| 【発明の名称】 |
哺乳器 |
| 【発明者】 |
【氏名】上原 弘之 【住所又は居所】東京都千代田区神田富山町5番地1 ピジョン株式会社内
【氏名】星野 豊 【住所又は居所】東京都千代田区神田富山町5番地1 ピジョン株式会社内
【氏名】山本 春美 【住所又は居所】東京都千代田区神田富山町5番地1 ピジョン株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】硬度が低く軟らかい人工乳首を有しても、液体が人工乳首から出にくくなったりせず、また、液体が哺乳器から漏れ出すことがない哺乳器を提供すること。
【解決手段】容器130と、係合凹部116を有する、硬度5度乃至30度の弾性部材よりなる人工乳首110と前記係合凹部と係合するための係合凸部122aを含むギャップ開口122を有するキャップ部120と、を有し、前記人工乳首には、少なくとも、前記容器本体内の容器雰囲気Bをキャップ雰囲気Cと通気させ等するための第1の通気調節部117と、少なくとも、キャップ雰囲気を外部に対して通気させ等するための第2の通気調節部118と、前記キャップ雰囲気を哺乳器の外部雰囲気と通気するための通気確保部119と、が備えられ、前記第2の通気調節部は、前記キャップ部に対し接触等する構成と成り、前記通気確保部は、前記係合凹部に設けられたリブ116aで構成される哺乳器100。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 液体を収容する容器本体と、 前記容器本体に液体を注入するための容器開口部と、を有する容器と、 乳幼児の口腔内に挿入される乳首本体と、 乳首本体の下側に配置され、前記容器開口部と略同等の外周を有するフランジ部と、 前記容器開口部側に対応して配置され、 前記容器に固定するためのキャップ部の端部を収容し係合するための係合凹部と、を有し、 硬度5度乃至30度の弾性部材よりなる人工乳首と、 前記人工乳首を挿通可能なキャップ開口と、 前記キャップ開口の端部側に設けられ、前記人工乳首の係合凹部と係合するための係合凸部と、を有するキャップ部からなる哺乳器であって、 前記容器本体内の雰囲気は、少なくとも、前記容器開口部に対して配置される前記人工乳首によって覆われ、 前記人工乳首には、少なくとも、前記容器本体内の容器雰囲気を前記人工乳首と前記キャップ部とで形成されるキャップ雰囲気と通気させ又は通気させないための第1の通気調節部と、 少なくとも、前記第1の通気調節部で前記キャップ雰囲気に導入された容器雰囲気を外部に対して通気させ又は通気させないための第2の通気調節部と、 前記第2の通気調節部で外部に対して連通させられた前記キャップ雰囲気を哺乳器の外部雰囲気と通気するための通気確保部と、が備えられ、 前記第2の通気調節部は、前記キャップ部に対し接触又は離間する構成と成り、 前記通気確保部は、前記係合凹部に設けられたリブで構成されることを特徴とする哺乳器。 【請求項2】 前記第2の通気調節部は、前記容器雰囲気内が負圧に成ると前記キャップ部に対する接触状態から離間状態に移動する構成となっていることを特徴とする請求項1に記載の哺乳器。 【請求項3】 前記人工乳首の前記係合凹部に設けられた前記リブは、前記キャップ部の前記キャップ開口及び/又は前記係合凸部の底面部、側面部及び上面部のそれぞれに対応して形成され、 前記上面部及び前記側面部に対応する前記リブは、相互に連接し、略L字状のL字リブを構成し、 このL字リブが略平行に複数配置され、 前記底面部に対応する前記リブは、底面リブを構成することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の哺乳器。 【請求項4】 前記第1の通気調節部が切り欠き部により構成され、 この切り欠き部と前記底面リブとは、前記第2の通気調節部を介して連続するように配置され、 前記底面リブと前記切り欠き部のそれぞれ連続している部分の幅が略同等に形成され、 前記略平行に配置される前記複数のL字リブは、これらL字リブの間隔が前記底面リブの幅より長く形成されていることを特徴とする請求項3に記載の哺乳器。 【請求項5】 前記キャップ部の前記第2の通気調節部より外側に前記人工乳首のフランジ部と固定するための固定用凸部が形成され、前記フランジ部には前記固定用凸部と係合するための固定用凹部が形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の哺乳器。 