【特許文献1】 国際公開第01/58435号パンフレット 【0005】 【発明が解決しようとする課題】 本発明の目的は、結晶性の高いセドロールを安定に含有し、経時によるセドロールの析出がない噴霧化粧料を提供することにある。 【0006】 【課題を解決するための手段】 本発明者は、セドロールを油剤に溶解し、これを界面活性剤を用いて水中に微細分散させれば、セドロールを安定に含有させることができ、さらに経時によるセドロール結晶の析出及び成長を防止した化粧料が得られることを見出した。 【0007】 本発明は、セドロールを含有する水中油型乳化型噴霧化粧料を提供するものである。 【0008】 【発明の実施の形態】 本発明の噴霧化粧料は、(A)セドロールと、(B)SP値17〜21の25℃で液状の油剤、(C)HLB11〜17の非イオン界面活性剤、及び(D)水を用いて水中油型乳化系に乳化するのが好ましい。 【0009】 本発明で用いる成分(A)のセドロールは、セスキテルペンアルコールの1種であり、光学異性体が存在するが、一般的には式(1)で示される(d)体で存在する。本発明の抗アレルギー作用の有効成分であるセドロールとしては(d)体が好ましいが、光学異性体である(l)体のもの、もしくは(d)体と(l)体の混在する形態であっても有効性に問題ない。 【0010】 【化1】
【0011】 セドロールは、一般的にマツ科ヒマラヤスギ属、ヒノキ科ネズミサシ属、ビャクシン属、クロベ属等の植物の精油に含まれる香料成分として知られている。またシダーウッド油、ヒバ油等の精油から蒸留等により精製して得ることができるが、合成によっても得られる。本発明において使用するセドロールは上記精油精製品、合成品のいずれを使用してもよく、市販品を用いてもよい。 【0012】 成分(A)は、全組成中に0.001〜1重量%、特に0.001〜0.1重量%含有させるのが、結晶の析出等がなく、安定な乳化物が得られ、かつ十分に効果を発揮できるので好ましい。 【0013】 本発明で用いる成分(B)の油剤は、25℃で液状の油性成分であって、SP値が17〜21、好ましくは17〜19のものである。この範囲のSP値のものであれば、セドロールの固体又は粉末を容易に溶解することができ、しかも溶解後に析出がない。ここで油剤のSP値とは、溶解度パラメーターδであって、液体の分子凝集エネルギーEと分子容Vからδ=(E/V)1/2で与えられる物質定数である。SP値は、篠田耕三著「溶液と溶解度 第3版」(丸善株式会社、1991年発行)78頁〜に記載の溶解度パラメーターの求め方で得られる。 【0014】 このような油剤としては、例えばdl−α−トコフェロール(SP値(25℃)19.4(以下同様))、モノイソステアリン酸モノミリスチン酸グリセリル(18.4)、リンゴ酸ジイソステアリル(18.2)、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール(17.7)、ジカプリン酸プロピレングリコール(17.5)、ジノナン酸プロピレングリコール(17.6)、テトライソステアリン酸ジグリセリル(17.4)、デシルテトラデカノール(17.9)、トリカプリル酸グリセリル(17.9)、トリアセチルリシノール酸グリセリル(17.9)、トリイソステアリン酸グリセリル(17.2)、トリイソステアリン酸ジグリセリル(18.0)、トリイソステアリン酸トリメチルプロパン(17.2)、トリオクタン酸グリセリル(17.7)、トリカプリン酸グリセリル(17.8)、ピログルタミン酸イソステアリン酸ポリオキシエチレン(25)グリセリルエーテル(20.5)、プロピオン酸ポリオキシエチレン(2)ミリスチルエーテル(17.3)、ミリスチン酸ポリオキシエチレン(3)ミリスチルエーテル(17.5)、ラウロイルグルタミン酸ジオクチルドデシル(17.5)、リシノレイン酸セチル(18.0)、リシノレイン酸テトラヒドロフルフリル(19.3)、リノール酸dl−α−トコフェロール(17.5)、乳酸オクチルドデシル(18.5)、アジピン酸ジオクチル(18.5)、アセチルリシノレイン酸ブチル(17.3)、イソステアリン酸バチル(18.0)、イソステアリン酸ポリプロピレングリコール(18.6)、ポリオキシプロピレン(10)セチルエーテル(18.4)、オキシステアリン酸オクチル(18.3)、イソノナン酸イソトリデシル(17.0)、ジイソステアリン酸ポリグリセリル(19.4)等が含まれる。 