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【発明の名称】 超音波プローブ
【発明者】 【氏名】梅田 學
【住所又は居所】東京都日野市旭が丘四丁目7番地の127 ジーイー横河メディカルシステム株式会社内

【氏名】水野 隆
【住所又は居所】東京都日野市旭が丘四丁目7番地の127 ジーイー横河メディカルシステム株式会社内

【要約】 【課題】穿刺のための前作業の省力化が可能な超音波プローブを実現する。

【解決手段】超音波トランスデューサ(112)と、穿刺針用の貫通孔が設けられた針受け部を有する穿刺針ガイド(130)と、超音波トランスデューサを収容するとともに針受け部を凹部(116)内に引き込んだ状態および凹部外に突出させた状態をそれぞれ形成するように穿刺針ガイドを支持するエンクロージャ(110)とを具備する。穿刺針ガイドは直線的な変位または円弧状の変位によって前記2つの状態を形成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波トランスデューサと、
穿刺針用の貫通孔が設けられた針受け部を有する穿刺針ガイドと、
前記超音波トランスデューサを収容するとともに前記針受け部を凹部内に引き込んだ状態および凹部外に突出させた状態をそれぞれ形成するように前記穿刺針ガイドを支持するエンクロージャと、
を具備することを特徴とする超音波プローブ。
【請求項2】
前記穿刺針ガイドは直線的な変位によって前記2つの状態を形成する、
ことを特徴とする請求項1に記載の超音波プローブ。
【請求項3】
前記貫通孔は方向が異なる複数の貫通孔である、
ことを特徴とする請求項2に記載の超音波プローブ。
【請求項4】
前記穿刺針ガイドは円弧状の変位によって前記2つの状態を形成する、
ことを特徴とする請求項1に記載の超音波プローブ。
【請求項5】
前記穿刺針ガイドは変位量が変更可能である、
ことを特徴とする請求項4に記載の超音波プローブ。
【請求項6】
前記穿刺針ガイドは変位量を表す指標を有する、
ことを特徴とする請求項5に記載の超音波プローブ。
【請求項7】
前記穿刺針ガイドは前記エンクロージャに対して着脱可能である、
ことを特徴とする請求項1ないし請求項6のうちのいずれか1つに記載の超音波プローブ。
【請求項8】
前記穿刺針ガイドは前記針受け部が着脱可能である、
ことを特徴とする請求項1ないし請求項7のうちのいずれか1つ超音波プローブ。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、超音波プローブ(probe)に関し、特に、穿刺針を取り付けることが可能な超音波プローブに関する。
【0002】
【従来の技術】
超音波診断では、対象の内部に超音波を送波してそのエコー(echo)を受信し、エコー受信信号に基づいて、対象の断層像をはじめとする各種の診断情報を生成する。
【0003】
超音波の送受信は超音波プローブを通じて行われる。超音波プローブは用途に合わせて複数種類用意され、診断の目的に応じて適宜のものが使用される。患部の生検等のために、超音波診断に並行して穿刺針による穿刺が行われる。穿刺を行う場合は、超音波プローブに穿刺用の補助器具を装着し、この補助器具に穿刺針を取り付けて穿刺を行う(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−340334号公報(第5,6頁、図8,9)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような補助器具を用いるので、穿刺を行うにあたっては、まず超音波プローブの種類に適合した補助器具を選定し、それを超音波プローブに適正に装着しなければならない。このため、穿刺を行う場合は所定の前作業が必要とされる。
【0006】
そこで、本発明の課題は、穿刺のための前作業の省力化が可能な超音波プローブを実現することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するための本発明は、超音波トランスデューサと、穿刺針用の貫通孔が設けられた針受け部を有する穿刺針ガイドと、前記超音波トランスデューサを収容するとともに前記針受け部を凹部内に引き込んだ状態および凹部外に突出させた状態をそれぞれ形成するように前記穿刺針ガイドを支持するエンクロージャと、を具備することを特徴とする超音波プローブである。
【0008】
本発明では、超音波プローブのエンクロージャが、針受け部を凹部内に引き込んだ状態および凹部外に突出させた状態をそれぞれ形成するように穿刺針ガイドを支持するので、穿刺を行うときは、針受け部を凹部の外に突出させ、それに穿刺針を取り付けて穿刺を行えばよい。このため、穿刺のための前作業が省力化される。
【0009】
前記穿刺針ガイドは直線的な変位によって前記2つの状態を形成することが、穿刺針ガイドの構成を簡素化する点で好ましい。
