| 【発明の名称】 |
超音波診断装置用受信回路 |
| 【発明者】 |
【氏名】中尾 建一 【住所又は居所】東京都三鷹市牟礼6丁目22番1号 アロカ株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】超音波診断装置のプリアンプにおいて、帰還信号を可変抵抗回路に流してプリアンプの入力抵抗を可変させ、これにより利得を制御する際に、帰還信号のレベルが大きいと、可変抵抗回路の線形動作範囲から外れる。
【解決手段】超音波振動素子からの受信信号を増幅するプリアンプを有する受信回路において、帰還経路102上にはバッファ30及び可変抵抗回路22が設けられる。その可変抵抗回路22が有する抵抗値を変化することによってプリアンプの入力抵抗が変化される。これによって利得調整が図られる。分圧回路(帰還信号レベル調整回路)31は、帰還信号のレベルを可変抵抗回路22が有する線形動作範囲内に納める。これによってそこで生じる帰還信号の歪みを防止することが可能となる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 超音波振動素子からの受信信号を増幅するプリアンプを有する超音波診断装置用受信回路において、 前記プリアンプは、 前記受信信号が入力され前記受信信号を増幅する能動素子を有する増幅回路と、 前記増幅回路の出力側及び入力側の間の帰還経路に設けられた可変抵抗回路と、 前記帰還経路上に設けられ、前記増幅回路の出力側から取り出される帰還信号のレベルを前記可変抵抗回路の動作範囲に適合させるレベル調整を行う帰還信号レベル調整回路と、 を含むことを特徴とする超音波診断装置用受信回路。 【請求項2】 請求項1記載の受信回路において、 前記帰還信号レベル調整回路は前記増幅回路の出力信号を分圧する回路であることを特徴とする超音波診断装置用受信回路。 【請求項3】 請求項1記載の受信回路において、 前記可変抵抗回路は、出力電圧を変化し得る電源に接続されたダイオード利用型回路であることを特徴とする超音波診断装置用受信回路。 【請求項4】 請求項1記載の受信回路において、 前記可変抵抗回路は、能動素子利用型回路であって、その回路に印加される電圧を変化することを特徴とする超音波診断装置用受信回路。 【請求項5】 請求項1記載の受信回路において、 前記帰還信号レベル調整回路は、前記帰還信号のレベルを1ボルト未満の所定電圧以下に抑えることを特徴とする超音波診断装置用受信回路。 【請求項6】 第1電位と第2電位との間に設けられ、入力信号が入力される第1能動素子と、 前記第1電位と前記第2電位との間において、前記第1能動素子と直列に設けられた第2能動素子と、 前記第2能動素子の出力が入力され、出力信号を出力する第3能動素子と、 前記第2能動素子の出力を分圧して第1帰還信号として出力する帰還信号レベル調整回路と、 前記第2能動素子の出力側と前記第1能動素子の入力側との間の第1帰還経路に設けられ、前記分圧された第1帰還信号が流れる可変抵抗回路と、 前記第3能動素子の出力側と前記第1能動素子の入力側との間の第2帰還経路に設けられ、前記第3能動素子の出力側から取り出された第2帰還信号が流れる固定抵抗回路と、 を含むことを特徴とする超音波診断装置用受信回路。 【請求項7】 請求項6記載の回路において、 前記帰還信号レベル調整回路は、前記分圧された帰還信号が流れるインピーダンス変換回路を有することを特徴とする超音波診断装置用受信回路。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】 本発明は超音波診断装置用受信回路に関し、特にプリアンプの回路構成に関する。 【0002】 【従来の技術】 特許2790776号明細書(特許文献1)には、超音波診断装置用受信回路としてのプリアンプが示されている。図4には、特許文献1の図7に示された回路が示されている。この回路は、3つのトランジスタTR1,TR2,TR3を備えるアンプ10を有し、その回路の入力抵抗(入力インピーダンス)を可変制御することによって、利得を制御するものである。具体的には、差動アンプ14のゲインが可変抵抗16の抵抗値を変化することによって制御される。なお、符号12は入力保護回路を示し、それはダイオードブリッジなどの構成を有する。 【0003】 特許文献1には示されていないが、図5に概念的に示すような回路構成(参考例)を採用することもできる。入力保護回路18の後段にはアンプ20が設けられ、そのアンプ20の出力側から入力側へ2つの帰還経路が設けられ、第1帰還経路上には抵抗Rfが設けられ、第2帰還経路上には可変抵抗回路(VR)22が設けられる。可変抵抗回路22の抵抗値を変化させて、プリアンプの利得が制御される。