| 【発明の名称】 |
カプセル内視鏡 |
| 【発明者】 |
【氏名】藤森 紀幸 【住所又は居所】東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリンパス光学工業株式会社内
【氏名】吉沢 深 【住所又は居所】東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリンパス光学工業株式会社内
【氏名】吉田 武一心 【住所又は居所】東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリンパス光学工業株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】体腔内に挿入されたカプセル内視鏡の内部電気回路系に何らかの不具合又は異常等が発生したときに電源からの電力供給の停止制御を行なってより高い安全性を確保し得ると共に、常に確実な検査又は診断等を行ない得るカプセル内視鏡を提供する。
【解決手段】内部温度を検出する温度検出手段(温度検出回路11a・12a・13a・15a)と、温度検出手段からの信号に基づいて所定の判定を行なう温度判定手段(比較器11b等)と、温度判定手段による判定結果に基づいて内部電気回路への電力供給を制御する電源制御手段(内部回路電流制御部11c等)とを具備して構成する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 内部温度を検出する温度検出手段と、 上記温度検出手段からの信号に基づいて所定の判定を行なう温度判定手段と、 上記温度判定手段による判定結果に基づいて内部電気回路への電力供給を制御する電源制御手段と、 を具備することを特徴とするカプセル内視鏡。 【請求項2】 上記温度判定手段によって内部温度が所定値を超えたと判定された場合には、上記電源制御手段は、上記内部電気回路への電力供給を停止させる制御を行なうことを特徴とする請求項1に記載のカプセル内視鏡。 【請求項3】 上記内部電気回路は半導体素子によって構成され、 上記温度検出手段は、上記半導体素子と一体的に配設されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のカプセル内視鏡。 【請求項4】 上記温度検出手段は、上記内部電気回路の一部を構成する電源線上において上記内部電気回路とは独立した部材で構成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のカプセル内視鏡。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】 この発明は、カプセル内視鏡、詳しくは撮影光学系及び撮像素子等が一体に組み込まれ挿入部を持たない錠剤カプセル形状からなるカプセル内視鏡に関するものである。 【0002】 【従来の技術】 従来より、例えば体腔内等の検査等を行なうのに際しては、先端に撮像素子等を備えた管状の挿入部と、この挿入部に連設される操作部及びこれに接続される画像処理装置・表示装置等の各種装置等からなり、挿入部を被検者の口腔等から体腔内へと挿入して体腔内における所望の部位を観察し得るように構成される内視鏡装置が実用化され広く普及している。このような従来の内視鏡装置においては、体腔内に挿入される挿入部の長さ等の制約があることから、観察や検査等を行ない得る範囲には制約がある。 【0003】 そこで、近年においては、例えば錠剤カプセル形状の筐体の内部に撮影光学系を含む撮像手段・照明手段・通信手段・電源等を収納した小型の内視鏡、いわゆるカプセル内視鏡と、このカプセル内視鏡との間で無線通信を行なう通信手段及び受信した信号を記録する記録手段等を備えた受信記録装置等からなるカプセル内視鏡装置について、例えば特開2001−95755号公報等によって種々の提案がなされている。 【0004】 このようなカプセル内視鏡装置においては、通常の内視鏡装置における管状の挿入部を廃した構成とし、当該カプセル内視鏡を被検者が嚥下する等の手段によって体腔内へ挿入することで、体腔内の観察や検査等を行ない得るようになっている。したがって、当該カプセル内視鏡では、従来の挿入部を有する内視鏡等によっては観察や検査等を行なうのが困難な部位、例えば小腸等の深部臓器等の観察や検査等をも比較的容易に行ない得るという利点がある。 【0005】 上記特開2001−95755号公報によって開示されているカプセル内視鏡において、その使用の際には、まず当該カプセル内視鏡の所定の位置に配設される電源スイッチをオン状態にする。被検者は、この状態のカプセル内視鏡を嚥下する。これにより検査が開始されることになる。そして、当該カプセル内視鏡は体腔内臓器による蠕動運動によって体腔内を進み、観察及び検査の対象となる所定の部位に到達し、最終的には自然排出されるようになっている。 