| 【発明の名称】 |
複室容器 |
| 【発明者】 |
【氏名】増田 利明 【住所又は居所】大阪市北区本庄西3丁目9番3号 ニプロ株式会社内
【氏名】福島 浩 【住所又は居所】大阪市北区本庄西3丁目9番3号 ニプロ株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】剥離可能な隔壁が剥離されたかどうかを表示し、複室容器使用時に医療従事者が各室の連通状態を瞬時に見知しうる複室容器を提供する。
【解決手段】合成樹脂製フィルムからなり、該フィルム11、12の対向する一部を熱溶着して形成される剥離可能な隔壁2により複数の室31、32に区画された複室容器1において、該隔壁2の剥離を複室容器1外表面に表示しうる手段51、52が設けられてなることを特徴とする複室容器1である。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 合成樹脂製フィルムからなり、該フィルムの対向する一部を熱溶着して形成される剥離可能な隔壁により複数の室に区画された複室容器において、該隔壁の剥離を複室容器外表面に表示しうる手段が設けられてなることを特徴とする複室容器。 【請求項2】 前記隔壁の剥離を表示しうる手段は、対向するフィルムの両方の隔壁形成部に設けられてなる請求項1記載の複室容器。 【請求項3】 前記隔壁の剥離を表示しうる手段は、対向するフィルムの一方の隔壁形成部に設けられる記号表示部と、他方の隔壁形成部に設けられる記号遮蔽部であって、前記隔壁が形成される時は、該記号表示部と該記号遮蔽部が重なり合って記号が表示されず、前記隔壁が剥離された時は、該記号表示部と該記号遮蔽部が離間して該記号表示部により記号が表示される請求項2記載の複室容器。 【請求項4】 前記記号遮蔽部がさらに、隔壁が剥離された時に記号を表示しうるものである請求項3記載の複室容器。 【請求項5】 前記記号表示部および記号遮蔽部は、対向するフィルムの隔壁形成部に直接印刷されてなる請求項1〜4のいずれかに記載の複室容器。 【請求項6】 前記記号表示部および記号遮蔽部は、対向するフィルムの隔壁形成部の外表面に貼付されるフィルムに印刷されてなる請求項1〜4のいずれかに記載の複室容器。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明が属する技術分野】 本発明は、使用直前に複数の薬剤を混合しうる複数の室を有する容器に関する。より詳細には、本発明は、医療従事者が薬剤を混合するために複数の室が連通されたことを見知しうる容器に関する。 【0002】 【従来の技術】 従来、混合した状態では変質などにより保存性が悪くなる薬剤や薬液を、使用直前に無菌混合する為に、複室容器が用いられている。これは、容易に剥離可能な隔壁によって区画される複数の室に、複数の内容物を別々に保存しておき、使用直前に容器を手で圧縮して隔壁を剥離させ、複数の室を連通させて内容物を無菌混合させるというものである(例えば、特許文献1参照)。 しかし、このような複室容器は一つの室に排出口が設けられており、隔壁の剥離を怠ってしまっていても薬液の投与作業が行えるため、各室に収容される内容物の混合を忘れたまま薬液を患者に投与してしまう危険性がある。 【0003】 そこで、上記問題点を解決するために、複室容器使用時に医療従事者の注意を隔壁付近に向けさせる工夫がなされた容器が開発されている(例えば、特許文献2参照)。この容器は、隔壁で区画された1室が容器の懸架孔内に設けられている。複室容器使用時に、医療従事者は容器を懸架しようとして懸架孔を確認するため、その際に隔壁が剥離されて各室が連通されているかどうかを必然的に確認することができる。 しかし、前記複室容器は、特に小容量の薬剤室の連通忘れを防止することを目的としており、小さな懸架孔内に設けることのできる室の容量には制限がある。また、医療従事者は複数の患者の処置を同時に行うことがあり、使用のための準備を行い始めた複室容器を一旦放置したまま他の作業を行い、その後複室容器の使用準備を再開する場合や、別の医療従事者が使用準備を再開する場合もある。このような場合においては、隔壁の剥離が完了したと勘違いして、複数の室が連通されていない状態で患者への薬液投与を開始してしまう危険がある。しかし、前記複室容器は、医療従事者の注意を隔壁に向けることはできても、隔壁が剥離されて各室が連通されたかどうかを即座に確認できるものではない。 