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【発明の名称】 滅菌バック
【発明者】 【氏名】香川 幸子
【住所又は居所】東京都台東区台東1丁目5番1号 凸版印刷株式会社内

【氏名】八房 和也
【住所又は居所】東京都台東区台東1丁目5番1号 凸版印刷株式会社内

【要約】 【課題】本発明は、滅菌バック製袋加工後、レトルト等の加熱殺菌処理やガンマ線による殺菌処理時にバック内面を構成する基材に設けられたシーラント層の面どうしの熱による癒着防止を可能とした滅菌バックを提供することを目的とする。

【解決手段】少なくともシーラント層を有する基材を製袋してなる滅菌バックにおいて、前記シーラント層を有する基材を製袋する際に、耐水性紙等の紙基材もしくは熱シール可能な熱可塑性樹脂を溶融紡糸した不織布からなる滅菌紙を挿入して製袋してなることを特徴とする滅菌バックである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくともシーラント層を有する基材を製袋してなる滅菌バックにおいて、
前記シーラント層を有する基材を製袋する際に、滅菌紙を挿入して製袋してなることを特徴とする滅菌バック。
【請求項2】
少なくともシーラント層を有する基材を製袋してなる滅菌バックにおいて、
前記シーラント層を有する基材を製袋する際に、滅菌紙を挿入して該滅菌紙もシールされて一体に製袋してなることを特徴とする滅菌バック。
【請求項3】
前記滅菌紙を構成する基材が、耐水性紙からなり、その坪量が100g/m以下であることを特徴とする請求項1記載の滅菌バック。
【請求項4】
前記滅菌紙を構成する基材が、熱シール可能な熱可塑性樹脂からなる不織布であることを特徴とする請求項2記載の滅菌バック。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の滅菌バックが人工透析等の廃液を入れるために用いられることを特徴とする滅菌バック。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、医療医薬包材分野において、人工透析特に腎臓透析の廃液を入れるための滅菌バックに関し、さらに詳細には、製袋後レトルト等の加熱殺菌処理時の熱によるバック内面を構成する基材に設けられたシーラント層の面どうしの癒着防止を可能とした滅菌バックに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、医療の現場において、人工透析用の廃液バックとして、基材となるナイロン(Ny)樹脂と、シーラント層となる無延伸ポリプロピレン(CPP)、もしくは鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)樹脂とを共押し出しでシーラント層を成膜されたシーラント層を有する基材を製袋してなる製袋品等が広く用いられていた。(例えば、特許文献1参照)
【0003】
人工透析用の廃液バックは、特に、人体と製袋バック内部とが輸液管を介して繋がることから、製袋バック内部を殺菌処理することが要求される。通常、レトルト等の加熱殺菌やガンマ線による殺菌処理が施されるが、この殺菌処理の際に、バック内面を構成する基材に設けられたシーラント層の面どうしが癒着するという問題がある。
【0004】
このような問題を解消するために、シーラント層としてエラストマー成分を含有するブロックコポリマータイプの無延伸ポリプロピレンや耐熱性を向上した鎖状低密度ポリエチレン等の材料が用いられているが、シーラント層の材質のみだけでは上記の問題を完全に解消することができていない。
【0005】
また、製袋基材に設けられたシーラント層にエンボス加工等により凹凸を形成して、接触面積を低減することで、上記のシーラント層の面どうしが癒着するという問題を解消する試みがなされているが、製袋基材のシール部はエンボス加工を抜かなければならないので、エンボス加工時の見当合わせを必要とし、加工工程が煩雑となる上に、接触面積を低減することができるものの、やはり、シーラント層の面どうしが癒着するという問題を完全に解消することができていない。
【0006】
【特許文献1】
特開昭61−211035号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものであって、滅菌バック製袋加工後、レトルト等の加熱殺菌処理やガンマ線による殺菌処理時にバック内面を構成する基材に設けられたシーラント層の面どうしの熱による癒着防止を可能とした滅菌バックを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、
少なくともシーラント層を有する基材を製袋してなる滅菌バックにおいて、
前記シーラント層を有する基材を製袋する際に、滅菌紙を挿入して製袋してなることを特徴とする滅菌バックである。
【0009】
また、請求項2に係る発明は、