【請求項6】 前記固定用凸部と前記固定用凹部とは、前記容器開口部を形成する天面部に対応して形成されることを特徴とする請求項5に記載の哺乳器。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】 本発明は、例えば乳幼児等が授乳等に際して用いる哺乳器に関するものである。 【0002】 【従来の技術】 従来より、人工乳首がキャップで取り付けられた哺乳瓶にミルクを収容し、乳幼児等がミルク等を飲むために用いられている。 このように哺乳器内のミルクを乳幼児等が飲み、ミルクの内容量が減少すると哺乳瓶内が外気に比べ負圧となり、ミルクが人工乳首が出難くなる。 このため、哺乳瓶の人工乳首のフランジに通気孔を設け、この通気孔が負圧の際に開状態となり、負圧でないときは閉状態に変化するようにし、ミルクが出にくくなるのを防止している哺乳器がある(例えば、特許文献1参照)。 【0003】 また、負圧をとならないように外気を供給するための空気溝を設け常に外気を哺乳瓶内に供給する哺乳器もある(例えば、特許文献2参照)。 【0004】 【特許文献1】 実公平4−26106号公報(第10図) 【特許文献2】 特開2001−204796号公報(第1図) 【0005】 【発明が解決しようとする課題】 しかしながら、従来と異なり、極めて軟らかい材質で構成され、硬度も低い人工乳首を備える哺乳瓶の場合は、人工乳首が軟らかいため、変形し易く、これによりキャップが人工乳首を固定できず、人工乳首がキャップから抜け出てしまうおそれがあった。 このため、人工乳首とキャップとは、従来の哺乳瓶より、より密着性を高めたり、抜け防止の突起を嵌合させたりする必要があり、上述の特許文献1のような通気孔では、通気が確保できないという問題があった。 また、哺乳瓶内に温度の高いミルクを収容した場合は、哺乳瓶が外気に比べ陽圧となり、上述の特許文献2のような空気溝では、この空気溝を伝わってミルクが外部に漏れるという問題もあった。 【0006】 そこで、本発明は、以上の点に鑑み、硬度が低く軟らかい人工乳首を有しても、液体が人工乳首から出にくくなったりせず、また、液体が哺乳器から漏れ出すことがない哺乳器を提供することを目的とする。 【0007】 【課題を解決するための手段】 前記目的は、請求項1の発明によれば、液体を収容する容器本体と、前記容器本体に液体を注入するための容器開口部と、を有する容器と、乳幼児の口腔内に挿入される乳首本体と、乳首本体の下側に配置され、前記容器開口部と略同等の外周を有するフランジ部と、前記容器開口部側に対応して配置され、前記容器に固定するためのキャップ部の端部を収容し係合するための係合凹部と、を有し、硬度5度乃至30度の弾性部材よりなる人工乳首と、前記人工乳首を挿通可能なキャップ開口と、前記キャップ開口の端部側に設けられ、前記人工乳首の係合凹部と係合するための係合凸部と、を有するキャップ部からなる哺乳器であって、前記容器本体内の雰囲気は、少なくとも、前記容器開口部に対して配置される前記人工乳首によって覆われ、前記人工乳首には、少なくとも、前記容器本体内の容器雰囲気を前記人工乳首と前記キャップ部とで形成されるキャップ雰囲気と通気させ又は通気させないための第1の通気調節部と、少なくとも、前記第1の通気調節部で前記キャップ雰囲気に導入された容器雰囲気を外部に対して通気させ又は通気させないための第2の通気調節部と、前記第2の通気調節部で外部に対して連通させられた前記キャップ雰囲気を哺乳器の外部雰囲気と通気するための通気確保部と、が備えられ、前記第2の通気調節部は、前記キャップ部に対し接触又は離間する構成と成り、前記通気確保部は、前記係合凹部に設けられたリブで構成されることを特徴とする哺乳器により達成される。 【0008】 請求項1の構成によれば、前記人工乳首は、硬度5度乃至30度の弾性部材よりなり、変形し易い硬度となっている。 しかし、前記人工乳首は、前記容器に固定するためのキャップ部の端部を収容し係合するための係合凹部を有し、前記キャップ部は、前記キャップ部開口端部に、前記人工乳首の前記係合凹部と係合するための係合凸部を有する。 このため、これら係合凹部と係合凸部との係合によって、前記人工乳首が上述のように変形等しても前記キャップ部によって強固に固定され、容易に前記人工乳首が前記キャップ部から抜け出さない構成となっている。 