トップ :: A 生活必需品 :: A61 医学または獣医学;衛生学




【発明の名称】 生薬成分製剤の造粒方法
【発明者】 【氏名】坂本 浩

【氏名】興津 忠和

【氏名】小林 誠

【要約】 【課題】生薬成分(有効成分)の含有量が高く、重質で粒度分布がシャープな生薬成分製剤を得る。

【解決手段】生薬乾燥末、生薬エキス末、及び、生薬乾燥末と生薬エキス末との混合末の中から選択される何れか一の生薬成分末を流動層容器内で流動させつつ、前記生薬成分末と同種の生薬エキスを含む水溶液に0.01〜20重量%のアルコールを配合した結合剤液を噴霧して造粒する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
生薬乾燥末、生薬エキス末、及び、生薬乾燥末と生薬エキス末との混合末の中から選択される何れか一の生薬成分末を流動層容器内で流動させつつ、前記生薬成分末と同種の生薬エキスを含む水溶液を結合剤液として噴霧して造粒する生薬成分製剤の造粒方法。
【請求項2】
前記結合剤液に0.01〜20重量%のアルコールを配合した請求項1記載の生薬成分製剤の造粒方法。
【請求項3】
前記アルコールがエタノールである請求項2記載の生薬成分製剤の造粒方法。
【請求項4】
前記結合剤液中の生薬エキスの固形分濃度が1〜70重量%である請求項1から3の何れかに記載の生薬成分製剤の造粒方法。
【請求項5】
請求項1から4に記載の何れかの造粒方法によって製造された生薬成分製剤。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、栄養補助食品、健康食品、漢方生薬等の製剤製品に用いられる生薬成分製剤の造粒方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
生薬成分を含む栄養補助食品や健康食品、漢方生薬等の製剤製品は、通常、生薬乾燥末、生薬エキス末、又は、生薬乾燥末と生薬エキス末との混合末(生薬成分末)を造粒処理して得られた造粒物を散剤、細粒剤、顆粒剤等として、あるいは、その造粒物をさらに錠剤やカプセル剤等の剤形に調整して販売されている。しかし、生薬成分製剤の製造において、原料となる生薬乾燥末や生薬エキス末は付着性、粘着性が高く、均一な粒子径の造粒物を収率良く製造するのが難しい。そこで、従来より種々の造粒方法が提案されている。
【0003】
例えば、従来の造粒方法として、賦形剤を浮遊流動させつつ、アルファー化澱粉を添加した生薬エキス液を噴霧して造粒する方法(特許文献1)、漢方エキス粉末と吸水性添加剤との混合物を熱風中に浮遊旋回流動させながら、水又は結合剤の水溶液を間欠的に噴霧して造粒する方法(特許文献2)、シリカ、合成珪酸アルミニウム、乳糖、澱粉等の吸水率の高い粉末を造粒核粒子とし、これを通風撹拌しながら結合剤液を噴霧して造粒する方法(特許文献3)、生薬成分と添加剤を併用して造粒する方法(特許文献4)が知られている。
【0004】
【特許文献1】
特公昭55−12889号公報
【特許文献2】
特開平2―300135号公報
【特許文献3】
特開平5―49901号公報
【特許文献4】
特開平6−192113号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
造粒処理に際して、賦形剤等の各種添加剤を併用すると、仕上がり造粒物に占める生薬成分(有効成分)の含量割合が少なくなる。そのため、1日当たりの服用量が例えば錠剤形態にして20〜30錠にも達することがあり、このような多量の錠剤を服用することは服用者の負担が大きい。
【0006】
また、生薬エキス末は水に対する溶解性が高く、水を結合剤として造粒可能であるが、この場合、処理容器内壁への付着が多く、製品収率が低くなるという問題がある。
【0007】
一方、生薬乾燥末は油分を含有するものが多く、結合剤に水溶液を用いて造粒することは困難である。油分を含む生薬乾燥末と水系結合剤液は親和性が悪く、結合剤が生薬乾燥末に付着しにくいからである。この問題に対して、有機溶剤系の結合剤液を用いることも考えられるが、近年の地球環境保護や労働安全面から有機溶剤の使用は極力削減するのが好ましい。
【0008】
本発明の課題は、水系結合剤液により、生薬成分(有効成分)の含有量が高く、重質で粒度分布がシャープな生薬成分製剤を得ることができる造粒方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は、生薬乾燥末、生薬エキス末、及び、生薬乾燥末と生薬エキス末との混合末の中から選択される何れか一の生薬成分末を流動層容器内で流動させつつ、前記生薬成分末と同種の生薬エキスを含む水溶液を結合剤液として噴霧して造粒する方法を提供する。
【0010】
