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【発明の名称】 連通手段付き薬液容器
【発明者】 【氏名】荒俣 章文
【住所又は居所】大阪市北区本庄西3丁目9番3号 ニプロ株式会社内

【氏名】八木 秀樹
【住所又は居所】大阪市北区本庄西3丁目9番3号 ニプロ株式会社内

【氏名】平山 壽和
【住所又は居所】大阪市北区本庄西3丁目9番3号 ニプロ株式会社内

【氏名】五十嵐 悟
【住所又は居所】大阪市北区本庄西3丁目9番3号 ニプロ株式会社内

【氏名】村井 慶久
【住所又は居所】大阪市北区本庄西3丁目9番3号 ニプロ株式会社内

【要約】 【課題】操作者が怪我をしたり、コアリングを発生したりすることなく、簡便に短時間で薬液調製操作を行うことの出来る連通手段付き薬液容器を提供する。

【解決手段】本発明の連通手段付き薬液容器は、先端に注射針接続部11を有する薬液容器10と、この薬液容器10の先端に設けられた中空の連通手段20を含み、この連通手段20は、バイアル口部をスライド自在に挿着可能な有底筒状のガイド部21と、このガイド部の底面22中央部にこの底面22を貫通して設けられた中空の穿刺部材23を含む。この穿刺部材23は、底面22より先端側の穿刺針23aと基端側の接続部23bを有しており、接続部23bは前記注射針接続部11に、脆弱部50を介して液密かつ剥離可能に接続されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
先端に注射針接続部を有する薬液容器と、該薬液容器の先端に設けられた中空の連通手段を含み、該連通手段は、バイアルの口部をスライド自在に挿着可能な有底筒状のガイド部と、該ガイド部の底面中央部に該底面を貫通して設けられた中空の穿刺部材を含み、該穿刺部材は、底面より先端側の穿刺針と底面より基端側の接続部を有し、該接続部が前記注射針接続部に接続されてなる連通手段付き薬液容器。
【請求項2】
前記穿刺部材の接続部が、前記注射針接続部に外嵌されると共に、前記穿刺部材の接続部と前記注射針接続部とは、脆弱部を介して容易に剥離可能に接着されてなる請求項1記載の薬液容器。
【請求項3】
前記脆弱部が、前記穿刺部材の接続部の先端と前記薬液容器の肩部の間に形成されてなる請求項2記載の薬液容器。
【請求項4】
前記脆弱部が、前記穿刺部材の接続部の内側と前記注射針接続部の外側の間に形成されてなる請求項2記載の薬液容器。
【請求項5】
前記脆弱部が、少なくとも前記薬液容器の形成材料と前記穿刺部材の形成材料の混合材料により形成されてなる請求項2〜4のいずれかに記載の薬液容器。
【請求項6】
前記脆弱部が、熱可塑性エラストマー、シリコンエラストマー及びブチルゴムから選ばれる少なくとも一つの材料により形成されてなる請求項2〜4のいずれかに記載の薬液容器。
【請求項7】
前記連通手段と前記薬液容器とを相対的に回転させることにより、前記脆弱部が剥離し、前記連通手段が前記薬液容器から容易に取り外せる請求項2〜6のいずれかに記載の薬液容器。
【請求項8】
前記穿刺部材の接続部が、前記注射針接続部に螺合により接続されてなる請求項1記載の薬液容器。
【請求項9】
前記薬液容器が、先端に注射針接続部を有する基端の開放されたバレルと、該バレルの基端からバレル内に液密かつ摺動自在に挿着されたガスケットからなるシリンジである請求項1〜8のいずれかに記載の薬液容器。
【請求項10】
前記薬液容器が、先端に注射針接続部を有する押圧により容易に変形可能なボトルである請求項1〜8のいずれかに記載の薬液容器。
【請求項11】
内部に予め薬液が充填されてなる請求項1〜10のいずれかに記載の薬液容器。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内部に予め薬液を充填してなる連通手段付き薬液容器に関する。更に詳しくは、バイアル口部の封止部材を穿刺する穿刺針とバイアルガイドを含んでなる連通手段を剥離可能に接続した、内部に予め薬液を充填してなる連通手段付き薬液容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
液剤とした場合に製剤的、薬効的な安定性を保つことの困難な薬品は、従来、固形製剤や粉末製剤、凍結乾燥製剤としてバイアルなどに収容して保存しておき、用時にシリンジなどを用いて溶解液と混合し、液剤に調製して使用している。例えば、バイアルに収容された固形製剤の場合、バイアルやアンプルに収容された溶解液をシリンジに吸引し(又は、予め溶解液の充填された所謂プレフィルドシリンジに溶解液注入針を装着し)、注入針をバイアルのゴム栓に刺通して、シリンジからバイアル内に溶解液を注入し、固形製剤を溶解液と混合して薬液に調製し、薬液調製操作終了後、薬液をバイアルからシリンジに再吸引していた。しかし、このシリンジを用いる方法では薬液調製操作に金属針を必要としているため、操作者が注射針で怪我をしたり、バイアルのゴム栓に針を斜めに刺した場合などにゴム栓のコアリングが生じたりする虞があった。また、何よりその操作が煩雑であるため、その調製に少なからず時間がかかっていた。