少なくともシーラント層を有する基材を製袋してなる滅菌バックにおいて、
前記シーラント層を有する基材を製袋する際に、滅菌紙を挿入して該滅菌紙もシールされて一体に製袋してなることを特徴とする滅菌バックである。
【0010】
また、請求項3に係る発明は、
請求項1記載の滅菌バックにおいて、前記滅菌紙を構成する基材が、耐水性紙からなり、その坪量が100g/m以下であることを特徴とする。
【0011】
また、請求項4に係る発明は、
請求項2記載の滅菌バックにおいて、前記滅菌紙を構成する基材が、熱シール可能な熱可塑性樹脂からなる不織布であることを特徴とする。
【0012】
また、請求項5に係る発明は、
請求項1〜4のいずれか1項に記載の滅菌バックが人工透析等の廃液を入れるために用いられることを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施態様の一例を図面を参照して説明する。
図1は、本発明の滅菌バックの一実施例を示す一部欠截平面図である。また、図2は、本発明の滅菌バックの他の実施例を示す一部欠截平面図である。
【0014】
図1に示すように、本発明の滅菌バック10は、プラスチック基材11の片面にシーラント層12を積層した製袋基材を製袋する際に、大きさが袋の内寸とほぼ同寸の滅菌紙14を挿入して製袋してなることを特徴とするものであって、4方の周縁が熱融着によりシールされたヒートシール部13と口栓15を有する扁平形状の滅菌バックである。
【0015】
また、図2に示すように、本発明の滅菌バック20は、プラスチック基材21の片面にシーラント層22を積層した製袋基材を製袋する際に、大きさが袋の外寸とほぼ同寸の滅菌紙24を挿入して製袋したことを特徴とするものであって、4方の周縁が熱融着により滅菌紙もシールされて一体に製袋されてなるヒートシール部23と口栓25を有する扁平形状の滅菌バックである。
【0016】
本発明において用いられるプラスチック基材としては、シート状またはフィルム状のものであって、材質は特に限定されないが、ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート等)、ポリアミド(ナイロン−6、ナイロン−66等)等、あるいはこれらの高分子の共重合体などが挙げられる。強靱性、耐ピンホール性などの点からナイロンフィルムが好適に用いられる。
【0017】
本発明において用いられるシーラント層を構成するシーラント材料としては、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、無延伸ポリプロピレン(CPP)、エチレン−メタアクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、アイオノマー樹脂等から適宜選択して用いることができる。このシーラント層は、溶融した樹脂を基材に直接押出し塗布して積層する。
【0018】
本発明において用いられる滅菌紙を構成する紙基材としては、使用されるパルプは特に限定されず、通常用いられる針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)等の化学パルプ、GP等の機械パルプ、ケナフ、麻等の非木材原料から得られるパルプなど様々な種類の紙を用いることが可能である。
【0019】
上記の様々な種類の紙を加工原紙として、耐水性を付与した耐水紙を用い、その坪量が100g/m以下が望ましい。
【0020】
これらの紙基材に抄紙段階あるいは抄紙後の二次加工として、耐水性、耐熱水性を付与できる樹脂を含浸加工しても良い。ここでの紙基材は紙の種類に限定されるものではない。
【0021】
耐水紙が紙基材に樹脂を含浸した構成の場合、含浸する樹脂として、乾燥強度および耐水性、湿潤強度を付与する場合は、ポリビニルアルコール樹脂、ポリアクリルアミド、でんぷん等が、また、湿潤時紙力増強剤としては尿素ホルムアルデヒド樹脂、メラミンホムルアルデヒド樹脂、でんぷん、ポリアミドアミン、そのエピクロルヒドリン変性体、さらには各種ラテックス、例えば天然ゴムラテックス、SBR、NBR、ポリクロロプレン等の合成ゴムラテックス、ポリ酢酸ビニル、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンもしくはこれらの共重合体の樹脂ラテックスなどが用いられる。
【0022】
また、耐熱水性まで付与する場合、含浸する樹脂としては、シラン系樹脂、メラミン系樹脂、ウレタン系樹脂、イソシアネート系樹脂、などの熱硬化性樹脂の他に、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂などの熱可塑性樹脂なども要求される耐熱水温度により選択使用することが可能である。必要な耐熱水性を損なわない限り、要求機能レベルに応じて上記の樹脂材料を複合もしくは混合して使用することも可能である
【0023】