このように強固に固定していても、前記係合凹部に前記リブが形成されているので、このリブと前記キャップ部の前記キャップ開口や前記係合凸部とが当接し、前記リブが若干変形等するだけで、前記係合凹部の全面が完全に前記係合凸部に密着することはない。 このため、前記通気確保部を前記係合凹部に構成でき、通気を確保することができる。したがって、前記キャップ部と前記人工乳首は、通気を確保しつつ、強固に固定されることになる。 【0009】 また、前記容器本体内に例えば高温の液体を収容し、攪拌等を行うことにより、前記容器本体内の雰囲気が外気に対し陽圧となり、授乳をおこなう為に逆転させた場合、万一、前記第1の通気調節部から液体が前記キャップ雰囲気内に漏れ出しても、前記第2の通気調節部が前記キャップ部に対し接触していれば、漏れ出した液体は、前記キャップ雰囲気内に留まる。 したがって、漏れ出した液体が前記通気確保部を介して哺乳器の外部の前記外部雰囲気に漏れ出すことがない。 【0010】 一方、液体を前記人工乳首を経て摂取することで、前記容器本体内の雰囲気が外気に対して負圧となると、前記第1の通気調節部が前記容器雰囲気と前記キャップ雰囲気とを連通させる。 また、前記第2の通気調節部は、前記キャップ部に対し離間し、前記キャップ雰囲気と哺乳器の外部雰囲気とは、前記通気確保部を介して連通する。 このため、外部雰囲気が、前記通気確保部及び前記キャップ雰囲気を介して前記容器雰囲気内に導入され、負圧が解消されることになる。 【0011】 好ましくは、請求項2の発明によれば、請求項1の構成において、前記第2の通気調節部は、前記容器雰囲気内が負圧に成ると前記キャップ部に対する接触状態から離間状態に移動する構成となっていることを特徴とする哺乳器である。 【0012】 請求項2の構成によれば、前記第2の通気調節部は、前記容器雰囲気内が負圧でなければ、通常は前記キャップ部に接触している状態と成っている。 このため、前記容器本体内の前記容器雰囲気が前記外部雰囲気と比べ負圧や陽圧でない場合は、前記キャップ雰囲気は前記通気確保部と連通されていない。 したがって、哺乳器の利用者が誤って液体が収容されている哺乳器を倒しても、液体は前記キャップ雰囲気内に留まり、前記通気確保部を経て外部雰囲気に漏れ出すことがない。 また、容器雰囲気内の陽圧が強まった状態においては、第2の通気調節部の接触が強まることで、確実にキャップ雰囲気を密閉することができる。 【0013】 好ましくは、請求項3の発明によれば、請求項1又は請求項2の構成において、前記人工乳首の前記係合凹部に設けられた前記リブは、前記キャップ部の前記キャップ開口及び/又は前記係合凸部の底面部、側面部及び上面部のそれぞれに対応して形成され、前記上面部及び前記側面部に対応する前記リブは、相互に連接し、略L字状のL字リブを構成し、このL字リブが略平行に複数配置され、 前記底面部に対応する前記リブは、底面リブを構成することを特徴とする哺乳器である。 【0014】 請求項3の構成によれば、略平行に配置されている複数の前記L字状リブの間や、前記底面リブの近傍で確実に通気を確保することができる。 【0015】 好ましくは、請求項4の発明によれば、請求項3の構成において、前記第1の通気調節部が切り欠き部により構成され、この切り欠き部と前記底面リブとは、前記第2の通気調節部を介して連続するように配置され、前記底面リブと前記切り欠き部のそれぞれ連続している部分の幅が略同等に形成され、前記略平行に配置される前記複数のL字リブは、これらL字リブの間隔が前記底面リブの幅より長く形成されていることを特徴とする哺乳器である。 【0016】 請求項4の構成によれば、前記底面リブと前記切り欠き部のそれぞれ連続している部分の幅が略同等に形成されているので、前記人工乳首を樹脂成型する際に、樹脂が流れやすく確実に成型し易く、コストダウンを図ることができる。 また、前記略平行に配置される前記複数のL字リブは、これらL字リブの間隔が前記底面リブの前記切り欠き部と対向している部分の幅より長く構成されている。 このため、前記複数のL字リブの間における通気の流れを前記底面リブが阻害することがなく、より効率のよい通気を確保することができる。 