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【発明の名称】 プロアントシアニジン配合オタネニンジン抽出物製剤
【発明者】 【氏名】直井武司

【要約】 【課題】オタネニンジン抽出物にプロアントシアニジンを配合することを特徴とするプロアントシアニジン配合オタネニンジン抽出物製剤の提供。

【解決手段】オタネニンジン抽出物に、フランス海岸松樹皮から抽出・精製されたプロアントシアニジンを1:0.1〜1の重量割合で配合する構成。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
オタネニンジン抽出物にプロアントシアニジンを、1:0.1〜1の重量割合で配合することを特徴とするプロアントシアニジン配合オタネニンジン抽出物製剤。
【請求項2】
プロアントシアニジンが、フランス海岸松樹皮から抽出・精製された成分である、請求項1のプロアントシアニジン配合オタネニンジン抽出物製剤。
【請求項3】
ハードカプセル、ソフトカプセル、錠剤、散剤、液剤の何れかの形態で提供される、請求項1のプロアントシアニジン配合オタネニンジン抽出物製剤。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、オタネニンジン抽出物にプロアントシアニジン(proanthocyanidin)を、1:0.1〜1の重量割合で配合することを特徴とするプロアントシアニジン配合オタネニンジン抽出物製剤に関する。
【0002】
【従来の技術】現代人は“ストレス社会”という言葉で象徴されるように数多くのストレスに囲まれて生活している。毎日の家庭や学校、職場でのちょっとしたストレスから、病気や近親者との離別(死別を含めて)など、大きなストレスを経験することも珍しくない。この場合のストレスは社会的、精神的ストレスのことで、ストレス反応としては怒りや緊張、不安など心理的に表出される。ストレスはそのほか物理的(暑さ、寒さ、騒音)、化学的(たばこ、酒、排気ガスなど)、生理的(飢え、感染、過労)等があり、全てに生体にとって不快を催すものをいう。
【0003】そこで、人体は交感神経と副交感神経により常時コントロールされ、環境の変化などに対応できるようになっている。交感神経は外敵の攻撃に対して逃げたり、反撃を加えるために副腎のアドレナリン分泌を亢進し、心拍を速め動脈を収縮させて血圧を上げるなどの働きをしている。これと対称的に副交感神経は血圧を低下させ末梢の循環を改善するなど休息の状況を作る。
【0004】オタネニンジン(Panax ginseng C.A.Meyer)は、滋養強壮、造血、精神安定、腱胃整腸、微小循環の改善、免疫増強など多彩な薬効をもつことから古来より多くの疾患の治療に用いられてきた。人参に含まれる成分の解析が進むとともに、それぞれの成分の薬理活性に関する研究が行われ、代謝系、循環器系、消化器系、中枢神経系、及び免疫系に対する調節作用だけでなく、抗腫瘍及び抗炎症など、様々な方面で薬効を発揮することが実験的に証明されつつある。
【0005】一方、プロアントシアニジンは、各種植物体中に存在するポリフェノールであり、フラバン−3−オールまたはフラバン−3,4−ジオールを構成単位として縮合もしくは重合により結合した化合物群であり、これらは酸処理によりシアニジン、デルフィニジン、ペラルゴニジン等のアントシアニジンを生成するところから、この名称が与えられているものである。そして上記構成単位の2量体、3量体、4量体さらに10〜100量体以上の高分子のプロシアニジン、プロデルフィニジン、プロペラルゴニジン等のプロアントシアニジンおよびそれらの立体異性体、それらの没食子酸エステル等を含むものであり、分子量にして約600〜500000と非常に幅広い分子量分布を持った化合物群である。