【0010】
前記貫通孔は方向が異なる複数の貫通孔であることが、穿刺針の穿刺方向を適宜に選択可能な点で好ましい。
【0011】
前記穿刺針ガイドは円弧状の変位によって前記2つの状態を形成することが、変位量が穿刺方向を規定する点で好ましい。
【0012】
前記穿刺針ガイドは変位量が変更可能であることが、穿刺方向を適宜に設定する点で好ましい。
【0013】
前記穿刺針ガイドは変位量を表す指標を有することが、穿刺方向の設定を容易にする点で好ましい。
【0014】
前記穿刺針ガイドは前記エンクロージャに対して着脱可能であることが、洗浄等を容易にする点で好ましい。
【0015】
前記穿刺針ガイドは前記針受け部が着脱可能であることが、太さが異なる穿刺針への対応を容易にする点で好ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。なお、本発明は実施の形態に限定されるものではない。図1に超音波診断装置のブロック(block)図を示す。同図に示すように、本装置は、超音波プローブ100を有する。超音波プローブ100は本発明の実施の形態の一例である。本プローブの構成によって、本発明の超音波プローブに関する実施の形態の一例が示される。
【0017】
超音波プローブ100は、送受信部202に接続されている。送受信部202は、超音波プローブ100に駆動信号を与えて超音波を送波させる。送受信部202は、また、超音波プローブ100が受波したエコー信号を受信する。
【0018】
送受信部202は診断情報生成部204に接続されている。診断情報生成部204は、送受信部202を通じてエコー受信信号を入力し、このエコー受信信号に基づいて診断情報を生成する。
【0019】
診断情報としては、例えば、Bモード(mode)画像、カラードップラ(color Doppler)画像、ドップラスペクトラム(Doppler spectrum)画像等が生成される。Bモード画像は診断対象の断層像を表す。カラードップラ画像は、診断対象における血流等の速度分布像を表す。ドップラスペクトラム画像はドップラ信号のスペクトラムを表す。このような診断情報が、診断情報生成部204に接続された表示部206で表示される。
【0020】
送受信部202、診断情報生成部204および表示部206は制御部208によって制御される。制御部208には操作部210が接続されている。操作部210は使用者によって操作され、制御部208に適宜の指令や情報を入力するようになっている。
【0021】
図2に、超音波プローブ100の一例の主要部の外観を示す。同図の(a)および(b)は互いに90゜異なる2方向から見た側面図である。(a)は超音波プローブ100の扁平面側を示し、(b)は厚み側を示す。
【0022】
同図に示すように、超音波プローブ100は、本体110に柄120が付いたものとなっている。本体110は概ね半円板状の外形をなす。柄120は概ね棒状の外形をなす。本体110の円弧状に張り出した部分が超音波の送受波部112となっている。送受波部112の内側には超音波トランスデューサ114が設けられている。
【0023】
本体110および柄120の外面は、例えばプラスチック(plastics)材料等で一体的に構成されたエンクロージャ(enclosure)となっている。ただし、送受波部112に相当する部分は、例えばシリコンゴム(silicon rubber)等の超音波透過性の良い材料で構成される。
【0024】
エンクロージャは、本体110に相当する部分に凹部116を有する。凹部116は、本体110の扁平面ではない方の側面に開口を有し、そこから本体110の内部に向かって概ね水平に凹入するように形成されている。
【0025】
凹部116には穿刺針ガイド130が挿入されている。穿刺針ガイド130は端面につまみ132を有する。つまみ132は、それを摘んで使用者が穿刺針ガイド130を凹部から引き出すためのものである。穿刺針ガイド130およびつまみ132からなる部分は、プラスチックやステンレススチール(atainless steel)等適宜の材料によって構成される。
【0026】
図3に、穿刺針ガイド130を引き出した状態を示す。穿刺針ガイド130は、概ね直方体状の外形を有する。凹部116は穿刺針ガイド130の外形に適合した形状を有する。穿刺針ガイド130はその長手方向に沿って直線的に出し入れ可能となっている。これによって、穿刺針ガイド130の構成を簡素化することができる。穿刺針ガイド130の引き出し長が予め定められた長さとなるように、適宜の規制機構が凹部116に設けられている。
【0027】
図4に、穿刺針ガイド130が凹部116から引き出された状態を略図によって示す。なお、つまみ132は図示を省略する。同図に示すように、穿刺針ガイド130は、凹部116の開口118から所定長引き出されている。
