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【発明の名称】 検眼装置
【発明者】 【氏名】細井 良晋
【住所又は居所】愛知県蒲郡市拾石町前浜34番地14 株式会社ニデック拾石工場内

【要約】 【課題】被検眼の位置を容易に精度良く確認できる検眼装置を提供すること。

【解決手段】レンズ装用基準位置と被検眼の角膜頂点との頂間距離を確認するための角膜位置照準光学系を備える自覚式の検眼装置において、前記角膜位置照準光学系は、頂間距離を定めるための目盛りが付された照準板及びレチクルとを備えると共に、前記レチクルに対して検者の眼を所定の距離に合わせるために異なる観察距離で配置された第1指標と第2指標であって、検者の眼が前記所定の距離に位置するときに、所定の位置関係に観察される第1指標と第2指標を備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レンズ装用基準位置と被検眼の角膜頂点との頂間距離を確認するための角膜位置照準光学系を備える自覚式の検眼装置において、
前記角膜位置照準光学系は、頂間距離を定めるための目盛りが付された照準板及びレチクルとを備えると共に、前記レチクルに対して検者の眼を所定の距離に合わせるために異なる観察距離で配置された第1指標と第2指標であって、検者の眼が前記所定の距離に位置するときに、所定の位置関係に観察される第1指標と第2指標を備えることを特徴とする検眼装置。
【請求項2】
レンズ装用基準位置と被検眼の角膜頂点との頂間距離を確認するための角膜位置照準光学系を備える自覚式の検眼装置において、
前記角膜位置照準光学系は異なる観察距離に配置された第1照準板と第2照準板を備え、該第1照準板及び第2照準板には頂間距離に応じた複数本の目盛りを実際の距離ピッチで共に形成したことを特徴とする検眼装置。
【請求項3】
請求項2の検眼装置において、前記第1照準板及び第2照準板に形成された目盛りは、それぞれが何れのものかが分かるように互いに異なる配置、異なる色、又は異なる形状で設けられていることを特徴とする検眼装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被検眼の屈折力を自覚的に検査する検眼装置に係り、殊にレンズ後面(レンズ装用基準位置)と被検眼の角膜頂点との頂間距離の確認に好適な検眼装置に関する。
【0002】
【従来技術】
被検者が眼鏡を装用する際、レンズ後面(レンズ装用基準位置)に対する被検眼の角膜頂点の頂間距離VDは、一般に、13.75mmや12.00mmが基準距離とされている。従って、自覚式の検眼装置による屈折力検査においては、レンズ後面と被検眼の角膜頂点との頂間距離VDを確認する必要がある。このため、検眼窓に所望の光学素子を切換え配置して被検眼の屈折力を自覚的に検査する検眼装置においては、頂間距離VDを確認するための角膜位置照準光学系が設けられている。
【0003】
図8は、従来の検眼装置が備える角膜位置照準光学系の概略構成図であり、検眼窓103には種々の光学素子104が切換え配置され、被検眼PEは光学素子104を通して前方の視標110を視認する。角膜位置照準光学系120は、被検眼PEの側方に配置された照準目盛板121と、反射ミラー122と、反射ミラー122の反射方向に配置されたレチクル板123とにより構成されている。検者は、レチクル板123から250mm離れた位置から、図9のように、レチクル板123に付された三角形状のレチクル124と照準目盛板121に付された目盛りの長線Sと一致して見える所に位置した後、長線Sやその左右にある短線Sの目盛りに対する被検眼Eの角膜頂点の位置関係を確認する。例えば、角膜頂点が長線S上に位置すれば、VD=13.75mmである。短線SはVDの各距離に対応する距離で複数本付されており、角膜頂点がどの短線S又は長線Sの目盛りに位置するかによりVDを測定できるようになっている。この種の角膜位置照準機構を備える検眼装置の一例としては、例えば下記の特許文献1に記載されている。
【特許文献1】
特開平6−181888号公報(図2)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記のような角膜位置照準機構の方式は、検者眼OEがレチクル板123から250mm離れたところにほぼ正確に位置できなければ、頂間距離VDの測定にかなりの誤差を生じるという問題があった。頂間距離VDが正確でないと、屈折力検査にも誤差が生じる。レチクル板123に対して検者眼OEの距離を正確にする方法としては、メジャーや定規等を使用する方法もあるが、これは手間が掛かる。