可変抵抗回路22としては、ダイオードブリッジを用いた回路(図6)、ダイオードと抵抗を用いた回路(図7)、FETを用いた回路(図8)など、能動素子を用いた回路でその回路に印加する電圧を変化することによって制御されるような簡易的な回路を用いることが考えられる。図6,図7に示した回路では、通常のダイオードだけではなく、PINダイオードを使用することもできる。 【0004】 上記の図5及び図6〜8に示した構成によれば、図4に示した構成よりも、回路規模、安定性などの点で有利な面がある。 【0005】 しかし、その一方において、図5及び図6〜8に示した構成については、利得変化時に歪みが大きくなる可能性がある。可変抵抗回路22において、歪み無く通過させることができる帰還信号の振幅上限は、プリアンプの出力の振幅(例えば1Vpp)より、かなり小さいためである。例えば、図6に示した回路において各ダイオードとしてPINダイオードを用いた場合、歪みを生じない入力電圧上限は、200mpp(第三高調波歪−50dB)程度である。 【0006】 【特許文献1】 特許第2790776号明細書 【0007】 【発明が解決しようとする課題】 以上のように、超音波診断装置の受信回路に設けられるプリアンプおいて、帰還経路上に可変抵抗回路を設けた場合には、その可変抵抗回路で帰還信号の歪みという問題が生じ、その結果として、受信信号に歪みが生じる。 【0008】 本発明の目的は、低雑音で入力抵抗を可変でき、かつ、入力抵抗可変時に生ずる歪みが少ないプリアンプを実現することにある。 【0009】 【課題を解決するための手段】 (1)本発明は、超音波振動素子からの受信信号を増幅するプリアンプを有する超音波診断装置用受信回路において、前記プリアンプは、前記受信信号が入力され前記受信信号を増幅する能動素子を有する増幅回路と、前記増幅回路の出力側及び入力側の間の帰還経路に設けられた可変抵抗回路と、前記帰還経路上に設けられ、前記増幅回路の出力側から取り出される帰還信号のレベルを前記可変抵抗回路の動作範囲に適合させるレベル調整を行う帰還信号レベル調整回路と、を含むことを特徴とする。 【0010】 上記構成によれば、帰還経路上において、可変抵抗回路の手前に帰還信号レベル調整回路が設けられ、それによって、増幅回路の途中あるいは最終段から取り出された帰還信号についてのレベルが調整された上で、その帰還信号が可変抵抗回路へ入力される。よって、可変抵抗回路の適正な動作範囲(歪みがが生じないか、歪みが少ない範囲)へ帰還信号のレベルを調整できるので、帰還信号の歪み、それによる受信信号の歪みという問題を軽減できる。また、可変抵抗回路を利用するので、回路規模、安定性等の面で有利である。それ故、例えば、受信信号中の高調波成分を抽出して画像形成するような場合に特に有利である。 【0011】 望ましくは、前記帰還信号レベル調整回路は前記増幅回路の出力信号を分圧する回路である。この分圧によって適正範囲に帰還信号のレベルが調整される。 【0012】 望ましくは、前記可変抵抗回路は、出力電圧を変化し得る電源に接続されたダイオード利用型回路である。望ましくは、前記可変抵抗回路は、能動素子利用型回路であって、その回路に印加される電圧を変化するものである。望ましくは、前記帰還信号レベル調整回路は、前記帰還信号のレベルを1ボルトより低い値に抑える。 【0013】 (2)また、本発明は、第1電位と第2電位との間に設けられ、入力信号が入力される第1能動素子と、前記第1電位と前記第2電位との間において、前記第1能動素子と直列に設けられた第2能動素子と、前記第2能動素子の出力が入力され、出力信号を出力する第3能動素子と、前記第2能動素子の出力を分圧して第1帰還信号として出力する帰還信号レベル調整回路と、前記第2能動素子の出力側と前記第1能動素子の入力側との間の第1帰還経路に設けられ、前記分圧された第1帰還信号が流れる可変抵抗回路と、前記第3能動素子の出力側と前記第1能動素子の入力側との間の第2帰還経路に設けられ、前記第3能動素子の出力側から取り出された第2帰還信号が流れる固定抵抗回路と、を含むことを特徴とする。 【0014】 望ましくは、前記帰還信号レベル調整回路は、前記分圧された第1帰還信号が流れるインピーダンス変換回路を有する。 【0015】 【発明の実施の形態】 以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。 【0016】 図1には、本発明に係る超音波診断装置用の受信回路が示されている。この受信回路は、受信信号の利得を調整するプリアンプに相当する。 【0017】 入力保護回路18は、例えばダイオードブリッジ回路などによって構成され、その入力保護回路18によって振動素子側からの送信信号の回り込みを防止する。アンプ(増幅回路)20は、受信信号に対して利得を調整するための回路であり、利得調整後の受信信号が出力される。 