【0006】 【特許文献1】 特開2001−95755号公報 【0007】 【発明が解決しようとする課題】 ところが、上記特開2001−95755号公報によって開示されているカプセル内視鏡においては、その電源スイッチは一度オン状態にしたら戻らない(オフ状態にできない)構造となっており、電源の状態を制御する手段についての開示はなされていない。つまり、上記公報によって開示されているカプセル内視鏡では、電源スイッチをオン状態にしたカプセル内視鏡を被検者が嚥下してしまうと、その後には、如何なる場合にも電源をオフ状態とすることができないようになっている。 【0008】 したがって、当該カプセル内視鏡の電源がオン状態にされて体腔内に挿入された後において、例えば当該カプセル内視鏡の筐体の内部に液体等が侵入したり、内部電気回路に何らかの不具合が生じたりする等に起因して、当該回路に対して電源電力が過剰に供給されてしまうといったこともあり得る。このような場合には、例えば電力の消耗が激しくなって当該カプセル内視鏡が所望の観察部位に到達する以前に電源電力が消費されてしまい、その結果、所望の観察や検査を行なうことができない状態になってしまうこともあり得るという問題点がある。 【0009】 また、通常の撮像素子等の撮像手段では、その使用環境が高温環境下であるほど、取得される画像信号には多くのノイズ成分等が発生する傾向があることは周知である。したがって、このように高温環境下にある撮像素子によって取得される画像信号に基づいて生成及び表示される画像は、画質の劣化が避けられないという問題点がある。 【0010】 ところが、上述のような原因によってカプセル内視鏡の内部電気回路に対して電力の過剰供給がなされる等の場合には、当該カプセル内視鏡の内部温度が上昇してしまい、撮像素子の使用環境が悪化することになる。すると、このとき得られる画像信号からは良好な画質の画像を得ることができないという問題点がある。 【0011】 本発明は、上述した点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、体腔内に挿入されたカプセル内視鏡の内部電気回路系に何らかの不具合又は異常等が発生したときには、電源からの電力の供給を自動的に停止させる制御を行なうことで、より高い安全性を確保することができ、また内部電気回路系に生じた不具合等に起因して画質劣化が生じた画像を無駄に取得してしまうことがなく、常に確実な検査又は診断等を行なうことができるようにしたカプセル内視鏡を提供することである。 【0012】 【課題を解決するための手段】 上記目的を達成するために、第1の発明によるカプセル内視鏡は、内部温度を検出する温度検出手段と、上記温度検出手段からの信号に基づいて所定の判定を行なう温度判定手段と、上記温度判定手段による判定結果に基づいて内部電気回路への電力供給を制御する電源制御手段とを具備することを特徴とする。 【0013】 また、第2の発明は、上記第1の発明によるカプセル内視鏡において、上記温度判定手段によって内部温度が所定値を超えたと判定された場合には、上記電源制御手段は、上記内部電気回路への電力供給を停止させる制御を行なうことを特徴とする。 【0014】 そして、第3の発明は、上記第1の発明又は上記第2の発明のいずれかによるカプセル内視鏡において、上記内部電気回路は半導体素子によって構成され、上記温度検出手段は、上記半導体素子と一体的に配設されていることを特徴とする。 【0015】 第4の発明は、上記第1の発明又は上記第2の発明のいずれかによるカプセル内視鏡において、上記温度検出手段は、上記内部電気回路の一部を構成する電源線上において上記内部電気回路とは独立した部材で構成されていることを特徴とする。 【0016】 したがって、第1の発明によるカプセル内視鏡は、温度検出手段によって内部温度を検出し、温度判定手段は温度検出手段からの信号に基づいて所定の判定を行ない、電源制御手段は温度判定手段による判定結果に基づいて内部電気回路への電力供給を制御する。 【0017】 また、第2の発明は、上記第1の発明によるカプセル内視鏡において、温度判定手段によって内部温度が所定値を超えたと判定された場合には、電源制御手段は、内部電気回路への電力供給を停止させる制御を行なう。 【0018】 そして、第3の発明は、上記第1の発明又は上記第2の発明のいずれかによるカプセル内視鏡において、内部電気回路は半導体素子によって構成され、温度検出手段は、半導体素子と一体的に配設されている。 【0019】 第4の発明は、上記第1の発明又は上記第2の発明のいずれかによるカプセル内視鏡において、温度検出手段は、内部電気回路の一部を構成する電源線上において内部電気回路とは独立した部材で構成されている。 