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【発明の名称】 化粧料
【発明者】 【氏名】進邦 あゆみ
【住所又は居所】東京都墨田区文花2−1−3 花王株式会社研究所内

【氏名】丸山 修司
【住所又は居所】東京都墨田区文花2−1−3 花王株式会社研究所内

【要約】 【課題】本発明の目的は、凹凸が目立たず、透明感のある明るい仕上がりが得られ、且つ、自然な肌色を付与し、使用感も良好な化粧料を提供する。

【解決手段】次の成分(A)及び(B):(A)屈折率2.0未満の板状粉体の表面を、屈折率2.0以上の粉体で被覆し、更に着色剤で被覆した2種以上の板状着色顔料、及び、(B)平均粒子径が1〜20μmである球状粉体、を含有する化粧料であって、前記2種以上の板状着色顔料のマンセル表色系における外観色のうち、少なくとも1種が色相10P以上5YR未満であり、少なくとも別の1種が色相5YR以上10GY以下である化粧料である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の成分(A)及び(B):
(A)屈折率2.0未満の板状粉体の表面を、屈折率2.0以上の粉体で被覆し、更に着色剤で被覆した2種以上の板状着色顔料、及び
(B)平均粒子径が1〜20μmである球状粉体、
を含有する化粧料であって、前記2種以上の板状着色顔料のマンセル表色系における外観色のうち、少なくとも1種が色相10P以上5YR未満であり、少なくとも別の1種が色相5YR以上10GY以下である化粧料。
【請求項2】
前記板状着色顔料の着色剤の被覆率が、板状着色顔料全体に対して1〜20重量%である、請求項1に記載の化粧料。
【請求項3】
前記化粧料がファンデーションである、請求項1又は2いずれかに記載の化粧料。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、凹凸が目立たず、透明感のある明るい仕上がりが得られ、且つ、自然な肌色を付与する化粧料に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、化粧料用の着色剤として、酸化鉄顔料、紺青、群青、酸化クロム等の無機顔料、赤色201号、黄色401号、青色1号、緑色3号等の有機顔料等が用いられている。
【0003】
これら従来の着色顔料を用いて化粧料の着色を行う場合、特に、肌色に着色する場合に、充分な着色力を有するまでこれら着色顔料を含有すると、着色顔料の光吸収により透明感がなく、仕上がりが暗くなり、肌の凹凸が目立つ傾向があるという問題がある。
【0004】
そこで、仕上がりを明るくするために、化粧料にパール光沢を有する雲母チタン等のパール顔料を含有することが提案されている。しかしながら、パール顔料の含有量が少ない場合には、着色顔料によって雲母チタンの反射干渉光が吸収、散乱され、仕上がりを明るくする効果が充分に得られず、肌の凹凸が目立つ傾向を改善する効果も充分に得られない。反対に、仕上がりを明るくする効果が実感できるまでパール顔料の含有量を増やすと、パール顔料の反射干渉光が観察される角度と観察されない角度の間で明るさの差が大きいために、ギラツキ感を呈し、不自然な仕上がりとなり、肌の凹凸が目立ってしまうという問題がある。
【0005】
そこで、特開平8−81334号や特開2000−16918号には、着色顔料による光の吸収、散乱を抑えるために、着色顔料を直接雲母チタンに被覆した着色雲母チタンが提案されている。しかしながら、これらの着色雲母チタンを着色剤として用いた化粧料を顔全体等の広い範囲に塗布した場合には、観察者に正対する部分と正対していない部分で彩度が異なるため、不自然な仕上がりとなり凹凸が目立ってしまうという問題がある。さらに、これらの着色雲母チタンを着色顔料として用いて肌色を調色するためには、酸化鉄顔料や二酸化チタン、雲母チタン等を多量に配合する必要があり、透明感のある明るい仕上がりが得られないという問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、凹凸が目立たず、透明感のある明るい仕上がりが得られ、且つ、自然な肌色を付与し、使用感も良好な化粧料を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、次の成分(A)及び(B):
(A)屈折率2.0未満の板状粉体の表面を、屈折率2.0以上の粉体で被覆し、更に着色剤で被覆した2種以上の板状着色顔料、及び
(B)平均粒子径が1〜20μmである球状粉体、