【0017】 好ましくは、請求項5の発明によれば、請求項1乃至請求項4のいずれかの構成において、前記キャップ部の前記第2の通気調節部より外側に前記人工乳首のフランジ部と固定するための固定用凸部が形成され、前記フランジ部には前記固定用凸部と係合するための固定用凹部が形成されていることを特徴とする哺乳器である。 【0018】 請求項5の構成によれば、前記キャップ部の前記第2の通気調節部より外側に前記人工乳首のフランジ部と固定するための固定用凸部が形成され、前記フランジ部には前記固定用凸部と係合するための固定用凹部が形成されている。 このため、上述のように硬度が低く軟らかい前記人工乳首をより強固に前記キャップ部が固定することができ、前記人工乳首の脱落等を未然に防ぐことができる。 【0019】 好ましくは、請求項6の発明によれば、請求項5の構成において、前記固定用凸部と前記固定用凹部とは、前記容器開口部を形成する天面部に対応して形成されることを特徴とする哺乳器である。 【0020】 請求項6の構成によれば、前記固定用凸部と前記固定用凹部とは、前記容器開口部を形成する天面部に対応して形成される。 このため、前記容器の容器開口部でなく比較的強固な構成となっている前記天面部上に前記固定用凸部と前記固定用凹部を配置すると、前記天面部が強固なため、前記キャップ部を前記人工乳首を介して容器に固定することに伴い、前記固定用凸部と前記固定用凹部との係合がより強化され、前記人工乳首を前記キャップ部で、さらに強固に固定することができる。 したがって、前記人工乳首の脱落等をより完全に防止することができる。 【0021】 【発明の実施の形態】 以下、この発明の好適な実施形態を添付図面を参照しながら、詳細に説明する。 尚、以下に述べる実施形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。 【0022】 図1は、本発明の実施の形態にかかる哺乳器100を示す概略図である。 図1に示すように哺乳器100は、液体である例えばミルクを収容する容器である例えばガラス性の哺乳瓶130と、弾性部材である例えばシリコーンゴムから成る人工乳首110と、この人工乳首110を哺乳瓶130に固定するためのキャップ部である例えば樹脂製のキャップ120とを有している。 人工乳首110のシリコーンゴムの硬度は、5度乃至30度で、好ましくは10度乃至25度で、これは例えばJIS−K6253(ISO7619)におけるA型デュロメータによる硬度である。 したがって、この硬度は従来の人工乳首で用いられている硬度である例えば、40度程度に比べ格段に軟らかい構成となっている。 【0023】 人工乳首110は、図1に示すように、ミルクを利用者の口腔内で噴出させるための噴出開口111と、この噴出開口111が形成されている乳頭部112と、この乳頭部112から拡径されて形成されている乳首胴部113とからなる人工乳首本体を有している。 噴出開口111は、例えば丸穴状の微細な開口や、十字状、Y字状又は一文字状のスリット等により形成されている。 【0024】 図2は、図1の哺乳器100の概略中央縦断面図の一部を示したものである。 図2に示すように、人工乳首110に内側には、肉厚の薄い溝部114が例えばリング状に2箇所形成されている。 利用者である乳幼児等が哺乳器100でミルクを摂取する際は、人工乳首110を口腔内にくわえて、舌が蠕動様運動を行う。この蠕動様運動により人工乳首110は伸展し、この伸展により乳幼児等はスムーズにミルクを摂取することができる。 したがって、この人工乳首110の伸展をより円滑に行うために、硬度の低い素材を使用すると共に、溝部114が形成されている。 すなわち、溝部114は、人工乳首110の他の部分より肉厚が薄く形成されているので、より伸展しやすい構成となっている。 【0025】 ところで、図2に示すように哺乳瓶130には、ミルクを収容するための容器本体である例えば哺乳瓶本体131と、哺乳瓶本体131にミルクを注入するための容器開口部である例えば哺乳瓶開口132とが形成されている。 この哺乳瓶開口132には、キャップ120と螺合するための螺合溝132aが形成されている。 この哺乳瓶開口132の螺合溝132aに対応してキャップ120側にも螺合溝121が図2に示すように形成され、両者が螺合し、固定される構成となっている。 