| 【発明の名称】 |
改良粉末品およびその製造方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】若尾 東
【氏名】黒沢 孝司
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| 【要約】 |
【課題】経時劣化を抑制し、その品質を長期にわたり安定して維持することができる、改良粉末品およびその製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の改良粉末品1は、吸湿性を有する粉末原料2と、粉末原料2を被覆した状態で、粉末原料2とともに造粒化された腸溶性被膜剤3と、を含む。また、本発明の改良粉末品の製造方法は、吸湿性を有する粉末原料2を腸溶性被膜剤3で造粒および被覆する造粒・被覆工程によって、改良粉末品1を製造する。さらに、この造粒・被覆工程では、エタノールEと水Wを所定の比率で混合することによって、エタノール水溶液EWを調製し、エタノール水溶液EWに所定の比率の腸溶性被膜剤3を可溶化することにより、可溶化液Gを調製し、可溶化液Gを粉末原料2に添加する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 吸湿性を有する粉末原料と、 当該粉末原料を被覆した状態で、当該粉末原料とともに造粒化された腸溶性被膜剤と、 を含むことを特徴とする改良粉末品。 【請求項2】 吸湿性を有する粉末原料を腸溶性被膜剤で造粒および被覆する造粒・被覆工程によって、改良粉末品を製造することを特徴とする改良粉末品の製造方法。 【請求項3】 前記造粒・被覆工程により造粒化された改良粉末を、所定径以上の粒子が残留するように調粒する調粒工程をさらに備えることを特徴とする、請求項2に記載の改良粉末品の製造方法。 【請求項4】 前記造粒・被覆工程が、 エタノールと水を所定の比率で混合することによって、エタノール水溶液を調製するエタノール水溶液調製工程と、 このエタノール水溶液に所定の比率の前記腸溶性被膜剤を可溶化することにより、可溶化液を調製する可溶化液調製工程と、 この可溶化液を前記粉末原料に添加する可溶化液添加工程と、 を有することを特徴とする、請求項2または3に記載の改良粉末品の製造方法。 【請求項5】 前記エタノール水溶液のエタノールと水との前記所定の比率が、エタノール:水=70〜96重量部:30〜4重量部であり、前記エタノール水溶液に対する前記腸溶性被膜剤の前記所定の比率が5〜40重量部であることを特徴とする、請求項4に記載の改良粉末品の製造方法。 【請求項6】 前記造粒・被覆工程の後に、前記改良粉末の表面に、腸溶性被膜剤をスプレーによりコーティングするスプレーコーティング工程をさらに備えることを特徴とする、請求項2ないし5のいずれかに記載の改良粉末品の製造方法。 【請求項7】 前記造粒・被覆工程の前に、腸溶性被膜剤の微粉化物を、前記粉末原料に加え、強制混合することにより、前記粉末原料の表面に付着させる強制混合工程をさらに備えることを特徴とする、請求項2ないし6のいずれかに記載の改良粉末品の製造方法。 【請求項8】 請求項2〜7のいずれかの製造方法により得られた改良粉末品に、賦形剤、吸着剤、流動化剤、結合剤、付着防止剤、滑沢剤、安定剤、着色剤、分散剤および香料の少なくとも1つを添加することを特徴とする改良粉末品の製造方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】 本発明は、吸湿性を有する粉末原料を含む改良粉末品、およびその製造方法に関する。 【0002】 【従来の技術】 市場には様々な粉末品(粉末状の製品や粉末原料を錠剤化・顆粒化などした製品)が流通しており、その中には、独自の有効成分を豊富に含み、健康維持効果に優れた栄養補助食品として用いられ、市場規模の非常に大きなものもある。また、粉末品は、一般に吸湿性を有し、吸湿しやすいものが多い。