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【発明の名称】 固定くぎ用ターゲット装置
【発明者】 【氏名】ニルス ザンダー

【氏名】アクセル クレーマー

【要約】 【課題】長さが異なるとともに、異なる配置の横孔を持ったくぎの挿入を可能にする固定くぎ用ターゲット装置を提供する。

【解決手段】ターゲット孔18を持つターゲットアーム12と、固定くぎを保持する保持部とを備えるターゲット装置であって、保持部(円筒部22)が、保持バー26が案内される受入れ孔を持ち、保持バー26が、くぎに対向する端部にくぎを固定する固定手段を持ち、保持バー26が、受入れ孔の領域にいくつかの凹部36を持ち、受入れ孔が、径方向に移動可能な固定要素と関連しており、固定要素は、ハンドル60によって凹部36のうちの1つと係合可能であり、固定要素が凹部36に係合すると、ターゲット孔18がくぎの横孔と整合する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の距離そして場合によっては所定の角度で互いに対してオフセット関係にある軸心を持った横孔を基部に設けた固定くぎ用の、少なくとも1つのターゲット孔を持つターゲットアームと、くぎの先端を保持するためにターゲットアームに取り付けられた保持部とを備えるターゲット装置であって、
保持部が、ターゲットアーム(12)と平行に延びる保持バー(26)が案内される受入れ孔(24)を持ち、
保持バー(26)が、くぎに対向する端部にくぎを固定する固定手段を持ち、
保持バー(26)が、受入れ孔(24)の領域にいくつかの凹部(36)を持ち、
受入れ孔(24)が径方向に移動可能な固定要素(66)と関連しており、固定要素(66)は、受入れ孔(24)内の保持バー(26)の軸方向・回転位置を設定するために、ハンドル(60)によって凹部(36)のうちの1つと係合可能であり、
固定要素(66)が凹部(36)に係合すると、ターゲット孔(18)がくぎの横孔と整合し、ハンドルが、固定要素(66)が凹部と係合しているか係合していないかを知らせる手段と関連しているような凹部(36)の配置になっている、
ことを特徴とする装置。
【請求項2】
ハンドル(60)が、受入れ孔(24)を形成した保持部(22)の径方向外部のラグ上に回転可能に支持され、タペット面(48)と相互作用する半径方向部分を作動させ、固定要素(66)がアンロック位置にある当初位置からハンドル(60)が回転すると、固定要素(66)が所定の回転向きで受入れ孔(24)内に移動し、タペット面が、アンロック位置に連結する第1タペット面部分(52)と、第1タペット面部分(52)に連結する第2タペット面部分(54)とを有し、半径方向部分の第2タペット面部分での係合が自動ロック式に生じ、ハンドル(60)または半径方向部分がばねによってアンロック方向に付勢されていることを特徴とする請求項1記載のターゲット装置。
【請求項3】
径方向のラグが円筒状であり、タペット面が円筒ラグの溝(48)によって形成され、ハンドル(60)に連結した半径方向部分が溝(48)に係合することを特徴とする請求項2記載のターゲット装置。
【請求項4】
半径方向部分が溝(48)内でラグを貫通して半径方向に延びるクロスピン(62)からなることを特徴とする請求項3記載のターゲット装置。
【請求項5】
固定ピン(66)がコイルばね(68)を収容した軸孔を持ち、そのばねの他端がクロスピン(62)上で支持されることを特徴とする請求項2から4のいずれか1項記載のターゲット装置。
【請求項6】
クロスピンの(62)が固定ピン(66)の横孔を貫通することを特徴とする請求項4または5記載のターゲット装置。
【請求項7】
受入れ孔(24)が、径方向外部のガジオン(80)によってターゲットアームの凹部内に収容される構成の円筒要素(22)によって形成されることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項記載のターゲット装置。
【請求項8】
円筒要素(22)が、保持バー(26)の目視を可能にする少なくとも1つの窓(56、58)を持っていることを特徴とする請求項7記載のターゲット装置。
【請求項9】
受入れ孔(24)が、固定要素(66)にほぼ対向するプリズム状の面(40、42)を持ち、保持バー(26)が固定要素(66)によって面(40、42)に押圧されることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項記載のターゲット装置。
【請求項10】
保持バー(26)が、それぞれ固定要素(66)と係合可能な環状溝(27)を凹部の領域に持っていることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項記載のターゲット装置。