【0020】 【発明の実施の形態】 以下、図示の実施の形態によって本発明を説明する。 図1は、本発明の第1の実施形態のカプセル内視鏡の構成を概略的に示すブロック構成図である。なお、図1においては、当該カプセル内視鏡1から送信される画像信号を受信し記録する手段を備えた受信記録装置2を合わせて図示している。 【0021】 また、図2は、本実施形態のカプセル内視鏡における撮像手段の内部構成の一部(回路電源部を制御する手段)を概略的に示すブロック構成図である。 【0022】 図1に示すように本実施形態のカプセル内視鏡1は、その内部に、例えば体腔内の消化器などの撮影対象物を照明するための照明手段15と、この照明手段15により照明される対象物の像を形成する撮影光学系16と、この撮影光学系16によって結像される対象物の像を受けて所定の光電変換処理を行なう撮像素子等を含み所定の画像信号を生成する撮像手段11と、この撮像手段11から出力される画像信号を受けて所定の画像信号処理等の各種の信号処理を行なってこれにより生成した画像信号を後述する通信手段13へと出力する信号処理手段の役目をすると共に、上述の照明手段15や撮像手段11の駆動制御処理等を行ない当該カプセル内視鏡1の内部電気回路全体を統括的に制御する制御手段の役目をする信号処理手段12と、この信号処理手段12から出力される画像信号を受けてこれを体腔外に設けられる所定の受信記録装置2に向けて所定の無線通信手段を用いて伝送出力する通信手段13と、上述の照明手段15・撮像手段11・信号処理手段12・通信手段13等を構成する内部電気回路に対してそれぞれが必要とする所定の電力を供給する電源部14等によって構成されている。 【0023】 撮像手段11は、光電変換処理を行なう撮像素子や、この撮像素子の出力(光電変換処理によって生成される画像を表わす電気信号(画像信号))に基づいて所定の信号処理を行なうべく複数の電気部品等によって構成される電気回路からなるものである。 【0024】 信号処理手段12は、上述したように各種の画像信号処理や駆動制御処理等を行なうべく、例えば半導体のワンチップ構成の電気回路からなるものである。 【0025】 通信手段13は、信号処理手段12からの出力信号を受けて、これを受信記録装置2へと伝送すべく構成される電気回路からなるものである。 【0026】 電源部14は、内部電気回路に対して所定の電力を供給すべく例えばバッテリを含む複数の電気部品等によって構成される電気回路からなるものである。 【0027】 照明手段15は、例えば照明光を発光する発光ダイオード(LED)等の複数の電気部品によって構成される電気回路からなるものである。 【0028】 撮影光学系16は、例えば複数の光学レンズやこの光学レンズを駆動する所定の駆動部材等によって構成され、上述の照明手段15によって照明される対象物からの光束を集光し、当該対象物の像を所定の位置(撮像手段11における撮像素子の結像面等)に結像させ得るように構成されるものである。 【0029】 そして、本カプセル内視鏡1の各内部電気回路、即ち上述の撮像手段11・信号処理手段12・通信手段13・照明手段15等を構成する各内部電気回路のそれぞれには、所定の電気回路からなる温度検出手段としての温度検出回路11a・12a・13a・15a(図1・図2参照)と、この温度検出回路11a・12a・13a・15aによってそれぞれ検出される温度情報(温度を表わす信号)に基づいて所定の判定を行ない、その判定結果に基づいて各内部電気回路の回路電源部(後述する撮像手段電源部11d等)を制御するための所定の手段が具備されている(図2参照)。 【0030】 ここで、各内部電気回路の回路電源部を制御する所定の手段について、その概略構成を図2を用いて説明する。なお、図2においては、撮像手段11を例に挙げて説明するが、他の内部電気回路(信号処理手段12・通信手段13・照明手段15等)においても略同様の構成となっている。 【0031】 撮像手段11は、上述したように撮像素子や所定の画像処理を行なうための各種の電気部品等によって構成される電気回路(図2ではその図示は省略している)からなるものであるが、これに加えて、さらに電源部14(図1参照)からの電力供給を受けて当該撮像手段11を構成する電気回路が必要とする電力を適宜供給する回路電源部である撮像手段電源部11dと、この撮像手段電源部11dを制御する内部回路電流制御部11c等の所定の手段等を具備して構成されている。 【0032】 このうち、撮像手段電源部11dを制御する手段は、撮像手段11の内部又は周辺温度を検出し、この検出された温度情報を所定の形態の電気信号に変換して出力する温度検出回路11aと、この温度検出回路11aから出力される信号を受けて、予め設定されている所定値(基準温度値)との比較を行なって所定の判定を行ない、その判定結果を表わす所定の信号を出力する温度判定手段である比較器11bと、この比較器11bからの出力信号(判定結果)を受けて所定の場合には撮像手段電源部11dの動作を制御し、例えば当該撮像手段電源部11dによる電力供給を停止させる制御を行なう電源制御手段である内部回路電流制御部11c等によって構成される。 