その代表的なものとして、プロポリス、人参、にんにく、しそ、パフィア、アロエや霊芝などの動植物のエキス粉末、さらには乳酸菌類や酵素粉末などが挙げられる。このような吸湿性の高い粉末品は、外気、温度変化や配合品などからの影響によって吸湿しやすく、吸湿に起因する変色、異味異臭、固結や分解などの様々な劣化を生じやすい。このため、従来においては、粉末原料を吸着剤により吸着化させた形態や、あるいはフリーズドライまたは他の乾燥法による粉末化後に、錠剤、顆粒、カプセル化や分包化などの形態で、製品しているのが実状である。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】 しかし、このような従来の粉末品は、上記のいずれの製品形態においても、粉末原料自体の吸湿性が改善されているわけではないので、製造時および製品化後に吸湿による劣化が生じやすい。例えば、製造時の吸湿、カプセル化した場合のカプセル水分や、糖衣工程時における水分吸着などによる影響によって吸湿するため、ある程度、劣化することは避けられず、その品質を長期にわたり安定して維持することは困難である。 【0004】 本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、経時劣化を抑制し、その品質を長期にわたり安定して維持することができる、改良粉末品およびその製造方法を提供することを目的としている。 【0005】 【課題を解決するための手段】 この目的を達成するため、本発明の改良粉末品は、吸湿性を有する粉末原料と、 粉末原料を被覆した状態で、粉末原料とともに造粒化された腸溶性被膜剤と、を含むことを特徴としている。 【0006】 この発明は、本発明者により知見された以下の事実に基づいてなされたものである。すなわち、本発明者は、吸湿しやすい各種粉末原料を腸溶性被膜剤で造粒および被覆することで、粉末原料が腸溶性被膜剤により保護され、腸溶性被膜剤が本来的に有する耐湿性、耐熱性や耐酸化性などにより、腸溶性被膜剤で被覆された粉末品のこれらの特性が向上することによって、変色や固結などの劣化を効果的に抑制できることを知見した。この知見に基づき、本発明の改良粉末品は、吸湿性を有する粉末原料を腸溶性被膜剤で被覆し、ブロック状粒子に造粒したものであり、したがって、改良粉末品の経時劣化を抑制し、その品質を長期にわたり安定して維持することができる。 【0007】 また、前記目的を達成するため、本発明の改良粉末品の製造方法は、吸湿性を有する粉末原料を腸溶性被膜剤で造粒および被覆する造粒・被覆工程によって、改良粉末品を製造することを特徴とする。 【0008】 この製造方法によれば、請求項1による改良粉末品を製造でき、それによる上述した利点を得ることができる。 【0009】 この場合、造粒・被覆工程により造粒化された改良粉末を、所定径以上の粒子が残留するように調粒する調粒工程をさらに備えることが好ましい。 【0010】 上記のようにして製造される本発明の改良粉末品は、その粒子の径が小さいほど、腸溶性被膜剤による被覆効果が小さいため、品質安定性も低い傾向にある。したがって、調粒工程によって、所定径以上の粒子のみを残すようにすることによって、高い品質安定性を確保することができる。 【0011】 これらの場合、造粒・被覆工程が、エタノールと水を所定の比率で混合することによって、エタノール水溶液を調製するエタノール水溶液調製工程と、このエタノール水溶液に所定の比率の腸溶性被膜剤を可溶化することにより、可溶化液を調製する可溶化液調製工程と、調製した可溶化液を粉末原料に添加する可溶化液添加工程と、を有することが好ましい。 【0012】 本発明者は、所定の比率で混合されたエタノール水溶液に所定の比率の腸溶性被膜剤を可溶化することにより、低粘性〜高粘性の腸溶性被膜剤の可溶化液が得られ、そのような可溶化液を各種粉末原料に添加したときに、腸溶性被膜剤による高い造粒度合および被覆効果が達成されることを知見した。また、粉末原料の種類に応じて、エタノール水溶液の混合比率および腸溶性被膜剤の比率を変えることが、高い造粒度合および被覆効果を達成するのに有効であることも知見した。