ここで、「生薬乾燥末」は、例えば、ウコン、ゴーヤ、ブルーベリー、人参、マカ、プルーン、アロエ、イチョウ、ノコギリヤシ、冬虫夏草、アマチャヅル、甘草、葛根等に代表される植物の根、葉、茎、実、花、幹、アガリクス茸、チャーガ茸、藻類、菌類、動物、魚介類等の生薬原料を細分化し乾燥して粉末にしたものをいう。また、この「生薬乾燥末」には、上記の生薬原料から生薬エキスを抽出した後の残存物を乾燥し細分化して粉末にしたものも含まれる。「生薬エキス末」は、上記の生薬原料から抽出した生薬エキス(液状)を乾燥して粉末にしたものをいう。例えば、生薬エキスを噴霧乾燥により粉末にする場合、抽出液の性質によってはデキストリン等の乾燥助剤を添加して乾燥処理を行うことがある。この場合、乾燥処理によって得られる粉末は、生薬エキス末のほか、乾燥助剤の乾燥末も含有しているが、本明細書では、このような粉末も含めて「生薬エキス末」という。
【0011】
本発明で使用する「生薬成分末」(原料粉末)は、経口用固形製剤を製造する際に一般的に使用される各種添加剤、例えば、賦形剤(乳糖、ショ糖など)、結合剤(ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドンなど)、崩壊剤(カルボキシメチルセルロースカルシウム、澱粉類など)等の添加剤は配合していない。生薬成分末として、1種若しくは複数種の生薬乾燥末を配合した粉末、又は、1種若しくは複数種の生薬エキス末を配合した粉末を用いることができる。あるいは、1種若しくは複数種の生薬乾燥末と1種若しくは複数種の生薬エキス末との混合末を用いることができる。混合末とする場合、生薬乾燥末と生薬エキス末は同種のものを用いても良いし、異種のものを用いても良い。
【0012】
本発明で使用する「結合剤液」は、上記の生薬成分末と同種の生薬エキスを含む水溶液に0.01〜20重量%(結合剤液の全重量に占めるアルコールの重量割合)のアルコールを配合した水系結合剤液とするのが好ましい。経口用固形製剤を製造する際に一般的に使用される高分子添加剤、例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン等の添加剤は含んでいない。生薬成分末として複数種の生薬乾燥末又は複数種の生薬エキス末を配合したものを用いる場合、あるいは、生薬成分末として生薬乾燥末と生薬エキス末との混合末を用いる場合、結合剤液に配合する生薬エキスは、生薬成分末に含まれる少なくとも1種の粉末と同種であれば良い(2種以上の粉末と同種にする場合、生薬エキスは粉末の種類に応じて複数種のものを配合する)。
【0013】
結合剤液に配合するアルコールとして、エタノール、メタノール等を用いることができるが、特にエタノールが好ましい。
【0014】
結合剤液に配合する生薬エキスの固形分濃度(結合剤液の全重量に占める生薬エキス固形分の重量割合)は、生薬エキスの種類・物性により、噴霧可能な範囲でできるだけ高い濃度にするのが好ましい。すなわち、粘度の高い生薬エキスは1重量%程度の低濃度で噴霧が可能であるが、粘度の低い生薬エキスは70重量%程度の高濃度でも噴霧が可能である。従って、生薬エキスの固形分濃度は1〜70重量%とするのが好ましい。一般的には、20〜35重量%の固形分濃度が適している。
【0015】
本発明で使用する流動層装置は、一般に、流動層容器の底部から導入した流動化気体によって粉粒体粒子を浮遊流動させて、流動層容器内に粉粒体粒子の流動層を形成しつつ、スプレーガンからスプレー液(結合剤液、膜剤液等)を噴霧して造粒又はコーティング処理を行うものである。スプレー方式としては、流動層の上方から下方向にスプレー液を噴霧する方式(トップスプレー方式)、流動層容器の底部から上方向にスプレー液を噴霧する方式(ボトムスプレー方式)、流動層の側部(底部に近い側)から略接線方向にスプレー液を噴霧する方式(タンジェンシャルスプレー方式)がある。この種の流動層装置の中で、粉粒体粒子の転動、噴流、及び攪拌の1種以上を伴うものは複合型流動層装置と呼ばれている。複合型流動装置には、流動層容器の下部に回転円盤を設け、回転円盤上で粉粒体粒子を転動させる転動流動層装置、さらに回転円盤に撹拌羽根を設けて撹拌効果を付加した転動流動層装置、流動層容器の内部にドラフトチューブを配設し、ドラフトチューブ内の上昇気流に乗って上昇する粉粒体粒子に向けて上向きにスプレー液を噴霧する、いわゆるワースター式流動層装置等がある。本発明では、上記に例示したものを含め、種々の公知の流動層装置をそれらの種類及びスプレー方式の如何を問わず使用することができる。
【0016】
本発明は、上記の各種添加剤を含まない生薬成分末を原料粉末として用いると共に、上記生薬成分末と同種の生薬エキスを含み、かつ、上記の各種添加剤を含まない水溶液を結合剤液として用いて造粒を行うので、仕上がり造粒物に占める生薬成分(有効成分)の含有量を従来に比べて格段に高めることができる。これにより、製剤製品の1回当たりの服用量を低減して、服用者の負担を軽減することができる。
