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【発明の名称】 薬供給システム
【発明者】 【氏名】ジョン・シー・グリーヴン

【氏名】ジェフリー・エム・ヴァリー

【要約】 【課題】より信頼性よく患者に薬を投与すること。

【解決手段】求められた薬を受渡し装置(30)に装入してもらいたいという要求を受け取るステップ(102)、この求められた薬を識別する第1の電子薬識別子を作り出すステップ、実際の薬を識別する第2の電子薬識別子を作り出すために、この実際の薬に関連する識別タグを読み取るステップ、および、第1の電子薬識別子と、第2の電子薬識別子を比較するステップ(108)を含む薬供給方法が提供される。第1の電子薬識別子と第2の電子薬識別子が一致する場合には、上記の受渡し装置(30)に、実際の薬を装入することができる(112)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬を供給してもらいたいという要求を受け取るステップと、
前記要求された薬を識別する第1の電子薬識別子を作り出すステップと、
実際の薬を識別する第2の電子薬識別子を作り出すために、前記実際の薬に関連する識別タグを読み取るステップと、
前記第1の電子薬識別子と前記第2の電子薬識別子を比較するステップと、
を有し、
前記第1の電子薬識別子と前記第2の電子薬識別子が一致することにより、前記実際の薬が供給されることを特徴とする薬供給方法。
【請求項2】
前記薬を供給してもらいたいという要求を受け取るステップは、電子要求識別子を受け取るステップと、検証ソースにアクセスして、処方箋記録から、前記受け取られた電子要求に一致する記録電子要求を探索するステップを含み、
このような符合する電子要求が前記処方箋記録中にあることで、薬を供給してもらいたいというこのような要求が真正なものであることが示されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記電子要求識別子を受け取るステップは、処方箋を光学的に読み取るステップと、処方箋を電子的に読み取るステップの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の電子薬識別子を作り出すステップは、このような第1の電子薬識別子を含む検証ソースにアクセスするステップを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記実際の薬を受渡し装置に装入するステップと、
前記第1の電子薬識別子と前記第2の電子薬識別子が一致すると判定したときに、所定の投与パラメータにより、受渡し装置から薬を投与するステップと、
をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記薬の一回分の服用量を投与してもらいたいという指示を受け取るステップと、
投与する服用量の時間間隔が経過したかどうか判定するためにチェックするステップと、
前記投与する服用量の時間間隔が経過した場合には、前記薬の一回分の服用量を投与するステップと、
前記受渡し装置に格納された薬の在庫を記録するステップと、
薬の各一回分の服用量を投与するときに前記在庫を変更して、このような在庫を追跡するステップと、
をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
患者に渡すように求められた薬の受渡しに用いられる薬受渡し装置であって、
求められた薬識別情報にアクセスするように構成され、さらに、処方された薬を前記薬受渡し装置に装入してもらいたいという電子要求を受け取るように構成され、また、検証ソースにアクセスして、前記受け取られた電子要求に一致する記録電子要求を、処方箋記録から探索するように構成されたプロセッサであって、このような符合する電子要求が前記処方箋記録中にあることで、前記受け取られた電子要求が真正なものであることが示されるプロセッサと、
前記受渡し装置への装入に用いるように選択された薬に関連する識別タグから、選択された薬識別情報を読み取るように構成されたタグ・リーダと、
前記求められた薬識別情報が、前記選択された薬識別情報と一致しない場合は、前記受渡し装置への薬の装入を妨げるように構成された誤り防止機構と、
を備える薬受渡し装置。
【請求項8】
前記求められた薬識別情報が前記選択された薬識別情報と一致すると判定したときに、所定の投与パラメータにより、前記受渡し装置から薬を投与するように構成された投与装置をさらに備え、
前記所定の投与パラメータが、前記薬の投与する服用量の時間間隔を決定することを特徴とする請求項7に記載の薬受渡し装置。
【請求項9】