を含有する化粧料であって、前記2種以上の板状着色顔料のマンセル表色系における外観色のうち、少なくとも1種が色相10P以上5YR未満であり、少なくとも別の1種が色相5YR以上10GY以下である化粧料が、上記課題を解決できることを見出した。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明に係る化粧料は、次の成分(A)及び(B):
(A)屈折率2.0未満の板状粉体の表面を、屈折率2.0以上の粉体で被覆し、更に着色剤で被覆した2種以上の板状着色顔料、及び
(B)平均粒子径が1〜20μmである球状粉体、
を含有する化粧料であって、前記2種以上の板状着色顔料のマンセル表色系における外観色のうち、少なくとも1種が色相10P以上5YR未満であり、少なくとも別の1種が色相5YR以上10GY以下である化粧料である。
【0009】
本発明に用いる(A)成分の板状着色顔料は、屈折率2.0未満の板状粉体の表面を、屈折率2.0以上の粉体で被覆し、更に着色剤で被覆している。この板状着色顔料は反射干渉光の散乱、吸収が抑えられているため、板状粉体を高い屈折率の粉体で被覆した、いわゆるパール顔料由来の反射干渉光による仕上がりを明るくする効果と、当該パール顔料表面を被覆する着色顔料による着色効果とが充分に得られる。
【0010】
また、本発明においては板状着色顔料として、マンセル表色系における外観色が色相10P以上5YR未満である1種又は2種以上の板状着色顔料(A−1)と、マンセル表色系における外観色が色相5YR以上10GY以下である1種又は2種以上の板状着色顔料(A−2)とを組み合わせて用いる。色相が10P以上5YR未満、好ましくは2.5RP以上2.5YR以下、特に好ましくは10RP以上10R以下の赤系板状着色顔料(A−1)の少なくとも1種と、色相が5YR以上10GY以下、好ましくは7.5YR以上10Y以下、特に好ましくは10YR以上7.5Y以下の黄系板状着色顔料(A−2)の少なくとも1種とを組み合わせることによって、自然な肌色を実現することができる。更に必要に応じて、上記板状着色顔料(A−1)又は(A−2)以外の色相を有する板状着色顔料を追加することもできる。
【0011】
(A)成分の板状着色顔料、板状粉体の形状は、特に限定されず、例えば、四角板状、楕円板状、円板状、六角板状、菱形板状等のいずれの形状であっても良い。基盤となる板状粉体は、一辺の長さ(板径)が1〜50μmで、板径/厚さ(板状比)が2以上であり、且つ、最長径/最短径(板径比)が10以下であることが好ましい。
【0012】
本発明で(A)成分に用いられる板状着色顔料の基盤となる板状粉体の屈折率は、2.0未満であり、より好ましくは1.8未満である。このような板状粉体としては、例えば、雲母(白雲母、黒雲母、金雲母、合成雲母等)、セリサイト、タルク、板状アルミナ粉末、板状シリカ、板状硫酸バリウム等が挙げられるが、中でも雲母が、透明性が高く、反射干渉光を散乱しないので好ましい。
【0013】
また、上記板状着色顔料の基盤となる屈折率が2.0未満の板状粉体を被覆する粉体の屈折率は、2.0以上であり、より好ましくは2.2以上である。このような粉体としては、例えば、二酸化チタン、酸化亜鉛、黄酸化鉄、赤酸化鉄、黒酸化鉄、酸化クロム等が挙げられ、これらを組み合わせて被覆しても良い。これらの中でも特に、二酸化チタンを含むことが、屈折率が高く、被覆する着色顔料の色合いを損なわないことから好ましい。更に、膜厚及び/又は結晶型制御を目的に、必要に応じて、酸化鉄、酸化アルミニウム、又は酸化錫等の金属酸化物、水酸化鉄、水酸化アルミニウム等の金属水酸化物、又は金、銀、アルミニウム等の金属、無機酸塩又は有機酸塩等の塩等を組み合わせて被覆しても良い。
【0014】
屈折率が2.0未満の板状粉体を屈折率が2.0以上の粉体で被覆するには、公知の方法で被覆することができ、例えば、雲母を二酸化チタンで被覆する場合には、例えば硫酸チタニル、四塩化チタン等のチタンの無機酸塩を雲母の存在下で中和法あるいは加水分解法によって分解し、含水酸化チタンあるいは二酸化チタンを析出させた後、大気中500〜1000℃、好ましくは700〜900℃の温度で焼成する方法(特公昭43−25644)等で製造される。
【0015】
屈折率が2.0未満の板状粉体の表面を被覆する屈折率が2.0以上の粉体層は、公知の製造法において、反応系中の被覆する粉体の塩濃度、被覆する粉体の塩の加水分解温度、被覆する粉体の塩の加水分解時間、被覆される板状粉体の表面処理等の反応条件を調節することにより、被覆する屈折率が2.0以上の粉体の光学的膜厚等を変えることができ、この結果、様々な反射干渉光の色を有する板状粉体を製造することができる。