【0004】 【特許文献1】 特公平6−26563号公報 【特許文献2】 特開2000−5275号公報 【0005】 【発明が解決しようとする課題】 上記事情に鑑み、本発明は剥離可能な隔壁が剥離されたかどうかを表示し、複室容器使用時に医療従事者が各室の連通状態を瞬時に見知しうる複室容器を提供することを目的とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】 本発明者らは、上記課題を解決するために種々鋭意検討した結果、対向するフィルムの隔壁形成部に、隔壁が剥離されたことを複室容器外表面に表示しうる手段を設けることにより、上記課題を解決する複室容器を提供できることを見出した。 【0007】 すなわち本発明は、合成樹脂製フィルムからなり、該フィルムの対向する一部を熱溶着して形成される剥離可能な隔壁により複数の室に区画された複室容器において、該隔壁の剥離を複室容器外表面に表示しうる手段が設けられてなることを特徴とする複室容器である。 【0008】 【作用】 本発明の複室容器は、剥離可能な隔壁により複数の室に区画されており、各室には、混合した状態で保存できない薬剤や薬液がそれぞれ収容される。該複室容器使用時には、各室を外部から圧迫する等により隔壁を剥離し、各室を連通させて各室内に収容された薬剤や薬液を混合する。この時、本発明の複室容器を形成するフィルムの隔壁形成部には、隔壁が剥離されたことを複室容器外表面に表示する手段が設けられており、医療従事者は隔壁が剥離されると同時に、各室が連通されたことを見知できる。また、該複室容器に隔壁の剥離を表示する手段が設けられたことにより、医療従事者が複室容器の使用準備の途中で該複室容器を一旦放置し、その後本人または他人が使用準備を再開した場合であっても、複室容器の各室が連通されているかどうかを即座に見知することが可能である。 【0009】 【発明の実施の形態】 以下に、本発明の複室容器を添付図面に示す好適な実施例に基づいて詳細に説明するが、本発明はこれらの説明に限定されるものではない。 図1は本発明の複室容器の一実施例を示す側面図である。また、図2は本発明の複室容器の隔壁部分の一実施例を示す拡大断面図であり、図3は本発明の複室容器の隔壁部分の他の実施例を示す拡大断面図である。さらに、図4〜8は本発明の複室容器に設けられる隔壁の剥離を表示しうる手段の実施例を示す説明図である。 【0010】 図1に示されるように、本発明の複室容器1は、剥離可能な隔壁2によって例えば2つの室31および32に区画されており、一方の室31には複室容器内部の薬剤や薬液を排出する排出口4が設けられている。該複室容器1に設けられる室の数は、混合しようとする薬剤または薬液の数によって変更されることが可能である。また、排出口の数や位置、形状についても、複室容器内で調製される薬液の種類や用途に応じて適宜変更される。 【0011】 複室容器1は合成樹脂製フィルムから形成される。該合成樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンや、これらの部分架橋物、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリエステル、軟質塩化ビニル、あるいはこれらの混合物や共重合体などがあげられる。前記合成樹脂製フィルムは、該合成樹脂の他に、熱安定剤や酸化防止剤、紫外線吸収剤等を含有するものであってもよいし、オゾン処理、コロナ処理、蒸着処理などの表面処理が施されたものであってもよい。 また該合成樹脂製フィルムは単層フィルムであっても、多層フィルムであってもよい。該単層フィルムは、好ましくは肉厚が5〜500μmであって、Tダイ成形、インフレーション成形等、一般の熱可塑性樹脂に用いられる方法により作製される。該多層フィルムは、好ましくは肉厚が10〜500μmであって、共押出し成形、ドライラミネート、押出コーティングなどの方法によりフィルムが作製される。 【0012】 前記合成樹脂は、前記成形方法によって筒状または板状のフィルムに成形される。筒状フィルムの場合は適当な長さに切断され、板状フィルムの場合は2枚のフィルムを重ねて、該フィルムの対向する一部を熱溶着することにより剥離可能な隔壁2が形成される。該熱溶着は、例えば最内層のフィルムに含まれる成分の内、最も低い融点を持つ成分の融点よりも高い温度で、且つ最も高い融点を持つ成分の融点よりも低い温度で行われる。 前記隔壁2が形成された筒状フィルムまたは2枚の板状フィルムは、例えば最内層のフィルムに含まれる成分の内、最も高い融点を持つ成分の融点よりも高い温度でその縁部を剥離不可能に熱融着することにより、複室容器1が形成される。 ここで、該熱溶着の方法としては、熱金型による溶着、超音波溶着、高周波溶着などの方法が使用できる。 【0013】 上記方法により形成される複室容器1は、縁部の熱溶着前か、または該縁部の熱溶着後に排出口4などの開口部から、内容物が充填される。該内容物は、人工腎臓用透析液、濾過型人工腎臓用置換液、輸液製剤の他、液体に限らず、粉体、固体などであってもよい。 