処方された薬を識別する電子識別子を含む処方箋記録にアクセスするように構成され、さらに、ユーザから処方箋要求を受け取り、また検証ソースにアクセスして前記受け取られた処方箋要求を真正なものと認めるように構成され、前記受け取られた処方箋要求に一致する記録処方箋要求を、前記検証ソースから探索するようにしたプロセッサであって、このような符合する処方箋要求があることで、前記受け取られた処方箋要求が真正なものであることが示されるプロセッサと、
実際の薬に関連する識別タグから電子識別子を読み取って、このような実際の薬電子識別子を前記プロセッサに伝えるために、前記前記プロセッサに結合されたタグ・リーダと、
前記処方された薬を受け入れるように構成された貯蔵タンクと、
前記プロセッサおよび貯蔵タンクに結合された投与機構であって、前記処方された薬を識別する電子識別子と、前記実際の薬に関連する識別タグからの電子識別子との一致を確認した上で、前記処方箋記録の所定の投与パラメータに基づいて、前記貯蔵タンクから前記薬を投与するように構成された、前記プロセッサに応答する投与機構と、
を備えることを特徴とする薬受渡し装置。
【請求項10】
患者に渡すように求められた薬の受渡しに用いられる薬受渡し装置であって、
求められた薬識別情報にアクセスするプロセッサ手段と、
前記受渡し装置への装入に用いるように選択された薬に関連する識別タグから、選択された薬識別情報を読み取るタグ・リーダ手段と、
前記求められた薬識別情報が、前記選択された薬識別情報と一致しない場合は、前記受渡し装置への薬の装入を妨げる誤り防止手段であって、誤った薬選択を示すように構成されたディスプレイを含む誤り防止手段と、
を備える薬受渡し装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、患者に薬を投与させる薬供給システムに関する。
【背景技術】
【0002】
年々、かなりの数の薬が、必要としている患者に、誤って投与されたり、渡されたりしている。このように誤って薬が投与されたり、渡されたりするのは、処方箋への読みにくい手書き文字、類似した薬品名、および/または、異なる薬もしくはその薬の包装材料の類似した外観に起因する可能性がある。誤りはまた、患者名が類似する結果でもある可能性があり、これは、患者に薬を供給する時に、あるいは、患者が使う時に、混乱をもたらすことになる。さらに他の誤りが、わかりにくい使用説明書、あるいは、医師、薬剤師、またはその薬の製造者が規定した投薬計画に対する患者による故意の変更からもたらされることもある。このような誤りは、患者に対して、ひどい危害をもたらす可能性があるかもしれない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
よって、より信頼できるように、患者に薬を投与させる薬供給システムを提供することが望ましいであろう。
【課題を解決するための手段】
【0004】
求められた薬を受渡し装置(delivery appliance)に装入してもらいたいという要求を受け取るステップ、この求められた薬を識別する第1の電子薬識別子を作り出すステップ、実際の薬を識別する第2の電子薬識別子を作り出すために、この実際の薬に関連する識別タグを読み取るステップ、および、第1の電子薬識別子と、第2の電子薬識別子を比較するステップを含む薬供給方法が提供される。第1の電子薬識別子と第2の電子薬識別子が一致する場合には、上記の受渡し装置に、実際の薬を装入することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0005】
初めに図1を参照すると、本発明の一実施形態による薬供給システム(全体が10で示される)が示されている。図示されるように、システム10は、ネットワーク通信リンク14を介してサーバー16に接続された医師端末12を含むことがある。システム10はまた、薬局端末18や患者端末20も含み、それらの端末もそれぞれ、ネットワーク通信リンク14を介して、サーバー16に接続されることもある。
【0006】
次に、サーバー16は、メモリ24に動作可能に接続されたプロセッサ22を含むことがある。このメモリは、以下でさらに述べられるように、受渡し装置30を介して、薬の適正な配給の検証に用いられる検証ソース(verification source)、例えば、検証データベース26を格納することもある。示されるように、受渡し装置30は、端末12、18、20の1つまたは複数に接続するように構成されるか、あるいは、端末および/またはサーバー16へのアクセスのために、ネットワーク通信リンク14に直接に接続することがある。
【0007】