耐水紙となる紙基材として、抄紙工程もしくは抄紙後の二次加工の工程において含浸(内添もしくは外添)することにより、紙部材の厚み方向全体にわたり均等に前述の樹脂を配することができる。また、抄紙段階で樹脂を含浸するため、含浸紙の密度や厚み、内添する樹脂量など任意に決定することができる。
【0024】
これらの紙基材に抄紙段階あるいは抄紙後の二次加工として、耐水性、耐熱水性を付与できる樹脂を含浸するものである。この外添による含浸方法としては、紙基材を含浸剤中に浸し過剰量の含浸剤を一時的に付与できるディッピング法や、好ましくは、含浸剤を一定量だけ塗工または含浸させるグラビアコーティング法やロールコーティング法などがあり、紙基材の表裏から含浸材を含浸することも可能である。
【0025】
さらに、2ユニット以上あるグラビア含浸方法では、はじめに紙基材内部に含浸させる含浸材を片面もしくは両面より施し、基材内部にまで含浸材を浸透させる。その後の最後のユニットで紙基材の表面にコーティング被膜層の形成等が可能となる。すなわち、紙基材に含浸材を供給できる方法であれば、使用される紙基材や含浸材の種類にもよるが、それらに応じて、いずれの方法を任意に選択することができる。さらには、これらの加工は二次加工的に行われるため、抄紙工程に比較すると少量の加工が安価に行うことができる。
【0026】
また、前記滅菌紙を構成する基材として、熱シール可能な熱可塑性樹脂からなる不織布を用いて、製袋基材を製袋する際に、大きさが袋の外寸とほぼ同寸の滅菌紙を挿入、4方の周縁が熱融着により滅菌紙もシールされて滅菌紙一体となった滅菌バックにおいて、熱シール可能な熱可塑性樹脂からなる不織布としては、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂などの熱可塑性樹脂を溶融紡糸してなる不織布が挙げられる。ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂からなる不織布を用いるのが望ましい。
【0027】
本発明の滅菌バックを製袋する製袋加工機は、この分野で通常一般に使用されている製袋機を使用できる。また、製袋加工におけるシール方法は、特に限定されず、ヒートシール法、インパルスシール法、超音波シール法などにより行うことができる。
【0028】
本発明における口栓は、人工透析等の廃液を注入するために設けられるもので、その種類、形状、取り付け位置などは特に限定されるものはない。口栓の材質は、加熱殺菌に耐得る耐熱性のあるものであれば特に限定されない。
【0029】
さらに、本発明の滅菌バックにガスバリア性の機能を付与することもできる。例えば、図3に示すような、本発明における滅菌バックおいて使用できるガスバリア性を有する製袋基材30として、プラスチック基材フィルム31上に、無機酸化物からなる蒸着薄膜層32を形成し、さらにその上にガスバリア性被覆層33を塗布して設けた構成の蒸着フィルム34のガスバリア性被覆層33の面に接着剤36を介してシーラント層35を形成した構成のものを用いることができる。接着剤36としては、特に限定されないが、ポリエステル樹脂系2液反応硬化型接着剤を用いてドライラミネーション法によって積層することができる。上記のような、ガスバリア性を有する製袋基材を製袋してなる滅菌バックに酸素や水蒸気耐透過性を有するガスバリア性を付与することができる。
【0030】
また、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリビニルアルコール(PVA)、塩化ビニリデン等の酸素バリア性を有する高分子フィルムを中間層として製袋基材に積層した構成とすることもできる。
【0031】
上記の蒸着フィルムにおけるプラスチック基材フィルム31としては、ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等)など、あるいはこれらの高分子共重合体など通常包装材料として用いれれるプラスチックフィルムが使用できる。
【0032】
上記蒸着薄膜層32としては、酸化マグネシウム、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化すずなどの金属酸化物の蒸着膜からなり、透明性を有しかつ酸素、水蒸気等のガスバリア性を有するものであればよい。とくに酸化マグネシウムは、透明性、ガスバリア性が特に優れるものである。
【0033】
上記蒸着薄膜層の厚さは、用いられる無機物の種類・構成により最適条件はことなるが、一般的に400〜3000Åの範囲内であることが望ましく、その値は適宜選択される。ただし、膜厚を400Å未満であると基材2の全面が膜にならないことや膜厚が十分ではないことがあり、ガスバリア材としての機能を十分に果たすことができない場合がある。また、膜厚を3000Åを越える場合は薄膜にフレキシビリティを保持させることができず、成膜後に折り曲げ、引っ張りなどの外的要因により、薄膜に亀裂を生じるおそれがあるためである。