【0003】
そこで、前記したような問題を解決すべく図10に示すように前後2つのラバーストッパー700及び710により液密に封止された、内部に薬液720が収容された容器兼用注射器本体740のカートリッジ750前端部に設けた筒先部材760のノズル761に穿刺針部材770の装着部771を嵌合してなる発明がある。この発明によると、粉末製剤等が充填されているバイアルに対し容器兼用注射器から溶解液等の液剤を容易、確実に注入することができると共に、一般の注射針を用いないのでゴム栓の細片を含む薬液を患者の体内に注射するおそれがなくなるとある(特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−78798号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら特許文献1記載の発明では、穿刺部材770と筒先部材760の注射針接続部761とが装着部771の螺合のみによって接続されているため、前部ラバーストッパー700を用いずにカートリッジ750内部に薬液720を収容し高圧蒸気滅菌を行った場合、この接続部分より内部の薬液が漏出したりする虞がある。この問題を防止するため前部ラバーストッパー700によりカートリッジ750内部の薬液720を密封しているが、使用時に前部ラバーストッパー700の外壁面に薬液通路762を形成する筒先部材760も必要となるため製造工程が煩雑となる。また、ラバーストッパー700、710の素材となるゴム部材は高価であるため、製造コストも高くなる。さらに、バイアルガイドが設けられていないためバイアル口部の封止部材への穿刺がしずらく、ゴム栓に対して斜めに穿刺した場合、コアリングが発生し易く、穿刺部材770の先端772が手指等に触れ汚染されるおそれがある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明者らは前記した課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明に想到した。すなわち本発明は、
(1) 先端に注射針接続部を有する薬液容器と、該薬液容器の先端に設けられた中空の連通手段を含み、該連通手段は、バイアルの口部をスライド自在に挿着可能な有底筒状のガイド部と、該ガイド部の底面中央部に該底面を貫通して設けられた中空の穿刺部材を含み、該穿刺部材は、底面より先端側の穿刺針と底面より基端側の接続部を有し、該接続部が前記注射針接続部に接続されてなる連通手段付き薬液容器;
(2) 前記穿刺部材の接続部が、前記注射針接続部に外嵌されると共に、前記穿刺部材の接続部と前記注射針接続部とは、脆弱部を介して容易に剥離可能に接着されてなる前記(1)記載の薬液容器;
(3) 前記脆弱部が、前記穿刺部材の接続部の先端と前記薬液容器の肩部の間に形成されてなる前記(2)記載の薬液容器;
(4) 前記脆弱部が、前記穿刺部材の接続部の内側と前記注射針接続部の外側の間に形成されてなる前記(2)記載の薬液容器;
(5) 前記脆弱部が、少なくとも前記薬液容器の形成材料と前記穿刺部材の形成材料の混合材料により形成されてなる前記(2)〜(4)のいずれかに記載の薬液容器;
(6) 前記脆弱部が、熱可塑性エラストマー、シリコンエラストマー及びブチルゴムから選ばれる少なくとも一つの材料により形成されてなる前記(2)〜(4)のいずれかに記載の薬液容器;
(7) 前記連通手段と前記薬液容器とを相対的に回転させることにより、前記脆弱部が剥離し、前記連通手段が前記薬液容器から容易に取り外せる前記(2)〜(6)のいずれかに記載の薬液容器;
(8) 前記穿刺部材の接続部が、前記注射針接続部に螺合により接続されてなる前記(1)記載の薬液容器;
(9) 前記薬液容器が、先端に注射針接続部を有する基端の開放されたバレルと、該バレルの基端からバレル内に液密かつ摺動自在に挿着されたガスケットからなるシリンジである前記(1)〜(8)のいずれかに記載の薬液容器;
(10) 前記薬液容器が、先端に注射針接続部を有する押圧により容易に変形可能なボトルである前記(1)〜(8)のいずれかに記載の薬液容器;
(11) 内部に予め薬液が充填されてなる前記(1)〜(10)のいずれかに記載の薬液容器;等に関する。