本実施形態により、医師端末12は、格納のために処方箋記録および他のデータをサーバー16に伝えることがある。それぞれの処方箋記録は、特定の患者用の特定の処方箋の電子コピーであることもあり、したがって、一意の処方箋要求(通常、一意の要求識別子を持つ)と見なされることがある。この処方箋記録には、名前、住所、年齢、性別、身長、体重、既知のアレルギー、患者を識別するイメージなどのような患者固有の識別情報を含め、医師の記録から得られた情報が入っていることもある。この処方箋記録はまた、薬識別子や投薬計画などの患者固有の処方箋情報も含むことがある。この情報は、医師端末12上に格納されるか、あるいは、上述の通り、サーバー16、または指定された端末の任意のものに伝えられることがある。いくつかの例では、医師の記録から得られた情報のうち、選択された部分だけをサーバー16に伝えることもある。
【0008】
ネットワーク通信リンク14は、通常、医師端末12、薬局端末18、患者端末20をサーバー16に接続する。このネットワーク通信リンクは、データをやり取りできるネットワークであればどんなタイプであってもよい。例えば、ネットワーク通信リンク14は、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)、広域ネットワーク(WAN)、あるいは、これらのネットワークを任意に組み合わせたものであってもよい。ネットワーク通信リンク14は、端末12、18、20が、サーバー16と、安全にデータを交換できるようにする任意の適切なネットワーク・アーキテクチャを利用してもよい。
【0009】
図1に示される本発明の一実施形態は、ネットワーク通信リンクとして、広域ネットワーク(WAN)を利用して実施されている。薬局端末18は、WANを通じて、サーバー16にリンクされることがある。医師端末12および患者端末20も、WANを通じて、サーバー16にリンクされることがある。受渡し装置30は、前述の端末の任意のものにリンクされるか、あるいは、WANを通じて、サーバー16に直接にリンクされることがある。受渡し装置30だけでなく、端末12、18、20のそれぞれも、WANを通じて、安全にデータをサーバー16に送り、またサーバー16から受け取ることもある。
【0010】
サーバー16は、データを格納し、また、すぐ近くかあるいは遠隔の端末(1つまたは複数)からアクセスされるように構成された任意の適切なネットワーク・サーバー・コンピュータであってもよい。このサーバーとして、ただ1台のコンピュータまたは一組のネットワーク接続されたコンピュータが機能することがある。サーバー16へのアクセスは、サーバー自体のユーザ・インターフェースを通じて行われるか、あるいは、これらの指定された端末の1つまたは複数を通じて行われることがある。
【0011】
サーバー16のプロセッサ22は、検証データベース26からの処方箋記録を用いて、薬の適正な配給の検証を受け入れるように構成されることがある。示されるように、検証データベース26は、サーバー16のメモリ24に格納されること、および/または、上記の指定された端末の1つまたは複数のメモリに格納されることがある。さらに、この検証データベースは、すぐ近くの場所、または、まったく異なる場所で、複数のサーバー上に格納された複数のデータベースであることもある。例えば、複数の医師がそれぞれ、患者固有の識別および/または処方箋の情報を有する医師固有の検証データベースを維持することもある。
【0012】
一実施形態では、検証データベース26は、薬剤師に提示された患者の識別および処方箋の情報の検証に用いられる医師(一人または複数人)からの処方箋記録を格納している。よって、医師は、この処方箋情報を医師端末12に送るように構成された個人用携帯情報端末(PDA)を用いて処方箋を作成することがある。次に、医師端末12上のソフトウェアは、検証データベース26上に格納されることになっている処方箋記録を、ネットワーク通信リンク14を介してサーバー16に送ることがある。次に、処方箋要求を受け取ると、薬剤師は、検出データベースにアクセスして、その受け取られた処方箋要求と一致する処方箋要求を探索することで、その処方箋要求が真正なものであることをチェックすることがある。一致が認められる(例えば、記録された要求の中の電子要求識別子と、受け取られた要求の中の電子要求識別子を突き合わせることにより)場合には、患者名、薬品名、投薬計画などの情報が検証されることがある。
【0013】
上に触れたように、この受け取られた要求からの一意の識別コードが、処方箋記録の対応するフィールド内に見つけられたときに、一致が行われると見なされることがある。その代り、あるいは、その上、受け取られた電子要求の中の所定の最小数のフィールドと、この検証データベースの処方箋記録に記録された電子要求の中の対応するフィールドと一致するときに、一致が行われると見なされることもある。一致を探索しようとするときに、いくつかのフィールドは、他のフィールドよりもさらに重みが加えられる場合があるものとする。例えば、この受け取られた電子要求と、この記録された電子要求の中で、この要求の患者の名前および薬品名が同じであれば、一致が認められることもある。