この両者の螺合による固定の際、図2に示すように、人工乳首100はキャップ120の中央部に設けられたキャップ開口122に挿通されて、哺乳瓶開口132側に対して配置され、人工乳首110のフランジ115がキャップ120と哺乳瓶130とに挟まれ、これによって人工乳首110が哺乳瓶130に固定されることになる。 また、フランジ115は、人工乳首110の乳首胴部113から更に外側に拡径して形成されている。 【0026】 図3は、図2の矢印Aで示す部分の概略拡大図である。 図3に示すように人工乳首100のフランジ115は、具体的には、キャップ120と哺乳瓶130の天面部である天面133とに挟まれて固定されている。 また、キャップ開口122の端部である図2の右側端部の下側には、係合凸部122aがキャップ開口122に沿って、図の下方に向かって突出するよう形成されている。 一方、人工乳首110の内周部(図の右側)には、このキャップ開口122及び係合凸部122aを収容し係合させるための係合凹部116が形成されている。また、係合凹部116の図3の下部には、係合凸部122aに対応して凹部底面116cがフランジ115の内側に沿って溝状に形成されている。 すなわち、上述のように人工乳首110の硬度が低く、極めて軟らかく形成されているため、キャップ120と哺乳瓶130の天面133との間で保持されず、変形して抜け出してしまうおそれがある。 このため、キャップ120の係合凸部122aを含むギャップ開口122が人工乳首110の凹部底面116cを含む係合凹部116に係合され、強固に固定され、乳幼児の蠕動様運動に伴って、キャップ120がフランジ115から抜け出してしまうことを防止する構成となっている。 特に、係合凸部122aが凹部底面116cに入り込むことにより、人工乳首110が抜け出す方向に対して係止すうよう機能することができる。 【0027】 哺乳瓶本体131内の雰囲気は、図3に示すように、哺乳瓶開口132に対して配置される人工乳首110によって覆われており、人工乳首110のフランジ115の上面をキャップ120によって覆われている。 人工乳首110のフランジ115には図3に示すように第1の通気調節部である例えば通気弁117が形成されている。 この通気弁117は、哺乳瓶本体131内の容器雰囲気Bをフランジ115とキャップ120とで形成されるキャップ雰囲気Cと通気させ又は通気させないためのものである。 【0028】 図4は、フランジ115に形成された通気弁117等を示す概略斜視図である。図5は、通気弁117の概略底面図である。 図4に示すように、通気弁117は平面より見ると例えば略円形を形成し、図5に示すように、切り欠き部である例えばY字状にスリットが形成されている。 また、通気弁117は、図3に示すように下方に湾曲した形状となっており、その底面にスリットが設けられている。 このため、授乳に伴い容器雰囲気Bが負圧となった場合、図3の通気弁117が哺乳瓶本体131側に引っ張られて、下方に向かって変形すると、図5のY字状のスリットが通気可能状態となるように構成されている。 一方、下方に変形しない状態では、図5のY字状のスリットは閉じており通気しない状態となる。 なお、この通気弁117は、フランジ115と一体に形成されており、同じ材質、すなわち硬度の低いシリコーンゴムで形成されているため容易に変形等する構成となっている。 【0029】 ところで、フランジ115には、通気弁117でキャップ雰囲気Cに導入された容器雰囲気Bを哺乳器100の外部に対して通気させ又は通気させないための第2の通気調節部である例えば接触面118を有している。 この接触面118は、図4に示すように通気弁117の近傍となる上方でフランジ115の上面によって形成されており、図3に示すようにキャップ120の内面と接触し、または、図において下方に移動し、キャップ120の内面から離間する構成となっている。 すなわち、接触面118がキャップ120の内面と接触しているときは、図3のキャップ雰囲気Cは閉状態となるが、接触面118がキャップ120の内面から下方向に離間すると、開状態となり、後述する通気通路を経て外部と連通することになる。 特に、容器雰囲気Bが陽圧となった場合には、接触面118が上方に変形するよう圧力を受けるため、確実に陽圧時における密閉を行うことができる。 【0030】 また、キャップ雰囲気Cを哺乳器100の外部雰囲気と連通させるための通気確保部である例えば通気通路119が、図4に示すように形成されている。 