【0034】
上記蒸着薄膜層を基材フィルム上に形成する方法としては種々あり、抵抗加熱法、高周波誘導加熱法、電子ビーム加熱法、電子衝撃加熱法、フラッシュ蒸着法、レーザー蒸着法など通常の真空蒸着法により形成することができるが、その他の薄膜形成方法であるイオンビームスパッタ。マグネトロンスパッタ等のスパッタリング法やイオンプレーティング法などを用いることができる。ただし生産性を考慮すれば、現時点では真空蒸着法が最も優れている。真空蒸着法による真空蒸着装置の加熱手段を電子線加熱方式とすることが好ましく、薄膜と基材の密着性及び薄膜の緻密性を向上させるために、プラズマアシスト法やイオンビームアシスト法を用いることも可能である。
【0035】
また、上記バリア性被膜層33は、蒸着薄膜層32上に塗布して形成し、高度なガスバリア性を付与と共に、蒸着薄膜32の機械適性を向上させるために設けられるものである。
【0036】
上記目的を達成するために、バリア性被膜層は、水溶性高分子と(a)1種以上の金属アルコキシド及び加水分解物又は、(b)塩化錫、の少なくとも一方を含む水溶液或いは水/アルコール混合溶液を主剤とするコーティング剤から形成される必要がある。水溶性高分子と塩化錫を水系(水或いは水/アルコール混合)溶媒で溶解させた溶液、或いはこれに金属アルコキシドを直接、或いは予め加水分解させるなど処理を行ったものを混合した溶液を無機化酸化物からなる蒸着薄膜層にコーティング、加熱乾燥し形成したものである。コーティング剤に含まれる各成分についてさらに詳細に説明する。
【0037】
本発明でコーティング剤に用いられる水溶性高分子は、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、デンプン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム等が挙げられる。特に、ポリビニルアルコール(以下、PVAとする)を本発明の積層体のコーティング剤に用いた場合にガスバリア性が最も優れるので好ましい。ここでいうPVAは、一般にポリ酢酸ビニルをけん化して得られるもので、酢酸基が数十%残存している、いわゆる部分けん化PVAから酢酸基が数%しか残存していない完全PVAまでを含み、特に限定されない。
【0038】
また、塩化錫は塩化第一錫(SnCl )、塩化第二錫(SnCl )、あるいはそれらの混合物であってもよく、無水物でも水和物でも用いることができる。
【0039】
さらに、金属アルコキシドは、テトラエトキシシラン〔Si(OC 〕、トリイソプロポキシアルミニウム〔Al(O−2’−C 〕などの一般式、M(OR)n (M:Si,Ti,Al,Zr等の金属、R:CH ,C 等のアルキル基)で表せるものである。中でもテトラエトキシシラン、トリイソプロポキシアルミニウムが加水分解後、水系の溶媒中において比較的安定であるので好ましい。
【0040】
上述した各成分を単独又はいくつかを組み合わせてコーティング剤に加えることができ、さらにコーティング剤のガスバリア性を損なわない範囲で、イソシアネート化合物、シランカップリング剤、或いは分散剤、安定化剤、粘度調整剤、着色剤などの公知の添加剤を加えることができる。
【0041】
例えば、コーティング剤に加えられるイソシアネート化合物は、その分子中に2個以上のイソシアネート基(NCO基)を有するものであり、例えばトリレンジイソシアネート(TDI)、トリフェニルメタントリイソシアネート(TTI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)などのモノマー類と、これらの重合体、誘導体などがある。
【0042】
コーティング剤の塗布方法には、通常用いられるディッピング法、ロールコーティング法、スクリーン印刷法、スプレー法、グラビア印刷法などの従来公知の手段を用いることができる。被膜の厚さは、コーティング剤の種類や加工機や加工条件によって異なる。乾燥後の厚さが、0.01μm以下の場合は、均一が塗膜が得られなく十分なガスバリア性を得られない場合があるので好ましくない。また、厚さが50μmを超える場合は膜にクラックが生じ易くなるため問題がある。好ましくは0.01〜50μmの範囲にあることが好ましく、より好ましくは0.1〜10μmの範囲にあることである。
【0043】
以上、詳細に説明したように、本発明の滅菌バックに紙基材もしくは熱シール可能な熱可塑性樹脂からなる不織布からなる滅菌紙を挿入・構成することで、レトルト等の加熱殺菌時やガンマ線による殺菌処理時における熱やガンマ線殺菌時のガンマ線照射による滅菌バックの内面を構成するシーラント層どうしの癒着を防止できるので、医療現場で滅菌バックのハンドリング性が著しく向上できる。さらに、シーラント層を構成するシーラント材料の選定する巾が低温シール材料まで広がり、製袋基材の設計が容易になった。
【0044】