【0016】
屈折率が2.0以上の粉体層は、140nm〜400nmの光学的膜厚で、屈折率が2.0未満の板状粉体の表面を被覆するのが好ましい。
【0017】
本発明の(A)成分に用いられる板状着色顔料は、屈折率2.0未満の板状粉体の表面を屈折率2.0以上の粉体で被覆したその表面を、更に着色剤で被覆する。 使用する着色剤としては、黄酸化鉄、べんがら、黒酸化鉄、紺青、群青、酸化クロム、タール系色素、天然色素等(例えば最新化粧品科学<改訂増補2>(日本化粧品技術者会編、薬事日報社)第330〜387頁に記載)の着色剤が挙げられる。中でも特に、酸化鉄、酸化クロム、紺青等の無機着色剤は、耐溶解性、長期保存安定性が優れるので好ましく用いられる。
【0018】
屈折率2.0未満の板状粉体表面を屈折率2.0以上の粉体で被覆後に、さらに着色剤を被覆する方法としては、着色剤を化学反応により被覆させる方法、機械的衝撃力により物理的に被覆させる方法等がある。
【0019】
例えば、雲母チタンに着色剤を化学反応により被覆する場合には、着色剤の原料となる無機、有機鉄化合物の水溶液中に雲母チタンを添加した後、加温して鉄化合物の加水分解物を析出させ、水洗、乾燥し、さらに必要に応じて焼成することにより、着色雲母チタンが製造できる。着色顔料の原料となる無機、有機鉄化合物としては、例えば、塩化第一鉄、塩化第二鉄、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄、硝酸第一鉄、硝酸第二鉄、シュウ酸第一鉄、シュウ酸第二鉄アンモニウム、硫酸第二鉄アンモニウム、リン酸第二鉄、クエン酸第二鉄、乳酸第一鉄、フマル酸鉄、紺青、群青、酸化クロム、タール系色素、天然色素等を使用することができる。なお、加水分解の速度を調整するために、無機、有機鉄化合物の水溶液中に雲母チタンを添加する前又は後に水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア、アミン等の塩基、又はこれら塩基の水溶液を添加してもよい。
【0020】
板状着色顔料中の着色剤の被覆率は、板状着色顔料に対し1〜20重量%であることが好ましく、2〜15重量%であることがより好ましい。この範囲の着色剤の被覆率であると、着色剤の吸収、散乱により、屈折率2.0以上の粉体で被覆した屈折率2.0未満の板状粉体の反射干渉光が弱められることなく、且つ、充分な着色力を示すので好ましい。
【0021】
板状着色顔料は、必要に応じて、疎水化処理剤を用いてその表面を疎水化処理したものであってもよい。疎水化処理は、例えばシリコーン油、脂肪酸金属塩、アルキルリン酸、アルキルリン酸のアルカリ金属塩又はアミン塩、N−モノ長鎖(炭素数8〜22)脂肪族アシル塩基性アミノ酸、パーフルオロアルキル基を有するフッ素化合物等の疎水化処理剤を用いて行うことができる。
【0022】
また、本発明の(A)成分に用いる板状着色顔料は、平均粒子径が1〜40μmであることが好ましく、2〜20μmであることがより好ましい。板状着色顔料の平均粒子径がこの範囲にあると、可視光が散乱されすぎないため透明感が損なわれず、且つ、表面反射光が多いことによるギラツキ感が発生しない上、肌上での伸び広がりが良好で、充分に肌を隠蔽しながら自然に仕上がるため、好ましい。ここで、平均粒子径は、レーザー回折/散乱法で測定した値であり、レーザー回折/散乱式粒度分布計(例えば、堀場製作所製、LA−920)を用いて測定することができる。
【0023】
(A)成分である板状着色顔料の含有量は、充分な着色力を持たせるために、色相が10P以上5YR未満の板状着色顔料(A−1)と色相が5YR以上10GY以下の板状着色顔料(A−2)の合計で、化粧料中に5〜50重量%であることが好ましく、10〜30重量%であることがより好ましい。
【0024】
この際に、色相が10P以上5YR未満の板状着色顔料(A−1)と色相が5YR以上10GY以下の板状着色顔料(A−2)夫々を適宜選択し、配合比を調節することによって、化粧料の外観色がマンセル表色系において色相が2.5R〜10Y、明度が3以上の範囲にあるように調整すると、明るい肌色の仕上がりが得られるので特に好ましい。
【0025】
本発明において(B)成分として用いられる球状粉体は、平均粒子径が1〜20μm、好ましくは3〜15μmの球状である。ここで球状粉体とは、正反射及び/又は乱反射を抑制する性質を有するものであり、その形状は、真球、略球状、回転楕円体を含み、さらに表面に凹凸がある球状粉体も含む。