【0033】 温度検出回路11aは、例えば温度によって抵抗値が変化する抵抗や温度によって特性が変化するダイオード・バイポーラトランジスタ(Bipolar Transistor)・MOSトランジスタ(Metal−Oxide−Semiconductor Transistor;MOS FET)等の半導体素子からなる半導体回路であって、その出力値は所定の形態の温度検出信号として出力されるように構成している。 【0034】 なお、温度検出回路(11a・12a・13a・15a)は、当該カプセル内視鏡1の内部電気回路(撮像手段11・信号処理手段12・通信手段13・照明手段15等)を構成する各電気回路のそれぞれ又は少なくともいずれか一つに含まれる温度検出素子等(図示せず)からなる。つまり温度検出素子は、内部電気回路(11・12・13・15)のそれぞれに具備される撮像素子・処理回路素子・通信素子・照明素子等(図示せず)と一体的に形成されるサーミスタ等が用いられている(図示せず)。 【0035】 上述したように、その他の内部電気回路、即ち信号処理手段12・通信手段13・照明手段15についての詳細構成は、その図示を省略するが、上述の撮像手段11と略同様に、各手段に対応する回路電源部と温度検出回路(12a・13a・15a;図1参照)と比較器(11c)と内部回路電流制御部(11d)等を具備した構成となっている。 【0036】 このように構成される本実施形態のカプセル内視鏡1は、当該カプセル内視鏡1が取得し送信する画像信号を受信し記録するための所定の手段を備えた受信記録装置2等と組み合わせて利用することで、体腔内の所望の部位の画像を表わす画像信号を取得し記録することができるようになっている。そして、こうして得られた画像信号は、例えば所定の表示装置等を用いて表示させることにより、対応する画像を観察し、これにより検査及び診断等を行ない得るようになっている。 【0037】 次に、本実施形態のカプセル内視鏡1の作用を以下に説明する。 【0038】 当該カプセル内視鏡1を用いた検査を行なうに当たっては、まず被検者は、カプセル内視鏡1の所定の電源スイッチをオン状態として起動させた後、これを嚥下する。すると、当該カプセル内視鏡1は体腔内臓器による蠕動運動によって体腔内を進み、観察及び検査の対象となる目的の部位に到達する。 【0039】 この状態において、当該カプセル内視鏡1における照明手段15は体腔内を照明しており、これによって照明された対象物の像が撮影光学系16によって撮像手段11の受光面上に結像される。撮像手段11は、これを受けて所定の光電変換処理を行なう。これにより、対象物の像に応じた画像を表わす電気信号(画像信号)が生成される。この画像信号は信号処理手段12へと出力される。これを受けて信号処理手段12は入力された画像信号を対象とする各種の信号処理を行なう。その結果により生成された画像信号は通信手段13へと出力される。これを受けて通信手段13は、当該画像信号を本カプセル内視鏡1に対応して設けられる受信記録装置2へと送信する。受信記録装置2は、当該画像信号を受信すると、これを記録するのに最適な所定の形態に変換した後、自己の有する所定の記録媒体(図示せず)等に記録する。 【0040】 一方、当該カプセル内視鏡1の電源がオン状態にされると、内部電気回路を構成する各手段(11・12・13・15)に一体的に設けられる温度検出回路(11a・12a・13a・15a)は、それぞれが温度検出動作の実行を開始する。 【0041】 この温度検出回路(11a・12a・13a・15a)によって検出された各検出信号、即ち各手段の温度情報を表わす各信号のそれぞれは各対応する比較器(撮像手段11の場合は比較器11b)に向けて出力される。これを受けた各対応する比較器(11b等)は、予め設定されている所定値(基準温度値)と上述の温度検出回路(11a・12a・13a・15a)から受けた各信号との比較を行なう。そして、その比較結果のそれぞれは各内部回路電流制御部(撮像手段11の場合は内部回路電流制御部11c)へと出力される。ここで、各内部回路電流制御部(11c等)は各比較器(11b等)から受けた比較結果に基づいて所定の判定処理を行なう。 【0042】 例えば、温度検出回路(11a・12a・13a・15a)の出力値が上述した所定の基準温度値(各手段に対応する各基準温度値)を越えている旨の比較結果を受けた場合には、各内部回路電流制御部(11c等)は、撮像手段11・信号処理手段12・通信手段13・照明手段15のうちの対応する内部電気回路の動作を停止させるための所定の制御処理、即ち回路電源部(撮像手段11の場合は撮像手段電源部11d)を制御して、対応する内部電気回路への電力の供給を停止する電源停止制御(オフ制御)を行なう。 