【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、所定の距離そして場合によっては所定の角度で互いに対してオフセット関係にある軸心を持った横孔を基部に設けた固定くぎ用の、少なくとも1つのターゲット孔を持つターゲットアームと、くぎの先端を保持するためにターゲットアームに取り付けられた保持部とを備えるターゲット装置に係り、特に顆上用くぎに適したターゲット装置に関する。
【背景技術】
【0002】
公知のように、顆上用くぎは大腿骨の端部経由で骨管に打ち込まれる。それらは大腿骨の顆部位の骨折の手当てに役立つ。この種のくぎは固定くぎとして設計される。つまり、大腿骨にくぎをしっかりと固定するために、固定ねじを通す横孔を備える。固定くぎの横孔の場所を見つけるためにターゲット装置が必要となる。
【0003】
固定くぎ用のターゲット装置の1つのカテゴリーでは、ターゲット装置が固定くぎの端部に取り付けられる。この場合、ターゲット装置は、くぎを大腿骨管に打ち込むための器具としても役立つ。そのターゲットアームに、くぎ軸部の孔と整合する少なくとも1つのターゲット孔が形成されている。くぎが打ち込まれた後、固定ねじがねじ込まれる前に、ターゲット孔を介して骨に穴があけられる。
【0004】
固定くぎには横孔が異なる角度および距離で配置されることが知られている。また、くぎの周方向に所定の角度で横孔の軸心をオフセットさせることが知られている。さらに、先端からの距離が異なる横孔を、異なる長さのくぎに備えることも知られている。特別の方策を講じなければ、異なるくぎの各々のために個別のターゲット装置が必要となる。そのようなくぎを備える場合、容認できない程の多額の経費になろう。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、本発明の目的は、長さが異なるとともに、異なる配置の横孔を持ったくぎの挿入を可能にする固定くぎ用ターゲット装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的はクレーム1の特徴によって達成される。
【0007】
発明のターゲット装置では、ターゲット装置に固定くぎをつなぐ保持部が、保持バーを受け入れる受入れ孔を持っている。受入れ孔内に位置する保持バーは、少なくとも1つのターゲット孔を持つターゲットアームとほぼ平行に延びる。この種のターゲット装置は、DE 202 04 655 U1に記載されている。保持バーは、ターゲット孔内に位置する領域に凹部を持っている。凹部は、例えば、受入れ孔の軸心に対して半径方向に移動可能な固定ピンと係合することができる。したがって、固定ピンは保持バーの軸心方向位置および回転位置の両方を決定する。保持バーは固定くぎの対応する端部を位置づける手段を持っている。これらは、くぎの端部にねじ込まれ、中空の保持バーを貫通するねじ付きピンを共通に含んでいて、くぎと保持ピンが互いに対して強固に引き寄せられるように、ピンの他端がナットによる引張応力を受ける。さらに、くぎと保持ピンの相互作用手段が、これら要素の互いに対する所定の回転位置を定める。
【0008】
固定ピンはハンドルによって操作され、凹部と係合したり係合を解除することができる。保持バーの凹部の位置は、固定ピンが凹部内にあるとき、ターゲットアームのターゲット孔をくぎの横孔に整合させるようになっている。
【0009】
異なる寸法あるいは異なる配置の横孔を持つ固定くぎのメーカーは、当然そのようなくぎのわずか1セットしか生産しない。このセットは通常生じる治療例すべてに適用することになっている。従って、保持バーは、そのセットの個々のくぎの横孔に適合する最大数の凹部を持てばよいことになる。もちろん、ある複数の固定くぎに適合する複数の保持バーを提供することも考えられる。
【0010】
発明によれば、ハンドルは固定要素ないしピンが凹部の1つと係合しているか否かを知らせる手段と関連している。これによって、外科医はターゲット装置とくぎとが所定通り連結しているかを認識することができる。従って、いかなる手術の不具合をも防止できる。
【0011】
発明のひとつの観点によれば、受入れ孔を呈する保持部の半径方向外部のラグ上でハンドルが回転可能に支持される。このハンドルは回転ノブ等からなることが望ましい。ハンドルはタペット面と相互作用する半径方向部分を作動させ、固定要素がアンロック位置にある当初位置からハンドルが回転すると、固定要素が所定の回転向きで受入れ孔内に移動する。アンロック位置に連結するタペット面は、第1タペット面部分を持ち、それは別の第2タペット面部分に連結する。半径方向部分と第2タペット面部分の係合が自動ロック式に生じる。ハンドルまたは半径方向部分は、ばねによってアンロック方向に付勢されている。
【0012】
したがって、半径方向部分が第1タペット表面部分にあると、ハンドルを自動的に解放位置へ戻し、固定要素をも解放位置に移動させる。反対に、半径方向部分が第2タペット面部分にあると、自動ロック状態になり、ロック位置は単独で再び解除されない。