【0007】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施例を示す縦断面図であり、薬液容器と穿刺部材の接続部の形成材料の混合物により脆弱部を形成している。
図2は、本発明の他の実施例を示す縦断面図であり、薬液容器と穿刺部材の接続部の形成材料の混合物により脆弱部を形成しており、薬液容器としてボトルを採用している。
図3は、本発明の更に他の実施例を示す部分縦断面図であり、薬液容器と穿刺部材の接続部の形成材料の混合物により脆弱部を形成しており、前記接続部に脆弱部との係止部が設けられている。
図4は、本発明の更に他の実施例を示す図である。穿刺部材の接続部の内側に熱可塑性エラストマー、シリコンエラストマー、ブチルゴムから選ばれた少なくとも一つの素材で形成された脆弱部を設けている。図4の(a)は縦断面図であり、図4の(b)はA−A線断面図である。
図5は、本発明の更に他の実施例を示す部分縦断面図であり、連通手段の接続部の全部が熱可塑性エラストマー、シリコンエラストマー、ブチルゴムから選ばれた少なくとも一つの素材で形成されており、接続部内にガイド部底面の裏側からアンカーが垂下している。図5の(a)は部分縦断面図であり、図5の(b)はB−B線断面図である。
図6は、本発明の更に他の実施例を示す部分縦断面図であり、連通手段の基端に熱可塑性エラストマー、シリコンエラストマー、ブチルゴムから選ばれた少なくとも一つの素材でできた角リング状の脆弱部を装着している。図6の(a)は部分縦断面図であり、図6の(b)はC−C線断面図である。
図7は、本発明の更に他の実施例を示す部分縦断面図であり、連通手段と薬液容器が螺合により接続されている。
図8及び図9は、本発明の連通手段付き薬液容器の使用状況を説明する図である。
なお、本明細書中でブロッキングとは、熱可塑性エラストマー、シリコンエラストマー、ブチルゴムとポリオレフィン樹脂が互いに密着して剥離しにくくなる現象を指す。
【0008】
本発明の連通手段付き薬液容器は、図1に示すように、先端に注射針接続部11を有する薬液容器10と、この薬液容器10の先端に設けられた中空の連通手段20を含み、この連通手段20は、バイアル口部をスライド自在に挿着可能な、有底筒状のガイド部21と、このガイド部21の底面22中央部にこの底面22を貫通して設けられた中空の穿刺部材23を含む。この穿刺部材23は、底面22より先端側の穿刺針23aと、底面22より基端側の接続部23bを有しており、接続部23は前記注射針接続部11に液密に接続されている。
【0009】
ここで、薬液容器10としては、先端に注射針接続部11を有する基端の開放されたバレル12と、このバレル12の基端からバレル12内に液密かつ摺動自在に挿着されたガスケット30からなるシリンジ型の薬液容器が好適に採用される。バレル12は、通常ポリプロピレンやポリエチレン等のポリオレフィン樹脂で形成された円筒部材であり、注射針接続部11の基端からバレル先端面の外周縁にかけて肩部13が形成されている。バレル12の基端には指掛用のフランジ14が設けられている。ガスケット30は、ブチルゴムや熱可塑性エラストマー等で形成され、液密かつ摺動可能にバレル12の基端から挿入されている。ガスケット30の基端には雌ネジ31等の係合手段が設けられており、プランジャー40の先端に設けた雄ネジ41を結合することができるようになっている。
また、図2に示すように薬液容器110は、ポリエチレンやポリプロピレン等の可撓性材料で形成された、押圧により容易に変形可能なボトル112であってもよい。
【0010】
図1に示す連通手段20は、通常、ポリプロピレン、ABS樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレンとポリエチレンの混合物などで形成されており、バイアル口部をスライド自在に挿着可能な有底筒状のガイド部21と、このガイド部21の底面22中央部にこの底面22を貫通して設けられた中空の穿刺部材23を含み、穿刺部材23は、底面22より先端側の穿刺針23aと、底面より基端側の接続部23bを有している。そして、この接続部23bは内部がルアーテーパーになっており、薬液容器10の注射針接続部11に外嵌されており、接続部23bの先端は、薬液容器10の肩部13に脆弱部50を介して容易に剥離可能に接着されている。これにより、本発明に係る連通手段付き薬液容器を高圧蒸気滅菌した際、注射針接続部11と接続部23bの嵌合部分から容器内部への水分の侵入を防ぐことができる。ここで、脆弱部50は、連通手段20に薬液容器10に対する相対的な回転を加えることにより容易に剥離できるようにすることが好ましい。
【0011】