この通気通路119は、具体的には図3のキャップ120のキャップ開口122の底面側に設けられた係合凸部122a、キャップ開口122の内周となる開口側面122b及び上面部である例えば開口上面122cに沿って通気が確保されるように構成されている。 すなわち、キャップ120と人工乳首110との間に通気ができるような隙間が形成されている。 この隙間は、具体的には、係合凹部116に複数のリブを設けることで形成される。 【0031】 この複数のリブは、キャップ120の係合凸部122a、開口側面122b、開口上面122cのそれぞれに対応して、人工乳首110の係合凹部116に形成される。 このうち、開口側面122b及び開口上面122cに対応するリブは、相互に連接し、図3に示すように略L字状のL字リブ116bを構成している。 このL字リブ116bは、図4に示すように複数、例えば2個形成され、且つ平行に配置されている。 また、キャップ120の係合凸部122aに対応するリブは、人工乳首110の係合凹部116の凹部底面116cに、図3及び図4に示すように底面リブ116aとして、凹部底面116cの深さを浅くすることで形成されている。 【0032】 図6は、図3のX−X’線概略端面説明図である。 図6に示すように、図3及び図4に示す2個のL字リブ116b、116bは、キャップ120のキャップ開口122の開口上面122cと当接する。 このため、平行して配置される2個のL字リブ116b、116bの間及び2個のL字リブ116b、116bの近傍には、係合凸部116が僅かにたわむように変形することで開口上面122cと接触しない隙間が生じ、確実に通気を確保でき、通気通路119が形成される。 なお、図3に示されるように、開口側面122bもL字リブ116b、116bによって、人工乳首110を変形させることで、開口上面122cと同様に、隙間を形成させ、通気通路119が形成される。 そして、同様に、図3及び図4に示す底面リブ116aは、係合凸部122aと当接し、底面リブ116aの近傍となる両側縁に沿って隙間が確保でき、通気通路119が形成される。 【0033】 また、図3及び図4に示すように、通気弁117と底面リブ116aとは、接触面118を介して連続するように配置されている。そして、図4に示すように、底面リブ116aと通気弁117のそれぞれ連続している部分の幅W1(図4に示す幅W1)は略同等に形成されている。 このため、シリコーンゴムから成る人工乳首110を樹脂成形する際に、特に薄肉とされている通気弁117近傍に対して、厚さの薄くされた凹部底部116c近傍で、樹脂の流れを妨げることなく、凹部底面116よりも厚くされた底面リブ116aの部分から樹脂が流れ易くなるので成型し易くなり、成型のコストダウンを図ることができる。 【0034】 また、図4に示すように、前記略平行に配置される2個のL字リブ116b、116bの間隔W2(図4及び図6の間隔W2)が底面リブ116aの通気弁117と対向している部分の幅W1(図4及び図6の幅W1)より長く形成されている。 このため、2個のL字リブ116b、116bの間隔W2における通気の流れを底面リブ116aによって阻害せず、より効率のよい通気通路119を確保することがでできるとともに、万一、第2の通気調節部である接触面118から液体が漏れ出た場合においても、通気通路119に沿って液体が漏れ出さないよう遮ることができる。 【0035】 以上のように構成される本実施の形態の哺乳器100を図1に示すように組み立てて使用する。 このとき、人工乳首110は、上述のように硬度5度乃至30度という軟らかく変形し易い構成となっている。 しかし、人工乳首110は、キャップ120の端部である係合凸部122aを含むキャップ開口122を収容するための係合凹部116を有している。さらに、キャップ120のキャップ開口122には図3に示すような係合凸部122aが突出して形成され、この係合凸部122aを収容する凹部底面116cが人工乳首110に形成されている。 このため、キャップ120の係合凸部122aを含むキャップ開口122が、人工乳首110の凹部底面116cを含む係合凹部116に係合され、強固に固定される構成となり、キャップ120からフランジ115が抜け出ることを防止することができる構成となっている。 