【0043】 つまり、この場合においては、内部回路電流制御部(11c等)は、該当する内部電気回路(11等)に何等かの不具合又は異常等が生じているものと判断して、その該当回路(11等)の作動状態を停止させる制御処理が行なわれるのである。これによって、当該カプセル内視鏡1は使用不可状態となる。 【0044】 これら一連の動作が実行されている間、当該カプセル内視鏡1は、上述したように体腔内臓器による蠕動運動によって体腔内を進んでおり、最終的には体腔外へと安全確実に自然排出されることになる。 【0045】 以上説明したように上記第1の実施形態によれば、カプセル内視鏡1の各内部電気回路の温度を検出し、その検出結果が予め設定した基準温度値を越えている場合には、当該回路に不具合又は異常等が生じているものと判断して、該当する内部電気回路への電力供給を停止する電源停止制御を自動的に実行し、当該カプセル内視鏡1の動作を停止させることができる。そして、この場合においては、動作が停止した当該カプセル内視鏡1は体腔外に自然排出されるようになっている。 【0046】 したがって、カプセル内視鏡1が電源オン状態で被検者の体腔内に挿入された後においても、当該カプセル内視鏡1の各内部電気回路のいずれかに何らかの不具合又は異常等が生じたものと判断された場合には、各内部電気回路への電力の過剰供給を停止させ当該カプセル内視鏡1の動作を停止させることができるので、より高い安全性を確保することができる。また、この場合には当該カプセル内視鏡1は自然排出されることになるので何等の問題も生じない。 【0047】 また、本カプセル内視鏡1の各内部電気回路のそれぞれに温度検出回路を設けて構成したので、各内部電気回路の個々の温度をより高い精度で検出することができる。これと同時に、各内部電気回路毎に所定の基準温度値を個々に設定することができる等のことから、より細かな設定を用いた制御を行なうことが容易にできる。 【0048】 さらに、例えば撮像手段11が温度上昇によって受ける影響としては、取得される画像信号にノイズ成分が多量に含まれてしまうことがある。この場合においては、温度検出回路11aによって撮像手段11の温度上昇を検出しその電気回路に不具合や異常等が生じたと判断されると、その動作を停止させる電源停止制御を行なうようにしている。したがって、撮像手段11に何らかの不具合又は異常等が生じたことに起因する画質の劣化した画像を表わす画像信号、即ち検査をするのに不適切な画像信号であって、例えばノイズ成分を多量に含む画像信号等を無駄に取得してしまうようなこともなく常に確実な観察結果を得ることができる。 【0049】 ところで、上述の第1の実施形態においては、各内部電気回路の温度を検出するための温度検出手段として温度検出回路(11a・12a・13a・15a)を設けるようにしているが、これに代えて、例えば各内部電気回路に供給される電流値を検出するための電流値検出手段(回路)を設けるようにしてもよい。この場合には、それに合わせて各電気回路内部の回路及び制御処理をも対応するものに変更するのは当然である。 【0050】 即ち、この場合の電流値検出手段(回路)に対応する比較器は、電流値検出手段(回路)からの出力を受けて、その電流値信号と予め定められた所定値(基準電流値)との比較を行なう。その比較結果は内部回路電流制御部へと出力され、この内部回路電流制御部は、比較器からの比較結果に基づく判定処理を行なう。 【0051】 ここで行なわれる判定処理は次のような処理となる。即ち、内部回路電流制御部は、電流値検出回路の出力値が所定の基準電流値に対して異常である旨の比較結果を受けると、内部電気回路(照明手段・撮像手段・信号処理手段・通信手段等)のうちの対応する回路の動作を停止させるための所定の制御処理(電源停止処理)を行なう。この制御処理は、上述の第1の実施形態と全く同様に、回路電源部を制御して行なう電源停止制御である。 【0052】 このように、上述の第1の実施形態における温度検出回路に代えて各内部電気回路の電流値を直接検出する電流値検出手段(回路)を適用した場合において、例えば照明手段を構成する内部電気回路の電流値の検出結果がゼロ(0)であるような場合には、回路電源部からの電力供給がなされているのにも関らず照明手段に何らかの不具合又は異常等(例えば照明光源部材が使用不可状態になっている等の不具合等)が生じて照明動作がなされていないものと判断できる。 【0053】 つまり、体腔内においては照明手段による照明動作がなされていなければ撮像手段による撮影動作が正常に動作しているとしても検査及び診断を行なうのに最適な画像を表わす画像信号を取得することは困難である。