【0026】
平均粒子径が1〜20μmであると、化粧膜に埋もれないため、毛穴、小じわ等の凹凸の境界部をぼかして見えにくくする効果である「ぼかし」効果を発現し、毛穴、小じわ等の凹凸を目立ちにくくする。球状粉体の平均粒子径を1μm以上とすることにより、球状粉体が化粧膜に埋もれずに、使用感がなめらかになり、3μm以上とすることにより、使用感がよりなめらかになる。球状粉体の平均粒子径を20μm以下とすることにより、凹凸部に均一に付着しやすいので、凹凸の境界部を見えにくくする「ぼかし」効果が充分に発現する上、使用感がざらつかず、15μm以下とすることにより、さらに使用感が良くなる。ここで、平均粒子径はレーザー回折/散乱法により測定され、レーザー回折/散乱式粒度分布計(例えば、堀場製作所製、LA−920)を用いて測定することができる。
【0027】
また、球状粉体の屈折率は、1.3以上1.8以下であることが好ましく、1.4以上1.6以下であることがより好ましい。球状粉体の屈折率がこの範囲内であると、ぎらつき感を充分に抑えて「ぼかし」効果を発現させることができ、さらに、より自然な仕上がり感を得ることができるので好ましい。
【0028】
このような球状粉体の具体例としては、球状であるSiO、Al等の金属酸化物、硫酸バリウム等の硫酸塩、炭酸カルシウム等の炭酸塩等の無機化合物、ポリエチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ナイロン、セルロース、シリコーン及びポリウレタン等の高分子化合物等が挙げられる。球状粉体は、1種又は2種以上の混合物として使用することができる。
【0029】
(B)成分の球状粉体は、必要に応じて(A)成分と同様に、疎水化処理して使用しても良い。
【0030】
化粧料中における(B)成分の含有量は、全組成中に0.1〜30重量%程度とすることが好ましく、1〜20重量%とすることが、さらに好ましい。(B)成分の球状粉体の含有量が上記範囲内であれば、凹凸を目立ちにくくする効果に優れるとともに、使用感も良好であり好ましい。
【0031】
本発明の化粧料の着色顔料としては、上記板状着色顔料以外に、酸化鉄、酸化クロム、紺青、タール系色素等の着色顔料(例えば最新化粧品科学<改訂増補2>(日本化粧品技術者会編、薬事日報社)第330〜387頁に記載)が挙げられる。
【0032】
本発明の化粧料には、上記の必須成分である(A)及び(B)成分の他に、必要に応じて通常の化粧料に配合される成分を配合することができる。例えば、界面活性剤、高分子化合物、油分、体質顔料、保湿剤、防腐剤、薬剤、紫外線吸収剤、抗酸化剤、無機酸塩又は有機酸塩、香料、キレート剤、pH調整剤、水等を配合することができる。
【0033】
本発明の化粧料は、上記各材料を用いて常法に従って製造することができ、粉末固形型、高含油粉末固形型、油分散型、水分散型、油中水乳化液、水中油乳化液等の任意の剤型とすることができる。
【0034】
本発明の化粧料を顔面等に塗布すると、(A)成分である板状着色顔料は反射干渉光の散乱、吸収が抑えられているため、板状粉体を高屈折率粉体で被覆したいわゆるパール顔料由来の反射干渉光による仕上がりを明るくする効果と、当該パール顔料表面を被覆する着色顔料による着色効果とが充分に得られると共に、(B)成分である球状粉体が、毛穴、小じわ等の凹凸部に均一に付着して、形態上の難点がある部分を目立たなくする「ぼかし」効果と、使用感をなめらかにする効果を発現するため、化粧後には毛穴、小じわ等の凹凸部の形態上の難点が目立たない効果が強化され、使用感が良好で、透明感のある明るい色を有し、肌の凹凸が目立たない自然な仕上がりが得られる。
【0035】
特に本発明の化粧料は、色相が10P以上5YR未満の板状着色顔料(A−1)と色相が5YR以上10GY以下の板状着色顔料(A−2)夫々を適宜選択し、配合比を調節することによって、明るい肌色の仕上がりが得られる。
【0036】
本発明の化粧料は、特にファンデーション、白粉、コンシーラー、頬紅、アイシャドウ、アイブロウ等に適用可能であり、凹凸が目立たず、且つ、透明感のある明るい自然な肌色を有する仕上がりの効果が有効に発揮される点から、ファンデーションとして非常に好適に用いることができる。
【0037】
【実施例】
(評価方法)
1.外観色
外観色は、プレス成形可能な検体は、全皿に充填し成形した試料を、プレス成形不能な又は液状の検体は、液体/粉末用セルに充填して、測色装置(日本電子(株):SQ−300H)で測色した。
【0038】
2.平均粒子径の測定方法
