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【発明の名称】 コラーゲン合成促進剤
【発明者】 【氏名】松浦 敬一
【住所又は居所】愛知県名古屋市中区丸の内3丁目2番22号 松浦薬業株式会社内

【氏名】今井 昇治
【住所又は居所】愛知県名古屋市中区丸の内3丁目2番22号 松浦薬業株式会社内

【氏名】深谷 幸隆
【住所又は居所】愛知県名古屋市中区丸の内3丁目2番22号 松浦薬業株式会社内

【要約】 【課題】本発明は、生体内のコラーゲン合成能を促進し、新陳代謝を活性化するコラーゲン合成促進剤を提供すること課題とする。

【解決手段】コラーゲン合成促進剤の有効成分として、キシュウロウロやコウカロウロ等のラポンティクム属に属する植物から選ばれる1種または2以上の植物より得られる粉末および/または抽出物および/または抽出物および/または該抽出物の粗精製物および/または精製物を用いる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラポンティクム属に属する植物から選ばれる1種または2種以上の植物粉末および/または抽出物および/または該抽出物の粗精製物および/または精製物を含むことを特徴とするコラーゲン合成促進剤
【請求項2】
該ラポンティクム属に属する植物とは、キシュウロウロまたはコウカロウロである請求項1に記載のコラーゲン合成促進剤
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、生体内でのコラーゲン合成を促進し、生体組織の新陳代謝を活性化するコラーゲン合成促進剤に関するものである。
【0002】
【発明の背景】
コラーゲンは、骨や皮膚等の結合組織を構成する主要なタンパク質であり、殆んどの生体組織内に存在し、生体内の総タンパク質の約30質量%を占める。コラーゲンは構造タンパク質、骨格タンパク質として形態を形成することを主な機能とし、また更に血小板やフィブロネクチンとの相互作用、平滑筋細胞との特異的な相互作用等の機能をも有しており、コラーゲンは生体内で種々の重要な役割を担っている。
ところで、コラーゲンは生体内において加齢による新陳代謝の低下に伴って減少することが知られており、このコラーゲンの減少によって、老化の進行、慢性疾患の回復遅延等の種々の症状が引き起こされると考えられている。コラーゲンの減少に伴う老化の進行としては、例えば、皮膚の弾力性、柔軟性の低下による皮膚の老化(シワ、タルミ等)の進行がある。
また生体内では組織が損傷を受けると修復反応が起こり、組織の再構築が行われ、例えば、皮膚潰瘍では肉芽形成、骨折では仮骨形成等の組織の再構築が行われる。これらの組織の再構築においてもコラーゲンは重要な役割を担っており、生体内でコラーゲンが減少すると、これらの修復反応が起こり難くなることが知られており、一方、生体内におけるコラーゲン合成を活性化すると、修復反応が活性化され、例えば、褥瘡、糖尿病性血管潰瘍、老人性骨折あるいは骨欠損等の治癒が促進されることが知られている。
【0003】
【従来の技術】
従来、加齢に伴う新陳代謝の低下を改善するための薬剤として、杜仲および人参若しくはそれらの抽出物を必須成分とする皮膚賦活剤が提供されている(特開平9−67262)。この特許には皮膚賦活剤を経口摂取することにより、皮膚の新陳代謝を促進し、皮膚の組織合成能が高められることが記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記皮膚賦活剤を経口摂取した場合の効果を検証した例はいまだ少なく、また該皮膚賦活剤の必須成分として朝鮮人参が使用されているが、該人参は高価であり、よりコストの低い薬剤の提供が望まれている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決するための手段として、ラポンティクム属に属する植物から選ばれる1種または2種以上の植物粉末および/または抽出物および/または該抽出物の粗精製物および/または精製物を含むコラーゲン合成促進剤を提供するものである。
該ラポンティクム属に属する植物とは、キシュウロウロまたはコウカロウロである。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のコラーゲン合成促進剤とは、少なくとも必須要素としてラポンティクム(Rhaponticum) 属に属する1種または2種以上の植物の粉末および/または抽出物および/または該抽出物の粗生成物および/または精製物を含むものである。
【0007】