したがって、この場合には、少なくとも照明手段への電力の供給を直ちに停止して、当該カプセル内視鏡1の動作を停止させ自然排出を行なう。これにより、当該カプセル内視鏡1を使用し続けて検査に不適な画像信号を取得する等の無駄な動作を停止させると共に、内部電気回路の不具合又は異常等に対する安全性を確保し、よって確実な検査を行なわしめるようにすることができる。 【0054】 また、各内部電気回路に対して供給される電力の電流値の増大が検出されるような場合には、上述の第1の実施形態における温度上昇の検出時と同様に該当する内部電気回路には何らかの不具合又は異常等が生じたものと判断し得る。したがって、上述したように温度検出回路に代えて電流値検出回路を適用した場合にも、上述の第1の実施形態と全く同様の効果を得ることができる。 【0055】 一方、上述の第1の実施形態においては、各内部電気回路(11・12・13・15等)における各温度検出回路(11a・12a・13a・15a)による検出信号は、比較器(11b等)へと出力されるように構成しており、その後、比較器(11b等)において各所定の基準温度値との比較がなされ、その比較結果が内部回路電流制御部(11c等)へと出力され、ここで所定の制御処理が行なわれるように構成されている。 【0056】 このような構成とは別に、例えば各温度検出回路(11a・12a・13a・15a)による各検出信号を通信手段13を介して受信記録装置2へと伝送するように構成してもよい。この場合には、受信記録装置2のがわに比較器(11b等)及び内部回路電流制御部(11c等)に相当する手段を設け、受信記録装置2のがわにおいて、通信手段13から伝送される各検出信号に基づいてカプセル内視鏡1の各内部電気回路の不具合又は異常等の有無を判断した後、その判断結果に基づく各所定の制御信号をカプセル内視鏡1の通信手段13を介して各内部電気回路へと伝送するように構成すればよい。 【0057】 このような構成にすれば、カプセル内視鏡1のがわの各内部電気回路を単純化することが容易となり、よって、これによりカプセル内視鏡1のより一層の小型化を実現することができ、かつ製造コストの低減化にも寄与することができる。 【0058】 さらに、上述の第1の実施形態においてはカプセル内視鏡1の内部に電源部14を配設するように構成しているが、この電源部14の配置はこれに限ることはない。例えば電源部14を当該カプセル内視鏡1の外部、即ち体腔内に挿入されずに体腔の外部で使用される装置等、例えば受信記録装置2やこれとは別に設けられる所定の電源回路等からなる外部電源装置等に設けて、これらの装置から所定の無線通信手段を用いて給電するようにしたいわゆる無線給電(ワイヤレス給電)方式を採用することも可能である。 【0059】 この場合には、カプセル内視鏡1のがわには、上述の外部電源装置等から無線給電によって給電される電力を受けると共に、受電した電力を当該カプセル内視鏡1のがわの各内部電気回路のそれぞれに配電する手段を備えた受電部を設けるように構成すればよい。これにより、外部電源装置から無線給電される電力は受電部を介してカプセル内視鏡1のがわの各内部電気回路のそれぞれに給電されるように構成できる。 【0060】 そして、カプセル内視鏡1のがわの各内部電気回路のいずれかの温度検出回路又は電流値検出回路等の検出手段を用いて、内部電気回路系の不具合又は異常等が生じた旨を検出した場合には、上述の第1の実施形態と全く同様の作用によって、各内部電気回路への電力供給を停止させると共に、受電部による電力の受電を停止する。このようにして当該カプセル内視鏡1の動作を停止させることにより、上述の第1の実施形態と全く同様の効果を得ることができる。 【0061】 さらに、無線給電方式の構成としたカプセル内視鏡1では、例えば内部電気回路のいずれかに不具合又は異常等が生じたことを検出した場合、信号処理手段12は通信手段13又は受電部を介して外部電源装置等との通信を行なって、電力の供給を停止させるべく所定の電源停止制御を行なうようにしてもよい。 【0062】 このように、外部電源装置等からの無線給電を受けて内部電気回路を駆動させるように構成したカプセル内視鏡1において、所定の場合には外部から連続的に供給される電力を停止させる制御を行なうようにすることで、上述の第1の実施形態と全く同様の効果を得ることができる。 【0063】 他方、上述の第1の実施形態においては、カプセル内視鏡1の内部電気回路の不具合又は異常等を検出した場合には、電力の供給を停止させる制御を行なうのみであるが、これに加えて、この電源停止制御と同時に、内部電気回路に不具合又は異常等が生じた旨の情報を表わす所定の信号(異常情報信号という)を信号処理手段12によって生成し、これを通信手段13を介して受信記録装置2のがわに伝送するようにしてもよい。