【0013】
上記作用は以下の効果を奏する。固定要素が保持バーの凹部の外にあると、ハンドルはある程度回転することができるが、半径方向部分が第2タペット表面部分へ移動することはできない。その結果、アンロック位置へ急復帰する。これは外科医が即座に理解することができる。しかし、固定要素が凹部に入ると、半径方向部分は第2タペット表面部分へ移動でき、従ってロック位置にとどまる。
【0014】
固定要素がばねによって付勢されていると、凹部に容易に到達できるから好都合である。凹部付近に環状溝を設けることも到達を容易にする。
【0015】
発明の他の観点によれば、径方向のラグが円筒状であり、タペット面部分が円筒ラグの少なくとも1つの溝によって形成される。ハンドルは半径方向部分によって溝に係合する。発明の別の観点によれば、半径方向部分は、ラグを貫通して半径方向に延び、好ましくはハンドルの両端に固定されたクロスピンからなる。このためには、ラグに2つの等しい溝を設けることが必要である。同時に、クロスピンは、固定要素を軸心方向に変位させるために、固定要素の横孔を貫通させてもよい。
【0016】
発明の他の観点によれば、受入れ孔が、径方向外部のガジオンによってターゲットアームに取り付けられる構成の円筒要素に形成される。例えば、ターゲットアームを適当なプラスチック材または金属で一体形成するとともに、ガジオン付きの円筒要素を別の金属で形成することができる。
【0017】
発明のさらに別の観点によれば、円筒要素が、保持バーの目視を可能にする少なくとも1つの窓を持っている。保持バーに数字等を設け、保持バーがある姿勢になると窓から数字が見えるよう構成できる。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係るターゲット装置によれば、固定くぎの横穴に応じて保持バーにいくつかの凹部を設けておき、保持バーの受入れ孔に径方向に移動可能に固定要素を設け、この固定要素を所定の凹部に係合させることにより、ターゲット孔と固定くぎの横孔とが整合するので、長さが異なったり、配置位置の異なる横孔を持った固定くぎであって、共通のターゲット装置で固定くぎを挿入することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、図面に示す実施例を参照して発明をより詳細に説明する。
【0020】
図1〜図3を参照すると、ターゲット装置が概ね符号10で示されている。それはターゲットアーム12を持っている。ターゲットアーム12は、比較的厚い塊状部14と、スロットによって塊状部14から分けられた弾性部16を持っている。それらの2部分をターゲット孔18が横切って延びる。弾性部16は、ターゲット孔18内に導入されたピンまたはターゲットスリーブを、想定された位置に位置づけることができる。しかし、この原理自体は公知である。
【0021】
ターゲットアーム12は湾曲部20に連結し、この湾曲部20の端部には円筒部22が取り付けられている。円筒部22については、図5〜図7を参照して詳細に後述する。
【0022】
円筒部22は保持バー26を受け入れる受入れ孔24を持っている。保持バー26は第1円筒部分28を呈し、その端部に、詳細に図示しない方法で、例えばDE 202 04 655 U1に示されるように、図外の固定くぎの端部を取り付けることができる。固定くぎは、例えば顆上用くぎでもよい。保持バー26の大径の円筒部分30が円筒部22の受入れ孔24を貫通する。保持バー26の他端に、テンションバーのねじ山にねじ止めされたナット32が示されている。そのテンションバーは図示されていないが、中空の保持バー26を貫通している。その前端は符号34で略示されている。それは固定くぎの雌ねじ内にねじ止めされて、くぎを保持バー26の左側端に対して緊張状態にする。くぎと保持バー26の間の適切な手段によって、固定くぎを保持バー26に対する回転位置に設定することもできる。
【0023】
円筒部分30には、間隔をおいたいくつかの凹部が設けられている。その1つが図1中に符号36で示されている。それは環状溝27に設けられている。
【0024】
円筒部22は図5〜図7に詳細に示されている。受入れ孔24は厳密には円筒形でなく、2箇所40、42に平坦な表面部分が形成されていることが理解されよう。これらの表面部分のほとんど直径方向反対側の円筒部22の外側には、円筒部22の開口46を介して受入れ孔24へ延びるスリーブ部分44が取り付けられている。図5〜図7からさらに明らかなように、スリーブ部分44は直径方向に対向して配置された2つの溝48を持っている。溝48は、図5中に符号50で示されるように、その一端が直径方向に対向配置される。この部分は比較的急な第1溝部分52に連結している。それは比較的平坦な溝部分54に連結する。そのような溝が図8の展開図に示されている。比較的急な溝部分52は35°の上昇角を持っていることが分かる。より平坦で長い溝部分54は約5°の上昇角になっている。