本発明で使用されるラポンティクム属の植物としては、コラーゲン合成を促進する成分が含まれているものであれば如何なる種類の植物であってもよい。コラーゲン合成を促進する成分を含むラポンティクム属の植物としては、例えば、キシュウロウロ(Rhaponticum uniflorum) 、コウカロウロ(Rhaponticum carthamoides)がある。
【0008】
上記植物より粉末を得るに場合は、該植物を細かく裁断し、それを乾燥する方法等の公知の方法によって粉末を得る。
また上記植物より抽出物を得る場合も公知の方法によって行われる。以下に抽出物を得る1つの方法を例示する。
1種または2種以上の上記植物を乾燥させたものを裁断して粉末にし、この粉末に抽出溶媒を加え、所定温度で所定時間、静置または攪拌しながら有効成分を抽出する。
なお上記抽出溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール類、アセトン、エチルメチルケトン等のケトン類、ジオキサン、エチルエーテル等のエーテル類、酢酸エチル等のエステル類、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類、クロロホルム、ジクロロメタン等のハロゲン化脂肪族炭化水素類、水等の溶媒があり、これらの溶媒を単独でまたは2種以上組合わせて使用される。なお抽出物の安全を確保する上で、水およびエタノール等のアルコール類を使用することが好ましい。
【0009】
上記抽出後、濾過、遠心分離等により固液分離を行って抽出液が得られる。
なお本発明のコラーゲン合成促進剤に使用される抽出物としては、上記のような抽出液をそのまま使用してもよいが、該抽出液を希釈、濃縮、乾燥等して該抽出液の希釈液、該抽出液の濃縮液、該抽出液より得られるエキス(乾燥エキスを含む)を、本発明の抽出物として使用しても良い。
【0010】
また上記抽出物を更に粗精製または精製して、該抽出物から粗精製物または精製物を調製し、これらを本発明のコラーゲン合成促進剤に使用しても良い。なお上記精製、粗精製は、吸着剤、クロマトグラフィー等を使用する通常行われる公知の方法によって行われる。
【0011】
ラポンティクム属の植物より得られる粉末、抽出物、粗精製物および精製物には、コラーゲン合成を促進する有効成分が含まれていると考えられる。
【0012】
本発明のコラーゲン合成促進剤は経口より摂取されるものであるので、上記粉末、抽出物、粗精製物、精製物をそのままコラーゲン合成促進剤として用いてもよいが、経口摂取可能である限り、本発明のコラーゲン合成促進剤は、散剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤等の剤型に調製してもよい。
また本発明のコラーゲン合成促進剤には、必須要素である上記粉末、抽出物、粗精製物および精製物以外に、本発明の効果を損なわない範囲において、賦形剤、甘味剤、香味剤、着色剤、増量剤等の添加剤が適宜添加されても良く、また更に、ローヤルゼリー、ムコ多糖類等の動物性抽出物、グリシン、プロリン等のアミノ酸類、抗酸化ビタミン類、不飽和脂肪酸、核酸等の公知の加齢変化防止効果を有する成分が添加されてもよい。
【0013】
また更に本発明のコラーゲン合成促進剤の必須要素である上記粉末、抽出物、粗精製物、精製物を、菓子や清涼飲料水等の種々の食品に添加してもよい。上記粉末等が添加された食品(コラーゲン合成促進食品)には、更に上記公知の加齢変化防止効果を有する成分や上記添加剤を加えても良い。
【0014】
本発明のコラーゲン合成促進剤は、その有効成分が生薬由来であるため、副作用が少なく、長期間服用することが可能であると考えられる。
【0015】
本発明のコラーゲン合成促進剤は、原則、経口摂取するものであるが、該コラーゲン合成促進剤の必須要素を、外用薬として軟膏や化粧品に配合してもよい。
【0016】
以下、本発明を実施例によって説明する。但し、本発明の範囲は以下に示される実施例のみに限定されるものではない。なお「%」は特に断らない限り、重量%を意味する。
〔実施例〕
(組織合成能回復実験)
本実験、即ちホルマリン濾紙法(FFP法:A. Tanaka et al, Endocrinol, Japan, 1960(4),357 〜364 )によって、組織修復能およびコラーゲン合成能の回復効果を測定した。本実験は、Rao 等の報告(Rao et al, Leather Science, Vol.33(1), 1986, 1〜7 )をもとに長期間低蛋白食で飼育して新陳代謝を著しく低下させたラットに対する本発明のコラーゲン合成促進剤の影響を検討したものである。
【0017】
下記条件により測定を行った。
実験動物:5週齢のWister系雄性ラットを1週間予備飼育し、その後、4群(1群5匹)使用した。
飼料:各群のラットに、表1に示す飼料および飲料水を自由に摂取させた。
【0018】
【表1】