【0014】
検証データベース26中の情報は、新たな処方箋が作成されると、最新のものにしておくことがある。したがって、システム10の所有者は、処方箋が作成されるときに、医師または医療サービス提供者に電子処方箋記録を作成してもらい、かつ、検証データベース26への格納のために、サーバー16に向けて、その電子処方箋記録を送ってもらうことで、処方箋での検証データベースの更新を指示することがある。
【0015】
一実施形態では、この検証データベースは、専用サーバー上に格納されることがある。この実施形態では、患者が薬剤師に出す処方箋要求は、専用サーバーに格納された検証データベースに、その薬剤師がリモート・アクセスできるようにするコードを含むことがある。この実施形態は、アクセスが限られている患者データベースを医師が維持できるようにすることもある。
【0016】
他の実施形態では、検証データベースは、医師端末12上に格納されることがある。この実施形態では、患者が薬剤師に出す処方箋要求は、医師端末12上に格納された検証データベースに、その薬剤師がリモート・アクセスできるようにするコードまたはアドレスを含むことがある。
【0017】
薬局端末18は、通常、薬剤師が記録を取り、サーバー16および/または他の端末とやり取りし、かつ、処方薬の調合などの調剤処理を検証するのに役立つように、薬局に設置されている。代表的な薬局端末18は、プロセッサ、メモリ、ユーザ・インターフェースなどを含むコンピュータ端末であることもある。したがって、通常、薬剤師は、薬局端末18によりサーバー16にアクセスでき、また、薬の適正な配給の検証、および/または、薬のカスタム・ラベル(custom label)の製作に用いられる、サーバー上に格納された情報を検索できる。薬局端末18はまた、受渡し装置30への薬の装入を指示し、受渡し装置30への薬の適正な装入を検証し、かつ/または、医師、薬剤師、および/または、製薬会社の投薬指示に従って、このような受渡し装置の動作を指示する(この受渡し装置の設定によって)ために、用いられることもある。
【0018】
患者端末20はまた、通常、受渡し装置30と対話し、また他の端末およびサーバー16とやり取りするように構成されたコンピュータ端末であることもある。したがって、患者は、患者端末を利用して、カスタム・ラベルを製作し、この受渡し装置の中身を検証し、この薬の一回分の服用量の投与を求め、かつ/または、オンライン薬局で処方薬を調合してもらえるように求めることがある。
【0019】
端末12、18、20は、コンピュータ端末として図示され、説明されている。しかし、それぞれの端末は、複数のネットワーク接続されたコンピュータも含むことがあると了解されよう。例えば、本明細書に述べられる医師端末または薬局端末は、ローカル・コンピュータ・ネットワークに接続された複数のコンピュータ端末を実際に含むことがある。
【0020】
さらに、それぞれの端末は、サーバー16とやり取りするために、識別用のネットワーク・アドレスも含むことがある。この実施形態では、端末は、許可なしサーバー16にアクセスできないことがある。許可を得るには、あらかじめ承認されたユーザ名および/またはパスワードが必要であるか、あるいは、薬剤師のライセンス・データ(薬局端末用)の提出が必要であることもある。同様に、医師端末12と患者端末20は、サーバー16にアクセスするために、識別用のネットワーク・アドレスまたは同様な許可を必要とすることもある。
【0021】
受渡し装置30は、図1に示されるように、ネットワーク通信リンク14に、直接に、あるいは別の端末を介して接続するように構成されることがある。受渡し装置30は、薬剤師または患者が、この受渡し装置に薬を装入するときに、患者のID、薬のID、および/または、薬の投薬計画を検証するために用いられることがある。患者が、薬の一回分の服用量(pharmaceutical dose)の受渡しを求めるときにも、同様な検証が達成されることがある。
【0022】
図2は、受渡し装置30を図式的に示している。示されるように、受渡し装置30は、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、デジタル信号処理装置(DSP)などの形態を取る制御プロセッサ32を含むことがある。この制御プロセッサは、通常、受渡し装置のうち、データバス34、ユーザ・インターフェース36、タグ・リーダ38、貯蔵タンク(reservoir)40、投与機構(例えば、制御バルブ)42、メモリ44、入出力ポート46、PCインターフェース48を含む(ただし、それらには限定されない)ことがある他の構成要素と動作可能に結合されている。受渡し装置30の制御プロセッサ32は、通常、データバス34を通じて、ユーザ・インターフェース36、タグ・リーダ38、および、受渡し装置の他の構成要素と接続している。