【0015】 成分(B)としては、特に、モノイソステアリン酸モノミリスチン酸グリセリル、リンゴ酸ジイソステアリル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジカプリン酸プロピレングリコール、ジノナン酸プロピレングリコール、テトライソステアリン酸ジグリセリル、トリカプリル酸グリセリル、トリアセチルリシノール酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、トリイソステアリン酸ジグリセリル、トリイソステアリン酸トリメチルプロパン、トリオクタン酸グリセリル、トリカプリン酸グリセリル、プロピオン酸ポリオキシエチレン(2)ミリスチルエーテル、ミリスチン酸ポリオキシエチレン(3)ミリスチルエーテル、ラウロイルグルタミン酸ジオクチルドデシル、リシノレイン酸セチル、リノール酸dl−α−トコフェロール、乳酸オクチルドデシル、アジピン酸ジオクチル、アセチルリシノレイン酸ブチル、イソステアリン酸バチル、イソステアリン酸ポリプロピレングリコール、ポリオキシプロピレン(10)セチルエーテル、オキシステアリン酸オクチル、イソノナン酸イソトリデシルが好ましい。 【0016】 成分(B)は、2種以上を用いることができ、全組成中に0.01〜9重量%、特に0.1〜5重量%含有するのが、化粧料を微細に噴霧できるので好ましい。 【0017】 本発明で用いる成分(C)の非イオン界面活性剤は、HLB11〜17、好ましくはHLB11〜15のものである。HLBがこの範囲外のものでは、水と油剤との親和性バランスが崩れ、エマルションの合一などが生じてエマルションの安定性が低下し、セドロールが析出し易くなる。 なお、ここで、HLBは、界面活性剤の全分子量に占める親水基部分の分子量を示すものであり、次に示す川上の式により求められるものである。 【0018】 HLB価 = 7+11.7log(Mw/Mo) Mw:親水基の分子量 Mo:親油基の分子量 【0019】 このような非イオン界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレン硬化ヒマシ油脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリルエーテル脂肪酸エステル等が挙げられる。これらのうち、特に炭素数14〜20のアルキル基を有し、エチレンオキシド付加モル数40〜60のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油脂肪酸エステルが好ましい。 【0020】 成分(C)は、2種以上を用いることができ、全組成中に0.01〜5重量%、特に0.1〜1重量%含有するのが、乳化物がより安定で、微細に噴霧できるので好ましい。 【0021】 また、成分(D)の水は、全組成中に90〜99重量%、特に92〜97重量%含有するのが好ましい。 【0022】 本発明の化粧料には、前記成分のほか、通常の化粧品等に用いられる成分、例えば、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール等の炭素数2〜5の1価アルコール;グリセリン、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ポリエチレングリコール(200、400、1000、1500、4000)等の多価アルコール;植物エキス類;クエン酸、乳酸、アミノ酸類等のpH調整剤;防腐剤;香料などを、必要に応じて適宜含有させることができる。 【0023】 本発明の化粧料は、セドロールを成分(B)の油剤に溶解した油相を、通常の方法で乳化することにより製造される。 【0024】 本発明の化粧料は、噴霧用容器に充填される。容器としては、本発明の水中油型乳化型噴霧化粧料を噴霧し得るものであれば特に制限されず、例えばアルミニウム、ブリキ等の金属、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン等の樹脂、ガラス製の噴霧用容器などを用いることができる。 【0025】 本発明においては、特に、エアゾール容器が好ましく、さらに内袋型二重エアゾール容器が、化粧料が直接噴射剤に接しないため、さっぱりと心地よくかつ手軽に保湿効果が得られるので、より好ましい。 