前記複室容器1は、隔壁2により区画された室31、32のいずれかを手などで圧縮することにより、該隔壁2を剥離させ、複数の室31、32を連通させて複数の内容物を混合させる。 【0014】 本発明の複室容器1は、図2に示されるように対向するフィルム11および12の両方の隔壁形成部に、隔壁の剥離を表示しうる手段が設けられている。該隔壁の剥離を表示しうる手段とは、複室容器1の隔壁2が剥離された時にのみ、それを複室容器1の外表面に表示する手段を意味する。 該手段としては、例えば、対向するフィルムの一方11の隔壁形成部に設けられる記号表示部51と、対向するフィルムの他方12の隔壁形成部に設けられる記号遮蔽部52とからなるものが挙げられる。前記隔壁2が形成される時、すなわち対向するフィルム11および12が重なり合っている時は、該記号表示部51と記号遮蔽部52も重なり合っており、該記号表示部51の記号は該記号遮蔽部52によって、複室容器1の外表面に表示されることを妨げられている。一方、前記隔壁2が剥離されたとき、すなわち対向するフィルム11および12が離間した時は、該記号表示部51と記号遮蔽部52も離間しており、該記号表示部51の記号が複室容器外表面に表示される。これにより、複室容器1が戴置されている、あるいは懸架されている等、いかなる状態で配置されていても、隔壁2が剥離されて複数の室が連通したことが医療従事者に容易に見知されうる。 【0015】 前記隔壁の剥離を複室容器外表面に表示しうる手段の具体例について、図4〜8を用いて以下に説明する。 隔壁の剥離を表示しうる手段の一実施例としては、図4に示されるように、対向するフィルムの一方11の隔壁形成部には、複室容器1の複数の室が開通している事を表す記号として「開」という文字が印刷された記号表示部51が設けられている。また、対向するフィルムの他方12の隔壁形成部には、該記号表示部51の記号を遮蔽しうるように、該記号と同色で、かつ記号が印刷された面積よりも大きい面積を有するように塗りつぶされた記号遮蔽部52が設けられている。 隔壁2が形成される時、すなわち対向するフィルム11および12が重なり合っている時は、該記号表示部51と記号遮蔽部52も重なり合っているため、該記号表示部51の「開」という文字は該記号遮蔽部52の塗りつぶしによって見えないようになっている。一方、前記隔壁2が剥離された時、すなわち対向するフィルム11および12が離間した時は、該記号表示部51と記号遮蔽部52も離間しているため、該記号表示部51の「開」という文字は複室容器1の外表面に表示される。医療従事者は、複室容器1の外表面に表示される「開」という文字を見知し、隔壁2が剥離されて複数の室が連通した状態であることを即座に認識しうる。 【0016】 前記記号表示部51の記号は、図4に示すような「開」等の日本語表記に限らず、「open」等の英語表記であってもよいし、また文字以外に図6に示すような矢印等の図形が用いられてもよく、隔壁が剥離されていること、または複数の室が連通していることが瞬時に見知されるような記号であれば特に限定されない。 【0017】 前記隔壁の剥離を表示しうる手段の他の例を図5に示す。すなわち、該記号表示部51には、隔壁2が剥離されていること、または複数の室が連通していることを表示する記号の他に、背景として編みかけ模様が印刷され、該記号遮蔽部52には、該記号表示部51の背景の網掛け模様の隙間を塗りつぶすような模様が印刷される。 このような手段を用いた場合も、隔壁2が形成される時は、該記号表示部51の記号が表示されず、該隔壁2が剥離された時に、初めて該記号が複室容器1の外表面に表示される。 【0018】 また、前記隔壁の剥離を表示しうる手段の他の例として、図6に示すものもあげられる。すなわち、該記号表示部51には記号が印刷され、該記号遮蔽部52には、該記号表示部51の記号を白抜きにした図形が印刷される。 このような手段によれば、該記号表示部51の記号は元より、該記号遮蔽部52もまた記号を表示することになり、複室容器1の表裏どちらから見ても、隔壁が剥離されていること、または複数の室が連通していることが瞬時に見知されて好ましい。該記号遮蔽部52は、図6に示すように記号表示部51の記号を白抜きにした図形が印刷されたものだけでなく、図5に示すように、記号遮蔽部52の背景が塗りつぶされていない場合に、記号表示部51の記号を印刷したものであっても、同様の効果を生ずる。 【0019】 さらに他の隔壁の剥離を表示しうる手段を図7に示す。すなわち、該記号表示部51には、記号の他に背景として一つの方向に平行に配置される複数の線が印刷され、該記号遮蔽部52には、該記号表示部51の背景に用いられる線とは異なる方向、好ましくは該線と垂直に交わる方向に平行に配置される複数の線が印刷される。 