【0017】
また、生薬成分末と同種の生薬エキスを配合した結合剤液を用いて造粒を行うので、結合剤液と生薬成分末との親和性が高く、造粒性が良い。また、結合剤液に少量のアルコールを配合することにより、結合剤液の界面張力が下がり、生薬成分末に対する浸透力が高まるので、造粒性は一層向上する。造粒性が向上することにより、粒度分布のシャープな仕上がり造粒物(生薬成分製剤)を高い収率で得ることができる。また、生薬成分末に対する結合剤液の浸透力が高まることにより、重質な仕上がり造粒物を得ることができる。
【0018】
生薬乾燥末は油分を含有するものが多く、水系結合剤液を用いて造粒することが困難な場合が多い。しかしながら、上述のように、結合剤液に少量のアルコールを配合することにより、結合剤液の界面張力が下がり、生薬乾燥末との親和性が向上するので、造粒性は大幅に改善される。一方、生薬エキスの多くはアルコールに不溶であり、アルコールの配合量が高すぎると、結合剤液中における生薬エキスの溶解性が低下し、十分な結合力が発現されない。また、アルコールの配合量が高くなると、結合剤液の引火点が低くなり、消防法等の法令で定める危険物に該当することとなる場合がある。この場合、造粒操作時の危険確率が増大し、また、設備の点では高価な防爆型が必要となる。アルコールを配合することにより得られる上記の効果を十分に発揮させ、同時に、結合剤液の引火点が法令で定める危険物に区分される温度よりも高くなるようにする観点から、アルコールの配合量は0.01〜20重量%、好ましくは0.01〜10重量%、さらに好ましくは0.5〜10重量%とするのが良い。尚、結合剤液の界面張力を下げる手段として、界面活性剤を配合することも考えられるが、医薬品添加物、食品添加物として認可されている製品が限定されており、また、健康安全面からも好ましいとは言えない。尚、結合剤液には、さらに所定の固形分濃度の生薬乾燥末を配合(懸濁・分散)しても良い。
【0019】
本発明の造粒方法によって製造された生薬成分製剤は、各粒子に占める生薬成分(有効成分)の含有量が従来製剤に比べて格段に高いので、1回当たりの服用量が少量で済み、服用者の負担が少ない。
【0020】
【発明の実施の形態】
通常の流動層装置又は転動流動層装置の流動層溶器に生薬成分末を仕込み、流動層容器内で浮遊流動させつつ、上記生薬成分と同種の生薬エキスを含む水溶液に0.01〜20重量%のエタノールを配合した結合剤液を噴霧して造粒を行った。ここで、流動化気体(熱風)の給気風量を一定にした場合、造粒の進行(粒子成長)に伴う粒子重量の増加により、流動層高が低くなり、粒子の流動性が低下する現象が起こる。そこで、造粒の進行に伴い給気風量を段階的に増加させることにより、流動層高の低下、それによる粒子流動性の低下を防止して、粒子の良好な流動状態を維持した。
【0021】
造粒操作時に粒子の良好な流動状態を維持することにより、粗大粒子の生成を抑制して、仕上がり造粒物の粒度分をシャープにすることができる。また、流動層容器の壁面に付着した粒子が該容器内でダイナミックに流動する粒子によって掻き落とされて流動層に戻されるので、仕上がり造粒物の収率も向上する。
【0022】
一般に、この種の流動層装置では、流動層容器の上部にフィルターシステムを配設し、流動層容器内を舞い上がって排気ダクトに向かう微粉をフィルターシステムのフィルターで捕捉している。フィルターで捕捉した微粉は、フィルターシステムのクリーニング動作によって払い落として流動層に戻すが、その方式として、シングルシェーキング方式とツインシェーキング方式が知られている。前者は、クリーニング時に流動化気体の給気を停止し、フィルターのシェーキング動作によって捕捉した微粉を払い落とす方式である。生薬成分末の付着性・粘着性が低い処方の場合は、シングルシェーキング方式を採用しても造粒操作は可能であるが、流動の停止により、造粒途中の粒子同士が過剰に付着・凝集して粗大粒子が生成されやすい。さらに、生薬成分末の付着性・粘着性が高い処方の場合には、流動停止後の流動再開が困難になり、造粒操作ができなくなることがある。このような不都合を回避するため、クリーニング方式としてツインシェーキング方式を採用するのが好ましい。ツインシェーキング方式は、一般に、フィルター室を2分割し、各フィルター室のフィルターを交互にシェーキング動作させて捕捉した微粉を払い落とす方式である。一方のフィルター室のフィルターがシェーキング動作を行っている時、他方のフィルター室のフィルターは排気可能であるので、流動を停止することなく連続的な造粒が可能である。従って、ツインシェーキング方式を採用することにより、上記の不都合を回避することができる。
【0023】
【実施例】
生薬成分末処方と結合剤液処方を種々変えて造粒を行い、得られた造粒物の粒度分布と見掛比重を求めた(実施例1〜7、比較例1)。その結果を表1にまとめて示す。
【表1】