【0028】
引き出し長の規制は、例えば、穿刺針ガイド130の側面に設けられた突起134が、凹部116の壁面の所定の箇所に設けられた穴136に嵌合することによって行われる。突起134は、例えば半球状の突起であり、内部のバネ等の力によって穿刺針ガイド130の側面から突出するようになっている。なお、引き出し長を規制する機構は、これに限らず例えばラチェット(rachet)機構等適宜の機構であってよい。
【0029】
穿刺針ガイド130は、引き出された部分が針受け部140となっている。針受け部140には、複数の貫通孔142,144,146が設けられている。貫通孔142,144,146には番号が付されている。ここでは、貫通孔の数が3である例を示すが3に限らず適宜の複数であって良い。あるいは、貫通孔は単一であっても良い。
【0030】
貫通孔142,144,146は、いずれも針受け部140の上面から下面に貫通している。上面側が各貫通孔の入口であり下面側が出口である。入口側では、貫通孔142,144,146は穿刺針ガイド130の長手方向の軸線に沿って所定の間隔で並んでいる。出口側では、全ての貫通孔142,144,146が1つにまとめられている。これによって、各貫通孔はそれぞれ中心線の方向が異なるものとなる。以下、貫通孔の中心線の方向を単に貫通孔の方向ともいう。なお、貫通孔の出口は1つにまとめる必要はなく、別々にしても良い。ただし、その場合は、各出口は複数の貫通孔の方向がそれぞれ異なるように位置決めされる。
【0031】
貫通孔142,144,146には、いずれか1つを選んで穿刺針が挿通される。穿刺針の穿刺方向は、挿通した貫通孔の方向によって定まる。これによって、穿刺針ガイド130は、穿刺針の穿刺方向を複数通りに規定するものとなる。なお、穿刺針の挿通をやりやすくするために、各貫通孔は入口側を漏斗状に形成するのがよい。
【0032】
超音波プローブ100がこのような穿刺針ガイド130を備えているので、超音波診断に並行して穿刺を行う場合は、使用者は、超音波プローブ100から穿刺針ガイド130を引き出し、適宜の貫通孔を選んで穿刺針を挿通すればよい。したがって、従来のように、穿刺補助器具を超音波プローブ100に取り付け、それを利用して穿刺を行うのに比べて、穿刺のための前作業を大幅に省力化することができる。また、部品点数を削減することができる。さらに、超音波プローブの外観が整然としたものになる。
【0033】
穿刺針ガイド130は、さらに引き出すことにより、凹部116から抜き出すことができる。したがって、使用後に超音波プローブ100と穿刺針ガイド130の洗浄や滅菌を行うことが容易になる。
【0034】
穿刺針ガイド130は、貫通孔の径や方向が異なるものを複数種類用意し、穿刺針の太さや穿刺方向に応じて適宜のものを選択して使用するようにしても良い。あるいは、穿刺針ガイド130を、針受け部140が着脱可能な構造とし、貫通孔の径や方向が異なる針受け部を複数種類用意し、適宜付け替えて使用するようにしても良い。
【0035】
図5に、超音波プローブ100の他の例の主要部の外観を示す。同図の(a)および(b)は互いに90゜異なる2方向から見た側面図である。(a)は超音波プローブ100の扁平面側を示し、(b)は厚み側を示す。同図において、図2に示したものと同様の部分は、同一符号を付して説明を省略する。
【0036】
同図に示すように、エンクロージャは、本体110に相当する部分に凹部116’を有する。凹部116’は、本体110の扁平面ではない方の側面に開口を有し、そこから本体110の内部の下方に向かって円弧状に凹入するように形成されている。開口の上部にはマーク(mark)138が設けられている。
【0037】
凹部116’には穿刺針ガイド130’が挿入されている。穿刺針ガイド130’は端面につまみ132を有する。つまみ132は、それを摘んで使用者が穿刺針ガイド130’を凹部から引き出すためのものである。穿刺針ガイド130’およびつまみ132からなる部分は、プラスチックやステンレススチール等適宜の材料によって構成される。
【0038】
図6に、穿刺針ガイド130’を引き出した状態を示す。穿刺針ガイド130’は外形が部分円環状となっている。横断面は概ね矩形である。凹部116は穿刺針ガイド130’の外形に適合した形状を有する。穿刺針ガイド130’はその長手方向に沿って出し入れ可能となっている。出し入れの軌跡は上に凸の円弧状となる。穿刺針ガイド130’の引き出し長が予め定められた長さとなるように、適宜の規制機構が凹部116’に設けられている。
【0039】
図7に、穿刺針ガイド130’が凹部116’から引き出された状態を略図によって示す。なお、つまみ132は図示を省略する。同図に示すように、穿刺針ガイド130’は、凹部116’の開口118から所定長引き出されている。
【0040】