このように、該記号遮蔽部52は、図5および図6に示されるように該記号表示部51の記号を必ずしも完全に塗りつぶす必要はなく、該記号が見えない程度に遮蔽されるものであればよい。 【0020】 また、前記隔壁の剥離を表示しうる手段としては、図6における記号表示部51の記号自体を網掛け模様とし、記号遮蔽部の記号の白抜き部分を、該記号表示部の網掛け模様の隙間を塗りつぶすような模様とした、図8に示される手段もあげられる。 このような手段によっても、該記号表示部51および該記号遮蔽部52の両方が記号を表示することになり、複室容器1の表裏どちらから見ても、隔壁が剥離されていること、または複数の室が連通していることが瞬時に見知される。 【0021】 上記したように、図4〜図8に示される隔壁の剥離を表示しうる手段の実施例においては、記号表示部51、記号遮蔽部52における記号および背景の色については、特に限定されないが、記号遮蔽部52によって記号が遮蔽しやすい濃厚色か、または医療従事者による見知をなるべく瞬時に行い得るよう目立つ色を用いることが好ましい。記号と背景の色が同一の場合には、その濃度を異なるものにしてもよい。 また、前記記号表示部51および記号遮蔽部52の設けられる面積は、対向するフィルムの隔壁形成部に収まる大きさであれば特に限定されないが、医療従事者による見知を遅らせない程度に十分に大きいものが好ましい。 なお、前記記号表示部51および記号遮蔽部52の印刷方法としては、グラビア印刷、オフセット印刷、ホットスタンプ、インクジェット印刷等、従来のフィルムや容器に使用されている印刷方法が用いられる。 【0022】 図4〜8に示される記号表示部51および記号遮蔽部52は、図2に示すように対向するフィルム11および12の隔壁形成部に直接印刷されていてもよいし、図3に示すように、別途用意されたフィルムに印刷したものを、対向するフィルム11および12の隔壁形成部の外表面に貼付してもよい。該貼付方法としては、熱溶着や接着剤による接着等、公知の方法が用いられる。 【0023】 【発明の効果】 本発明の複室容器は、対向するフィルムの隔壁形成部に、隔壁が剥離されたことを複室容器外表面に表示しうる手段が設けられているため、該隔壁が剥離され、複数の室が連通されたかどうかを、医療従事者が瞬時に見知することが可能である。また、該隔壁が剥離されたことを表示する手段を、複室容器の表裏両方の外表面に表示させることにより、該複室容器がいかなる状態で戴置あるいは懸架されていても、またその後複室容器の隔壁を剥離した医療従事者本人または他人が該複室容器を使用する場合であっても、該隔壁が剥離されていることを即座に見知することができる。 【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の複室容器の一実施例を示す側面図である。 【図2】本発明の複室容器の隔壁部分の一実施例を示す拡大断面図である。 【図3】本発明の複室容器の隔壁部分の他の実施例を示す拡大断面図である。 【図4】本発明の複室容器に設けられる隔壁の剥離を表示しうる手段の一実施例を示す説明図である。 【図5】本発明の複室容器に設けられる隔壁の剥離を表示しうる手段の他の実施例を示す説明図である。 【図6】本発明の複室容器に設けられる隔壁の剥離を表示しうる手段の他の実施例を示す説明図である。 【図7】本発明の複室容器に設けられる隔壁の剥離を表示しうる手段の他の実施例を示す説明図である。 【図8】本発明の複室容器に設けられる隔壁の剥離を表示しうる手段の他の実施例を示す説明図である。 【符号の説明】 1 複室容器 2 隔壁 31、32 室 11、12 合成樹脂製フィルム 51 記号表示部 52 記号遮蔽部
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| 【出願人】 |
【識別番号】000135036 【氏名又は名称】ニプロ株式会社 【住所又は居所】大阪府大阪市北区本庄西3丁目9番3号
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| 【出願日】 |
平成14年11月11日(2002.11.11) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2004−159778(P2004−159778A) |
| 【公開日】 |
平成16年6月10日(2004.6.10) |
| 【出願番号】 |
特願2002−327173(P2002−327173) |
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