【0006】フランス海岸松樹皮抽出物(French maritime pine bark extract)は、フランスのボルドー地方の海岸に植生する学名:Pinus pinaster(French maritime)という松の樹皮からの抽出物で、プロアントシアニジンを主体とした約40種類の有機酸を含む生体フラボノイド複合体を主成分とする。その薬理効果は多彩で、1)老人の脳血流障害の改善(.Cahn and M.G. Borzeix, Sem. Hop. Paris, 1983, 59, No.27−28, 2031−2034)、2)動脈硬化症による末梢血流障害の改善、3)血栓予防(米国特許第5720956号)、4)ADHD(注意欠陥多動障害=いわゆる、落ち着きのない子、多動児)への改善・治療効果(米国特許第5719178号)、5)糖尿病性網膜症(フランスでは、医薬品として認可)、6)美肌効果、7)鎮痛作用、8)不眠の改善・治療、9)こむら返りの治療、10)慢性疲労症候群:CFS(chronic
fatigue syndrome)の改善・治療、11)その他;足のむくみ、静脈瘤、花粉症や喘息等のアレルギー性疾患、眼精疲労、糖尿病、インフルエンザ、ガンの予防といったような疾患の改善・治療効果が報告されている。また、安全性についても、過去30年間に亘る、フランス、イギリス、アメリカ、ドイツ、イタリアなどの研究者によって、フランス海岸松樹皮抽出物の安全性は確認されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】社会環境が複雑になり、精神的緊張が続く生活は、現代人をストレス状態に陥らせている。適度なストレスは生活や仕事の上でプラスになる場合もあるが、持続する過度のストレスは身体をコントロールしている自律神経(交感神経)を過緊張にさせる。そして、ストレスは単なる心身症というだけでなく、生活習慣病をはじめとしたあらゆる病気の引き金にもなっている。さらに、体の不調感や異常感、また、ストレスの増大にしたがって増える飲酒や喫煙などもあいまって、健康に多大な悪影響を与えている。
【0008】このようなストレスは、自律神経を介して、免疫系や循環器系に働き、これらのバランスを乱す。交感神経系の緊張持続は、皮膚を含めた全身性の顆粒球の炎症と激しい血流障害が伴う。このような状態は、個体が粘膜破壊や臓器障害を受け病気が発症することを意味している。例えば、脈拍上昇、高血圧、高血糖、腰痛、肩凝り、慢性疲労、胃潰瘍、潰瘍性大腸炎、アトピー性皮膚炎、慢性関節リウマチなどの交感神経緊張症状が挙げられる。従って、これらの病気に対しては、現在行われているような単なる対症療法では根治的な治療の成功につながらない。
【0009】オタネニンジンは、滋養強壮、造血、精神安定、腱胃整腸、微小循環の改善、免疫増強など多彩な薬効をもつことが報告されている。また、フランス海岸松樹皮抽出物の有効成分であるプロアントシアニジンに関しては、抗酸化作用、抗炎症作用、末梢血管拡張作用、血小板凝集阻止能、末梢血管抵抗減弱作用、結合組織の補強作用といった薬理作用が報告されている。これらのオタネニンジン並びにプロアントシアニジンの薬理作用は、共にストレス性の交感神経緊張症状の予防、並びに改善に寄与すると考えられる。しかし、それぞれを単独で含有する製剤は知られているが、これらを複合した製剤はこれまで知られていない。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、オタネニンジン抽出物にプロアントシアニジンを、1:0.1〜1の重量割合で配合することを特徴とするプロアントシアニジン配合オタネニンジン抽出物製剤を提供するものである。特に、オタネニンジン抽出物に、フランス海岸松樹皮から抽出・精製されたプロアントシアニジンを配合するプロアントシアニジン配合オタネニンジン抽出物製剤は有効であり、ハードカプセル、ソフトカプセル、錠剤、液剤、散剤の形態で内服・外用に提供する。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明においてプロアントシアニジン配合オタネニンジン抽出物製剤とは、オタネニンジン抽出物にプロアントシアニジンを、1:0.1〜1の重量割合で配合するものをいう。