引き出し長の規制は、例えば、穿刺針ガイド130’の側面に設けられた突起134’が、凹部116’の壁面の所定の箇所に設けられた穴136’に嵌合することによって行われる。穴136’は複数個設けられ、穿刺針ガイド130の引き出し長の規制が複数通り行えるようになっている。
【0041】
突起134’は、例えば半球状の突起であり、内部のバネ等の力によって穿刺針ガイド130’の側面から突出するようになっている。なお、引き出し長を規制する機構は、これに限らず例えばラチェット機構等適宜の機構であってよい。
【0042】
穿刺針ガイド130’は、引き出された部分が針受け部140’となっている。針受け部140’には、貫通孔142’が設けられている。貫通孔142’は、針受け部140’の上面から下面に貫通している。上面側が各貫通孔の入口であり下面側が出口である。
【0043】
穿刺針ガイド130の引き出し長は、エンクロージャの開口118の上部のマーク138と針受け部140’に設けられた目盛152によって示される。目盛には引き出し長を示す数値が付されている。これによって、使用者は引き出し量を適宜に調節することができる。ここでは、引き出し長が3段階に規制される例を示したが、それ以上または以下の複数段階、あるいは、単一段階に規制するようにしてもよい。
【0044】
穿刺針ガイド130’の外形が部分円環状となっているので、引き出し長に応じて貫通孔142’の中心線の方向が変わる。以下、貫通孔の中心線の方向を単に貫通孔の方向ともいう。
【0045】
貫通孔142’には穿刺針が挿通される。穿刺針の穿刺方向は貫通孔142’の方向によって定まる。これによって、穿刺針ガイド130’は、穿刺針の穿刺方向を複数通りに規定するものとなる。穿刺方向が穿刺針ガイド130’の引き出し長に応じて変わるので貫通孔は1つでよい。なお、穿刺針の挿通をやりやすくするために、各貫通孔は入口側を漏斗状に形成するのがよい。
【0046】
超音波プローブ100がこのような穿刺針ガイド130’を備えているので、超音波診断に並行して穿刺を行う場合は、使用者は、超音波プローブ100から穿刺針ガイド130’を適宜の長さだけ引き出し、貫通孔142’に穿刺針を挿通すればよい。したがって、従来のように、穿刺補助器具を超音波プローブ100に取り付け、それを利用して穿刺を行うのに比べて、穿刺のための前作業を大幅に省力化することができる。また、部品点数を削減することができる。さらに、超音波プローブの外観が整然としたものになる。
【0047】
穿刺針ガイド130’は、さらに引き出すことにより、凹部116’から抜き出すことができる。したがって、使用後に超音波プローブ100と穿刺針ガイド130’の洗浄や滅菌を行うことが容易になる。
【0048】
穿刺針ガイド130’は、貫通孔の径が異なるものを複数種類用意し、穿刺針の太さに応じて適宜のものを選択して使用するようにしても良い。あるいは、穿刺針ガイド130’を、針受け部140’が着脱可能な構造とし、貫通孔の径が異なる針受け部を複数種類用意し、適宜付け替えて使用するようにしても良い。
【0049】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、穿刺のための前作業の省力化が可能な超音波プローブを実現することことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】超音波診断装置のブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態の一例の主要部の構成を示す略図である。
【図3】穿刺針ガイドの引き出し状態を示す略図である。
【図4】穿刺針ガイドの引き出し状態を示す略図である。
【図5】本発明の実施の形態の他の例の主要部の構成を示す略図である。
【図6】穿刺針ガイドの引き出し状態を示す略図である。
【図7】穿刺針ガイドの引き出し状態を示す略図である。
【符号の説明】
100 超音波プローブ
110 本体
120 柄
112 超音波トランスデューサ
114 送受波面
116 凹部
130 穿刺針ガイド
140 針受け部
142〜146 貫通孔
【出願人】 【識別番号】300019238
【氏名又は名称】ジーイー・メディカル・システムズ・グローバル・テクノロジー・カンパニー・エルエルシー
【住所又は居所】アメリカ合衆国・ウィスコンシン州・53188・ワウケシャ・ノース・グランドヴュー・ブールバード・ダブリュー・710・3000 
【出願日】 平成14年10月15日(2002.10.15)
【代理人】 【識別番号】100085187
【弁理士】
【氏名又は名称】井島 藤治

【識別番号】100090424
【弁理士】
【氏名又は名称】鮫島 信重

【公開番号】 特開2004−129976(P2004−129976A)
【公開日】 平成16年4月30日(2004.4.30)
【出願番号】 特願2002−299933(P2002−299933)