【0019】
表1中の混合ビタミンおよび混合ミネラルの詳細は、それぞれ表2および表3に示した。
【0020】
【表2】


【0021】
【表3】


【0022】
試料溶液(コラーゲン合成促進剤):100gのキシュウロウロに、エタノール(70%)1000mLを加え1時間加熱抽出し、抽出液を濾過し、更に濾液を濃縮して、キシュウロウロエキスとした。またコウカロウロについて、同様の操作によってコウカロウロエキスを得た。なお試料溶液のラットへの投与は、1日1回、原生薬換算で1500mg/kgを胃ゾンデを用いて強制的に経口投与した。
【0023】
FFP法の評価:実験開始日より三週間目にエーテル麻酔の下、7%ホルマリンを20μL染み込ませた直径6mm、重量8mgの濾紙(TOYO濾紙、No.126)をラット背部皮下4箇所に埋没した。濾紙を埋没した日から5日間、上記試料、飲料水および試料溶液を与え、その後、ラットをエーテル致死させ、直ちに濾紙を包む肉芽組織を摘出し、肉芽腫湿重量および組織中のヒドロキシプロリン(以下、Hypと略す)の含量を測定し、コラーゲン合成能およびラットの組織修復能の指標とした。
【0024】
FFP法の評価の結果を表4にまとめた。なお表4中の群1の肉芽腫湿重量およびHyp含量を100%とした。また表4中の*1は、Dunnett test(有意水準p<0.01)により統計処理を行った場合、群1(6%蛋白食、イオン交換水)に対し、有意差が認められるものを示す。
【0025】
【表4】


【0026】
表4の結果より、キシュウロウロおよびコウカロウロを摂取した群(群2および群3)において、明らかな肉芽形成の促進、Hyp含量の増加が確認された。
【0027】
上記実施例によって、本発明のコラーゲン合成促進剤には、コラーゲン合成を促進する成分が含まれていることが示唆される。
従って、コラーゲン合成促進剤を服用すれば、生体内でのコラーゲン合成能が促進され、組織合成能を回復することが可能となり、また加齢変化に伴う組織の疲労、機能低下の改善される。更に様々な皮膚創傷、骨粗鬆症等にも効果を発揮することが期待される。
【0028】
【発明の効果】
本発明のコラーゲン合成促進剤を服用すれば、生体内でのコラーゲン合成能が促進される。
【出願人】 【識別番号】000187471
【氏名又は名称】松浦薬業株式会社
【住所又は居所】愛知県名古屋市中区丸の内3丁目2−22
【出願日】 平成14年7月8日(2002.7.8)
【代理人】 【識別番号】100075476
【弁理士】
【氏名又は名称】宇佐見 忠男

【公開番号】 特開2004−35527(P2004−35527A)
【公開日】 平成16年2月5日(2004.2.5)
【出願番号】 特願2002−198810(P2002−198810)