これは、粉末原料の種類により、エタノール水溶液との親和性や、エタノール水溶液の浸透性が異なるためである。したがって、本発明によれば、造粒・被覆工程を、上述したようなエタノール水溶液調製工程、可溶化液調製工程、および可溶化液添加工程により行うことによって、品質安定性に優れた改良粉末品を得ることができる。 【0013】 この場合、エタノール水溶液のエタノールと水との所定の比率が、エタノール:水=70〜96重量部:30〜4重量部であり、エタノール水溶液に対する腸溶性被膜剤の所定の比率が5〜40重量部であることが好ましい。 【0014】 本発明者はまた、エタノール水溶液のエタノールと水の混合比率が上記の範囲にあり、かつエタノール水溶液に対する腸溶性被膜剤の混合比率が上記の範囲にあるときに、高い造粒度合および被覆効果を達成するのに最適な可溶化濃度が得られることを知見した。したがって、本発明によれば、品質安定性に非常に優れた改良粉末品を得ることができる。 【0015】 これらの場合、造粒・被覆工程の後に、改良粉末の表面に、腸溶性被膜剤をスプレーによりコーティングするスプレーコーティング工程をさらに備えることが好ましい。 【0016】 この製造方法によれば、粉末原料の表面が、腸溶性被膜剤でダブルコーティングされるので、耐湿性、耐熱性や耐酸化性などがさらに向上することによって、改良粉末品の品質安定性をさらに高めることができる。 【0017】 これらの場合、造粒・被覆工程の前に、腸溶性被膜剤の微粉化物を、粉末原料に加え、強制混合することにより、粉末原料の表面に付着させる強制混合工程をさらに備えることが好ましい。 【0018】 この製造方法によれば、粉末原料を腸溶性被膜剤で造粒・被覆する前に、粉末原料の表面に、腸溶性被膜剤の微粉化物があらかじめ均一に付着され、これを取り囲むので、改良粉末品の品質安定性をより一層、高めることができる。 【0019】 また、請求項2〜7のいずれかの製造方法により得られた改良粉末品に、賦形剤、吸着剤、流動化剤、結合剤、付着防止剤、滑沢剤、安定剤、着色剤、分散剤および香料の少なくとも1つを添加することが好ましい。 【0020】 この製造方法によれば、上記の添加剤の中から少なくとも1つを選択し、添加することによって、添加した添加剤による所望の特性を備えた改良粉末品を得ることができる。 【0021】 【発明の実施の形態】 以下、本発明の好ましい実施形態を、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明による改良粉末品の単体粒子の組成を、模式的に示している。同図に示すように、この改良粉末品1は、所定の粉末原料2を腸溶性被膜剤3で造粒・被覆することによって、ブロック状粒子として形成したものである。したがって、粉末原料2が、腸溶性被膜剤3で保護されることにより、その耐湿性、耐熱性や耐酸化性などが向上することで、粉末原料2の経時劣化を抑制し、その品質を長期にわたり安定して維持することができる。 【0022】 粉末原料2は、吸湿性を有する任意の種類のものを採用できるが、吸湿性の高い前述したプロポリス、人参、にんにく、しそ、パフィア、アロエや霊芝などの動植物のエキス粉末、さらには乳酸菌類や酵素粉末などに適用したときに、本発明による効果を特に有効に得ることができる。 【0023】 また、腸溶性被膜剤3は、とうもろこしから抽出されたアルコール可溶タンパク物質であり、市販のもの(例えば商品名:ツェイン)を用いることができる。 【0024】 次に、上記の改良粉末品1の製造方法を、図2および図3を参照しながら説明する。なお、以下の製造工程は、高温および多湿による製品の品質への悪影響をできるだけ避けるために、例えば温度30℃以下および湿度50%以下の条件下で行われる。まず、エタノールEと水Wを、70〜96重量部:30〜4重量部の比率で、混合槽4に入れ、混合する(図2(a))ことによって、エタノール水溶液EWを調製する(同図(b))。