【0024】
[実施例1]
生薬成分末処方:チャーガ茸乾燥末600g、チャーガ茸エキス末200g
結合剤液処方 :エチルアルコール60g、水540gの混合液600gにチャーガ茸エキス末200gを溶解(溶液中の固形分濃度=25%)
【0025】
上記処方の製薬成分末を流動層装置に仕込み、流動層容器内で流動させつつ、上記処方の結合剤液を流動層の上方から下向きに噴霧して造粒した。尚、造粒初期の微粉末がスプレーガンよりも上方に舞い上がると、結合剤液で湿潤される機会が少なくなり、造粒の進行が遅れて粒度分布がブロードになる。そこで、造粒初期は、微粉末の流動に適した給気風量に抑え、造粒の進行に伴い粒子が成長して重くなり、さらに結合剤液による湿潤で付着・凝集・粘着性が増加するに従い、給気風量を段階的に増加させて粒子の良好な流動状態を維持した。
【0026】
チャーガ茸乾燥末は若干の油部を含有するため、アルコールを配合していない水系結合剤液を用いた場合(表1の比較例1)、チャーガ茸乾燥末と結合剤液との親和性が悪く、結合剤液の噴霧時は湿潤により軽く付着・凝集していた粒子同士は、後の乾燥工程で分離して造粒されなかった。
【0027】
これに対して、実施例1では、結合剤液に少量のエチルアルコールを配合しているので、結合剤液とチャーガ茸乾燥末との親和性が高まり(結合剤液の界面張力が下がるため)、造粒性が改善できた。尚、結合剤液に配合されたエチルアルコールは、造粒工程又はその後の乾燥工程で蒸発する。
【0028】
また、造粒の進行に伴い給気風量を段階的に増加させることにより、造粒初期に静電気力やファンデルワールス力(粒子間力)によって流動層容器の壁面に付着していた微粉末が、該容器内でダイナミックに流動する粒子によって掻き落とされて流動層に戻されるので、収率も98〜99%となり、高い生産性が得られた。
【0029】
表1に示すように、実施例1の造粒方法によって得られた造粒物はシャープな粒度分布を示し、かつ重質であった。この造粒物を用いて打錠したところ、打錠障害もなく良好な錠剤が得られた。
【0030】
[実施例2]
生薬成分末処方:春ウコン乾燥末800g
結合剤液処方 :エチルアルコール60g、水540gの混合液600gに春ウコンエキス末200gを溶解(溶液中の固形分濃度=25%)
【0031】
上記処方の製薬成分末を流動層装置に仕込み、流動層容器内で流動させつつ、上記処方の結合剤液を流動層の上方から下向きに噴霧して造粒した。尚、給気風量(給気温度75°C)は、実施例1と同様に、造粒の進行に伴い段階的に増加させた。
【0032】
実施例2においても、収率98〜99%の高い生産性が得られた。また、表1に示すように、実施例2の造粒方法によって得られた造粒物はシャープな粒度分布を示し、かつ重質であった。この造粒物を用いて打錠したところ、打錠障害もなく良好な錠剤が得られた。
【0033】
[実施例3]
生薬成分末処方:春ウコン乾燥末400g、春ウコンエキス末200g、アガリクスエキス末200g
結合剤液処方 :エタノール60g、水540gの混合液600gに春ウコンエキス末200gを溶解(溶液中の固形分濃度=25%)
【0034】
上記処方の製薬成分末を転動流動層装置に仕込み、流動層容器内で流動させつつ、上記処方の結合剤液を流動層の上方から下向きに噴霧して造粒した。尚、給気風量(給気温度75°C)は、実施例1と同様に、造粒の進行に伴い段階的に増加させた。
【0035】
実施例3においても、収率98〜99%の高い生産性が得られた。また、表1に示すように、実施例3の造粒方法によって得られた造粒物はシャープな粒度分布を示し、かつ重質であった。この造粒物を用いて打錠したところ、打錠障害もなく良好な錠剤が得られた。
【0036】
[実施例4]
生薬成分末処方:春ウコン乾燥末40kg、春ウコンエキス末10kg
結合剤液処方 :エタノール1.5kg、水13.5kgの混合液15kgに春ウコンエキス末5kgを溶解(溶液中の固形分濃度=25%)