【0018】 符号100及び102はそれぞれ帰還経路を示しており、帰還経路100は、アンプ20の出力側から出力信号をアンプ20の入力側へ戻す帰還経路であり、その帰還経路100上には固定の抵抗値を持った抵抗Rfが設けられている。帰還経路102は、アンプ20における出力側の所定の帰還点から取り出された信号をアンプ20の入力側へ帰還させる経路である。その帰還経路102の入力端側には後述するように帰還信号レベル調整回路としての分圧回路が設けられており、また、その帰還経路102上にはバッファ30及び可変抵抗回路(VR)22が設けられている。この可変抵抗回路22は上述した従来例あるいは参考例で示した可変抵抗回路と同様に、例えば図6〜図8に示すような回路構成を有するものである。すなわち、その可変抵抗回路22が有する抵抗値が印加する電圧によって制御されるものである。なお、バッファ30はインピーダンスを下げるためのインピーダンス変換器として機能する。 【0019】 ここで、図6に示す回路は、正側電源と負側電源との間に設けられた4つのダイオードからなるダイオードブリッジ回路であり、電源電圧を変化することによって当該回路の抵抗値が変化されるものである。図7に示す回路は、正側電源と負側電源との間に設けられた一対の抵抗の間に2つのダイオード及び2つの抵抗をブリッジ状に接続してなるものである。その回路の抵抗値の変化は上記同様に電源電圧を変化することによってなされる。図8に示す回路は、帰還信号が流されるFETの内部抵抗を出力電圧を変化し得る電源によって制御するものである。もちろん、それらの回路は基本的な構成を示す例であり、諸条件によって変更して用いることが可能であり、また他の回路構成を使用しうる。 【0020】 図2には、図1に示した回路のより詳細な構成が示されている。入力信号は入力保護回路18を介して、更にコンデンサC1を介して、トランジスタQ1のベースに入力される。そのトランジスタQ1はトランジスタQ2と直列に接続されており、すなわち、トランジスタQ1のコレクタがトランジスタQ2のエミッタに接続されている。それらの2つのトランジスタQ1,Q2は図2に示す例において電源+Vとアースとの間に直列接続で設けられているものである。 【0021】 したがって、入力信号がトランジスタQ1に与えられると、その入力信号に対する利得を調整した結果すなわち出力信号がトランジスタQ2のコレクタ側に表れることになる。例えば最大増幅率は100である。 【0022】 その出力信号はトランジスタQ3のベースに入力され、そのトランジスタQ3のエミッタから出力信号が取り出されている。トランジスタQ3の増幅率は例えば1である。 【0023】 トランジスタQ3のエミッタには、並列接続された抵抗R3及びコンデンサC3を介して、帰還経路100が接続されており、その帰還経路100上には上述した抵抗Rfが設けられている。その帰還経路100の接続先は図2に示す例においてトランジスタQ1のベースである。 【0024】 図2に示されるように、電源+VとトランジスタQ2のコレクタとの間つまり帰還経路102の入力部には帰還信号レベル調整回路としての分圧回路31が設けられており、具体的には、直列接続された2つの抵抗RL1,RL2が設けられている。そして、その2つの抵抗RL1,RL2の中点が帰還信号を取り出すポイントとなっており、そこからコンデンサC1の入力側に帰還経路102が設けられている。その帰還経路102上には、バッファ30及び可変抵抗回路22が設けられている。 【0025】 したがって、可変抵抗回路22に入力される帰還信号のレベルは上記の分圧回路31によって調整することができ、具体的には、可変抵抗回路22の線形動作範囲に納まるように帰還信号のレベルが調整される。通常は、例えば1ボルト以下の値になるようにレベル調整が行われる。 【0026】 後において図9に示す回路構成に比べて、図2に示す回路構成の場合には可変抵抗回路22が有する抵抗値がミラー効果により(1+ゲイン)倍になるので、後に図10を用いて説明するように、図5に示した回路構成と比べて雑音が若干増加するが、その一方において、図9に示す回路構成に比べて雑音は少なくなる。よって、雑音を一定範囲に抑えつつも、回路規模を削減し、歪防止などの利点を得ることが可能となる。ひいては、超音波画像の画質を高めることが可能となる。 【0027】 なお、もし必要であるならば、例えば図6に示した回路を複数個直列に接続して可変抵抗回路22を構成することにより、それが有する線形動作範囲を広げることも可能である。その場合には雑音を更に小さくできるという利点がある。 【0028】 図2に示したバッファ30は、具体的にはエミッタホロワによって構成され、それは例えば図3に示されるような回路構成を有する。すなわち、入力信号のレベルを変更することなく出力信号として出力するものである。図示の例では単に、インピーダンス変換がなされている。