次いで、このエタノール水溶液EWに、5〜40重量部の腸溶性被膜剤3を加え(同図(c))、可溶化する。これにより、腸溶性被膜剤の可溶化液Gが得られる(同図(d))。 【0025】 次に、別の混合槽5内で粉末原料2に可溶化液Gを添加し、攪拌機6で均一に撹拌する(図3(a))。この場合の腸溶性被膜剤3の使用割合は、粉末原料2に対して5〜20重量部である。これにより、粉末原料2を可溶化液Gが包み込み、可溶化液G中の腸溶性被膜剤3が粉末原料2を被覆し、造粒化が行われることによって、図1に示すような改良粉末品1が作られる(同図(b))。次いで、得られた造粒物を、送風後、40〜60℃の温度で乾燥するとともに、所定メッシュのふるい(図示せず)で整粒することによって、粒径が106〜850μmの範囲の改良粉末品1が最終的に得られる。 【0026】 なお、腸溶性被膜剤3による粉末原料2の被覆を最適な可溶化濃度の条件で行うためには、可溶化液Gを粉末原料2に添加した状態で、必要に応じて、撹拌ニーダ、らいかい機や高速撹拌ミキサーなどによる処理を行うとともに、粉末原料2の粉末粒子を均一に湿潤させて練合・造粒し、あるいはさらに、ふるい、破砕機や押出造粒機などで粒状にすることが好ましい。このようにして得られた改良粉末品1の水分範囲は、0.3〜2.5%である。 【0027】 また、図示しないが、図1の改良粉末品1の表面に、腸溶性被膜剤を可溶化した70〜85%エタノール水溶液を、スプレーによりコーティングしてもよい。図4は、それにより得られた改良粉末品1を示しており、その表面には、スプレーコーティングによって、腸溶性被膜剤から成る外被膜層7が形成される。このように、粉末原料2を腸溶性被膜剤3と外被膜層7でダブルコーティングすることによって、改良粉末品1の耐湿性、耐熱性および耐酸化性などが向上し、それにより、その品質安定性をさらに高めることができる。 【0028】 このスプレーコーティングは、図示しないが、例えば回転板式流動コーティング機を用いて行われる。具体的には、改良粉末品1をコーティング容器に入れ、改良粉末品1を回転流動させながら、その表面に、腸溶性被膜剤を可溶化したエタノール水溶液を噴霧することによって、コーティングを行う。コーティング条件(回転速度、風量、スプレー量および圧力、吸気温度および排気温度など)は、粉末原料2の種類に応じて設定される。このようにダブルコーティング処理された改良粉末品1は、乾燥した後、所定メッシュのふるいでふるい分けすることによって、所定径(例えば300μm)以上に整粒される。 【0029】 また、粉末原料2を腸溶性被膜剤3で造粒・被覆する前に、粉末原料2に腸溶性被膜剤の微粉化物8(例えば30μm以下)を加え、強制混合することによって、粉末原料2の表面に付着させるようにしてもよい。これにより、図5に示すように、腸溶性被膜剤の微粉化物8が、粉末原料2の表面にあらかじめ均一に付着され、これを取り囲むので、改良粉末品1の品質安定性をより一層、高めることができる。なお、この強制混合を行う際には、それにより発生する衝撃や摩擦熱などの悪影響をできるだけ抑制するために、ジャケット付き高速攪拌ミキサーなどを用いることが好ましい。 【0030】 さらに、上記のようにして得られた改良粉末品1に、添加剤を添加することによって、添加剤による所望の特性を備えた改良粉末品1を得ることができる。そのような添加剤としては、賦形剤、吸着剤、流動化剤、結合剤、付着防止剤、滑沢剤、安定剤、着色剤、分散剤および香料などが挙げられ、これらの少なくとも1つが添加される。上記のうち、賦形剤としては、セルロース、乳糖、還元麦芽糖水飴、食物繊維、エリスリトール、サイクロデキストリン、デンプン類、ビール酵母、粉末寒天や多糖類などが挙げられる。また、付着防止剤としては、大豆油、菜種油、魚油やコーン油などの動植物油の硬化油、ミツロウ、カルナバロウやライスワックスなどのワックス類、脂肪酸類や、糖脂質などが挙げられる。 【0031】 以下、本実施形態の実施例およびその比較例について説明する。 <実施例1> プロポリス抽出エキス粉末93重量部(93g)に対し、腸溶性被膜剤(商品名:ツェイン)7重量部(7g)を95%エタノール水溶液に分散・可溶化することにより得られた可溶化液を添加し、乳鉢内で均一に湿潤・練合した後、18メッシュのステンレスふるいで調粒し、25〜27℃で送風後、温度50℃で乾燥した。次いで、この乾燥物を16メッシュのステンレスふるいで整粒し、水分1.2%の改良プロポリス抽出エキス粉末98gを得た。 <比較例1> 可溶化液に代えて、腸溶性被膜剤をまったく含まないエタノール水溶液を添加すること以外は、上記の実施例1と同様の方法で、プロポリス抽出エキス粉末96gを得た。このときの水分は1.1%であった。 【0032】 <実施例2> 人参抽出エキス粉末90重量部(180g)に対し、腸溶性被膜剤10重量部(20g)を85%エタノール水溶液に分散・可溶化した可溶化液を添加し、乳鉢内で均一に湿潤・練合した後、22メッシュのステンレスふるいで調粒し、25℃で送風後、温度55℃で乾燥した。次いで、この乾燥物を16メッシュのステンレスふるいで整粒し、水分0.8%の改良人参抽出エキス粉末195gを得た。 <比較例2> 腸溶性被膜剤をまったく含まないエタノール水溶液を添加すること以外は、実施例2と同様の方法で、人参抽出エキス粉末198gを得た。このときの水分は1.0%であった。 【0033】 <実施例3> 霊芝抽出エキス粉末95重量部(190g)に対し、腸溶性被膜剤5重量部(10g)を95%エタノール水溶液に分散・可溶化した可溶化液を添加し、乳鉢内で均一に湿潤・練合した後、18メッシュのステンレスふるいで調粒し、20℃で送風後、温度50℃で乾燥した。次いで、この乾燥物を16メッシュのステンレスふるいで整粒し、水分0.6%の改良霊芝抽出エキス粉末196gを得た。 <比較例3> 腸溶性被膜剤をまったく含まないエタノール水溶液を添加すること以外は、実施例3と同様の方法で、霊芝抽出エキス粉末194gを得た。このときの水分は0.5%であった。 【0034】 <実施例4> パフィア抽出エキス粉末85重量部(153g)に対し、腸溶性被膜剤15重量部(27g)を80%エタノール水溶液に分散・可溶化した可溶化液を添加し、乳鉢内で均一に湿潤・練合した後、18メッシュのステンレスふるいで調粒し、20℃で送風後、温度45℃で乾燥した。次いで、この乾燥物を16メッシュのステンレスふるいで整粒し、水分1.1%の改良パフィア抽出エキス粉末175gを得た。 <比較例4> 腸溶性被膜剤をまったく含まないエタノール水溶液を添加すること以外は、実施例4と同様の方法で、霊芝抽出エキス粉末177gを得た。このときの水分は0.9%であった。 【0035】 <実施例5> プロポリス抽出エキス粉末86重量部(172g)に対し、腸溶性被膜剤7重量部(14g)の30μm以下の微粉化物を加え、家庭用ミキサーで強制混合した。得られた混合物に対し、腸溶性被膜剤7重量部(14g)を95%エタノール水溶液に分散・可溶化した可溶化液を添加し、乳鉢内で均一に湿潤練合した後、18メッシュのステンレスふるいで調粒し、25℃で送風後、温度50℃で乾燥した。次いで、この乾燥物を16メッシュのステンレスふるいで整粒し、水分1.0%の改良プロポリス抽出エキス粉末196gを得た。 <実施例6> 実施例4で得られた改良パフィア抽出エキス粉末96gに、腸溶性被膜剤4重量部(4g)を可溶化した75%エタノール水溶液を、小型噴霧器でスプレーコーティングし、乾燥後、硬化菜種油0.2%を付着防止剤として添加し、水分0.8%のダブルコーティングされた改良パフィア抽出エキス粉末98gを得た。 【0036】 次の表1および表2は、実施例1〜6で得られた各種の改良粉末品、および比較例1〜4で得られた各種粉末の各試料について、品質安定性を評価するために行った保存試験の結果を示したものである。保存試験は、温度40℃、湿度70%の条件で行い、試験項目は、試料の外観(色調および固結状態)の変化(表1)と、水分変化(表2)であり、試料作製の直後、7日目、14日目、21日目および35日目に、それぞれデータを得た。 【0037】 【表1】