【0012】本発明に用いるオタネニンジン抽出物は、常法により得られるものでよく、例えば、オタネニンジン根を水または含水エチルアルコールを用いて抽出して調製したものが挙げられるが、またそれら抽出物をコストが許容される範囲で濃縮、凍結乾燥、噴霧乾燥によって調製されたものでも良い。具体的には一和社(大韓民国)製の原料、一和高麗人蔘濃縮茶(商品名)が特に好ましいものとして挙げられる。
【0013】本発明に用いるプロアントシアニジンは、プロアントシアニジンが約20〜70%以上の高含量を認めるフランス海岸松から水または特定の有機溶媒を用いて抽出して調製したものが挙げられるが、またそれら抽出物をコストが許容される範囲で濃縮、分子ふるい、クロマトグラフィーなどによる精製によって調製されたものでも良い。具体的にはフランス セレクトケミー社製の原料が特に好ましいものとして挙げられる。
【0014】本発明のプロアントシアニジン配合オタネニンジン抽出物製剤に添加、混合される成分としては、各種糖質や乳化剤、甘味料等が挙げられる。より具体的には、グルコース、シュークロース、フラクトース、蜂蜜等の糖類、ソルビトール、キシリトール、エリスリトール、ラクチトール、パラチニット等の糖アルコール、ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン糖脂肪酸エステル、レシチン等の乳化剤、が挙げられる。この他にも、ビタミンA、ビタミンB類、ビタミンC、ビタミンE等の各種ビタミン類やハーブエキス、穀物成分、野菜成分、乳成分等を配合してもよい。
【0015】オタネニンジン抽出物の服用量は、体重1kg当たり、1日につき15〜30mgが通常である。体重50kgの成人であれば、1日当たり750〜1500mgを服用する。また、プロアントシアニジンの服用量は、体重1kg当たり、1日につき1.5〜3mgが通常である。体重50kgの成人であれば、1日当たり75〜150mgを服用する。但し1回の服用量は、活性酸素除去効果を発揮する様に、30〜75mgが適当である。
【0016】
【実施例】次に実施例および参考例を挙げ、本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例等に何ら制約されるものではない。
【0017】(実施例1)プロアントシアニジン配合オタネニンジン抽出物製剤として、1ソフトカプセルあたり、オタネニンジン抽出物(一和社製商品名「一和高麗人蔘濃縮茶」)を66.7mg並びにプロアントシアニジン(フランス
セレクトケミー社製)を20mg、賦形剤としてサフラワー油を154mg、ミツロウを17mg、ゴマイーストを10mg、ビタミンCを40mg、ビタミンEを20mg、及びβ−カロチンを7.5mgの割合で配合した。
【0018】(参考例1:潰瘍性大腸炎)患者は、下痢,粘血便(粘液に血液が混じった軟便)が続き,腹痛,しぶり腹(便が出そうで出ない),微熱などの症状を認め、抗炎症剤(プレドニン、ソルコーテフ、デキサメサゾン等)を服用していた。消化器科専門医による内診、血液学的検査、内視鏡的診断を受け、潰瘍性大腸炎と診断された18歳から70歳までの80名を対象とした。患者を無作為に20人ずつ4群に分け、2重盲検法によって、内容物の見えないカプセルに、実施例1によって配合した、プロアントシアニジン配合オタネニンジン抽出物製剤、オタネニンジン抽出物1抜き製剤、プロアントシアニジン1抜き製剤、オタネニンジン抽出物及びプロアントシアニジン2抜き製剤を、1回3カプセルを朝夕2回食後に4週間内服させた。
【0019】重症度による分類は、▲1▼下痢が1日に6回以上ある、▲2▼血便があきらかにある、▲3▼37.5℃以上の発熱がある、▲4▼1分間に90回以上の脈拍がある、▲5▼血液検査上、ヘモグロビンが10g/dl以下である、▲6▼血液検査上、血液沈降速度(BSR)が30mm/hr以上である、条件のうち、▲1▼〜▲2▼があって、かつ▲3▼〜▲6▼のうち、2項目以上のものを重症、▲1▼〜▲6▼のすべてがないものを軽症、その間のものを中等症、重症よりさらに悪いものを激症とした。