【0037】
上記処方の製薬成分末を流動層装置(株式会社パウレック製「WSG−60」型)に仕込み、流動層容器内で流動させつつ、上記処方の結合剤液を流動層の上方から下向きに噴霧して造粒した。尚、給気風量(給気温度75°C)は、実施例1と同様に、造粒の進行に伴い段階的に増加させた。
【0038】
実施例4においても、収率98〜99%の高い生産性が得られた。また、表1に示すように、実施例4の造粒方法によって得られた造粒物はシャープな粒度分布を示し、かつ重質であった。この造粒物を用いて打錠したところ、打錠障害もなく良好な錠剤が得られた。
【0039】
[実施例5]
生薬成分末処方:アガリクスエキス末300g、アガリクス菌糸体(茸)乾燥末500g
結合剤液処方 :エタノール5g、水595gの混合液600gにアガリクスエキス末200gを溶解(溶液中の固形分濃度=25%)
【0040】
上記処方の製薬成分末を流動層装置に仕込み、流動層容器内で流動させつつ、上記処方の結合剤液を流動層の上方から下向きに噴霧して造粒した。尚、給気風量(給気温度75°C)は、実施例1と同様に、造粒の進行に伴い段階的に増加させた。
【0041】
実施例5においても、収率98〜99%の高い生産性が得られた。また、表1に示すように、実施例5の造粒方法によって得られた造粒物はシャープな粒度分布を示し、かつ重質であった。この造粒物を用いて打錠したところ、打錠障害もなく良好な錠剤が得られた。
【0042】
[実施例6]
生薬成分末処方:アガリクスエキス末15kg、アガリクス菌糸体(茸)乾燥末45kg
結合剤液処方 :エタノール0.5kg、水14.5kgの混合液15kgにアガリクスエキス末5kgを溶解(溶液中の固形分濃度=25%)
【0043】
上記処方の製薬成分末を流動層装置に仕込み、流動層容器内で流動させつつ、上記処方の結合剤液を流動層の上方から下向きに噴霧して造粒した。尚、給気風量(給気温度75°C)は、実施例1と同様に、造粒の進行に伴い段階的に増加させた。
【0044】
実施例6においても、収率98〜99%の高い生産性が得られた。また、表1に示すように、実施例6の造粒方法によって得られた造粒物はシャープな粒度分布を示し、かつ重質であった。この造粒物を用いて打錠したところ、打錠障害もなく良好な錠剤が得られた。
【0045】
[実施例7]
例えば、実施例4で用いたウコンは特有の苦味を有する。そこで、この苦味を緩和(マスキング)するために、実施例4で得られた造粒物に黒糖水溶液(固形分濃度30重量%)を噴霧添加し、服用時のウコンの苦味を黒糖の甘味で緩和した。黒糖溶液の浸透・被覆により、さらに重質の造粒物が得られた。
【0046】
【発明の効果】
本発明によれば、水系結合剤液を使用して、生薬成分(有効成分)の含有量が高く、重質で粒度分布がシャープな生薬成分製剤を得ることができる。
【出願人】 【識別番号】591011384
【氏名又は名称】株式会社パウレック
【出願日】 平成15年5月20日(2003.5.20)
【代理人】 【識別番号】100064584
【弁理士】
【氏名又は名称】江原 省吾

【識別番号】100093997
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 秀佳

【識別番号】100101616
【弁理士】
【氏名又は名称】白石 吉之

【識別番号】100107423
【弁理士】
【氏名又は名称】城村 邦彦

【識別番号】100120949
【弁理士】
【氏名又は名称】熊野 剛

【識別番号】100121186
【弁理士】
【氏名又は名称】山根 広昭

【公開番号】 特開2004−160165(P2004−160165A)
【公開日】 平成16年6月10日(2004.6.10)
【出願番号】 特願2003−142105(P2003−142105)