この場合においては、受信記録装置2のがわに、その異常情報信号を受けて検査者又は被検者にその旨を知らせる手段、例えばブザー音等を発生させる手段や発光ダイオード等による光の点灯又は点滅させる手段等、所定の告知手段を設けるように構成すればよい。 【0064】 このような構成とすれば、検査者又は被検者は体腔内に挿入されているカプセル内視鏡1に何らかの異常等が生じたことを即座に知ることができるので、例えばその時点において新たな新規のカプセル内視鏡1を嚥下すれば、検査を中断することなく円滑に続行することができる。この場合において、既に体腔内に挿入されており不具合又は異常等が生じたと思われるカプセル内視鏡1は、上述の第1の実施形態と同様に所定の電源停止制御がなされているので、その動作が停止状態にあり、それは自然排出されることになり、何等の問題も生じない。 【0065】 また、このような告知手段を備えておれば、次のような効果も考えられる。即ち、例えば温度検出回路11aによって撮像手段11の温度上昇を検出しその電気回路に不具合や異常等が生じたと判断された場合には、上述の第1の実施形態と同様に、その動作を停止させる電源停止制御を行なっているので、その時点で当該カプセル内視鏡1による画像信号の取得は停止される。つまり、撮像手段11に何らかの不具合又は異常等が生じたときには、ノイズ成分を多量に含み検査をするのに不適切だと考えられる画像信号を無駄に取得してしまうことなく、そのカプセル内視鏡1の使用を停止させることができる。 【0066】 これと同時に、上述の告知手段の作用によって、内部電気回路における不具合や異常等が発生したことを検査者又は被検者は直ちに知ることができるので、その時点で被検者は新たに新規のカプセル内視鏡1を嚥下すれば引き続き所定の同じ検査を続行することができる。したがって、検査に必要とする時間の無駄を省き、より効率的に検査又は診断を行なうことができるのである。 【0067】 ところで、上述の第1の実施形態のカプセル内視鏡1においては、照明手段15・撮像手段11・信号処理手段12・通信手段13のそれぞれに温度検出手段15a・11a・12a・13aを一体的に配設して構成している(図2参照)。 【0068】 しかし、本発明はこのような構成に限ることはなく、温度検出手段12aはカプセル内視鏡1の内部の温度を検出することができればよい。そのために、例えば内部電気回路のうちのいずれか一つ、例えば信号処理手段12のみに一体的に配設するようにしてもよく、そのような構成とした場合においても、上述の第1の実施形態と全く同様の効果を得ることができる。 【0069】 次に、本発明の第2の実施形態について、以下に説明する。 【0070】 図3は、本発明の第2の実施形態のカプセル内視鏡の構成を概略的に示すブロック構成図である。なお、図2においては、図1と同様に受信記録装置を合わせて図示している。 【0071】 図3に示すように、この第2の実施形態のカプセル内視鏡1Aは、上述の第1の実施形態のカプセル内視鏡1と略同様の構成からなるものであり、上述の第1の実施形態の構成に加えて、内部電気回路の一部を構成する電源信号線18上に温度ヒューズ17を具備して構成した点が異なる。 【0072】 即ち、本実施形態のカプセル内視鏡1Aには、電源部14近傍の電源信号線18上に温度ヒューズ17が設けられている。したがって、これにより本カプセル内視鏡1Aの各内部電気回路は電源部14に対して温度ヒューズ17を介して接続されている。その他の構成については上述の第1の実施形態と全く同様である。 【0073】 このような構成からなる本実施形態のカプセル内視鏡1Aにおいては、例えば内部電気回路のいずれかに何らかの不具合や異常等が発生した場合には、各電気回路(11・12・13・15等)に設けられる温度検出回路(11a・12a・13a・15a)による電源停止制御がなされるのに加えて、例えば電源部14からの電力が過剰に供給されるようなことになっても、温度ヒューズ17の定格を超えた時に当該ヒューズ17が切断されることになる。これにより、電源部14からの電力供給が完全に停止することになるので、当該カプセル内視鏡1自体の動作も停止する。 【0074】 したがって、上記第2の実施形態によれば、上述の第1の実施形態と同様の効果を得ることができると共に、さらに電源部14からの電力が過剰供給状態となった時には、温度ヒューズ17が切断されることによって電源14から内部電気回路への電力供給が停止されることになる。したがってこれにより、電力停止制御をより確実に実行することができる。 【0075】 なお、上述の第2の実施形態においては、電源信号線18上に温度ヒューズ17を配設するように構成しているが、これに限ることはなく、温度ヒューズ17に代えて、例えば温度変化に従って抵抗値が変化する抵抗体であるサーミスタ等を設けるようにしてもよい。