【0023】
制御プロセッサ32は、ユーザ・インターフェース36を介して、ユーザと対話することがある。ユーザ・インターフェースは、液晶ディスプレイまたは薄膜トランジスタ(TFT)画面などの表示画面を含むことがある。このユーザ・インターフェースは、タッチ・スクリーン機能を持つか、あるいは、関連キーパッドを含むこともある。このユーザ・インターフェースにより、通常、ユーザは、以下でさらに詳しく説明されるように、情報を入力して、投与要求を出すことができる。
【0024】
タグ・リーダ38は、通常、貯蔵タンク40をいっぱいにするように選択された薬の上のタグ、あるいは、その薬に関連するタグを読み取るように構成されている。このタグは、薬のID、薬剤間で起こり得る相互作用、最大投薬量などのような薬情報を含むことがある。一実施形態では、タグ・リーダ38は、処方薬の入れ物上のスマート・カード・タイプのタグを読み取るように構成されることがある。別法として、タグ・リーダ38は、バーコード、もしくは、それに類する識別示標をスキャンする光学式読取り装置であることもある。さらに他の実施形態では、タグ・リーダ38は、前述の情報を用いてコード化された電子タグ(例えば、シリアル・メモリ素子)を読み取るように構成されることもある。貯蔵タンク40に装入するように選択された薬に関する情報を、タグ・リーダが入手できるようにするために、データ通信に適した方法であれば何でも利用できるものと了解されよう。
【0025】
したがって、タグ・リーダ38は、選択された薬のタグから薬識別情報を読み取って、この選択された薬識別情報を、受渡し装置30のメモリ44に記録することがある。それに対応して、プロセッサ32が、I/Oポート46および/またはPCインターフェース48(以下に述べられる)を利用して、求められた薬を識別する薬識別情報を含む記録にアクセスすることがある。この求められた薬識別情報も、受渡し装置30のメモリ44に格納されることがある。したがって、このプロセッサは、選択された薬識別情報と、求められた薬識別情報を比較して、それらの薬識別情報が一致することを検証し、したがって、貯蔵タンクに薬が、適正に装入されるか、装入されつつあるか、あるいは、装入されていることを検証することがある。それらの薬識別情報が一致する場合には、この貯蔵タンクへの薬の適正な装入が許可される(または、確証される)ことがある。それらの薬識別情報が一致しない場合には、装入誤り防止機構(例えば、ユーザ・インターフェース36のディスプレイ)を起動して、貯蔵タンクへの薬の誤った装入を妨げる(貯蔵タンクに薬が誤って装入されつつある(あるいは、装入されている)ことをユーザに通知するなどして)こともある。
【0026】
本明細書に用いられる薬は、治療投薬計画による、あるいは医療サービス専門家の処方による患者への投与を目的とした任意の規制物質または医薬品(例えば、錠剤、液体、気体など)を含む。医療サービス専門家には、医師、看護婦、開業医などがある。貯蔵タンク40はまた、注射器、試薬テストストリップ(例えば、血液グルコースの試験用)、抗ヒスタミン錠剤などのような投与できる必需品も貯蔵することがある。これも、規定された何らかの治療投薬計画によるものである。この受渡し装置は、通常、この患者に投与されるか、あるいは患者が用いるかもしれない薬を投与するように構成されるものと了解されよう。受渡し装置30は、主として、処方薬の用途に関して、本明細書で論じられているが、処方箋なしで買える消耗品(ビタミン、ダイエット・サプリメントなど)を投与するために用いられる場合があることも了解されよう。よって、このシステムは、このような処方薬や、処方箋なしで買える消耗品が、この受渡し装置に適正に装入されていることを検証し、所望の投薬計画(dispensing regimen)に基づいて、このような消耗品を渡すように指示するために利用されることがある。
【0027】
受渡し装置30は、投与される薬または消耗品のタイプにより、異なる様々なタイプの貯蔵タンクを収容するように構成されることがある。例えば、吸入される処方薬は、丸薬またはカプセルとは異なるタイプの貯蔵タンクに貯蔵されることがある。いくつかの実施形態では、受渡し装置30は、複数の薬を貯蔵して、投与するように構成されることがある。これらの実施形態では、受渡し装置は、複数の貯蔵タンクを使用するように構成されることがある。貯蔵タンク40は、プロセッサ32により、ゲート、バルブ、または他の投与機構42へのコマンドを通じて開閉されることがある。複数の貯蔵タンクを含む受渡し装置の実施形態では、複数の別々の制御ゲート、バルブ、または投与機構が用いられることがある。
【0028】