また、これらの容器は、例えば図1に示すように、ボタン噴霧口直前の組成物通路にチップ1が配置されており、チップ端面2、3の少なくともいずれか一方に螺旋状の溝が彫られているメカニカルブレイクアップ機構を備えたボタンを有するのが、ミストの粒径をより微細化できるので好ましい。具体的には、チップ端面2又は3のいずれか一方の端面に溝のあるシングルメカニカルブレイクアップボタン、または、両方の端面に溝を有するダブルメカニカルブレイクアップボタンを有するのが好ましい。また、ボタンの孔径は、0.2〜0.4mmであるのが好ましい。 【0026】 このようなエアゾール容器において、噴射剤として用いられる圧縮ガスとしては、特に制限されず、窒素ガス、炭酸ガス等を用いることができる。また、これらの圧縮ガスは、25℃での内圧が0.6MPa(ゲージ圧)以上、特に0.64±0.04MPa(ゲージ圧)となるように充填されるのが好ましい。 【0027】 【実施例】 実施例1〜2、比較例1〜2 表1に示す組成の化粧水を製造し、図2に示す内袋型二重エアゾール容器に充填した。得られた化粧料について、セドロールの析出、化粧水の安定性、及び噴射ミストを評価した。結果を表1に併せて示す。 なお、図2の内袋型二重エアゾール容器は、170mL容量のポリエチレン製の内袋;アルミニウム製の外筒;ステム孔径0.4mm、ハウジング下孔径0.6mmのバルブ;噴射孔径0.3mmのダブルメカニカルブレイクアップ機構付きのボタンからなるものである。 【0028】 (製法) 界面活性剤の曇点より低い80℃にて、セドロール、油剤、界面活性剤及びグリセリンを十分に混合攪拌する。攪拌を続けながら、精製水を徐々に加え、転相乳化法により、水中油型エマルション液を調製する。この液を室温に冷却した後、エタノール及びパラベンを加え、化粧水(水中油型乳化型)を得た。 得られた化粧水150gを図2に示す二重容器の内袋に充填し、内袋外部と容器内部の間(空間部)に窒素ガスを、内圧0.6MPaとなるよう噴入した。 【0029】 (評価方法) (1)セドロールの析出: 各化粧水を偏光顕微鏡にて観察し、析出物の有無を判定した。 【0030】 (2)化粧水の安定性: 各化粧水を室温に一週間静置した後、化粧水の均一性を目視により観察した。 【0031】 (3)噴射ミストの官能評価: 専門パネラー10名により、各化粧水を噴霧したときのミストの状態及び使い心地を官能評価した。評価は、以下の基準で行い、5名以上のパネラーが◎又は○と評価した化粧水を「A」、3〜4名のパネラーが◎又は○と評価した化粧水を「B」、それ以下の化粧水を「C」と判定した。「A」のものを、使用感が良好であると判断する。 ◎:非常に細かくソフトな霧状ミストで、きわめて良好な使い心地。 ○:細かいソフトな霧状ミストで、良好な使い心地。 △:霧状であるが粗く、使い心地はあまりよくない。 ×:霧状とはいい難く、使い心地が悪い。 【0032】 【表1】
【0033】 表1の結果より、本発明の化粧水はいずれも、セドロールが析出せず安定に含有され、化粧水の安定性が高く、使用感も良好であった。 【0034】 【発明の効果】 本発明の噴霧化粧料は、セドロールが安定に含有され、経時によるセドロールの析出がなく、使用感も良好なものである。 【図面の簡単な説明】 【図1】メカニカルブレイクアップ機構を備えたボタンの概略断面図である。 【図2】実施例で用いた内袋型二重エアゾール容器の概略断面図である。 【符号の説明】 1 チップ 2、3 チップ端面 4 内袋 5 外筒 6 バルブ 7 空間部(圧縮ガス) 8 ボタン
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000000918 【氏名又は名称】花王株式会社 【住所又は居所】東京都中央区日本橋茅場町1丁目14番10号
|
| 【出願日】 |
平成14年9月13日(2002.9.13) |
| 【代理人】 |
【識別番号】110000084 【氏名又は名称】特許業務法人アルガ特許事務所
|
| 【公開番号】 |
特開2004−107224(P2004−107224A) |
| 【公開日】 |
平成16年4月8日(2004.4.8) |
| 【出願番号】 |
特願2002−269186(P2002−269186) |
|