【0036】 そして、このようにキャップ120と人工乳首110のフランジ115等を強固に固定しても、図3及び図4に示すように係合凹部116に、2個のL字リブ116b、116bや底面リブ116aが形成されているので、図6に示すように、これらL字リブ116b等とキャップ120の係合凸部122とが当接し、L字リブ116bの近傍が僅かに撓むように変形することとなる。 このため、係合凹部116の全面が完全に係合凸部122に密着することがない。したがって、通気通路119を係合凹部116に構成でき、通気を確保することができ、キャップ120と人工乳首110とは、通気を確保しつつ、強固に固定されることになる。 【0037】 このような哺乳器100内に例えば高温のお湯と粉ミルクを入れて攪拌すると、図1の哺乳瓶本体131内の容器雰囲気Bが、哺乳器100の外部の外部雰囲気に対し陽圧となる。 すると、哺乳瓶本体131内の圧力が高くなり、図3の通気弁117は、図3の下方向へ変形させられないので、図5のY字状のスリットは閉状態となっている。 しかし、圧力が高く、更に授乳のため人工乳首110が下向きとなるように変転させるため、ミルクは、このY字状のスリットを通過し、図3のキャップ雰囲気C内に漏れ出すことがある。 このとき、キャップ雰囲気Cと通気通路119との連通を調節する接触面118は、図3に示すようにキャップ120の内面と接触しており、更に容器雰囲気Bが陽圧となり、接触面118はキャップ120の内面側に圧力をうけているので、キャップ雰囲気C内に漏れ出たミルクが通気通路119を経て哺乳器100の外部に漏れ出すことを未然に防止することができる。 【0038】 この接触面118は、図3の容器雰囲気B内が負圧となるとキャップ120に対する接触状態から離間状態に移動する構成となっている。 すなわち、接触面118は、哺乳瓶本体131内が負圧となる場合を除き、常にキャップ120の内面に接触した状態に構成されているので、上述のように哺乳瓶本体131が陽圧の場合であっても、図3の下方向に移動することがなく、キャップ雰囲気Cが通気通路119と連通されず、漏れ出たミルクが外部に漏れ出るのを確実に防ぐことができる。 したがって、乳幼児等や保護者が熱いミルクを直接触れることがなく安全な哺乳器100となる。 また、特に、哺乳器100の利用者が誤って、高温のミルクが収容されている哺乳器100を倒しても、ミルクはキャップ雰囲気C内に留まり、高温のミルクが通気通路119を経て外部雰囲気(哺乳器100の外部)に漏れ出すことを未然に防ぐことができる。 【0039】 一方、保護者等の利用者が哺乳瓶本体131内に適温のミルクを収容し、乳幼児等が人工乳首110から摂取すると、哺乳瓶本体131内のミルクが減少し、哺乳瓶本体131内が負圧となる。 これでは、乳幼児等が人工乳首110に蠕動様運動を行っても、ミルクが適正に噴出せず、摂取し難い哺乳器100となる。 そこで、本実施の形態の哺乳器110は、哺乳瓶本体131内が負圧になると、その圧力変化で図3の接触面118が下方に移動する構成となっている。 図7は、接触面118が下方に移動し、外気が流入する状態を示す概略断面図である。 これにより、図7に示すように、キャップ雰囲気Cは、通気通路119と連通される。 また、図3の通気弁117も圧力変化で下方に向かって変形し、図5のY字状のスリットが開状態となる。 したがって、哺乳器100の外気である外部雰囲気は、図7の通気通路119、接触面118を経てキャップ雰囲気C内に導入され、さらに、通気弁117を介して哺乳瓶本体131内に導入される。 特に、人工乳首110は硬度の低い部材より形成されているため、フランジ115の上面となる接触面118や、通気弁117は、容器雰囲気Bの圧力低下に確実に対応して変形するため、外部雰囲気を導入することができる。 このため、哺乳瓶本体131内に負圧は速やかに解消されることになる。 【0040】 以上のように、本実施の形態の哺乳器100は、硬度が低く軟らかい人工乳首110を有しても、哺乳瓶本体131内が負圧になって、ミルクが出にくくなることがない。また、哺乳瓶本体131内が陽圧となっても、ミルクが哺乳器100が漏れ出すことがなく安全な哺乳器100となっている。 【0041】 ところで、本実施の形態の哺乳器100には、図3に示すように、そのキャップ120に人工乳首110のフランジ115と固定するための固定用凸部122dが形成されている。