【0025】
図6および図7は、円筒部22が直径方向に対向する窓56、58を持っていることを示すが、その窓の機能は後述する。
【0026】
図4で、スリーブ部分44に回転ノブ60が回転可能に支持されていることが理解されよう。回転ノブ60は、それを直径方向に横断する駆動ピンないしクロスピン62が設けられている。クロスピン62は2つの溝48を貫通している。溝48内のピン62の位置によって、回転ノブ60はスリーブ部分44上での異なる軸心方向位置になる。
【0027】
スリーブ部分44内に、固定ピン66が軸心方向にスライド可能に配置される。それは図4中の下部領域において中空に設計されている。さらに、それはピン62を受け入れる横孔を持っている。固定ピン66の軸孔にコイルばね68が収容されている。ピン66の塊状固定部70が開口46を介して受入れ孔24内へ延びる。図4は、部分70が受入れ孔24内へ径方向に最も深く入り込んだ固定ピン66の状態を示す。それ以上の軸心方向の動きはピン66の外側段部によって制限される。その段部は図示されないが、開口46の縁に当接する。
【0028】
上記構成のアンロック状態で、クロスピン62は溝48の端部50に位置する。したがって、固定ピン66は図4に示す位置から下降しているが、その部分70は受入れ孔24内にわずかに突出している。図1の保持バー26が受入れ孔24に導入されると、固定部70が凹部36にはまる。そして、回転ノブ60をまわせば、固定部70を凹部36に完全に係合させることができる。これはクロスピン62が溝部分54に入るまで回転ノブをまわすことが必要である。この部分54に達すれば、溝部54の角度が非常に小さいから、自動ロック状況が生じる。これはノブ60の自動的な復帰回転を阻止する。
【0029】
しかし、固定部70が凹部36に部分的に嵌っていない状態で固定ピン66を操作すると、回転ノブ60の回転、従って固定ピン66の変位によって、固定部70が円筒部分30の外面に当接することになる。この段階では、クロスピン62は溝部分52内で移動できるだけであり、溝部分54に到達できない。したがって、固定ピン66が凹部36に係合しない場合、ばね68の作用で、回転ノブ60は自動的に元の位置へ回転することになる。いかなる手術の不具合をも排除するように、外科医はこれを確認することができる。
【0030】
保持バー26が受入れ孔24内に位置している間、固定ピン66の変位のために径方向の圧力が保持バー26の円筒部分30に作用する。その結果、保持バー26がプリズム状の面40、42に対して押圧されて、安全に適所に位置づけられる。
【0031】
外科医は窓58を通して受入れ孔24の内部を見て、マークまたは数字が窓58に現われるか確かめ、これによって固定ピン66がどの凹部36に係合しているかを推定することができる。各凹部36が図外の固定くぎのいずれかの横孔に適合するから、外科医はターゲット装置10のターゲット孔18がどの固定孔と整合するかを知ることもできる。
【0032】
完全のために、スリーブ部分44に対向してガジオン80が円筒部22に取り付けられることを付言する。ガジオン80は、ターゲット照準装置10の保持部20の凹部に安全に取り付けられる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】図1は発明によるターゲット装置の斜視図を示す。
【図2】図2は保持バーを除いた図1のターゲット装置の側面図を示す。
【図3】図3は図2の構成の縦断面を示す。
【図4】図4は図3の円で囲んだ部分4の拡大図を示す。
【図5】図5は、図3のターゲット装置の構成要素の、矢印5の方向の側面図を示す。
【図6】図6は、図5の構成要素の、矢印6の方向の側面図を示す。
【図7】図7は図6の7−7線断面図を示す。
【図8】図8は、図5〜図7の構成要素の溝の角度の図を示す。
【符号の説明】
【0034】
10 ターゲット装置
12 ターゲットアーム
18 ターゲット孔
22 円筒部
24 受入れ孔
26 保持バー
36 凹部
60 ハンドル
66 固定ピン

【出願人】 【識別番号】500508888
【氏名又は名称】シュトライカー・トラウマ・ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】Stryker Trauma.GmbH
【住所又は居所原語表記】Professor−K▲u▼ntscher−Strasse 1−5,2314 Sch▲o▼nkirchen,Federal Republic of Germany
【出願日】 平成15年10月31日(2003.10.31)
【代理人】 【識別番号】100093056
【弁理士】
【氏名又は名称】杉谷 勉

【公開番号】 特開2004−154574(P2004−154574A)
【公開日】 平成16年6月3日(2004.6.3)
【出願番号】 特願2003−371807(P2003−371807)