このような構成とした場合にも上述の第2の実施形態と全く同様の効果を得ることができる。 【0076】 また、上述の第1の実施形態において示す変形例、即ち温度検出回路に代えて電流値検出回路を儲ける例、温度検出回路を内部電気回路の各々に儲けるのではなくいずれか一つに設けるようにする例、外部電源装置等から無線給電を行なう例等、すべての例示に対して当該第2の実施形態を適用することが可能である。そして、その場合にも全く同様の効果を得ることができる。 【0077】 [付記] 上記発明の実施形態により、以下のような構成の発明を得ることができる。 【0078】 (1) 内部温度を検出する温度検出手段と、 上記温度検出手段からの信号に基づいて所定の判定を行なう温度判定手段と、 上記温度判定手段による判定結果に基づいて内部電気回路への電力供給を制御する電源制御手段と、 を具備するカプセル内視鏡。 【0079】 (2) 付記(1)に記載のカプセル内視鏡において、 上記温度判定手段によって内部温度が所定値を超えたと判定された場合には、上記電源制御手段は、上記内部電気回路への電力供給を停止させる制御を行なう。 【0080】 (3) 付記(1)又は付記(2)のいずれかに記載のカプセル内視鏡において、 上記内部電気回路は半導体素子によって構成され、 上記温度検出手段は、上記半導体素子と一体的に配設されている。 【0081】 (4) 付記(1)又は付記(2)のいずれかに記載のカプセル内視鏡において、 上記温度検出手段は、上記内部電気回路の一部を構成する電源線上において上記内部電気回路とは独立した部材で構成されている。 【0082】 (5) 付記(3)又は付記(4)のいずれかに記載のカプセル内視鏡において、 上記温度検出手段は温度ヒューズからなるカプセル内視鏡。 【0083】 (6) 付記(3)又は付記(4)のいずれかに記載のカプセル内視鏡において、 上記温度検出手段はサーミスタからなるカプセル内視鏡。 【0084】 【発明の効果】 以上述べたように本発明によれば、体腔内に挿入されたカプセル内視鏡の内部電気回路系に何らかの不具合又は異常等が発生したときには、電源からの電力の供給を自動的に停止させる制御を行なって、より高い安全性を確保することができ、また内部電気回路系に生じた不具合等に起因して画質劣化が生じた画像を無駄に取得してしまうことがなく、常に確実な検査又は診断等を行なうことができるようにしたカプセル内視鏡を提供することができる。 【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の第1の実施形態のカプセル内視鏡の構成を概略的に示すブロック構成図。 【図2】図1のカプセル内視鏡における撮像手段の内部構成の一部(回路電源部を制御する手段)を概略的に示すブロック構成図。 【図3】本発明の第2の実施形態のカプセル内視鏡の構成を概略的に示すブロック構成図。 【符号の説明】 1・1A……カプセル内視鏡 2……受信記録装置 11……撮像手段 11a……温度検出回路(撮像手段) 11b……比較器(撮像手段の温度判定手段) 11c……内部回路電流制御部(撮像手段) 11d……撮像手段電源部(撮像手段の回路電源部) 12……信号処理手段 12a……温度検出手段(信号処理手段) 13……通信手段 13a……温度検出手段(通信手段) 14……電源部 15……照明手段 15a……温度検出手段(照明手段) 16……撮影光学系 17……温度ヒューズ 18……電源信号線
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| 【出願人】 |
【識別番号】000000376 【氏名又は名称】オリンパス株式会社 【住所又は居所】東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号
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| 【出願日】 |
平成15年3月28日(2003.3.28) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100076233 【弁理士】 【氏名又は名称】伊藤 進
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| 【公開番号】 |
特開2004−298241(P2004−298241A) |
| 【公開日】 |
平成16年10月28日(2004.10.28) |
| 【出願番号】 |
特願2003−91882(P2003−91882) |
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