脆弱部50は、通常、例えば薬液容器10の形成材料に対して相溶性が悪く、穿刺部材23の形成材料に対して相溶性の良い材料、例えば、薬液容器10の形成材料と穿刺部材23の形成材料の混合材料で形成されている。より具体的には、薬液容器10がポリプロピレンを主成分とし、穿刺部材23がポリエチレンを主成分として形成されている場合には、この脆弱部50はポリプロピレンとポリエチレンの混合物を主成分とする材料で形成され、薬液容器10と穿刺部材23は、この脆弱部50を介して剥離可能に弱溶着される。このようにして形成された脆弱部50は、連通手段20を薬液容器10に対して相対的に回転させると、連通手段20と一体になって薬液容器10より剥離する。また、脆弱部50が穿刺部材23の形成材料に対して相溶性の悪い材料で形成されており、両者の間の接着力が弱い場合には、図3に示すように穿刺部材223の接続部223bに係合部223cを設け、脆弱部250と連通手段220とが物理的に分離し難い構造としてもよい。
【0012】
なお、これら脆弱部50、250はインサート成形により形成してもよいし、2色成形により形成してもよい。
【0013】
次に、本発明の他の実施例を示す。
図4に示す連通手段320の穿刺部材323の接続部323bの内側には、熱可塑性エラストマー、シリコンエラストマー、ブチルゴム等の弾性部材から選ばれる少なくとも一つの材料からなる脆弱部350が形成されており、薬液容器310と連通手段320とが、注射針接続部310と脆弱部350のブロッキングにより液密且つ剥離可能に接続されている。なお、この脆弱部350はインサート成形により形成してもよいし、2色成形により形成してもよいし、予め別に成形しておいてから接続部323bの内側にはめ込んでもよい。
【0014】
次いで、図4に示した実施例の脆弱部350の注射針接続部311へのブロッキングによる接続方法を説明する。熱可塑性エラストマー、シリコンエラストマー、ブチルゴム等により形成された脆弱部350を設けた穿刺部材323の接続部323bを薬液容器310の注射針接続部311に挿着し、脆弱部350と注射針接続部311とを密着させた後、これら全体を例えば115℃×30分又は121℃×20分等、薬品の製造で一般に採用されている条件で高圧蒸気滅菌を行うことにより、脆弱部350を形成する熱可塑性エラストマー、シリコンエラストマー、ブチルゴム等がポリオレフィン樹脂製の注射針接続部311とブロッキングを起こし、連通手段320と薬液容器310とが液密に接続される。そして、連通手段320と薬液容器310とを相対的に回転させることにより脆弱部350は注射針接続部311より剥離し、結果として連通手段320と薬液容器310とを取り外すことができる。
【0015】
次に、本発明の更に他の実施例を説明する。
図5に示す連通手段420は、穿刺部材423の接続部423bの全部が熱可塑性エラストマー、シリコンエラストマー、ブチルゴム等により成形されており、この接続部423bの内側と注射針接続部411の外側及び肩部413にてブロッキングし、液密かつ剥離可能に接続されている。また、ガイド部421の底面422の裏側から接続部423内部にはアンカー424が垂下している。このアンカー424を設けることにより連通手段420と薬液容器410とを相対的に回転させた際に、注射針接続部411とブロッキングしている接続部423bのみを薬液容器410に残して連通手段420が外れることを防止することができる。なお、図5に示したアンカー424は円弧部を有した部分円筒二本からなっているが、連通手段と薬液容器の相対的な回転操作により、連通手段の接続部以外の連通手段が、薬液容器から取れることのないようにガイド部の底面裏側と接続部とを繋止するものであれば、任意の形状のアンカーが採用可能である。
【0016】
次に、本発明の更に他の実施例を説明する。
図6に示す連通手段520は接続部523bの先端と、薬液容器510の間の肩部513に熱可塑性エラストマー、シリコンエラストマー、ブチルゴムから選択された少なくとも一つの素材からなる角リング状の脆弱部550が設けられており、この脆弱部550と肩部513とのブロッキングにより、連通手段520と薬液容器510が液密かつ剥離可能に接続される。さらに、使用時に連通手段520と薬液容器510とを相対的に回転させた際、脆弱部550が連通手段520と一体になって回転するように、連通手段520と脆弱部550とが回転力によって剥離しないための突起523dを接続部523bの基端に設けることが望ましい。なお、本実施例では脆弱部として角リングを採用しているが、ブロッキングにより連通手段とシリンジを液密かつ剥離可能に接続するリングであれば角リングに限定されない。また、前記突起は肩部に設けることもできる。
【0017】