もちろん、この図3に示すようなエミッタホロワにおいてレベル調整が図られるようにしてもよい。 【0029】 図9に参考例として示すように、入力抵抗を可変制御するために、可変抵抗回路22を、帰還経路上ではなく、入力端とアースとの間に挿入することも考えられる。この場合、増幅される前段階なので、信号振幅は小さく、このため歪みの問題は改善される。しかし、プリアンプの入力抵抗が例えば50Ωと低いような場合には、そのような手法は採用できない。可変抵抗回路22における制御電流が増加したり、雑音が大幅に増加したりするためである。例えば、1/10に低減させる場合には、その入力抵抗も約1/10すなわち5Ω程度にしなければならないが、その場合において、可変抵抗回路22として例えば図7の回路を採用すると、±Vcontから20mA程度の電流を流さなければならなくなる。 【0030】 ここで、参考までに雑音増加の原理を説明しておく。図10には、プリアンプの等価回路が示されている。ここで、図10におけるAmpで表されたボックスは、図1、図5及び図9に示されたアンプ20に相当する。ノイズ源や信号源はすべてをボックスの外側に出してある。入力保護回路は下記のRsに含まれている。図10における各要素の定義は以下の通りである。 【0031】 【数1】
可変抵抗回路によるノイズ以外は、図1、図6の構成も図10の構成も共通だから、それらの構成間においては、可変抵抗回路によるノイズの大小を比較すればよい。 【0032】 可変抵抗回路のノイズを入力換算(esに直列な電圧源に換算)すると、以下の式が導かれる。 【0033】 【数2】
したがって、可変抵抗回路の抵抗値はできるだけ大きい方がノイズは小さくなるということが理解できる。 【0034】 以上のように、図1及び図2で示したような実施形態に係る回路構成によれば、帰還信号のレベルをあらかじめ適正な範囲に納めた上で、その帰還信号を可変抵抗回路に入力させることができるので、そこで生じる信号の歪みという問題を解消又は軽減することができ、また回路全体としても雑音性が良好なものを実現することが可能である。可変抵抗回路22としては、上述したように、図6に示すような回路、図7に示すような回路、あるいは図8に示すような回路を採用することができ、それらについては上述したように複数段直列接続して可変抵抗回路を構成するようにしてもよい。 【0035】 なお、図2などに示した制御電圧Vcontは各送信チャンネルごとに共通に供給されるものであるが、例えば送信開口内において重み付けなどを行うためにそれらの制御電圧の値を各チャンネルごとに個別的に設定するようにすることも可能である。 【0036】 【発明の効果】 以上説明したように、本発明によれば、歪みが少なく実用性が高いプリアンプを実現することが可能となる。 【図面の簡単な説明】 【図1】本発明に係る受信回路の構成を示すブロック図である。 【図2】図1に示す構成の具体的な内容を示す回路図である。 【図3】図2に示すバッファの具体的な回路構成例を示す図である。 【図4】従来例を説明するための図である。 【図5】参考例を説明するための図である。 【図6】可変抵抗回路の一例を示す図である。 【図7】可変抵抗回路の他の例を示す図である。 【図8】可変抵抗回路の更に他の例を示す図である。 【図9】参考例を説明するための図である。 【図10】図5及び図9に示される回路の等価回路を示す図である。 【符号の説明】 18 入力保護回路、20 アンプ、22 可変抵抗回路、30 バッファ、100,102 帰還経路、31 分圧回路(帰還信号レベル調整回路)。
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| 【出願人】 |
【識別番号】390029791 【氏名又は名称】アロカ株式会社 【住所又は居所】東京都三鷹市牟礼6丁目22番1号
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| 【出願日】 |
平成15年3月24日(2003.3.24) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100075258 【弁理士】 【氏名又は名称】吉田 研二
【識別番号】100096976 【弁理士】 【氏名又は名称】石田 純
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| 【公開番号】 |
特開2004−283477(P2004−283477A) |
| 【公開日】 |
平成16年10月14日(2004.10.14) |
| 【出願番号】 |
特願2003−81491(P2003−81491) |
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