【0038】 【表2】
【0039】 表1の試験結果を見ると、腸溶性被膜剤をまったく用いていない比較例1〜4はいずれも、7日目から明らかな外観変化が生じ、14日目からは大きな色調変化と強い固結化が確認されており、経時劣化が大きいことが分かる。また、表2の試験結果から、いずれの比較例も、水分変化が大きく、吸湿速度が早いことが分かる。 【0040】 これに対して、実施例1〜4では、粉末原料の特性の相違に応じたばらつきがあるものの、比較例1〜4とそれぞれ比較して、外観変化および水分変化がともに明らかに小さい。すなわち、本実施形態による改良粉末品は、粉末原料の種類にかかわらず、経時劣化が小さく、品質安定性に非常に優れていることが分かる。また、実施例間の比較では、腸溶性被膜剤の微粉化物をあらかじめ加えた実施例5、および腸溶性被膜剤をダブルコーティングした実施例6において、特に外観変化および水分変化が小さく、これらの効果が明確に確認された。 【0041】 なお、実施例で使用した腸溶性被膜剤が、本来的にやや黄白色を呈しているため、これをエタノール水溶液に可溶化すると、特に高濃度のときに淡茶黄色を呈する。このため、得られた改良粉末品の一部が淡黄白色を呈するが、これはもちろん、劣化に起因するものではない。 【0042】 なお、本発明は、説明した実施形態に限定されることなく、種々の態様で実施することができる。例えば、説明した実施例1〜6はあくまで例示であり、配合原料の比率、添加剤の有無、種類および数や、製法の細部などは、本発明の趣旨に合致する限り、例示した以外のものを適宜、採用することができる。また、実施例では、最終的に850μm以上の粒子径のものをほとんど含まない各種改良粉末品を得ているが、本発明により、850μm以上の粒子径を多く含む各種改良粉末品の粒状物を得るようにしてもよく、それもまた本発明の範囲内である。さらに、各種改良粉末品を、主に健康食品として利用する場合を中心に説明したが、本発明は、これに限らず、健康食品の関連商品はもとより、医薬品その他の幅広い分野で利用することができる。 【0043】 【発明の効果】 以上詳述したように、本発明によれば、経時劣化を抑制し、その品質を長期にわたり安定して維持することができるなどの効果を有している。 【図面の簡単な説明】 【図1】本発明による改良粉末品の組成を模式的に示す図である。 【図2】本発明による改良粉末品の製造方法を示す図である。 【図3】図2の製造方法の続きを示す図である。 【図4】ダブルコーティングされた改良粉末品の組成を模式的に示す図である。 【図5】腸溶性被膜剤の微粉化物を付着させた粉末原料を示す図である。 【符号の説明】 1 改良粉末品 2 粉末原料 3 腸溶性被膜剤 7 腸溶性被膜剤の外被膜層 8 腸溶性被膜剤の微粉化物 E エタノール W 水 EW エタノール水溶液 G 可溶化液
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| 【出願人】 |
【識別番号】502095926 【氏名又は名称】大曽根商事株式会社
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| 【出願日】 |
平成14年7月5日(2002.7.5) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100095566 【弁理士】 【氏名又は名称】高橋 友雄
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| 【公開番号】 |
特開2004−35505(P2004−35505A) |
| 【公開日】 |
平成16年2月5日(2004.2.5) |
| 【出願番号】 |
特願2002−197290(P2002−197290) |
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