【0005】
本発明は、上記技術の問題点に鑑み、被検眼の位置を容易に精度良く確認できる検眼装置を提供することを技術課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は以下のような構成を備えることを特徴とする。
【0007】
(1) レンズ装用基準位置と被検眼の角膜頂点との頂間距離を確認するための角膜位置照準光学系を備える自覚式の検眼装置において、
前記角膜位置照準光学系は、頂間距離を定めるための目盛りが付された照準板及びレチクルとを備えると共に、前記レチクルに対して検者の眼を所定の距離に合わせるために異なる観察距離で配置された第1指標と第2指標であって、検者の眼が前記所定の距離に位置するときに、所定の位置関係に観察される第1指標と第2指標を備えることを特徴とする。
(2) レンズ装用基準位置と被検眼の角膜頂点との頂間距離を確認するための角膜位置照準光学系を備える自覚式の検眼装置において、
前記角膜位置照準光学系は異なる観察距離に配置された第1照準板と第2照準板を備え、該第1照準板及び第2照準板には頂間距離に応じた複数本の目盛りを実際の距離ピッチで共に形成したことを特徴とする。
(3) (2)の検眼装置において、前記第1照準板及び第2照準板に形成された目盛りは、それぞれが何れのものかが分かるように互いに異なる配置、異なる色、又は異なる形状で設けられていることを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明に係る第1実施形態における自覚式検眼装置の概略図である。検眼装置のレンズ室ユニット2は、被検者の左右眼を測定するために左右それぞれに分割配置されており、図示なき支持ユニットによって、検眼窓3が被検眼PEの高さに合うように支持されている。図1では左眼測定側のレンズ室ユニット2のみ図示しており、右眼測定用のレンズ室ユニット2は左右対称で構成されているので、省略する。左右のレンズ室ユニット2は、図示なき支持ユニットによって間隔が調整可能に支持されており、被検眼の瞳孔間距離に合わせて調整可能である。
【0009】
レンズ室ユニット2内には、屈折検査に用いられる球面レンズや円柱レンズなどの複数の光学素子4が検眼窓3に切換え配置可能に設けられている。光学素子4はそれぞれ回転ディスク(図示を略す)に配置されており、回転ディスクを回転駆動することにより、検眼窓3に所望する素子を配置する構成となっている。
【0010】
被検眼PEには、検眼窓3に配置された光学素子4を通して光軸5上に位置する前方の検査視標10を視認させ、その検査視標の見え具合に応じて光学素子4を切換えることにより、被検眼PEの屈折力を検査する。
【0011】
また、レンズ室ユニット2には頂間距離VDを確認するための角膜位置照準光学系20が設けられている。角膜位置照準光学系20は、被検眼PEの側方に配置された反射ミラー22と、反射ミラー22の反射方向の観察光路に配置された照準目盛板23、レチクル板24とを備える。レチクル板24はレンズ室ユニット2の前側に設けられた覗き窓26に配置されている。レンズ室ユニット2の前側に位置する検者眼OEは、これら反射ミラー22、照準目盛板23、レチクル板24を介して被検眼PEの側方を観察できる。21は、被検眼PEの観察光を通過させる窓である。なお、照準目盛板23は、従来例と同じく、反射ミラー22と被検眼PEとの間に設けても良い。
【0012】
図2(a)は照準目盛板23の構成図であり、図2(b)はレチクル板24の構成図である。照準目盛板23には数本の線からなる目盛りが付されている。細線で描かれた目盛り線S1〜S5は、順にVD=12mm、13.75mm、16mm、18mm、20mmに対応している。なお、基準距離となる13.75mmの目盛り線S2は、他と区別するために点線で描かれている。中央に位置し、上と下からそれぞれ延びる太線S6は、レチクル板24との位置合わせの基準線である。30は検者眼OEをレチクル板24に対して所定の距離に導くための距離合わせ用第1指標であり、本実施形態では方形の枠線として形成されている。
【0013】
レチクル板24は、周辺部が黒塗りされており、内側が透明色となっている。レチクル板24には、中央に2つの三角形状のレチクル24aが上下に形成されている。また、31は照準目盛板23側の第1指標30と共に用いる距離合わせ用の第2指標であり、第1指標30と同じく方形の枠線として形成されている。また、黒塗りされた周辺部の外周部分には、VD距離の数値表示25が付されている。