レーザー回折/散乱式粒度分布計(堀場製作所、LA−920)を用いて、分散溶媒:エタノール、循環速度:4、超音波分散:1分間にて体積平均粒子径を測定した。
【0039】
(製造例1)
雲母75重量部をイオン交換水500重量部に添加して撹拌して均一に分散させて得られた分散液に、濃度30重量%の硫酸チタニル水溶液250重量部を加え、撹拌しながら加熱して4時間沸騰させた。放冷後、濾過、水洗し、950℃で焼成して、二酸化チタン(屈折率2.71)で被覆された雲母(屈折率1.58)(雲母チタン)100重量部を得た。また、別に硫酸第二鉄n水和物60重量部をイオン交換水2000重量部に溶解させ、これを0.1mol/L水酸化ナトリウム水溶液でpH2.8に調整して得られた水溶液に、先に製造した雲母チタン100重量部を加えて、充分に撹拌して均一に分散させた。次に、この雲母チタン分散液を撹拌しながら加熱して、6時間沸騰させた。放冷後、濾過、水洗して、黄酸化鉄で被覆された雲母チタン(黄色着色雲母チタン)103重量部を得た。得られた黄色着色雲母チタンの平均粒子径は8.2μmであり、着色剤の被覆率は黄色着色雲母チタン全体に対して7重量%であった。また、外観色はマンセル表色系において4.8Y、明度5.5であった。
【0040】
(製造例2)
硫酸第二鉄n水和物60重量部をイオン交換水2000重量部に溶解させ、これを0.1mol/L水酸化ナトリウム水溶液でpH2.8に調整して得られた水溶液にENGELHARD社製の雲母チタン(FLAMENCO SATIN RED 460M)100重量部を加えて、充分に撹拌して均一に分散させた。次に、この雲母チタン分散液を撹拌しながら加熱して、6時間沸騰させた。放冷後、濾過、水洗し、800℃で2時間焼成して赤酸化鉄で被覆された雲母チタン(赤色着色雲母チタン)102重量部を得た。得られた赤色着色雲母チタンの平均粒子径は7.3μmであり、着色剤の被覆率は赤色着色雲母チタン全体に対して7重量%であった。また、外観色はマンセル表色系において6.5R、明度5.3であった。
【0041】
(製造例3)
セリサイト50重量部をイオン交換水500重量部に添加して撹拌して均一に分散させて得られた分散液に濃度30重量%の硫酸チタニル水溶液300重量部を加え、撹拌しながら加熱して4時間沸騰させた。放冷後、濾過、水洗し、950℃で焼成して、二酸化チタン(屈折率2.71)で被覆されたセリサイト(屈折率1.57)(セリサイトチタン)100重量部を得た。また、別に硫酸第二鉄n水和物60重量部をイオン交換水2000重量部に溶解させ、これを0.1mol/L水酸化ナトリウム水溶液でpH2.8に調整して得られた水溶液に先に合成した雲母チタン100重量部を加えて、充分に撹拌して均一に分散させた。次に、このセリサイトチタン分散液を撹拌しながら加熱して、6時間沸騰させた。放冷後、濾過、水洗し、800℃で2時間焼成して赤酸化鉄で被覆されたセリサイトチタン(赤色着色セリサイトチタン)103重量部を得た。得られた赤色着色セリサイトチタンの平均粒子径は11.2μmであり、着色剤の被覆率は赤色着色セリサイトチタン全体に対して7重量%であった。また、外観色はマンセル表色系において2.8R、明度4.7であった。
【0042】
(実施例1〜5、比較例1〜6)
製造例1〜3、従来の着色顔料、及び市販品の着色雲母チタンを用い、表1に示す組成で、リキッドファンデーションを調製し、該リキッドファンデーションを使用した時の「凹凸の目立ちにくさ」、「使用感(ざらつきのなさ・なめらかさ)」、「透明感のある仕上がり」、「明るい仕上がり」、「自然な肌色」を評価した。
【0043】
<製法>
表4に示す組成で、成分(1)〜(15)を混合し、得られた混合物を粉砕機に供して、粉砕した。得られた粉砕物を、70℃で加熱した成分(20)に添加し、70℃でホモミキサー処理をした。これにさらに70℃に加熱した成分(16)〜(19)を加え、70℃でホモミキサー処理をして、実施例1〜5及び比較例1〜6の液状ファンデーションを得た。
【0044】
<評価方法>
実施例1〜5及び比較例1〜6のリキッドファンデーションを、化粧品専用パネラー20名が使用し、下記の5段階の評価基準及び判定基準により判定した。
【0045】
[評価基準]
5点:非常に良好
4点:良好
3点:普通
2点:やや不良
1点:不良
[判定基準](パネル20人による評価基準点の平均値)
◎:4点以上〜5点以下
○:3点以上〜4点未満
△:2点以上〜3点未満
×:1点以上〜2点未満
各リキッドファンデーションの評価結果を表1に示す。
【0046】
【表1】