投薬計画(これは、通常、患者が処方薬を服用するか、あるいは、処方薬を患者に投与するときに従うスケジュールまたは状況である)は、医師端末、薬剤師端末、または検証データベースからダウンロードされ(あるいは、ユーザ・インターフェースを通じて、手操作で入力され)て、一組の命令またはパラメータとして、メモリ44に格納されることがある。この格納された一組の命令に従うことで、医療サービス提供者の規定された投薬計画により、信頼できるように薬を投与するように、この受渡し装置に自動的に指示することがある。
【0029】
受渡し装置30は、入出力(I/O)ポート46とPCインターフェース48を含むことがある。I/Oポート46とPCインターフェース48は両方とも、この受渡し装置に他の装置とやり取りさせるように構成されたタイプのデータ・ネットワーク・インターフェースであることもある。このI/Oポートは、無線式か、あるいは有線式のものであって、任意の適当に信頼できる安全な通信基準を用いて、データを転送することもある。
【0030】
この受渡し装置が、それ自体、ネットワーク上の端末として機能するように、このI/Oポートは、そのネットワークに直接に接続するように構成されることがある。同様に、PCインターフェース48を用いて、薬剤受渡し装置30をパーソナルコンピュータの端末に接続することがある。PCインターフェース48により、端末は、その受渡し装置と対話することができる。このPCインターフェースは、データを交換できるという点で、PDA(携帯情報端末)とデスクトップ形パーソナルコンピュータとの間のインターフェースと同様であり、また、デスクトップ形パーソナルコンピュータは、ソフトウェアをロードし、かつデータをPDA(あるいは、この場合は、受渡し装置)と同期させるホストの役目をすることがある。PCインターフェースのコネクティビティは、I/Oインターフェースよりも速いデータ・トランスポートを提供し、また、電気を供給して、この受渡し装置を動作させ、かつ/または、この受渡し装置のバッテリを充電することなどの追加機能を可能にする場合がある。
【0031】
図3は、システム10を用いて、所望の投薬計画により薬が正確に投与されていることを検証する方法を、100で図式的に示した流れ図である。方法100は、102に示されるように、受渡し装置の貯蔵タンクに薬を装入するなどして薬を供給してもらいたいという要求を受け入れることを含む。このような要求は、医師の処方箋に従うか、あるいは、医師または薬の製造者によって定められた指針の範囲内で患者または薬剤師が選択した投薬計画に基づくこともある。
【0032】
このような要求(本明細書では、装入要求と呼ばれる)が真正で、正確であることを検証する作業は、104に示されるように、受渡し装置に、検証データベースにアクセスさせて、その要求が、この検証データベース中の記録と一致するかどうか判定させることにより、達成されることがある。例示目的で、この装入要求は、検証データベース中の処方箋記録と比較される処方箋記録の形態を取ることがあると了解されよう。
【0033】
したがって、薬剤師は、薬局端末に処方箋要求を入力して、その処方箋要求に対応する電子要求を作り出すことがある。この受渡し装置は、同様に、この処方箋要求をユーザ・インターフェースを通じて受け取るか、あるいは、端末または他の装置から、I/OポートあるいはPCインターフェースを介して処方箋要求をダウンロードすることで、処方箋要求を受け取って、この処方箋要求に対応する電子要求を作り出すことがある。いずれにしても、このような電子要求は、本明細書では、受け取られた電子要求と呼ばれる。次に、検証データベースは、実際の処方箋に対応する処方箋記録を含むものと見なされ、したがって、この処方箋記録に対応する電子要求を出すことがある。このような電子要求は、本明細書では、記録電子要求と呼ばれる。
【0034】
したがって、検証メッセージ(例えば、この処方箋要求の電子識別子を含む)を、I/Oポート、PCインターフェース、または、薬局端末上の同様な通信インターフェースなどのネットワーク・インターフェースを介してサーバーに送ることで、検証データベースを探索して、対応する電子要求があるかどうか判定することがある。この検証メッセージに応答して、サーバーは、検証データベース中に、処方箋記録の電子識別子に関して一致するものを探索し、そのような一致する電子識別子が見つけられたかどうかを表わす検証応答を送ることがある。
【0035】
検証データベースに送られた検証メッセージは、患者ID情報、薬ID情報、および/または、処方箋要求を一意的に識別するように構成された他の何らかの電子識別子を有する処方箋要求を含むことがある。この電子識別子は、任意のコード、マーカ、または、この処方箋要求を一意的に識別する他のデータであってもよい。上述の通り、このような識別子は、処方箋要求を、この検証データベース中の処方箋記録に合わせ易くすることがある。