【0014】
図3は、検者眼OEをレチクル板24に対して所定の距離に導くための第1指標30と第2指標31の関係を説明する図である。検者眼OEがレチクル板24からL=250mmに位置するとき、第1指標30と第2指標31が一つに重なって見えるように、それぞれの枠線の寸法AとBが決定されている。すなわち、第1指標30の寸法をA、第2指標の寸法をB、レチクル板24にある第2指標31に対して検者眼OEが位置すべき設計上の距離をL(=250mm)、第1指標30と第2指標31の距離をΔLとしたとき、
L/(L+ΔL)=B/A
の関係式が成り立つように、寸法AとBが決定されている。
【0015】
ここで、検者眼OEが距離L=250mmより近くのPに位置する場合、第2指標31の枠線に対して第1指標30の枠線が内側に位置するように見える。反対に、検者眼OEが距離L=250mmより遠くのPに位置する場合、第2指標31の枠線に対して第1指標30の枠線が外側に位置するように見える。第2指標31の枠線と第1指標30の枠線が重なって一つに見えるようにすれば、距離L=250mmのPに検者眼OEを正確に位置させることができる。
【0016】
本実施形態においては、第1指標30及び第2指標31の形状を枠線としているため、上下左右に合致させることにより検者眼OEの横方向及び縦方向位置合わせも容易に可能となる。第1指標30及び第2指標31の形状は、円形状であっても良いし、単に一つのライン形状であっても良い。また、第1指標30及び第2指標31を異なる色にすれば、さらに視認性を向上させることもできる。なお、検者眼OEの位置合わせ第1指標30及び第2指標31を設ける位置は、照準目盛板23とレチクル板24に配置に限定されるものではなく、角膜位置照準光学系20の観察光路上にあれば良い。
【0017】
被検眼PEの角膜頂点位置を確認する際には、レンズ室ユニット2の前側の窓26からレチクル板24を覗き、上記のようにレチクル板24の指標31と照準目盛板23の指標30とが一つに合致して見えるように、検者眼OEの位置を調整する。これにより、レチクル板24から距離L=250mmのところに検者眼OEを容易に位置させることができる。次に、図4のように、レチクル24aの先端と太線S6が合致して見えるように左右方向を微調整した後、被検眼PEの角膜頂点の位置を確認する。基準位置VD=13.75mmに被検眼を位置させる場合、目盛り線S2に角膜頂点が合致するように、図示なき額当てを移動させて被検眼PEを移動させる。顔の彫りが深い人や奥目の人の場合に基準位置まで移動させるのが困難である場合には、他の目盛り線S1、S3〜S5で角膜頂点の位置を確認し、その距離を基に所定の換算式により基準位置での屈折力を求める。
【0018】
図5は、第2実施形態の自覚式検眼装置の概略図である。先の実施形態と同じ要素には同一符号を付し、その説明は省略する。第2実施形態の装置における角膜位置照準光学系50は、被検眼PEの側方に配置された反射ミラー52と、反射ミラー52の反射方向の観察光路に配置された第1照準目盛板53、第2照準板54とを備える。第2照準板54はレンズ室ユニット2の前側の窓56に設けられている。第1照準目盛板53と第2照準板54はなるべく離した位置とすることが好ましい。
【0019】
図6(a)は第2照準目盛板54の構成図であり、図6(b)は第1照準目盛板53の構成図である。第2実施形態における角膜位置照準光学系50では、検眼装置1に対する検者眼OEの距離を任意に取ることを可能にするように、先の実施形態に対して第1照準目盛板53及第2照準目盛板54の指標構成が異なる。第1照準目盛板53及び第2照準板は共に透明部材からなり、それぞれ複数本の目盛線が所定の距離ピッチで形成されている。図6(a)において、第2照準目盛板54には、上から中央のやや下まで延びる3本の実線からなる目盛線Sa1、Sa2、Sa3と、下から中央のやや上まで延びる2本の点線からなる目盛線Sa4、Sa5とが形成されている。目盛線Sa1、Sa2、Sa3は、順にVD=12mm、16mm、20mmであり、目盛線Sa4、Sa5は順にVD=13.75mm、18mmである。また、各目盛線Sa1〜Sa5の間隔は、実際の距離ピッチと同寸法で形成されている。各目盛線Sa1〜Sa5の付近には、VD距離の数値表示60が付されている。このようにVDに対応する複数本の目盛線を、実線と点線とで交互に配置することにより、何れのものかが観察しやすくなる。