【0047】
*1 東色ピグメント社、D−800
*2 東色ピグメント社、D−400
*3 綜研化学社、MP2200
*4 東色ピグメント社、D−300
*5 MERCK社、TIMIRON MP−25を分級し平均粒子径38μmとしたもの(2.4Y、明度:7.2)
*6 MERCK社、COLORONA RED BROWNを分級し平均粒子径35μmとしたもの(9.8R、明度:4.1)
*7 MERCK社、TIMIRON MP−1005
表1から明らかなように、本発明の着色雲母チタンと球状粉体を含有した実施例1〜5のリキッドファンデーションは、凹凸が目立たず、且つ、透明感がある自然な肌色の明るい仕上がりで、使用感も良好であった。特に、従来の顔料を含まず、本発明の着色雲母チタンのみで着色した実施例1については、すべての評価においてより良好な結果が得られた。
【0048】
これに対し、パール顔料を含有せず、従来の着色顔料のみで着色した比較例1のファンデーションは、凹凸は目立たなかったが、着色顔料が可視光を散乱してしまい、透明感のない暗く重たい印象の仕上がりであった。市販の着色雲母チタンを使用した比較例2は、着色効果が不充分なため肌色を調整するのに多量の着色雲母チタンを配合しなければならず、明るい仕上がりは得られるものの、不自然なギラつきがあり、結果として凹凸が目立ち、また、透明感のある仕上がりや自然な肌色において本発明品1〜5より劣るものであった。また、製造例1または2の着色雲母チタンを1種のみ含有した比較例3〜4は、肌色に調色するために従来の着色顔料を多く配合しているため、自然な肌色において本発明品1〜5に劣るものであった。平均粒子径が1μm未満の球状粉体を使用した比較例5では、本発明の着色雲母チタンの効果により透明感のある、明るい仕上がりで自然な肌色であったが、なめらかさがなくなり使用感が悪化した。平均粒子径が20μmより上の球状粉体を使用した比較例6では、本発明の着色雲母チタンの効果により透明感のある、明るい仕上がりで自然な肌色であったが、使用感がざらつき悪化した上、凹凸も少し目立つ仕上がりとなった。
【0049】
(実施例6:クリーム状ファンデーション)
表2に示す組成に従って、成分(7)〜(10)を70℃で加熱撹拌後、充分混合粉砕された成分(11)〜(19)を添加し、70℃でホモミキサー処理をした。これにさらに70℃に加熱した成分(1)〜(6)を加え、70℃でホモミキサー処理をした。これを撹拌しながら冷却し45℃で成分(20)を加え、室温まで冷却してクリーム状ファンデーションを得た。このクリーム状ファンデーションを実施例1〜5と同様の手法及び評価基準により評価した結果を、後述の表8に示す。
【0050】
【表2】