【0036】
一致する記録が見つけられる(例えば、処方箋記録中に、一致する電子要求があることで)場合には、検証応答は、この受け取られた電子要求が真正であることを示し、また、106に示されるように、薬が、受渡し装置の貯蔵タンクへの装入に用いるように選択されることがある。この検証応答は、求められた薬を識別する電子薬識別子を含むことがあり、この電子薬識別子は、例えば、処方箋記録(あるいは、検証された処方箋要求)から得られる。
【0037】
この検証応答はまた、受渡し装置への命令も含み、それによって、規定または所望の投薬計画により、薬を投与するパラメータを定めることがある。このような命令は、実際には、貯蔵タンクからの薬の投与を制御することがある。例えば、このような命令は、この薬の許可された服用量の時間間隔を定めて、これらの時間間隔に従ってのみ、投与機構を動作できるようにすることがある。
【0038】
一致する記録が見つからない場合には、検証応答は、105に示されるように、装入要求の誤りを薬剤師に指摘することがある。この検証応答はまた、処方箋要求の誤りを、医療サービス提供者に知らせ、かつ/または、処方箋要求を変更しようとする試みに対して、この医療サービス提供者の注意を喚起することがある。
【0039】
示されるように、受渡し装置のタグ・リーダは、貯蔵タンクに装入するように選択された薬に関連する薬識別タグを読み取り、それにより、実際に使われる薬を識別する電子識別子を作り出すように構成されることがある。また、薬剤間の可能な相互作用、ロットナンバー情報などを含む他の情報も、タグ上に含められて、タグ・リーダで読み取られる場合もあることに留意されたい。処方箋要求が検証されると、108に示されるように、実際に薬貯蔵タンクに装入するように選択された薬のIDをチェックして、その薬と、検証された処方箋要求の中に書かれた(called for)薬が確実に一致できるようにすることがある。
【0040】
選択された薬と、求められた薬が一致しない(例えば、それぞれの電子薬識別子を比較して決定される)場合には、110に示されるように、装入誤り防止機構を起動して、薬貯蔵タンクへの装入に、その薬の使用を妨げることがある。この装入誤り防止機構は、選択された薬を薬貯蔵タンクに装入するのを妨げる、受渡し装置のユーザ・インターフェース上の警告メッセージであるか、あるいは、誤って選択された薬が薬貯蔵タンクに入れられないようにする実際のロッキング構造であることもある。選択された薬と、求められた薬が一致する場合には、その選択された薬を供給することができる(例えば、112に示されるように、その選択された薬を、薬貯蔵タンクに装入することがある)。
【0041】
他の実施形態では、薬貯蔵タンクがすでにいっぱいになった後に、受渡し装置から、検証応答が送られることがある。選択された薬と、求められた薬が一致しない場合には、サーバーからの検証応答は、その求められた薬の投与を妨げるように、受渡し装置に指示することができる。
【0042】
114に示されるように、薬貯蔵タンクに残っている薬の在庫、すなわち、これらの服用量の総計も変更されて、受渡し装置のメモリに格納されることがある。当初の在庫は、タグから読み取られるか、薬局端末からダウンロードされるか、あるいは、手操作で入力されることがある。受渡し装置に薬が装入されて、治療投薬計画が、一組のパラメータとして、メモリに格納されると、受渡し装置は、116に示されるように、薬貯蔵タンクから薬を投与してもらいたいという指示を患者から受け取ることができる。
【0043】
薬貯蔵タンクから薬を投与してもらいたいという指示を受け取ると、プロセッサは、受渡し装置のメモリにアクセスして、118に示されるように、その投与指示が、規定された投薬計画のパラメータと一致することを検証することがある。例えば、このプロセッサは、最後の服用量を投与してから、薬の別の服用量を投与するように投与機構に指示するまで、どのくらいの期間であったか決定するためにチェックすることもある。その投与指示が、規定された投薬計画のパラメータと一致しない場合には、このプロセッサは、120に示されるように、例えば、受渡し装置のユーザ・インターフェース上にエラーメッセージを表示することで、投与指示誤りを表示することがある。このプロセッサはまた、そのような指示を拒絶することもある。さらに、このプロセッサは、有効期限に関して、貯蔵タンクの中身に関連するタグから読み取られた情報をチェックすることがある。貯蔵タンクの中身の有効期限が切れていたら、このプロセッサは、誤りを表示し、かつ/または、追加的な服用量が投与されないようにすることができる。
【0044】