また、図4の脆弱部350、図5の穿刺部材の接続部423b、図6の角リング状の脆弱部550の素材は、前記したように熱可塑性エラストマー、シリコンエラストマー、ブチルゴムが好ましいが、ブロッキングにより注射針接続部311、411、511をそれぞれ液密かつ剥離可能に封止できるものであればその素材は特に限定されない。
【0018】
また、脆弱部を設ける代わりに、図7に示すように穿刺部材623の接続部623bを注射針接続部611に液密に螺合させることにより接続してもよい。なお、図7では、穿刺部材623の接続部623bは注射針接続部611に直接螺合しているのではなく、接続部623b外側の雄ネジと、肩部613に注射針接続部611を同心円状に囲繞する円筒壁内側の雌ネジとが螺合している。そして、接続部623bの内側と注射針接続部611の外側とは液密に密着している。
【0019】
本発明の連通手段付き薬液容器の好ましい実施形態としては、図8に示すようにシリンジ型薬液容器の内部に予め薬液を充填した所謂プレフィルドシリンジPである。この場合、連通手段の穿刺針は、図1に示すようなブチルゴムや熱可塑性エラストマーで形成されたキャップ60で液密又は気密に密封される。
【0020】
次に本発明の薬液容器の使用について、図8及び図9を用いて説明する。図8に示す薬液容器は、図1のものと実質的に同一のものである。
先ず本発明の薬液容器の好適な実施形態である、脆弱部50を介して液密かつ剥離可能に接続された連通手段20を有する、内部に薬液D1(この場合は、溶解液)を収容したプレフィルドシリンジPと内部に薬剤D2を収容したバイアルVを用意し、図8の▲1▼に示すように、プレフィルドシリンジPのガスケット30にプランジャー40を結合する。次に、プレフィルドシリンジPを矢印(イ)方向に移動させて、連通手段20のガイド部21に沿ってバイアルVの口部V1をスライドさせ、図8の▲2▼に示すように、穿刺針23aでバイアルVのゴム栓V2を刺通する。この時プランジャー40を矢印(ロ)方向に押すと、プレフィルドシリンジP内に収容された薬液D1がバイアルV内に注入される。この状態でプレフィルドシリンジPとバイアルVを良く振って薬液D1と薬剤D2を混合し薬液MDとした後、図8の▲3▼に示すように、プレフィルドシリンジPとバイアルVの位置を上下逆転させ、プランジャー40を矢印(ハ)方向に引くと、バイアルV内の薬液MDがプレフィルドシリンジP内に吸引される。次に、図9の▲4▼に示すように、連通手段20を矢印(ニ)方向に回すと、図9の▲5▼に示すように、連通手段20は脆弱部50と一体となってプレフィルドシリンジPから剥離する。最後に図9の▲6▼に示すように、プレフィルドシリンジPの先端の注射針接続部11に注射針70を接続すれば、患者の静脈などに薬液MDを注射することができる。
【0021】
【発明の効果】
以上述べたことから明らかなように、本発明によれば、通常の滅菌工程により連通手段と薬液容器とを液密かつ剥離可能に接続することができ、操作者が怪我をしたりコアリングを発生したりすることなく、簡便に短時間で薬液調製作業を行うことが出来る。また、金属針を使用していないので金属針とプラスチック製部材を分別する労を省くことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す図である。
【図2】本発明の実施例を示す図である。
【図3】本発明の実施例を示す図である。
【図4】本発明の実施例を示す図である。
【図5】本発明の実施例を示す図である。
【図6】本発明の実施例を示す図である。
【図7】本発明の実施例を示す図である。
【図8】本発明の使用状況を示す図である。
【図9】本発明の使用状況を示す図である。
【図10】従来技術を示す図である。
【符号の説明】
10、110、310、410、510 薬液容器
11、311、411、611 注射針接続部
20、220、320、420、520、620 連通手段
21、421 ガイド部
22、422 底面
23、223、323、423、523、623 穿刺部材
23a、223a、323a、423a、523a、623a 穿刺針
23b、223b、323b、423b、523b、623b 接続部
50、250、350、550 脆弱部
13、413、513、613 肩部
12 バレル
30 ガスケット
112 ボトル
D1 薬液
【出願人】 【識別番号】000135036
【氏名又は名称】ニプロ株式会社
【住所又は居所】大阪府大阪市北区本庄西3丁目9番3号
【出願日】 平成15年4月3日(2003.4.3)
【代理人】
【公開番号】 特開2004−81819(P2004−81819A)
【公開日】 平成16年3月18日(2004.3.18)
【出願番号】 特願2003−99935(P2003−99935)