【0020】
第1照準目盛板53に形成された目盛線は、第2照準目盛板54に形成された目盛線Sa1〜Sa6をちょうど上下反転した形であり、実線からなる3本の目盛線Sb1、Sb2、Sb3と、点線からなる2本の目盛線Sb4、Sb5とにより構成されている。Sb1、Sb2、Sb3はVD=12mm、16mm、20mmであり、目盛線Sa4、Sa5はVD=13.75mm、18mmである。この各目盛線Sa1〜Sa5の間隔も、実際の距離ピッチと同寸法で形成されている。第1照準目盛板53及び第2照準目盛板54に形成する目盛線は全く同一でも良いが、上記のように上下反転等、互いに異なる配置で設けた方が、VDに対応するもの何れであるかを確認し易い。あるいは、互いに異なる色や異なる形状であって良い。
【0021】
このような構成の角膜位置照準光学系50を使用した被検眼PEの位置の確認について説明する。検者はレンズ室ユニット2の前側の窓56を覗き、検者眼OEを左右方向に移動することにより、第2照準板54の所望する距離の目盛線に第1照準目盛板53の対応する目盛線を合致させ、被検眼PEの位置を確認する。例えば、被検眼PEをVD=13.75mmの基準位置に位置させたい場合、図7に示すように、検者は第2照準目盛板54側の下から延びる目盛線Sa4と第1照準目盛板53の上から延びる目盛線Sb4とが、一直線に合致して見えるように、検者眼OEを左右方向に移動させる。このとき、他の目盛線はズレて見える。そして、この合致した目盛線Sa4とSb4に、被検眼PEの角膜頂点が位置するように図示なき額当てを移動させることにより、被検眼PEをVD=13.75mmに位置させることができる。この距離に被検眼PEを位置できない被検者の場合には、検者眼OEを左右方向に移動し、被検眼PEの角膜頂点に対して、第2照準目盛板54及び第1照準目盛板53のそれぞれの対応する目盛線が共に一致するところを読み取ることにより、被検眼PEのVDを確認する。
【0022】
このような角膜位置照準光学系50では、第1照準目盛板53及び第2照準目盛板54の目盛線が共に実際の距離ピッチであるので、検者は眼を左右方向に平行移動して被検眼PEの位置を確認すれば良く、第2照準目盛板54からの距離を気にすること無く、任意の見易い距離に眼を位置させれば良い。
【0023】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、正確かつ容易に角膜頂点の位置を確認できる。これにより、信頼性の高い屈折検査を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1実施形態における自覚式検眼装置の概略図である。
【図2】照準目盛板及びレチクル板の構成図である。
【図3】検者眼をレチクル板に対して所定の距離に導くための第1指標と第2指標の関係を説明する図である。
【図4】レチクルの先端と太線が合致して見えるようにし、被検眼の角膜頂点の位置を確認する時を説明する図である。
【図5】第2実施形態の自覚式検眼装置の概略図である。
【図6】第2照準目盛板及び第1照準目盛板の構成図である。
【図7】検者が第2照準目盛板側の下から延びる目盛線Sa4と第1照準目盛板の上から延びる目盛線Sb4とが、一直線に合致して見える時を説明する図である。
【図8】従来の検眼装置が備える角膜位置照準光学系の概略構成図である。
【図9】レチクル板に付された三角形状のレチクルと照準目盛板に付された目盛りの長線Sが一致して見える時を説明する図である。
【符号の説明】
2 レンズ室ユニット
3 検眼窓
4 光学素子
20 角膜位置照準光学系
21 窓
22 反射ミラー
23 照準目盛板
24 レチクル板
24a 三角形状のレチクル
26 覗き窓
30 距離合わせ用第1指標
31 距離合わせ用第2指標
50 角膜位置照準光学系
52 反射ミラー
53 第1照準目盛板
54 第2照準目盛板
56 窓
【出願人】 【識別番号】000135184
【氏名又は名称】株式会社ニデック
【住所又は居所】愛知県蒲郡市栄町7番9号
【出願日】 平成15年1月29日(2003.1.29)
【代理人】
【公開番号】 特開2004−229769(P2004−229769A)
【公開日】 平成16年8月19日(2004.8.19)
【出願番号】 特願2003−19631(P2003−19631)