規定された投薬計画と一致しない1つまたは複数の投与要求が受渡し装置で受け取られる場合には、患者の医療サービス提供者に通知することも望ましいかもしれない。この情報は、受渡し装置により検証データベースに送られるか、あるいは、医師または薬剤師に伝えられることがある。受渡し装置は、無線接続によって、ネットワークに自動的に接続して、この情報を医療サービス提供者に伝えるか、あるいは、この受渡し装置が端末に接続されたときに、このデータを送ることがある。
【0045】
投与指示を出す患者のIDも、受渡し装置のメモリに格納されたパラメータを用いて、そのような要求のときに検証されることがある。処方箋記録は、受渡し装置のメモリに格納される患者IDデータを含んでもよい。その後、受渡し装置は、投与指示を出す患者に、自分のIDを立証するように求めることができる。これは、バイオメトリックスの指紋、もしくはそれに類する技術を通じて、パスワードを通じて、キーカード、あるいは、この要求を出す患者のIDを立証する他の何らかの方法を通じて行うことが可能である。この投与指示が、処方箋記録のパラメータと実際に一致する場合には、122に示されるように、プロセッサは、投与機構に命じて、貯蔵タンクから薬を投与することがある。
【0046】
それぞれの服用量が投与された後、プロセッサは、治療投薬計画をチェックして、124に示されるように、治療投薬計画が別の服用量を投与するよう求めているかどうか判定することがある。上述のパラメータが、追加的な服用量を投与することになっていることを示す場合には、受渡し装置は、薬の次の服用量を投与してもらいたいという別の指示を受け取る用意ができていることがある。この治療投薬計画が終了した場合には、受渡し装置は、126に示されるように、この治療投薬計画が終了したことを示すメッセージを送ることができる。このメッセージはまた、医師の端末、サーバーの検証データベース、および/または、他の任意の適切な端末またはサーバーにも送られることがある。受渡し装置は、自動的にネットワークに接続した後で、このメッセージを送るか、あるいは、患者により手動で受渡し装置がネットワークに接続するときに、このメッセージを送ることができる。
【0047】
本発明の一実施形態が特に図示され、説明されてきたが、当業者であれば、併記の特許請求の範囲に定められる精神および範囲から逸脱することなく、本発明に多くの変更を行うことができると了解されよう。したがって、この説明は、本明細書に述べられた要素の新規で、かつ非自明なすべての組合せを含むものと了解されるべきである。特許請求の範囲は、本願、またはその後の出願において、これらの要素の任意の新規で、かつ非自明なすべての組合せに提示されることがある。上述の実施形態は例示であって、ただ1つのどんな特徴も要素も、本願、またはその後の出願において請求されるかもしれない可能なあらゆる組合せにとって不可欠であるとは限らない。この特許請求の範囲が「1つ」または「最初の」要素、またはそれと同等なものを列挙する場合には、このような特許請求の範囲は、このような1つまたは複数の要素の織り込みを含み、このような2つ以上の要素を必要としないし、また、除外もしないものとする。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の一実施形態により、薬が正確に供給されることを検証するように構成されたシステムを、いくらか図式的に描いたものである。
【図2】本発明の一実施形態により、受渡し装置を図式的に描いたものである。
【図3】本発明の一実施形態により、処方薬が正確に調合され、投与されていることを検証する方法を例示した流れ図である。
【符号の説明】
【0049】
12 医師端末
14 ネットワーク
16 サーバー
18 薬局端末
20 患者端末
22 プロセッサ
24 メモリ
26 検証データベース
30 受渡し装置
32 プロセッサ
36 ユーザ・インターフェース
38 タグ・リーダ
40 薬貯蔵タンク
42 投与装置
44 メモリ
48 PCインターフェース
【出願人】 【識別番号】503003854
【氏名又は名称】ヒューレット−パッカード デベロップメント カンパニー エル.ピー.
【出願日】 平成15年10月28日(2003.10.28)
【代理人】 【識別番号】100099623
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 尚一

【識別番号】100096769
【弁理士】
【氏名又は名称】有原 幸一

【識別番号】100107319
【弁理士】
【氏名又は名称】松島 鉄男

【識別番号】100114591
【弁理士】
【氏名又は名称】河村 英文

【公開番号】 特開2004−148120(P2004−148120A)
【公開日】 平成16年5月27日(2004.5.27)
【出願番号】 特願2003−367186(P2003−367186)