【0020】ステロイドホルモンは、社会生活に影響を及ぼす副作用として、骨頭壊死、骨粗鬆症→骨折、白内障、緑内障、難聴、高血圧症、糖尿病、血液凝固異常→血栓症、ステロイド筋症、ステロイド神経症、発育障害、精神障害→不眠、うつ状態が挙げられる。また、社会生活にはそれほど影響はないが、容姿など心理的影響のある副作用に、満月様顔貌、中心性肥満、皮膚線条、多毛、脱毛、ざ蒼(にきび)が挙げられる。これらの中で、一度起こってしまうとステロイドの投与を中止しても治らない(「不可逆性」と言う)ものが、骨頭壊死および難聴である。そのほかのものは合併症の進行状態にもよるがステロイドを中止していくと治る傾向がある。
【0021】投与4週間後、服用前の比べ、重症度が悪化した場合:1階級につき−1、変化がなかった場合:0、改善した場合:1階級につき+1として採点した。その平均並びに標準偏差(S.D.)は、対照群(オタネニンジン抽出物及びプロアントシアニジン2抜き製剤を服用)が−1±0.2、オタネニンジン投与群(プロアントシアニジン1抜き製剤を服用)が0.3±0.3、プロアントシアニジン投与群(オタネニンジン抽出物1抜き製剤を服用)が0.4±0.3、プロアントシアニジン配合オタネニンジン抽出物投与群(プロアントシアニジン配合オタネニンジン抽出物製剤を服用)が1.3±0.4(対照群との有意差:p<0.01)、であった。
【0022】プロアントシアニジン配合オタネニンジン抽出物投与群において、全例に症状の寛解が認められた。しかもステロイド服用量を半分ないし、3分の1に減量することが可能になった患者、また顕著な例では服用を一切必要としなくなった患者が認められた。潰瘍性大腸炎の原因はまだ解明されていないが、組織病理学的所見によって、顆粒球の顕著な浸潤が認められた。このことは、活性酸素による組織障害がその一要因であることを物語っている。すなわち、交感神経の過緊張による血流障害と顆粒球増多による組織障害が背景にあることを見て取ることができる。オタネニンジンの末梢血管拡張作用(Chen,X.et al.,Br.J.Pharmcol.,115,15−18,1995)と、プロアントシアニジンの末梢血管拡張作用(Fitzpatrick,D.F.et al.,J.Cardiovasc.Pharmacol.,32,509−515,1998)が相乗的に作用したこと、さらに、プロアントシアニジンの活性酸素除去作用並びに抗炎症作用(Blazso,G.et al.,Pharm.Parmacol.Lett.,3,217−220,1994)が奏効したと考えられる。
【0023】
【発明の効果】現代の、潰瘍性大腸炎治療の中心はステロイドホルモンである。ステロイドホルモンは、社会生活に影響を及ぼす、あるいは社会生活にはそれほど影響はないが、容姿など心理的影響のある副作用がある割には治療効果のない対症療法に過ぎない。したがって、患者はステロイド依存からくる合併症や副作用を防ぐため、完全な適応となる前に手術による切除を希望する患者もいる。このように潰瘍性大腸炎に対する確実に効く薬がまだ発見されていない中、参考例1の結果は、プロアントシアニジン配合オタネニンジン抽出物製剤が、プロアントシアニジン及びオタネニンジン抽出物をそれぞれ単独で使用する場合に比較して、これらを複合することによって顕著な治療効果を発揮することを示唆している。しかも、副作用は認められなかった。以上より、プロアントシアニジン配合オタネニンジン抽出物製剤が、潰瘍性大腸炎に対しこれまでの治療法以上に効果的なものであるといえる。
【出願人】 【識別番号】500403907
【氏名又は名称】株式会社アイジェイ
【出願日】 平成14年8月14日(2002.8.14)
【代理人】
【公開番号】 特開2004−75587(P2004−75587A)
【公開日】 平成16年3月11日(2004.3.11)
【出願番号】 特願2002−236286(P2002−236286)