また、滅菌バックに挿入する滅菌紙に、模様、図形、文字、数字等の印刷絵柄などの印刷を施すことができるので、説明書や分類コードなど、さらには、例えば、一定時間または一定温度を検知して、同一の変色を不可逆に表示・記録する表示手段としてインジケータを印刷により設けるなどして、滅菌バックの廃液管理や廃液分析時の機能を付加することができる。
【0045】
【実施例】
以下、本発明の一実施例を具体的に説明する。
【0046】
<実施例1>
共押出し成形法により、基材を構成するナイロン(Ny)樹脂と、シーラント層を構成するポリプロピレン樹脂とを共押出し成形法により、下記構成の製袋基材を作成した。
基材層[ナイロン(Ny)層(25μm)]/シーラント層[ポリプロピレン層(120μm)
上記の製袋基材を用いて、製袋加工する際に、大きさが袋の内寸とほぼ同寸の坪量60g/mの耐水紙を挿入して4方の周縁をヒートシールして製袋した後廃液注入口となる所定の形状の口栓を熱融着により形成し、図1に示す本発明の扁平形滅菌バックを作成した。
【0047】
<実施例2>
実施例1の耐水紙の代わりに、大きさが袋の外寸とほぼ同寸の坪量15g/mポリプロピレン(PP)スパンボンドタイプの不織布を挿入した以外は実施例1と同様に製袋して、図2に示す本発明の扁平形滅菌バックを作成した。
【0048】
<比較例1>
実施例1の耐水紙を挿入しない以外は実施例1と同様に製袋して扁平形滅菌バックを作成した。
【0049】
<比較例2>
比較例1において、シール部を除く内面の片面全体にエンボス加工を施して比較例1と同様に製袋して扁平形滅菌バックを作成した。
【0050】
<比較例3>
比較例1において、シール部を除く内面の両面全体にエンボス加工を施して比較例1と同様に製袋して扁平形滅菌バックを作成した。
【0051】
上記実施例1、2および比較例1〜3で得られた扁平形滅菌バックおのおの100袋作成し、ピンホールの発生有無および下記条件のレトルト処理後の滅菌バックの内面シーラント層に癒着が発生したものの個数を確認した。その結果を表1に示す。
【0052】
<レトルト処理条件>
初期温度:80℃
昇温条件:130℃到達15分
保持条件:30分間
冷却時間:30分間
【0053】
【表1】


【0054】
表1より、明らかに、本発明の滅菌バッグは、内面シーラント層の癒着を完全に防止することができる。さらに、ピンホールの発生も無く、耐ピンホール性に優れるものである。
【0055】
【発明の効果】
本発明の滅菌バックは、製袋加工時に紙基材もしくは熱シール可能な熱可塑性樹脂からなる不織布からなる滅菌紙を挿入して構成するものであるから、レトルト等の加熱殺菌時やガンマ線殺菌時のガンマ線照射による熱による滅菌バックの内面を構成する基材に設けられたシーラント層どうしの癒着を完全に防止することのできる滅菌バッグを提供できる。
【0056】
これにより、滅菌バックの製袋基材に設けるシーラント層を構成するシーラント材料の選定する巾が低温シール材料まで広がり、製袋基材の設計が容易となる。
【0057】
また、滅菌バックに挿入する滅菌紙に、模様、図形、文字、数字等の印刷絵柄などの印刷を施すことができるので、説明書や分類コードなど、さらには、例えば、一定時間または一定温度を検知して、同一の変色を不可逆に表示・記録する表示手段としてインジケータを印刷により設けるなどして、滅菌バックの廃液管理や廃液分析時の機能を付加することができる。
【0058】
本発明において、滅菌バックの内面を構成する基材に設けられてシーラント層どうしの癒着を完全に防止できるので、医療現場でのハンドリング性が著しく向上でき、耐ピンホール性にも優れるので、信頼性の高い人工透析、特に腎臓透析の廃液を入れるための滅菌バックとして好適に用いられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の滅菌バックの一実施例を示す一部欠截平面図である。
【図2】本発明の滅菌バックの他の実施例を示す一部欠截平面図である。
【図3】本発明の滅菌バックに用いられるガスバリア性を有する製袋基材の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
10、20・・・滅菌バック
11、21・・・基材
12、22、35・・・シーラント層
13、23・・・シール部
14、24・・・滅菌紙
15、25・・・口栓
30・・・ガスバリア性製袋基材
31・・・基材(プラスチックフィルム)層
32・・・蒸着薄膜層
33・・・ガスバリア性被覆層
34・・・蒸着フィルム
【出願人】 【識別番号】000003193
【氏名又は名称】凸版印刷株式会社
【住所又は居所】東京都台東区台東1丁目5番1号
【出願日】 平成15年1月28日(2003.1.28)
【代理人】
【公開番号】 特開2004−229692(P2004−229692A)
【公開日】 平成16年8月19日(2004.8.19)
【出願番号】 特願2003−18396(P2003−18396)