また、フランジ115にはキャップ120の固定用凸部122dと係合するための固定用凹部115aが、それぞれ、フランジ115の外周側に沿って、通気弁117や接触面118よりも外側に位置するよう形成されている。 したがって、上述のように硬度が低く軟らかく形成されている人工乳首110を上述のキャップ開口122や係合凸部122a、係合凹部116と共に、キャップ120に固定する働きをする。 すなわち、図3のようにフランジ115の内周部と外周部とで同時にフランジ115をキャップ120に固定するため、より強固に人工乳首110をキャップ120に装着できる。 したがって、人工乳首110の変形等によるキャップ120からの脱落等をより確実に未然に防ぐことができる。 【0042】 また、このキャップ120の固定用凸部122dとフランジ115の固定用凹部115aは、図3に示すように、哺乳瓶開口132を形成する天面133に対応し、その上面に配置されている。 すなわち、哺乳瓶開口132ではなく比較的強固な構成となっている天面133上に配置されると、天面133が強固なため、キャップ120の螺合溝121と哺乳瓶開口の螺合溝132aによって閉め込むことに伴って、固定用凸部12dと固定用凹部115aとの係合がより強化され、人工乳首110をさらに強固にキャップ120に固定することができる。 したがって、人工乳首110の変形等に伴ってキャップ120から脱落等することがより完全に防止することができる。 【0043】 また、前記実施の形態の各構成は、その一部を省略したり、上述していない他の任意の組み合わせに変更することができる。 【0044】 【発明の効果】 以上のように、本発明によれば、硬度が低く軟らかい人工乳首を有しても、液体が人工乳首から出にくくなったりせず、また、液体が哺乳器から漏れ出すことがない哺乳器を提供することができる。 【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の実施の形態にかかる哺乳器を示す概略図である。 【図2】図1の哺乳器の概略中央縦断面図の一部を示したものである。 【図3】図2の矢印Aで示す部分の概略拡大図である。 【図4】フランジに形成された通気弁等を示す概略斜視図である。 【図5】通気弁の概略底面図である。 【図6】図3のX−X’線概略端面説明図である。 【図7】外気が流入する状態を示す概略断面図である。 【符号の説明】 100・・・哺乳器、110・・・人工乳首、111・・・噴出開口、112・・・乳頭部、113・・・乳首胴部、114・・・溝部、115・・・フランジ、115a・・・固定用凹部、116・・・係合凹部、116a・・・底面リブ、116b・・・L字リブ、116c・・・凹部底面、117・・・通気弁、118・・・接触面、119・・・通気通路、120・・・キャップ、121・・・螺合溝、122・・・キャップ開口、122a・・・係合凸部、122b・・・開口側面、122c・・・開口上面、122d・・・固定用凸部、130・・・哺乳瓶、131・・・哺乳瓶本体、132・・・哺乳瓶開口、132a・・・螺合溝、133・・・天面、B・・・容器雰囲気、C・・・キャップ雰囲気。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000112288 【氏名又は名称】ピジョン株式会社 【住所又は居所】東京都千代田区神田富山町5番地1
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| 【出願日】 |
平成14年10月11日(2002.10.11) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100096806 【弁理士】 【氏名又は名称】岡▲崎▼ 信太郎
【識別番号】100098796 【弁理士】 【氏名又は名称】新井 全
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| 【公開番号】 |
特開2004−129940(P2004−129940A) |
| 【公開日】 |
平成16年4月30日(2004.4.30) |
| 【出願番号】 |
特願2002−299146(P2002−299146) |
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