【0051】
(実施例7:固形粉末状ファンデーション)
表3に示す組成に従って、成分(1)〜(11)を撹拌混合したものに、予め加熱しておいた成分(12)、(13)を添加し、混合分散し、粉砕機で粉砕し、中皿に打型して固形粉末状ファンデーションを得た。この固形粉末状ファンデーションを実施例1〜5と同様の手法及び評価基準により評価した結果を、後述の表8に示す。
【0052】
【表3】


【0053】
(実施例8:粉末ルース状ファンデーション)
表4に示す組成に従って、(1)〜(11)を撹拌混合したものに、予め加熱しておいた(12)を添加し、混合分散し、粉砕機で粉砕した後、ふるいを通して粉末ルース状ファンデーションを得た。この粉末ルース状ファンデーションを実施例1〜5と同様の手法及び評価基準により評価した結果を、後述の表8に示す。
【0054】
【表4】


【0055】
(実施例9:粉白粉)
表5に示す組成に従って、(1)〜(9)を撹拌混合したものに、粉砕機で粉砕した後、ふるいを通して粉白粉を得た。この粉白粉を実施例1〜5と同様の手法及び評価基準により評価した結果を、後述の表8に示す。
【0056】
【表5】


【0057】
(実施例10:固形白粉)
表6に示す組成に従って、(1)〜(9)を撹拌混合したものに、予め加熱しておいた(10)〜(12)を添加し、混合分散した後、(13)を噴霧し均一に混ぜた。これを粉砕機で粉砕し、中皿に打型して固形白粉を得た。この固形白粉を実施例1〜5と同様の手法及び評価基準により評価した結果を、後述の表8に示す。
【0058】
【表6】


【0059】
(実施例11:水中油乳化型(O/W)クリーム)
表7に示す組成に従って、(15)に(12)〜(14)を加え充分に撹拌混合し、充分に混合粉砕された(8)〜(10)を撹拌しながら添加し分散させた。これに、加熱溶解された(1)〜(7)の油相を徐々に添加し、70℃でホモミキサー処理して乳化させ、撹拌しながら冷却し、45℃で(11)を加え、室温まで冷却して、水中油乳化型(O/W)クリームを得た。この水中油乳化型(O/W)クリームを実施例1〜5と同様の手法及び評価基準により評価した結果を、後述の表8に示す。
【0060】
【表7】


【0061】
表8に示すように、実施例6〜11で得られた化粧料はいずれも、凹凸が目立たず、且つ、透明感のある明るい仕上がりが得られた。自然な肌色のきめ細かな仕上がりで、かつ、額部と頬側面部の塗布色の差が非常に少ない自然な仕上がりを示し、使用感も良かった。
【0062】
【表8】


【0063】
【発明の効果】
本発明の化粧料は、(A)成分の板状着色顔料によってパール顔料由来の光沢を損なうことなく十分な着色効果が得られると共に、(B)成分である球状粉体によって「ぼかし」効果と使用感をなめらかにする効果が得られるので、使用感が良く、透明感のある明るい色を有し、肌の凹凸が目立たない自然な仕上がりが得られる。
【0064】
特に本発明の化粧料は、着色顔料として、色相が10P以上5YR未満の板状着色顔料(A−1)と色相が5YR以上10GY以下の板状着色顔料(A−2)を組み合わせて用いることによって、明るい肌色の仕上がりが得られる。
【0065】
従って、本発明の化粧料を化粧を施したい部分に塗布することにより、使用感が良好で、明るく透明感があり、肌の凹凸が目立たない自然な肌色が得られる。
【出願人】 【識別番号】000000918
【氏名又は名称】花王株式会社
【住所又は居所】東京都中央区日本橋茅場町1丁目14番10号
【出願日】 平成14年8月22日(2002.8.22)
【代理人】 【識別番号】100104499
【弁理士】
【氏名又は名称】岸本 達人

【識別番号】100108800
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 哲郎

【識別番号】100101203
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 昭彦

【公開番号】 特開2004−83423(P2004−83423A)
【公開日】 平成16年3月18日(2004.3.18)
【出願番号】 特願2002−242639(P2002−242639)